巨人(☆6対4★)DeNA =リーグ戦25回戦(2019.09.27)・東京ドーム=
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DeNA
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巨人
00024000X6703
勝利投手:戸郷 翔征(1勝0敗0S)
敗戦投手:濱矢 廣大(0勝1敗0S)

本塁打
【DeNA】ソト(43号・3回表2ラン),ロペス(31号・9回表ソロ)
【巨人】坂本 勇人(40号・4回裏ソロ),阿部 慎之助(7号・4回裏ソロ),炭谷 銀仁朗(6号・5回裏満塁)

  DAZN
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◆巨人は2点を追う4回裏、坂本勇の40号ソロと4番・阿部のソロで同点とする。続く5回には、炭谷のグランドスラムが飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、5番手・戸郷が4回無失点7奪三振でプロ初勝利。一方のDeNAは、3発の被弾が響いて敗戦を喫した。

◆今季限りでの現役引退を表明した巨人阿部慎之助捕手(40)が「4番捕手」でスタメン出場した。 1回表の守備におなじみのフルフェイスのキャッチャーマスク、防具姿で登場。「キャッチャー阿部」とアナウンスされるとスタンドから大歓声が起こった。マウンドには来日8年目で初先発のマシソンが上がった。 先頭DeNA神里には初球を右前打とされた。続くソトの2球目、外角153キロのファウルチップが阿部の首もとを襲ったが、笑顔が見えた。最後は外角スライダーで空振り三振に抑えた。 さらに3番佐野の初球に一走神里がスタート。阿部は二塁へノーバウンド送球を見せたが二盗を許した。それでも佐野を遊飛、細川を空振り三振に封じ、無失点で1回を終えた。ベンチ前にはチームメートが出迎えに立ち上がり、マシソンからは笑顔で背中をたたかれた。

◆今季限りでの現役引退を表明した巨人阿部慎之助捕手(40)が、中大の後輩沢村拓一投手(32)に"ポカリ未遂"からの握手と、迷シーン? を再現した。 2回表の守備につく前、2番手で登場した沢村と何やらひそひそ話。沢村は母校中大の校歌を登場曲にマウンドに上がった。打席にはDeNAロペス。阿部がサインを出したが、沢村は3度首を横に振った。1度間をとったが、2度サインが合わず、阿部がタイムをとった。マウンドに向かい「おい!」と声をかけながら右手を振りかざした...が、ポカリはなく、笑顔で握手。12年10月28日の日本ハムとの日本シリーズでサインミスをした沢村が阿部に頭をはたかれるワンシーンを再現しかけたところで、原監督が一塁手大城と捕手阿部の守備の入れ替えを告げた。 沢村はこの回を三者連続の空振り三振に仕留め、きっちりと役目を果たした。 ◆巨人阿部の「沢村ポカリ」VTR 12年10月28日、日本ハムとの日本シリーズ第2戦。捕手阿部が、緊張からか1回にけん制のサインを見落とした先発沢村の頭をマウンド上ではたいた。沢村は活を入れられた効果? もあり8回無失点と好投した。

◆特別な日に夢がかなった。巨人坂本勇人内野手が阿部慎之助捕手と"1発共演"で大台に到達した。 2点を追う4回。DeNA中川虎の初球、真ん中低め直球をすくい上げた。左翼席へ40号ソロ。球団の生え抜き右打者では68年長嶋茂雄(現終身名誉監督)の39本を51年ぶりに更新した。 1死を挟み阿部の1発も飛び出し「僕の夢である40号を打てた日が今日という日、そして阿部さんと一緒にホームランを打てたことが最高にうれしいし感動です」とかみしめた。 ベテランの存在にキャプテン坂本勇は支えられてきた。8年間主将を務めた阿部から15年に引き継いだ。だが、4年間リーグ優勝から遠のいた。17年には球団史上ワーストの13連敗も経験。どん底を見たが、阿部のひと言が心をついた。「打てないときもお前が下向いていたら、みんな下を向く。勇人だけは下を向いたらダメ」。戦いは巡る。常に前を向き先頭を走り続ける大切さを学び体現した。 23日ヤクルト戦後のクラブハウス。引退を報告する阿部の前で誰よりも多くの涙を流した。この日もダイヤモンドを周り、終えると次打者席の阿部へ向かって、うつむき、右腕で顔を覆った。涙...、ではない。顔を上げ、にこっと笑った。誰よりも明るく前向きな坂本勇が、主将としてまだ見ぬ日本一の夢へ突き進む。【桑原幹久】

