1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
楽天 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 5 | 7 | 0 | 1 |
阪神 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 9 | 1 | 1 |
勝利投手:ハーマン(4勝2敗0S) (セーブ:松井 裕樹(1勝2敗22S)) 敗戦投手:守屋 功輝(2勝1敗0S) 本塁打 |
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◆楽天は1-2で迎えた4回表、ウィーラーの2ランで逆転に成功する。直後に同点を許すも、8回にウィーラーの犠飛と辰己の適時打で2点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、3番手・ハーマンが今季4勝目。敗れた阪神は、打線が相手を上回る9安打を放つも、つながりを欠いた。
◆楽天塩見貴洋投手(30)は開幕3連勝中。4連勝を飾ると14年8月28日~9月24日以来5年ぶりの自己最長タイで、開幕からでは初めてになる。 楽天の投手で開幕4連勝以上は17年の福山(6連勝)と美馬(4連勝)まで過去6人(8度)がマークしているが、左投手で達成した選手はまだいない。塩見が左腕では球団初の開幕4連勝を狙う。
◆阪神大山悠輔内野手(24)が楽天浅村と激突するアクシデントがあった。 1回2死一、二塁からマルテの左前適時打で1点を先制。一塁走者の大山は二塁を蹴って三塁に狙ったが、中継でカットされ、二、三塁で挟まれた。懸命に二塁に戻ろうとし、二塁手浅村と激突。ヘルメットが飛び、大山はその場でうずくまった。矢野監督やトレーナーが駆け寄り、状態が心配されたが、そのまま試合に出場した。
◆阪神近本光司外野手(24)が一時は勝ち越しとなる6号ソロを放った。1-1で迎えた3回。先頭で打席に立つと、カウント2-2からの8球目スライダーを強振。 右翼スタンド中段に突き刺した。 近本は「先頭だったので、自分の仕事をしようと意識して打席に入りました。ここのところ打つことができていなかったので、なんとかヒットでチームに勢いをつけたいと思っていましたが、最高の結果になりました」とコメントした。
◆阪神は1回にマルテの適時打で1点を先制。楽天は2回に敵失で同点としたが、阪神は3回、近本の6号ソロで勝ち越した。 楽天は4回、ウィーラーの13号2ランで逆転。阪神はその裏、楽天塩見の暴投で追いつき、3-3で終盤戦に入った。 楽天は8回にウィーラーの犠飛で勝ち越し。続く辰己の左前適時打で阪神を振り切った。ハーマンが4勝目、松井が22セーブ目を挙げた。阪神は引き分けを挟んで4連敗。守屋が今季初黒星。
◆セパ6球団ずつのプロ野球だが、2軍は違う。イースタン7球団、ウエスタン5球団といびつ。これが、6球団ずつになるかも知れなかった。 昨年1月に亡くなった星野仙一さんが楽天監督だった時(11~14年)のこと。楽天が2軍本拠地を岡山・倉敷に移そうとしている情報が入った。記事化に至らなかったが、確かにそういう案はあったという。立ち消えたが、2軍移転が実現していればウエスタンに所属変更されただろう。 倉敷は星野さんの故郷。13年の楽天初優勝には、倉敷が大きく寄与したと思っている。就任直後の10年秋。星野さんはカルチャーショックを受けた。当時の楽天は、秋季キャンプを地元の仙台で行っていた。若手を温暖な土地に送り、徹底的に鍛えるのが球界の秋の常識。東北の11月は寒い。暗くなり始める3時過ぎには家路につく選手たちを見て「あかん」と嘆いた。 5位で終わった1年目オフ、持てる力をフルに使い、倉敷での秋季キャンプを実現させた。同時に田代、大久保両打撃コーチを招く。晴れが多く温暖な地で振り込ませた銀次や枡田が、後の主力となった。"地"と"人"の両面で刺激を与え、勝負気質が足りないチームを変えようとした。 星野さんのDNAが大きく注入された転換点は、11年秋の倉敷キャンプだった。亡くなる数カ月前、星野さんはひそかに倉敷へと戻り、子供の頃に住んでいた場所を電車で訪ねたと聞いた。死期を悟り、目に焼き付けておきたかったのかなぁ。監督。監督の薫陶を受けた矢野監督と平石監督が、倉敷で戦いました。戦いっぷりは、どう映りましたか?【11~14年楽天担当 古川真弥】
◆故星野仙一氏が10年ドラフトで交渉権を引き当てた楽天左腕の塩見貴洋投手が、星野氏の故郷倉敷で先発。 「試合前のブルペンからダメで、開き直って四球だけ出さないように投げました」。フォームのバランスが崩れ、ボールもいかなかったが5回83球を7安打3失点、無四球6三振となんとかまとめた。 「最低限ですけどゲームはつくれた。でもこんな投球だと星野さんに怒られる。今日だったら5回は投げさせてもらえなかった」と試合後は反省した。
◆矢野阪神は球運にも見放された!? 3-3で迎えた8回1死二、三塁の守りの場面だ。 楽天ウィーラーが守屋の初球を捉えると、打球は右翼方向に舞い上がった。ボールを追った右翼手糸井は、ファウルゾーンに1メートルほど入ったところでキャッチ。結果的にこれが決勝の犠飛になった。 試合後にこのシーンについて問われた清水ヘッドコーチは、複雑な表情を浮かべた。「(ファウルの場合は)捕るなの指示はあった。でもライン際なので難しい。捕ったことは仕方がない。結果論なので。なんで捕った? と言われればそれまでだけど難しい」。そう言って舞台裏の一端を明かした。 糸井にとっては、そのままフェアゾーンに落ちるなら捕球しないわけにはいかない。「捕るな指令」は出ていたとはいえ、判断が難しい打球だった。しかし、このライン上に落ちそうかという打球が終盤の重すぎる1点につながったことは確かだ。
