ヤクルト(☆8対2★)DeNA =リーグ戦7回戦(2020.08.07)・明治神宮野球場=
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DeNA
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ヤクルト
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勝利投手:吉田 大喜(1勝1敗0S)
敗戦投手:上茶谷 大河(0勝1敗0S)

本塁打
【ヤクルト】塩見 泰隆(5号・3回裏2ラン)

  DAZN
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◆ヤクルトは1-0で迎えた2回裏、宮本が適時二塁打を放ちリードを広げる。続く3回には塩見の2ランが飛び出すなど、その後も着実に得点を重ねた。投げては、先発・吉田大喜が6回2失点の好投でうれしいプロ初勝利。敗れたDeNAは、投打ともに精彩を欠いた。

◆ヤクルト塩見泰隆外野手が、5号2ランを放った。 2-0で迎えた3回2死一塁、カウント2-1からDeNA先発上茶谷の130キロ変化球を右中間へ運んだ。5号2ランで追加点を挙げ、先発吉田大喜を援護した。「ランナーを進める気持ちで打席に入りました。大振りせず、コンパクトに力まずいいスイングができました。いい角度で上がってくれて、よかったです」とコメントした。 6月27日巨人戦(神宮)以来となる今季5試合目の5番に入り、結果を出した。

◆ヤクルトは吉田喜、DeNAは上茶谷の先発。ヤクルトは1回、暴投で1点先制。2回は宮本の適時打、3回は塩見が5号2ラン。 上茶谷は3回で降板。ヤクルトは5回、宮本が2点適時打、古賀が犠飛。DeNAは6回、ロペスの適時打などで2点。 ヤクルトは2試合連続の2ケタ安打で2連勝。吉田喜は4戦目でプロ初勝利。DeNAは連勝が3で止まり、上茶谷は1敗目。

◆DeNAは投打がかみ合わず連勝が3で止まった。 相手先発のルーキー吉田喜に初勝利を献上。ラミレス監督は「彼の投球自体は良かったと思うけど、ちょっと打者がボールを見過ぎた。もっと積極的にいっていたら違った結果になったかもしれない」と振り返った。ストライク先行の投球で要所を抑えられた。

◆ヤクルト新打線が機能し、2ケタ安打で2連勝。ゲーム差なしの2位に再浮上した。エスコバーを初めて2番に置き、俊足でパワーのある塩見を今季5試合目の5番で起用。 開幕1カードは、5番塩見で固定して起用しており、高津監督は「村上の後は誰が打つんだというところから優先で考えた。結果的にうまくはまった。足を使えるし、いい並びかもしれない」と話した。

◆記念すべきプロ初勝利をつかんだ相棒は、深紅のグラブだった。ヤクルトのドラフト2位ルーキー吉田大喜投手(23)が、球団の新人で白星一番乗り。6回6安打2失点。落ち着いた表情で、球速以上に手元で伸びる直球と低めに集めた変化球で、5回まで無失点に抑えた。87球を支えたグラブは、父英樹さんが大阪府茨木市で営む野球専門店「すみれスポーツ」の物。もちろんプロで使用する選手はただ1人。「自分が活躍して宣伝になればと思う。よかったです」と笑った。 「社会人で続けようと思う」。日体大3年時、実家に帰って父に告げた。大冠3年時もプロ志望届を出したが、ドラフトにはかからず。大学でも一時は諦めた。しかし1学年上の松本(現西武)、東妻(現ロッテ)がプロ入り。身近な先輩の活躍も、刺激になった。 一度だけ、父からサプライズを贈られた。大学4年の夏、大学日本代表に初選出。グラブを作ってくれた。「JAPAN 19」と日の丸の刺しゅう入り。日米大学野球では主に救援として成績を残し、評価を上げた。大喜の「ありがとう」の気持ちが込められたグラブは今、店先に並ぶ。 英樹さんは、初勝利の瞬間を速報サイトで見届けた。ここまで3試合はすべてテレビ観戦していたが勝てず「見たら負けるかなと思って、ゲンを担ぎました」。試合後、ウイニングボールについて息子は「お父さんがやっているお店に飾るように、家に送りたいと思います」。英樹さんは「そのように、飾ります」。親子の野球物語は、続いていく。【保坂恭子】 ▽ヤクルト高津監督(吉田喜について)「苦労して若い人や、新人に結果がついてくると、チーム自体も活性化する。本人もチームも元気になってくるといい」 ▽ヤクルト古賀(22歳の誕生日に、吉田喜を好リード。ヒーローインタビューに乱入し)「要求した所に投げてくれたので、吉田さんのおかげです。オレ、誕生日やで~!」   ▽日体大・古城監督(OB吉田喜の勝利に)「球速以上に手元で球が伸びているように見えた。大学時代も緊張からか初登板はよくなかった。プロ初登板もよくなかったが、投げるごとに慣れてよくなっていた。球威だけでなく、変化球の低めの制球など、成長させていただいている」

