巨人(☆10対3★)広島 =リーグ戦13回戦(2020.09.21)・東京ドーム=
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広島
2000000013821
巨人
11130301X101912
勝利投手:鍵谷 陽平(3勝1敗0S)
敗戦投手:九里 亜蓮(4勝5敗0S)

本塁打
【広島】田中 広輔(5号・1回表2ラン)
【巨人】松原 聖弥(2号・2回裏ソロ),中島 宏之(7号・4回裏ソロ)

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◆巨人は3-2で迎えた4回裏、中島のソロと吉川尚の適時打などで3点を加える。その後は6回に、坂本と岡本の連続適時打が飛び出すなど、終わってみれば19安打で10得点を挙げた。投げては、3番手・鍵谷が今季3勝目。敗れた広島は、先発・九里が振るわなかった。

◆広島田中広輔内野手(31)が先制の5号2ランを放った。 今季2度目の「2番遊撃」で先発出場。初回に先頭の大盛が左前打で出塁し無死一塁となって、巨人直江の高め144キロ直球を振り抜き、ライトスタンド上段に運んだ。「上からしっかりたたくことが出来ました。先制点につながって良かった」とコメントした。

◆巨人直江大輔投手(20)のプロ初安打は幻となった。同点に追いついた直後の2回2死、広島九里の初球の外角143キロを逆らわず打ち返した。打球はライナーで一、二塁間を破ったが、前進守備を敷いていた右翼手の正面へ。強すぎた打球が災いし、ライトゴロとなった。 8月23日のプロ初先発から2打数無安打でこの打席を迎えていた。

◆巨人岡本和真内野手(24)が適時打を放った。2点を追う1回2死二塁、広島先発九里の146キロを中前にはじき返した。 「打ったのはシュート。1点ですが、すぐに取り返せたのは良かった。追いつきたい。打てて良かったです」とコメントした。

◆巨人亀井善行外野手(38)が本塁でのクロスプレーで負傷し、途中交代した。 同点の3回1死満塁、丸の一ゴロで本塁へ突入。スライディングで勝ち越し点を挙げたが、そのまま本塁付近に倒れ込んだ。トレーナーに肩を借りベンチへ戻り、4回の守備から交代となった。

◆巨人中島宏之内野手(38)が、7号ソロを放った。1点リードの4回先頭。144キロを右中間へ運んだ。「追加点が取れて良かったね」とコメントした。

◆巨人松原聖弥外野手(25)が、2号同点ソロを放った。 1点を追う2回2死。広島九里のチェンジアップを捉え、右中間スタンドへ運んだ。「ツーアウトだったので、思い切っていきました。最高の結果につながりました。追いつけてよかったです」とコメントした。

◆巨人直江大輔投手(20)が4回1/3を4安打2失点で降板し、プロ初勝利を逃した。 今季3度目の登板は初回に田中広に2ランを浴び先制を許した。2回以降は立ち直り、4回までは二塁打1本に抑えたが、勝ち投手の権利を目前にした5回に崩れた。1死から連続四死球を与え、一、二塁のピンチを背負った場面で降板。ベンチに戻ると原監督や阿部ヘッド代行から語りかけられ、目に涙を浮かべた。「先制されたが、切り替えて立て直すことができましたが、最後の最後で自分の弱いところが出てしまった。そこが一番悔しいです」と言葉を振り絞った。

◆先発した広島九里亜蓮投手(29)が4回を投げ、ともに今季ワーストタイの9安打、6失点で降板した。 初回に田中広の先制2ランで援護点をもらいながらも、毎回失点を許し、先発としての役割を果たすことができなかった。右腕は「先制してもらったのにリードを守り切れず申し訳ないです。早いイニングで降板してしまったので中継ぎのピッチャーにも負担をかけてしまいました。防げた失点もあったので、そこは反省点です」とコメントした。

