1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 4 | 9 | 2 | 1 |
DeNA | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 6 | 1 | 1 |
勝利投手:島本 浩也(1勝0敗1S) (セーブ:ドリス(3勝3敗15S)) 敗戦投手:武藤 祐太(0勝1敗0S) 本塁打 |
DeNA戦チケット予約 | 阪神戦チケット予約 |
◆阪神が連敗を4で止めた。阪神は2点を追う8回表、糸井と大山の連続適時打で同点とする。そのまま迎えた延長11回には、糸原の犠飛で勝ち越しに成功した。投げては、6番手・島本が今季初勝利。敗れたDeNAは、11回に無死一三塁の好機をつくるも、あと1本が出なかった。
◆2戦連続で完封負けしていた阪神が22イニング連続無得点の窮状を打破すべく、打開策を練った。打線を大幅に変更した。 この日の先発オーダーは以下の通り。 1番・セカンド 上本 2番・ショート 北條 3番・ライト 糸井 4番・サード 大山 5番・ファースト マルテ 6番・キャッチャー 梅野 7番・レフト 陽川 8番・センター 江越 9番・ピッチャー ガルシア 2日に敗戦を見届けた矢野監督らは、緊急のコーチミーティングを開いた。その後、指揮官は「明日はちょっと、いろいろ入れ替えようかなと思って。現状、状態がもちろん良くないから点を取れない。ムードもなかなか変化がない。1回、ちょっと変化を持たせるところでも、いろいろ考えようかなと」と切り出していた。 打線改造-。ついに断を下した。4月20日の巨人戦以降、1番で起用してきたドラフト1位近本をベンチスタートに。キャプテンの糸原もスタメンから外した。勝負の夏場を生き残るためにも、ここが踏ん張りどころだ。
◆阪神が糸井嘉男外野手(37)のソロ本塁打で初回に先制した。初回2死から真ん中に入った浜口の148キロ直球をとらえた。打球は風に乗って伸び、ライトスタンドに入った。阪神にとっては23イニングぶりの得点。待ちに待った先制点に、矢野燿大監督(50)らナインは、笑顔で糸井を迎えた。 阪神は6月30日中日戦(ナゴヤドーム)、7月2日DeNA戦(横浜)と2戦連続完封負け。この日は打開策として、4月20日の巨人戦から1番で出場していた近本を下げて上本が起用されるなど、打線が大幅に変更されていた。
◆阪神オネルキ・ガルシア投手(29)が、6回3安打3失点で降板した。 1-0の1回、2番ソトに同点のソロ本塁打を浴びると、2回2死二塁から大和に右前適時打を許し、勝ち越された。それでも根気強く投げ続け、6回は味方失策から無死二、三塁のピンチを招くも犠飛による1点にとどめた。 試合はつくったものの、打線が7回まで3安打1得点。援護に恵まれず、6月2日広島戦(マツダスタジアム)以来の3勝目はならなかった。
◆阪神オネルキ・ガルシア投手(29)が、6回3安打3失点で降板した。 1-0の1回、2番ソトに同点のソロ本塁打を浴びると、2回2死二塁から大和に右前適時打を許し、勝ち越された。それでも根気強く投げ続け、6回は味方失策から無死二、三塁のピンチを招くも犠飛による1点にとどめた。 「先制してくれた直後に点を取られて野手のみんなに申し訳なかった。ただ、その後は粘ることができたし、先発としての役割は果たすことができたかな」。試合はつくったものの、打線が7回まで3安打1得点。援護に恵まれず、6月2日広島戦(マツダスタジアム)以来の3勝目はならなかった。
◆阪神が8回の攻撃で同点に追いついた。8回1死から代打高山が四球で出塁すると、上本がこの日初安打となる左前打。2死一、二塁から糸井が中前に抜ける適時打を放ち1点をかえすと、続く4番大山も右前打で同点に追いついた。 2試合連続で完封負けを喫していたこの日は、1番上本、2番北條がスタメンに名を連ねるなど打線を入れ替え。終盤に打開策が実った。
◆阪神は1回に糸井の5号ソロで先制。DeNAはその裏、ソトの24号ソロで同点。2回には大和の適時打で勝ち越した。 DeNAは6回に筒香の右翼への犠飛で追加点。先発浜口は5回2安打1失点で、国吉に継投。DeNA2点リードで7回に突入。 阪神が2点を追う8回2死一、二塁から糸井、大山の連続適時打で同点に追いつき、3-3で延長戦に突入した。 阪神は延長11回に糸原の犠飛で勝ち越し。接戦を制し連敗を4で止め、同率3位に再浮上した。DeNAの連勝は4でストップ。阪神島本が今季初勝利、ドリスは15セーブ目。DeNA武藤は初黒星。
