DeNA(☆7対2★)阪神 =リーグ戦15回戦(2019.07.04)・横浜スタジアム=
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阪神
1010000002710
DeNA
20101102X71013
勝利投手:大貫 晋一(4勝3敗0S)
敗戦投手:メッセンジャー(3勝6敗0S)

本塁打
【DeNA】ソト(25号・5回裏ソロ),戸柱 恭孝(1号・6回裏ソロ),中井 大介(2号・8回裏2ラン)

  DAZN
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◆DeNAは2-2の同点で迎えた3回裏、1死二塁の好機から筒香の適時打で勝ち越しに成功する。その後は5回にソトのソロ、6回には戸柱のソロなどで加点した。投げては、先発・大貫が今季4勝目。敗れた阪神は、先発・メッセンジャーが試合をつくれなかった。

◆DeNAはルーキー大貫晋一投手(25)が先発。2日には同じ新人の上茶谷が勝利投手になっており、同一カード3連戦でDeNAのルーキー2人が白星を挙げれば08年7月9、10日ヤクルト戦の桑原謙と小林以来になる。

◆阪神が先制した直後に逆転を許した。初回、先頭の糸原がフェンス直撃の右越え二塁打で出塁し、2死二塁から、大山が中堅へ適時二塁打を放ち先制に成功。しかし直後の1回裏に、先発のメッセンジャーが先頭の神里に内野安打を許すと、2死一、二塁からロペス、宮崎に連打を許し1-2と逆転された。 3回も2死二塁から大山が内野安打を放つと、二走の近本が好走塁を見せ一気に生還。2-2と追いつくも、直後の3回裏1死からソト、筒香の連打で再び勝ち越された。 前日3日も初回に糸井のソロ本塁打で先制するも、直後の1回裏にソトにソロ本塁打を浴び同点に追いつかれた。

◆阪神ランディ・メッセンジャー投手(37)が5回7安打4失点で降板した。 先制に成功した直後の1回裏2死一、二塁からロペス、宮崎に連打を許し逆転された。カーブでストライクを奪うなどランナーを出しながらも我慢の投球を続けた。2-3の5回2死からソトにソロ本塁打を献上。筒香に四球、ロペスに左翼へ二塁打を許しなおも2死二、三塁のピンチを招いたが、最後は宮崎を中飛に打ち取った。 粘り強く投げ続けていたが、6月4日ロッテ戦(ZOZOマリン)以来の4勝目はならなかった。

◆点の取り合いとなった。阪神は1点を追う3回に大山の適時内野安打で同点。DeNAはその裏、筒香の適時打で勝ち越した。 DeNAは1点リードの5回にソトの25号ソロ、6回は戸柱の1号ソロで追加点。阪神メッセンジャーは5回4失点で降板した。 DeNAが単独3位に浮上。4カード連続で勝ち越し、勝率を5割に戻した。大貫が4勝目。阪神は投打がかみ合わなかった。メッセンジャーは6敗目。

◆DeNAは阪神3連戦で2日上茶谷大河投手、4日大貫晋一投手と、ルーキー2人が勝利投手。DeNAのルーキー2人が同一カードの連戦で白星を挙げたのは、08年7月8~10日ヤクルト3連戦の9日桑原謙と10日小林以来、11年ぶり。 08年の桑原謙は救援勝利で、今回のように2人とも先発勝利となると、56年9月23、24日の中日3連戦で、23日のダブルヘッダー第1試合で松井、第2試合で秋山が勝って以来、チーム63年ぶり2度目。

◆阪神がDeNAに敗れ、今季78試合目で、首位巨人とのゲーム差が7・5に開いた。 阪神がリーグ優勝した5度のうち、最大のゲーム差を覆した逆転優勝は64年の6・5差で、過去の"デッドライン"を超えたことになる。08年に巨人が13ゲーム差をひっくり返した大逆転Vの例もあるが、阪神は球団史上最大差逆転劇を見せられるか。

◆阪神ランディ・メッセンジャー投手が5回7安打4失点で6敗目を喫した。チームは初回に先制したが、直後の1回裏2死一、二塁から連打を許して逆転された。同点に追いついた直後の3回裏も1死からの連打で勝ち越された。 前回6月18日楽天戦から中15日。「交流戦の時はいい状態だったので、長い間隔は、嫌は嫌でしたね」と本来の投球を見せられず、自身初めて同一シーズンでのDeNA戦連敗となった。攻撃でも2回1死一、三塁の好機でスクイズのサインを見落とすミス。 矢野監督は「ランディらしさっていうのは見えていない。本人らしさというのを早く出してくれたらなと思うけどね」と復調を願った。 ▽阪神清水ヘッドコーチ(メッセンジャーのサイン見落としについて)「サインだけは分かってほしかった。出来る、出来ないは別として」 ◆メッセンジャー対DeNA メッセンジャーは通算98勝のうち、DeNA戦で自身カード別最多の24勝をマーク。昨季は同カードで6勝0敗。今季も5月4日には9回1失点で完投勝利を記録している