◆巨人坂本勇人内野手が今季8度目の猛打賞で、通算では159度目。 猛打賞の最多記録は張本(ロッテ)の251度で、セ・リーグ記録は長嶋(巨人)の186度。坂本の159度は若松(ヤクルト)に並びセ・リーグ6位タイとなった。また、この日の3安打で通算1958安打とし、2000安打まで残り42本。今季は42試合残っており、1試合1本のペースで打てば今季中に達成できそうだ。

◆広島は1回に田中広の5号2ランで先制。巨人は1回に岡本の適時打、2回は松原の同点ソロ、3回は丸の一塁ゴロで勝ち越した。 巨人は4回に中島のソロと吉川尚、坂本の適時打で3点を追加。6回は坂本の2点適時二塁打と岡本の適時打で3点を奪った。 巨人は8回にも1点を追加し快勝。マジックを31とした。広島は投打に精彩を欠き2連敗。 巨人鍵谷は3勝目。九里が4回6失点で5敗目を喫した。

◆セ・リーグ首位の巨人が5位広島と対戦。 巨人は2点を追う1回に岡本が適時打、2回には松原の同点ソロ、3回は丸の一ゴロで勝ち越した。4回には中島の本塁打などで3点を追加。6回に坂本の2点適時二塁打と岡本の適時打で3点を奪い、継投で逃げ切り勝利した。広島は1回に田中広の本塁打で先制したが、投手陣が19安打10点を許し敗れた。

◆広島九里亜蓮投手は4回を投げ、ともに今季最多タイの9安打6失点で5敗目を喫した。 初回に2点の援護をもらいながら、毎回失点を許し先発の役割を果たせず。「先制してもらったのにリードを守り切れず申し訳ないです」。中継ぎの今村は3失点、ケムナも1失点と火に油を注ぎ、投手陣は今季最多の19安打を浴び、10失点。借金は再び今季最多の10に戻った。 ▽広島佐々岡監督(九里について)「先制したのに、やっぱり先発が試合を作らないとチームも乗っていけない。点の取られ方が悪い」

◆セ・リーグ首位を独走する巨人原辰徳監督(62)が、勝利至上主義を貫き優勝マジックを31に減らした。プロ初勝利を目指した先発直江大輔投手(20)を4点リードの5回1死一、二塁で降板させ、継投策へシフト。1回に2点を先取されながら粘った若き右腕が連続四死球でピンチを招いた場面で、個人の白星よりチームの勝利を最優先した。打線は坂本勇人内野手(31)が3安打3打点でセ歴代6位タイの159回目の猛打賞を記録するなど、19安打10得点で打ち勝った。宮本投手チーフコーチに続き、原監督がゆっくりベンチから歩み出ると、東京ドームのファンから思わずため息がこぼれ出た。観客の上限を1万9000人とした本拠地初戦で、今季最多1万7193人が集まった。リードは4点。プロ初勝利まであと2死としていた20歳の右腕は、ため息の直後に沸き立った拍手の中、口を結んで一塁側ベンチへと戻った。 原監督 1つの勝利を挙げるというのは難しい。勝利投手になるのは簡単ではない。私自身も今日思いましたし、彼もそれを思って、精進してほしい。 1回に2点を先取された直江は、2回以降フォークを丹念に落とし、4回まで1安打投球。頼りの打線が4回までに6点を奪い、プロ初勝利へ強力に援護してくれた。 だが5回1死から再び制球を乱す。代打正随に対して3球連続で直球が高めに抜けて四球。続く1番大盛には3球目の直球が死球になった。打席に1回に2ランを許した2番田中広を迎えた場面で球数はプロ入り最多の85球に達した。指揮官は「3番、4番を迎える。ホームランを打たれているバッターも含めてね。4点差というのはまだまだ分からない」と決断した。 降板直後のベンチでは、直江を隣に呼び寄せた。「もうちょっとだと。もうちょっと。勝利を挙げるのは簡単なことではない」と諭した。2軍監督として指導した阿部1軍ヘッドコーチ代行にも叱咤(しった)された右腕は、ベンチの最前列で目を充血させた。「最後の最後で自分の弱いところが出てしまった。そこが一番悔しいです。悔しい」。広報を通じたコメントに「悔しい」を2回使い、無念さをにじみ出した。 直江の降板後は大江、鍵谷とつなぎ、5回を無失点で切り抜け、終盤の継投策に入った。マジックが順調に減っても、気の緩みとは無縁。原監督は「こっちだって彼に勝利投手になってほしい」と、最善策のリレーで着実に1勝を積み上げた。【前田祐輔】

