ヤクルト(2対2)阪神 =オープン戦1回戦(2020.02.24)・ANA BALLPARK浦添=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【阪神】陽川 尚将(1号・7回表ソロ)

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◆ヤクルトは先発ローテーションの柱として期待される石川と小川が登板。両投手ともに3回を無失点に抑え、順調な調整ぶりを示した。対する阪神は新加入のエドワーズが1回無安打無失点。2つの三振を奪うなど好投を披露した。

◆BALLPARK浦添 阪神の新外国人ジョン・エドワーズ投手(32=インディアンス)がまたも実戦で完全投球を披露した。6回に登板し、1イニングを2奪三振で無安打無四球無失点。 ドロップ気味のカーブでヤクルト新助っ人エスコバーから空振り三振も奪い、「自分が思った投球ができて良かった。今日はちょっとカーブを多めに投げたかった。エスコバー選手にもいいボールが投げられた」と納得した。 実戦デビュー戦の20日楽天戦も1イニングをわずか8球で3者凡退。2戦連続で走者を許さず、セットアッパー就任へ順調に調整を進めている。

◆BALLPARK浦添 開幕ローテ入りに当確ランプを灯している阪神青柳晃洋投手は、指揮官から高いハードルを課せられた。 ヤクルト戦に先発。丁寧に低めへ集め、3回2安打1失点にまとめた。ただ、2回は課題の対左打者となった先頭雄平への四球が失点につながり「ボールは良かったですけど、先頭への四球が失点につながったのは反省です」。矢野監督は昨季9勝右腕に対して「去年よりも上のところを目指してもらいたい。しっかりローテに入って引っ張ってもらいたいという思いがある」と主戦級への成長を願った。

◆BALLPARK浦添 阪神の新外国人ジャスティン・ボーア内野手(31=エンゼルス)とジェリー・サンズ外野手(32=韓国・キウム)が、開幕相手のヤクルト戦で情報収集に努めた。石川、小川を相手にボーアは2度の見逃し三振。サンズは一ゴロとハーフスイングの三振だった。 オープン戦初登場はともに2打数無安打だったが、矢野監督は「(打席)数を立っていかないと相手の球の軌道や日本の審判のことはなかなか学べない」と納得。3番マルテからの助っ人3人によるクリーンアップは異例だが本番も見据える。指揮官は「現実としてありえる」と話し、超攻撃型オーダーも一策だ。 ボーアが「今日はタイミングを取るのが遅れた。修正したい。対戦して、どういうチームか感じた。投手も見られた」と話せば、サンズも「各チームがどう攻めるか学びたい」と自覚十分。本番まで1カ月を切る中、状態を上げる構えだ。

◆BALLPARK浦添 ヤクルトの開幕投手争いは、ひとまず"引き分け"となった。候補に挙がる石川雅規投手(40)と小川泰弘投手(29)がそろってオープン戦阪神戦に初登板し、ともに3回無失点と上々の仕上がりを見せた。 シーズンの開幕戦(神宮)と同カードで、緊迫感は高まった。先発した石川は1、2回ともに四球を与えたが、どちらも併殺打でしのぎ「前回(18日・練習試合DeNA戦)よりも高さ、コースはよかった」。まだ本来の制球ではなかったものの、持ち味の打たせて取る投球を見せた。9度目の開幕投手を目指すベテラン左腕は「めちゃめちゃ意識している。ライアン(小川)も意識していると思うので、いい相乗効果になれば」と話した。 昨年の開幕投手の小川は、テンポを意識した投球で、自分のリズムを作った。3回無安打の2奪三振。わずか31球で予定通りマウンドを降りた。実戦を重ねるごとに球速も増しており、この日は最速144キロ。「まだ競い合っているので、しっかり自分の投球をして0を重ねていきたい」と意気込んでいた。高津監督は「高いレベルで競争してくれることは、チームにとってプラス。投手陣を引っ張っていっていかないといけない2人なので」と切磋琢磨(せっさたくま)する2人を歓迎。大役を任せる1人を、じっくり見極める。【保坂恭子】

