1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
広島 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 3 | 9 | 0 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 3 | 12 | 1 | 1 |
勝利投手:- 敗戦投手:- 本塁打 |

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◆広島は1点を追う9回表、會澤の適時打などで2点を挙げ、逆転に成功する。対する阪神はその裏、2死二塁から近本が適時打を放ち、土壇場で試合を振り出しに戻した。その後試合は延長戦に突入するも、10回の攻防は両軍無得点に終わり、規定により引き分けに終わった。
◆阪神オネルキ・ガルシア投手が先発予定の22日広島戦で甲子園初勝利を目指す。 「甲子園で先発としてまだ勝てていないから、次こそは必ず勝てるように準備して頑張りたいね」。昨季終盤にロング救援で3連勝するも、先発に限ると中日時代から10試合で0勝3敗と分が悪い。「(広島は)いい打者がそろっているから、ボールが高くならないよう、低めに集めることに集中して投げたい」と気合十分だった。
◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神がオネルキ・ガルシア投手(30)、広島が野村祐輔投手(31)。 阪神先発のガルシアは、先発に限ると中日時代から甲子園で10戦勝ちなし。現在5連勝中と勢いに乗るチームにあやかり、甲子園初勝利となるか。右臀部(でんぶ)の張りを訴えている新助っ人のボーアは、試合前練習では屋外練習に参加していたが、3試合連続でベンチ外となった。
◆10試合ぶりスタメンの広島アレハンドロ・メヒア内野手(27)が先制打を放った。 2回1死三塁から阪神先発ガルシアの浮いたチェンジアップをたたいて三遊間を破った。「フルカウントだったので、粘り強く食らいついていきました。いい先制点になったね」。今季初先発の野村を援護した。
◆阪神ジェリー・サンズ外野手(32)が同点打で3試合連続打点を記録した。 1点を追う3回1死三塁。野村の低めツーシームをとらえ、ライナーで右中間に適時二塁打を決めた。 「得点圏にランナーがいたし、外野まで飛ばすことのできるボールを待っていたよ。強くスイングをすることができたし、いい結果になって良かったね」と振り返った。
◆絶好調の阪神糸原健斗内野手(27)が5回裏1死の第3打席で代打北條を送られた。 5回表の守備を終えた後には矢野監督が糸原のもとまで話しかけにいっており、体にアクシデントが発生した可能性もある。 前日21日広島戦では勝ち越しの2ランを放ち、12試合連続安打で打率を3割1分7厘まで上げていた。 5連勝中のチーム内でも主役級の働きを続けていたが、この日は同点の試合中盤で交代した。
◆阪神オネルキ・ガルシア投手(30)は7回6安打1失点と力投も甲子園勝利はまたもお預けになった。 2回、先頭磯村の二塁打からメヒアに先制適時打を許したが、ボールを低めに集めて我慢の投球を展開。5回には自身の暴投から2死三塁のピンチを招いたが、菊池涼をツーシームで遊ゴロにきってピンチを脱した。7回の打席で代打を送られた。 昨季は終盤にロングリリーフとして甲子園で3連勝を挙げたが、先発試合に限ると、これで中日時代から11試合で0勝3敗と不思議と甲子園の勝ちに縁遠い。 ガルシアは球団広報を通じて「1点は取られたけれど、なんとか粘ることができたし、ゲームは作ることができたと思う」とコメントした。
◆阪神ジェリー・サンズ外野手(32)が値千金の勝ち越し弾を決めた。 同点で迎えた8回1死、3番手塹江の高め149キロ直球に振り遅れながら、2戦連発となる5号ソロを右翼席に運んだ。 1点を追う3回には同点打で3試合連続打点を記録していた。3試合連続マルチ安打と好調だ。
◆阪神大山悠輔内野手(25)の適時失策で試合は振り出しに戻った。 サンズの勝ち越し弾が飛び出した直後、1点リードの9回表1死二塁から三ゴロを一塁へ悪送球。二塁走者がホーム生還となった。 さらに1死一、二塁でスアレスが代打会沢に勝ち越しの左前適時打を献上。痛恨の失策となった。