◆巨人の「お兄ちゃん打線」が「#直江くん」の涙を無駄にはしなかった。 "兄貴分"的な坂本は、3点リードの4回に左翼線への適時二塁打。直江が降板した後の6回にも左中間を破る2点適時二塁打。東京ドームの観客が上限緩和された日に、若松勉(ヤクルト)に並ぶセ・リーグ6位タイとなる159回目の猛打賞。「1人でも多くのお客さんが来てくれることは本当にありがたい。声援も大きいし、ファンの方々の力には本当に感謝でしかないですね」。観衆1万7193人の前で、ベンチで見つめる直江に"さすが"の姿を見せた。 "長男"組も背中で示した。野手最年長、38歳の亀井は同点の3回1死満塁、丸の一ゴロで三塁から本塁へ突入。クロスプレーで途中交代となったが、勝ち越しのホームを陥れた。もう1人の"長男"38歳の中島は、4回に右中間へ7号ソロ。「直江も頑張っているので」。18歳年下の右腕への思いをバットに込めた。年齢の近い"兄"も同じ気持ち。2回に同点の2号ソロを放った25歳松原は「直江がまだ勝ち星挙げたことなかったので、何とかチーム全員で追いついて、追い越して、何とか勝ちを付けてあげようと思って」。「#直江くん」のプロ初勝利はお預けも、これだけ頼もしい「お兄ちゃん」が打線にいる。【栗田尚樹】

◆巨人はお兄ちゃん中継ぎ陣が先発直江のリードを守り切った。2番手大江が四球を与えた直後の5回1死満塁で鍵谷がマウンドへ。 長野、鈴木誠から連続三振を奪いピンチを脱した。「直江も頑張っていた。何とか抑えて次につなぎたいなとマウンドに上がりました」。6回からは高梨、大竹、宮国、堀岡のリレー。原監督は「1点もやれない場面ではないけど、大事なイニング」と鍵谷の投球をたたえた。

◆広島田中広輔内野手(31)が球団8500号に王手をかける5号2ランを放った。今季2度目、出場6試合ぶりの「2番遊撃」で出場。試合開始直後の初回に巨人直江から放った先制弾はチームの8499号となった。投手陣は今季最多の19安打を浴び、2桁失点で大敗。2連敗で借金は再び今季ワーストタイの「10」に膨らんだ。メモリアル弾は勝利で飾りたい。田中広が高めの直球を華麗にさばいた。初回、先頭の大盛が左前打で出塁。迎えた打席で、カウント1-1からの3球目だった。巨人直江の高め144キロを捉えた打球は高々と舞い上がり、右翼スタンド上段に吸い込まれた。試合開始間もない号砲に「上からしっかりたたくことが出来ました。先制点につながってよかったです」と振り返った。広島球団8500号にあと1本に迫るアーチだった。 9月13日の阪神戦以来、今季2度目の2番出場に結果で応えた。かつてリードオフマンとしてリーグ3連覇に貢献してきた男は、今季は不振が続き、主に下位打線の「8番」に甘んじていた。だが9月に入り、じわじわ調子を上げてきた。8月末には打率2割を切る寸前まで落ち込んだが、打率2割4分4厘まで上昇。この日も7回に右前打を放ち、3試合連続のマルチ安打をマーク。9月は打率3割7分7厘と本来の力を取り戻しつつある。「とにかく前で力強く振る意識で、練習から打席に入っています」。試行錯誤を重ね、復調の手応えをつかんでいる。 投手陣は首位巨人に今季ワーストの被安打19本を浴び、2桁失点の大敗。打線も巨人の継投の前に3得点に抑え込まれ、借金は今季ワーストタイの「10」に逆戻りした。下位に低迷する状況に選手会長は「今の位置にいる現実は受け止めて、最後まで諦めずに、ファンの方も多く入るようになっているので、1試合1試合いいパフォーマンスをみせていきたい。若い子にはいい経験になっていると思う」と前を向いた。 首位巨人相手に意地を見せたい。歴代節目のアーチは山本浩二、緒方孝市、前田智徳、鈴木誠也らのビッグネームが奏でてきた。8500号は誰がかっ飛ばすのか。勝利を導く放物線なら最高だ。【古財稜明】

