◆オリックスは初回、モヤと中川の適時打などで3点を先制する。続く2回裏には、西野の適時打でリードを広げた。投げては、先発・山本が9回途中1失点10奪三振の快投。最後はディクソンが締め、山本は今季6勝目を挙げた。敗れた西武は、投打ともに振るわなかった。

◆オリックス吉田正尚外野手（26）の今季西武戦は53打数22安打、打率4割1分5厘。特に多和田に対しては、2本塁打を含む11打数7安打、打率6割3分6厘と猛打を発揮。 今日も得意な多和田から安打を放ち、チームに白星を呼び込めるか。

◆先発はオリックス山本、西武多和田。オリックスは初回に4安打で3点を奪い、2回も1点を追加。西武は3回まで無安打無得点。 オリックスは3回2死から登板した西武小石から6回まで追加点を奪えず。西武はオリックス山本を攻略できず6回まで無得点。 西武は9回、満塁から山川の犠飛で1点を奪うのが精いっぱい。オリックス山本が6勝目。西武多和田が6敗目でチームは3連敗。 オリックス・ディクソンが10セーブ目。

◆西武が無得点負けこそ免れたが、痛い連敗を喫した。先発多和田が1回に3失点の苦しい立ち上がり。攻撃は8回までオリックス山本の前に3安打無得点に抑えられた。 9回先頭の秋山が内角カットボールを捉え、右翼線二塁打で出塁。連打と四球で無死満塁をつくり、4番山川の犠飛で一矢報いる1点がやっと。辻発彦監督（60）は「初回から3点取られたら苦しいよ。（山本が）楽に投げられるし」と出はなをくじかれた。 けがの金子侑と源田に続き、前日に右足甲を痛めていた中村が指名打者で出場も、1打席で退いた。「力が入らないから大事を取って交代した。（源田も）無理はさせられない。切って（肉離れで全治）1カ月、2カ月になったら勝負にならない。その分、必死になってくれたら。それが戦力だから」と若手起用で我慢の采配を振る。主力3人を欠き3連敗で首位ソフトバンクと6ゲーム差。正念場の8月を迎えた。 ▽西武多和田（初回に3点失い、2回2／37安打4失点で6敗目）「ただただチームに申し訳ないという気持ち、それだけです」

◆オリックスの守護神ブランドン・ディクソン投手が節目の10セーブ目を挙げた。 山本を救援し、9回1死一、三塁のピンチで登板。メヒアと佐藤を連続で空振り三振に仕留めた。球団助っ人では10年レスター以来4人目の2桁セーブ。「うれしいです。自分は先発でもクローザーでもチームのために投げると思っているので、達成できてよかった」と喜んだ。

◆オリックス山本が完封を目前で逃したが、今季6勝目を挙げた。8回まで3安打無失点と圧倒して迎えた最終回。先頭秋山に右翼へ二塁打から連打と四球で満塁のピンチを招いた。山川に初球をはじかれ、右犠飛で1点を失ったところで降板。2番手ディクソンが無失点に締めた。「最後はヒヤヒヤさせてしまったんですけど、みんなで勝ちきれたのでよかった」と喜んだ。 圧巻は序盤の奪三振ショーだ。最速154キロの直球を軸にツーシーム、カットボール、スライダー、フォーク、カーブで緩急を駆使。2回先頭の山川から6者連続空振り三振を奪った。「何か変えたわけではないですけど、タイミングがよかったです」。合計10奪三振で山賊打線を寄せ付けなかった。 前回7月27日のソフトバンク戦は9回にデスパイネに完封阻止弾を被弾。最終回が鬼門となりつつあるが、「ちょっとのところだと思う。切り替えて1イニングずつ抑えていきたい」と引き締めた。防御率は依然12球団トップで唯一の1点台。特に西武戦は3試合で防御率0・37と圧倒。最下位脱出を目指し剛腕が勝ち星を積み重ねていく。【古財稜明】

◆西武・多和田真三郎投手（２６）が３日、オリックス１７回戦（京セラ）に先発。一回に３連打を浴びるなど、３失点。二回にも西野の中前適時打で失点し、２回２／３、４失点でＫＯされた。 　降板後の右腕は「ただただチームに申し訳ないという気持ち、それだけです」とうなだれた。

◆西武は３日、オリックス１７回戦（京セラ）に１－４で敗れ、３連敗。３度目の対戦となった山本に８回１／３を１失点に抑えられた。 　九回に意地の右犠飛を放った山川は「悔しいです。パ・リーグで１、２を争う投手だと思う。防御率もそうだし、打席に立った感じも難しい。なんとかしたかったけど、ぼくに関しては力負けです」と脱帽した。

◆西武は３日、オリックス１７回戦（京セラ）に１－４で敗れ、３連敗。昨季１６勝で最多勝に輝いた多和田が、今季最短となる２回２／３を４失点と炎上し、６敗目（１勝）を喫した。 　右腕は「監督から『打者に向かっていく姿勢がみられない』と言われました。次はそういうところを見せられるようにしたい」と反省。小野投手コーチは「慎重になりすぎている。もっと力で押してもいい」と話したが、次回の先発については明言しなかった。