◆昨季のセ・リーグ本塁打王DeNAネフタリ・ソト内野手が、リーグ単独トップの24号ソロを放った。1点を追う1回1死走者なし。 阪神ガルシアの初球、146キロを右翼スタンドへ放り込んだ。「手応えも良かった」と貴重な一時同点弾で、2位の巨人坂本勇に1本差とした。
◆阪神の守護神ラファエル・ドリス投手がヒヤヒヤの15セーブ目だ。 勝ち越した直後の延長11回に登板。先頭桑原に左前打を浴びると、続く嶺井の送りバントを処理した後、一塁へ悪送球(記録は失策)。無死一、三塁の大ピンチを背負ったが、大和のセーフティースクイズを素早く処理して本塁アウトにした。続く柴田を二ゴロ、最後は2死二、三塁で佐野を左飛に仕留めた。「自分のミスで一、三塁になってしまいましたが、(そこから)アウトを3つ取ろうと、より集中して投げました」。6月30日の中日戦ではサヨナラ暴投で負け投手となったが、この日はゼロで締めた。「この連敗を抜けて勝ったということがチームにとって大きい。流れが変わると信じていますし、変えていきたい」と語っていた。
◆奇襲も及ばなかった。1点を追う延長11回無死一、三塁。DeNA大和のスクイズは阪神バッテリーに阻止され、三走・桑原は本塁タッチアウト。 一時はリードしていた展開なだけに、悔やまれる1敗となった。ラミレス監督は「こういう日もある」と先を見据えた。
◆阪神が連敗を4で止めた。延長11回、ベンチスタートで守備から出場していた近本光司外野手が左中間に二塁打を放ち、守備のミスに乗じて三塁へ。糸原の右翼への犠飛で勝ち越しに成功した。試合後の近本のインタビューは以下の通り。 -目の前で高山がボールを捕って、どんな思いでしたか 近本 ほんとに難しい打球だったので、最後捕ってくれて、僕としてもうれしかったです。 -ベンチも一体感 近本 いやー、最高です。 -なかなかひとつ勝つのは簡単にいきませんね 近本 流れ的にも、勝ちたいところもあるんですけど、難しいなと思いますね。 -延長11回先頭で打席に。どんな思いで 近本 先頭だったんで、しっかり塁に出ることと、なんとしても勝ちにつなげられるようなバッティングをしたいなと思っていました。 -左中間打球が抜けて、隙を突いたいい走塁も 近本 センターが少しもたついてたっていうのと、カットマンの位置を確認したときに、センターがサードに投げたので、行けるところまで行こうと思っていました。 -そして糸原のライトライナー。行く気だったんですか 近本 藤本コーチが「行け、行け!」と言ってたので、勝負しました。 -ホームインした瞬間の笑顔、素晴らしかった 近本 最高でした。 -久しぶりにベンチスタート 近本 自分の調子もあまりよくなくて、チームにも迷惑かけていたので、出場のチャンスいただけるなら、ぜひ勝ちにつなげるようなプレーをしたいなと思っていたので、よかったなと思います。 -連敗ストップ 近本 ほんとに連敗続いてましたけど、皆さんの応援のおかげで勝つことができました。明日からも、引き続き応援よろしくお願いします。
◆阪神近本を迎え入れたのは、同じくスタメンから外れていた糸原健斗内野手だった。 延長11回無死三塁。低めのフォークをとらえて右翼へ犠飛。「バットに当てるだけでした。食らいついていくだけでした」と執念で1点をもぎとった。 この日は5月31日広島戦以来、先発メンバーから外れ、8回に代打で途中出場していた。「スタメンでもスタメンでなくても、やることは変わらない。出たところでしっかりやるだけ」と仕事を果たした。
◆阪神ジョンソン投手が3奪三振で8回を切り抜けた。同点に追いついた直後に登板し、先頭のロペスを136キロカーブで空振り三振。筒香に四球を与えたが、宮崎、桑原と連続で見逃し三振を奪った。 「本当に大きい勝利。自分の仕事は出来たと思いますし、これからも登板機会が増えてチームの勝利に貢献できたら」。5月21日ヤクルト戦から10試合連続ホールドで、05年藤川の17試合以来となる2桁試合連続ホールドとなった。
◆「福の神」は敵地でも健在だった。阪神藤原崇起オーナー(67)がDeNA戦をネット裏から観戦。ビジターゲームは初視察だった。 延長11回の激闘を試合終了まで見届け、「レフト側にあれだけ黄色のファンがいるのは心強い。ベイスターズファンの真ん中で見ていたが、甲子園のビジターの気持ちが体感できた。何でも現場に行って、直に見ることですね。ありがたさが分かった」と満面の笑みを見せた。これで今季の視察試合は12勝2敗で高い勝率を誇っている。