◆観客の上限を1万9000人に引き上げた本拠地初戦で、巨人が優勝マジックを31とした。 今季最多1万7193人の前での勝利に、原辰徳監督(62)は「球場に入ってもらえると、グラウンド全体が華やかになりますね。待っていた光景でした」と感謝。拍手や手拍子がこれまで以上に鳴り響く環境に「当たり前のように感じていたものが非常に、やはりありがたい。選手もそうだと思います」と続けた。 打線は毎回安打で19安打9得点。「大振りすることなくジャストミートを心がけた。(広島九里は)動くボールがいいピッチャーですから、いいバッティングをしてくれたと思います。若い人たちも元気良く戦ってくれています」と評価。 プロ初勝利を目指した直江は、4点リードの5回に1死一、二塁とピンチを招いた場面で降板させた。球数はプロ入り後最多の85球。指揮官は「四球、死球ということで、1つの勝利を挙げるのがどれだけ難しいか。私自身も思いましたし、彼もそれを思ってまた精進してマウンドに上がるということでいいと思います」と言った。降板直後のベンチでは隣に呼び寄せて声を掛けた。「もうちょっとだ、もうちょっとだと。勝利を挙げるというのは簡単なことではないというのが分かればですね、生きている教本というという部分で、いい経験を彼はしたと思います」と次回以降の登板に期待した。

◆岐阜羽島の忍者こと巨人吉川尚輝内野手が、さすがの反応を見せた。2点リードの4回1死三塁。カウント1-1からの3球目でサインはスクイズ。外角低めに逃げていくボールに体を投げ出し、何とかファウルとし、5球目を右前適時打。 原監督は「見事でしたね。監督を救ってくれた。ファウルでしのいでくれたのは監督として感謝しています」とねぎらった。

◆広島長野久義外野手(35)が古巣相手に球団通算8500号となる逆転の5号3ランを放った。 2点を追う4回、2死一、三塁の打席で、カウント2-1からの4球目、巨人菅野の外角スライダーを引っ張り、打球は左中間スタンドに飛び込んだ。 巨人戦、東京ドームでは移籍後初の1発で、同時にプロ野球39人目となる全12球団からの本塁打を達成した。長野は「2アウトから誠也と松山がチャンスを作ってくれたので、返すことができて良かったです」と喜んだ。

◆広島・遠藤淳志投手(21)が試合前練習に参加し、22日の2戦目に備えてキャッチボールやダッシュなどで汗を流した。  開幕から11連勝中の巨人・菅野と初の投げ合いに臨む高卒3年目の右腕は、「球界を代表する投手の菅野さんと投げ合えることを幸せだと感じながら、楽しく、思い切って自分の投球ができればいいのかなと思います」と意気込んだ。  前回12日の阪神戦(甲子園)では4回2/3を5安打3失点で黒星。8月2日に5安打2失点でプロ初完投を記録した同ドームで、開幕11連勝男を止める。

◆巨人・坂本勇人内野手(31)が3安打を放ち、通算2000安打まで残り42本に迫った。  六回に今村の低めのスライダーを左中間2点二塁打とし、3打席連続本塁打を放った9日の中日戦(ナゴヤドーム)以来の3安打をマーク。ここでお役御免となり、代走を送られた。四回には左翼線適時二塁打を放つなど3打点も挙げた。  16、17日の阪神戦を体調不良で欠場したが、回復ぶりを結果で示した。

