広島(★2対7☆)ヤクルト =リーグ戦14回戦(2019.07.04)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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ヤクルト
0050000027901
広島
0110000002810
勝利投手:高橋 奎二(2勝3敗0S)
(セーブ:マクガフ(4勝1敗1S))
敗戦投手:ジョンソン(6勝5敗0S)

本塁打
【ヤクルト】中山 翔太(4号・3回表3ラン)

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◆ヤクルトは0-1で迎えた3回表、青木の2点適時打と中山の3ランで一挙5点を挙げ、逆転に成功する。9回には村上の適時打などで2点を追加し、試合を決めた。投げては、先発・高橋が6回2失点の好投で今季2勝目。敗れた広島は、投打ともに振るわなかった。

◆広島菊池涼介内野手(29)が15年8月20日中日戦以来となる1番で先発出場する。2番には前日3日まで3番の西川が入り、3番にはメヒア、4番には鈴木が入る。 広島は田中広の不振もあり、前日まで1番は日替わり。田中広のほか、野間、長野、西川、小園、高橋大が起用されていた。今季1番打者起用は8人目となる。

◆ヤクルトの守護神石山泰稚投手(30)が、体調不良のため広島14回戦を欠場した。 練習にも参加せず、ベンチからも外れた。 小川監督は「登録を抹消するほどではない。明日以降については、状態を見ながら」と話した。

◆ヤクルトは3回に打者一巡の猛攻をしかけ、一挙5点を奪った。 1点を追う3回、先頭の投手高橋が敵失を誘い先陣を切った。無死満塁で青木が広島先発ジョンソンから2点適時打となる左前打を放って勝ち越し。「満塁だったので、とにかく1点をとる気持ちで、犠牲フライでもいいと食らいついていきました」と話した。 さらに1死二、三塁で5番中山が右翼席へ4号3ランを放った。「1打席目が少し大振りだったので、2打席目はランナーもいましたし、コンパクトに犠牲フライでもいいという気持ちで打ちました」と振り返った。

◆ヤクルトは3回、青木の2点適時打と中山の4号3ランで一挙5点を奪い逆転。広島はその裏、メヒアの押し出し四球で反撃した。 広島は4回から継投。島内が4回、遠藤が5、6回を無失点に抑えた。ヤクルトは先発高橋が6回まで2失点。 ヤクルトはリードを守り切り、3連勝とした。高橋は2勝目。マクガフは初セーブ。広島はリーグ戦再開後の初勝利ならず、引き分けをはさんで5連敗となった。ジョンソン5敗目。

◆広島菊池涼介内野手を15年8月20日以来の1番に起用する打線入れ替えも実らなかった。2回に先制したが、3回に先発ジョンソンが失策と野選から5点を失った。 その後押し出し四球の1得点止まり。前半戦最後の本拠地試合は同一カード3連敗となり、引き分けを挟み5連敗。緒方監督は「なかなか地元で勝てなくて、ファンの方には申し訳ない気持ち」とわびた。

◆広島の先発クリス・ジョンソン投手が3回77球、5失点で5敗目を喫した。1-0の3回に味方の失策と犠打野選などで無死満塁となり、青木に2点打、中山に4号3ランを打たれた。 イライラを隠せず、裏の打席で代打を送られた。「守備のミスもあり、審判のコールもあり、真ん中に投げないとストライクと言ってもらえないのは厳しい。(ストライクと)思ったところを3つ、4つ取ってくれないとフラストレーションがたまる」と話した。