◆阪神近本光司外野手(25)が土壇場で同点打を放った。 9回表の中堅守備から途中出場。逆転された直後の9回裏2死二塁で打席が回り、菊池保の真ん中フォークを右翼線に運んだ。 不振が続き2試合連続でスタメン落ちしていたが、起死回生の一打を決めた。
◆阪神オネルキ・ガルシア投手は好投実らず、今季初勝利を逃した。 今季5試合目の先発マウンド。2回に7番メヒアの左前適時打で先制点を許したが、以降は要所を締めた。尻上がりに調子を上げ、6回からの2イニングは完全投球。7回6安打1四球で1失点と粘った。同点の状況で代打を送られ、勝ち負けはつかず。それでも「1点は取られたけど、なんとか粘ることができたし、ゲームは作ることができたと思う」と納得のコメントを残した。
◆広島は2回にメヒアの左前適時打で1点を先制した。阪神は3回にサンズの右中間適時二塁打で同点に追いついた。 両先発が試合終盤まで粘りの投球を続けた。広島野村は6回を5安打1失点。阪神ガルシアは6回を6安打1失点。 広島は9回、敵失で同点。代打会沢の左前適時打で勝ち越した。阪神はその裏、近本の適時打で同点に。延長に入った。 延長10回は両軍ともに得点圏まで走者を進めたが、あと1本が出ず引き分けた。広島は抑えの菊池保が1点を守れなかった。
◆阪神岩崎優投手は安定感のある投球で4試合連続無失点に抑えた。同点の8回に登板。1死から四球を与えて2死二塁とされたが、最後は4割打者の3番堂林を右飛に打ち取った。 17日の中日戦から無失点投球を続けており、防御率1・01だった昨季の姿に戻りつつある。
◆絶好調の阪神糸原健斗内野手(27)が5回1死の第3打席で代打北條を送られた。そのまま兵庫県内の病院に向かい、右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折と診断された。 広報によると、試合中に負傷。矢野監督は試合後、「健斗はちょっと無理やろね、抹消になると思う」と説明。23日に出場選手登録を抹消される見込みとなった。 前日21日広島戦では勝ち越しの2ランを放ち、12試合連続安打で打率を3割1分7厘まで上げていた。5連勝中のチーム内でも主役級の働きを続けていたが、この日は同点の試合中盤で交代。チームにとってショッキングな離脱となった。
◆阪神ジェリー・サンズ外野手(32)のバットが止まらない。1-1の8回、1死走者なしから広島3番手塹江の高め149キロ直球をとらえた。舞い上がった打球はぐんぐん伸び、それに比例して球場の歓声もどんどん増した。右翼席に着弾。「終盤で同点だったから、甘いボールが来たら逃さず打とうと思っていた。しっかり捉えることができて良かったよ」。2戦連発となる一時勝ち越しのソロは、チームトップタイとなる5本目のアーチとなった。 1点ビハインドの3回にも勝負強さを発揮した。1死三塁から広島の先発野村の142キロツーシームを右中間へ。「どうにかしてランナーをかえしたいという気持ちで、外野まで飛ばせる球を待っていたよ。それをしっかり打ち返せて良かったね」。同点の適時二塁打で、試合を振り出しに戻した。 昨季韓国・キウムで打点王を獲得した実力は本物だ。16日のヤクルト戦(甲子園)からこの日の本塁打まで、6試合で8安打。うち7本は適時打か本塁打で、同期間は打点も9挙げている。得点圏では13打数6安打で打率は4割6分2厘。開幕は打撃不振で2軍スタートだった助っ人が、巻き返してきた。 同じ助っ人のボーアは右臀部(でんぶ)の張りで3試合連続欠場中。その中でサンズは、21日の同戦でバックスクリーン弾を含む2打数2安打2打点2四球と絶大な存在感を示し、この日も2安打2打点。B砲離脱の穴を埋めている。試合前練習のノックでも一塁で受けるなど、相方の穴を埋める意識は高い。 サンズはこれで3試合連続マルチ安打&マルチ打点と絶好調。打点もチームトップの14だ。矢野監督は「頼もしいです」とニンマリ。一時は0割台だった打率も3割台に乗せてきた。執念ドローのなか、サンズの急上昇も虎には朗報だ。【只松憲】