◆前日スタメン落ちの阪神近本光司外野手が2番で出場した。4月5日広島戦以来の2番だったが、1回無死二塁のチャンスで走者も進められず空振り三振。ヒットは5回に放った右前打1本だった。 近本は「糸原さんがいつもやっていることをやりたかったけど、できなかった」と悔しそうな表情。それでも矢野監督は「途中で(ヒットが)1本出たところから、タイミングの取り方が良くなったように見えた。明日は1番に戻してみようかな」と1番復帰を明言した。

◆阪神大山悠輔内野手が6月12日ソフトバンク戦以来、今季3度目の猛打賞と気を吐いたが、勝利には結びつかなかった。 「負けたので、それだけです。結果が全てなので...。勝利に貢献できてからのこと。そういう打順を打っているので悔しいです」 敗戦にも、4番の踏ん張りに浜中打撃コーチは「最近は調子を落としていた。(結果に)納得しているかはわからないけど、自信にはなると思う。4番の仕事をしたなという実感が沸くと思う」と話した。 この日は2打点で、自己最多打点となる49に数字を伸ばした。ただ、守備では精彩を欠いた。6回にはサード後方の飛球を懸命に追うも、グラブに当てて落球。今季15個目の失策を犯してしまった。4番だからと言って、打てばOKではない。攻守に渡って軸となる選手になるべく、ミスをしても大山は必死に前を向いた。

◆阪神がV逸の危険水域に足を踏み入れた。先制しても、あっけなくDeNA打線に逆転され、引き離される。 完敗で首位巨人と7・5差に拡大。ついに過去1度も逆転優勝していないゲーム差に開いてしまった。再び4位転落。矢野監督は「苦しいときほど楽しめる気持ちでやれたらすごい。前を向いてやっていかなあかんし、まだまだ試合数が残っている」と話した。 「ないものねだり」をしたくなる展開だった。もどかしい攻撃の象徴は来日1年目の助っ人マルテだ。1回2死二塁はファウル3本で追い込まれて外角速球に見逃し三振。3回2死二塁は右飛。5回2死一、二塁はフォークに空振り三振。5番打者の役割を果たせず矢野監督も首をひねった。 「点が取れないなかでね。得点圏で相手が一番、どうやって打ち取ろうかという攻めのなかの打撃は、走者がいないときと同じような感じでは攻めて来ない。そこが課題になってくる」 揚げ句は8回だ。1死一塁で内角速球にどん詰まりの三塁併殺打...。マルテも「明日から見つめ直してやりたい」と反省した。一向に状態が上向かない。単打は出るが6月21日西武戦以来、31打席長打なし。アーチは実に6月4日ロッテ戦以降、1カ月も遠ざかる。6本塁打にとどまり、得点力不足は解消されない。 一方のDeNAはソトが25号弾など2安打を放ち、ロペスも2安打。まさに助っ人の本領を発揮する。しびれを切らし、ついに新助っ人補強に動いた。メジャー通算75本塁打のヤンガービス・ソラルテ内野手(32=マーリンズ傘下)の獲得に向かっており、この日も球団首脳は「できるだけ早くしたいと思っています」と危機感をにじませた。後半戦からの参戦を目指し、急ピッチで交渉を進める。 両打ちでアーチを量産できるパンチ力を秘め、獲得前から早くも待望の存在になりつつある。得意の横浜スタジアムで3連戦負け越しは15年以来、4年ぶり。「ソラルテ、ホンマ、はよ来てくれよ~~~」。虎党から、そんな悲鳴が聞こえてきそうだ。【酒井俊作】 ▼阪神がDeNAに敗れ3連戦を1勝2敗と負け越した。阪神は横浜スタジアムとの相性が良く、3連戦で負け越したのは、15年5月22~24日に1勝2敗(●○●)以来4年ぶりだ。また、2連戦では同年9月18、19日に連敗したケースがある。

◆阪神の1番糸原健斗内野手は4打数2安打だった。4月19日巨人戦以来となる「1番二塁」で先発。 初回に右翼フェンス直撃の二塁打を放ち先制機をつくると、3回の第2打席でも内野安打をマークし、一時同点の起点になった。「出塁することには変わらないので。また明日頑張ります」。前夜は5月31日広島戦以来スタメンから外れたが、代打で途中出場し決勝犠飛を放っていた。与えられた場所で結果を残している。

◆DeNA石田健太投手が、存在感を示した。大貫の後を継ぎ2番手で登板。3イニングを1安打、全て3人で切り抜けた。 「1点も取られない、そういうつもりで。3イニングは久々だったけど、自分の力をバッター1人、1人に集中して」と貫禄十分。ラミレス監督も「さすがだった」と称賛した。

◆DeNAは投打がかみ合い、3位同士の直接対決を制した。再び勝率5割に復帰し、2位広島には0・5ゲーム差。 5日から首位巨人との3連戦に挑む。ラミレス監督は「ゲーム差は気にしていない。巨人相手に、どういう風に戦うか、そこを考えてやっていきたい」と先を見据えた。