◆巨人長嶋茂雄終身名誉監督が、レギュラーシーズンの本拠地最終戦を生観戦した。今季東京ドームを訪れるのは本拠地開幕戦だった4月2日の阪神戦以来。 試合開始前にネット裏のバルコニー席に現れると、大歓声がわき起こった。次女三奈さんに付き添われ、左手を振って声援に応えた。 巨人の監督を務めていた01年、ルーキーだった阿部を開幕スタメンに抜てきした。阿部の引退会見が行われた25日にはコメントを発表。 「19年間、これだけの足跡を残し、期待に応えてくれたことに対し、まずは敬意を表したい。よく頑張った。ただ阿部くんには、ぜひとも伝えたいことがある。それは、まだ、これから大きな、大きな仕事が待ち受けているということだ。後進を指導し、再びジャイアンツのために貢献するという責務が彼にはある。そのためにはしっかりと勉強し、これまで学べなかったことや、あまり関心がなかったことにも目を向けて欲しい。好奇心と向上心は必ずや指導に役立つからだ」とねぎらった。 リーグ優勝の祝福とともに、愛弟子の節目を自ら球場に足を運んで見守った。

◆巨人阿部慎之助捕手の母校、中大出身の後輩リレーが実現した。 2回から10学年下の沢村が中大校歌をバックに登場。3者連続の空振り三振を奪い、圧倒した。3回は17学年下の鍬原、4回は12学年下の鍵谷が登板。 鍬原はDeNAソトに先制2ランを浴びたが、鍵谷は7球で3者凡退に抑え、大先輩の花道を飾った。 ▽巨人沢村(2回から登板し1回を無失点)「今でも辞められることが信じられません。大学からお世話になった先輩だし、プロに入ってからも憧れの存在でした。(あのシーンについて)甲子園でキャッチボールをしたときに『もう1度再現したいね』と打ち合わせをしていました。たたかれると思ったら、握手され『ありがとう』と言われ泣きそうになりました。必ず日本一になり恩返ししたい」 ▽巨人鍬原(3回から登板。DeNAソトに2ランを浴び1回2失点)「こういう試合で投げることはうれしかった。ただ、そこで抑えられなかったことは実力不足です。(阿部さんとの思い出は)入団時の新聞の対談企画で阿部さんが色紙に『一緒にお立ち台!』という目標を書いてくれたんですがその目標はまだ達成できていない。それが心残りですね」 ▽巨人鍵谷(4回から登板し1回無失点)「阿部さんと一緒にプレーできたこと、また今日のような特別な試合に登板できたことは、僕の人生の宝物です。1日でも、1試合でも多く阿部さんとプレーできるよう、明日からまた頑張ります」

◆レギュラーシーズンの本拠地最終戦を生観戦した巨人長嶋茂雄終身名誉監督が、コメントを発表した。今季限りで引退する阿部慎之介捕手に7号ソロが飛び出し、坂本勇人内野手の40号ソロ、炭谷銀仁朗捕手の満塁本塁打と見どころ満載の展開で、試合中盤にリードを奪った。 「久しぶりのドームだったけれど、やっぱり現場はいいね。ワクワクしたよ。試合前だというのに、入り口には原監督と阿部くんまで迎えに来てくれて、本当に驚いた。まさにサプライズだよ。感動したよ。思わず2人をぎゅっと引き寄せて、抱きしめてしまった。スタンドの雰囲気もいつもと違うのはすぐに分かった。ただそんな試合でホームランを打ってしまう阿部くんは、やっぱり大したものだよ。(強運を)持ってるな」

◆DeNAは3回にソトの43号2ランで先制した。先発桜井は2回無失点。巨人はマシソン、沢村、鍬原と1回ずつ継投した。 巨人は4回に坂本勇、阿部のソロで同点に追い付いた。5回は炭谷の満塁本塁打で勝ち越し。5回から新人戸郷が登板した。 DeNAは9回にロペスのソロで1点を返した。巨人は5回から登板した新人戸郷が4回2安打7奪三振で無失点と好投した。

◆巨人が今季限りでの現役引退を表明した阿部慎之助の功績をたたえ、DeNA戦で「ありがとう慎之助」を実施。 巨人は0-2の4回に坂本勇の40号ソロと阿部の7号ソロで追い付き、5回に炭谷の満塁本塁打で勝ち越した。ルーキー戸郷が5回から4回2安打無失点と好投しプロ初勝利。DeNAは打線が15三振を喫し、追い上げも及ばなかった。