◆ヤクルト高橋奎二投手の静かな闘志と、冷静な判断が光った。 6回を被安打6ながら2失点で2勝目。チームは4月28~29日以来、約2カ月ぶりとなる5度目の3連勝。同一カード3連勝は、4月9~11日の広島戦以来、今季2度目となった。 頭の中は、冷静だった。5-1の3回1死満塁、打席には4番鈴木。最も警戒する打者だ。フルカウントの6球目。捕手中村のサインはチェンジアップ。首を振った。「スライダーの方が、ストライクが取れると思った」。外角低めのスライダーでタイミングをずらし、三ゴロ併殺。表情は変えず、淡々とベンチへ戻った。「まだ序盤だったから」と明かした。 5月29日に神宮で鈴木と対戦した際は、最も自信を持つ直球で真っ向勝負を挑んだ。闘志を前面に出し、まるで仁王立ちのような姿で気迫を見せたが、本塁打と適時二塁打を許した。 この日も序盤は広島打線に直球を痛打された。ベンチで中村と話し合い、4回以降は変化球主体に。スライダーとチェンジアップにカーブを交ぜ、4回以降は無失点。4イニングで先頭の出塁を許したが、粘った。「(カード頭の)小川さんがリズムを作ってくれて乗っていけた。しっかり粘って勝ててよかった」。自信になる1勝だった。【保坂恭子】

◆本拠地マツダスタジアムでも勝てない。広島緒方孝市監督(50)は日替わりとなっていた1番に15年8月20日以来、菊池涼を起用する策を講じるも、奏功しなかった。得点は内野ゴロと押し出しによる2得点のみ。3回は守備のミスから大量失点した。攻守に精彩を欠き、引き分けを挟み5連敗。首位巨人との差が広がり、3位DeNAとの差は0・5ゲームと迫ってきた。試合内容同様に、家路につく広島ファンの足取りも重かった。6試合ぶり先制もミスからピンチを広げ大量失点。ヤクルトを追い詰める反発力もなく、前半戦最後のマツダスタジアムで同一カード3連敗。引き分けを挟み5連敗を喫した。 緒方監督 なかなかこうやって地元で勝てなくて、ファンの方には申し訳ない気持ち。ただ、選手はこうして最後まで諦めずに戦っているので。連戦も続くし、また明日切り替えたいと思います。 策はまたも実らなかった。菊池涼を15年8月20日以来の1番に起用。今季8人目の1番打者も、4打数無安打。田中広の大不振もあり、今季1番打者の打率は全打順の中でも9番に次ぐ低打率2割5厘と低迷する。ほぼ毎日のように入れ替える打線がチームを良化させているとは言い難い。 重い空気は守りにも影響した。先制した直後の3回。失策と野選でピンチを広げると、ジョンソンが踏ん張れず、逆転打に3ランで一気に5点を失った。その裏1死満塁から押し出しで1点を返すも、4番鈴木は三塁への併殺打。新打線はその後も2つの併殺を記録するなど機能しなかった。 入れ替え策も手詰まり状態。実績ある長野もバティスタも、フレッシュな小園も球宴明けまで再登録できない。開幕直後、引っ張った野間には、9連戦最初の3連戦で、すべてウエスタン・リーグにも出場させる厳しさを見せたが状態向上にはつながっていない。 チームの重い空気を察してか、試合前には松田球団オーナーが緒方監督のもとを訪れた。「見に来ただけ。激励じゃない。からかいに来ただけだよ」と冗談交じりに話すも、緒方監督と約20分、談笑。「負けるのはしょうがない」と励ました。引き続き打線を入れ替えるのか、それとも固定なのか。下を向くのではなく、停滞感を打ち破る打開策を見いださなければいけない。【前原淳】

◆"きんに君"ことヤクルト中山翔太外野手が、流れを引き寄せる4号3ランを放った。3回1死二、三塁、広島先発ジョンソンの148キロ直球を右翼席へ運んだ。「いったと思った。できすぎです」と笑った。 攻守で青木からアドバイスを受け「(運を)持っているから大丈夫」と太鼓判を押された。ドラフト2位の新人は「ベテランの方は声を出して応援してくれていて、ついていきたい気持ち」と先輩に感謝した。

