ヤクルト(☆5対1★)阪神 =リーグ戦20回戦(2019.08.25)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:ブキャナン(4勝6敗0S)
敗戦投手:ガルシア(2勝8敗0S)
  DAZN
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◆ヤクルトは1点を追う5回裏、代打・中村に2点適時打が飛び出し、逆転に成功する。そのまま迎えた7回には、代打・川端が2点適時打を放ち、リードを広げた。投げては、先発・ブキャナンが6回1失点の好投で今季4勝目。敗れた阪神は投打ともに精彩を欠き、連勝が5で止まった。

◆阪神福留孝介外野手(42)が連夜の先制打を放った。 3回。9番ガルシアの安打、2番木浪の死球で2死一、二塁の好機をつくる。ここで3番福留がヤクルト先発ブキャナンのチェンジアップを右前へ運んだ。二塁走者ガルシアが一気に生還し、先制適時打となった。「何とか先制したい場面だったので、ランナーを返すことができて良かったです。まだ序盤なので、もっと(先発ガルシアを)援護できるように頑張ります」。 前日24日の同戦では、先発田川から初回に先制2ラン。2試合連続で先制点をもたらした。 今季、チームは試合前までブキャナンに対して5戦2敗、防御率1・35と抑え込まれていた。苦手右腕を、チーム最年長のベテランが攻略した。

◆阪神オネルキ・ガルシア投手(30)が5回途中5安打2失点で降板し、12戦ぶりの3勝目はならなかった。 6月2日広島戦(マツダスタジアム)以来の勝ち星を狙った左腕は、初回を3者凡退で立ち上がった。2回以降は毎回走者を背負うも、要所を締めて4回まで無失点。しかし、1点リードの5回。2四死球と安打でこの日3度目の2死満塁とすると、代打中村に三遊間を破られる2点適時打で逆転を許した。ここで2番手島本にマウンドを譲った。5回持たずに6四死球で99球。84日ぶりの勝ち星はまたもお預けとなった。 ベンチに下がると、悔しさを抑えきれずにグラブをベンチにたたきつけた。 ガルシアは「いい形で先制してもらって、本来はもう少し長くマウンドにいなければならない試合でしたが、全体的にムダな四球を多く出してしまい、反省の多い投球となりました」と登板を振り返った。 今季最長の5連勝で迎えた一戦。20日DeNA戦(京セラドーム大阪)の青柳から5試合全てで先発投手に勝ち星が付いていたが、ガルシアで途切れてしまった。

◆先発はヤクルト・ブキャナンと阪神ガルシア。阪神は福留が3回2死一、二塁で先制右前打。ヤクルトは2回2死満塁を生かせず。 ヤクルトが5回2死満塁、代打中村の2点左前打で逆転。阪神ガルシアはここで降板。ブキャナンは6回まで1失点で投げきった。 ヤクルトが7回に代打川端の2点打で突き放し、快勝。連敗を2で止めた。ブキャナンが4勝目。阪神は連勝が5でストップ。ガルシアが8敗目。

◆阪神近本光司外野手が初回に先頭打者で中前打を放って今季130安打とし、球団新人では48年の後藤次男の129本を抜き、歴代単独3位となった。 初回の出塁については「そこはしっかりと仕事ができました。初回の先頭で出るというのは、こだわってやっているので」。ただ、その後は無安打で「1打席目よかったですけど、その後の打席が...」と敗戦に悔しさをにじませた。残り24試合で、歴代2位の98年坪井智哉の135安打まで5本。同1位の16年高山俊の136安打までも6本といずれも射程圏内にある。

◆阪神は5回途中から2番手で登板した島本浩也投手がピンチの場面をしのいだ。 逆転された直後の5回2死一、二塁でマウンドへ。8番奥村を空振り三振に取った。「ピンチだったけど、ゼロに抑えたら勝てると思って投げました。ランナーを背負っていたけど、落ち着いて投げられた」。勝ちにはつながらなかったが、9試合連続無失点。小さな左腕リリーバーの貢献度は大きい。