◆BALLPARK浦添 今年の虎も「超積極走塁」だ! 阪神が開幕戦でぶつかるヤクルトとのオープン戦(浦添)を足で引き分けに持ち込んだ。 1-2の9回2死一塁、上本博紀内野手のポテン三塁打で代走江越大賀外野手が一気に生還。7回はともに代走の植田海内野手、島田海吏外野手がいずれも1球で二盗を決めて揺さぶった。開幕投手に名乗りを上げる石川雅規、小川泰弘両投手に6回まで無得点だったが、矢野監督が2軍時代から種をまいてきた走塁意識で終盤の同点劇を呼んだ。阪神が足でドローに持ち込んだ。1点を追う9回2死一塁。塁上には代走の江越。上本は右翼線へ飛球を打ち上げて万事休すと思われたが、打球は追いかけた右翼手と二塁手の間にポトリと落ちた。江越は諦めず全力疾走して一気に生還。オープン戦とはいえ、結果的にこの走塁で「開幕前哨戦」の負けを消した。矢野監督は「あのウエポン(上本)のヒットで、やっぱり走り切ってないとなかなか...。その『普通』というのが(江越)大賀らしい」と評価。普段から守備のバックアップや凡打での全力疾走を欠かさない姿勢が、執念の走塁につながった。 打線は3回ずつ投げたヤクルトの先発石川、2番手小川に6回まで1安打で二塁すら踏めなかった。しかし、3番手近藤一樹投手の7回から足のカードを切った。1点を返し、2死一塁。代走植田はけん制を受けた直後の初球、果敢なスタートから二盗を決めた。「(走者が)出たら行くと言われていたので。初球から行く気で準備していました」。昨年は代走の切り札として12盗塁。ポストシーズンも足で存在感を示した。今年もあいさつ代わりにオープン戦「1発目」をかました。 さらに2死一、三塁でも動いた。梅野隆太郎捕手のカウント1-1から一塁に代走島田を送り、こちらも1球で盗塁に成功。得点には結びつかなかったが、接戦で生きる足の攻撃バリエーションを見せつけた。矢野監督は1球で決めた7回の代走2人に「ほんとに大したもの。後から行って簡単に走るのは、口で言うほど簡単なことではない。勇気もいるしね。成長を本当に感じています」とうなずいた。 矢野イズムは確実に根付いている。積極的な走塁は2軍監督時代からで、18年はウエスタン・リーグ新記録の163盗塁。1軍昇格の昨年はリーグ最多100盗塁で前年から23個伸ばした。「走塁に関してみんな本当に意識を高くもってやってくれている。相手にとっては嫌なものになっていると思う」。メジャー通算92発のジャスティン・ボーア内野手(31=エンゼルス)ら助っ人補強で打に注目が集まるが、攻撃パターンは確実に広がっている。開幕戦を想定した飛び切りのデモンストレーションとなった。【奥田隼人】

◆BALLPARK浦添 阪神ジェフリー・マルテ内野手が実戦3試合戦連続安打だ。「3番三塁」で先発してボーア、サンズと助っ人クリーンアップを組んだ。 初回2死から石川の直球を左前に運んだ。「感触は良かった。1日1日いい状態になってきていると思います」。4回の第2打席に捉えた当たりは中飛とったが、好調さがうかがえた。三塁守備で無難に挟殺プレーもこなし、矢野監督は「ええスイングしている。(守備も)しっかりした動きができている」と期待を寄せた。

◆BALLPARK浦添 阪神矢野燿大監督は開幕カードで対戦が予想される石川雅規、小川泰弘両投手の印象を「そんなに大きく変わったという感じはない」とし、2人の前に1安打だった打線についても「スイング自体が悪かったかというと、ヒット1本という感じの中身でもなかった」と悲観しなかった。 昨年は14勝9敗2分けと勝ち越したヤクルトとの開幕戦まで1カ月を切ったが、「開幕なんで意識はするけれど、143試合あるので」と冷静だった。

◆BALLPARK浦添 好調の阪神陽川尚将内野手にオープン戦1号となるソロが飛び出した。2点を追う7回1死。3番手近藤の外角135キロ直球を逆方向の右翼席にたたき込んだ。 今キャンプでは打席内でタイミングを早く取ることを意識している。「今、自分がやっていることがあの打席ではできた」。チームで唯一のオープン戦3試合連続安打。ベンチではお決まりの「ゴリラポーズ」で祝福された。「チャンスは立場上、少ない。その少ないチャンスを、しっかり結果として出していけるように」。新助っ人に負けじと、右の和製大砲候補がアピールを続ける。