◆DeNAがじわじわ上位に進出してきた。目下のライバル阪神に3連戦で勝ち越し、同率から単独3位に浮上した。ドラフト3位ルーキー大貫晋一投手(25)が5回2失点で4勝目。前々日に5勝目を挙げた上茶谷に続き、球団で新人2人が同一カードで先発勝利は63年ぶりとなった。今日5日からは首位巨人と3連戦。天敵メッセンジャーを下した勢いで立ち向かう。ベンチに戻った大貫のもとに、ラミレス監督が通訳と近づいてきた。初回に1失点を喫した直後。交代? いや、違った。指揮官は「ナーバスになっていないか?」と尋ねてきた。大貫は「YES」と英語で答えた。「他の人から見ても、ナーバスに見えたということ。いい意味で開き直れたと思います」。普通の人なら否定する場面でも、素直に答えた。 強がることはなかった。頭の中では、前回登板の映像がよみがえっていた。6月22日の楽天戦(横浜)。1回を投げきれずKO。自己ワーストの6失点を喫した。「また今日も前回みたくなってしまうのでは」と脳裏をよぎったが、同時に2軍生活を思い返した。「変化球への意識が強く、腕の振りが緩くなっていたと思う。思いっきり、腕を振ることを意識した」と格好つけることなく、愚直に課題と向き合った。 物おじしない-。本来の姿が戻った。1点リードで迎えた5回。単打と四球が絡み、2死一、二塁。カウント2-2からの5球目、マルテをフォークで誘うが見極められた。一打出れば、同点。それでも、続けた。6球目もフォークを選び、強く振り切った腕で空振り三振に仕留めた。「アウト1つ取ることが、どれだけ大変かすごく勉強になった」。初回とは別人、満面の笑みでベンチに戻った。 素直な性格は、変わらない。日体大在学中のこと、髪は今よりも長髪だった。古城監督から指摘されたが、1度は髪を切ることを固辞した。最終的に自らスポーツ刈りに仕上げたが、物おじしない、怖がらない。今カードの初戦では上茶谷が勝利。新人2人で2位広島と0・5ゲーム差、チームの4カード連続の勝ち越しに貢献した。大貫は「上茶谷のことは、ライバル視はしていない。新人王? それも全く気にしていない。刺激し合って、いければいい」。最後まで大きいことは言わず、自分を貫いた。【栗田尚樹】

◆阪神がDeNAに完敗で再び4位に転落。首位巨人と7・5ゲーム差に拡大。 矢野燿大監督は「苦しいときほど楽しめる気持ちでやれたらすごい。前を向いてやっていかなあかんし、まだまだ試合数が残っている」と話した。 その他の一問一答は以下の通り。 ◆試合前練習前 -トレードで石崎放出 いまは気持ち的に「やった!」と思うことはたぶんない。俺もそう。すごく悔しかったし、嫌やった。でもチャンスがあるから、こういうことをする。お互いがそうなる形でまた、感情が変わるところでもある。 -高野の加入で中継ぎ陣は層が厚くなる ウチも数というか、素材も含めて、いい投手がいるチームだと思うけど、そのなかでも入っていける能力を持っていると思う。 ◆試合後 -序盤にもう1本出ていれば展開が変わった まあ、そうやね。もう1点でも2点でもね。(先発大貫を)5回まで持たせてしまったところはあるね。 -チャンスは作れるが 気持ちはもちろんあると思う。そういう気持ちで打席に行ってくれている。何か、もうひと工夫していかないと...。相手も一番打たせたくない感じで攻めてくるわけだから。1個の球を見逃すとか自分の形、自分らのペースで持っていくのが特に得点圏に行くときはできていない感じはする。 -2番近本は久しぶり 1番のときに、なかなか1打席目で、状態も悪かったから、何となく簡単にやられるケースが多かった。(糸原)健斗は、なかなかしぶとい打者なので(1番に)1回入れてみた。

◆阪神・大山悠輔内野手(24)が4日のDeNA戦(横浜)で一回に左中間へ適時二塁打を放ち、先制に成功した。  一回、この日「1番・二塁」で先発となった糸原が右翼フェンス直撃の二塁打を放ち、チャンスメーク。2死となってから大山が打席に入り、一振りで仕留めた。カウント2-1からの4球目を鋭く振り抜き、打球は左中間を真っ二つに。2試合連続の適時打で先制点をもたらした。

◆阪神のランディ・メッセンジャー投手(37)が4日のDeNA線(横浜)に先発し6回7安打4失点。今季4勝目&日本通算99勝目を手に入れることはできなかった。  四回まで5安打3失点と何とか踏ん張り、1点ビハインドで粘っていたが、五回にソトに手痛い一発を浴びた。カウント1-2と追い込んでからの4球目、132キロを振り抜かれ弾丸ライナーで左翼席へ。強烈な一発で2-4と離された。  六回からは2番手・守屋がマウンドに上がった。

◆阪神・大山悠輔内野手(24)が4日のDeNA戦(横浜)の八回1死で左翼線へ安打を放ち、今季3度目の猛打賞とした。  一回2死二塁では左中間へ適時二塁打。三回2死二塁では三塁へ適時内野安打を放ち、この日のチームの2点をいずれもたたき出していた。2-5と点差を離されて迎えた八回に3安打目を放ち、6月12日のソフトバンク戦(ヤフオク)以来の猛打賞。ひとり気を吐いた。