◆執念の10回引き分けゲームの裏で、虎にショッキングな事態が起こっていた。阪神糸原健斗内野手(27)が兵庫県内の病院で検査を受け「右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折」と診断されたことが、22日の広島戦後に球団から発表された。糸原は5回1死の打席を迎える際、代打北條を送られて途中交代。病院に向かっていた。どの場面で骨折したかは不明だが、広報によると試合中の負傷という。 糸原は前日21日広島戦まで自身最長の12試合連続安打を放つなど打率3割1分。7月に入って巻き返したチームの原動力となっていた。離脱は避けられず、矢野監督も「ちょっと無理やろね。(23日に)抹消になると思う」と苦渋の表情を浮かべた。 18、19年と2年連続で全試合出場し、今季もここまで全試合出場。18年開幕戦から312試合連続試合出場を続けていた。全治は不明だが、1カ月以上の長期離脱となる可能性が高いとみられる。キャプテンとしてもチームを支えてきただけに、ショックは大きいが、一丸となって窮地に向かっていくしかない。
◆広島野村祐輔投手(31)が、今季初登板初先発で6回1失点と力投した。阪神戦(甲子園)に先発。勝ち星こそつかなかったものの、最速143キロの直球を軸に変化球を丁寧に投げ分け、勢いに乗る猛虎打線を封じ込めた。9回に逆転したものの、守護神の菊池保が1点を守りきれず引き分けに終わり、最下位に転落した。野村が帰ってきた。甲子園のマウンドでセンター方向を一点に見つめ、深呼吸を入れた。阪神戦で今季初登板初先発。毎イニングの最初にプロ1年目から行うおなじみのルーティンで一息つき、5連勝中と勢いに乗る猛虎打線に立ち向かった。 初回を3人で片付け、2回は2死満塁のピンチを招くも、ガルシアを右飛に仕留め切り抜けた。1点リードの3回には2本の長打を浴び同点に追いつかれた。しかし奪われたのはこの1点のみ。5、6回は連続で3者凡退に封じた。勝ち星こそつかなかったものの、右腕は「最低限ゲームを作ることができたと思う」と胸を張った。 まさかのアクシデントだった。キャリアハイを目標に掲げ、充実のオフを過ごしてきた直後、2月の春季キャンプ序盤の坂道ダッシュトレーニング中に右ふくらはぎを負傷。リハビリ生活を余儀なくされた。3月11日に実戦復帰。新型コロナの影響でシーズンの開幕は3カ月遅れたものの、開幕ローテーション入りを逃し、プロ入りから9年目にして初の開幕2軍という悔しさを味わった。この日のマウンドは悔しさをぶつける投球だった。 6回1失点の力投にも「点を取ってもらってから粘ることができればよかった」と反省した。ただ先発投手が6イニング以上投げるのは、大瀬良を除けば12日中日戦で6回を投げた遠藤以来。中継ぎを含め苦しむ広島投手陣で、経験豊富な右腕がブルペン陣に休息を与える粘投を見せた。佐々岡監督は「6回を投げきって、最少失点。仕事をしてくれた。次につながる投球だった」と目を細めた。「まだまだこれからです」と野村。チームにそんな頼もしい右腕が帰ってきた。【古財稜明】
◆広島磯村嘉孝捕手が今季初スタメンでプロ初の5番捕手で出場した。 両軍無得点の2回先頭で、ガルシアから右中間を破る二塁打を放ち、先制点の口火を切った。ただ同点の延長10回に2死二塁から空振り三振に倒れ試合終了。 「ここぞのチャンスで打たないと。勝負強いバッターにならないといけない」と反省した。守っては2軍戦でバッテリーを組んでいた野村の女房役を務め、6回1失点の力投に導いた。「ファームでやってきたことをやろうと。祐輔さんが良い投球をしてくれました」と振り返った。
◆阪神馬場皐輔投手がしびれる場面でカープ打線の中軸を無失点に抑えた。 同点の10回表に登板。2番菊池涼を遊ゴロに打ち取った後、3番堂林に内野安打を許したが、4番鈴木誠はカーブで空振り三振。5番磯村はスプリットで空振り三振に仕留めた。「今日は自分の投球ができた。自信にもなりました」と充実感たっぷり。矢野監督からも「一番難しいところ。素晴らしい投球だった」と絶賛された。
◆3時間46分のロングゲームを終えて甲子園のスタンドから温かい拍手が起こった。矢野阪神が執念の一丸野球で今季初のドローに持ち込んだ。2-3と1点を勝ち越されて迎えた絶体絶命の9回2死二塁。途中出場の近本が広島菊池保の3球目、136キロフォークに食らいつく。甲子園の雨を切り裂いた鋭い打球は、右翼線に転がり二塁走者が生還した。 近本 どんな状況であっても自分のやるべきことは変わらないです。あの場面ではランナーをかえすことが1番だったので、しっかりランナーをかえすことができて良かった。 意地だった。昨季セ・リーグ新人記録の159安打を放ったヒットマンだが、試合前まで打率1割8分2厘。極度の打撃不振から2試合連続でスタメンを外れていた。前日21日から定位置の中堅をベテラン福留に任せている。