◆BALLPARK浦添 開幕戦の予行演習もバッチリだ。新外国人ジョン・エドワーズ投手(32=インディアンス)がまたも完全投球を披露した。 ヤクルト戦の6回に登板し、1イニングを無安打無失点。無四球で2三振を奪った。ドロップ気味に落ちるカーブを多投し「自分が思った投球ができた」と満足感を漂わせた。 1死からはメジャー通算1367安打の新助っ人エスコバーをカーブで空振り三振に仕留めた。米国では「ジャイロスライダー」主体の配球だったというが「日本に来た時にカーブが有効だと聞いていたからね」とスタイル変更にも手応え十分だ。 実戦デビュー戦の20日楽天戦も1イニングをわずか8球で3者凡退。2戦連続で走者さえ許していない。開幕カードの相手となるヤクルト打線をあっさり封じ込め「打撃練習からいいスイングの選手が多かったから気をつけていたよ」とニッコリ。セットアッパー就任へ、スキのない調整が続く。

◆BALLPARK浦添 阪神秋山拓巳投手が3回無失点と安定した投球で開幕ローテーション入りをアピールした。 7回から登板し、走者を出しても崩れなかった。7回2死二塁は太田を外角速球で見逃し三振。9回は遊ゴロ併殺で2死とし、再び外角速球で西浦を見逃し三振に片付けた。「(速球の)質は良かった。スピードがもう少し出てくれたらいいけど、打者の反応を見れば差し込んでいる」。前回の18日紅白戦で4者連続奪三振の快投に続き、状態の良さを示した。

◆BALLPARK浦添 阪神の内野陣が3失策とミスを連発した。4回1死一塁から西浦のゴロを三塁糸原が後逸。5回無死には坂口のボテボテの当たりを二塁木浪がファンブルし、7回には三塁北條が西浦の強烈なゴロをはじいた。 二塁糸原、遊撃木浪で先発したが、内野のポジションが目まぐるしく変化。代わりばなのミスが目立った。グラウンドは決して良いとは言えない状態だったが、久慈内野守備走塁コーチは「言い訳できない。(守備位置も)どこに行ったって捕るやつは捕る」と厳しい表情だ。 昨季は12球団ワーストの102失策。木浪、大山ら内野陣は連日の早出特打に取り組むなど、守備力の向上は今キャンプの課題でもある。ただ、攻めた内容もあるものの対外試合9試合で13失策と数字の上では厳しい。 糸原の失策があった4回は2死一、三塁で一走がスタートを切った瞬間、捕手梅野が前進した遊撃北條へ送球、そして勢いよくバックホーム。「重盗阻止」のスペシャルプレーで三走の本塁突入を防いだ。矢野監督は「俺は(ミスの)次どうするんやということの方が大事やと思う」と、試合後のミーティングで選手に語り、前を向かせた。 ▽阪神梅野(4回2死一、三塁の守備で重盗に対し、遊撃定位置への送球から挟殺プレーで三塁走者を仕留め)「シーズンでもそういうことが起こり得るので。いい(サイン)プレーになったかなと思います」 ▽阪神北條(梅野からの送球を遊撃でカットして、本塁返球で三塁走者の挟殺に成功)「オープン戦でしっかりできた。シーズンに向けていいことだと思う」

◆BALLPARK浦添 阪神の新助っ人ロベルト・スアレス投手(28=ソフトバンク)が味方の失策にも2回1安打1失点(自責0)と踏ん張った。 4回から登板し1死一塁から西浦のゴロを三塁糸原が後逸。直後に中村に左前適時打を浴びた。5回も木浪の失策があったが、「仲間の誰もがエラーをしたくてしているわけじゃない。それも野球の一部」と表情を変えることはなかった。

