日本ハム(★2対8☆)西武 =リーグ戦22回戦(2019.08.27)・釧路市民球場=
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西武
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日本ハム
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勝利投手:ニール(8勝1敗0S)
敗戦投手:玉井 大翔(2勝3敗0S)
  DAZN
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◆投打のかみ合った西武が快勝。西武は同点で迎えた6回表、無死満塁から金子侑の併殺打の間に勝ち越し点を挙げる。続く7回には、栗山と山川の適時打で3点を奪い、リードを広げた。投げては、先発・ニールが今季8勝目。敗れた日本ハムは、投打ともに精彩を欠いた。

◆珍しい"いとこ始球式"が実現した。 始球式に平昌オリンピック(五輪)のスピードスケート女子団体追い抜き金メダリスト佐藤綾乃(22=ANA)が登場。打席に向かったのは、いとこの西武佐藤龍世内野手(22)。スタメンではなかったが、バットに滑り止めスプレーを吹きかけるなど本気モードで異例の打席へ。ワンバウンドのボールに空振りして、いとこの綾乃の晴れ舞台に花を添えた。 大役を終えた綾乃は「すごく楽しかったです。緊張しましたけど、楽しんで投げられました」と笑顔。龍世との"対戦"については「今後、あるかないかという機会だったので、複雑というか、驚きというか...。変な感じでした。私は金メダルを取って、龍世はプロ野球選手になった。お互いに夢をかなえて、こういう瞬間が訪れたので、親孝行できたかなと思います」と振り返った。 龍世は試合前に綾乃が始球式をすることを知って「まさかこんなことになるなんてビックリです。試合前に聞いて驚きました」と話していた。始球式直前には久しぶりに談笑するなど、近況を報告しあったという。ともに釧路に近い厚岸町出身。親類も駆けつける中で実現した夢のような瞬間に、来場したファンからも大きな拍手が送られていた。

◆西武は1回1死三塁、森が犠飛を放って先制。日本ハムは3回2死三塁で近藤が適時二塁打を放ち、同点とした。 西武は5回、中村の適時打で勝ち越し。その裏に同点とされたが、6回に金子侑の併殺打の間に再び勝ち越し点を奪った。 西武は7、8回に5点を加え逃げ切り。先発ニールは6回を2失点にまとめ自身7連勝で8勝目。日本ハムは連勝が2でストップ。玉井が3敗目。

◆高卒2年目の西武平良海馬投手(19)が158キロをマークした。 4点リードの7回から登板し横尾を三ゴロ、王を空振り三振に仕留めると、西川を2-2で追い込むと158キロの直球で遊ゴロに打ち取った。15球のうち13球の直球すべてが150キロ超えで3者凡退。自己最速を更新した平良は「いつもと同じような感じで投げていた。強い球が投げられているので、そこはよかったと思う」と大きな手応えをつかんだ。

◆日本ハムはミス続出で大敗した。初回は先発ロドリゲスのけん制悪送球(記録は失策)から先制点を献上。6回は三塁手横尾の失策からピンチを広げて勝ち越し点を奪われた。記録に残らないミスも出るなどして連勝が止まった。栗山英樹監督(58)は「こういうゲームになって申し訳ない」と言葉少なに球場を後にした。

◆西武栗山巧外野手が試合を決めた。1点リードの7回1死二塁で、前打者の4番中村が申告敬遠。仕掛けられた勝負で、スライダーを右中間へ運ぶ2点適時打を放った。 栗山は「しっかりとバットを振り切ることができた」。辻発彦監督も「あのツーベースが今日の試合の流れで、すごく大きかった。どんな状況でも栗山はやりますよ」と勝負強さをたたえた。

◆西武ザック・ニール投手が25年ぶりの快挙を達成した。日本ハム戦に先発し、6回7安打2失点で自身7連勝。 チェンジアップとシンカーがさえ渡った。球団史上、外国人では94年郭泰源の9連勝以来の白星街道を記録した。「100%の投球は目指さないで、ストライクを投げて打たせて取ることを意識した。日本で活躍したい気持ちは強い」と充実感を漂わせた。

◆日本ハム公文克彦投手が6回から登板して黒星がつかず、13年のデビューから164試合連続で負けなし。 初登板からの連続試合無敗記録は今年の高木(巨人)がマークした164試合で、公文が最長記録に並んだ。ちなみに、「初登板から」の条件を除いた最長記録は97~04年柴田(ダイエー)の235試合。