◆阪神島本浩也投手が3シーズンぶりの勝利を挙げた。延長10回裏に登板。 2死一塁から宮崎に中堅へ二塁打を浴びたが、味方の好守備にも助けられ無失点。主軸に回る打順をしっかり抑えた。チームは直後の11回に勝ち越し。16年7月24日広島戦以来となるプロ通算2勝目をつかんだ。
◆阪神糸井嘉男外野手がゼロの呪縛を解き放った。1回、2死走者なし。1ボールから左腕浜口の148キロを強振。まだ明るいハマスタの空に舞い上がった打球が、右翼席に突き刺さった。先制の5号ソロ。前夜まで2試合連続完封負けを喫していたチームにとって、23イニングぶりの得点となった。 反撃ののろしを上げたのも超人のバットだった。2点を追う8回。2死一、二塁から代わったばかりの左腕エスコバーを攻め立てる。150キロ台後半のストレートをカットすると、最後は2ストライクから6球目スライダーをセンター前へ。チームにとって30イニングぶりの適時打をマーク。無得点地獄&タイムリー欠乏症を糸井1人でダブル突破した。 苦境を迎えたチームを支えている。6月の月間打率はセ・リーグトップの3割5分4厘(79打数28安打)。春先の好調をけん引した近本、梅野らのバットが湿りがちになるなか、37歳の実力者はレギュラー陣で唯一の打率3割台をキープだ。大幅に組み替えられたこの日の試合も定位置の3番は不動。しっかりと役割を果たした。 矢野監督はさらなる爆発を期待する。先制アーチについて「甲子園なら普通のフライやで。めっちゃ狭いよな(笑い)」と冗談を飛ばしつつ「状態はずっといい形で来ている。嘉男ももっともっとホームラン打てると思う」と長打力にも期待した。帰り際に「効果的な先制アーチだった」と、質問を浴びた糸井は「はい」とだけ答えて帰りのバスへ。まだ納得などしていない-。そんな表情だった。【桝井聡】
◆苦しんでいた男がバットと足で、虎を連敗脱出に導いた。首脳陣が打線の大幅改造に乗り出したDeNA14回戦(横浜)。打撃不振で先発メンバーから外れたドラフト1位近本光司外野手(24)が、延長11回に二塁打&三進。さらに俊足を生かした本塁生還で勝利の扉をこじ開けた。チームの連敗を4で止め、DeNAと並ぶ3位に再び引き上げる原動力となった。悩むことなく前に出た。近本が迷わず二塁ベースを蹴った。1つでも先の塁へ-。三塁ベース到達で、ほっこり笑顔を見せた。 近本 常に先の塁を狙っている。自分のやるべきことはできたと思います。 武器の俊足、持ち味の冷静さが雨中で光ったのは延長11回だった。先頭で打席へ。2球目145キロを捉え、左中間を割った。「センターが少しもたついていたのと、カットマンの位置を確認したときに、センターがサードに投げたので行けるところまで行こうと」。中継プレーが乱れる中、果敢に三塁へ。続く糸原の犠飛で決勝のホームを踏んだ。浅い飛球だったが「藤本(三塁ベース)コーチが『行け、行け!』と言ってたので勝負しました」と振り返った。 矢野監督も絶賛する一連のプレーだった。三進した決断について、指揮官は「ちょっとポロッとしたのを三塁まで行って」と感心すると「低い当たりで浅いライナーでも(犠飛で)帰ってこれる。近本で取った1点」と激賞した。 チームは前夜まで2試合連続完封負けを食らうなど4連敗中だった。首脳陣は打線の大幅改造を決断。4月20日巨人戦から1番出場が続いていた近本は打撃不振の影響もあり、スタメンから外れた。だが、そんな苦境でも生かす冷静さが近本にはある。 近本 今の自分にとっては、その方がいいのかなと...。自分の調子もあまりよくなくて、チームにも迷惑かけていたので。(ベンチでは)また違う視点で試合が見られた。刺激があった。 前夜までチーム4連敗中、近本も17打数1安打0得点と苦しんだ。だが、やまない雨はない。自身5試合ぶりの得点はチームの大きな勝利を呼び込むものになった。さらに矢野監督は、試合後「明日、使うよ」と近本のスタメン起用を断言。やはり虎のリードオフマンは欠かせない存在。一呼吸ついた近本が、また走りだす。【真柴健】
◆阪神が連敗を4で止めた。延長11回、ベンチスタートで守備から出場していた近本が左中間に二塁打を放ち、守備のミスに乗じて三塁へ。糸原の右翼への犠飛で勝ち越しに成功した。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -近本は先発を外れた どっちにしろ試合には使っていく選手。今日みたいに途中からもそう。(植田)海とチカはそういう武器がある。これからも使っていく。(延長10回の守備で)中継プレーもチカが無駄のないボールまでの位置に行ってポン(上本)もしっかりやってくれたのも大きかった。そういうのは勝てた要因じゃないかな。 -勝利の意味はどうか 連敗しているし、いま、うまくいってないから、重いのは重い。これだけ接戦のなかで投手も使って結果的に勝てたのは大きい。逆にこれでやられてるとダメージはデカかった。ドリスもジョー(北條)もミスが出たけど、勝てたことで。それでよしとは全然、思ってない。改善していかなあかんけど、チームにとってもそういうミスがあった選手にとっても救われる部分。俺的にはかなり大きい。 -打線の組み替えは うまくいって機能したとはまったく思っていない。普段出ている人はベンチから試合を見たとき、違う感情だったり、違うモノが見えたりすると思う。それやったら1回、ちょっと思い切って変えた方が。目に見える結果が出てくれたらいいのも、もちろんありながら、外から見てどうなるかを感じてくれたらいい。
◆阪神・糸井嘉男外野手(37)が3日のDeNA戦(横浜)の一回2死で右翼へ先制の5号ソロを放った。 1ボールからの2球目、148キロを振り抜いた。打球は高く上がって風に乗り、右翼席ギリギリに着弾。チームとして23イニングぶりの得点で先制点をもたらした。
◆2019.7.3 18:28 阪神・ガルシアが一回にソトに同点ソロを献上 1回、DeNA・ソト(左)に本塁打を打たれた阪神・ガルシア=横浜スタジアム(撮影・門井聡)【拡大】 阪神のオネルキ・ガルシア投手(29)が3日のDeNA戦(横浜)に先発。一回に糸井のソロで1点の援護をもらってマウンドに上がったが、その裏の一回1死からソトに右翼へ24号ソロを浴びて同点に追いつかれた。 ガルシアは中日に在籍していた昨季、ソトに10打数7安打4被弾、打率・700と苦戦していた。今季は6打数1安打、打率・167と"克服"していたが...。険しい表情で着弾地点を見つめていた。
◆2試合続けて零敗と苦しんでいた阪神が一回、糸井の5号ソロ本塁打で先制した。サウスポー浜口の第1ストライクの直球を引っ張って右翼席へ。23イニングぶりの得点をたたき出した。 低迷打開を目指し、不振が長引く新人の近本を外して1番に上本を起用するなど、前夜2日から先発野手を4人も入れ替えた。「現状、状態ももちろん良くないから点を取れないんだが、ムードもなかなか変化がない」と嘆いていた矢野監督が大胆に動いた。
◆阪神のオネルキ・ガルシア投手(29)が3日のDeNA戦(横浜)に先発し、6回3安打3失点(自責2)の力投も今季3勝目をつかむことはできなかった。 一回にソトに同点の24号ソロを献上したが、六回を投げて許した安打は散発3安打。最少失点で切り抜けたが、打線の援護に恵まれなかった。 勝利投手となれば6月2日の広島戦(マツダ)以来1カ月ぶりだったが、白星は手に入れられなかった。
◆阪神が3日のDeNA戦(横浜)で、延長の末に4-3で勝利。交流戦明け待望の初勝利で、連敗を4で止めた。 3-3の延長十一回表の無死から、途中出場のD1位・近本(大阪ガス)が中越え二塁打を放ち、これを中堅・桑原がファンブル。無死三塁から、同じく途中出場の糸原の右犠飛で勝ち越した。 その裏、守護神のドリスがマウンドへ。桑原の左前打を浴びると、嶺井の投前犠打をドリスが一塁へ悪送球し、無死一、三塁としてしまった。1打同点のピンチで、大和が投前へセーフティースクイズを試みたが、本塁憤死。続く柴田を二ゴロ、最後は佐野を左飛に仕留めた。
◆競り負けたDeNAは1日で借金生活に逆戻りした。3-1の八回にパットンとエスコバーで追い付かれ、十一回は2イニング目だった武藤が勝ち越された。ラミレス監督は「勝機はあったが、途中までのいい流れを失った」と悔しさを押し殺すように語った。 十回は宮崎の二塁打で本塁に突入した筒香が憤死。十一回には安打と犠打失策で無死一、三塁の絶好機を得たが、大和が試みたセーフティースクイズは失敗となり、後続も倒れた。1分けを挟んだ連勝は4でストップ。監督は「あと一本。これも野球の一つ」と切り替えに努めた。
◆--近本の活躍 矢野監督 「あれもちょっとポロッとしたのを、3つまで行って。低い当たりで、浅いライナー気味のでかえって来られるのっていうのも、近本の取った1点やと思う」 --きょうの勝利の意味は 「うーん、まぁ...もちろん連敗してるし、今うまくいってないから、重いのは重いけど。これだけ接戦の中でピッチャーも使って、結果勝てたっていうのは大きいし。逆にこれでやられてるとダメージはでかかったので。俺的にはかなり大きいと思う」 --打線の組み替えは大きな決断だったと思うが 「ちょっと中途半端に動かすだけやったらあんまりムードかわらへんかなと思って。ちょっと思い切って変えた方が、目に見えるところで出てくれたらいいなというのももちろんありながら、外から見てどうなるかを感じてくれたらいいなと」 --近本について、明日以降は 「明日、使うよ」
