ソフトバンク(☆6対3★)楽天 =リーグ戦14回戦(2019.07.04)・福岡ヤフオクドーム=
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楽天
0101000013802
ソフトバンク
30000300X61002
勝利投手:千賀 滉大(9勝2敗0S)
(セーブ:甲斐野 央(1勝1敗5S))
敗戦投手:辛島 航(5勝4敗0S)

本塁打
【楽天】ブラッシュ(20号・2回表ソロ),ウィーラー(14号・9回表ソロ)
【ソフトバンク】グラシアル(18号・1回裏2ラン),グラシアル(19号・6回裏3ラン)

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◆ソフトバンクは初回、内川聖一の適時打とグラシアルの2ランで先制に成功する。その後1点差とされて迎えた6回裏には、グラシアルの3ランが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・千賀が7回2失点10奪三振の力投で今季9勝目。敗れた楽天は、打線がつながりを欠いた。

◆楽天ジャバリ・ブラッシュ外野手が、30歳のバースデーアーチで節目の20号に乗せた。 3点を先行された直後の2回、3ボールからソフトバンク千賀の154キロをバックスクリーンにたたき込んだ。「リーグを代表するピッチャーだからね。気合が入っていたよ。試合はまだまだこれからだよ」。6月19日の阪神戦以来となる1発で反撃ののろしを上げた。

◆5連敗中の楽天は、先発の辛島航投手(28)が6回途中7安打5失点でマウンドを降りた。1回にソフトバンク・グラシアルに2ランを浴びるなど、いきなり3失点。 その後は緩急を自在に操る本来の投球を取り戻し、3回には1、2、3番を3者連続三振を仕留めるなど、5回までで自己最多に並ぶ9三振を奪った。 6回1死から安打と四球で一、二塁のピンチを招いて降板すると、2番手の青山がグラシアルに痛恨の3ランを被弾。「初回の3失点で試合の流れを悪くしてしまいました。2回以降は丁寧に投げられたと思います。野手の皆さんに申し訳ないです」と自らを責めた。

◆ソフトバンクは初回、グラシアルの18号2ランなどで3点を先制。楽天も2回にブラッシュの20号ソロで1点を返した。 1点差とされたソフトバンクは6回、グラシアルがこの日2本目となる19号3ランで突き放した。千賀は6回まで2失点。 ソフトバンクが逃げ切った。チームは今季初の7連勝。先発千賀はリーグトップとなる9勝目を挙げ、辛島は4敗目。楽天は6連敗となった。

◆楽天が引き分けを挟んで今季ワーストの6連敗を喫し、首位ソフトバンクとの差は今季最大5ゲームにまで広がった。 1回に辛島が2ラン、6回には代わったばかりの青山が痛恨の3ランを浴びたグラシアルには、この3連戦で3本塁打11打点を献上。平石監督は「(これまでも)考えてはいるけど、本当に対策を考えないと。いいようにやられている」と表情をこわばらせた。 交流戦終了後、リーグで唯一白星がない。4番起用がスタートした6月9日の中日戦以降、初めて5番に入れたブラッシュが6月19日の阪神戦以来となる20号を放ち、ウィーラーにも久々の1発が出た。「いい時ばかりじゃない。ここで(気持ちが)引いていても仕方ない。自分たちで打開しないと」と前を向いた。

◆ソフトバンクの助っ人グラシアル内野手が2本塁打を含む3安打5打点の大暴れだ。 1点を先制した初回、なお2死一塁で右翼席へ18号2ラン。「初回に点が取れてよかったよ」。1点差に迫られて迎えた6回にも左翼テラス席へ19号3ランを運んで突き放した。「待っていた球が来たからね」。139キロのシュートを豪快なライナーではじき返した。初戦の6打点を含め、楽天3連戦は3発11打点の暴れぶり。首位独走の立役者はまさに「神様、仏様、グラ様」の働きだ。