◆阪神ランディ・メッセンジャー投手は先発の役割を果たした。5四球を与え、ウィーラーに2ランを打たれるなど3失点したが、7回4安打で踏ん張り、同点で守屋にバトンを渡した。 「1発は打たれてしまったけど、全体的には自分の仕事はできたと思う」。地方球場は9戦7勝で無敗をキープ。次回登板はリーグ戦再開まで間隔が空くが「とにかく長いイニングを投げたい。ブルペンに負担がかからないように」とエースらしく言った。
◆3試合ぶりにスタメン出場した阪神マルテが2安打を放った。 「5番一塁」で出場し、1回2死一、二塁で左腕塩見から先制の左前適時打を放ち、先頭で迎えた4回にも左前打。「(1回は)いいリズムをもたらしたかった。そういう意味でもいい一打になった。いい集中力を持って臨めた」と振り返った。
◆阪神3番手の島本浩也投手が危険球退場となった。 1点を勝ち越された8回2死三塁で守屋を救援したが、楽天辰己涼介に追加点の適時打を献上。続く山下斐紹の頭部に145キロを直撃させ、1死も取れずに降板した。「インコースの厳しいところに行こうとして、抜けてしまって申し訳ないです」。厳しい表情で山下への謝罪を口にした。
◆阪神矢野燿大監督(50)は昨年に急逝した星野元監督への健闘を誓った。恩師の生まれ故郷で敗戦。 「楽天とタイガースの日本シリーズというのは言われていた。ここに来たらそれを思い出す。天国で星野さんも(指揮を執った)楽天を応援されていると思うけど、阪神のことも応援をしてくれていると思う。近い将来、できるように頑張っている。いまは目の前の試合を頑張るしか俺もできない。いい報告をできるようにはしたい」と話した。3月のオープン戦でも敗れており、白星は持ち越しとなった。
◆阪神近本光司外野手(24)が、矢野監督のゲキに1発回答だ。 「日本生命セ・パ交流戦」の楽天戦(倉敷)で3回、一時勝ち越しの6号ソロ。ここ10試合で打率6分7厘と不調だったが、17日に矢野監督が出した"はい上がれ指令"に23打席ぶりの安打となる会心弾で応えた。1分けを挟んで今季ワーストタイの4連敗を喫したが、リードオフマンの復調は明るい光だ。悔しい黒星も真っ暗じゃない。調子を落としていた近本が、倉敷の夜空に光を突き刺した。3回、スカッとする1発を右翼スタンドへ。5試合23打席ぶりにともした「Hランプ」は一時勝ち越しのソロアーチとなった。 「(不振は)気持ちだけなので。しっかりチームに貢献したいと思っていました。このところ打つことができていなかったので、最高の結果になりました」 ゆっくりとダイヤモンドを回り、一塁側ベンチに戻ると祝福のハイタッチ。笑顔でヘルメットを脱いだ。 体の回転が飛距離を呼ぶ。170センチと小柄な近本が、うまく内角球に対応した。楽天塩見のカウント2-2からの8球目、内角低めの119キロスライダーをきっちりと捉えた。追い込まれてからファウル3球で粘った後の一振り。今季目標の1つに挙げていた「5本塁打」をこの1発で超えた。 打てない時期も矢野監督が1番打者としての起用を続けた。この試合に向けても打順不動を明言していた。「誰がどう見ても、結果は出ていない。凡打を見ても良くない。調子が落ちている。でもバットに当たれば何かが起こる打者。近本が機能していくのが、ウチの打線のリズムになってくる」。その期待に応えるべく、近本も必死にバットを振り込んだ。 "1発回答"に指揮官は「(カウントが)追い込まれていたけどパンチがあるところを見せてくれた。ホームランは近本のプラスアルファの魅力」と褒めた。続けて「いかに何回も出塁するかが、近本の相手にとって一番嫌がるところ。この1本をきっかけに行ってくれたら」と注文も忘れなかった。 68試合を消化したが、まだシーズンは半分以上残っている。6月の月間打率は1割9分7厘と、確かに近本は落ち込んでいた。「そのときの状況だったり、場面に応じたプレーをしていけたら...」。気負うことなく欲張らずに試合へ臨む。結果が出なくても、無理にスタイルを変える必要もない。不動の構えでトップバッターが、ここから加速する。【真柴健】
◆勝負の分かれ目で悔しさだけが募った。同点の8回に投入されたのは、プロ5年目の守屋功輝投手(25)だった。故郷での初の凱旋(がいせん)登板は、しかし、ほろ苦さだけが残った。浅村とブラッシュに連打されて無死二、三塁。銀次をフォークで空を切らせたが、本来の小気味よさがない。 1死二、三塁でウィーラーへの初球だ。梅野は内角に構えたが、速球は外角高めへ。はじき返され、右翼への深い飛球になった。痛恨の右邪犠飛...。勝ち越し点を許すと、ベンチは島本に継投。だが、辰己に左前タイムリーを浴びて、さらに失点を重ねる。この2失点が致命傷になって敗戦。矢野燿大監督(50)は、期待をにじませつつ、ハードルを上げた。 「勝負の場面で投げられるところまで来たのは守屋の成長。そこからさらにステップアップするためには、あそこで抑えていくのが必要。また大きなところをクリアしていってほしい」 ベンチにとっても決断のタイミングだった。8回は強力打線のクリーンアップだ。藤川もスタンバイする状況で今季、中継ぎの一角で奮闘する守屋を選んだ。指揮官も「球児もだいぶ無理させている。勝ち越したら球児でいこうと思っていた。守屋で乗り越えられたらなというところで守屋でいった」と説明。藤川は先週末のオリックス戦で3連投していた。8試合連続無失点と好調の若き右腕に白羽の矢を立てたが抑えられず。コンディション不良でジョンソンが2軍降格して2勝6敗2分けになった。 守屋はこの日、家族ら20人を招待した。倉敷工で最後はコールド負けした思い出のマウンドで、またも勝負の厳しさを知った。