◆1883年のこの7月3日にチェコに生まれたカフカは、後に作家となるが、よほど思い詰めていたのだろう。それとも、日本の某人気球団で貧打にあえぎ、「なんでや」と思い悩み(ウソです...)ある朝、突然「虫」になってしまった男の悲劇を小説に書いた。 『変身』と題したその小説は、そのために家族からは疎んじられ、職場のボスから文句もいわれたりするが、なにしろ"巨大な虫"だから相手には通じないのだ。 やがて彼は家族にとってはやっかいものとなり、父親からはリンゴを投げつけられたりする。てんやわんやの中で家族はそれぞれに自分の生きる道を仕方なくみつけて働きはじめ、虫の姿の主人公に頼らず"生きていく"ことをみつけて笑顔が戻る。そしてフト気がつくと、主人公の巨大な虫はひっそりと死んでいた...というまことにヘンなストーリーである。 その7月3日、矢野監督はガラリと打順を大胆に「変身」させた。左腕の浜口に対して左打者は糸井と投手のガルシアの2人だけの「カフカ打線」を組んだ。しかし...そうだョ、コレコレ、これを待っていたんだ! という感触はしなかった。 編集局の「虎ソナ班」で漠然とため息をつきながら大阪の街を眺めていた。鹿児島のあたりでは記録的な大雨で、避難指示が出ている。だからといって、横浜あたりの某カフカ球団は元は自分のところからDeNAに新天地を求めてでていったイブシ銀の選手に追加点をあげられて...やるせない。 と、突然、当番デスクの白石大地が猛然と胸をかきむしりせき込みだした。「おい大丈夫なのか」とマジで心配して背中をなでて"介抱"した。だが顔がまっかっかでせきが止まらない。チト心配になったら白石は蚊の鳴くような声でこういうじゃないか。 「あの...昼食に食べたいなりずしがノドの気管につまりまして...」。なんでいなりずしなんだョもう...読者のみなさん、サンスポの当番デスクのストレスはここまで来てます。試合前から切ないハプニングが続くのもまた悲しいカフカ編集局。 トラ番キャップ大石豊佳は「横浜の試合も気になりますし、東京のオーナー会議も気になります。それでもうハラハラし通しで...こんな時は逆にドカンと食べておかないと体に悪いと思いまして...」と昼食にドンとハンバーグ定食を平らげたそうだ。ところがいささか食い過ぎた。それで...逆に胸焼けがして...コラコラ、いくら何が起きるかわからないと、腹ごしらえする気持ちはわかるが...それこそ"カフカ腹"になっちゃってドーするんだ。 50年前の1969年の7月3日、甲子園のTG戦。当時の川上監督はこの試合だけ3番・長嶋、4番・柴田、5番・王というクリーンアップを組んだ。これには誰もが「エッ」と驚く。阪神の先発は江夏豊。ON砲全盛に唯一、4番に柴田をいれた"カフカ打線"は一回に柴田が2ラン。ソレが決勝となり巨人は4-1。後日、筆者は川上さんになぜ? と問うと彼はニコリとしてこう言った。 「試合前の打撃練習の時に柴田のバットの先端が風を切る音が聞こえた。だから彼を4番にした」。巨人の大胆な打線の組み替えには根拠があったのだ。 矢野監督の思惑打線も雨に流れていきそうになったが、八回に2点差を追いつき、延長十一回にスタメンから外れた近本、糸原の活躍で勝ち越し。1点リードも守護神ドリスの悪送球で最後の最後までハラハラさせられたが、虎も何とか"殻"を破って、ホッ。
◆わが阪神11日ぶりの白星でトンネルを抜けた~!! しかし、そのトンネルの抜け方もしんど過ぎる~!! 年配の方ならご存じでしょう。俳優、石原裕次郎さんが主演したトンネルを貫通させる男たちの名画『黒部の太陽』。あのくらい手に汗を握った~!! 延長十一回、途中出場のルーキー近本が左中間を破り、無死三塁(記録は二塁打と失策)の大チャンス。ここで、糸原が打ち上げた右翼の定位置より前のフライに快足を飛ばし、虎の子の1点をもぎ取った。 「やっぱり猛虎を引っ張ってくのはあんたや~!!」と虎党の心をふるわせたと思ったら、その裏に守護神・ドリスが無死一、三塁の絶体絶命の大ピンチを招く...。ドリスのポカは昨日今日に始まったことじゃないから、阪神ファンも「は~あ、また出たかあ...」と半ば諦めかけたけど、本日のドリス裕次郎は『太陽にほえろ!』のボスくらいに落ち着いてたねェ。 スクイズを本塁でアウトにして、後続をピシャリ。見事にトンネル貫通の感動的エンディングを演じてくれたのだ。第3戦でとにかく5割に戻して、今季の虎の第2章をスタートさせたれェ!!