◆ヤクルト・宮本丈内野手(25)が7日、DeNA7回戦(神宮)に「7番・二塁」で先発出場。1点リードの二回無死二塁から、右翼線への適時二塁打を放った。  相手の先発右腕・上茶谷が投じた130キロに食らいつき「バントができなかったので、何とかランナーを進めることを考えて、バッティングに切り替えていい結果となってよかったです」と汗をぬぐった。

◆ヤクルト・塩見泰隆外野手(27)が7日、DeNA7回戦(神宮)に「5番・右翼」で先発出場。三回2死一塁から右翼席への5号2ランを放った。  先発右腕・上茶谷が投じた130キロのスライダーを捉え「ランナーを進める気持ちで打席に入りました。大振りせずコンパクトに、力まず良いスイングができました。良い角度で上がってくれてよかったです」とうなずいた。

◆ヤクルトのドラフト2位・吉田大喜投手(23)=日体大=が待望のプロ初勝利を挙げた。4試合目の先発登板となったルーキー右腕は6回6安打2失点の力投。打線も14安打8得点を挙げて新人を援護した。  ヤクルトは一回に暴投で1点を先制。二回には無死二塁から宮本が右翼線への適時二塁打を放ち加点。三回には2死一塁から塩見が右中間スタンドへ5号2ランを放ってリードを広げた。五回にも1死満塁から宮本の右前2点打、古賀の左犠飛で3点を追加。八回にもエスコバーが駄目押しの中犠飛を放った。  吉田喜は五回まで3安打無失点、4つの空振り三振を奪うなど好投。六回に先頭への四球を契機に長短打などで2点を失ったが、1死一、二塁で迎えた宮崎を併殺で仕留めて切り抜けた。七回からマウンドを託した先輩リリーフ陣の大下、中沢が無失点でつないだ。

◆DeNAのネフタリ・ソト内野手(31)が7日のヤクルト7回戦(神宮)を欠場した。横浜市内の病院で検査した結果、「腎盂腎炎(じんうじんえん)」と発表した。  ラミレス監督は2-8で敗れた試合後、「朝から腹痛があるとのことだったので、大事をとって自宅で休ませた。トレーナーの報告によると大ごとではないとのことだったので、明日は大丈夫だと思うが、様子をみて判断したい」と説明した。  ソトは開幕から全試合でスタメン出場。打率・266、8本塁打、25打点をマーク。前日6日の中日戦(横浜)では2本の二塁打など3安打を放っていた。

◆ヤクルトの宮本が2安打3打点と気を吐いた。1-0の二回に右翼線へ適時二塁打を放つと、4-0の五回には右前へ2点適時打。「毎試合自分にもプレッシャーをかけて、できることをやろうと頑張っている」と懸命だ。  山田哲が上半身にコンディション不良を抱えて戦列を離脱しており、二塁での先発出場が増えている。大阪・履正社高から奈良学園大を経て入団した3年目の左打者。「山田さんの穴を埋めるのは厳しいかもしれないが、勝利に貢献できるようにという気持ちでやっている」と表情を引き締めた。