◆阪神木浪聖也内野手の猛打が止まらない。5回1死の第3打席、先発ブキャナンの直球を捉えて右越えの二塁打。7回2死の第4打席は、2番手坂本のスライダーを中前に運んで2戦連続のマルチ安打とした。18日巨人戦から「2番遊撃」で7試合連続でスタメンに起用され、うち6試合でマルチ安打と好調をキープする。この7試合は31打数15安打で打率は驚異の4割8分4里。「自分の中では良かったり悪かったりですが、結果が出ているのは良いこと」。一喜一憂することなく、淡々と振り返った。3回には右膝に死球を受けてヒヤリとしたが、影響は感じさせない。 長期ロードを終え、27日中日戦から本拠地で6連戦。「ここから甲子園(での試合)が続く。土のグラウンドなので、守備を練習からしっかりやりたい」。終盤に調子を上げてきたルーキーの活躍が、チーム浮上には欠かせない。

◆阪神鳥谷敬内野手は今季最後の神宮で全力プレーを尽くした。 4点を追う9回1死に代打で出場し、マクガフから遊撃内野安打。一塁に激走した。今季遊撃での先発は8試合にとどまる。調整が難しい代打起用が続く中、今カード3連戦で3打数2安打だった。

◆阪神福留孝介外野手が2試合連続の先制打を放った。3回2死一、二塁の場面。ヤクルト先発ブキャナンのチェンジアップを右前へ運んだ。二塁走者ガルシアが激走で本塁生還。「なんとか先制したい場面だったので、ランナーを返すことが出来て良かったです」と振り返った。前日24日の同戦では初対戦の先発田川から初回に先制2ラン。2夜連続となる鮮やかな先制パンチだ。 42歳のベテランが逆転CSへ欠かせない存在だ。これまでは休息日を挟んでの起用が多かったが、今月10日に糸井が戦線離脱してからはスタメン出場を継続。勝負どころで結果を残している。 福留は「久しぶりに甲子園に帰るということもあるし、また切り替えてやっていきたい」と力強く話した。セ・リーグ最年長がチームを引っ張っている。

◆7回から登板した阪神ラファエル・ドリス投手が痛い2失点を喫した。 開幕直後は守護神だった右腕は珍しく1点ビハインドの場面で登板。四球と2本のヒットで1死満塁とすると、2死から代打川端に右前へ2点適時打を浴びた。 2試合連続の失点。ビハインドでの登板を問われて「そこは関係ない。ツイていない不運な部分もあったし、自分のダメな場面も出た」と反省。20日に再昇格したドリスについて、矢野監督は「いいとは言えないと思うんだけどね。1軍で投げるところで空いている。多少の違和感はあると思う。あそこでドリスで行ったことは後悔していない」と話した。

◆ヤクルト中村悠平捕手が攻守に踏ん張った。1点を追う5回2死満塁、これ以上ない場面で代打がコールされた。 カウント1-1からの3球目。阪神ガルシアの低めチェンジアップをすくって三遊間を割った。「すごくいい場面で使っていただいた。打点を挙げようという強い気持ちだった」と殊勲の逆転打を振り返った。 捕手中村にとって「本番」はその後とも言える。勝利投手の権利をブキャナンに贈ってマスクをかぶった。「打ったことよりも、その後を抑えられたこと。チームが勝ったこと。それが一番です」。試合前、スターティングオーダーに名前はなかった。8月に入り、巨人3連戦で大量被弾するなど、単調になっていたリードとバッテリーミスが反省材料になっていた。 6回も続投したブキャナンは変化球中心に。継投した4投手も内外に散らして、5連勝中の阪神に捕手として1点も与えなかった。今季は点を取った直後に逆転されたり、追いつかれる試合が多かった。「捕手としてもどかしさがあった。それは今後もつきまとうけど、どうチームを勝たせられるかを整理していきたい」。打つだけでは満足しない。打って、抑えて、中村は勝利の立役者になった。【鎌田良美】

◆ヤクルト山田哲人内野手(27)が25日、阪神20回戦の5回守備からコンディション不良のため途中交代した。「3番二塁」で先発出場したが、3回の第2打席で一飛に倒れた際、脇腹付近を気にするようなそぶりを見せていた。 試合後は「大事を取ってというところ。また明後日」と話し、クラブハウスでチームドクターの診察を受け、病院へ検査へ行く予定はないという。小川監督も27日のDeNA戦出場について「多分、大丈夫だと思うけどね」と話し、状態を見て判断する見込み。