◆巨人坂本勇人内野手が阿部との"共演"で大台に到達した。 2点を追う4回、DeNA中川虎の初球の直球を捉え左翼席へ40号ソロ。球団生え抜きの右打者では68年長嶋茂雄(現終身名誉監督)の39本を51年ぶりに更新した。 ▼坂本勇が初の40号。巨人でシーズン40本以上は王13度、松井3度、ラミレス2度、ローズ、小久保、李承■、阿部に次いで8人目(23度目)。右打者の本塁打は10年ラミレスの49本が最多だが、球団生え抜きでは68年長嶋の39本を上回る新記録となった。また、遊撃手のシーズン40本以上は85年宇野(中日=41本)以来、史上2人目。28日の最終戦で遊撃手のシーズン最多本塁打を狙う。 ※■は火ヘンに華

◆巨人はレギュラーシーズンの本拠地最終戦を勝利で飾り、試合後セレモニーを行った。 はじめに原監督がマイクの前に立った。 「輝かしい令和の時代が幕を開けました。そして令和元年。読売ジャイアンツはペナントレースにおいて優勝することができました。 ひとえにファンのみなさまの声援が我々の力になりました。本当にありがとうございました。と、同時にファンのみなさまおめでとうございます。 個人的に私も一番うれしい優勝でした。選手諸君も坂本キャプテン、菅野選手会長中心に懸命に戦いました。やや頼りないところもあります。このチームはまだまだ途上のチームです。しかし、ひとつだけ自慢ができることがあります。結束力、団結力。そのことに関しては今までのジャイアンツ史上でも負けないぐらい最高のチームだと思います。 ひと山は越えました。しかし、喜びはつかの間。あとひと山、そしてあとふた山。我々の目標は日本一です。どうか達成するよう、みなさんとともに我々も全力で戦います。本当に1年間ありがとうございました。 そして今日はありがとう阿部慎之助。ジャイアンツ85年の歴史、史上最強のキャッチャーです。素晴らしい技術、そして多くのファンに愛された阿部慎之助。あいさつがあります。よろしくお願いします」 原監督からマイクをつながれ、今季限りで現役を引退する阿部がスピーチを行った。 「まずはじめに、このような試合を企画していただいた巨人軍のみなさま、本当にありがとうございます。そしてこのような試合に付き合っていただきましたラミちゃん、横浜ベイスターズファン。本当にありがとうございます。 もちろん、今日もたくさん慎之助コールをしていただき本当に感謝しています。 今年で現役は終わりますが、これから本当に大事な勝負が残っています。それに向けてまたチーム一丸になって必ず日本一になります。 そのためにまた、みなさんの声援を力にして、したい!そのために今まで以上にご声援ありがとうございます。今日は本当にありがとうございました!」

◆"持ってる男"巨人ドラフト6位新人の戸郷翔征投手がプロ初勝利を挙げた。 同点の5回から4イニングを2安打7奪三振無失点。リーグ優勝が決まった21日のデビュー戦に続き、「ありがとう慎之助」と銘打たれたメモリアルな日に結果を出した。 原監督は「若武者という感じが全くせずにね。0点に抑え切ったというのは素晴らしい」とCSメンバー入りへ高評価した。

◆巨人阿部慎之助捕手(40)が盗塁を許したDeNA神里にも愛情たっぷりの"ムチ"を入れた。 相手チームで中大の後輩が、1回1死一塁から二盗を決められ「大学の後輩の神里が抜群のスタートを切った。こういう子たちが、ゆとり世代かな」と笑いを誘った。同じく中大後輩の沢村にはマウンドで"ポカリ未遂"でとどめ「どこの社会も全体的にパワハラが問題視されている。世間がこうなったらできない。最後はたたかずに終わった」と、ここでも笑いを誘った。 むろん、阿部本人も体を張ってファンを楽しませた。捕手でスタメン出場し、先発マシソンの153キロをファウルチップしたソトの打球を顔面付近で食らい「運命かなと思った。しっかりとファウルチップを食らって。でも、大事には至らなくて良かった」と最後も笑い飛ばした。 ▽DeNA神里(スタメンマスクをかぶった中大の先輩・阿部から二盗)「阿部さんが一塁の守備に変わられた時に『完璧なスタートを切ってんじゃねーよ』と言われて(笑い)。本当に偉大な先輩です」

◆DeNAはCS前の最後の巨人戦に敗れたが、収穫も見つかった。 プロ初先発の2年目左腕の桜井周斗投手は、2回を無安打無失点。阿部には四球とし「阿部さんはひと味も(ふた味も違った)。予想以上の緊張感だった」と笑ったが、坂本勇、丸から三振を奪うなど、武器のスライダーで存在感を示した。ドラフト2位ルーキーの伊藤裕は、チーム唯一の3安打。ラミレス監督は2人について「非常に良かった。チャンスはある」とCSに向けて、大きな期待を寄せた。