◆BALLPARK浦添 ヤクルト新外国人のアルシデス・エスコバー内野手(33=ロイヤルズ)が攻守で見せた。 2回表1死一塁、大山の三遊間への打球を逆シングルで捕って併殺に。メジャーで15年ゴールドグラブ賞の華麗なプレーで沸かせた。その裏無死一塁ではチーム初安打を放ち、実戦全試合で安打をマーク中だ。「(状態は)75%くらい。守備で貢献できる選手と思っている。引き続きいい状態でシーズンに臨みたい」と話した。

◆BALLPARK浦添 試合後のミーティングで、指名打者でフル出場したヤクルトのキャプテン青木宣親外野手がチームメートにアドバイスを送った。 コーチ陣の話が終わった後で「野球の流れを考えて、アンテナを張った方がいい」と口を開いた。オープン戦2試合目は先制したが、失策もからんで終盤に2失点し引き分け。「こういう試合は、去年も前の年もあったから」とベンチから試合を見る中で、チームメートのプレーに感じたことを伝えた。

◆オープン戦に初出場した阪神の両新外国人、ボーアとサンズはともに無安打に終わった。  ボーアは一回にサウスポー石川の術中にはまって見逃し三振。四回は小川に外角へ直球を決められて手が出ず、再び三振に倒れた。「タイミングを取るのが遅れていた。これから修正していきたい」と課題を口にした。  サンズは二回は先頭で一ゴロ、五回は小川のフォークボールに空振り三振。結果より内容重視の段階とあって、開幕カードでぶつかるヤクルト投手陣との対戦で「しっかりと投球を見られたことは良かった」と収穫を強調した。

◆「宜野座 22度(暑い!)晴 観衆500人」  この24日は、注目の開幕カードの『ヤクルトvs阪神』のオープン戦が浦添であった。観衆5346人。2時間45分、なんてったってマルテ-ボーア-サンズの助っ人クリーンアップの"お披露目"です。  ところが...おっとっと、最終的には紙面割がいささか違うことに皆様はお気づきでございましょう。  なんでやねん、となりますが、そこは食前食後に食間でもタイガース"満腹てんこ盛り"の出血大サービスのサンスポ猛虎食堂といたしましては本日もスカッとするほどの味付けで読者の皆様に堪能していただきたいので、そりゃまぁとことん厨房で激論をたたかわせまして、御覧のとおりの「メニュー」となりました。  つまり、読めばわかります。そして読み終わったあとの爽快感。実は、冒頭の2行の柱(原稿の頭につける)は朝から宜野座の居残り組を一手に引き受けた阿部祐亮デスクが、いわば松葉ガニの番号札みたいな感じで強引につけたものなのです。これまであきれるほどトラ番をやってきた筆者も、その冒頭に「22度、暑い!」というのはみたことない。思わず「そんなに熱くなってドーする」と思った。  だって前日は我が藤浪クンは広島戦の2番手に登板して2回3安打3失点。41球いささかズッコーンという感じでした。  「それが今日はまったく違う表情と彼らしい"もののふ"ぶりをのぞかせてくれたのです。だから思わず僕は"暑い!"と感じたわけ」と阿部が刺激をうけ、それがサンスポの"熱い紙面"になった次第。  さて、かんじんのマルテ、ボーア、サンズの助っ人トリオのそろい踏みですがサブキャップ安藤理はこれまでソフトバンクというゲップがでそうなほどの豪打チームで左うちわの人生で博多の街から甲子園や東京ドームなどで貧打にあえぐ我がタイガースをながめてきたヤツが、この日の新クリーンアップについて電話の向こうでこういうじゃございませんか。  「そりゃあね、本場でうなりをあげる剛球ばかりを相手にしてきて、今度は石川の130キロ前後、小川だってせいぜい140キロです。とまどうなってのが無理です。だってロスからニューヨークまで飛ばしたといわれたバースでさえ、来日当初はさっぱりでした。先輩はなんでもせっかちなんだもの。じっくりみて待ちましょうョ。心配することはないです」  たしかにバースは8歳の時にボート遊びをしていて足を複雑骨折した。それ以来、野球選手としてはパンチ力はあったが守備では一塁しかできないハンデがあった。  実は今だからいうがバースが阪神と契約した1983年の球団発表名は「バス」だった。その時、筆者は球団幹部のO氏に「彼がもし打てなかったら『阪神バスはエンスト』なんて見出しになりますョ」とソッと耳打ちしたら、あ、ちょっと待てョ...その2日後に球団は「えー、新入団はバースとします」と発表になった。それほど心配された。1年目のキャンプはスロースターターで開幕しても17打数鳴かず飛ばず。打者をみるめのあった安藤統男監督(当時)でさえしびれをきらして代打要員におとしたこともある。  それが、その年にいきなり35本塁打を放ち、2度の三冠王。史上最強の助っ人と呼ばれたのである。  それを思うと、この日ボーアが2打席連続で三振したとしても、ドーってことはございませんぞ。  なんでキミはそんなに打てるんだイ、と彼にきいたらバースはタッタひとこと「パワーじゃないョ。相手の投手の球を読み切ることサ」とこともなげに言ったっけ。その日はすぐにくるサ。

