広島(☆4対3★)阪神 =リーグ戦12回戦(2020.08.28)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
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広島
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勝利投手:フランスア(1勝1敗7S)
敗戦投手:岩崎 優(2勝2敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(13号・7回表ソロ)
【広島】菊池 涼介(5号・1回裏ソロ),坂倉 将吾(3号・2回裏2ラン)

  DAZN
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◆広島が劇的なサヨナラ勝利。広島は初回、菊池涼のソロで先制に成功する。その後は2回裏に坂倉の2ランが飛び出すと、同点とされた直後の9回には、1死一二塁から上本が適時打を放ち、試合を決めた。敗れた阪神は、土壇場で追いつく粘りを見せるも及ばなかった。

◆広島の新人森下暢仁投手(23)は阪神戦に3戦3勝で、7月23日が10奪三振、8月14日は12奪三振。今日も10三振以上奪って、新人が同一カードで3度の2桁奪三振を記録すれば、90年野茂(近鉄)以来となる。

◆阪神梅野隆太郎捕手(29)が天敵の広島森下から反撃の適時二塁打を放った。 0-3の5回1死一塁。カウント1-2で森下の内角低め146キロ直球を左へ引っ張った。打球は三塁手の頭を超え、さらに左翼手ピレラが打球処理にもたつく間に一塁走者の大山が一気に生還。女房役の梅野がエース西勇に援護点を呼んだ。「とにかく追いつくしかないですし、相手も良い投手なので、後ろにつなぐ気持ちでコンパクトにスイングすることを意識していました。まだ負けているので、早く追いつけるように頑張ります」。 広島のドラ1右腕森下には、14日にも2安打完封負けを喫するなど、今季試合前まで3戦3敗と苦手としている。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が5試合ぶりの13号ソロを放ち、広島に1点差に迫った。 1-3の7回、先頭で森下の外角低めカットボールを左中間席へ運んだ。本塁打数はボーアと並んでいたが、再びチームトップへ浮上した。 今季試合前まで3戦3敗の森下には、7月23日の同戦(マツダスタジアム)でも2ランを放っており、森下が被弾を許した打者は大山だけとなっている。「何度も同じ投手に抑えられる訳にはいかないですし、西さんも粘って投げてくれているので、打てて良かったです。1点差になったので、逆転できるように頑張ります」と力を込めた。

◆阪神先発の西勇輝投手(29)が、6回3失点でセ・リーグトップとなる10度目のクオリティースタート(先発投手が6回以上投げて自責点3以下)を記録したが、5勝目を逃した。 立ち上がりの1回、1死から2番菊池涼に右翼へ先制ソロを許した。2回も1死で6番ピレラに死球を与え、7番坂倉にカウント2-1から真ん中シュートをバックスクリーン右へ運ばれた。 3回は安打と2四球で12死満塁のピンチを背負ったが、後続を抑えて粘った。その後は立ち直り、4~6回は3者凡退。許した安打3本のうち2本がホームランと、1発に泣いた。 エース右腕は「序盤は苦しい展開で、しんどい投球になってしまいましたけど、回を追うごとになんとか梅野のリードに応えることができるようになりましたし、梅野が引き出してくれました。あとはチームが逆転できるように応援します」と話した。

◆広島が阪神先発西勇に1発攻勢。1回に菊池涼が5号ソロ。2回は坂倉が3号2ラン。先発森下は3回まで1安打の立ち上がり。 阪神は5回に梅野の左翼線二塁打で1点を返した。先発西勇は4~6回までの中盤は無安打投球。広島森下は6回まで103球。 阪神が9回に同点に追いつくも、広島がその裏上本がサヨナラ打を放った。フランスアが今季初勝利。阪神は連勝が3でストップ。

◆阪神はサヨナラ負けで4連勝を逃し、1日で借金生活に逆戻りした。 中5日で先発した大黒柱、西勇輝投手(29)が2回までに2被弾で3失点。打線は今季3戦3敗のドラフト1位森下を相手に3点ビハインドの5回表、7番梅野隆太郎捕手(29)が適時二塁打。7回表には5番大山悠輔内野手(25)の13号ソロで1点差まで迫る。1点を追う9回表、左腕フランスアから併殺崩れの間に同点とした。 だが9回裏1死一、二塁、岩崎優投手(29)が8番上本の右中間適時二塁打を浴び、サヨナラ負けを喫した。