◆村上が一回に左翼線二塁打を放つなど2安打で、6月25日の阪神戦から36試合連続出塁。若松勉が1976年にマークした35試合連続を抜き、球団では単独4位(1位は青木宣親の43試合、2010年。プロ野球記録はイチローの69試合、94年)となった。「チームの勝ちに貢献できるよう、4番の仕事を全うしたい」と語る20歳の存在感が増している。

◆改造した新打線が効果的に得点を重ねた。14安打8得点で快勝した試合後、ヤクルト・高津臣吾監督(51)は冷静に試合を振り返った。  「ムネ(村上)の後を誰が打つんだというのを優先に考えた。結果的にうまくはまった形になったので良かった」  前日6日の広島戦(神宮)から野手の打順を5人変更した。得点源となる5番に塩見を置き、山田哲が不在の2番には、来日初となるエスコバーを起用。新打線が見事に機能した。  一回にエスコバーの右前打をきっかけに先制すると、三回2死一塁からは塩見が豪快な5号2ラン。5番・塩見は開幕当初から描いていた形で「長打もある塩見がムネの後を打つのは、相手も嫌がる形かな」と手応えを口にした。  宮本が3打点するなど、伏兵や控え選手の活躍が目立つ。「不器用な男だけどね。サインに出されたことを一生懸命やろうとする。見ていてもモチベーションで参考になることが多い」と指揮官。日替わりでヒーローが誕生する好循環が、チームを支えている。(長崎右)

◆ヤクルトのドラフト2位・吉田大喜投手(23)=日体大=が7日のDeNA7回戦(神宮)に先発し、6回を6安打2失点と好投。4度目の先発登板で、念願のプロ初勝利を挙げた。父・英樹さん(50)が立ち上げた野球用具店「すみれスポーツ」のグラブを愛用する右腕が、8-2で勝っての2連勝に貢献。チームは2位に浮上し、首位・巨人とのゲーム差を「4」に詰めた。  真夏の神宮球場で主役を張ったのは、期待の新人右腕、吉田大喜だった。燕党の拍手を一身に受けると、頬を緩めた。  「なかなか勝てていなかったので、やっと勝ててうれしいです。少しでも長い回を投げて勝ちに迫りたいと思っていたので、よかったです」  4度目の先発で、成長した姿を見せた。うだるような暑さの中、丁寧に制球。直球は常時140キロ台前半ながら、多彩な変化球を低めに集めた。  「投げるごとによくなるようにと心がけている。序盤、変化球を低めに集められたので良かったかなと思います」  最大のピンチは六回、先頭打者への四球が絡んで2点をかえされた後の1死一、二塁だった。大粒の汗を額に集めながら宮崎に外角低めへスライダーを投じ、遊ゴロ併殺打。大崩れはせず、6回6安打2失点。念願の初白星をたぐり寄せた。  左手にはめるグラブを見るたびに、父・英樹さんとの思い出がよみがえる。「革がよいのと、自分の手に合わせて作られているので使いやすい」と吉田喜。実家は仏壇系の会社を営んでいたが、2010年に草野球好きの父が「新事業」として大阪・茨木市に野球用具店「すみれスポーツ」をオープンした。奈良に2カ所、東京に1カ所ある工場で作られる高品質のグラブを、アマチュア時代から愛用してきた。  野球の楽しさを教えてくれたのも父だった。幼少期は、ロッテで活躍したジョニーこと黒木知宏モデルのグラブをはめ、家の前や近くの公園で「お父さんに投げ方を教わりながら」キャッチボールを繰り返した。夕飯後には、車に乗って近くのバッティングセンターへ。野球漬けの日々だったが、脳裏に浮かぶのは父の優しい笑顔だけだ。  「ずっと優しいので怒られた記憶はないです」。日体大時代は、父がYouTubeで見た動画をもとに、東京と大阪で電話をつないだ"反省会"を実施。「何をしようと常に応援してくれていました」。だが、プロ入り前には一度だけ覚悟を問われたことがある。  「10年ぐらい頑張れる選手になる自信がないならやめておけよ」  厳しい言葉だが、あふれる優しさ。返事は「挑戦します」だった。常に一番近くで応援してくれたからこそ、勝利球は「お父さんがやっている店に飾ってもらえるように、家に贈りたいです」。勝利の報告に感謝の気持ちも添える。  チームは勝率でDeNAを上回って2位に再浮上し、首位・巨人とのゲーム差も4に縮めた。孝行息子は「自分が活躍して(すみれスポーツの)宣伝になればいい」。お父さん。大喜はこんなに成長しました。(赤尾裕希)  ★その時  吉田喜の父・英樹さん(50)は、息子の登板日のルーティンを変えて勝利を後押しした。過去3度の登板前日はLINEで励ましの言葉を送ったが、「勝てていなかったので今回はやめました」。また、大阪・茨木市の「すみれスポーツ」の営業を休んだり時間を短縮したりしていたのもやめ、この日は午後8時まで通常営業。テレビもつけず、スマートフォンで速報を見ながら勝利を祈った。子供の頃を「ちょっと甘やかしすぎた感じはありますね」と振り返った父は、「知らぬ間にこんなになったんだなと。すごいなと。よかったです」と感慨深げだった。