◆巨人の高校出2年目の直江はプロ3度目の登板でも初勝利はならなかった。6-2の五回に1死一、二塁のピンチを招いて85球で降板。4回1/3を4安打2失点で「最後の最後で自分の弱いところが出た。そこが一番悔しい」と唇をかんだ。  一回に田中広に先制2ランを許したが、二、三回を三者凡退に抑え「切り替えて立て直すことができた」と言う。3-2の四回には先頭打者の鈴木誠を右飛に、2死二塁では堂林をフォークボールで二飛に仕留めた。  五回に球威と制球力が落ちた。1死から代打正随に四球、大盛に死球を与えて交代を告げられた。勝利投手の権利まであと2アウトでの降板に球場はどよめいた。悔しい結果となったが、ベンチに戻る際にはファンから拍手された。

◆毎回の19安打を放った巨人が効果的に加点し連勝。優勝へのマジックナンバーを31とした。3番手の鍵谷が勝利投手となり3勝目(1敗)。広島は投手陣が粘りを欠き連敗を喫した。  広島は一回、先頭の大盛が左前打で出塁すると、続く田中広が右翼席に運ぶ5号2ランを放ち先制した。巨人もその裏、岡本の中前適時打で1点差とすると、二回には松原の右中間席への2号ソロで追いついた。  巨人は三回に2死満塁のチャンスをつくり、丸の一ゴロの間に三走・亀井が生還し勝ち越し。四回には先頭の中島の7号ソロ、吉川尚の適時打、坂本のこの試合3本目のヒットとなる適時二塁打で6-2とした。  巨人先発の直江は二回以降立ち直ったが、五回、1死後に四死球を与え降板。プロ初勝利はならなかった。後を受けた大江も田中広を歩かせ満塁のピンチを招いたが、ここでマウンドに上った鍵谷が長野、鈴木誠から連続三振を奪い虎口を脱した。  巨人は六回にも坂本の2点二塁打、岡本の適時打で3点を追加。九回にも1点を加えた。投げては六回以降、高梨、大竹、宮國の救援陣が広島に得点を許さず、九回は堀岡が1点を失いながらも締めくくった。

◆広島の九里は4回9安打6失点で5敗目を喫した。一回に2点の援護をもらいながら、毎回失点を重ね「リードを守り切れず申し訳ない。早いイニングで降板してしまったので中継ぎ投手にも負担をかけてしまった」と反省した。  2-2の三回に連打に四球で1死満塁のピンチを招き、内野ゴロの間に1点を勝ち越されると、四回は先頭打者の中島にソロを浴びるなど3失点。自身3連勝はならず、うなだれた。

◆巨人の鍵谷が好救援で3勝目を挙げた。6-2の五回1死満塁で登板し、2者連続三振に仕留め「いろんなことを想定して準備した。何とか抑えて次の投手につなげたいと思った」と満足そうに振り返った。  3番長野と4番鈴木誠に対し、ともにスライダーで空振り三振を奪った。「今はすごく調子がいい」と手応えを感じていた。

◆広島が巨人に3-10の大敗で連敗した。6投手が今季ワーストの計19安打を浴び10失点。佐々岡真司監督(53)のコメントは以下の通り。  --中5日で先発した九里が4回9安打6失点で今季5敗目  「(一回に)広輔(田中広)が本塁打を打って、良い雰囲気で先制したが、やっぱり先発が試合を作らないとチームは乗っていけない。先制した次に点を取られる。リズムが出てこないし、点の取られ方が悪い。(一回に)4番(岡本)、その後(二回には松原に)本塁打を打たれているが、投げ切れていない。先発は中5、6日、空いている。責任を持って調整をやってもらわないといけない。先発投手が責任を持って試合を作る。そこに尽きる」