◆阪神3番手で登場した馬場皐輔投手は粘って無失点でしのいだ。1点ビハインドの8回裏に登板。 1番長野はカットボールで空振り三振、2番菊池涼は直球で遊ゴロに仕留める。3番堂林を歩かせた後、二盗と捕手悪送球で2死三塁とされたが、最後は4番鈴木をカーブで中飛に打ち取った。

◆阪神梅野隆太郎捕手は2打点と気を吐いた。 3点を追う5回、左翼線に適時二塁打を放ち「とにかく追いつくしかないですし、相手もいい投手なので、後ろにつなぐ気持ちでコンパクトにスイングすることを意識しました」。1点を追う9回1死一、三塁では二遊間を抜けようかというゴロを放ち、二塁手菊池涼に好捕されたが、併殺崩れの間に同点とした。

◆阪神岩貞祐太投手は3人斬りで反撃ムードを高めた。1点差に迫った直後の7回裏に2番手で登板。7番坂倉からの下位打線を難なく3者凡退に仕留めた。 「テンポよく投げることができましたし、3人で抑えることができて良かったです」。2戦連続の完全投球。中継ぎ転向後、ブルペンでも居場所をつかみつつある。

◆エースが意地を見せた。阪神西勇輝投手(29)が、今季2度目の中5日登板で6回3安打3失点と粘りの投球。両リーグトップとなる10度目のクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を記録した。 「序盤は苦しい展開で、しんどい投球になってしまいました」。1回に菊池涼に先制ソロ、2回には坂倉に2ランを献上した。3回2死一塁では、鈴木誠への2球目にプロ12年目で初のボーク。その後敬遠と四球で2死満塁のピンチを背負ったが、ピレラを初球外角シュートで詰まらせて遊ゴロに仕留め、難を逃れた。 右腕は中盤から一気にギアを上げた。「回を追うごとになんとか梅野のリードに応えることができるようになりました。梅野が引き出してくれました」。4回から6回は打たせて取る投球で、1人の走者も許さずリズムにのった。被安打3のうち2本が本塁打と1発に泣いたが、苦しい立ち上がりから修正して試合を作った。矢野監督も「あそこ(序盤)から粘るって簡単なことじゃない」とうなずく。 9回に女房役梅野の併殺崩れで一時同点に追いつき、自身の負けが消えた。これでマツダスタジアムではオリックス時代から通算8試合に登板して5勝負けなし。防御率も2・25と得意としている。チームはサヨナラ負けしたが、エースの安定感は変わらない。【只松憲】

◆広島のドラフト1位森下暢仁投手が7回6安打2失点、8奪三振と力投した。1点リードの最終回、守護神フランスアが1死一、三塁から梅野の内野ゴロで登板15試合ぶりに失点し、勝ち星が消滅。 森下はベンチで肩を落とし、苦笑いを浮かべた。だが、チームは9回に上本の千金打で今季初のサヨナラ勝ち。右腕は「やっぱりうれしい。カード頭を取れたので、チームにとっても大きいと思う。勢いに乗っていけたら」と喜んだ。 虎キラーぶりをいかんなく発揮。3戦3勝と好相性の相手に、低めに制球された最速153キロの直球とカーブのコンビネーションなどで緩急をつけた。4回には木浪、陽川、サンズから圧巻の3者連続奪三振。「我慢してとにかく逆転されないように意識した」という7回には大山に1発を浴び、1点差に迫られた。だが2死二塁の同点のピンチで代打福留を外角高め152キロ真っすぐで空振り三振に仕留め、窮地を脱した。 25日に誕生日を迎えた右腕の23歳初勝利は、お預けに。佐々岡監督は「2点は取られたけど、粘り強く7回を投げてくれて合格点。だからこそ勝たせてあげたかった」と悔やんだ。黄金ルーキーが劇的勝利を呼び込んだ。【古財稜明】 ▽広島坂倉(2回に3号2ラン。捕手として森下を好リード)「カーブを有効に使いながらストレート主体に組み立てることができました。最終的にチームが勝ってよかったです」