◆西武・中村剛也内野手（３５）が３日、オリックス１７回戦（京セラ）で五回の第２打席に代打を送られ、途中交代した。 　２日の同カードで二塁を回る際に、右足甲を痛め、辻監督は「（右足甲に）痛みがあって、スイングの際に力が入らない。大事を取って」と説明。４日の出場は当日の状態を見て判断される。

◆西武はまたも山本を攻略できなかった。１０三振を喫し、八回までわずか３安打。九回に山川の犠飛で完封を阻止するのがやっとだった。今季これで３度対戦して計２得点しかできず、辻監督は「今、一番いい投手じゃないか。防御率からいけば、２点取られないんだから」と素直に実力を認めた。 　２日に太もも裏の張りを訴えた源田は欠場。中村は右足甲の痛みのため、１打席立っただけで交代した。佐藤、山田ら若手を起用したが、天敵にねじ伏せられ、監督は「ある戦力で戦うしかない」と話した。

◆６月からオリックスの抑えを務めるディクソンが２桁セーブに到達し、「先発でもクローザーでもチームのためにと思っている。うれしい気持ち」と喜んだ。 　九回、完封を目指した山本が１点返され、なお１死一、三塁を残して降板。それでも動じず、メヒアと佐藤を自慢のナックルカーブで空振り三振に仕留めた。来日７年目の今季も先発陣に入るはずが、けがで出遅れ、リリーフ起用に。増井が不調による２軍調整から戻っても、試合の締めを託されている。

◆西武・源田壮亮内野手が、オリックス１７回戦（京セラ）を欠場した。前日２日に左太もも裏の張りを訴えて、一回の守備からベンチに退いていた。また中村剛也内野手は右足甲に痛みを訴え、この日の五回に代打を送られ、途中交代した。

◆九回１死一、三塁で、６月中旬から抑えに転向したディクソンが登板。後続を抑えて今季１０セーブ目を挙げた。球団の外国人投手で２桁セーブを記録するのは１９８６年のアニマル（１９Ｓ）、２００１年の具臺晟（ク・デソン）、１０年のレスター（いずれも１０Ｓ）に続き４人目。「それはうれしい。僕は先発でも抑えでも、チームのためならどこでもやるつもりだ」と力を込めた。

◆昨季は１６勝で最多勝に輝いた多和田が、今季最短となる２回２／３を７安打４失点と炎上し、６敗目（１勝）でチームは３連敗を喫した。２６歳右腕は「（辻）監督から『打者に向かっていく姿勢がみられない』と言われました。次はそういうところを見せられるようにしたい」と猛省。指揮官は「（一回に）いきなり３点は苦しい。今の球では抑えられない」と苦言を呈した。

◆スタンドから大きな拍手を受けてベンチに引き揚げるオリックス・山本に笑顔はなかった。８回１／３を５安打１失点で１０奪三振。今季６勝目を挙げたが、完封寸前でまたしても降板となった。 　「チームが勝ち切れたのは良かったけど。もちろん、僕は満足していません。悔しさはある」 　八回まで無失点。４－０で迎えた九回、２安打と四球で無死満塁とされ、山川の右犠飛で１点を失ったところで降板した。前回７月２７日のソフトバンク戦（ヤフオク）も八回まで無失点ながら、九回に３失点。勝利の瞬間はベンチだった。 　「きょうは一回から落ちついてテンポ良く投げられた」だけに、なおさら腹立たしかった。 　八回までピンチらしいピンチはなく、二回先頭の山川から６連続を含む１０三振。山本といえば、１５０キロ台後半の速球がウリだが、８三振は変化球。相手に的を絞らせないクレバーな投球で強力打線を封じ込めた。 　「相性がいい？　理由はわかりません」とはぐらかしたが、西武には今季３試合で２４回１／３を投げて自責１（失点２）。防御率０・３７だ。 　前日２日からの京セラドームでの西武３連戦は「Ｂｓ　夏の陣」と題して、ナインは黒いユニホームを着用。初戦は壮絶な打撃戦を制し、この日は２０歳右腕の力投で連勝を飾った。 　「まだ順位は下（最下位）ですが、最後までＡクラスをあきらめないので、応援よろしくお願いします」 　３万４３人のファンに向かって絶叫した山本。１２球団で唯一、防御率１点台（１・８４）の２０歳右腕が、低迷するオリックスを上位へと導く。　（三木建次） 今季、山本と３度対戦して計２得点しかできていない西武・辻監督 「今、一番いい投手じゃないか。防御率からいけば、２点取られないんだから」 山本についてオリックス・西村監督 「いつも以上に素晴らしかった。交代させたのは球数（１１７球）もそうだし、投げるボールをみて判断した」