◆中5日で先発した広島・九里が4回9安打6失点など6投手が今季ワースト計19安打で10点を奪われ、連敗を喫した。佐々岡監督は「先発が試合を作らないとチームがのっていけない。先発は中5、6日空いている。責任を持って調整してほしい」と苦言を呈した。大瀬良が右肘の手術で今季中の復帰が絶望的な状況で"投壊"が止まらない。

◆プロ初勝利は、またもお預け。3度目の先発となった長野・松商学園高出身の2年目右腕、巨人・直江大輔投手(20)は、勝利投手の権利まで2死のところで降板した。プロ初勝利を期待した球場がため息に包まれる中で「最後の最後で自分の弱いところが出てしまった。そこが一番悔しいです。悔しい...」と唇をかんだ。  一回に2番・田中広に先制2ランを被弾。6-2の五回1死から四死球で一、二塁とし、田中広を迎えたところで交代を告げられた。3試合全て五回未満での降板となったが、原監督は「4点差はまだ分からない。3、4番を迎えるわけですし」と説明。球数も85。"非情采配"ではなく、あくまで勝利への最善策だった。  ただ、序盤に上ずったボールを修正し二、三回を三者凡退に仕留めた内容を、指揮官は「うまく調整した。だからほめた」と評価。チャンスは、きっとまた来る。(伊藤昇)

◆巨人は21日、広島13回戦(東京ドーム)に10-3で勝ち、2連勝で優勝へのマジックナンバーを1つ減らして「31」とした。19安打10得点をたたき出した打線で主役を担ったのは坂本勇人内野手(31)。3安打3打点で若松勉(ヤクルト)に並ぶ通算159度目の猛打賞(1試合3安打以上)に輝き、2000安打まで「42」に迫った。新型コロナウイルスの感染拡大以降では国内スポーツで最多となる1万7193人が集まった本拠地で、主将が快勝を届けた。  1万7193人の視線が、坂本の心を熱くした。入場者数の上限が緩和されて初めての東京ドームでの試合。以前より大きくなった拍手に主将が3度の快音で応え、喜びをかみしめた。  「一人でも多くのお客さんが来てくれることは本当にありがたい。声援も大きいし、ファンの方々の力には本当に感謝しかないですね」  2-2の三回1死一塁で左前打を放ち、勝ち越しにつなげた。四回に適時二塁打。六回1死二、三塁では今村のスライダーを捉えて駄目押しの2点二塁打とし、笑顔で手を挙げて代走と交代した。3安打3打点。打線も呼応し、毎回の19安打で10得点と爆発した。  1試合3安打以上は、3打席連続本塁打を放った9日の中日戦以来。プロ14年目で通算159度目だ。プロで18年間プレーした山本浩二(広島)を超え、同19年間の若松勉(ヤクルト)に並ぶセ・リーグ6位の記録。通算2000安打にも残り試合数と同じ「42」に迫り、120試合に削減された今季中の達成がグッと近づく1試合1本ペースに持ち込んだ。  今季は開幕前に新型コロナの感染の有無を調べるPCR検査で陽性判定を受ける思わぬ形でスタート。6-8月は月間打率2割台にとどまった。しかし、8月下旬から調子を上げ、今月は同・328、5本塁打。16、17日の阪神戦こそ体調不良で欠場したが、1番打者から3番になって3試合連続で安打を記録し、計6安打5打点をマークと勢いづく。  "来場御礼"の大活躍にもなった。この日の入場者は前主催カードまでの約5000人から3倍以上に増。コロナ禍における国内スポーツ最多を数え、スタンドの四方にファンが陣取った。  昨季までは東京ドームでの試合前のシートノックに向かう際、グラウンド間近の三塁側エキサイトシートのファンとキャッチボールをするのが坂本のルーティンだった。練習中にバットが折れると、サインを入れて客席の子供にプレゼントすることもあった。全ては、看板選手としての自覚から。今は感染防止のためファンと直接触れ合うことはかなわないが、それに代わる全力プレーを日々届けている。  「全体が華やかになりますね。待っていた光景でした。当たり前のように感じていたものが、非常に、やはり、ありがたい」。原監督は選手の思いを代弁した。優勝へのマジックナンバーは「31」。少しずつ戻る日常とともに、巨人はリーグ2連覇へと前進する。(谷川直之)