◆ヤクルトの石山が体調不良のため、欠場した。出場選手登録は抹消せず、5日以降は様子を見て判断する。

◆広島のジョンソンは3回5失点で、先発の役割を果たせなかった。三回に、三ゴロを小窪が捕り損ねて出塁を許すと、その後も野選でピンチが広がり、青木に2点打、中山に3ランを浴びた。  チームの連敗を止められず、5敗目を喫し「守備のミスもあり、アンパイアの判定もあった。強打者を相手に、真ん中に投げないとストライクを取ってもらえない状況になると投球をしていても難しい」と不機嫌だった。 広島・佐々岡投手コーチ(ジョンソンに) 「いらいらが丸見え。もっと行かせようと思ったけど、ああいう態度をされるとね」

◆ヤクルトのドラフト2位ルーキーの中山が三回に4号3ランを放った。  ジョンソンの外角低めの速球を、逆方向の右翼へ運び「犠飛でもいいと思ってコンパクトにバットにぶつけようと思った」と振り返った。筋力トレーニングが趣味という持ち前のパワーを見せつけた。  打席での判断も光った。二回の走者なしの場面では、空振り三振。三回の好機では「大振りしないことを心掛けた」。リードを広げる貴重な一発につなげた。 青木(三回に2点打) 「とにかく1点を取るという気持ち。犠飛でもいいと思って食らい付いた」 マクガフ(初セーブ) 「とてもうれしい。準備はしていたし、緊迫した場面で抑えられたのもよかった」 小川監督(2連勝の高橋に) 「これまでは1イニングにどかっと失点していたが、ここ2試合は粘れている」

◆ヤクルト先発の高橋は6回6安打2失点の好投で2勝目(3敗)を挙げた。三回までは直球で押し、四回からは変化球主体に切り替え、広島打線に的を絞らせなかった。「直球を狙われているという印象だったので四回以降は中村さんが変化球を交えての配球になった」と女房役に感謝。交流戦後は先発陣が5試合連続で2失点以下と安定感が増してきた。

◆4連覇を狙うセ・リーグ王者の失速が止まらない。広島は拙攻拙守で、1分けを挟んで今季ワーストタイの5連敗。緒方監督は質問を一切受けず、会見を10秒で切り上げるほど怒っていた。  「なかなか地元で勝てなくて、ファンのみなさんに申し訳ない。選手たちは最後まであきらめずにやっている」  4年ぶりの本拠地6連敗。守備の乱れが大量失点を招いた。1-0の三回無死、高橋の三塁線のゴロを三塁・小窪がファンブル。一、二塁からは吉田のバントを捕手・石原が三塁送球したが、野選で満塁となった。  ここで先発のジョンソンが青木に逆転2点打を浴び、中山には3ランを被弾。直後の攻撃で代打を送られ、今季最短3回を5失点で降板した。  菊池涼を2015年以来の1番に起用した打線も、10戦連続4得点以下と機能せず。三回1死満塁で鈴木が三ゴロ併殺。五、六回も併殺で好機の芽をつぶし、九回の満塁機も生かせなかった。  異例の闘魂注入も実らなかった。試合前練習では松田オーナーがグラウンドまで降りてきて、打撃ケージの後ろで緒方監督と20分ほど談笑。「負けるのはしようがない」と総帥は背中を押したが...。無念の敗戦だ。  チームは5月に球団新の20勝も、交流戦は最下位。リーグ再開後も5敗1分けといまだ未勝利で、最大「14」あった貯金はついに「1」に。首位巨人とのゲーム差は6まで広がった。3位のDeNAも0・5ゲーム差に接近。厳しい状況に追い込まれている。  「またあした、切り替えてがんばります」と指揮官。試練の9連戦の1カード目で3連敗発進となったカープ。5日は甲子園で阪神戦。虎狩りで再浮上のきっかけをつかむ。 (柏村翔)