◆阪神が今季2度目のサヨナラ負けを喫し、連勝は3で止まった。3戦3敗だった広島ドラフト1位森下に今回も勝てなかったが、白星も与えなかった。敗戦の中で光ったのが大山悠輔内野手(25)だ。7回に森下から1点差に迫る13号ソロ。大型ルーキーの今季2被弾の相手はともに大山で、再び恐怖心を与えた。背番号3は猛打賞と発奮。再び勝率5割復帰を目指す戦いをリードする。前進守備を敷く中堅近本の頭上を、広島上本の飛球が無情にも越えていった。同点の9回1死一、二塁。先発西勇から粘ってつないできたバトンも、4番手岩崎がつかまった。3連勝中だったが、今季2度目のサヨナラ負けで再び借金1に逆戻り。先発森下をもう少し早く攻略していたら...、好機で追加点が取れていれば...。たらればは尽きないが、矢野監督は「勝負の結果は俺の責任で受け止める。たらればばっかり言っても仕方ないので。それは前向いてやるしかない」と、悔しさをかみ殺した。 3戦3敗で4度目の対戦となった天敵新人に、5番大山が意地を見せた。2点を追う7回先頭。球数が100球を超えた右腕の外角カットボールを左中間席に運んだ。5試合ぶりのアーチは、チーム単独トップとなる13号ソロ。森下は今季2被弾目で、1本目も大山が放っている。「何度も同じ投手に抑えられるわけにはいかないですし。西さんも粘って投げてくれているので、打てて良かったです」。前回対戦の14日(京セラドーム大阪)はチーム2安打でプロ初完封も許した。投手陣が粘る中、大山の意地の一打で接戦に持ち込んだ。 大山は森下から5回にも先頭打者で左前打。1死となって梅野の適時二塁打で一塁から一気に生還する激走も見せた。9回にはフランスアから右前打で、一時同点を演出し、今季3度目の猛打賞をマークした。2回の第1打席も安打性の当たり。右翼鈴木誠の頭脳的プレーでサンズが二塁でアウトとなってまさかの右ゴロだったが、敗戦の中で背番号3のバットは光った。チームが苦戦する森下には、通算12打数4安打と対応している。矢野監督は3安打の内容に「いいつなぎだったり、本塁打が出てきている。チームを引っ張っていくような選手になってくれたらと思っています」と、変わらぬ期待を込めた。天敵森下から4戦4敗は免れた。大山を中心とする打線の粘りが、明日の勝利につながるはずだ。【奥田隼人】

◆広島上本崇司内野手(30)が自身初、チームにとっても今季初となるサヨナラ打を放ち、男泣きした。 同点に追いつかれた9回、1死一、二塁の好機をつくると、ベンチからの「思い切って行け」という声に押され、上本が打席に向かった。「これまでのミスは常に持ちながら。でも冷静に」と阪神岩崎の低めチェンジアップに食らいついた。中堅方向へ上がった打球は、前進守備の中堅・近本手の頭上を越えた。ベンチから走ってくるチームメートの笑顔に、上本は思わず涙を流した。 「ミスを連発していた。これまで頑張ってきて良かった。(僕は)切り替えがへたくそ。周りの人に支えられている」。先輩や首脳陣、裏方らに「切り替えていけよ」「思い切ってやれよ」といつも声をかけてもらった。限られた出場機会でも努力してきた姿を、みんなが見てきた。今季はチームメートとともにグラウンドで行う早出特打も、昨季までは1人、球場内ブルペンで取り組んでいた。ユニホームを脱げば口数は少ないが、グラウンドでは盛り上げ役を担う。そんな上本の日々の姿が、この日のヒーローを囲む歓喜の輪を大きくした。 今季、先発出場数はすでに自己最多。シーズン打席数も自己最多に1と迫るほど、出場機会が増えている。「こんなに試合に出るのは初めてなので、ワンプレーのこわさが身に染みています」。プレー機会が増える分だけミスも目立つ。これまで失策やバント失敗もあった。この日は同点に追いつかれた9回、遊撃守備で一塁へ悪送球。明大の後輩・森下を勝たせたい思いから強引な送球が大きくそれ、打者走者を二塁に進めた。結果フランスアが後続を抑えたものの、阪神の勝ち越しにつながりかねない判断ミスだった。本人も「体勢がバラバラで(球が)抜けてしまった」と試合後に猛省した。 上本の意地が、チームの今季初のサヨナラ勝利を呼んだ。昨年までの切り札的存在から、今季は先発としての役割も担う。「すごくいい経験をさせてもらっている。スタートで出ても、途中で出ても変わらない。1プレー1プレーを必死にやる」。チームとともに、苦い経験を糧に、上本ははい上がっていく。【前原淳】