◆阪神は4日、DeNAに2-7で敗れ、得意としていた横浜スタジアムで4年ぶりに負け越し。5割復帰に失敗した矢野燿大監督は好機に一本が出ない現状を嘆いた。  「かえすところで...。どうなんやろ...。気持ちはもちろんあると思うし、そういう気持ちで打席に行ってくれてるとは思うけど。もうひと工夫ね。していかないと...。俺らも言うのは簡単だしね。打席の中でやるのは難しいのは、もちろん分かってるんだけど」  二回1死一、三塁、メッセンジャーが打席の場面で、三走の高山が飛び出して、三本間で憤死したシーンについては「サインの見落としやね」と説明。ベンチからスクイズのサインが出ていたようだったが、打者が理解していなかったようだ。  大黒柱のメッセンジャーがなかなか本来の投球を見せられない登板が続いていることについて「(大黒柱の)まんまかどうかわからないけど。いつまでもね、ランディに頼るっていうのももちろんチームとしては。やっぱり若いやつが追い越していくっていうところも必要やし。そこに負けないようなランディもいてくれるっていうのが理想やけどね」などと話した。  2番で2試合ぶりに先発した近本については「1番の時になかなか1打席目で状態も悪かったから何となく簡単にやられるってケースが多かったんで、健斗(糸原)はなかなかしぶとい打者なので、1回(1番に)入れてみた。今日、途中で1本出たところから、ちょっとタイミングの取り方が良くなった感じに見えたので、明日はちょっと1番に戻してみようかな」と5日の広島戦(甲子園)からの1番復帰を示唆した。

◆DeNAのドラフト3位・大貫晋一投手=新日鉄住金鹿島=が4日、阪神戦(横浜)に5回6安打、2失点(自責1点)の粘投で4勝目をマークした。  前回登板となった6月22日の楽天戦では1死も奪えずに4安打3四球、6失点でマウンドを降りた。「ワンアウトを取ることがどれほど大変か分かった」とプロ厳しさを痛感しただけに、この日の阪神戦は一回の先頭打者を抑えることを重視した。しかし、先頭の糸原に右中間二塁打を浴びてしまった。  「何としてもアウトを取る気持ちでいたけどスコンと打たれた。前回のようになってしまうかもとよぎったけど、そこで一つ冷静になって、アウトを一つ一つ取ることに集中しました」。一回を最少失点でしのぎ、一塁ベンチに戻るとラミレス監督が近寄ってきた。  「少しナーバスになっていないか。もう少し自信をもって、自分を信頼してやっていこう。球種も全部使っていこう」。この声に大貫は「『ナーバスになってしまっていました』と答えました。他の人から見ても分かるくらいに顔にでていたと思う」と振り返った。だが、その後は走者を背負いながらも粘りの投球で、味方打線の援護もあり、4勝目を手にした。

◆4年ぶりに負け越した横浜から"立ち去る"際にも、虎はアクシデントに見舞われた。阪神は4日のDeNA戦に2-7で敗戦。選手の用具を積み込み終え、甲子園球場へ向け出発しようとした運搬車が、スタジアム内の駐車場通路で天井の配管のようなものに接触。車両後部、上端の金属部分がひしゃげた。出っ張ってしまった部分を職員が手で押さえながら、何とか再出発。選手らはすでにバスで球場を離れており、けが人もいなかった。球場施設にも問題はなかったもようだが、最後まで波乱がついてまわった横浜の夜だった。

◆DeNAの戸柱が今季1号を放った。4-2の六回先頭で、代わった守屋の初球149キロを豪快に振り抜いて右翼席に放り込み「芯で完璧に捉えることができた。すごくうれしい」と白い歯を見せた。  正捕手の伊藤光が3日の守備で投球が右手に当たった影響で欠場。戸柱にとっては6月16日以来、今季5度目の先発マスクだった。ラミレス監督は「打撃への期待は大きかった」と目を細めた。 ラミレス監督(大貫に試合中に助言) 「いい球種を持っている。自信を持って、その全てを使えば大丈夫だと伝えた」 ソト(五回に25号ソロ) 「集中して、浮いたボールを仕留めた」 筒香(三回に左翼線に勝ち越し打) 「ボールに逆らわず、自分のスイングで打ち返せた。大貫を援護できてうれしい」

◆DeNA・石田健大投手が4日の阪神戦(横浜)で六回から2番手で登板すると、3回を1安打のみの無失点投球で勝利に貢献した。  六、七回は三者凡退、八回は1死から大山に左前打を許したが、マルテを三ゴロ併殺で切り抜けた。今季は1回2/3が最長だった左腕についてラミレス監督は「最初から3イニングというわけではなかった。最初の回がよくて、次もよかった。今、石田はコンディション的にもベストな状態にある」と絶賛した。  石田が3回を投げたことで、登板機会が多かったエスコバー、三嶋を休ませることもでき、九回を三者凡退の国吉と合わせて指揮官は「勝っている試合でこういう投球をしてくれると、リリーフ陣とってすごくよかった」とうなずいた。