◆1点を追う延長十一回2死二、三塁で代打・佐野が左飛に倒れ、4時間12分の熱戦が幕を閉じた。1分けを挟んだ連勝は4で止まり、借金1に逆戻りした。十回は宮崎の二塁打で本塁に突入した筒香が憤死。十一回には安打と犠打失策で無死一、三塁の絶好機を得たが、後続が倒れた。好機を作りながら得点に至らなかった展開に、ラミレス監督は「きょうは試合に負けたというよりも、流れの差で負けた」と振り返った。
◆糸原が勝利を呼び込むV犠飛。延長十一回、近本の好走塁でつかんだ無死三塁のチャンスで打席へ。カウント2-2からの5球目、低めのフォークにバットを出すと、右方向への飛球。浅いライナー性の当たりで微妙なタイミングだったが、ルーキーの積極走塁で勝ち越しの犠飛となった。打線のてこ入れで主将も約1カ月ぶりに先発落ち。途中出場で存在感を見せつけた。
◆9試合ぶりにスタメン出場した北條が6月12日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来、出場7試合ぶりに「H」のランプを灯した。「1本出たとはいえ、トータルではよくなかった」。1-2の六回1死から2番手・国吉の初球、153キロ直球を中前打。だが、その裏の守備で一塁へ悪送球。「何回も一緒なことをしてしまっているので。みんなに感謝して、また次に向けてやっていきたいです」と前を向いた。
◆ジョンソンは同点に追いついた直後、雨が強く降り始めた八回に登板。1死から四球を出したが、3つのアウトをすべて三振で奪った。「大きい勝利だと思う。こういう機会が増えていってチームに貢献していけたら」と笑顔。交流戦明けに1軍復帰し、2試合目の登板。帰ってきた頼もしいセットアッパーがチームを支える。 6回3安打3失点(自責2)の阪神・ガルシア 「粘ったことによってチームが勝ったことが一番。そこに尽きます」
◆藤原オーナー(電鉄本社会長)が、公式戦では就任以来初めてビジターゲームを観戦。ハラハラの1勝を見届け「雨の中でもあれでけの、黄色い(阪神ファンの)人たちが居てくれるのは心強い。ドリスも心強かったと思います。きょうもファンのみなさまのおかげで全員野球ができました」と感激しきり。東京都内でのオーナー会議に出席したために実現した敵地視察。劇勝を収め、満面の笑みだった。
◆DeNA・浜口遥大投手(24)は五回の投球中に左ふくらはぎの違和感を訴え、この回限りで交代。伊藤光捕手(30)は九回の守備で投球を右掌付近に受けて交代した。両選手とも4日の状態を見て、出場の可否を判断する。
◆最後は高山が勝利の1球をつかみ捕った。勝ち越した直後の延長十一回、2死二、三塁で代打・佐野の打球は左翼への大きな飛球。二走の生還を防ぐため前進守備していた左翼・高山は懸命に背走。何とか追いつき、ボールを抱きしめるようにつかみ捕ると、ホッと胸をなで下ろした。
◆阪神はDeNAに延長十一回に勝ち越し、連敗を4でストップした。守護神のラファエル・ドリス投手(31)が4-3の延長十一回に登板し、自らのミスで無死一、三塁の大ピンチを招きながらなんとか無失点で締めて15セーブ目。一回には糸井嘉男外野手(37)の5号ソロで連続無得点イニングを22で止めた。 一塁ベースカバーの上を送球が突き抜ける。ドリスは頭を抱える-。だがこの男は、悪夢を見ると目覚める。1点リードの延長十一回無死一、三塁。絶体絶命を自ら背負いながら抑えきった。ハラハラの15セーブ目で、九死に"1勝"を得た。 「自分のミスで一、三塁にしてからは、とにかくバッターでアウトを取ろうと集中してできた」 リーグ戦再開後4試合目の、40イニング目にして初めて虎がリードを奪った延長十一回。もう絶対に、ここで勝ちきる必要があった。満を持して送り出されたはずの守護神が、また自ら崖っぷちへ歩んでいく。 先頭の桑原に左前打を許すと、続く嶺井の投前犠打を処理して一塁へ悪送球...。敵は労せずして無死一、三塁を得た。もう、今季4失策目。克服しきれない課題をこの日も覗かせて、断崖絶壁に立った。だがここから踏ん張った。 続く大和までもが投前犠打を試みたが、ここは処理して本塁へバックトス。必死で三走・桑原を憤死させた。1死一、二塁から、柴田は二ゴロ併殺崩れで2死一、三塁。