◆阪神が今季2度目のサヨナラ負けを喫し、連勝は3で止まった。矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -あともう1点だった いやいや、みんな一生懸命いっているんでね。全員打ちたいんでね。 -西勇は立ち上がりだけだった あそこから粘るって簡単なことじゃない。本塁打で。いつもは粘って、粘ってというのが西の持ち味だけど。逆に粘ってくれたんで、こういう試合になったし。中継ぎも西の後、みんな頑張ってくれたから、流れがこっちに来たと思うんで。野球的にはいい野球できたかなと思っています。 -3戦3敗の先発森下を早い回で攻略したかった そう思ってみんないってんだけど。まあね。ルーキーとはいえ、いい投手なんで。 -西を中5日で入れ替えた 色々、含めて。西にいってもらおうかなと。 -相手の森下を止める、先に点を取らせないという意味も そう思ってやっているんだけど。それは理想と。なかなか。こっちも勝負しているんでね。ピッチャーに先取点取られるなと思って、俺らが言っても、みんな取られようと思っていってない。西も相手のピッチャーのことだって分かっているんでね。

◆阪神・大山悠輔内野手(25)が「5番・三塁」で先発出場。二回の第1打席で、珍しい右ゴロに倒れた。  無死一塁で広島先発・森下の高めの直球を詰まりながら右方向へ運んだ。しかし打球は微妙な飛球で一走・サンズはハーフウエーで行方を見守り、落下したのを確認してからスタート。右翼・鈴木誠の鋭い送球もあり、二塁封殺となったため、大山が右ゴロとなった。  試合は二回を終わり、菊池涼と坂倉の本塁打が出た広島に0-3とリードされている。

◆阪神先発の西勇輝投手(29)がプロ初となるボークを犯した。一回に菊池涼、二回に坂倉と2本塁打を浴びて3失点して迎えた三回だ。2死一塁で鈴木誠を相手に、初球ボールの後、2球目を投じる前に一走・堂林がスタート。慌てて牽制(けんせい)しようとしてボークと判定された。プロ12年目で初のボーク。2死満塁のピンチを招いたが、ピレラを遊ゴロに仕留め、無失点で切り抜けた。

◆阪神は広島に3-4でサヨナラ負けを喫した。  先発の西勇は一回に菊池涼に先制ソロ、二回には坂倉に2ランを浴びて3失点。これで8月1日のDeNA戦(甲子園)から登板5試合連続の被弾となった。  打線は五回に梅野の適時二塁打、七回に大山の13号ソロで1点差とすると、2-3の九回にサンズと大山の連打などで1死一、三塁の好機を作り、梅野の併殺崩れの間に三走が生還し、同点に追いついた。  しかし、その裏に登板した4番手の岩崎が1死一、二塁のピンチを招き、上本に中堅の頭上を越えるサヨナラ打を許した。  サヨナラ負けは6月25日のヤクルト戦(神宮)以来、今季2度目。連勝は「3」でストップし、再び借金「1」とした。

◆広島が今季初のサヨナラ勝ち。3-3と追い付かれた直後の九回、1死一、二塁で上本が中越えへプロ初のサヨナラ打を放った。西勇が3点を先行された阪神は大山の一発などで追い上げて粘ったが、岩崎が打たれて3連勝で止まった。

◆低い弾道の打球が、本拠地の声援に乗って右中間席に着弾した。0-0の一回1死で、広島・菊池涼が虎のエース、西勇から先制の5号ソロ。ドラフト1位・森下(明大)を援護した。  「先制点になってよかったです」  二回には1死からピレラが死球を受け、坂倉が打席へ。打撃が売りの高卒4年目の左打者は、4球目の甘く入ったツーシームをバックスクリーン右へたたき込み、「甘く来たところを一振りでとらえることができました。森下さんの援護点になって良かったです」と充実の汗をぬぐった。  鯉キラーの出ばなをくじいた。2019年にオリックスから阪神にFA移籍した西勇には、オリックス時代を含め通算で1勝8敗。特にマツダスタジアムでは6試合で5連敗と1度も勝てていない。15日の京セラでも8回2得点で白星を献上している難敵だったが、菊池涼、坂倉の一発攻勢で主導権を握った。  3点の援護をもらった森下は、五回1死一塁で梅野に左翼線二塁打を許し、左翼手・ピレラが打球の処理にもたつく間に失点。七回には大山にソロを浴びたが、低めに制球した直球を軸にカットボールなど多彩な変化球を織り交ぜ、今季3戦3勝だった阪神相手に7回2失点と今回も好投。勝利投手の権利を得ていたが、フランスアが登板した九回に同点に追いつかれ、6勝目はお預けとなった。(柏村翔)