◆阪神の4番大山が全4打席で出塁と気を吐いた。得意にしているDeNAの大貫に対し、一回2死二塁から変化球を捉えて左中間へ先制二塁打。7試合連続安打とすると、三回は2死二塁で三塁手のグラブをはじく適時打で、6月19日以来の複数打点とした。  四球を挟み、八回にも左前打と調子は上向いている。それでも三塁守備での落球もあり、「負けたのでそれだけです。結果が全てなので。悔しい」と試合後は笑顔がなかった。 近本(2番で先発。一回に送りバントを決められず、結果は三振) 「いつも(2番を打つ)糸原さんがやっていることをやりたかったが、できなかった」 矢野監督(2得点の打線に) 「(走者を)かえすところで、もうひと工夫が必要」 阪神・清水ヘッドコーチ(二回の逸機に) 「(打席の)メッセンジャーのサインミス。(スクイズの)サインだけは分かってほしかった」

◆DeNA・戸柱恭孝捕手が4日の阪神戦で、6月16日以来の先発マスクをかぶると、3投手を好リードし、勝利に貢献した。  「久しぶりに仕事をした感じがしました」と開口一番をおどけたが、先発のD3位・大貫(新日鉄住金鹿島)を引っ張った。前回登板で1死も奪えずに降板した右腕とのコンビとなったが「きのうから少し不安そうな表情をみせていたので、声をかけてそういう部分は出さないように、なくすようにしました。一回に1点取られたけど、ズルズルいかなかったのはアイツが頑張ってくれました」と振り返った。  2-1の三回2死二塁から大山の三塁内野安打で、三塁・宮崎のグラブをかすめた打球が転がる前に二走が本塁へ突入。球を拾った遊撃・大和が本塁へ送球し、タイミング的にはアウトだったが、捕手・戸柱がショートバウンドを捕球できずに一時は同点となる生還を許した。  「全力でやってああなった。今までならズルズルいったけど、逆転されたわけでないので、気持ちを切り替えた。新人(大貫)にそういう部分(動揺)も見せないようにした」  "ミス"を取り返さんばかりに、4-2の六回には2番手・守屋の初球を狙って右越えの1号ソロで貴重な駄目押し点をもぎとった。「まっすぐがくると思って自分のスイングをしようと思った。(2番手の石田)健大から『楽になりました』といってもらえたので、よかったです」。気配りの女房役が存在感を放った。

◆先発したメッセンジャーは5回7安打4失点で6敗目(3勝)。前回から中15日の登板に「間が空いたのは嫌でした」とやりにくさをにじませた。一、三回と味方が点を取ってくれた直後にいずれも勝ち越し打を献上。五回にはソトにソロを浴びて突き放された。  二回1死一、三塁で入った打席ではスクイズのサインを見落とし、三走が挟殺されてしまうミスも...。矢野監督は「サインの見落としやね」と語り「こういう感じじゃないというのは、俺らももちろんわかっているし、本人らしさを早く出してくれたら」と願った。 二回の攻撃について阪神・清水ヘッドコーチ 「サインミスですね。(打席のメッセンジャーは)失敗してもいいから、サインだけはわかってほしかった」

◆不快指数がものすごい数値を示していた。横浜の記者席はエアコンがきいているから「とにかく涼しいんです...そっちはどうですか」と編集委員上田雅昭が電話口で聞いてきた。わが編集局は熱気でエアコンの効きがそれほどよくない。きっと「夏風邪をひかせたくない」という会社の温情なのだろう...グスン。  だから上田編集委員の言葉が身にしみます。  とにかく昨日の横浜はむかつくほどでした。天候も試合も。ザッときてからナイターとなって、やっと気分が落ち着いてきた。もちろん大阪・難波の某新聞社の編集局もエアコンが効いてきて、快適なムシムシでございましたぞな。  「おい、今夜はわが虎はシャキッと勝つだろうな」と当番デスク席の澄田垂穂に同意を求めたら彼はポツリと「頑張ってくれないと困ります...」と妙にシンミリ...どうした、何かあったか...すると澄田は続けた。  「実は今日は僕の結婚20周年記念日なんですョ。1999年7月4日、新大阪のホテルで挙式しまして...だから今夜は何がなんでも勝ってほしいんです。なにしろ27歳同士の挙式...今頃は家族でささやかに阪神の試合をみながら楽しい食事会のハズが...。ですからミジメな負け方をされたら余計に...」  わかるなぁ、何しろ澄田一家は全員が ♪ロッコーオロチにチャッチョウと...で育った猛虎ファミリーなのだ。それがさぁ...矢野監督の新打線(1番・糸原、2番・近本)は4番・大山がナントか得点に結びつけていくが、逆に頼りの3番・糸井がお疲れの感じ。5番・マルテもクルリクルクル...そんなに扇風機が必要ならベンチの壁に設置してあるだろが。  トラ番菊地峻太朗はこんな電話をかけてきた。「今日はきっと鳥谷さんがここ一番にからんでくるんじゃないかと...エ、なぜかって...実は球場での腹ごしらえ用にコンビニで『プロ野球チップス』を買ったら、鳥谷さんのカードが入ってたんです。これはくるぞ! という予感...モシモシッ...聞こえてますかぁ...(聞こえてらい! ただなぜか涙が出そうになったぞ)だから期待していてくださいョ」だと。  読者の皆さま。ウチの若手トラ番はみなキリッとしたナイスガイですが、不思議なことにきまじめなのが多い。そんなコトを思いながらフト気がつくと、モニターの横浜の中継はもういつの間にか五回ですヮ。  DeNAの先発はD3位・大貫晋一投手(新日鉄住金鹿島、年俸1150万円)で、かたや虎の先発・メッセンジャーは日本球界10年目で年俸3億5000万円。こりゃ時間の問題だ。ひとたまりもないからアハハッ、早めに「虎ソナ」を片付けて...ちょっくらミナミで一杯やるか...と景気付けにいったんですよ、イイ年かっくらってる私が...そしたらどないだ。その後の試合展開は...。  そういえば試合前に竹村岳記者が鳴尾浜の2軍戦を取材して電話をしてきて「去年8月に腰の手術を受けて育成選手として頑張っていた横山雄哉投手(5年目)が11カ月ぶりに登板しまして、1回を2三振でした。横山投手は僕が1年目に取材したときにさりげなく『飲みますか』と缶コーヒーをひょいと出してくれました。その気配りがうれしくて、飲み干したカラの缶をそのまま残してあるんです...その復帰を祈りつつ...」といった。一杯の缶コーヒーの話でほっこりしてください。え、昨夜のスコア...僕に言わせないでください!