「2年目のジンクス」と戦う若武者が見せた9回2死からの反発力。指揮官も悔しさのなかに手応えありだ。 矢野監督 同点のタイムリーを苦しんでいるチカが打ったというのもチームとして意味がある。もちろん最後はサヨナラで決めたかったけど、みんなでチャレンジしてチーム全員一丸で戦う姿っていうのは伝わったかな。まあ、悔しいけど。 確かに敗色ムード濃厚だった。1点リードして迎えた9回1死二塁の場面。三塁大山が長野の三ゴロを一塁へまさかの悪送球。ボールは一塁手陽川のミットの上を通過し、無情にも一塁側カメラマン席に飛び込んだ。これで二塁走者がホーム生還。さらに1死一、二塁でスアレスが代打会沢に勝ち越しの左前適時打を献上。万事休すの状態から野手全員を使い切りドローに持ち込んだ。 5連勝の勢いはまだ止まっていない。矢野監督は「悔しいですけど、負けなかったというところに意味があると思う。打線の援護は早い回にしてほしいし、今日みたいに全員で戦っていきたい」と変わらぬ姿勢を貫く。日本シリーズに出場した14年以来となる6カード連続勝ち越しなるか。ベンチを含めた全員野球で白星をつなぐ。【桝井聡】
◆阪神は1点リードの9回表に大山の失策などで逆転を許すもその裏に近本の同点タイムリーが飛び出し、延長10回引き分けに持ち込んだ。 以下、矢野監督の一問一答。 -試合を振り返って 悔しいですね。でも、全員で引き分けに持ち込めたところは僕たちが目指すところ。こういうような気持ちでいれば、どんな試合でもいけるっていうのもあらためて感じています。 -サンズが頼りになる 打ってる場面もいいし、内容も非常にいい。本当に、見ていて打ちそうな雰囲気をすごく出してくれている。頼もしいです。 -9回の攻撃は近本に託した チカもベンチで悔しい思いしているんで。それでも、ああいうところで打ったというところでまたはい上がってもらいたいし、素晴らしい打撃でした。 -10回の投手は馬場 打順も相手の中心バッターで一番難しいところ。1個1個レベルアップしてくれている感じがします。あの流れの中で、素晴らしいピッチングでした。 -ガルシアの粘投 7回まで投げてくれたというのが大きかったです。見ていてハラハラするんですけど、本当にチームを元気づけてくれて、しっかり投げてくれるのは本当にありがたいです。 -明日は藤浪 悔しいですけど、負けなかったというところに意味があると思いますしね。打線の援護は早い回にしてほしいですし、全員で戦っていきたいです。 -負けなかったのは大きいのでは エラー(9回に大山が送球エラー)でっていうのが悔しいです。ただ、そのまま終わらず、また同点のタイムリーを苦しんでるチカが打ったのもチームとしては意味があると思う。もちろん最後もサヨナラで決めたかったけど、でもみんなでチャレンジしてチーム全員一丸で戦う姿は見てもらったみなさんに伝わったかな。悔しいですけど、なんていうかな、チームとして成長できてる部分もあるんじゃないかなと思っています。 -やはりエラーで勝てなかったのは悔しい タイミングがずれて自分の思ったような打球でこなかったので、ちょっとリズムがずれたところであの送球になった。捕ったからにはやっぱりアウトにするっていうところがね。これからもチームとしてやっていきたい。でも、その後、最後に(大山も)ヒットを打ったっていうところも。それは取り返そうという気持ちは、みんなあるんですけど、結果としてそれを出せたっていうのはまた意味があるんじゃないですかね。
◆絶好調の阪神糸原健斗内野手(27)が5回1死の第3打席で代打北條を送られた。そのまま兵庫県内の病院に向かい、右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折と診断された。 広報によると、試合中に負傷。矢野監督は試合後、「健斗はちょっと無理やろね、抹消になると思う」と説明。23日に出場選手登録を抹消される見込みとなった。 ▽阪神井上打撃コーチ(骨折で離脱する糸原について)「今、一番絶好調で打線を引っ張っていっているやつがいなくなるのは本当に痛いけど、チームとしてはしょげている場合ではない。それに代わる主役の座を俺が取ってやるというやつが出てくることを期待している。健斗(糸原)は健斗でチームを離れるのは悔しいだろうし、うずうずすると思う。俺ももちろんいち早く戻ってきてほしいし『煮干いっぱい食っておけ!』と言っておきます」