◆日本ハム先発ブライアン・ロドリゲス投手が判断ミスを悔やんだ。 同点で迎えた5回1死一、二塁の場面。森の投ゴロを捕球後に三塁へ転送して二塁走者を封殺したが、二塁に送球していれば併殺打でピンチを脱出できた可能性もあった。直後に中村に勝ち越し適時打を許したこともあり「5回は自分の判断ミスで失点しまいました。チームに申し訳ないです」。 初回もけん制悪送球から失点するなど、反省の多い内容になってしまった。

◆日本ハム公文克彦投手(27)が、西武22回戦(釧路)でデビューからの連続試合無敗の日本タイ記録を達成した。 6回無死満塁から3番手で登板。1回1/3を3失点と悔しい結果に終わったが、勝ち負けは付かず。13年の巨人でのプロ初登板から通算164試合負けなしとなり、巨人高木の記録に並んだ。チームは2-8で敗れて5割復帰を逃したが、移籍3年目の左腕は28日も釧路で行われる同カードでの雪辱、そして日本新記録樹立を誓った。球史に名を残す登板は、笑顔で終わることができなかった。連続試合無敗の日本記録に並んだ公文は試合後、悔しそうに節目のマウンドを振り返った。 公文 記録は出ましたけど、それよりは、打たれたことの方が...。点差も1点差だったので、あそこはしっかり抑えたかったと思います。 「あそこ」とは7回のことだ。 6回無死満塁を1失点でしのぎ、1点ビハインドのまま回またぎのマウンドに向かった。1死一、二塁とピンチを背負い、ベテラン栗山との勝負で2点適時二塁打を浴びた。初球と2球目は外角低めのスライダーを見極められて2ボール。3球目もスライダーを選択したが、やや高めに浮き、とらえられた。 公文 (最初の2球は)入りとしても、ボールとしても悪くはなかった。最後も甘くはないと思うんですけど、栗山さんはスライダーを狙っていたと思う。もう少し、低めに投げられたら結果は変わったと思う。(最初の)2球のうち、1球でもストライクを取っておけば、結果は変わったかなと思う。 試合の潮目を決定づけた失点を猛省すると同時に、冷静に分析した。巨人時代は4年間で15試合の登板のみ。16年オフのトレードで日本ハムに加入後の3年間で149試合に登板した。ブルペンに欠かせない戦力となり得たのも、こうした失敗を次に生かしてきたから。木田投手チーフコーチも「左投手であれだけ強いボールを投げられる投手は少ない。チームにとって貴重な存在」と認めるなど、地道に積み上げてきた首脳陣からの信頼が、珍しい勲章に手を届かせた。 肩を並べることになった巨人高木とは「(交流戦の)ジャイアンツ戦で一緒になった時に話はしていた」という。その3連戦初戦だった6月14日に高木は通算165試合目でプロ初黒星を喫し、記録は止まっていた。次戦で、巨人時代はともにプレーしていた先輩左腕が越えられなかった壁に挑む公文は「いい形でゼロで抑えられるようにしたい」。西武打線にリベンジを果たし、日本新記録を勝利で祝う。【木下大輔】