◆糸原は2試合ぶりのスタメン復帰で4月19日の巨人戦(甲子園)以来となる1番に入った。一回先頭で右翼フェンス直撃の二塁打を放つなど4打数2安打。「出塁することは変わらない。あしたから頑張ります」と表情を引き締めた。前日3日は途中出場で延長十一回に決勝犠飛を放った。6月は打率・241と苦しんだが、勝負の夏にチームを引っ張る。

◆阪神はDeNAに今季10勝5敗。うち横浜スタジアムでは6勝3敗。カード負け越しは4月9-11日(甲子園、1勝2敗)以来で、横浜スタジアムに限れば2015年9月18、19日に2連戦で2連敗して以来、4年ぶり。  阪神と首位巨人とのゲーム差は「7・5」に開いた。過去5度(1962年、64年、85年、2003年、05年)のリーグ優勝で逆転した最大ゲーム差は、64年7月26日時点で大洋(現DeNA)につけられた「6・5」。

◆大山が今季3度目の猛打賞&2打点で気を吐いた。「負けたのでそれだけです。結果がすべてなので」。一回2死二塁で中越え二塁打を放ち、先制。三回2死二塁でも三塁適時内野安打で、この日の全2得点をつかんだ。「勝利に貢献できてからのこと。そういう打順を打っているので悔しいです」。六回には守備でフライを落球し、今季15失策目も。攻守に貢献できるプレーを目指す。

◆おいメッセンジャー、何があったんや? 勝てば阪神の勝率5割復帰となるマウンドに送り込んだのは、今季の開幕投手で日本通算98勝のメッセだったが、結果は5回7安打4失点のKO...。  ストレートに力はないわ、変化球に切れはないわ...。てか、昨年までなら際どいコースをボールと判定されてカーッとなり、顔面を真っ赤にしてムカムカムカと不満アピールでマウンドの周りを歩き回っていたのに、本日(今季)はその姿もなくニタリと苦笑いして...。まるで、一気に人のいい老人になったかのようなのだ!!  カーッと、頭に血が上るのを良しとする? ともかくメッセに関しては『怒りはしばしば道徳と勇気との武器なり』(アリストテレス)と自分の中でのパワーの源なのだろうと思っていただけに、メッセの温和さに応援も拍子抜け...。  一方、打線も相変わらずの貧打で2得点だけだわ、ミスは多いわ。だから、不快指数100%で明日につながるものも全くなし!! ただ、そんな中にもわずかな光明が...。フロントが動き、メジャー通算75発の新助っ人・ソラルテを補強してくれるとの情報あり!! ソラルテという宝くじが当たることを、もはや信じるのみである。

◆--序盤にもう1本出ていれば  矢野監督「もちろんもちろん。もう1点でも2点でもね。(大貫を)5回まで持たせてしまった、っていうところはあるね」  --チャンスはつくれている  「かえすところで...。どうなんやろ...。気持ちはもちろんあると思うし、そういう気持ちで打席に行ってくれてるとは思うけど。もうひと工夫ね。していかないと」  --二回1死一、三塁からの攻撃がもったいない。メッセンジャーが打席の場面  「サインの見落としやね」  --メッセンジャーは体が重そうに見える  「いろいろあるとは思うけどね。まぁランディらしさっていうのは見えてないと思うし。こういう感じじゃないっていうのは俺らももちろんわかってるし、本人らしさっていうのを早く出してくれたらなと思うけどね」  --大黒柱のままで  「まんまかどうかわからないけど。いつまでもね、ランディに頼るっていうのももちろんチームとしては。やっぱり若いやつが追い越していくっていうところも必要やし。そこに負けないようなランディもいてくれるっていうのが理想やけどね」

◆戸柱が6月16日のソフトバンク戦以来の先発マスクをかぶり、好リードで勝利を演出。二回1死一、三塁の守備では重盗での三走の本塁突入を阻止して「冷静に対処できました。先発の大貫も試合を作ってくれたし、野手も点を取ってくれた」と会心の笑みを見せた。攻撃でも六回に右越えの1号ソロで貢献。「最高です!」と声を張り上げた。 2番手で3回1安打無失点のDeNA・石田 「大貫のあとだったので、1点も取られない気持ちで投げました」 五回にリーグトップの25号ソロを放ったDeNA・ソト 「集中して、浮いたボールを仕留めた」 三回に決勝の左翼線適時打を放ったDeNA・筒香 「ボールに逆らわず、自分のスイングで打ち返せた。大貫を援護できてうれしい」