守屋は「もうちょっと慎重に入っても良かったかなと。チャンスをモノにしないと、どんどん減っていく」と危機感をにじませる。倉敷でチームは過去25勝14敗1分けだった。好相性のグラウンドで敗れ、引き分けを挟んで4月以来2カ月ぶりの4連敗、貯金は約1カ月ぶりに2まで減った。じわりとしわ寄せが来る救援陣は、踏ん張りどころを迎えている。【酒井俊作】 ◆阪神と倉敷マスカットスタジアム この日の楽天戦に敗れたが、95年の開場以降、通算25勝15敗1分けで勝率6割2分5厘の好成績。直近10戦も8勝2敗だ。98年5月26日中日戦では、川尻哲郎がノーヒットノーランを達成。倉敷市出身の星野仙一監督に率いられた03年7月8日は、広島戦に勝ち、セ球団史上最速の76試合目でマジック49を点灯させている。この年、18年ぶりのリーグ優勝を飾った。
◆楽天ゼラス・ウィーラー内野手(32)がチームの外国人選手として初めて通算100本塁打を達成した。 「日本生命セ・パ交流戦」阪神戦の4回に今季13号2ランを放って大台に乗せた。ウィーラーは8回にも決勝の犠飛を放って勝利に貢献。かつて楽天を日本一に導いた故星野仙一氏の故郷倉敷で、天国の同氏に白星をプレゼントした。完璧な当たりだった。ウィーラーは1点を追う4回1死一塁、1ストライクからメッセンジャーの真ん中131キロフォークを捉えた。シュート気味に甘く入ってきたボールを逃さずジャストミート。打球はピンポン球のように左翼席中段へ飛び込んだ。 「あの2ランで勝ち越しできて非常に良かった。そして結果的にチームが勝てたことが一番大事なことだよ」とニコニコ顔。平石監督は「Z(ズィー=ウィーラーの愛称)があそこでよく打ってくれた。あと1本というのは分かってましたけど、本当に価値ある1発だった。これまでのあいつの頑張りがあるので、本当に良かったと思う」と手放しでたたえた。 楽天はこの日、星野氏が亡くなってから初めて倉敷で公式戦を行った。「なんとかここ倉敷で勝ちたかった」という指揮官の気持ちに8回、打線が応えた。浅村、ブラッシュの連続安打に、ウィーラーの決勝右犠飛、ルーキー辰己の適時打と続いた。平石監督も「よくつないだ」とうなずく攻撃だった。 通算100本塁打は外国人選手として60人目。楽天の助っ人としては初の快挙だ。楽天では日本人選手を合わせても他には山崎武司しかいない。ウィーラーは報道陣から「これからもずっと楽天でプレーして本塁打を増やしていきたいか?」と聞かれると「そこの部分は自分ではコントロールできない。与えられた仕事をしっかりこなす、このチームのために尽くす。それに尽きると思う」。その上でニヤリと笑みを浮かべながら「But I would love to.(でも、ぜひそうしたい)」と"生涯楽天"を希望した。【千葉修宏】
◆阪神近本が3回、一時勝ち越しの6号ソロを放った。ここ10試合で打率6分7厘と不調だったが、17日に矢野燿大監督が出した"はい上がれ指令"に23打席ぶりの安打となる会心弾で応えた。 矢野監督の一問一答は以下の通り。 -メッセンジャーが粘りの投球 前回も、ずっといい投球をしてくれて、その粘りをすごく出してくれている。何とか勝ちがついてこないとなかなかムードとして乗ってこない。打線と守備をしっかりやっていきたい。 -倉敷での一戦 岡山はタイガースファンが僕らに熱い声援を送ってくれる地域。勝てなくて申し訳なかったですけどね。この悔しさを明日以降につなげていきたいですね。 -守屋もずっと無失点で抑えて頑張ってきた いつかは打たれるけど、アイツも緊迫した場面はだいぶ経験できてきている。回がどんどん進むにつれて中継ぎ投手は1球の重みとか、プレッシャーとかが変わってくる。こういうところで投げられたのはプラスだけど、こういう場面で抑えられるのが、また、自分の立ち位置を確立することになる。こっちとしてはああいうところで抑える投手になってほしい。 -近本はキッカケの一打になるか 何がキッカケになるか、俺らも分かりにくい。ファウルだったり、空振りでもこんな感じだったかなと思うこともある。人によるからちょっと分からん。打率がぐっと上がっていったときはいやらしいヒットが多かった。相手にとって嫌なのは出ること。そこも期待したい。
◆攻守の要の阪神梅野隆太郎捕手は、5打数無安打に終わった。 4-4の5回2死満塁の好機で打席に立つも、二飛に打ち取られた。「粘り勝てていないので、悔しいです。やり返す気持ちで明日から臨むしかない。勝てていないと沈みがちになるけど、切り替えてやることが、僕たちのやることなので」と必死に前を向いた。
◆阪神先発の青柳晃洋投手はリードを守りきれなかった。初回に大山の3ランで援護をもらうも、2回にブラッシュにソロ本塁打を浴び、5回に4連打で同点に追いつかれ1アウトも取れずに降板。「調子が良くなかったですね。早い回に4点取ってもらったのに、守りきれなかった。中継ぎにも申し訳なかった」と悔やんだ。
◆阪神のD1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が18日、「1番・中堅」でスタメン出場した楽天戦(倉敷)の三回先頭で23打席ぶりの安打となる、右翼越えの今季6号ソロを放った。 本塁打は5月26日のDeNA戦(横浜)以来となった。
◆阪神・ランディ・メッセンジャー投手(37)が18日、楽天戦(倉敷)に先発して7回4安打3失点(2自責点)で降板した。 二回に北條の適時失策、四回にはウィーラーにNPB通算100本目となる今季13号2ランを食らったが、粘りの投球で試合を作った。 七回裏の攻撃で味方が勝ち越せず、日本通算99勝目はならなかった。