◆燕の「きんに君」がまた打った! ヤクルトのドラフト2位・中山翔太外野手(22)=法大=が4日、広島14回戦(マツダ)の三回に右翼席へリードを広げる4号3ランを放ち、7-2の勝利に貢献した。チームは今季2度目となる同一カード3連勝。借金15の最下位だが、若手が奮闘して巻き返す!!  広島ファンの悲鳴を増幅させる打球を、真っ赤に染まった右翼席へ打ち込んだ。2-1の三回、1死二、三塁。燕の「きんに君」こと中山が、4号3ランを放った。  「コンパクトに、来た球にバットをぶつけていく気持ちでいきました。(打った瞬間に)行くと思いました」  左腕、ジョンソンの148キロの速球に力負けせず、右打席から逆方向へ飛ばした。先発に定着した6月22日のロッテ戦以降の8試合で打率・406(32打数13安打)、7打点。最近5戦で3発に「出来過ぎです」と照れたが、バレンティンや坂口ら主軸が離脱する中、存在感が増している。  お笑い芸人の名前をとった「きんに君」の愛称で親しまれる新人。先輩には「筋ちゃん」、村上ら後輩には「筋さん」と呼ばれ、筋肉キャラはすっかり定着。鍛え抜かれた体に加え、周囲が評価するのは全力で野球に取り組む素直さだ。  ファームで「ある程度、守れないといけない」と指導した福地2軍外野守備走塁コーチは「本当に素直な性格で、しっかり取り組んでくれた」という。1軍昇格後に食事をともにした青木は「素直だし、先輩にもかわいがられる性格」と表現。6月9日のオリックス戦(神宮)のプロ初打席で鈍い当たりが三遊間を抜け、初安打初打点となった中山に「(運を)持っているから大丈夫」と背中を押した。  法大時代から面識がある本塁打王にも力をもらった。同14日の西武戦の試合前、自身の打撃練習を見ていた西武・山川から「手のひらではなく、指でバットを握った方がいい」と金言を授かった。スイングの操作性がアップし、2日後の同カードでプロ初本塁打を放った。  チームは4月9-11日の広島戦(マツダ)以来の同一カード3連勝。前日3日は19歳の村上が満塁弾を放ち、勝利に貢献。2日とこの日は、中山が本塁打。小川監督は「きのうの村上といい、大きな本塁打だった。彼らは必死にやっている。これからの自信にしてほしい」と目尻を下げた。  まだ借金15の最下位。だが中山ら若いパワーが、少しずつヤクルトを押し上げる。 (横山尚杜) 三回に2点打を放ったヤクルト・青木 「とにかく1点を取るという気持ち。犠飛でもいいと思って食らい付いた」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
43301 0.589
(↑0.006)
-
(-)
69364
(+5)
293
(+3)
101
(+2)
45
(+1)
0.262
(↓0.001)
3.620
(↑0.01)
2
(-)
広島
38373 0.507
(↓0.007)
6
(↓1)
65305
(+2)
318
(+7)
71
(-)
49
(-)
0.246
(-)
3.410
(↓0.03)
3
(-)
DeNA
37372 0.500
(↑0.007)
6.5
(-)
67307
(+7)
298
(+2)
91
(+3)
24
(-)
0.247
(↑0.001)
3.570
(↑0.04)
4
(1↓)
阪神
36384 0.486
(↓0.007)
7.5
(↓1)
65297
(+2)
323
(+7)
52
(-)
54
(-)
0.247
(-)
3.480
(↓0.05)
5
(-)
中日
33420 0.440
(↓0.006)
11
(↓1)
68287
(+3)
300
(+5)
45
(-)
39
(-)
0.258
(-)
3.900
(↓0.02)
6
(-)
ヤクルト
31462 0.403
(↑0.008)
14
(-)
64348
(+7)
403
(+2)
89
(+1)
28
(+1)
0.237
(-)
4.620
(↑0.03)