◆広島はまたも接戦をものにできず最下位に転落した。相手のミスから9回に一時は逆転するも、抑え菊池保が1点差を守り切れなかった。 先頭に出塁を許すと、2死二塁から近本に右翼線に同点打をはじき返された。今季はまだ1点差での勝利なく、チームでのセーブ数もわずか1。佐々岡監督は今後の起用について「今終わったところだから...。これから考える」と配置転換の可能性を示唆した。
◆絶好調の阪神糸原健斗内野手(27)が5回1死の第3打席で代打北條を送られた。そのまま兵庫県内の病院に向かい、右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折と診断された。 広報によると、試合中に負傷。矢野監督は試合後、「健斗はちょっと無理やろね、抹消になると思う」と説明。23日に出場選手登録を抹消される見込みとなった。◆有鉤(ゆうこう)骨骨折 手首の関節を構成する有鉤骨には有鉤骨鉤(ゆうこうこつこう)という突起があり、打撃時にバットのグリップエンドが当たるなどの衝撃を受けた場合に折れることがある。プロ野球選手の場合、100%手術するという。 ▽有鉤(ゆうこう)骨骨折から復帰した近年の主な選手 ◆松田宣浩(ソフトバンク)10年5月8日西武戦でファウルを打った際に左有鉤骨を骨折。約1カ月半後の6月22日の日本ハム戦で実戦復帰。 ◆清宮幸太郎(日本ハム)19年3月上旬のオープン戦出場中に右手首を痛め、右有鉤骨骨折と診断された。5月24日西武戦で1軍復帰を果たした。 ◆宮崎敏郎(DeNA)19年8月に左有鉤(ゆうこう)骨を骨折。約1カ月で戦列に復帰し、9月12日巨人戦から閉幕までの11試合で打率3割3分3厘の成績を残した。
◆スターティングメンバーおよびベンチ入り選手が発表され、右臀部(でんぶ)の張りで別メニュー調整が続いていた阪神のジャスティン・ボーア内野手(32)は、この日もベンチ入りメンバーから外れた。 試合前には、18日以来の屋外練習を再開していた助っ人。キャッチボールや、一塁で内野ノックを行い、フリー打撃では30スイングで柵越え5本と、順調な回復を見せていた。 矢野監督は「その日のようすを見て、どうするか決めるという感じ」と話していたが、万全を期すためにこの日も休養となった。
◆阪神のジェリー・サンズ(32)が三回、1-1の同点に追いつく適時打を放った。 0-1の三回1死三塁。カウント1-1から野村の142キロツーシームを逆方向へはじき返した。右中間への適時二塁打となり、試合を振り出しに戻した。 前日21日の広島戦でも2打数2安打2打点の活躍で、得点圏打率は試合前の時点で・417(12打数5安打)。この日も勝負強い打撃を発揮した。
◆阪神・糸原健斗内野手(27)が五回に代打を送られ、交代した。 この日、「2番・二塁」で先発出場。一回の第1打席では遊ゴロ、三回の第2打席では中飛に倒れた。五回に3度目の打席が回ってきたところで右投手の野村に対して、右打者の北條が代打で登場した。 前日まで自己最長の12試合連続安打と打撃好調だっただけに、状態が心配される。
◆阪神・近本光司外野手(25)が九回に同点に追いつく適時打を放った。 九回に2-3と逆転を許したその裏。2死二塁で打席に立った。カウント1-1から菊池保の甘く入ったフォークを右前へとはじき返した。3-3の同点に追いつき、試合は延長戦へと突入した。
◆阪神は3-3で広島に引き分けた。 2-1の九回1死二塁から打ち取った打球を三塁・大山が一塁へ悪送球。二走が生還し同点。その後、1死一、二塁となったところで会沢に適時打を打たれ、2-3とされた。 阪神はその裏。2死二塁から近本が右前への適時打を放ち、同点に追いついた。延長十回はお互いにランナーを出しながらも無得点に終わり、引き分けとなった。
◆阪神は延長十回、3-3で広島に引き分けた。八回に一時勝ち越したが、九回に逆転され、さらにその裏同点にする展開。今季初の引き分けとなった矢野監督は「悔しいですね。でも全員で引き分けに持ち込めたっていうところは僕たちが目指すところですし、こういうような気持ちでいれば、どんな試合でもいけるんだっていうのも改めて感じています」と話した。 同点打と一時勝ち越し打を放ったサンズについては「ほんとに打ってる場面もいいし、内容も非常にいい。本当に、みていて打ちそうだなって雰囲気をすごく出してくれているんで頼もしいです」と語った。 球団は途中交代した糸原について、兵庫県内の病院で検査を受け、右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折と発表した。指揮官は「健斗(糸原)はちょっと無理やろね、抹消になると思うんで」と出場選手登録から外れる見通しを明らかにした。