◆阪神鳥谷敬内野手(38)が25日、ヤクルト阪神20回戦(神宮)の試合後、意味深なコメントを残した。今季神宮での最終戦を終えたことについて「自分もこれが最後になるかもしれないので...」と発言した。5年契約の最終年。ここまで代打中心の出場機会で、打率2割1分1厘と本来の実力を発揮しきれない中、あらためて今季に懸ける不退転の覚悟が浮き彫りになった。6連勝を逃し、蒸し暑さが体にこたえる神宮の夜。鳥谷は虎党から降り注ぐ熱のこもった叱咤(しった)激励の声を全身に浴びながら、落ち着いた表情のまま三塁内野席前を歩いた。今季最後の神宮ゲームが終わった。応援してくれたファンへの思いを-。そんな問いを受けると、「自分もこれが最後(の神宮)になるかもしれないので、いい打席だったと思います」と返した。 この日は4点を追う9回1死で代打登場し、マクガフから遊撃内野安打。激走でなんとか反撃ムードを高めようとしたが、チームの連勝は5でストップした。シーズン24試合を残し、3位広島と3ゲーム差。CS圏内滑り込みへ厳しい戦いが続く中、38歳はあらためて今季に懸ける不退転の覚悟を言葉にして、自分自身を奮い立たせた。 今季は5年契約の最終年。以前から「プロ野球選手は1年1年が勝負。ダメだったら辞めないといけないのは毎年のこと」と話してきた男にとっても、今まで以上に重たい決意で臨むシーズンとなっている。2月の沖縄キャンプ中には「年齢的にも立場的にも、より強く進退を考えないといけないタイミングに来ている」と覚悟を決めていた。そんな思いが日々、全身を突き動かしている。 もちろん、今はグラウンドで最大限のパフォーマンスを発揮するため、悔いのない準備に専念している。たとえ周囲が去就に注目を向けようとも、スタイルがブレることはない。今季はここまで代打中心の出番で打率2割1分1厘。打点はまだない。今こそ生え抜きスターの底力を見せつけるタイミングといえる。 開幕前、「最後はやれるだけのことをやって、納得した形で白黒はっきりつけたい」と力を込めた。まだ「白黒」の決着はついていない。悲願の日本一への道も閉ざされてはいない。勝負の1カ月。何度も修羅場をくぐり抜けてきた背番号1が、あえて覚悟を口に出すことで、自身の闘志に火をつけにかかった。

◆阪神の連勝が5で止まった。先発ガルシアが1点のリードを守れず5回途中2失点で8敗目を喫した。 これで12試合勝てず、昨年中日で13勝した左腕は2勝のまま。ただ、2日から出た長期ロードはようやく終了した。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -ガルシアは本調子ではなかった 5回2点はね。投げきっていないけど、別に結果的には悪くない。すごく状態が悪いとかではない。終盤に差し掛かっているなか、こっちも勝負に行くところは行かないとダメなところで代えた。球数もちょっと増えていた。あれ以上はちょっとしんどいかなというところで代えた。調子がいい感じではなかった。普通くらいかな。 -次回登板はどうか そこまでまだ考えていないけど。 -打線は先制したが ドリスも守屋もガルシアもあと1歩のところを粘れたら、全然違うゲームになっていたと思う。 -27日から甲子園に戻って仕切り直せる そういう気分にはなると思う。今日負けたことはもちろん残念。勝って甲子園に戻りたいのは自分もチームももちろんあった。結果がこうなった。火曜日から帰って、残り全力で盛り上げられるように結果も出したい。全力で頑張ります。 -ドリスは球自体は戻ってきたのか いいとは言えない。いままで後ろで投げていた。本人的にも多少の違和感はあると思う。あそこでドリスに行ったことは後悔していないし、ある程度勝負にいっている。仕方がない。