◆連夜の激走だ。スタメンに復帰した近本が快足を飛ばして一時同点となる本塁を陥れると、ハイタッチでベンチへと迎えられた。  「1番のときと違って、いつも糸原さんがやっていることをやりたかったけどできなかった」  開幕から7戦連続で務めて以来となる2番。一回無死二塁で、送りバントを決められず、空振り三振に倒れたことを反省したが、自慢の足で存在感を示した。  1-2の三回2死二塁。大山の打球が三塁・宮崎のグラブをはじいた。二走の近本は、三塁コーチャーの藤本守備走塁コーチが右腕を回しているのを見ると、迷わず三塁ベースを蹴った。  タイミングはアウト。だが、ボールは捕手・戸柱のミットからこぼれた。回り込んで右手を伸ばし、セーフ。一時同点に追いつく得点。前日は延長十一回、浅い右飛からタッチアップし、4連敗を止める決勝のホームを踏んだ。2日連続で貴重な得点をもぎ取った。  悔しさをばねに、工夫と努力で壁を乗り越えてきた。身長170センチと、決して大きくはない体格でプロの舞台を戦う。かつては『野球=力勝負』と身体の大きさを不利に感じたこともあった。しかし社会人野球で試合に出るようになったあるとき、気づいた。「野球はタイミングのスポーツ。大事なのは力ではなくて『対応力』なんだ」。走塁も守備も打撃も、すべてはタイミングと対応力-。身体の大きさで負けた悔しさも、快足を生かす対応力も、すべてがつながり今がある。  五回には右前打を放ち、4打数1安打。矢野監督は「途中で1本出たところから、ちょっとタイミングの取り方が良くなった感じに見えたので、明日はちょっと1番に戻してみようかな」と4日の広島戦(甲子園)で再び"定位置"に戻す考えを話した。  「状況に応じて自分のやるべきことをしっかりやっていきたい。その中でも結果を求めていきたい」  復調の兆しをみせる近本の言葉に力がこもる。4位に沈む虎を救うにはこのルーキーの力が必要不可欠。再びリードオフマンとして打って走って引っ張っていく。(菊地峻太朗) 1番・糸原、2番・近本について阪神・浜中打撃コーチ 「やっぱり入れ替えたりしていくと思う。試行錯誤の段階だと思う、監督も」

◆勢いを見せつけた。DeNAが勝率5割に復帰し、単独3位に再浮上。D3位・大貫晋一投手(25)=新日鉄住金鹿島=が5回2失点で4勝目を手にした。  「先頭打者にスコンと打たれて前回みたいになるのかと(頭を)よぎりましたが、冷静になってアウトを一つ一つ取ることに集中しました」  一回先頭の糸原に右中間二塁打を浴びたのをきっかけに先制点を献上した。脳裏をよぎったのは6月22日の楽天戦(横浜)。大貫は1死も奪えずに4安打3四球、6失点で降板した。2軍降格後、腕を振って投げる原点を見つめ直した。  一回を1失点でしのいでベンチに戻ると、ラミレス監督から「ナーバスになっていないか。もう少し自分を信じていこう」と背中を押された。指揮官の言葉を胸に、新人右腕は二回以降も粘投。4勝は阪神3連戦の初戦(2日)で5勝目を挙げたD1位・上茶谷(東洋大)に次ぐ新人2位の数字だ。  前回までチームカラーの青いグラブを使っていたが、この日から社会人時代に使っていた赤に変更。「気分転換です。これからも赤を使うと思います」と笑った。  ラミレス監督が就任した2016年以降、本拠地・横浜スタジアムでは初となる阪神3連戦の勝ち越し(2勝1敗)。球団の新人2投手が、同一カード3連戦で先発勝利を挙げたのは1956年9月23日の中日戦(ダブルヘッダーで松井武雄と秋山登が白星)以来、実に63年ぶりだ。  2位・広島に0・5ゲーム差と肉薄し、5日からは首位・巨人と3連戦(東京ドーム)。"G倒"で、さらに勢いをつける。 (湯浅大) 2位・広島に0・5差まで迫ったDeNA・ラミレス監督 「数字は気にしていない。大事なのはあすから巨人とどう戦って勝つか」