◆3番一塁で出場したソフトバンク内川聖一内野手も先制タイムリーを含む2安打で勝利に貢献した。「打ったのはチェンジアップ。最初のチャンスで走者をかえせてよかった」。 1番周東が三塁打。1死後に辛島から中前にはじき返した。6回にも巧打で中前へ運び、3日の3安打に続いて2戦連続のマルチ安打。「周東の三塁打も生かすことができてよかった」と納得顔だった。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(26)が7回を2失点に抑え、4年連続2桁勝利に王手をかける両リーグトップの9勝目をマークした。楽天打線に真っ向勝負を挑んで毎回10奪三振。2位チームを力でねじ伏せ、ゲーム差を今季最大の5に広げた。チームは今季初の7連勝で貯金も最多14。3年連続日本一を目指す工藤ホークスが独走態勢に入った。千賀はこの日も、大事な場面で三振を狙って奪った。1点リードの6回1死二塁は、本塁打を含むこの日2安打のブラッシュをお化けフォークで空振り三振。その後の2死一、二塁ではウィーラーから145キロのカットボールで空振り三振を奪い、グラブをたたいてガッツポーズした。「1点もやれない状況で三振を狙って取れたのでよかった。あのカットボールは理想通りだった」と会心の投球。7回も無失点に抑えた。 初回にこの日最速159キロを計測。スライダー、フォークも交えて眼下のライバル、2位楽天打線を2点に抑えた。「2位のチーム相手に3つ勝ててよかった。僕も流れに乗りました。6点も取ってくれた野手に感謝です」。初回に早々と3点をプレゼントしてくれた野手陣に頭を下げた。 今季はここまでローテーションを外れることなく投げ続けている。交流戦開けから球宴までの12連戦を重要視した工藤監督は、中5日を2回でエースを3試合先発させる作戦を考えていた。だが交流戦最終戦から出来すぎの? 7連勝。工藤監督は「結果は最高だった。まだ次回は決めていない。回復具合を見て」と明かした。予定していた前半最終戦の10日西武戦を回避できる状況になり、満を持して後半戦に臨ませるプランに転換したようだ。 一塁側スタンドからは、3軍選手17人が観戦した。藤本3軍監督の発案で、練習も見学していた。この日スタメンでフィールドを守った9人のうち、投手千賀、捕手甲斐、二塁周東、遊撃牧原と4人が育成出身だった。千賀は「3軍の子たちに、俺もああいう舞台に上がりたいと思えるように。何かを思ってくれたら」と力投する姿で大きな刺激を与えた。10年に育成4位で入団。「大学に行くつもりだったし、指名してもらった時はうそやん! 絶対ないやろと、信じられませんでした」と当時のことを話したことがある。140キロの原石は最速161キロに。育成からはい上がったエース右腕がより大きな存在となり、チームを引っ張っている。【石橋隆雄】

◆ソフトバンク王貞治球団会長(79)もチームの7連勝に溜飲を下げた。助っ人グラシアルが初回の18号2ランに続き、1点差となった6回には1死一、二塁から19号3ランを左翼テラス席に運び去った。 「ホームランの威力は大きいね。変な力も入っていないし、狙いすましたように打ったみたいだったね」。 前日(3日)は4番デスパイネが決勝のグランドスラム。「なんか、(助っ人2人が)交代交代に打っている感じだね」と、ご満悦だった。

◆ソフトバンク工藤公康監督(56)が、2位楽天相手に3連勝し7連勝、今季最大の5ゲーム差をつけたナインをほめた。 この日はエース千賀が7回2失点で9勝目。ベテラン内川が先制適時打、グラシアルが5打点と活躍した。工藤監督は「こういう(3連勝という)結果になってよかった。やられてしっかり3連勝できたのも選手が何とかしようという強い気持ちがあったからだと思う」と喜んだ。 交流戦前の5月31日からの楽天3連戦では本拠地ヤフオクドームで3連敗を喫していた。森ヘッドコーチも「やりかえせたことは素直によかった」と工藤監督の思いを代弁した。これで対戦成績も7勝7敗の五分に戻した。