◆西武の中継ぎに新たな山賊が現れた。高卒2年目の平良海馬投手(19)が7回から登板し、西川への5球目に球団史上最速タイとなる158キロをマークした。 体重98キロの巨漢から繰り出す球は、投じた15球のうち直球全13球が150キロを超え、3者凡退に打ち取った。今季14試合に登板し評価はここにきて急上昇。首位ソフトバンクとゲーム差を3に詰め、逆転優勝への隠し玉が、佳境を迎えて開花しかけている。山賊の新星はマウンドで仁王立ちした。日本ハム清宮、ヤクルト村上と同世代の19歳・平良が、魔神のごとく切って落とす。2死で迎えた難敵・西川を剛速球で押した。2-2と追い込んだ5球目、内角をえぐる直球は、球場表示で158キロをマークした。遊ゴロに打ち取り3者凡退。リードを4点差に広げた直後、直球はすべて150キロ超えの投球で、反撃の糸口を与えなかった。平良は「球速は特に意識しない。出たらいいな、くらい」。不敵に、そして淡々と話した。 173センチの身長で体重98キロの巨漢体形。中村、山川と続く巨漢サイズの系譜を、投手ながら引き継ぐ。巨体から繰り出す剛速球を武器に、高校卒業からわずか1年半で、1軍に成り上がってきた。「一番大事にしてきたのはウエートトレーニング。重さを求めて、限界までいくことで、大きな力を発揮できるから」。球速の源は、張り裂けそうな筋肉。ベンチプレス130キロ持ち上げる肉体を作りあげ、体重はプロ入り当初から10キロ増えた。 1試合しかなかった高校最後の夏に、運命が変わった。一昨年の夏、八重山商工は初戦敗退の可能性があったため、渡辺GM(当時SD)が急きょ沖縄へ視察に向かった。魅力的な剛速球に引かれながらも決め手は違った。「フィールディングがすごくうまかったんだよ。あの大きい体で、身のこなし方がすごく軽快で『これならいける!』って。ダイヤの原石だと思っていたけど、こんなに早く1軍で投げるとは思わなかった」。実際に1回戦敗退も異例のドラフト4位指名。そのプレーがなければ、今の平良はない。 すでに14試合に登板。将来の守護神候補として潜在能力を評価し、勝ちパターンに組み込まれる。「緊張はしない。点差がない場面では、いつもよりも気持ちが高ぶる。絶対に抑えてやろうって思える」。首位と3ゲーム差。逆転優勝を見据え、でっかい山賊が加わった。【栗田成芳】

◆西武の中継ぎに新たな山賊が現れた。高卒2年目の平良海馬投手(19)が7回から登板し、西川への5球目に球団史上最速タイとなる158キロをマークした。

◆西武の中継ぎに新たな山賊が現れた。高卒2年目の平良海馬投手(19)が7回から登板し、西川への5球目に球団史上最速タイとなる158キロをマークした。◆球速メモ 1軍では大谷翔平の165キロを筆頭に13人が160キロを以上を計測している。西武の投手では菊池雄星(現マリナーズ)が17年8月3日楽天戦(メットライフドーム)の5回、ウィーラーに投げた158キロが最速。郭泰源、松坂大輔の最速は156キロだった。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手の連続試合安打が5で止まった。 西武の先発ニールの動く球にバットの芯を外されるなど4打数無安打。この試合で最初に本塁打を放てばパ・リーグ5万号の節目となったが、チャンスをものにできなかった。「打ったボールは悪くない。あとちょっと、という感じ。(釧路に)せっかく来ていただいた方のためにも、明日打てれば」と初見参の釧路でのリベンジを期した。

◆西武の中継ぎに新たな山賊が現れた。高卒2年目の平良海馬投手(19)が7回から登板し、西川への5球目に球団史上最速タイとなる158キロをマークした。173センチ、98キロ(公称95キロ)◆主なぽっちゃり投手 現役では巨人戸根(174センチ、97キロ)広島中崎(186センチ、100キロ)ソフトバンク森(176センチ、95キロ)オリックス沢田(178センチ、96キロ)らがいる。過去には通算206勝をマークした江夏(179センチ、90キロ)やヤクルト、巨人で活躍したゴンザレス(178センチ、90キロ)、「どすこい」のあだ名で親しまれたロッテ柳田(176センチ、93キロ)など。

◆日本ハムは中盤に玉井、公文ら救援陣が崩れて完敗し、平日のデーゲームに詰めかけた釧路のファンを喜ばせられなかった。栗山監督は「楽しみにしてくれていた方がいる中で、こういうゲームになって申し訳ない」と険しい表情だった。  打線も4番中田、5番清宮のコンビが無安打で不発に終わった。清宮は「打っている球は悪くない。あとちょっとという感覚」と話した。

◆日本ハムの公文が2-2の六回無死満塁から3番手で投げ、1回1/3を3失点。「打たれたことに責任を感じる」と反省した。  公文は通算164試合目の登板でまだ黒星がない。巨人の高木が通算165試合目だった6月14日の日本ハム戦でプロ初黒星を喫している。