◆試合後、巨人原辰徳監督がペナント、優勝トロフィーを受け取り、ファンの前で高々と掲げた。 5年ぶりの優勝に「個人的にも一番うれしい優勝でした」と喜んだ。今季の戦いについては「このチームはまだまだ途上。やや頼りないところもあります」と評し「しかし1つだけ自慢できる。結束力、団結力はジャイアンツ史上でも負けないぐらい最高のチーム」と、日本一を目指すことを約束した。

◆今季限りで現役を引退する巨人阿部慎之助捕手(40)が、強烈な存在感を見せつけた。「ありがとう慎之助」と銘打たれて行われた今季本拠地最終戦で、通算406号となる7号ソロを右翼スタンドへ。15年5月31日(楽天戦)以来1580日ぶりに先発出場した捕手では、中大の後輩、沢村との名場面も"再現"してみせた。東京ドームが感謝と祝福の拍手に包まれた。打った瞬間-。なんて男だ。引退を表明した打者の打球ではない。安定した下半身。バットをきれいに投げ捨て、確信を持ってダイヤモンドを周回した。中川虎の146キロ内角球を当然とばかりに捉えた。233人目からプロ通算406号。スタンドもベンチも総立ちで1発に酔いしれた。「感謝しかないです。ありがとう。最高です」と全方向に深々と頭を下げた。 「4番 キャッチャー 阿部」。最高の場内アナウンスでムードが高まった。 自ら指名した先発マシソンと熟練のバッテリーを形成。1回無死一塁、ソトの2球目。153キロ直球のファウルチップが顔面付近に直撃した。一瞬、頭をぐらつかせた。あのときの...。悪夢がよぎるも、笑って、問題なしをアピールした。 2回は鬼の形相でマウンドへ向かった。打者ロペス。サインを出した2番手沢村が固まる。いったん、プレートを外させて、再びサインを出す。タイム。あのときの...。スタンドがざわつく。中大の後輩右腕に、右手を振り上げる。ポカリを覚悟する沢村を...たたくことなく「ありがとう」と右手でがっちり握手。"中大バッテリー"で名場面を再現した。 泣かない引退会見。この日の「ありがとう 慎之助」と銘打たれた一戦でも、ミットで、バットで、キャラクターで、突き抜けた存在感を示した。「プロって、ファンがこうなったらいいな、ああなったらいいなという願いをかなえること。それがプロだと思っている」と19年間、いばらの道を百戦錬磨で駆け抜けてきた。試合後の優勝セレモニーで「これから本当に大事な勝負が残っています。そのためにまた、みなさんの声援を力にして、したい!」と約束。阿部からファンへ-。ありったけの「ありがとう」を最高の日本一で伝える。【為田聡史】

◆巨人沢村拓一投手が母校中大の大先輩へ感謝の快投を見せた。 2回、中大校歌をバックに登場。12年日本シリーズと同じシーンを再現し、サインが合わず阿部慎之助捕手から頭をたたかれる寸前で握手を求められ「『ありがとう』と言われ、試合中でしたが泣きそうになったた。僕にとって神様みたいな存在なので」。3者連続空振り三振を奪い、鍬原拓也投手、鍵谷陽平投手と「中大リレー」へとつなげた。

◆特別な日に夢がかなった。巨人坂本勇が阿部と"1発共演"で、球団の生え抜き右打者では初の40号に到達した。2点を追う4回。DeNA中川虎の初球、真ん中低め直球を左翼席へソロを運んだ。68年長嶋茂雄(現終身名誉監督)の39本を51年ぶりに更新。1死を挟み阿部のソロも飛び出し「僕の夢である40号を打てた日が今日という日、そして阿部さんと一緒にホームランを打てたことが最高にうれしいし感動です」とかみしめた。 ベテランの存在に支えられてきた。阿部から主将を15年に引き継いだが4年間リーグ優勝を逸し17年には球団史上ワーストの13連敗も経験。どん底を見たが、先人の言葉が心をついた。「打てないときもお前が下向いていたらみんな下を向く。勇人だけは下を向いたらダメだ」。常に前を向き先頭を走る大切さを学び体現した。 23日ヤクルト戦後のクラブハウス。引退を告げる阿部の前で誰よりも涙を流した。この日も1発を放った後、次打者席の阿部へ向かって、うつむき、右腕で顔を覆った。涙...、ではない。顔を上げ、にこっと笑った。「『やったな40号』と阿部さんが言ってくれたのでよかったです」。誰よりも明るく前向きに、主将としてまだ見ぬ日本一の夢へ突き進む。【桑原幹久】 ▼坂本勇が初の40号。巨人でシーズン40本以上は王13度、松井3度、ラミレス2度、ローズ、小久保、李承■、阿部に次いで8人目(23度目)。右打者の本塁打は10年ラミレスの49本が最多だが、球団生え抜きでは68年長嶋の39本を上回る新記録となった。また、遊撃手のシーズン40本以上は85年宇野(中日=41本)以来、史上2人目。28日の最終戦で遊撃手のシーズン最多本塁打を狙う。 ※■は火ヘンに華