◆夕暮れの広島で先制を許す一発を食らい、思わず「うわぁ」と声を漏らした。阪神・西勇は3失点で踏ん張ったが、序盤の失点が響いた。  一回1死で、菊池涼に高めに浮いたスライダーを右中間席へ運ばれた。二回にも1死からピレラに死球を与え、坂倉に中越えへ2ランを浴びた。  ミスの少ない、落ち着いたマウンドさばきが持ち味の西勇だが、らしくない投球が続いた。三回には2死一塁で、プロ12年目にして初のボークを記録。その後、鈴木誠に申告敬遠、松山にも四球で満塁とピンチを広げた。それでもピレラを遊ゴロに仕留めて、無失点で乗り切った。  今季は広島戦3試合に登板(試合前まで)して2勝0敗、防御率2・45。マツダスタジアムでは通算5試合で3勝0敗、防御率1・98と無類の強さを誇る。そんな得意な球場で2発を浴び、これで8月1日のDeNA戦(甲子園)から5試合連続の被弾となった。  前回登板した22日のヤクルト戦(神宮)では7回3安打1失点で4勝目。試合後に「この(悪い)状態のなかでこういうピッチングができたので。次につながることはできた。引き出しが増えたんじゃないかと思う」と話していた。自身3連勝を目指し、上がった中5日でのマウンド-。  四回以降は、六回まで三者凡退に抑え、エースの意地を見せた。1点差の七回の攻撃で代打が出されて、6回3安打3失点で降板した。(織原祥平)

◆広島の森下が7回を6安打2失点にまとめた。過去3戦3勝と相性の良い阪神打線を、この日も直球で押し込んだ。七回に1点差に迫られ、さらに1死二塁からの代打攻勢にも真っ向勝負。糸井を左飛、福留を空振り三振と実力者を速球で仕留め、123球で役目を果たした。  ドラフト1位新人は「我慢して、逆転されないように意識して投げた。いつも通り試合をつくれたのは良かった」と安堵。九回にフランスアが打たれ、6勝目がするりと逃げたが、チームはサヨナラ勝ちを収め「やっぱりうれしい」とけなげに話した。 佐々岡監督(森下に) 「粘り強く、7回を投げてくれて合格点。だからこそ勝たせてやりたかった」 坂倉(二回に3号2ラン) 「甘くきたところを一振りで捉えることができた」

◆広島が今季初のサヨナラ勝ちを飾った。九回に3-3と追いつかれたが、九回1死一、二塁で上本が中越えへプロ初のサヨナラ打を放った。佐々岡監督の試合後のコメントは下記の通り。  --今季初のサヨナラ勝ち  「勢いがつく勝ちではあるんだけど、すんなり終わってくれれば良かったかな」  --九回に上本がプロ初のサヨナラ打を放った後、うれし涙を流した  「スタメンで出して結果が出ない中で、いじられながらもやっていて、だからあの涙なんだと思う」   --D1位・森下(明大)は白星が付かなかったものの、7回2失点と好投した  「2点は取られたけど、粘り強く七回まで投げていたので合格点。だからこそ勝たせてやりたかった」   --阪神・大山のソロで2-3となった後、七回1死二塁で代打・糸井、代打・福留を封じたのが大きい  「あそこで同点、逆転にしないのが彼らしい投球。気持ちの強い子。だからこそ勝たせてあげたかった」  --前日27日のDeNA戦で負傷交代した石原慶が抹消  「すぐにはというところ。しっかり治してもらう。いるメンバーでしっかりとやるしかない」