◆強打のDeNA打線を相手に、五回まで3安打、無失点。そこまでの吉田喜は、素直にほめてあげたい。  直球のスピードガン表示は140キロ台前半ながら、緩いカーブにカットボール、フォークボールを交え、丁寧に投げていた。  4度目のマウンドで、プロ初勝利。しかもこの3戦は、5回、5回、そして6回をすべて2失点。先発の責任を果たす数字は、残している。  ただ、最初に「そこまでの-」と表現したのは、7-0と一方的なスコアで迎えた六回の内容に、課題があるからだ。  先頭の柴田を四球で歩かせ、続く梶谷にもいきなり3ボール。結局、カウント3-1から二塁打され、この回、2失点。新人だけに、わからないでもないが、5回をクリアして一段落...という気持ちがあるように映った。  5回は先発に勝利投手の権利が発生するだけであって、あくまで通過点。イニングや球数などで、自ら区切りをつけるのは、もったいない。  私は大学時代の吉田喜を見ている。そのときの感覚でいうと、スピードも、もっと出るはず。より強く、より信頼される投手になってもらいたい。 (本紙専属評論家)

◆「7番・二塁」のヤクルト・宮本が2安打3打点。1-0の二回に右翼線へ適時二塁打を放つと、五回には右前2点打。「できることをやろうと頑張っている」と汗を拭った。履正社高から奈良学園大を経て入団した3年目内野手は山田哲が不在で、二塁での先発出場が増えている。「山田さんの穴を埋めるのは厳しいかもしれないが、勝利に貢献できるようにという気持ちでやっている」と前を向いた。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
24142 0.632
(↓0.017)
-
(-)
80193
(+1)
140
(+7)
57
(+1)
24
(-)
0.254
(↓0.002)
3.440
(↓0.1)
2
(1↑)
ヤクルト
19175 0.528
(↑0.014)
4
(↑1)
79187
(+8)
204
(+2)
36
(+1)
28
(+1)
0.255
(↑0.004
4.570
(↑0.07)
3
(1↓)
DeNA
21192 0.525
(↓0.013)
4
(-)
78175
(+2)
151
(+8)
49
(-)
7
(-)
0.274
(↓0.001)
3.530
(↓0.1)
4
(-)
阪神
18202 0.474
(↓0.012)
6
(-)
80168
(+6)
168
(+11)
39
(-)
35
(-)
0.246
(↑0.001)
3.760
(↓0.2)
5
(-)
広島
16204 0.444
(↑0.015)
7
(↑1)
80191
(+11)
192
(+6)
47
(+1)
16
(-)
0.285
(↑0.004)
4.430
(↑0.01)
6
(-)
中日
16243 0.400
(↑0.015)
9
(↑1)
77129
(+7)
188
(+1)
20
(+1)
7
(-)
0.239
(↑0.001)
4.050
(↑0.07)