◆--ボーア、サンズは無安打だが、シーズンの投手の球筋を見ることができた  矢野監督「どんどん打席に立てば。それは数を立っていかないと相手のボールの軌道や日本の審判のことはなかなか学べない。きょうは2人とも安打はでなかったけど、どんどん立っていくことで解消されたり、わかってくることが出てくる」  --今後、3人を試す機会は  「どこかでもちろん試すと思うし、いつと決めていないけど、現実としてあり得ることなんで」  --ヤクルトは開幕カードの相手だった。改めて小川、石川の印象は  「石川も元気そうやし、小川もいいボールは投げていた。そんなに印象が大きく変わったわけじゃないですけど、うちも安打はそんなに出ていないけど、スイング自体はそこまで...安打1本という感じの中身でもなかったんで。ただ、仕留めていかないとダメだと思う。相手のこともあるけど、まずはそれを仕留められるというレベルを俺らは上げていくところなんで。開幕なので意識はもちろんするけど、でも143試合あるんで。どこもいいスタートを切りたいのは間違いないんで」  --七回に1点を追うところで2人が一発で走ったところは  「大したものだよね。走塁に関してみんな意識を高くもってやってくれているので、相手にとっては嫌なものになっていると思うし。勇気もいるしね。成長を本当にそういう部分で感じています」

◆スアレスが"ブラザー"との再会に上機嫌だった。ヤクルトに所属する兄のアルバートが試合前の練習中に歩み寄り、熱い抱擁を交わした。そこから約20分間にわたって談笑し「家族の話とか野球の話とかいろいろなことを話したよ」と明かした。スアレスの兄は、前日23日の日本ハムとのオープン戦(名護)で先発し、2回失点と好投。弟も負けじとこの日2番手で登板し、2回1失点。最速154キロを計測するなど持ち味を発揮した。「これから練習をしっかりしてもっともっと強い球を投げられるように」と気合を入れた。

◆昨季までソフトバンクの育成選手で、今季加入した左腕の長谷川が九回に5番手で登板。失策が絡んで1点は失ったが、球速は自己最速タイの150キロを記録するなどポテンシャルの高さを見せた。高津監督は「ヤクルトにはいないタイプのピッチャーだと思いますし、左で球に力があるのはすごい魅力。もっと見たいですね」と高く評価した。

◆また課題を露呈した。3失策の守乱。矢野監督は前を向きながらも、選手の尻をたたくようにげきを飛ばした。  「エラーも野球だから出るしね。でもその後の守備で返すのか、バットで返すのか、走塁で返すのか、また元気で返すのか、次の試合で返すのか。そういう悔しさをもってやることが大事」  まずは四回、一死二塁から西浦のボテボテのゴロを三塁・糸原が後逸。五回先頭では遊撃から二塁に変わった木浪が坂口の打球をポロリ。七回先頭は三塁で北條が西浦の痛烈な打球を捕球しきれず、Eランプが灯った。  昨年12球団ワーストの102失策で、矢野虎の重点課題だった守備力。木浪は「やることを考えて、しっかりやりたい」と言葉を絞り出したが、対外試合9試合12失策という厳しい数字が突き付けられた。  その後の反発力とすることを期待する指揮官だが「減らさないとダメだし、プロとしてエラーが出るのはもちろんいいことではない」というのが大前提。そのうえで「ファンの人はモヤモヤしているかもしれないけれど、前を向いて練習していければ」と改善を誓った。 (大石豊佳)