◆2出塁のサンズは走塁が悔やまれた。二回先頭で四球。続く大山が右前に落としたが、打球判断を迷った助っ人が二塁で封殺された。結果は「右ゴロ」。難しい判断で右翼・鈴木の好返球もあったが、結果的に森下を攻略する糸口を逃すワンプレーになった。バットでは好調をキープ。九回先頭で左前打を放ち、一時同点の起点となった。

◆同点に追いついた直後の九回に登板した岩崎は、上本にサヨナラ打を許し、今季2敗目を喫した。先頭の松山に右前へはじき返され、1死後に坂倉の二塁内野安打で一二塁。最後は上本に外角球を中越えに運ばれた。左肘の張りから復帰した16日の広島戦(京セラ)から5試合で2ホールドも、防御率4・91と安定感を欠いている。

◆上本が九回1死一、二塁で、前進守備を敷く中堅手の頭を越える一打。明大から入団して8年目、通算16本目の安打が初のサヨナラ打となった。「何とかしたいという思いが非常に強かった。最高」と目を赤くした。170センチと小柄な内野手は、代走や守備固めでの出場が多く、紅白戦でも打席に立てなかったことも。反骨心を胸に今季は「打って出塁」を掲げ、強いスイングを心掛けてきた。

◆勝負手、実らず。阪神は今季2度目のサヨナラ負け。連勝は3で止まり、借金1となった。矢野燿大監督(51)は今季3戦全敗だった広島のドラフト1位・森下(明大)対策として、西勇輝投手(29)を中5日で先発させたが、二回までに3失点。エースなら抑えてくれよ!  再び借金生活に入ることを示す広島・上本の打球が前進守備を敷く中堅・近本の頭上を襲う。今季2度目のサヨナラ負け。粘って粘って九回に追いつくも力尽きた。矢野監督が勝負手として、中5日で投入した西勇の結果がすべてだった。  「いろいろ含めて西にいってもらおうかなと。そう(先制させない、と)思ってやっているんだけど、それは理想と、なかなか。こっちも勝負している。勝負の結果は俺の責任で受け止める」  打てないならば、抑えて勝つ。ローテ通りでいけば、この日は藤浪が先発するはずだったが、西勇の登板間隔を詰め、藤浪を29日に変更した。相手先発の森下には試合前まで3戦全敗。14日の京セラドームでは2安打完封負けを喫した。苦手投手に対しては打順変更などで攻撃陣にメスを入れるケースは多いが、矢野虎は僅差で勝つ試合に舵を切った。  ところが、西勇はおかしかった。一回1死から菊池涼にソロを許し、早々に先制点を献上。二回はピレラへの死球から坂倉に2ランを被弾した。  不調の象徴は三回。2死一塁で一走・堂林がスタートを切ると、投球動作をやめてしまった。プロ12年目、通算246試合目で初のボーク。けん制も巧みで、走者が出てもどこ吹く風の西勇は珍しく浮足だっていた。  「序盤は苦しい展開でしんどい投球になってしまいましたけど、回を追うごとになんとか梅野のリードに応えることができるようになりました」と西勇。6回3安打3失点は及第点だが、エースの役割としては、十分とはいえなかった。  「先取点を取られるなと思って俺らが言っても、みんな取られようと思っていってないし。西も相手の投手のことだって分かっているんでね」  矢野監督は西勇の心境をおもんぱかったが...。この日に限れば、二回までの2被弾は痛すぎた。  「タラレバばっかり言ってもしゃあないんでね。それは前向いてやるしかない」と指揮官。わずか1日で再び借金1。シーズンはまもなく折り返し。選手の力を信じて、手を打つしかない。(大石豊佳)