二、三塁となり、続く代打佐野にフルカウントまで粘られ、左中間上空高くまで白球を運ばれ「ついに万事休すか」と思われたが、これを左翼の高山が膝をつきながら決死の思いで飛球を押さえた。危なっかしいにもほどがある。だが、セーブはセーブだ。 矢野監督も胸をなで下ろす。「これだけ接戦の中で投手も使って、結果勝てたっていうのは大きい。逆にこれでやられてるとダメージはでかかった。ドリスもジョー(北條)もミスもあったけど、勝てた。それでよしとは全然思ってないし。次にまた同じようなことやられるんでね。改善していかなあかん」と表情を引き締める。 ドリスは6月だけで2度セーブに失敗し、同30日の中日戦(ナゴヤドーム)でも敗戦投手となっていただけに、この勝利を、自身が立ち直るキッカケにするつもりだ。 「連敗を抜けて勝ったということが非常にチームにとって大きい。流れが変わると信じたいし、変えていきたいと思う」 流れを変え、内容も変えていく。最後の1球まで目が離せないゲームは、ほどほどにする。 (長友孝輔)
◆超人がゼロ行進を止めた。まだ明るさの残る横浜で高らかな放物線を描き、ゆっくりとダイヤモンドを一周。糸井が先制ソロなど2打点の活躍で連敗ストップに貢献した。 試合後、「点が取れない中で貴重な点になった」という問いかけに対して、真っすぐ前を見つめて「はい」と話し、バスへと乗り込んだ。 初回だ。2死で打席に立つと1ボールからの2球目。浜口の甘く入った148キロ直球を振り抜いた。打球は高く舞い上がると、ライトスタンド最前列へと飛び込んだ。6月4日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来となる今季5号で先制に成功。2試合連続完封負け、6月29日の中日戦(ナゴヤドーム)の八回から22イニング連続無得点だったスコアボードに「1」を入れた。 最近5試合で打率・350、1本塁打、2打点。矢野監督は「甲子園なら普通のライトフライやで。それはそれで、嘉男(糸井)にはホームランになるし、状態はずっといい形で来ているんで」と、好調をキープする背番号7に目を細めた。 チームは逆転を許し、敗戦ムードが漂うなか、再び糸井が燃えた。1-3の八回2死一、二塁。カウント0-2からエスコバーの外角のスライダーにうまく合わせた。中前適時打となり、1点差に。チームにとって30イニングぶりの適時打で続く大山が同点打。延長での劇勝につなげる糸井の一打だった。 指揮官は「もっともっとホームランを打てると思うし。率も必要だけど、そういうところでどんどん打ってくれたら」とチームを助ける活躍を求めた。勝利へ向け、超人がバットを力強く振り続ける。 (菊地峻太朗)
◆阪神はDeNA戦(横浜)に4-3で勝利し、連敗を4で止めた。延長十一回、途中出場のD1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が二塁打&好走塁で決勝のホームイン。58試合ぶりにスタメン落ちした悔しさを晴らした。チームは再びDeNAと並び3位。やっぱりドライチの力が必要や!! 思い切り左足を伸ばした。タイミングは微妙。次の瞬間、ボールがこぼれた。延長十一回、近本がベンチスタートの悔しさを晴らす激走ホームインだ。 「藤本コーチが『行け行け』と言っていたので、勝負しました!」 無死三塁、糸原が放った右翼へのライナー性の当たり。浅めのフライでさすがにタッチアップは無理か-。虎党が息をのんで見つめる中、三塁コーチャーの藤本守備走塁コーチの指示で迷わずスタート。連敗を4で止める決勝点をもぎ取った。 自ら足でつかんだ1点だ。この回先頭で打席に入り、外角高め145キロを力強く振り抜いた。打球は左中間へ伸びていき、フェンス手前で弾んだ。瞬く間に二塁に到達し、中堅が打球のクッション処理にもたつく間に一気に三塁へ。 「常に先の塁を狙っているので。ちゃんと返球が来ていたらどうか分からなかったですけど」 6月18日の楽天戦(倉敷)での本塁打以来9試合ぶりの長打。6月の長打はそれだけだったが、この日勝負どころで貴重な一本が飛び出した。「近本の取った1点やと思う」。近本らしさ全開のプレーに、矢野監督も最敬礼だ。 4月19日の巨人戦(甲子園)以来58試合ぶりのスタメン落ち。