◆鋭い打球があっという間に三遊間を切り裂いた。これぞ"先輩助っ人"の貫禄。来日2年目のマルテが、初めてそろい踏みした外国人クリーンアップで存在感を放った。  「感触はよかった。きょうは、しっかり、コンパクトに振ることができた」  第1打席、ファウルでタイミングを計り、40歳の石川の5球目をしっかりととらえた。直球は130キロ前半ながら、巧みな投球術を披露するベテランの前に、4番・ボーアと5番・サンズはタイミングを狂わされたが、マルテは違う。オープニングカードで対戦する可能性がある開幕投手候補を攻略した。  「去年は知識がないなかやっていた。今年は自分の経験もあるし、どういうことをしないといけないかは明確に分かっている」  3戦連発こそならなかったが、ボーアとサンズが2打数無安打に終わったなか、3試合連続安打で好調ぶりを見せた。1年間、日本で戦ってきた経験を生かしている。矢野監督は「ええスイングしているよね。去年より角度がつきそうな打ち方になっている。頼もしいなという感じで見ています」とうなずいた。  前日の広島戦でガンケルが3回無失点で先発ローテ入りに前進。1軍4枠の外国人はエドワーズと合わせて投手2人、野手2人でシーズンを戦う可能性が高い。1軍生き残りを目指すマルテにとっては毎日が必死だ。  「オープン戦のなかで、(相手投手の)キレや球の動きを見極めながらやっていきたい。一日一日いい状態になってきているよ」  今季から取り組む三塁の守備でも、二回1死二、三塁の場面で挟殺を奪った。まだ調子が上がってこない"ライバル"に勝つため、アピールを続けていく。 (原田遼太郎)

◆阪神の新外国人、ジョン・エドワーズ投手(32)=前インディアンス3A=が24日、ヤクルトとのオープン戦(浦添)に中継ぎ登板し、1回2奪三振で三者凡退に抑えた。"日本仕様"のカーブを多投し、開幕カードで対戦する燕打線を手玉に取った。また、助っ人野手3人がクリーンアップで初めてそろい踏みしたなか、「3番・三塁」のジェフリー・マルテ内野手(28)が唯一の安打でアピールした。  大きく曲がる魔球でバットを振らせた。3番手で登場したエドワーズが1イニングをピシャリ。カーブを効果的に使った投球術で燕打線を封じ、手応えありの表情だ。  「自分の思った感じのいい投球ができた。チームにいい影響を与えられたし、すごくよかったと思うよ」  緩急自在の投球が光った。六回、先頭の4番・雄平に対して直球を2球続けて左飛に打ち取ると、エスコバーには変化球主体の配球にスイッチ。スライダーを2球見せた後、高めの直球で空振りを奪い、最後は低めのカーブで空振り三振。続く塩見には8球粘られたが、外角への148キロで2者連続の空振り三振に料理し、任務完了だ。  武器は、一つや二つじゃなかった。12日のシート打撃では「ジャイロ回転」と話す縦に落ちるスライダーで糸井から空振りを奪ったかと思えば、15日のフリー打撃では米大リーグ・元ヤンキースの守護神、マリアノ・リベラ氏から学んだ切れ味鋭いカットボールで福留のバットをへし折った。この日は大きく変化するカーブを3球投げ、打者のタイミングをはずした。  「ちょっと多くカーブを投げたかった。それを生かしきれたよ。アメリカではスライダーを投げることが多かったけど、日本ではカーブが有効だと聞いていたので」  メジャーでは左右の曲がりで打ち取ってきたが、日本では高低を生かした投球も求められることを予習してきた。矢野監督も「高低のボールで抑えるようなピッチャーになると思う。エドワーズらしいボールがしっかり投げられてテンポもよかった」と称賛した。  昨季58試合登板で40ホールドを記録し、虎の最強ブルペン陣の一角を担ったジョンソンが退団。その穴を埋めるべく入団した助っ人が、20日の楽天との練習試合(宜野座)に続く1回無失点で期待通りの活躍を披露している。福原投手コーチも「まだ分からないけど、いいところを任せられると思う」と評価。守護神・藤川へとつなぐ"八回の男"として合格点だ。  「アメリカでやってきたような投球をこっちでもできるように。チームの勝利につながるように頑張っていきたい」  仕上がりは順調。このまま勝利の方程式を完成させる。 (織原祥平) ヤクルト・高津監督 「いい場面で投げてくるんでしょうから、いいピッチャーであることは間違いないと思いますし、三振を取ったカーブか、スライダーも切れのいい変化球だったと思います」 ヤクルト・宮出ヘッドコーチ 「(昨年まで阪神に在籍した)ジョンソンっぽいかな。そういうイメージ」 ヤクルト・塩見 「真っすぐが動くというか、外に逃げるような感じ。スライダー系の球の曲がりも大きかったし、コントロールもよかった。いいピッチャーだなと思いました」