◆阪神の島本浩也投手が18日、倉敷マスカットスタジアムで行われた楽天1回戦で危険球による退場処分を受けた。退場はセ・リーグでは今季5人目、両リーグを通じて9人目。八回2死一塁で山下への2球目が頭部付近に当たった。 島本(八回に危険球退場) 「厳しいところに行こうとして抜けてしまった。申し訳ない」
◆阪神は18日、楽天戦(倉敷)で3-5で敗れた。 阪神は一回、マルテのタイムリーで幸先良く先制。しかし、二回の守備で北條の悪送球から同点とされた。三回には近本のソロで再び勝ち越すも、四回に先発・メッセンジャーがウィーラーに2ランを浴びて逆転される。その裏に追いついたが、八回に2番手・守屋が踏ん張りきれずに2失点して、引き分けを挟んで4連敗となった。
◆豪快に、白球を右翼席へと突き刺した。三回。ドラフト1位・近本光司外野手(大阪ガス)が大熱狂のど真ん中に帰ってきた。犬鷲を退治しようと必死に振り抜いた白球は、一時勝ち越しとなる6号ソロ。トンネルが長かった分だけ、六甲おろしが心地よかった。 「先頭だったので、自分の仕事をしようと意識して打席に入りました。ここのところ打つことができていなかったので、なんとかヒットでチームに勢いをつけたいと思っていましたが、最高の結果になりました」 試合前まで21打席連続無安打。直近10試合では打率・067(45打数3安打)。チームも3勝5敗2分けと波に乗れずにいた。ルーキーなら誰もが通る正念場の中に、近本はいた。 この日も矢野監督からは「1番・中堅」を託された。一回は左飛に倒れ、1-1で迎えた三回無死。楽天・塩見の119キロスライダーを捕まえた。真っ黄色の右翼席に消えた白球は、5月26日のDeNA戦(横浜)以来、18試合ぶりの一発。「H」ランプですら23打席ぶりと、久々の快音で満点回答を示した。 塩見と相対するのは2015年5月26日(甲子園)以来4度目だった。左腕は今季、防御率2・00と好調をキープし、チームは今季、対左腕で9勝12敗3分け(いずれも試合前まで)。一時期には6連敗も喫するほど苦手にしてきた左腕だったが、かみついた。
◆大好きな倉敷の地で手痛い一発を浴び、悔しさから思わずグラブをバシッとたたいた。先発のメッセンジャーが四回に逆転の2ランを被弾。だが七回まで4安打3失点と粘って、試合を作った。 「(倉敷では)いい形で勝っているというのはありますが、球場どうこうよりも今は勝つことが大事なので。それを目指していきたいと思います」 前日17日にそう意気込んでいた右腕は試合前まで地方球場で8試合7勝0敗と無類の強さを誇っていた。倉敷でも一昨年、昨年と2年連続で投げ、2戦2勝、防御率2・77と抜群の相性の良さを発揮している。迎えたのは、パ・リーグで首位を走る楽天。浅村、ブラッシュらを擁する強力鷲打線を相手に毎回のように走者を背負ったが、粘りの投球で踏ん張った。 失点したのは、2-1の四回。1死から銀次に右前打を許すと、続くウィーラーへの2球目、低めのフォークを強振され、左翼席へと運ばれた。一時逆転となる2ランを浴び、マウンド上で悔しさをあらわにした。 不運も重なった。チームが先制した直後の二回、四球と安打で1死一、二塁とすると、辰巳を変化球で一ゴロ併殺に打ち取ったかに思われたが...。二塁ベースを踏んだ遊撃手・北條の一塁への送球が大きくそれた間に二走が本塁生還。味方の失策で同点とされた。 五回のグラウンド整備時に夜空に花火が打ち上げられ、直後の六回の守備ではその煙が薄らと球場内を包む珍ハプニングが発生。2死から2者連続で四球を与えたが、代打・山下を二ゴロにしとめてピンチを脱した。七回の好機で代打福留を送られたが、勝ち越せず、八回、救援の守屋が2失点。得意の地方球場で白星を得ることはできなかった。
◆楽天は最後は5番手の松井が3者三振で締めて勝利。先発塩見が5回3失点と耐え、救援陣は無失点リレーと踏ん張り、平石監督は「粘ってよくつないでくれた。塩見も大量点を取られず、良く抑えてくれた」とうれしそうに話した。 球団にとって縁深い倉敷での白星となった。故星野仙一元監督の故郷で、チームの秋季キャンプ地でもある。監督は「いろんな思いがある。何とか、ここ倉敷で勝ちたかった」と感慨を込めた。 平石監督(ウィーラーの100号到達に) 「これまでのあいつの頑張りがあったから」 塩見(5回3失点) 「調子が悪くてどうしようかと思ったが、最低限の粘りの投球はできた」 辰己(八回に左前に追加点打) 「もう1点欲しかった場面。あそこで打てて良かった」
◆不振に陥っていた阪神の近本が23打席ぶりの安打となるソロ本塁打を放った。1-1の三回、先頭打者で塩見のスライダーを鋭く振り抜き、右翼席に突き刺した。「何とかヒットでチームに勢いを付けたいと思っていた」と振り返った。 24歳のドラフト1位新人は1番打者として俊足巧打を武器に打線をけん引してきた。しかし疲労が蓄積する中、「ここのところ打つことができていなかった。自分の仕事をしようと意識した」と集中。左対左を苦にせず、5月26日のDeNA戦以来の6号とした。 打線に元気がないだけに、矢野監督は「パンチ力を見せてくれたが、相手にとって嫌なのは(塁に)出ること。そういうものを出していってもらえたら」と期待。快音を残した一撃を契機にしたいところだ。 メッセンジャー(7回3失点) 「一発は打たれたが、全体としては自分の仕事ができた」 矢野監督(メッセンジャーに) 「粘りを出してくれていた」
◆--藤川を八回に登板する選択肢もあったか 矢野監督 「もちろんもちろん、それは当たり前にあるけど」 --展開のなかで守屋になった 「球児にもだいぶ無理させているからね。勝ち越したらもう球児で行こうと思っていたんだけど...守屋で乗り越えられたらなというところで守屋で行ったんだけど」 --守屋もずっと無失点だった 「いつかは打たれるんだけど。やっぱりこう、アイツもね、緊迫した場面っていうのはだいぶ経験できてきていると思うけど。こういう場面で抑えられるというのが、また、自分の立ち位置とかね、そういうのを確立することになる」 --メッセンジャーは粘りの投球だった 「なんとかね、勝ちっていうのがついてこないとね、やっぱり、なかなかムードとして(メッセも)乗ってこない」