◆大山が痛恨の失策だ。2-1の九回1死二塁、長野の三ゴロを処理して一塁に悪送球。二走の生還を許して同点とされた。矢野監督は、大山について「スローイングのミスはプロとして...。星野(仙一)さんも言っていたが、プロとしては捕ったら(アウトにしてほしい)」と厳しい表情も「最後(十回)にヒットを打った。(ミスを)取り返そうという気持ちはある」とフォローした。
◆今季5度目の先発だったガルシアは今季自己最長の7回を投げて1失点の粘投も実らず、初勝利はお預けとなった。「1点は取られたけど、なんとか粘ることができたし、ゲームは作ることはできた」。二回1死三塁、メヒアの左前適時打で先制点を奪われたが、三回、四回と出塁を許しても併殺でしのいだ。矢野監督は「見ていてハラハラするが、チームを元気づけて、しっかり投げてくれるのは本当にありがたい」とねぎらった。
◆2日連続で"馬場ガッツ"が飛び出した。3-3の延長十回2死二塁。磯村を空振り三振に斬ると、阪神・馬場は右拳を握りしめてガッツポーズだ。 「今まで大事な場面で、自分の思うような投球ができていない部分もありましたが、きょうは自分のピッチングができたと思うし、自信にもなりました」 九回、近本の右前適時打で追いついた直後の十回のマウンド。1死後、内野安打で出塁を許したが、4番・鈴木誠をカーブで空振り三振。このあと2死二塁のピンチをしのいだ。 前日21日は3点リードの七回途中に登板。1点を失い、なお1死満塁のピンチを切り抜けると拳を握りながら猛ダッシュで一塁ベンチにかけこんだ。 2018年ドラフト1位で、昨季までの2年間での1軍登板は4試合だったが、今季はすでに9試合。虎のブルペン&ムードメーカーとして欠かせない存在となった右腕は「次からも、こういう投球ができるように、しっかりと準備して頑張りたい」と力を込めた。(三木建次)
◆菊池保のセーブ失敗で痛恨ドローだ。直近4戦で2敗2分けで最下位に転落。佐々岡監督は「あと一歩という中で難しいと言うか何と言うか...」と顔をしかめた。1-2の九回に敵失に乗じて逆転するも、8日のDeNA戦(マツダ)から抑えに配置した菊池保が背信。近本に適時打を浴び、19日のヤクルト戦(マツダ)に続いて同点とされた。菊池保は今季3度目、開幕時に抑えを託したスコットも含めるとチーム4度目のセーブ失敗で頭が痛い。今後について将は「まだ終わったところ。これから考える」と語るにとどめた。
◆阪神は22日、糸原健斗内野手(27)が兵庫県内の病院で「右手有鉤(こう)骨の骨折」と診断されたことを発表した。糸原はこの日の広島戦(甲子園)に「2番・二塁」で出場したが、五回に代打を送られて交代。試合中に痛めたとみられ、23日に出場選手登録を抹消される。前日21日まで12試合連続安打だった好調の主将の離脱は痛恨だ。 緊迫した試合展開の裏で、虎に衝撃が走った。途中交代の糸原が骨折していた。絶好調の主将が予期せぬ離脱。試合後に矢野監督は苦しい現実を明かした。 「健斗はちょっと無理やろうね。(出場選手登録)抹消になると思う」 五回1死の第3打席で代打・北條が告げられた。前日21日まで自己最長の12試合連続安打を更新していた打者の交代は、やはり異変だった。兵庫県内の病院に直行して「右手有鉤(ゆうこう)骨骨折」と診断されたことが、試合後に球団から発表された。 有鉤骨は小指の付け根付近から手首の間にある骨で、打者にとって"職業病"だ。打撃の強い衝撃やその積み重ねが原因で、この日の打席で痛めたとみられる。全治などは不明だが、過去の例では復帰まで2、3カ月を要し、長期離脱は避けられない。打率・310、2本塁打、8打点と好調で、最近5試合で3度もお立ち台に呼ばれていた連勝の立役者。井上打撃コーチは「一番絶好調で、打線を引っ張っている人がいなくなるのは本当に痛い」とショックを隠せなかった。 今季も26試合すべてグラウンドに立っていた背番号「33」は過去2年も全試合に出場した。連続試合出場は「312」で止まることが決定。何よりもチームも自身も元気な状況で、突然のアクシデントはいたたまれない。 井上コーチは「ああいう状態で離れるのは悔しいだろうし、うずうずすると思う」と無念の思いを代弁した。攻守にチームを引っ張っていたリーダーの不在は痛すぎる。(安藤理)