◆ヤクルトは24日、阪神とのオープン戦(浦添)で2-2の引き分け。開幕投手候補の小川泰弘投手(29)が四回から2番手で登板し、3回無安打無失点の快投で、2年連続5度目の大役へ、猛アピールした。もう一人の候補、石川雅規投手(40)も先発で3回1安打無失点。開幕戦の相手となる猛虎打線を封じた2人に高津臣吾新監督(51)は「すごく高いレベルで競争してくれるのはありがたい」とうれしい悲鳴を上げた。  浦添キャンプも残り1日。沖縄最終戦で開幕投手をかけた熱いバトルが繰り広げられた。3月20日の開幕戦(神宮)で対戦する阪神を相手に、右腕エースの小川が"満点快投"だ。  「テンポを意識して攻められたと思う。いい感覚。順調です」  虎の新打線を全く寄せ付けなかった。四回から登板し、先頭の近本を二ゴロに仕留めると、マルテを中飛、新助っ人のボーア(前エンゼルス)は143キロの外角直球で見逃し三振に斬った。  五回は、同じく新戦力のサンズ(韓国キウム)をフォークボールで空振り三振に封じ、許した走者は味方失策の1人のみ。3回31球で無安打無失点と最高の結果を残した。  実戦初登板となった前回18日のDeNA戦(練習試合)では2回無安打無失点。2年連続5度目の開幕投手へ、2戦連続の無安打投球で猛アピールを続けている。「まだ競い合っている状況なので、自分のピッチングをして、0を重ねて(高津監督に)選んでいただけるように」と決意をにじませた。  新フォームもフィットしてきた。今キャンプから、軸足となる右足をプレートの真上に置き、右足の親指部分だけをプレートの内側(捕手方向)にかけるように改善した。狙いはプレートを蹴り、球の勢いを増すこと。「下半身で投げることにもつながる。真っすぐをよくする挑戦」と語り、この時期に最速144キロの力強い直球を投げ込んだ。  だが、大役を射止めたわけではない。対抗馬となるのが、1月に40歳の誕生日を迎えた石川だ。18日の2回2安打無失点に続き、先発で3回1安打無失点。3年ぶり9度目の椅子を狙うベテラン左腕は「小川となんとか争いたいという気持ちがある。めちゃくちゃ意識してやっているので。いい相乗効果になれば」と闘志をむき出しにした。  2試合連続となる開幕候補の同日マウンドを演出したのは高津監督だ。1年目に16勝で最多勝と新人王に輝いたライアンと、阪神戦で通算25勝の石川の好投に「すごく高いレベルで競争してくれるのはありがたい。チームにとってプラスになること。この2人が投手陣を引っ張っていかなくてはいけないことは間違いないので、いい競争をしてほしい」とうれしい悲鳴を上げた。  開幕投手争いは第3ラウンドへ。25日にキャンプを打ち上げ、帰京後のオープン戦登板などで最終的に判断される。左右の両輪がハイレベルな競争でチーム力を引き上げる。 (赤尾裕希)

