オリックス(★5対6☆)ソフトバンク =リーグ戦22回戦(2019.09.22)・京セラドーム大阪=
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ソフトバンク
20000220061102
ORIX
2000003005801
勝利投手:嘉弥真 新也(2勝2敗1S)
(セーブ:森 唯斗(2勝3敗35S))
敗戦投手:山本 由伸(7勝6敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】明石 健志(5号・1回表ソロ),グラシアル(27号・7回表2ラン)
【オリックス】吉田 正尚(27号・1回裏2ラン)

  DAZN
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◆ソフトバンクが接戦を制した。ソフトバンクは同点で迎えた6回表、柳田と中村晃の適時打で2点を勝ち越す。続く7回には、グラシアルの2ランでリードを広げた。投げては、2番手・嘉弥真が今季2勝目。敗れたオリックスは7回に1点差まで迫るも、あと一歩及ばなかった。

◆オリックス吉田正尚外野手(26)がキャリアハイとなる27号同点2ランを放った。初回ソフトバンクに2点を先制された直後のその裏、1死一塁から和田の外角直球をとらえ、左翼スタンドまで運んだ。 9日楽天戦以来9試合ぶりの1発に、「逆方向でしたが、しっかりと押し込めましたし、本塁打になってくれてよかった。(自己記録更新に)もちろんうれしいです。これからも1本でも多く打てるように、1打席ずつ集中していきたいと思います」とコメントした。

◆ソフトバンク守護神森唯斗投手が今季初めて8回から回またぎで登板した。1点差の2死三塁で7番手で登板し、カットボールで宗を遊ゴロに仕留めた。 9回も1死から1人走者は出したが4番ロメロを捕邪飛、中川は二直で締めた。「絶対走者をかえさないようにとマウンドへ上がった。残り4試合、全部勝つように。いつでもいける準備をしたい」。今季53試合目で35セーブ目を挙げた右腕は残り4試合も投げる覚悟だ。

◆ソフトバンクが待望の主砲復活で、逆転優勝へ大きな勝利をつかんだ。8月30日以来、4番に座った柳田悠岐外野手(30)が決勝三塁打を含む3安打2打点。首位西武とのゲーム差を1に押し戻した。8月末に左膝裏痛から復帰して以降、柳田の猛打賞は初めてで、3月31日以来約6カ月ぶり。23日の勝敗次第で、首位奪回、優勝マジック再点灯のケースがでてきた。三塁に勢いよく滑り込んだ柳田は、息を切らしながら笑顔を見せた。同点の6回無死一塁。オリックス山本の甘く入ったカットボールを強引に右中間に運んだ。今季初三塁打で一塁からグラシアルが生還し、これが決勝点に。「いいピッチャーから打てて良かった。(適時三塁打は)たまたまです」。首位西武に1ゲーム差に再び迫る白星を「4番柳田」がもたらした。 デスパイネの不調もあり、8月30日西武戦以来、今季3度目の4番だった。初回は1死二塁で右前へ自身11試合ぶりの適時打。4回にも先頭で中前打を放った。V打を合わせて3安打は戦列復帰後初で、3月31日西武戦以来だ。9月の月間打率は前日まで2割ちょうどと苦しんでいたが、シーズン最終盤で輝きを取り戻してきた。 19日の試合前に突然髪を切った。無造作に伸びたパーマスタイルから、両サイドを短く切ったスッキリとしたものに変身した。「子どもを幼稚園に送りに行ったら、知らない子から『その髪、どないしたと?』って言われたんよ」。何げない言葉で髪が伸びていたことに気がつき、その足で美容院に向かった。 不調の間は「そういう(調子が悪い)ときもあるやろうな、と思っていた。チームがなかなか波に乗れない責任は感じるけど、それを感じても結果は変わらない」と悩みすぎることはなかった。選手や首脳陣、OB、スタッフ...。見知らぬ幼稚園児の言葉にも聞く耳を持つスラッガーは、多くの人との会話をヒントに、練習では気軽にいろいろ試す姿があった。 チームは23日に再奪首と優勝マジック再点灯の可能性がある。工藤監督は「どっちかが決まるまでは、最後まであきらめない。ぼくらは勝つしかない」と力を込めた。柳田も「あと4つ、勝ちます」と同じ思い。奇跡の逆転優勝へ、何より主砲復活が心強い。【山本大地】

◆オリックス山本由伸投手が最優秀防御率のタイトルへ前進した。初回に2点を先制されるなど6回1/3を自己ワーストの自責点5で6敗目。 「ちょっと力でいきすぎて、いい球を投げることができなかった。最後も粘りきれなかった」。これで一時的に規定投球回数に達し、防御率1・97でリーグ1位に返り咲いた。シーズン完了時の規定投球回数までは残り6イニング。レギュラーシーズン最終戦の29日ソフトバンク戦に先発する見込みで「自分だけの試合ではない。マモさん(岸田)の引退試合にもなる。責任を持って投げたい」と気を引き締めた。 ▽オリックス西村監督(先発山本について)「最初からマウンドを降りるまで、いつもの出来とは違った」