◆梅野は二回先頭で左前打を放つと、1死後の北條の打席で二盗を決めて「勝ちたいですし、その一心でやっている」。D1位・近本光司外野手(大阪ガス、16盗塁)に次ぐ、チーム2位の8盗塁目。八回の勝ち越しを許した場面のリードについては「結果をしっかりと受け止めて、次の試合で結果を残せるようにやっていきたい」と前を向いた。
◆マルテが元同僚と再会し、刺激を受けた。試合前練習中、昨季までエンゼルスに在籍していた楽天のブラッシュと言葉を交わした。熱いハグも...。「昨年、一緒にやっていたし、うれしいね。お互いの健闘を誓い合ったよ」と声を弾ませた。「5番・一塁」で3試合ぶりに先発出場すると、一回2死一、二塁から左前へ先制適時打。「いいところに飛んでくれたね」と鼻息を荒くした。
◆勝利の美酒を味わう準備はできていたのに...。 試合前、清水ヘッドコーチと梅野、守屋、大山3選手が、招待した岡山県立成徳学校の生徒36人に観戦チケットとサインボールを贈呈しました。 トラ番竹村岳によると、清水ヘッドコーチが「夢をあきらめなければ、先は拓けます。楽しいことを目いっぱい、楽しんでください」と熱い口調でエールを送り、生徒たちからはお返しに「備前焼のビアーマグ」をプレゼントされています。 心温まるファンとの交流が行われているころ、グラウンドでも2人の大男が、ひしっと抱き合っていました。マルテ(185センチ、99キロ)と、楽天・ブラッシュ(190センチ、106キロ)です。 「去年、大谷選手がいるエンゼルスで同僚でしたから。ハグしたあとも、長いこと談笑していましたよ」 大谷翔平ではなく、トラ番のショーヘイ、織原祥平の報告です。どんな話してた? と聞くと、「あ、いや、僕は、投手の練習をみていて、2人からは遠かったので...。決して英語がわからなかったとかではなく...」。うそつけ。代わって内容を教えてくれたのは、春季キャンプ中の2人の交流を知っていた新里公章です。 「楽天は久米島でキャンプインしたあと2月中旬から沖縄本島の金武町に移動して調整します。そのときに宜野座で練習していたマルテと会って『がんばろうな。上(1軍の交流戦)で会えたらいいな』と約束したそうです。きょうも『改めて健闘を誓い合ったよ』と言っていました」 2人はマルテが27歳で、ブラッシュより2歳下ですが、メジャー実績では上。ブラッシュが昨季エンゼルスで24試合の出場にとどまり、0本塁打だったのに対し、マルテは90試合で7本塁打。通算本塁打でも、ブラッシュは8本、マルテは30本です。 「日本に来てからは、ブラッシュが18本打っていて先行されていますが、マルテは故障で1カ月出遅れましたからね。2人の競争もここからです。きょうは五回終了時に倉敷恒例の花火大会もあります。ブラッシュに負けず、派手にドカンといってほしい」 花火(本塁打)をドカンと打ち上げてとまではいかなかったものの、マルテが一回に先制打を放って期待通りの始まり方だったのですが...。 「倉敷マスカットスタジアムで印象に残っているのは2010年7月(6日)のヤクルト戦です。来日1年目のメッセンジャーが不調で4月早々に2軍落ちして、また上がってくる時期だったのでその話をしていたら、某選手が『誰? メッセンジャー? (芸人の)黒田か? そういや、そんな選手いたな...』と。いまでは考えられないですけどね」 ヘンな思い出話をしていたのは、当時トラ番だったこの日の当番デスク(CD)阿部祐亮です。1年目は存在感が薄かった助っ人も、NPB通算98勝を積み上げて今やエース格。エラーがらみでの失点がありましたが、この日も7回3失点(自責2)と試合をつくりました。 いただいた備前焼のビアーマグでの乾杯はこの日はできませんでしたが、第2、第3戦で必ず...。
◆阪神・島本浩也投手(26)が18日、楽天1回戦(倉敷)で危険球による退場処分を受けた。退場はセ・リーグでは今季5人目、両リーグを通じて9人目。八回、D1位・辰己涼介外野手(立命大)に左前適時打を浴びた後、山下への2球目が頭部付近に当たった。「申し訳ないです。すっぽ抜けた感じです。厳しいところを攻めようと思って投げたんですが、抜けてしまって...」と表情は厳しかった。
◆「7番・左翼」で先発した高山は今季6度目のマルチ安打。四回1死一塁で二塁手のグラブを弾く中前打で好機を広げると、七回先頭でも左前へ。得点につながらなかったが、チームをもり立てた。「よかったです。一日一日です」。14試合連続での先発出場。DHが使える試合が終わった中でもスタメンに名を連ね、気を吐いた。
◆守屋は出身地の岡山での今季初黒星となった。3-3の八回に2番手で登板し、連打と盗塁などで1死二、三塁。ここでウィーラーに右邪犠飛を浴びて勝ち越し点を献上した。「期待に応えたかった。ゼロで帰ることができたら一番よかった」と5月29日の巨人戦(甲子園)以来9試合ぶりの失点に唇をかんだ。矢野監督は「ステップアップするためには、あそこで抑えていくのが必要になってくる」と期待を込めた。
◆3試合ぶりに「5番・一塁」でスタメン出場のマルテが先制打。一回2死一、二塁で先発・塩見の128キロフォークを左前へ運び、出場2試合連続の打点をあげた。「いい一打になった。チームにとっても」。四回にも左前打で2安打1打点と奮闘し、8試合ぶり今季8度目のマルチ。試合前にエンゼルス時代の同僚の楽天・ブラッシュと言葉を交わし、刺激を力に変えた。