◆阪神が先制。福留孝介外野手(42)の適時打で、試合の流れをつかんだ。  0-0の三回。1死からガルシアが左前打で出塁。近本が右飛に倒れるも、木浪が右膝付近の死球で2死一、二塁となり福留が打席に立った。カウント1-1から低めの変化球をすくい、右前へ落とす適時打を放った。福留にとって2試合連続の打点は、チームに6試合連続の先制点をもたらした。  その後2死満塁まで好機は広がるも糸原が二ゴロに倒れ追加点はならず。6連勝となればデーゲームで敗れた3位・広島と2ゲーム差となる。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(27)が25日、阪神20回戦(神宮)で五回の守備から途中交代した。  三回1死一塁から一飛に倒れたスイングで、違和感を覚えた可能性がある。  山田哲は5月11日の巨人戦(東京ドーム)で試合前の打撃練習で左脇腹を気にするそぶりを見せ、同戦を二回の守備から退いている。翌12日の同戦は今季初欠場していた。

◆阪神のオネルキ・ガルシア投手(30)が25日のヤクルト戦(神宮)で先発。4回2/3を投げ5安打6四死球と安定せず、五回2死一、二塁のピンチを作ったまま2番手・島本浩也投手(26)にバトンを託した。  踏ん張り切れなかった。1点リードの五回無死、青木の右肩近辺に死球を当ててしまい球場は騒然に。その後も安打と四球などで2死満塁。ベンチは続投を選択したが、代打・中村に左前2点打。勝利投手の権利目前で、タオルを投げた。島本は奥村を空振り三振に斬った。  ガルシアは二回、先頭のバレンティンに中前打。2死となり松本直にも中前打、奥村に四球を与え満塁とされるもブキャナンを投ゴロに仕留めて切り抜けた。四回も先頭の雄平に左翼線を破る二塁打。その後2死満塁とされるも太田を遊ゴロと、2度の満塁を切り抜けたどり着いた五回だった。  これで12試合連続白星なし。5試合連続で先発投手に白星がついているという最高の流れに、乗ることはできなかった。

◆阪神のラファエル・ドリス投手(31)が25日のヤクルト戦(神宮)に登板。1点ビハインドの緊迫した展開だったが、追加点を献上してしまった。  1-2の七回。1死から雄平にストレートの四球を与えると村上、中村に左前打を浴びて満塁。奥村を三邪飛に仕留め2死までこぎつけるも、代打・川端に右前2点打。貴重すぎる追加点を与えてしまった。  ドリスは23日のヤクルト戦(神宮)でも2球連続暴投など安定感を欠き、1失点していた。

◆ヤクルトは代打策が成功し、快勝した。0-1の五回は2死満塁で送った中村がガルシアのチェンジアップを左前に運ぶ、逆転の2点打。投手陣が崩れた24日に途中交代となっていた正捕手は「チャンスで代打だったので、絶対打ってやるという気持ちだった」と悔しさをぶつけた。  2-1の七回は2死満塁で代打川端がドリスの155キロを右前に打ち返して2点を加えた。「振り負けないようにと思った。大きな追加点になって良かった」と勝利への貢献を喜んだ。

◆阪神・鳥谷敬内野手(38)が今季最後となった神宮でのヤクルト戦後、「自分も最後かもしれない」と話した。  報道陣から「神宮がきょうで最後。ファンへの思いは?」と問われ、「神宮というか、自分も最後かもしれないので、いい打席だったと思います」と、代打での遊撃内野安打を振り返った。  5年契約最終年の今季は55試合の出場で、打率・211、0本塁打、0打点の成績にとどまっている。

◆虎の連勝が止まっちまったぁ~!! はい、先発のガルシア、そしてかつての守護神・ドリス、2人とも日本流に正座しておきなさい。「日本プロ野球をなめたらアカンぜよー!!」  昨年、中日で13勝のガルシアは、本日の試合前までわずか2勝(7敗)。防御率は何でローテに入っとんの? と目を疑うような5・24という数字。そして本日も五回にあと1人で勝利投手の権利を手にする寸前で、白星を黒に変えるダメダメイリュージョンを披露するわ...。  一方、一昨年のセーブ王・ドリスも、1点差ならまだ分からない七回に登板するや、コントロールの悪さから致命的な2点をヤクルトに献上して、虎の連勝がストップでガックリ!!  阪神よ、転んでもただでは起きるなー! このビデオを今後は他球団で活躍して移籍してきた外国人投手に『日本球界で生き残る虎の巻』として伝えていこうではないか。  打線もガルシアの五回途中で5安打6四死球の湿度90%みたいな投球じゃ、攻撃の勢いが付くかいなー、と同情さえしたのだ。さあ切り替えろ! 久しぶりの甲子園で、奥川くんより、履正社より野球ファンを沸かせろー!!