◆大粒の汗をふいた。大山は悔しそうな表情でロッカーに引き揚げた。忘れてはならない奮闘。意地が虎の粘りを呼んだ。  「何度も同じ投手に抑えられるわけにはいかないですし、西(勇)さんも粘って投げてくれているので」  1-3の七回先頭で、好投していた森下のカットボールをとらえた。左中間への5試合ぶりの一発は、再びチームトップに立つ13号ソロ。「1点差になったので、逆転できるように」という意気込みを、九回無死一塁でもバットに込めた。フランスアから右前へ-。今季3度目の猛打賞とする一打で好機が広がり、一時は同点に追いついた。  チームは森下に過去3戦3敗。4度目の対戦も7回2失点で勝利投手の権利を与えた。大苦戦の虎キラーから、大山は7月23日の甲子園でも左翼席に運んだ。通算12打数4安打と奮闘。右腕の被弾数は「2」だ。セ・リーグ5球団で鯉のドラフト1位から本塁打を放っているのはタテジマの大砲だけ。五回先頭の左前打も梅野の適時打を呼んだ。すべて得点に絡むHランプ。ルーキーの白星を阻止した3安打は次の対戦に向けてもインパクトを残した。  対森下に限らず、広島戦は12試合で打率・356、7本塁打。特にマツダでは6試合で同・478、5本塁打と暴れている。矢野監督は「悠輔に(求めるの)は、試合を決めるというね。もちろん、つなぐ場面もあるし。前も言ったけど、チームを引っ張っていくような選手になってくれたら」とさらに期待した。  数字はもちろん、苦しいときこそ頼られるのが主砲。勝利につながるまで、打ち続けるのみだ。(安藤理)

◆よっしゃア! 上本のサヨナラヒットで、わが阪神4連勝で待望の貯金「1」や~! えっ、広島の勝ち?? 上本は上本でも博紀じゃなくて崇司、カープの方...。ガ~ン! こら~弟がよりによって兄貴のいる阪神戦でサヨナラ打なんて、なんちゅう教育しとんねん!! 九回に同点に追いついただけに悔しい~! 大人げない八つ当たりもしたくなるよ~(涙)。  ここで勝てば待望の貯金でチームは乗っていける、しかもカープの先発は新人なのに虎に3勝もしている森下...。これ以上なめられてたまるかいな~! と、ローテーションを動かしてまで中5日でエースの西勇を先発させた矢野監督の采配はベストであったと思う。  ただし矢野さんにわずかなスキがあるとしたなら糸井や福留さまを休ませ過ぎていないだろうか? 体調もあろうが、たまに打席に立ち150キロのストレートを捉えてくれ!は、ベテランには厳しい注文だと思うのだ。  Vの大切な要素にベテランの力は不可欠である! 矢野監督そこの絶妙な起用法頼んまっせ~!

◆立ち上がりの西勇は抜け球が多く、普段と比べシュートなどのボールもあまり動いていないように感じた。菊池涼のソロは完全に抜けたスライダー。坂倉の2ランはコースはいいように見えたが完璧に打たれていた。  西勇を苦手にしてきたこともあったのか、序盤の広島打線は「しっかり球数を投げさせよう」とミーティングで徹底しているように映った。ボークになったところも、西勇との相性が悪いことで思い切ったギャンブルスタートとなった面もあると思う。面食らうような3失点と相手の揺さぶりで、西勇は自分から申告敬遠をしたりイライラしていた。だが、よく踏ん張ったと思う。四回からは修正して完全にいつもの良いペースだった。  西勇とは対照的に、森下は中盤以降に球数を要し苦しんでいた。阪神打線も粘り強く苦しめて、七回はあとひと押しだった。確かに重たい3失点ではあったが、西勇が耐えられたことで九回の一時同点にもつながった。森下に勝ちをつけなかったのは大きかった。 (本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
33213 0.611
(↓0.012)
-
(-)
63268
(+3)
196
(+5)
77
(-)
37
(+1)
0.257
(-)
3.420
(↓0.03)
2
(-)
DeNA
30273 0.526
(↑0.008)
4.5
(↑1)
60241
(+6)
222
(+2)
60
(+1)
13
(+1)
0.268
(↑0.001)
3.550
(↑0.03)
3
(-)
阪神
27283 0.491
(↓0.009)
6.5
(-)
62247
(+3)
230
(+4)
55
(+1)
40
(-)
0.243
(-)
3.590
(↓0.01)
4
(-)
中日
27304 0.474
(↑0.01)
7.5
(↑1)
59204
(+5)
248
(+3)
33
(-)
15
(-)
0.240
(↓0.001)
3.750
(↑0.02)
5
(-)
広島
24286 0.462
(↑0.011)
8
(↑1)
62251
(+4)
262
(+3)
62
(+2)
24
(+1)
0.267
(↓0.001)
4.120
(↑0.02)
6
(-)
ヤクルト
23305 0.434
(↓0.008)
9.5
(-)
62251
(+2)
304
(+6)
52
(-)
36
(-)
0.248
(↓0.001)
4.850
(↓0.03)