◆開幕投手の座を争う石川と小川が、またも同日登板。同じ相手に、同じコンディションで投げさせるところに、投手出身の高津監督らしい配慮を感じる。  しかも2人とも、しっかりと、それに応えてみせた。現状では、どちらが開幕戦で投げてもよいと思う。  石川は一回、二回と四球の走者を許しながら、次打者を計ったように併殺打に仕留めた。真ん中から少し落とす球で、打ち気を誘い、内野ゴロ。まさに注文通りの料理法だ。  小川はコントロールを重視しているのだろう。新人の頃のような球速こそなくなっているが、体が小さい分、力むと長打を浴びる。制球重視のスタイルは正解だ。  また2人とも、新外国人の4番・ボーアから、外角のストレートで見逃し三振を奪っている。競争心とプライドが交錯する、象徴的なシーンでもあった。  実はそれが、もうひとつの収穫だったかもしれない。外国人が、追い込まれてから見逃すような球ではない。ひょっとして、外角に弱点があるのか...。いずれにしても、開幕カードに向け、価値あるそろい踏みだった。 (サンケイスポーツ専属評論家)

◆エドワーズは現時点では問題は見当たらない。立ち上がりに真っすぐが143キロ程度だったので心配したが、投げるごとに球威を上げ、最終的には140キロ台後半が出ていた。長身を利した角度のある投球が生命線の投手なので、あの力のある球なら八回を十分に任せられる。  カーブ、スライダーも曲がり、制球ともに高いレベルで、威力のある真っすぐによって、あの変化球も生きるだろう。この日、カーブを多投したのは昨年のセットアッパー、ジョンソンを意識したのではないか。「俺のカーブもこれぐらい威力がある」というアピールのような気がした。  判断するのは早いが、ジョンソンのカーブのような有効な球になる可能性は秘めている。カーブだけでなく、スライダーもウイニングショットになり得るので、今後の仕上がりとともに、どう選択するのか、楽しみだ。  走者が出てから対応など、未知数な部分もあるが、現状では先発ガンケル、救援エドワーズが、投手の外国人枠争いではリードという印象だ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

◆「5番・遊撃」で先発したヤクルト・エスコバー(前ホワイトソックス3A)が、二回無死一塁で左前打。出場した実戦4戦全てで安打を記録している新助っ人は「ボールの見え方も打撃もよかった」と明るい表情。  米大リーグ時代にゴールドグラブ賞を受賞している守備では悪送球もあった一方、三遊間の打球に追いつき併殺打にする場面も。森岡内野守備走塁コーチは「守備を見に来るお客さんも増える」と太鼓判を押した。

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<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
400 1.000
(-)
-
(-)
25
(+12)
12
(+6)
5
(+1)
2
(-)
0.287
(↓0.042)
2.750
(↓0.25)
1
(-)
広島
300 1.000
(-)
0.5
(-)
30
(+23)
16
(+10)
3
(+2)
1
(-)
0.339
(↑0.11)
4.670
(↑1.33)
1
(1↑)
ソフトバンク
100 1.000
(↑0.357)
1.5
(↓1.5)
10
(-48)
4
(-51)
2
(-11)
1
(-11)
0.333
(↑0.088)
2.000
(↑1.6)
4
(-)
巨人
220 0.500
(-)
2
(↓1)
22
(+15)
16
(+10)
5
(+1)
1
(+1)
0.300
(↑0.061)
4.000
(↓1)
4
(1↑)
ヤクルト
111 0.500
(↑0.5)
2
(↓0.5)
17
(+11)
13
(+6)
0
(-)
4
(+4)
0.240
(↑0.005
2.670
(↑2.33)
4
(3↓)
阪神
111 0.500
(↓0.5)
2
(↓1.5)
10
(+4)
18
(+16)
4
(+1)
4
(+3)
0.250
(↓0.074)
5.190
(↓3.19)
7
(2↓)
中日
120 0.333
(↑0.333)
2.5
(↓1)
11
(+9)
16
(+10)
2
(+1)
1
(+1)
0.282
(↓0.015)
5.000
(↑1)
8
(3↓)
ORIX
010 0.000
(↓0.6)
2.5
(↓2)
4
(-61)
10
(-49)
0
(-12)
0
(-19)
0.100
(↓0.162)
9.000
(↓6.74)
8
(3↓)
楽天
030 0.000
(-)
3.5
(↓2)
9
(+4)
21
(+12)
0
(-)
1
(+1)
0.213
(↓0.006)
5.250
(↑1.5)
8
(3↓)
日本ハム
030 0.000
(-)
3.5
(↓2)
8
(+6)
20
(+14)
0
(-)
0
(-)
0.216
(↑0.022)
5.670
(↑0.33)