◆「捕球に行くかなア!?」。3-3の八回1死一、三塁で、ウィーラーの打球は、強肩の糸井でもタッチアップの走者を本塁で殺せないライトへのファウルフライ。糸井は何のためらいもなく捕球し、結局、それが決勝点となった『わけ』だが...。 いや、決して糸井を責める気はない(ベンチから指示が飛ぶケースもあるだろうし)。でも、捕球すれば確実に1点は勝ち越される状況だった『わけ』で...。 九回、楽天のマウンドには12球団でセーブ数トップの松井が登場する『わけ』だから...。追い付くのはそう簡単ではないことは分かっていたはずだ。 う~ん...。こればかりは結果論になるから、どれが正解かは分からない。ただ、わが阪神は1分けを挟んで4連敗のうち、3つが逆転負け。ということは、戦術にも迷いなどが出てきているような気もする...。 いま、ふと、気付いたけど、『わけ』=『言いわけ』にも聞こえてくる。第2戦からは、俺に『わけ』を使わせないでください!!
◆勝負強い助っ人の本領を発揮した。楽天のゼラス・ウィーラー内野手(32)が、通算100本塁打に勝ち越し犠飛の活躍で計3打点。首位キープに大きく貢献しても「チームとして勝ったのが何より大事」と控えめに喜んだ。 1-2で迎えた四回、左翼席へ13号2ラン。来日5年目で節目に到達し「目標だったのでうれしく思う」。3-3の八回には右邪犠飛で価値ある1点をもたらした。米大リーグ経験を持つが、楽天への愛着も深く「与えられた仕事をこなし、尽くしたい。できれば楽天で(キャリアを)終えたい」と熱い思いを語った。 球団にとって縁深い岡山・倉敷で白星。故星野仙一元監督の故郷で、チームの秋季キャンプ地でもある。平石監督は「いろんな思いがある。何とか、ここ倉敷で勝ちたかった」と感慨を込めた。
◆桃太郎も驚くほどの弾丸ライナーで暗闇を切り裂いた。トンネルが長かった分だけ、熱い感触が手に残る。D1位・近本光司外野手(大阪ガス)が一時勝ち越しの6号ソロ。敗戦の中、倉敷で息を吹き返した。 「(ホッとしたのは)気持ちだけなので。チームに貢献できるようにと思っていました」 1-1で迎えた三回無死。塩見の119キロスライダーを捕まえた。白球が真っ黄色に染まった右翼席へ吸い込まれる。5月26日のDeNA戦(横浜)以来、18試合ぶりの一発。12日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来、23打席ぶりのHランプで、ベンチに戻ると白い歯をこぼした。 16日のオリックス戦(京セラ)まで10試合で打率・067(45打数3安打)。チームも3勝5敗2分けだった。それでも矢野監督からは「1番・中堅」継続を宣言され、初めての壁を乗り越えることを求められた。 転機になったのは15日だった。チームはロメロに左犠飛を許し、サヨナラ負け。近本も4打数無安打だった。試合後、ストレッチをしていると清水ヘッドコーチに声をかけられた。 「こういうときは、もう、技術論じゃないぞ」 苦しいときこそ、強い気持ちを-。近本も「打てないからといって、個人プレーに走ってはだめなので」と冷静に現状を受け入れた。この日の試合前には兵庫・社高時代の後輩である楽天・辰己涼介外野手(立命大)とオープン戦以来の再会。「センター前、打ってきてくださいね」という"ジョーク"に「頑張るわ」と笑顔で返した。 中前どころか、豪快な弾丸ライナー。強烈なしっぺ返しで完全復調だ。 「そのときの状況に合わせて、自分のプレーをやっていきたい」 矢野監督は「本塁打というのはもちろんプラスアルファの近本の魅力ではある」と目尻を下げながらも「何回も出塁するというのが、近本の一番、相手の嫌がるところだと思う」とさらなる働きを求めた。大技も、小技も何でもできる。また、若き職人ぶりを発揮する。 (竹村岳) 近本の本塁打について阪神・浜中打撃コーチ 「本人もほっとしていると思う。最高の形で一本が出た。あす以降に、いい形で入っていける」
◆星野さんに申し訳ない-。阪神は大山の走塁ミス、北條の悪送球などがあり、楽天に逆転負け。矢野燿大監督(50)は昨年1月に膵臓がんのため死去した元阪神、楽天監督の星野仙一氏(享年70)の故郷で勝てなかったことを悔やんだ。4連敗(1分け挟む)で交流戦は残り5試合。本拠地甲子園で立て直す。 絶対にかなえたい、見せたいものがある。まだ遠い、もっと成長が必要だと、空の上から指摘されたような倉敷の夜だった。矢野監督にとっても恩師である星野仙一氏の出身地で、虎はミスにおぼれ、敗れた。1分けを挟み4連敗。相手はかつて師も率いたパ・リーグ首位を走る楽天。ここから虎も昇っていく、という決意を見せたかった。 「ずっと(星野さんが)楽天とね、タイガースの日本シリーズというのは言われていた。近い将来にするように頑張っているけど。今は目の前の試合を頑張るしか俺もね、できないので。熱い声援を送ってくれる地域なのでね。勝てなくて申し訳なかったですけど」 年に1度、そして就任以降初の倉敷で公式戦。スタンドはぎっしりと2万9534人が埋まった。「天国で星野さんも、もちろん楽天を応援されていると思うけど、阪神のことも応援をね、してくれていると思うし」。特別な思いで夜空を見上げた。だが、序盤からミスが相次いだ。星野氏が最も嫌う攻守での"甘さ"がのぞいた。 まずは0-0の一回2死一、二塁の攻撃だった。マルテの左前適時打に一走・大山が"暴走"。二、三塁間で挟殺され、ヘルメットのつばが割れるほど激しく野手と交錯した。11試合ぶりの一回得点&6試合ぶりの先制劇に水を差した。 痛すぎる守りのミスは直後だった。二回1死一、二塁でD1位・辰己涼介外野手(立命大)が一ゴロ。併殺を狙った遊撃手・北條が一塁悪送球。チームとして4試合連続で「E」を灯し、62失策は両リーグワーストの屈辱だ。 