◆楽天のブラッシュが30歳の誕生日に20号ソロを放った。0-3の二回に先頭で打席に立つと、千賀の甘く入った154キロを豪快に中越えにたたき込んだ。「リーグを代表する投手だからね。気合が入っていた」と話した。  6月19日以来の一発で勢いづくと、四回には左中間への二塁打をマーク。後続もつなぎ内野ゴロの間に2点目のホームを踏んだ。

◆ソフトバンクのグラシアルが今季初の1試合2本塁打で5打点を挙げた。一回に右翼ポール際へ2ラン、3-2の六回は内角低めを左翼席に運ぶ3ラン。「なかなか追加点が取れず嫌な展開だった。大きい追加点になって良かった」と白い歯がこぼれた。  2位楽天との3連戦で11打点を記録し「個人的な成績でも満足できる内容」とうなずく。19本塁打は、チーム最多となったが「数にこだわりはない。チームを手助けできるような打撃、プレーをこれからもしたい」と謙虚に話した。 内川(2安打で6試合連続安打) 「最初のチャンスで走者をかえせて良かった。(一回の適時打は)僕にとっては大きい」

◆今季ワーストの6連敗(1分けを挟む)を喫した。先発した辛島は5回1/3を7安打5失点で4敗目。一回にグラシアルに2ランを浴びるなど3点を失い、「試合の流れを悪くして、野手の皆さんに申し訳ないです」と反省。平石監督は、グラシアルに3試合で11打点を許したことに、「対策をしっかり考える」と口元を引き締めた。

◆先発の柱が揺るがないから強い。首位ソフトバンクの千賀滉大投手(26)は7回を投げ6安打2失点で両リーグ単独トップの9勝目。2位楽天を直接たたくべく中5日で上がったマウンドで、127球を投じた。チームを今季初の7連勝に導き、2位とのゲーム差を今季最大の5に広げ「7連勝で(5日先発の)二保さんに回すと、ずっと言っていた。できてよかった」と笑った。  四回に1点差に迫られたが、ここから粘る。六回は1死二塁でブラッシュをフォークボール、2死一、二塁はウィーラーを鋭く落ちるカットボールでともに空振り三振に仕留めた。「1点もやれない状況で三振を狙っていった。うまくいった」と胸を張った。  前回登板の日本ハム戦は6回1失点で8勝目を挙げたが、今季最少の5奪三振と本調子ではなかった。今回は「どうにかいいものを出せるように調整した」と、登板間の練習量を落としてコンディションを整え、10三振を奪った。4年連続2桁勝利に早くも王手をかけ「先頭に立って頑張っていきたい」と決意をにじませた。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
44304 0.595
(↑0.006)
-
(-)
65331
(+6)
290
(+3)
106
(+2)
69
(-)
0.254
(-)
3.370
(↑0.01)
2
(-)
楽天
39352 0.527
(↓0.007)
5
(↓1)
67350
(+3)
337
(+6)
83
(+2)
25
(-)
0.253
(↓0.001)
4.270
(↓0.03)
3
(-)
西武
39361 0.520
(↑0.006)
5.5
(-)
67398
(+8)
378
(+2)
86
(-)
84
(-)
0.261
(-)
4.440
(↑0.03)
4
(-)
日本ハム
37374 0.500
(↓0.007)
7
(↓1)
65337
(+2)
328
(+8)
52
(-)
33
(-)
0.259
(↓0.001)
3.910
(↓0.05)
5
(-)
ロッテ
35382 0.479
(↓0.007)
8.5
(↓1)
68342
(+2)
336
(+4)
94
(-)
51
(+1)
0.248
(↓0.001)
4.070
(↓0.01)
6
(-)
ORIX
33395 0.458
(↑0.007)
10
(-)
66271
(+4)
333
(+2)
52
(+1)
68
(-)
0.235
(-)
3.860
(↑0.05)