◆坂本の猛打賞の回数が、私に並んだことは、ラジオの解説中に聞かされた。私は知らなかったし、それほど意識する数字でもない。ただ、この若さで...と考えると、大したものだとも思う。  猛打賞の秘訣(ひけつ)は、第1打席にある。集中力と気合を高めてゲームに入ることができれば、おのずと好結果が出て、2、3打席目へとつながる。坂本はこの日、一回が三ゴロで、2打席目から固め打ちをした。これも集中力のなせるわざだ。  3安打の球種はスライダー、フォークボール、スライダー。いずれも低めの球で、一見すると、泳がされたように映ったはず。  実際には、軸足の右足に体重が残っているため、打撃フォームを崩されても、さばける。バットの芯に当てられる。右手の使い方もうまくて、力強い。六回の左中間二塁打などは、犠飛にはなるかな...という程度の当たりに見えても、右手で押し込んでいる分、外野の頭を越えるわけだ。  今季はコロナ禍で、かつてない環境にあり、出場試合も少ない。その状況でも焦ることなく、2000安打に近づいている。アクシデントさえなければ、今季中にクリアするだろう。(本紙専属評論家)

◆3度目の先発となった長野・松商学園高出身の2年目右腕、巨人・直江大輔投手(20)は、勝利投手の権利まで2死のところで降板した。  元巨人監督の堀内恒夫氏(72)は22日、自身のブログで「今年の広島は近年の強いイメージがない。あの時点で4点差あった。マジックも点灯している。2位とのゲーム差も大きく開いている。それらを考えてみるともう少し投げさせてみたかったねぇ」と残念がった。  直江は6-2の五回1死から四死球で一、二塁とし、田中広を迎えたところで交代を告げられた。堀内氏は「若いピッチャーにとって1軍で勝つことは難しいと同時に『まず1つ勝つ』この経験がどれだけ大きいか。『勝つことを知る』ってね ピッチャーを育てるためには本当に大きいんだよ。そのチャンスだっただけに残念ではあったよね」と強調していた。

◆中5日で先発した広島・九里が4回9安打6失点など6投手が今季ワースト計19安打で10点を奪われ、連敗を喫した。大瀬良が右肘の手術で今季中の復帰が絶望的な状況で"投壊"が止まらない。  元巨人監督の堀内恒夫氏(72)は22日、自身のブログで「広島は投げる方も打つ方も元気がないね」と指摘。主砲の鈴木誠也外野手(26)については、「なんかフラフラしていてどこで打っているのか かつての鈴木くんと比べると無気力にさえ見えてしまう」と心配していた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
49254 0.662
(↑0.004)
M31
(↑1)
42368
(+10)
265
(+3)
99
(+2)
48
(-)
0.258
(↑0.003
3.270
(↑0.02)
2
(-)
阪神
39364 0.520
(↑0.006)
10.5
(-)
41341
(+5)
318
(+3)
83
(+1)
49
(-)
0.245
(↑0.001)
3.530
(↑0.01)
3
(-)
DeNA
38385 0.500
(↓0.007)
12
(↓1)
39348
(+3)
319
(+5)
82
(+1)
21
(+2)
0.268
(↓0.001)
3.740
(↓0.01)
4
(-)
中日
36405 0.474
(↑0.007)
14
(-)
39276
(+9)
334
(+3)
46
(+1)
19
(-)
0.242
(↑0.002)
3.840
(↑0.01)
5
(-)
広島
30408 0.429
(↓0.006)
17
(↓1)
42342
(+3)
384
(+10)
79
(+1)
34
(-)
0.267
(↓0.001)
4.570
(↓0.07)
6
(-)
ヤクルト
30436 0.411
(↓0.006)
18.5
(↓1)
41340
(+3)
395
(+9)
78
(+1)
45
(-)
0.254
(↑0.001)
4.570
(↓0.07)