◆--ガルシアは本調子ではなかった  「5回2点というのはね、投げきっていないけど、別に結果的には悪くない。すごく状態が悪いとかそんなことではないけど。終盤に差し掛かっているなかで、こっちも勝負に行くところは行かないとダメなところで代えたんで。まあ、球数もね、ちょっと増えていたし。まあ、あれ以上はちょっとしんどいかなというところで代えたんだけど。でも、調子がいい感じではなかったね。まあ、普通くらいなのかなと」  --打線は先制したが  「投打ともに結局、紙一重やと思うし。チャンス作ったけど結果一本出ぇへん、まあドリスも、守屋も、ガルシアも、あと一歩のところ粘れたら全然違うゲームになったと思うんでね。きょうはもうどっちも、そういう瀬戸際というか、勝負どころでの結果がちょっと出なかったというところだと思う」  --ドリスは走者をためてしまう投球が続いているが、戻って来てからもボール自体は悪くなさそうか  「うーん...まあいいとは言えないと思うんだけどねぇ。でも間隔、1軍で投げるところでは空いているし。今まで後ろ(抑え)で投げていたから。本人的にも多少の違和感はあると思うし。あそこでドリスに行ったことは後悔していないし、(点を)取られたこともある程度勝負にいってるので。それは仕方がないと思います」

◆トラ番の間に緊張が走りました。  「拳銃のようなものを所持している不審者が病院内に侵入しています。避難してください」  23日のヤクルト戦に8-3で快勝した夜のことです。体調を崩したトラ番竹村岳が、先輩の記者2人と、入社同期のトラ番箭内桃子に付き添ってもらって病院の待合ロビーにいたとき、突然、冒頭の館内アナウンスが流れたのです。  みんなで一目散に避難しました。その途中、箭内が急に立ち止まったのだそうです。  「私、財布を忘れてきた!!」  そう言って病院へ戻ろうとしたので、竹村たちは大あわて。  「財布がどうこう言ってる場合じゃない。早く逃げるぞ」  「え~!? でも、財布が」  なおも病院に戻ろうとする箭内を、竹村たちは引きずるようにして、竹村の実家に戻りました。そしてテレビをつけると、画面には4人がさっきまでいた病院が燃え上がる映像が映し出されていたのです......ん? 竹村の実家? あんたの実家、たしか、滋賀じゃなかったっけ?  「そうです。みんなで『無事でよかった』と言っているところで、目が覚めました」  はい。夢のお話でございます。翌日、竹村が「箭内は、夢の中でも豪快だったわ」とふると、桃子姫は「他人の夢の中での行動までは知りません」と大笑いしていたそうな。  「でも、火事の夢って吉兆だというじゃないですか。あの日も快勝したし、きのうも12安打で7点取った。そして5連勝ですから。きょうも、猛打爆発で勝ってくれるんじゃないかと思っているんです」  たしかに、火事の夢は占いでは「再生の象徴」「新たな始まり」を意味する"吉夢"だと言われています。  「僕も、きょうも打ってくれるんじゃないかという気がしています。試合前の打撃練習は今、暑さ対策で時間が短縮されて軽めなんです。勝ってるし、打ってるし、みんな明るいんです。雰囲気がいいですから」  若手のトラ番菊地峻太朗も、そんな報告をしてきました。夏のロード初体験の菊地は、「半袖のシャツが足りなくなった」ため、この日は長袖シャツを着用していました。  「きょうは少し涼しいので、なんとか回しながら乗り切れそうです」  出張と移動の連続でコインランドリーにいく時間もつくれず、クリーニングに出すわけにもいかず、独身男は必死に"やりくり"しております。  「きのう、おとついの2桁安打は、先発投手が若い田川だったりしたからな。きょうのブキャナンも打てれば、楽しみになってくるけど」  夢の話とシャツの着回しを笑って聞いていたベテラン上田雅昭は冷静にそう話しました。  この日は打線に火がつきませんでした。デーゲームで広島が中日に負けていて、勝てば3位に2ゲーム差でしたが...。  火事の"吉夢"は燃える建物にもよるそうで、病院の場合はこう書かれています。「その人が抱えている問題への対処が難しくなる」...。