6月の打率は1割台に低迷し、一時チームトップの・340まで上昇していた打率は、試合前時点で・261まで下がっていた。ルーキーの不振と重なるように、チームの貯金も右肩下がりに。前日2日には今季最長の4連敗を喫し、借金は「2」。ついにこの日、先発を外れた。それでも「今の自分にはその方がいいんじゃないですかね。また違う視点で試合が見られましたし、刺激になりました」と前を向いていた。 八回の守備から中堅で途中出場。延長十回には2死一塁から宮崎の右中間フェンスに直撃したボールを中継の二塁上本にすばやく送球。一走筒香を本塁憤死にさせてサヨナラ負けを防いだ。 「明日、使うよ」 もう心配いらない。指揮官は4日の先発起用を明言した。4時間12分の激闘を制し、再びDeNAと並び3位。打って走って守って、ここからもう一度、近本が白星をたぐり寄せる。 (箭内桃子) 近本について阪神・浜中打撃コーチ 「本人も悔しかっただろうし、三塁まで行って足で点を取って、自信を取り戻す一打だったと思う」
◆打線の入れ替えはある程度予想していたが、相手先発が左腕・浜口ということもあり、矢野監督は選手を大幅に入れ替えた。決断は評価したい。 結果だけをいえば、急激に打線が機能することはなかった。新たに出たメンバーが今季に関しては実戦経験が豊富な方ではないため、なかなか試合にアジャストできなかったという印象は強い。二回の大和の右前への適時打は、二塁の上本が捕れていた打球だと思うし、六回には北條の失策が失点に直結した。入れ替えが成功したわけではない。 それでも、2人には安打が出たし、八回の上本の左前打は、阪神が久々に見せたいい攻撃に結びついた。延長十回、本塁で筒香を刺した中継プレーは上本のファインプレー。レギュラーではない選手が活躍することで、いい流れは生まれつつある。 4日の相手の先発は右腕・大貫だから、再び入れ替えが予想される。前日の評論で「機能する打線を探してほしい」と表現したが、その作業が続くことになる。 打線の中で褒めたいのは糸井。難敵・エスコバーから八回、しぶとくタイムリーを放ったが、打席の中で食らいつく執念を見せた。今の阪神にはこれが大事。他のメンバーがどんどん刺激を受けてほしい。 (サンケイスポーツ専属評論家)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
巨人 |
42 | 30 | 1 | 0.583 (↑0.006) | - (-) |
70 | 359 (+7) | 290 (+6) | 99 (-) | 44 (+2) |
0.263 (↑0.001) | 3.630 (↓0.03) |
2 (-) |
広島 |
38 | 36 | 3 | 0.514 (↓0.007) | 5 (↓1) |
66 | 303 (+2) | 311 (+6) | 71 (-) | 49 (-) |
0.246 (↓0.001) | 3.380 (↓0.04) |
3 (-) |
DeNA |
36 | 37 | 2 | 0.493 (↓0.007) | 6.5 (↓1) |
68 | 300 (+3) | 296 (+4) | 88 (+1) | 24 (+1) |
0.246 (↓0.001) | 3.610 (↑0.02) |
3 (1↑) |
阪神 |
36 | 37 | 4 | 0.493 (↑0.007) | 6.5 (-) |
66 | 295 (+4) | 316 (+3) | 52 (+1) | 54 (-) |
0.247 (↓0.001) | 3.430 (↑0.02) |
5 (-) |
中日 |
33 | 41 | 0 | 0.446 (↓0.006) | 10 (↓1) |
69 | 284 (+6) | 295 (+7) | 45 (+1) | 39 (-) |
0.258 (↑0.002) | 3.880 (↓0.04) |
6 (-) |
ヤクルト |
30 | 46 | 2 | 0.395 (↑0.008) | 14 (-) |
65 | 341 (+6) | 401 (+2) | 88 (+1) | 27 (-) |
0.237 (-) | 4.650 (↑0.04) |
コメント