◆高々と上がった白球の行く先を見つめて、ゆっくりと走り出した。絶好調の阪神・サンズが一時勝ち越しとなるソロ。虎党のスタンディングオベーションで沸く中、ダイヤモンドを一周した。 「終盤で同点だったから、甘いボールがきたら逃さず打とうと思っていたし、しっかり捉えることができてよかった」 1-1で迎えた八回1死だ。塹江の高め149キロの直球を振り抜いた。打球は逆方向へと上がり、右翼スタンドに着弾。試合を決める一発とはならなかったが、来日初の2戦連発だ。 0-1の三回1死三塁では野村の142キロのツーシームを逆方向へ。右中間への同点二塁打を放ち、「前の打者が良い働きをしてつないでくれたから、どうにかしてランナーをかえしたいという気持ちで、外野まで飛ばせる球を待っていた。それをしっかり打ち返せてよかった」と胸を張った。 「3番・左翼」で起用されたここ3試合すべてでマルチ安打&打点をマークと好調だ。打率も・305と3割に到達すると、得点圏では打率・462(13打数6安打)。昨季、韓国球界で打点王に輝いた勝負強さは本物だ。 マルテは左ふくらはぎを負傷し、離脱。ボーアも右臀部の張りで3試合連続のベンチ外と、助っ人野手で試合に出られる状態なのはサンズだけだ。中軸で活躍する姿に井上打撃コーチも「マルテがいない、ジャスティン(ボーア)がベンチを外れている中で主力を任されているという自覚を感じる」と目を細めた。 日本への適応能力も高い。試合を重ねるごとに日本での自身への攻め方もわかってくると、勤勉なS砲はしっかり頭にインプット。予習ばっちりで打席に立つことができていることも好調の要因だ。 結果を残し続ける助っ人に矢野監督も「相手にとって嫌なバッターに間違いなくなっているし、こっちとしては頼もしい打者になってくれている。サンズの前に走者を置くのが大事な部分」と大きな信頼を置いた。 ここぞの場面で頼りになる男が、これからも猛虎打線を支えていく。(菊地峻太朗)
◆意地の一打や!! 阪神は広島戦に3-3で引き分けた。2-3の九回に途中出場の近本光司外野手(25)が同点打。今季初めて2試合連続でスタメンを外れたが、土壇場で執念を見せた。5連勝中の虎は、簡単には負けへんで~!! 執念をまとった打球が、一塁手の頭上を越え、右前に弾んだ。甲子園が雨を吹き飛ばすほどの熱気に包まれる。近本は両手をたたき、右手をぐっと握りしめた。2試合連続スタメン落ちに燃えた。虎の韋駄天がチームの窮地を救う、起死回生の一打だ。 「どんな状況であっても自分のやるべきことは変わらないですし、あの場面ではランナーをかえすことが一番だったので、しっかりランナーをかえすことができてよかったです」 2-3の九回だった。2死二塁とあと1アウトで連勝が5で止まる絶体絶命の場面。守備から途中出場した近本にこの日、初めての打席が回ってきた。カウント1-1からの3球目。広島の守護神・菊池保の136キロのフォークを振り切った。二走・植田の生還を見届けると、普段は冷静な男が「ヨシッ!」と一喝。敗戦ムードを吹き飛ばす一打に、指揮官もこの日一番の"矢野ガッツ"を届けた。 九回の守備では大山の失策で同点となり、その後逆転を許した。近本の同点打の直前には、1死二塁から木浪が左飛に倒れ、肩を落としてベンチに引き揚げた。2人とも1994年生まれの同世代。気の置けない仲間の思いが、力に変わった。 華々しい活躍でルーキーイヤーを飾った男は、"2年目のジンクス"にぶち当たっている。ここまで打率1割台に低迷し、17日の中日戦(甲子園)では、今季初めてスタメン落ち。不動だったはずの中堅のポジションは、定位置ではなくなり、この日も2試合連続で先発を外れた。連勝を続けるチームのなか、一人蚊帳の外。ベンチから始まる戦いに、人一倍悔しさを募らせていた。 これまでの悔しさに仲間の無念を乗せて、甲子園に放った殊勲打。井上打撃コーチは「開幕してからずっと苦しんでいて、いろいろ工夫しながらなんとかしようとして練習している」ともがき苦しむ姿を見てきた。「『あの一打があったから』というきっかけがシーズンでは必ずある。チカ(近本)の一打で負けなかったから、きっかけの一打にしてほしい」。これが復調の鍵となる。ここから、ジンクスなどはね返してくれるはずだ。 ベンチ入り野手を全員使う総力戦となった今季初の延長戦は、引き分け。それでも、崖っぷちの状況から、負けなかった。敗戦を救った近本に矢野監督は「ベンチで悔しい思いをしている。ああいうところで打ったというところで、またはい上がってもらいたい」と期待し「負けなかったというところに意味がある。すばらしい打撃でした」とたたえた。 首脳陣も虎党も待ち望む、背番号「5」の復活。執念で放ったドロー打が、きっと、その号砲となる。(原田遼太郎)