◆先発のブキャナンが6回6安打1失点と粘りの投球で4勝目(6敗)を挙げた。失点した三回は福留に先制打を許したが、その後は踏ん張った。自身3連勝と調子を上げてきた右腕は「考えすぎずに低めに集められた」と笑顔で、「次はもっとストライクをとれるように」と4四死球の反省も忘れなかった。

◆「3番・二塁」で阪神戦に先発出場したヤクルト・山田哲人内野手(27)が、コンディション不良を訴えて五回の守備から交代した。表情こそ明るかったが、本人は詳細を明かさず「大事を取ってというところ。(病院には)行きません。また、明後日(27日)」と話すにとどめ、小川監督は「多分、大丈夫じゃないかな」と説明した。  26日を休養日に充て、様子を見る方針だ。今季はここまで打率・282、31本塁打、28盗塁。もし離脱となれば2年連続4度目となるトリプルスリー(同一シーズン打率3割、30本塁打、30盗塁)に黄信号が灯る事態。最下位からの浮上を狙うチームにとっても痛い。  チームは0-1の五回に中村が逆転の2点打、2-1の七回には川端が右前へ2点打を放ち、いずれも代打起用に応えた。中村は「強い気持ちを持って打席に入った」と胸を張った。 (横山尚杜)

◆鋭い打球が右翼の前へと飛んでいく。この日も打線の中心には、やはりベテランがいた。福留が2日連続で先制打を放ち、一塁上で手をたたいた。  「何とか先制したい場面だったので、ランナーを返すとができてよかった」  三回だ。カウント1-1からブキャナンの低めにきた134キロチェンジアップを振り抜いた。右前へと運び、適時打となると、虎党で黄色く染まった左翼席からは大歓声が上がる。前日は一回に2ラン。この日も三回に先制打と2夜連続で先制の一打。ここぞという場面で結果を残すのはさすがだ。  昨年までなら移動が多く厳しい暑さの続く、この時期は積極的休養も挟みながらの出場だった。だが、糸井が負傷で離脱し、新助っ人のソラーテも2軍で調整中でそんな余裕もない。8月10日の広島戦(京セラ)から休養日もなく、14試合連続でスタメン出場。夏の長期ロードも関係なし。42歳のベテランだが、フル稼働で戦い続けている。  最近2カードでは6試合で2本塁打、8打点を挙げる奮闘ぶり。夏バテ知らずの勝負強い打撃で長期ロード期間、クリーンアップとしてチームを盛り上げてきた。  27日からは甲子園に帰って、中日、巨人との6連戦が待っている。「また甲子園でやるわけなので、また切り替えてゲームに入っていくだけ」と力を込めて球場を後にした。  残りは24試合。リーグ最年長の大ベテランが、最後まで存在感を放ち続け、逆転クライマックスシリーズへ導く。 (菊地峻太朗)

◆ホームを踏むまではいかなかったが、これがリードオフマンの仕事だ。D1位・近本が一回先頭、中前打で口火を切り今季130安打目。甲高い快音を神宮に響かせた。  「そこはしっかりと仕事ができました。初回の先頭で出るというのはこだわってやっているので」  カウント2-2と追い込まれるも、5球目の145キロ直球を弾き返した。「最近ああいうバッティングができていなかったので、よかった」。直後のD3位・木浪が二ゴロ併殺で好機拡大はできなかったが、常に求める初回の出塁には充実感をにじませた。  球団新人安打記録で並んでいた1948年の後藤次男を抜き、単独歴代3位に浮上。2016年に高山が記録した球団新人記録の136安打まで残り6本。27日から、ロード明けの甲子園で新しい記録を打ち立てる。 (竹村岳)