◆西武のニールが6回7安打2失点で粘り、自身7連勝で8勝目を挙げた。慣れない球場で「マウンドが軟らかく、制球に苦しんだ」と言いながらもテンポ良く打たせて取り「完璧を目指さず、ストライクを投げて打たせることを意識した」とうなずいた。  4月に2軍落ちを経験したが、6月20日に1軍に復帰してから先発した試合でチームは9連勝。辻監督は「負けないね」と上機嫌だった。

◆七回に2番手で登板した平良が自己最速の158キロの直球で西川を遊ゴロに仕留め、1回を無失点。「強い球を投げて3人で抑えられてよかった」と胸を張った。八重山商工高から昨季D4位で入団した2年目右腕はカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップと変化球も多彩。「与えられたチャンスを今後に生かしたい」と笑顔でチームバスに乗り込んだ。

◆負けない男だ。日本ハム・公文克彦投手(27)が六回途中から3番手で登板し、1回1/3で3失点したが、巨人・高木京介投手(29)が持つ「初登板から164試合連続負けなし」のプロ野球記録に並んだ。  同点の六回無死満塁で救援し、1失点(失点は玉井に記録)で切り抜けたが、七回に3点を失った。そのため公文は「記録は出ましたけど、結果としてはよくなかった」と悔やんだ。  2013年にドラフト4位で巨人入りし、17年から日本ハムへ。昨季は自己最多の57試合に登板した。28日に新記録達成の期待がかかる。「ゼロで抑えられるようにしたいです」。この日の雪辱を果たし、球史に名を刻む。 (中田愛沙美)

◆負けない"助っ投"が霧の街・釧路で、またも白星を積み重ねた。西武のザック・ニール投手(30)が6回2失点。自身7連勝で8勝目(1敗)を挙げた。  「粘り強く投げられた。完璧を目指さずに、ストライクを投げて打たせることを意識したよ」  五回まで毎回走者を背負ったが、最少失点で切り抜けた。三回に1点を失い、なお2死二塁で中田を空振り三振に。五回にも1点を失った後のピンチで中田を遊ゴロ併殺打に仕留めた。  球団の外国人投手では、台湾出身で「オリエンタル・エクスプレス」と呼ばれ、通算117勝を挙げた郭泰源(1994年に9連勝)以来の7連勝。さらにニールが先発した直近の10試合、チームは無敗だ。"不敗神話"が継続したことに辻監督は「いいねー。負けないね。毎試合投げてもらわないと」とジョーク交じりにたたえた。  春先は状態が上がらずに約2カ月間、2軍暮らし。西武第二球場で若手投手と汗を流す中、夫人のキアナさんの父で、メジャー通算142勝のボビー・ウイット氏(55)から授かった「一日一日、しっかりと練習することを大切にな」との言葉が支えになった。  キアナさんの弟、ボビー・ウイット・ジュニア遊撃手(19)は今年6月のMLBドラフトでロイヤルズから1巡目(全体2位)で指名された有望株。ニールは義弟について「いつか彼と対決したいんだ」と夢を抱いている。  現在2位。首位・ソフトバンクとの差は7月31日以来の3ゲームに縮まった。逆転Vを狙う獅子にとって今、最も頼りになる男がニールだ。 (花里雄太)

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
64514 0.557
(-)
-
(-)
24501
(-)
468
(-)
156
(-)
103
(-)
0.252
(-)
3.590
(-)
2
(-)
西武
62551 0.530
(↑0.004)
3
(↑0.5)
25632
(+8)
605
(+2)
145
(-)
120
(+2)
0.264
(-)
4.550
(↑0.02)
3
(-)
楽天
58564 0.509
(↑0.005)
5.5
(↑0.5)
25520
(+5)
501
(+2)
121
(+2)
39
(-)
0.252
(↓0.001)
3.960
(↑0.02)
4
(-)
ロッテ
57593 0.491
(↓0.004)
7.5
(↓0.5)
24533
(+2)
510
(+5)
140
(+1)
70
(-)
0.248
(↓0.001)
3.940
(-)
5
(-)
日本ハム
56585 0.491
(↓0.004)
7.5
(↓0.5)
24490
(+2)
500
(+8)
83
(-)
46
(+2)
0.252
(↓0.001)
3.840
(↓0.02)
6
(-)
ORIX
53595 0.473
(-)
9.5
(-)
26452
(-)
517
(-)
82
(-)
103
(-)
0.245
(-)
4.020
(-)