八回に守屋がつかまり今季3度目の4連敗。メッセンジャーが7回3失点と粘投していただけに指揮官は「やっぱり打線と守備がね、しっかりやっていきたい」と厳しい表情で語った。首位に浮上した巨人とは3・5ゲーム差に、4位のDeNAとの3ゲーム差の方が近くなってしまった。 この試合を見て、楽天が勝ったということだけで喜ぶ星野氏ではない。厳しい言葉が、今にも空から降ってきそうだ。 現役時代は星野氏から鉄拳制裁も食らった。中日からトレードで放出され、「星野さんを見返す」という気持ちが力になった。阪神でも常に攻めることを教わり、またチャンスをくれた。そこに愛情があったからこそ「気持ち悪いかもしれないけど、殴られてうれしかった」と振り返ることができる。1軍作戦兼バッテリーコーチだった17年4月4日のヤクルト戦(京セラ)。藤浪の与死球に端を発した乱闘でも飛びかかっていけたのは「やっぱり星野さんの教えちゃうかな」と笑う。熱い血を受け継いでいるからこそ、この倉敷での1敗が悔しかった。 「(星野さんに)いい報告というか、できるようにはしたいなというのはやっぱり岡山という土地に来ると思い出す」 こんな試合は繰り返さない。胸に刻む。19日に甲子園に帰る。交流戦はラスト5試合。師に胸を張れる虎を作る。 (長友孝輔) ★矢野監督と星野氏 中日・星野監督の第1次政権最終年の1991年にD2位で東北福祉大から中日入団。96年に星野第2次政権がスタートしたが、97年オフに大豊泰昭と共に、関川浩一、久慈照嘉との交換トレードで阪神移籍。2002年に阪神・星野監督が誕生し、再び同じチームで戦った。また08年北京五輪では、日本代表を率いた星野監督に招集され、捕手として、さらにブルペンのまとめ役としてチームに貢献した。
◆セットアッパー・ジョンソンの不在、守護神ドリスの不安定さにより、救援投手陣の仕事の場が微妙にズレてきている。 ビハインドで投げる投手が同点で登板し、同点で投げてきた投手が1点リードで投げることに-。そこにわずかな悪循環が生じてきている。 同点で迎えた八回。藤川を予想した方もいるかもしれないが、ベンチの意図は1点リードしてからだったのではないか。 ビハインドでも好投してきた守屋の選択は現状で間違っていないし、頑張っている人を使う矢野流だ。最初から決めていたはず。いい場面で地元・倉敷に凱旋登板させたい親心もあっただろう。 守屋はコーナーを突くタイプではなく、抑えるか、打たれるか、の投球が持ち味。力強い球を投げていたし、ブラッシュの左前打は打ち取った打球がポトリと落ちた。この日の守屋を責めることはできない。 ただ、こういう状況で登板させてもらった理由と、結果として失点したことを勉強材料にしてもらうしかない。今は仕事の場がズレている投手たちが踏ん張って、ジョンソンの復帰を待つしかない。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆阪神は大山の走塁ミス、北條の悪送球などがあり、楽天に逆転負け。矢野燿大監督(50)は昨年1月に膵臓がんのため死去した元阪神、楽天監督の星野仙一氏(享年70)の故郷で勝てなかったことを悔やんだ。4連敗(1分け挟む)で交流戦は残り5試合。本拠地甲子園で立て直す。 この試合をNHK BS1で解説した元日本ハム監督の大島康徳氏(68)は同日、ブログで大腸がんの手術から復帰した阪神・原口文仁捕手(27)との2ショットを掲載。「心配していたんだよ。早く復帰できて本当に良かった。不安なこともあるだろうけれど全てにおいて焦らずじっくり、だぞ。じっくり しっかりしぶとく 行こうぜ。会えて良かったです」とエールを送った。
<交流戦順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ソフトバンク |
8 | 3 | 2 | 0.727 (↑0.027) | - (-) |
5 | 52 (+6) | 42 (+4) | 25 (+4) | 13 (-) |
0.231 (↑0.006) | 2.880 (↓0.01) |
2 (-) |
巨人 |
9 | 4 | 0 | 0.692 (↑0.025) | 0 (-) |
5 | 67 (+4) | 45 (+3) | 18 (+2) | 12 (-) |
0.273 (-) | 3.160 (↑0.1) |
3 (3↑) |
DeNA |
7 | 5 | 1 | 0.583 (↑0.038) | 1.5 (-) |
5 | 46 (+3) | 43 (-) | 15 (+1) | 3 (-) |
0.245 (↓0.005) | 3.260 (↑0.27) |
4 (1↑) |
楽天 |
7 | 5 | 0 | 0.583 (↑0.038) | 1.5 (-) |
6 | 48 (+5) | 48 (+3) | 10 (+1) | 4 (+1) |
0.255 (↓0.003) | 3.870 (↑0.08) |
5 (2↓) |
日本ハム |
7 | 5 | 1 | 0.583 (↓0.053) | 1.5 (↓1) |
5 | 48 (-) | 52 (+3) | 8 (-) | 8 (+2) |
0.251 (↓0.007) | 3.530 (↑0.02) |
6 (2↓) |
ORIX |
6 | 5 | 1 | 0.545 (↓0.055) | 2 (↓1) |
6 | 44 (+3) | 46 (+4) | 5 (-) | 12 (-) |
0.249 (↑0.005) | 3.720 (↓0.07) |
7 (-) |
西武 |
7 | 6 | 0 | 0.538 (↑0.038) | 2 (-) |