◆阪神は長期ロードの最終ヤクルト戦で1-5で敗れ、10勝10敗1分けの5割フィニッシュ。今季初の6連勝は逃したが、3位広島とは3ゲーム差。矢野燿大監督(50)は27日からの甲子園6連戦(中日、巨人)で「ワイワイできるような試合を見せたい」と仕切り直しを誓った。  声にならない叱咤激励が降り注ぐ神宮から、前だけを向いて引き揚げていった。今季初の6連勝を狙った矢野虎だったが1-5で敗戦。指揮官は甲子園での出直しへ力を込めた。  「きょう負けたことはもちろん残念で、勝って甲子園戻りたいっていうのは自分もチームもあったけど。結果がこうなったんでね。また火曜日から帰って、残り全力で盛り上げられるように、結果ももちろん出したいし、全力で頑張ります」  長期ロードの最終戦。三回に先制するなど、出だしは悪くなかった。先発のガルシアも4回2/3で5安打6四死球を出しながらも2失点と耐えていた。しかし「投打ともに結局、紙一重やと思う」。打線は何度も走者を得点圏に進めたが、あと1本が出ず。最少失点で切り抜けたかった投手陣は、3番手ドリスが七回に四球から連打を浴び4-1とリードを広げられた。八回に送り出した守屋も2死から失点。自慢の中継ぎ陣が崩れ、白星締めはかなわなかった。  「きょうみたいにチャンスは作ってあと一本を出して、ピッチャーみんなつなげていくというのは今のチームの一番良い理想の形だと思うんで。まあそういう形は見えつつあるかなと思います」  2日の広島戦(マツダ)から幕を開けた夏の長期ロード。10勝10敗1分けの勝率5割で戦いを終えた。前半5カードでは5勝9敗1分けと苦戦も、終盤で再加速。20-22日のDeNA戦(京セラ)で3連勝と勢いに乗ると、ロード最後の今カードも1、2戦目を連勝。先発投手で5連勝という理想の戦い方で再び上昇気流に乗った。27日からは再び甲子園での戦いに戻る。まずは3ゲーム差で3位につける広島を追いかけ、クライマックスシリーズ進出へ出直しを図る。  「仕切り直し? そういう気分にはなると思うしね。甲子園もやっぱ久しぶりやから。また甲子園で、ワイワイこう、できるような試合を見せたい」  最後まで上だけを見て進む。つかみ始めた理想形を現実のものにして、残り24試合を全力で戦い抜く。

◆阪神・鳥谷敬内野手(38)が25日、神宮では今季最後となるヤクルト戦後、「自分も最後かもしれない」と自身の進退について重大発言をした。年俸4億円の5年契約最終年となる今季は出場機会が激減。この日も代打で遊撃内野安打と健在ぶりをみせたが、虎一筋16年の鉄人が現役生活にピリオドを打つ可能性が出てきた。  どんな日もグラウンドに立ち、戦ってきた。そんな男の口から、ついに「最後」という言葉がこぼれた。虎党が語りかけてくる三塁側ファウルグラウンドをゆったりと歩きながら、鳥谷が進退について重大発言だ。苦悩のシーズンも、最終盤に差しかかった。早大時代から立ち続けてきた神宮での今季最終戦だったがと問われ、こう語った。  「神宮というか自分も最後かもしれないので、いい打席だったと思います」  自分も最後-。聞きたくなかった言葉を、ここで自ら口にした。「いい打席」となったのは、1-5で迎えた九回一死走者なしだった。マクガフにカウント2-2と追い込まれながらも、しぶとく遊撃内野安打。相手の隙をついて二塁を陥れた(記録は野選)。今季は打率・211(76打数16安打)、0本塁打、0打点。5年契約最終年の16年目に残っているのは、厳しすぎる数字だった。  ただでさえ、昨年12月の契約更改交渉の席でも「野球を続けられるのか辞めなきゃいけないのか、大事な1年になる」と覚悟して踏み出した1年。「最後」ということが頭をよぎっていたのは、ファンだけでなく鳥谷自身もだった。  この夜の一打で積み重ねた安打は球団最多を更新し続ける「2082」となり、誰も歩んだことがない道を歩み続けてきた。打率・236と不振に陥った2016年に、連続フルイニングが歴代5位の「667」で途切れたが、翌17年に打率・293、三塁手としてゴールデングラブ賞も獲得するなど復活を果たした。  18年はプロ15年目にして初めて規定打席に届かず、打率・232。ルーキーだった04年から続けてきた連続試合出場が「1939」で止まった。だが今季は、矢野監督の昨秋の就任直後に「遊撃一本」での勝負を直訴していた。38歳にして、木浪、北條らに真っ向から勝負を挑んでいった。  開幕から続いてしまっていた得点圏の「連続打席無安打」は、今カード初戦の23日に五十嵐から三塁内野安打を放ってストップさせていた。得点圏打率・031(32打数1安打)は、たしかに鳥谷敬という男にとっては、考えられない数字ではある。それでも8月はすべて代打で11打席に出場し、打率・444(9打数4安打)、2四球と快音も多く響かせてきた。復調の兆しは、今まさに出てきている。  この神宮球場での試合前練習では、打撃練習後に外野グラウンドでの打球捕を行う姿もあった。これまでには見られなかった姿で、大学時代から慣れ親しんだ地を、感慨深く、踏みしめているようにも見えた。  九回の一打については「あきらめないというか、打席に立ったら塁に出たいので」とも語った。残り24試合。27日には甲子園に帰る。「最後」を思いながら、鳥谷は全力で戦い抜く。 ★今季にかける鳥谷あらかると  ◆引退覚悟 2018年12月5日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸4億円でサイン。5年契約の最終年となる来季は「野球を続けられるのか辞めなきゃいけないのか、大事な1年になる」と引退を懸けて挑む決意を口にした  ◆家族愛で甦る 沖縄キャンプ休日の今年2月8日、フリーアナウンサーの梅田淳氏とサンケイスポーツ特別対談で、愛する家族のため、「もう一回、グラウンドに立ち続けている姿を見せたい」と笑顔で激白  ◆矢野監督がバースデー檄 6月26日、甲子園で全体練習。矢野監督は今季打点&本塁打なしで38歳を迎えた鳥谷に「このまま終わっていいと思っているわけない」と奮起を促した