◆今季限りで現役を引退する巨人阿部慎之助捕手(40)が、強烈な存在感を見せつけた。「ありがとう慎之助」と銘打たれて行われた今季本拠地最終戦で、通算406号となる7号ソロを右翼スタンドへ。15年5月31日(楽天戦)以来1580日ぶりに先発出場した捕手では、中大の後輩、沢村との名場面も"再現"してみせた。東京ドームが感謝と祝福の拍手に包まれた。 打った瞬間-。なんて男だ。引退を表明した打者の打球ではない。安定した下半身。バットをきれいに投げ捨て、確信を持ってダイヤモンドを周回した。中川虎の146キロ内角球を当然とばかりに捉えた。233人目からプロ通算406号。スタンドもベンチも総立ちで1発に酔いしれた。「感謝しかないです。ありがとう。最高です」と全方向に深々と頭を下げた。 「4番 キャッチャー 阿部」。最高の場内アナウンスでムードが高まった。 自ら指名した先発マシソンと熟練のバッテリーを形成。1回無死一塁、ソトの2球目。153キロ直球のファウルチップが顔面付近に直撃した。一瞬、頭をぐらつかせた。あのときの...。悪夢がよぎるも、笑って、問題なしをアピールした。 2回は鬼の形相でマウンドへ向かった。打者ロペス。サインを出した2番手沢村が固まる。いったん、プレートを外させて、再びサインを出す。タイム。あのときの...。スタンドがざわつく。中大の後輩右腕に、右手を振り上げる。ポカリを覚悟する沢村を...たたくことなく「ありがとう」と右手でがっちり握手。"中大バッテリー"で名場面を再現した。 泣かない引退会見。この日の「ありがとう慎之助」と銘打たれた一戦でも、ミットで、バットで、キャラクターで、突き抜けた存在感を示した。「プロって、ファンがこうなったらいいな、ああなったらいいなという願いをかなえること。それがプロだと思っている」と19年間、いばらの道を百戦錬磨で駆け抜けてきた。試合後の優勝セレモニーで「これから本当に大事な勝負が残っています。そのためにまた、みなさんの声援を力にして、したい!」と約束。阿部からファンへ-。ありったけの「ありがとう」を最高の日本一で伝える。【為田聡史】 ◆巨人阿部の「沢村ポカリ」VTR 12年10月28日、日本ハムとの日本シリーズ第2戦。捕手阿部が、緊張からか1回にけん制のサインを見落とした先発沢村の頭をマウンド上ではたいた。沢村は活を入れられた効果? もあり8回無失点と好投した。 ◆巨人阿部ファウルチップVTR 15年6月6日ソフトバンク戦の9回、投手マシソンの直球をソフトバンク川島が打ったファウルがマスクに直撃。阿部は苦悶(くもん)の表情を浮かべひっくり返った。首痛で翌7日に出場選手登録を抹消。以降、捕手での出場はなかった。

◆巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(83)が27日、今季の本拠地最終戦となるDeNA最終戦を観戦するため、東京ドームに来場。試合前には、次女でスポーツキャスターの長島三奈さん(51)に付き添われてバルコニーから姿を見せ、ファンの声援に手を振って応えた。  この日は今季限りでの現役引退を表明している阿部慎之助捕手(40)が「4番・捕手」で先発出場。監督時代の2001年には新人だった阿部を開幕スタメンで起用するなど思い入れが強い選手でもある。引退会見を行った25日には「ただ阿部くんには、ぜひとも伝えたいことがある。それは、まだ、これから大きな、大きな仕事が待ち受けているということだ。後進を指導し、再びジャイアンツのために貢献するという責務が彼にはある」などとメッセージを発表。ミスターは今後、阿部に指導者としても期待を寄せている。

◆今季限りで現役を引退することを決めた巨人・阿部慎之助捕手(40)が27日、今季の本拠地最終戦となったDeNA最終戦(東京ドーム)に「4番・捕手」で先発出場した。  2015年6月6日のソフトバンク戦(東京ドーム)以来、1574日ぶりにマスクをかぶると、一回はマシソンを好リードし、無失点に抑える。二回も捕手の防具に身を包んでグラウンドへ。マウンドには中大の後輩・沢村が上がった。  東京ドームでこの2人といえば、「あのシーン」が思い起こされる。  12年10月28日の日本シリーズ、日本ハム戦。沢村がサインミスをし、捕手だった阿部がタイムをかけてマウンドにかけより、沢村の頭をたたいた場面だ。あれから7年の時を経て、「あのシーン」が"再現"された。  二回、プレーボールがかかると、阿部のサインに沢村が何度も首を振る。しびれを切らした阿部がマウンドにかけよると、東京ドーム内からは大歓声があがる。そして、阿部が右手で沢村の頭をたたこうとしたが...。そのまま右手で握手を求めた阿部。沢村も笑みを浮かべながら握手を交わした。