◆ソフトバンクが負けられないゲームを何とか取った。勝てば道はつながる。終盤は追い上げられ、1点差の辛勝。それでも、勝てばすべて癒やされる。 試合前のナインの円陣。必勝を誓っての「声だし」は中村晃が務めた。「楽しくやりましょう!」。普段は物静かな男の意外な言葉にチームメートから「お前が一番暗いやろ」といじられながら場はなごんだ。一戦必勝。日ごとに高まる重圧をはねのけるのは、気力、気迫もさることながら、開き直りやリラックスの心の余裕かもしれない。これが最も難しい。だが、プレッシャーに固まっていては勝利をたぐり寄せることはできない。 有言実行。声を張り上げた中村晃は打った。6回。柳田の勝ち越し適時三塁打のあと2死となって中前タイムリー。4回に巡ってきた1死二、三塁の好機では見逃し三振に倒れていただけに面目躍如の一打だった。「このチャンスは何とか、かえそうと思った」。一塁ベース上で珍しくガッツポーズをつくり白い歯をこぼした。 終盤は守護神森の早期投入などバタバタしたものの、先発和田を継いで2番手で登板した嘉弥真が勝ち越しへの流れをつくった。「気合を入れるとダメなほうなので脱力というか、楽な気持ちでいきました」。1番宗、2番福田、3番吉田正を12球で片付けた。今季2勝目。逆転Vへつながるウイニングボールはバッグに詰め込んだ。18日に生まれた第2子には昊(ひろ)と名付けた。人を笑顔にする意味があるという。「最後まで登板機会があれば投げますよ」。小柄なサウスポーは笑顔でバスに乗り込んで行った。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆オリックスのドラフト5位宜保翔内野手(18)がプロ初ヒットを記録した。 22日ソフトバンク戦でけん制球が顔面に直撃し、脳振とう特例措置により出場選手登録を抹消された安達に代わり、この日1軍に昇格。8番遊撃でスタメン出場したルーキーは5点を追う3回先頭の打席で高橋礼の初球、真ん中直球をたたき、打球は左中間を破った。二塁を周り、三塁にヘッドスライディングもアウト判定。西村監督がリプレー検証をリクエストしたが、判定は覆らず、記録は二塁打となった。出場3試合目の6打席目での初安打だった。 宜保は「なんとか外野を超えてくれ! と思いながら走っていました。初ヒットは出てうれしいですし、ほっとしました。これからの打席ももっと打てるように頑張ります」とコメントした。

◆オリックス・吉田正尚外野手が22日、ソフトバンク戦(京セラ)に「3番・左翼」で出場。一回に自己最多となる27号2ランを放った。  0-2の一回1死一塁。ソフトバンク先発の和田が投じた2ボール1ストライクからの4球目。外角135キロのボールをとらえ、左翼3階席手前まで届く強烈なライナー性の一撃を放った。  今季27本塁打目で昨年の26本塁打を更新。4年目の今季は打率、出塁率でタイトル争いを続けている。

◆オリックスの山本は6回1/3を投げ、5失点で6敗目となった。防御率は1・97に悪化したが、それでも規定投球回に達すれば12球団トップに立つ数字。あと6イニングが必要とあって「最後の1試合に向けて調整していきたい」と表情を引き締めた。  2-2の六回は柳田、中村晃に打たれて2点を勝ち越され、100球を超えて臨んだ七回は走者を残して降板。課題とする立ち上がりに力みが出るなど、初のタイトル獲得に向け修正点が浮き彫りとなった。

◆オリックスの吉田正が自己最多となる27号を放った。2点を追う一回1死一塁で、和田の外角直球を逆らわずに左越えに運んだ。「しっかりと押し込めた。一本でも多く打てるように一打席一打席、集中していきたい」と意気込んだ。  その後は安打がなく、打率を3割2分6厘に下げたが、熾烈な首位打者争いでトップを走る西武の森とは6厘差。「平常心でいく」と静かに闘志を燃やした。

◆ソフトバンクの森が1点リードの八回2死三塁から登板し、無安打に抑えて35セーブ目を挙げた。八回は前の打席で2点二塁打を放っていた宗を遊ゴロに仕留め、九回は走者を出しながらも締めた。今季初の回またぎだったが「全然気にしていない」と涼しい顔で、「僕の記録なんてどうでもいい。チームがしっかり勝てるようにマウンドに上がる」と気合十分に言った。  早めの継投で逃げ切った工藤監督は「本当に落ち着いて、彼の持てるものを全て出し切って抑えてくれた。改めて最敬礼したい」と頼もしい守護神をたたえた。