◆新助っ人、早よ来て~! 阪神が、横浜スタジアムで4年ぶりのカード負け越しを喫し、再び4位転落。首位巨人とデッドライン越えの7・5ゲーム差となった。ジェフリー・マルテ内野手(28)が3度の得点機で大ブレーキ。メジャー75発を誇るヤンゲルビス・ソラルテ内野手(32)=マーリンズ傘下3A=を緊急獲得するが、1日も早い来日が待たれる。  4度もハマの夜空に虎党のため息がこだました。助っ人マルテがすべて走者を置いた4打席で凡退する大ブレーキ。大得意の横浜で4年ぶりにカード負け越しを喫し、再び4位に転落した。矢野監督も喉から手が出るほどに、あと1本の安打をほしがった。  「(走者を)かえすところで...どうなんやろ。(打ちたい)気持ちはもちろんあると思うし、そういう気持ちで打席に行ってくれてるとは思うけど。もうひと工夫ね。していかないと」  いけいけムードをしぼませたのがM砲だった。一回、大山のタイムリーで先制し、なお2死二塁で、外角の速球に見逃し三振。その後も三回2死二塁で右飛、五回2死一、二塁ではフォークに空振り三振と、3度の得点機で凡退。3点を追う八回1死一塁では三ゴロ併殺に終わった。  抹消中の福留に代わる5番の役割を果たせない助っ人に、指揮官は「得点圏で相手が一番、どうやって打ち取ろうかというなかで、ランナーがいないときと同じには攻めて来ない。そこが課題になってくる」と勝負弱さを指摘。ロペスが一回の同点打を含む2安打を放ち、ソトもリーグトップの25号ソロなど2安打の活躍を見せたDeNAとは、あまりにも対照的だった。  「もちろん点を取りたいと思って打席に入ったけど、きょうはうまくいかなかった」  そうマルテは肩を落としたが、来日1年目の今季は打率・266、6本塁打、26打点。ヒットは出るものの、長打は31打席ない。本塁打は6月4日のロッテ戦から1カ月も出ていない。リーグ戦再開後5試合連続で5番で先発も、この間に打点はなく、得点圏打率・238。クリーンアップを任せるには物足りない。もうリーグ折り返しで、借金2。こうなるともう、新助っ人が待ちきれない。  獲得することが明らかになったソラルテについて、谷本副社長兼球団本部長はこの日、「それもできるだけ早く(契約)したいと思ってます」と、後半戦を視野に早急に来日する方向で進めていることを認めた。内野すべてと外野経験もあり両打ちというユーティリティーさに、メジャー通算75本塁打を誇る強打が魅力。貧打の虎を救ってくれる予感が漂う。  首位巨人とは7・5ゲーム差。阪神が最大逆転優勝を果たした1964年の6・5差を上回り、ついにデッドラインを越えた。矢野監督は「苦しいときほど楽しめるような気持ちでやれたらすごいと思う」と、自らに言い聞かせる。5日からは甲子園に戻り1・5差の2位広島を迎え撃つ。これ以上足踏みすると、取り返しがつかなくなる。 (大石豊佳)

◆お得意様のDeNAに"まさか"の負け越し。打線はつながらず、相変わらずミスは出る。打開策は? 現役時代は代打の神様として活躍した阪神OBでサンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏(54)に編集委員・上田雅昭が迫った。  上田 まさかの3連戦負け越し。しかも力負けした印象  八木 現状、打線の調子が良くない。長いシーズンなので、こういう時期もあるのだが...  上田 その分、先発投手に頑張って欲しいところだったが、メッセンジャーが早い回に失点  八木 以前と違って、球の力で抑えられなくなってきている。その分、制球、緩急、粘りを駆使するしかない。ある程度の失点も覚悟しなければいけないし、今まで以上に得点する必要がある  上田 打線は1番糸原、2番近本がチャンスを作った  八木 そこで1つの疑問。メッセンジャーだから1、2点勝負じゃない。なのに、一回無死二塁から近本に送りバントを命じた。これは消極的。強攻してほしいところだった  上田 二回1死一、三塁からの攻めももったいない。重盗失敗?  八木 走者の動きから判断すればスクイズ。やはりサインの見落としがあったみたいやね  上田 大山が打っても、今度は3番糸井、5番マルテが沈黙。なかなか歯車が噛み合わない  八木 DeNAと阪神の違いは連打があるか。そして長打があるか。今の阪神に足りない部分  上田 確かに向こうのクリーンアップは強力。具体的に差を感じる部分はあるか?  八木 DeNAはストライクカウント別のバッティングができている。狙いがしっかりしているから、長打も生まれやすい。対する阪神はどのカウントでも違いがはっきりしないように見えてしまう  上田 新外国人が来るようだ。打線の奮起がないと今後も苦しい  八木 外国人が2人入った打線でどう巻き返していくか。注目したい

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
43301 0.589
(↑0.006)
-
(-)
69364
(+5)
293
(+3)
101
(+2)
45
(+1)
0.262
(↓0.001)
3.620
(↑0.01)
2
(-)
広島
38373 0.507
(↓0.007)
6
(↓1)
65305
(+2)
318
(+7)
71
(-)
49
(-)
0.246
(-)
3.410
(↓0.03)
3
(-)
DeNA
37372 0.500
(↑0.007)
6.5
(-)
67307
(+7)
298
(+2)
91
(+3)
24
(-)
0.247
(↑0.001
3.570
(↑0.04)
4
(1↓)
阪神
36384 0.486
(↓0.007)
7.5
(↓1)
65297
(+2)
323
(+7)
52
(-)
54
(-)
0.247
(-)
3.480
(↓0.05)
5
(-)
中日
33420 0.440
(↓0.006)
11
(↓1)
68287
(+3)
300
(+5)
45
(-)
39
(-)
0.258
(-)
3.900
(↓0.02)
6
(-)
ヤクルト
31462 0.403
(↑0.008)
14
(-)
64348
(+7)
403
(+2)
89
(+1)
28
(+1)
0.237
(-)
4.620
(↑0.03)