◆う~ん、わが阪神タイガース、勝たなくて悔しいけど...けど、今季のチームのスローガン『It's 勝笑(しょう)Time! オレがヤル』の通り、熱い戦いを見せてくれたのだ!! 同点の八回、サンズがオレがヤルの勝ち越し5号アーチの勝タイムー! 全国の虎党は、本日も日本列島がリモートの六甲おろしに包まれる...と思ったら、アチャチャチャチャ~。三塁・大山がオレがやらかしたーの同点悪送球~グスン(涙)。さらに、よもやの逆転をくらったのだ...。 しかし、勝Timeは諦めるかいな~! スタメンを外れた近本の同点タイムリーで振り出しやー!! そして、最後の十回2死一、二塁で一打サヨナラのハラハラドキドキの場面をつくってくれただけで、実にいいShowTimeを見せてもらったと思いましょう!!(欲をかいたらキリがないのだ) と言いつつサヨナラ勝ちなら、頼れる若虎に成長した2018年D1位の馬場がプロ初勝利だったのに~!! とどこまでも欲深いオレだったのだ...。
◆終盤の二転三転で、負けなかったのは阪神にとって大きい。ただし、九回1点リードの場面で、大山の悪送球はあまりにもったいない。大いに反省してもらいたいし、そこは指摘しておきたい。 試合の中で一番光ったのはサンズの打撃だろう。5打席すべて、中堅から右方向へ打球を運んだ。八回の勝ち越し本塁打は真っすぐに差し込まれた感じだったが、それでもあそこまで持っていく。十回に右方向へ大きなファウルを放ったが、あの打球も同様。まさに外国人のパワーだ。 その一方で、三回の右中間適時二塁打は、ツーシームを軽打。こういう打撃もできるのかと感心した。キャンプや3月のオープン戦を見たときは、甘く入るスライダーには対応できるが、それ以外は厳しいのでは、という印象だった。が、今は真っすぐ系にもスムーズに対応できている。右方向を意識しているから、真っすぐにも、変化球にもタイミングが合う打撃になっているのだ。 投手目線でいえば、外国人選手にこの打撃をされると、相当厄介だ。(本紙専属評論家)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
巨人 |
17 | 8 | 1 | 0.680 (↓0.028) | - (-) |
94 | 133 (-) | 81 (+5) | 33 (-) | 17 (-) |
0.265 (↓0.004) | 3.100 (↓0.09) |
2 (-) |
ヤクルト |
14 | 10 | 3 | 0.583 (-) | 2.5 (↑0.5) |
93 | 133 (+5) | 133 (+5) | 23 (+1) | 20 (+1) |
0.260 (↓0.001) | 4.560 (-) |
3 (-) |
阪神 |
13 | 12 | 1 | 0.520 (-) | 4 (↑0.5) |
94 | 102 (+3) | 111 (+3) | 29 (+1) | 18 (+2) |
0.253 (↑0.003) | 3.980 (↑0.14) |
4 (-) |
DeNA |
12 | 15 | 1 | 0.444 (-) | 6 (↑0.5) |
92 | 112 (+5) | 106 (+5) | 27 (+3) | 5 (-) |
0.278 (↑0.001) | 3.740 (↓0.03) |
5 (1↑) |
中日 |
11 | 17 | 1 | 0.393 (↑0.023) | 7.5 (↑1) |
91 | 98 (+5) | 141 (-) | 17 (+2) | 5 (-) |
0.251 (↑0.001) | 4.540 (↑0.16) |
6 (1↓) |
広島 |
9 | 14 | 3 | 0.391 (-) | 7 (↑0.5) |
94 | 122 (+3) | 128 (+3) | 26 (-) | 13 (+2) |
0.288 (↓0.001) | 4.630 (↑0.09) |
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