◆今季限りで現役を引退することを決めた巨人・阿部慎之助捕手(40)が27日、今季の本拠地最終戦となったDeNA最終戦(東京ドーム)に「4番・捕手」で先発出場。二回も捕手の防具を着けてグラウンドに登場すると、マウンドに上がったのは中大の後輩・沢村拓一投手(31)だ。  登場曲は中大の校歌。聞き慣れない音楽に東京ドーム内は一時ざわついた。その後、プレーボールがかかると、阿部のサインに沢村が何度も首を振る。阿部がマウンドにかけより、2012年の日本シリーズでの「ポカリ事件」かのように右手で沢村の頭をたたこうとしたが...。そのまま右手で握手を求めた阿部。沢村も笑みを浮かべながら握手を交わした。  そして、捕手は大城に交代。阿部は一塁の守備に就いた。結果的に1球も投じることはなかったが、久々の阿部との"バッテリー"に沢村もあふれる思いをこらえた。

◆今季限りでの現役引退を表明した巨人・阿部慎之助捕手(40)が27日、DeNA最終戦(東京ドーム)に「4番・捕手」として先発出場し、1点を追う四回の第2打席で、中川虎の146キロの直球を右翼席中段へ7号ソロをほうり込んだ。  「感謝しかない。ありがとう。DeNAのファンの皆さん、ラミレス監督、対戦してくれた投手。この試合に携わってくれた皆さんに感謝の気持ちしかありません。最高です!」  直前に"弟分"の主将・坂本勇が放った40号ソロに呼応する一発で、地鳴りのような大歓声を巻き起こした。坂本勇は「僕の夢である40号を打てた日が、今日という日、そして阿部さんと一緒にホームランを打てたことが最高に嬉しいし、感動です」とコメントした。  守っては2015年6月6日のソフトバンク戦(東京ドーム)以来4年ぶりにスタメンマスクをかぶった。自ら先発に指名したマシソンを1安打無失点に好リード。1死から一走・神里に二盗を決められたが、満身の二塁送球で沸かせた。  二回には沢村が、両者の母校、中大の校歌をBGMに登板。阿部は初球のサインに何度も首を振る沢村に歩み寄り、後輩の頭上に右手を振り上げた。12年の日本シリーズで後輩の頭をはたいたシーンを再現するかと思わせたが、笑顔でガッチリ握手し、「ありがとう」と声をかけた。場内を温かい笑いで包み、一塁・大城と交代した。

◆巨人・阿部慎之助捕手(40)の引退記念試合に登板した縁のある投手たちのコメントは以下の通り。1番手で来日8年目で阿部と苦楽をともにした助っ人、マシソンと、阿部と同じ中大OBの2番手・沢村、3番手・鍬原、4番手・鍵谷。  ◆マシソン 「この試合に投げられて素直に嬉しい。今一番捕りたい投手に指名してもらい感動した。はじめて投げたときのようなドキドキした感覚です。阿部さんには感謝しているし、8年間チームメイトとして一緒にプレーできて光栄でした。絶対に日本一になりましょう」  ◆沢村 「今でも辞められることが信じられません。大学からお世話になった先輩だし、プロに入ってからも憧れの存在でした。(あのシーンについて)甲子園でキャッチボールをしたときに、「もう一度再現したいね」と打ち合わせをしていました。叩かれると思ったら、握手され「ありがとう」と言われ、泣きそうになりました。必ず日本一になり恩返ししたい」  ◆鍬原 「こういう試合で投げることは嬉しかった。ただ、そこで抑えられなかったことは実力不足です。(阿部さんとの思い出は)入団時の、新聞の対談企画で阿部さんが色紙に「一緒にお立ち台!」という目標を書いてくれたんですが、その目標はまだ達成できていない。それが心残りです」  ◆鍵谷 「阿部さんと一緒にプレー出来たこと、また今日のような特別な試合に登板出来たことは、僕の人生の宝物です。1日でも、1試合でも多く阿部さんとプレーできるよう明日からまた頑張ります」