◆残念な敗戦だ。先発投手に勝ちがついての5連勝し、不調のガルシアがこの勢いに乗ってくれれば、という思いで矢野監督も送り出しただろう。五回のピンチで、もう限界だったところを続投させたのも、プラスに作用してくれれば、の願いだったはず。  期待は裏切られた。五回途中2失点は、ヤクルトのつたない攻めに助けられただけ。気持ちの部分で打者との勝負ができていないように映ったし、その結果、ボール球が多く、球数が増えた。今後の起用法は悩ましい。  ただ、そう簡単に先発を入れ替えるのが難しいのならば、ガルシアの先発日は"特例"の投手起用に踏み切るしかない。リードしていている状況で四回以前の交代も考えていい。  今週は中日、巨人という苦手な2チームとの6連戦。3位以上に入るための正念場だ。とはいえ、疲労が目立つ中継ぎ陣を毎日毎日投入するのは厳禁だ。青柳、西、高橋遥に関しては少しでも長いイニングを投げることが絶対。その代わり、ガルシアの日は序盤からのスクランブルもあり。メリハリの起用で「勝負の9月」を乗り切ってもらいたい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
65492 0.570
(↓0.005)
M20
(-)
27552
(-)
464
(+3)
148
(-)
68
(-)
0.260
(↓0.001)
3.720
(↑0.01)
2
(1↑)
DeNA
60563 0.517
(↑0.004)
6
(↑1)
24492
(+3)
488
(-)
131
(+1)
37
(-)
0.246
(-)
3.830
(↑0.03)
3
(1↓)
広島
60573 0.513
(↓0.004)
6.5
(-)
23502
(+4)
497
(+10)
116
(-)
68
(-)
0.253
(↓0.001)
3.620
(↓0.06)
4
(-)
阪神
55586 0.487
(↓0.004)
9.5
(-)
24444
(+1)
492
(+5)
82
(-)
78
(-)
0.250
(-)
3.570
(↓0.01)
5
(-)
中日
52632 0.452
(↑0.005)
13.5
(↑1)
26455
(+10)
470
(+4)
76
(+2)
59
(-)
0.263
(↑0.001)
3.930
(-)
6
(-)
ヤクルト
48692 0.410
(↑0.005)
18.5
(↑1)
24546
(+5)
607
(+1)
140
(-)
47
(-)
0.247
(-)
4.660
(↑0.04)