5 | 80 (+16) | 62 (+2) | 14 (+3) | 11 (-) |
0.285 (↑0.014) | 4.500 (↑0.21) |
8 (-) |
中日 |
5 | 8 | 0 | 0.385 (↓0.032) | 4 (↓1) |
5 | 57 (+2) | 65 (+16) | 5 (-) | 5 (+1) |
0.253 (↓0.001) | 5.000 (↓0.95) |
9 (2↑) |
ロッテ |
5 | 8 | 0 | 0.385 (↑0.052) | 4 (-) |
5 | 53 (+6) | 70 (+2) | 11 (-) | 11 (+2) |
0.242 (↑0.005) | 4.880 (↑0.42) |
10 (1↓) |
阪神 |
4 | 7 | 2 | 0.364 (↓0.036) | 4 (↓1) |
5 | 54 (+3) | 53 (+5) | 7 (+1) | 12 (+1) |
0.229 (↑0.003) | 3.060 (↓0.08) |
11 (1↓) |
ヤクルト |
4 | 8 | 0 | 0.333 (↓0.031) | 4.5 (↓1) |
6 | 58 (+4) | 64 (+6) | 12 (-) | 5 (-) |
0.245 (↓0.002) | 4.860 (↓0.11) |
12 (-) |
広島 |
3 | 8 | 1 | 0.273 (↓0.027) | 5 (↓1) |
6 | 38 (+2) | 55 (+6) | 8 (+1) | 10 (+1) |
0.210 (↑0.005) | 4.050 (↓0.09) |
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (1↑) |
巨人 |
36 | 27 | 1 | 0.571 (↑0.006) | - (↓0.5) |
79 | 318 (+4) | 258 (+3) | 89 (+2) | 38 (-) |
0.266 (-) | 3.670 (↑0.03) |
2 (1↓) |
広島 |
36 | 28 | 2 | 0.563 (↓0.008) | 0.5 (↑0.5) |
77 | 273 (+2) | 256 (+6) | 63 (+1) | 47 (+1) |
0.251 (↑0.001) | 3.260 (↓0.03) |
3 (-) |
阪神 |
33 | 31 | 4 | 0.516 (↓0.008) | 3.5 (↓0.5) |
75 | 270 (+3) | 278 (+5) | 49 (+1) | 47 (+1) |
0.246 (-) | 3.410 (↓0.01) |
4 (-) |
DeNA |
30 | 34 | 1 | 0.469 (↑0.009) | 6.5 (↑0.5) |
78 | 250 (+3) | 259 (-) | 73 (+1) | 19 (-) |
0.245 (↓0.001) | 3.650 (↑0.05) |
5 (-) |
中日 |
28 | 37 | 0 | 0.431 (↓0.007) | 9 (↓0.5) |
78 | 250 (+2) | 267 (+16) | 42 (-) | 36 (+1) |
0.257 (-) | 4.020 (↓0.19) |
6 (-) |
ヤクルト |
26 | 40 | 2 | 0.394 (↓0.006) | 11.5 (↓0.5) |
75 | 304 (+4) | 352 (+6) | 75 (-) | 26 (-) |
0.238 (-) | 4.720 (↓0.02) |
<パ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
楽天 |
36 | 28 | 1 | 0.563 (↑0.007) | - (-) |
78 | 308 (+5) | 288 (+3) | 73 (+1) | 23 (+1) |
0.257 (-) | 4.240 (↑0.02) |
2 (-) |
ソフトバンク |
35 | 28 | 4 | 0.556 (↑0.008) | 0.5 (-) |
76 | 274 (+6) | 249 (+4) | 92 (+4) | 62 (-) |
0.251 (↑0.001) | 3.320 (-) |
3 (1↓) |
日本ハム |
34 | 29 | 4 | 0.540 (↓0.008) | 1.5 (↓1) |
76 | 288 (-) | 271 (+3) | 45 (-) | 30 (+2) |
0.257 (↓0.002) | 3.690 (-) |
4 (-) |
西武 |
33 | 31 | 1 | 0.516 (↑0.008) | 3 (-) |
78 | 349 (+16) | 338 (+2) | 78 (+3) | 75 (-) |
0.262 (↑0.003) | 4.590 (↑0.04) |
5 (-) |
ロッテ |
30 | 34 | 1 | 0.469 (↑0.009) | 6 (-) |
78 | 281 (+6) | 290 (+2) | 77 (-) | 49 (+2) |
0.242 (↑0.001) | 4.020 (↑0.06) |
6 (-) |
ORIX |
25 | 35 | 5 | 0.417 (↓0.007) | 9 (↓1) |
78 | 219 (+3) | 278 (+4) | 45 (-) | 57 (-) |
0.226 (↑0.001) | 3.790 (↓0.01) |
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