◆DeNAの桜井がプロ2年目で初先発し2回を無安打無失点と好投した。一回1死から坂本勇、丸を変化球で連続三振に。二回、先頭打者の阿部には「球場の声援が予想以上で、雰囲気がひと味違った。無形の力を感じた」と力んで四球を与えたが、続く岡本を併殺に仕留めた。  東京・日大三高からドラフト5位で入団した左投げ投手。クライマックスシリーズ(CS)では救援に回る見込みだが、ラミレス監督は「今後、先発でも救援でもいけるところを見せてくれた」と称賛した。

◆巨人のルーキー戸郷がプロ初勝利を挙げた。五回から登板して4回2安打無失点で7三振。リーグ優勝が決まった21日のプロ初登板に続き、阿部の引退記念試合でも好投し「ある意味ファンの方々の記憶に残る試合。その中で投げられたのが人生の糧になる」としみじみと語った。  五回1死満塁のピンチでは阿部から「球はしっかり行っている。自分の投球をしろ」と言われて立ち直り、連続三振を奪った。阿部がドラフト会議で巨人から1位指名を受けた2000年に産声を上げた19歳。「阿部さんみたいにファンに愛されて、ああやって送り出される選手になりたい」と話した。

◆D6位・戸郷(聖心ウルスラ学園高)が五回から5番手で登板。4回2安打無失点に抑え、球団の高卒新人では2002年の真田裕貴以来、17年ぶりにプロ初勝利を挙げた。21日のプロ初登板(対DeNA)ではリーグ優勝に貢献し、「2つ大事な試合で投げられたというのが、一番人生の糧になると思います。最近はちょっと持ってるのかな」とにっこり。勝利球は宮崎の両親に贈る。

◆ソトが三回2死一塁で巨人3番手・鍬原の直球を左翼席最前列に運ぶ43号2ラン。1試合を残して、43本塁打、108打点でリーグ2冠を守った。巨人戦は今季13本目と完全にカモにしており、「日々、試合に集中していくことだけ。いい結果につながってよかった」とCSに向けても、ライバルに強い印象を残した。

◆試合後の優勝記念セレモニーで原監督が「輝かしい令和の時代が幕を開けました。令和元年、読売ジャイアンツは優勝することができました」とファンに報告。授与されたペナントを手に場内を一周した。今後は日本一を目指して戦うポストシーズンが待つ。「あとひと山、あとふた山。われわれの目標は日本一。全力で戦います」と誓った。

◆長嶋茂雄終身名誉監督(83)が4月2日の阪神戦以来、約6カ月ぶりに本拠地で観戦した。試合前には、次女・三奈さんに付き添われてバルコニーから姿を見せ、ファンの声援に手を振って応えた。球団を通じ、「試合前だというのに、入り口には原監督と阿部くんまで迎えに来てくれて、本当に驚いた。まさにサプライズだよ。感動したよ。思わず2人をぎゅっと引き寄せて、抱きしめてしまった。スタンドの雰囲気もいつもと違うのはすぐに分かった。ただそんな試合でホームランを打ってしまう阿部くんは、やっぱり大したものだよ。(強運を)持ってるな」と喜びのコメントを発表した。

◆惜別の思いでアーチを描いた。巨人・坂本勇人内野手(30)が自身初の40号。阿部の"ラスト"に花を添えた。  「阿部さんも『やったな、40号』と言ってくれた。一緒に本塁打を打てたことが最高にうれしい。感動です」  四回、中川虎の直球を左翼席へほうり込んだ。球団生え抜きの右打者では1968年の長嶋茂雄の39本を抜き初の大台。ミスターの目の前で決めた。直後に阿部がソロで続き、思い出に残る"アベック弾"となった。  恩人のために打った。坂本勇は、阿部に1年目のオフからグアム自主トレに連れていってもらった。14年オフには主将の座を継承。「俺らが賛同するから、お前が思っていることを言え」と背中を押してもらった。困ったときはいつも手を差し伸べてくれる存在だ。  1年目のグアムでは初日の朝に寝過ごし、みそ汁を先輩に作らせてしまった。数年前に大勢で囲んだ酒席では酔っ払って「しんのすけー!」と叫んだこともある。それでも阿部に怒られたことは一度もない。甘やかされたわけではなく、大事にかわいがってもらった。  阿部がナインに引退を伝えた23日のヤクルト戦(神宮)後のミーティングでは、涙が止まらなかった。同時に強い覚悟も芽生えた。  「すごく寂しいけど、一試合でも長くプレーできるように。もう一回みんなで銀座でパレードするという新しい目標ができた」  尊敬する"師"のため、7年ぶりの日本一をつかむ戦いは終わっていない。今後の戦いへ弾みをつける、節目のアーチだった。 (谷川直之)