◆吉田正がキャリアハイをマークした。0-2の一回1死一塁で、左翼席に27号2ラン。昨季の26本塁打を上回り、自己最多を更新した。「1本でも多く打てるように。もっともっと打てるようにやっているので、1本でも多く打ちたい」。打率・326、出塁率・418はともにリーグ2位で、2冠を目指している。

◆オリックス・安達了一内野手(31)が22日のソフトバンク22回戦(京セラ)で負傷交代した。八回1死から四球で出塁したあと、相手投手・武田のけん制球が右ほほ付近に直撃。試合中に大阪市内の病院でエックス線、CT検査を受け、「右頬骨の打撲」と診断された。

◆19試合ぶりに4番に座った柳田が目覚めた。通算5打数無安打、3三振を喫していたオリックス先発、山本から一回に右前適時打、四回に中前打、六回は右中間への適時三塁打を放ち、3安打2打点と攻略。膝の故障から復帰後初の猛打賞に「山本から打てたことがうれしい。打ったことがなかったので」と表情を緩めた。

◆山本は6回1/3を5失点で今季6敗目。それでも現時点での規定投球回(137回)に達し、防御率1・97でリーグトップに躍り出た。シーズンの規定投球回数までは残り6回で、23日には再び外れるが、「とりあえずちょっとは追いついた。でもこれを目指していたわけじゃない」と気合。29日のソフトバンク戦(京セラ)は岸田の引退試合でもあり、「しっかり勝ち試合でまわせるように」と意気込んだ。

◆リーグ優勝への希望をつなぐ1点を守護神が死守した。ソフトバンク・森が今季初のイニングをまたいでの起用に応え、首位西武に大きなプレッシャーをかけた。  「(回またぎは)気にならない。どんな状況でも勝てるように投げるだけ。残り4試合、いつでもいく準備をします」  一打同点の八回2死三塁で登板。前の打席で2点二塁打を放った宗を遊ゴロに打ち取った。続投した九回は1死から吉田正に四球も、本塁打が出ればサヨナラの場面でロメロと中川を抑えた。  35セーブのクローザーはセーブ機会は24度続けて成功だ。初めて"禁"を破っても、安定感は健在。工藤監督は「改めて最敬礼」と脱帽した。試合前に投手コーチと数パターンの試合展開を予測し、起用法を準備しておくのが日課。"リミット"を数日前に解除した。指揮官は「モイネロも含めて。これまでそういう状況がなかったけど、きょうは」と迷わずベンチを出た。本来は八回を任せるモイネロも七回途中から投入した。  先に西武が敗れていた中、好投手の山本を攻略して一時は4点差とした試合を落とすことはできない。5日ぶりに1ゲーム差に戻し、22日は優勝へのマジックナンバーを奪い返す好機。勝てば、西武の引き分けか敗戦で、自軍が引き分けても、相手が負ければM「3」が点灯する。  20日に第3子が誕生した守護神は、テレビ電話で徳島の実家の妻子を気にかけながら「時間をみつけて会いにいきます」と、まずは大仕事に備える。チームの思いを代弁してバスに乗った。  「他(西武)は気にせず、自分たちができることをやって、結果は後でついてくる。まずあした、絶対に勝ちます」  前夜の敗戦で絶望的にみえた優勝への道が、ライバルの連敗で再び開けた。パ・リーグの灯は最後まで消さない。 (安藤理)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
78611 0.561
(↓0.004)
M3
(-)
3738
(+5)
681
(+7)
172
(+3)
131
(-)
0.266
(-)
4.360
(↓0.02)
2
(-)
ソフトバンク
75604 0.556
(↑0.004)
1
(↑1)
4568
(+6)
552
(+5)
179
(+2)
112
(-)
0.251
(↑0.001
3.670
(↓0.01)
3
(-)
楽天
69674 0.507
(↑0.003)
7.5
(↑1)
3600
(+7)
570
(+5)
136
(+1)
44
(-)
0.251
(-)
3.770
(↓0.01)
4
(-)
ロッテ
68694 0.496
(↑0.003)
9
(↑1)
2632
(+4)
598
(-)
158
(-)
75
(-)
0.248
(-)
3.880
(↑0.03)
5
(-)
日本ハム
63715 0.470
(↓0.004)
12.5
(-)
4551
(-)
573
(+4)
92
(-)
48
(-)
0.251
(↓0.001)
3.800
(↓0.01)
6
(-)
ORIX
59726 0.450
(↓0.004)
15
(-)
6529
(+5)
617
(+6)
99
(+1)
119
(+2)
0.244
(-)
4.090
(↓0.01)