◆今季限りでの現役引退を表明した巨人・阿部慎之助捕手(40)が27日、今季の本拠地最終戦となったDeNA最終戦(東京ドーム)に「4番・捕手」として先発。「ありがとう慎之助」と銘打たれた試合で4年ぶりのスタメンマスクをかぶり、1イニングを無失点にリードした。打っては四回に右翼席中段へ7号ソロを放つなど見せ場を作り、最後の「キャッチャー阿部」に自ら花を添えた。  全盛期と変わらない、火を噴くようなライナーを右翼席に突き刺した。四回だ。阿部が中川虎の146キロの直球を一閃。慣れ親しんだ本拠地での惜別の一発に、G党は涙、涙で歓声を送った。  「気持ちいいホームランを打たせてもらって、感無量です。全球、真っすぐを投げてきてくれた。申し訳ない、ありがとう、と思っていた」  これで本塁打を放った投手は233人となり、史上2位(1位は西武・中村の240人)。19歳の右腕に感謝した。  4年ぶりに捕手として先発。一回、自ら先発を望んだマシソンを無失点に好リードした。ファウルチップをマスクに受けるシーンも。4年前に衝撃で首を痛めて一塁転向の契機となったのと同様の光景(当時もマウンドにはマシソン)でヒヤリとさせたが、大事には至らず。中大の後輩・神里が二盗を狙うと、セーフにはなったものの満身の二塁送球で沸かせた。  二回は沢村が両者の母校、中大の校歌を登場曲に登板。初球のサインが合わずマウンドに歩み寄り、後輩の頭上に右手を振り上げた。2012年の日本シリーズで頭をはたいたシーンを再現するかと思わせたが、笑顔でガッチリ握手し、「ありがとう」。場内を温かい笑いで包むと、一塁・大城と入れ替わった。「今はパワハラが問題視されているのでたたかずに終わりました」と笑った。  試合球は「ありがとう慎之助10」と刻印され、ユニホームの右袖には記念のワッペンがつけられた。八回の守備についたところで交代のアナウンス。ベンチ前に整列したナインと握手を交わし、イチローの引退試合を思わせる演出で退いた。  試合後のリーグ優勝記念セレモニーであいさつはしたが、胴上げなどは辞退。この先にまだ戦いが待っているからだ。  「本当に大事な勝負が残っている。チーム一丸になって、必ず日本一になります」  マイクでファンに誓った。最後まで戦力としてチームに貢献する。涙は日本一までとっておく。 (伊藤昇) 2番手で登板した巨人・沢村 「甲子園でキャッチボールをしたときに『またひっぱたきやるか?』という話だった。ひっぱたかれる予定だったんですけど、握手で『ありがとう』といわれたときは試合中だったけど、涙腺がちょっと危なかったですね」  3番手で登板した中大出身の巨人・鍬原 「こういう試合で投げることはうれしかった」 4番手で登板した中大出身の巨人・鍵谷 「自分の野球人生の中でもいい経験になってよかった。なかなかこういうことはできない。中大でつなげたのはうれしかった」 来日初先発で阿部とバッテリーを組んだ巨人・マシソン 「緊張はあったけど、楽しかった。野球人生の中で最高のキャッチャーに投げられたことが光栄です」  四回に本塁打を打たれたDeNA・中川虎 「憧れの選手。本塁打を打たれて悔しい気持ちもあったが、対戦できて楽しいという気持ちの方が強かった」 中大の後輩で一回に阿部から二盗に成功したDeNA・神里 「"完璧なスタート切ってんじゃねーよ! でもお前はまだ先があるから許す"と言われました。偉大な先輩でした」

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
77632 0.550
(↑0.003)
優勝
(-)
1662
(+6)
571
(+4)
183
(+3)
82
(-)
0.257
(-)
3.790
(↓0.01)
2
(-)
DeNA
71683 0.511
(↓0.003)
5.5
(↓1)
1596
(+4)
604
(+6)
163
(+2)
40
(+1)
0.246
(↓0.001)
3.920
(↓0.02)
3
(-)
広島
70703 0.500
(↓0.004)
7
(↓1)
0591
(+1)
601
(+4)
140
(-)
81
(-)
0.254
(-)
3.680
(-)
4
(-)
阪神
66686 0.493
(-)
8
(↓0.5)
3522
(-)
563
(-)
92
(-)
99
(-)
0.250
(-)
3.510
(-)
5
(-)
中日
68712 0.489
(↑0.003)
8.5
(-)
2560
(+4)
535
(+1)
90
(+1)
63
(-)
0.264
(-)
3.710
(↑0.02)
6
(-)
ヤクルト
58822 0.414
(-)
19
(↓0.5)
1654
(-)
738
(-)
167
(-)
61
(-)
0.245
(-)
4.810
(-)