阪神(☆4対3★)日本ハム =交流戦3回戦(2019.06.09)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
日本ハム
00100200031311
阪神
000100201X4910
勝利投手:藤川 球児(4勝0敗0S)
敗戦投手:秋吉 亮(0勝2敗12S)

本塁打
【日本ハム】大田 泰示(11号・6回表2ラン)

  DAZN
◆阪神がサヨナラ勝ち。阪神は1点を追う4回裏、大山の適時打が飛び出し同点とする。その後3-3となって迎えた9回に、2死二三塁から代打・原口が適時打を放ち、試合を決めた。投げては、4番手・藤川が今季4勝目。敗れた日本ハムは、6番手・秋吉が誤算だった。

◆阪神ガルシア投手が先発予定の9日の日本ハム戦でリベンジする。中日時代の昨季は交流戦1勝2敗で、日本ハムには2被弾などで6回2/3を投げ5失点で敗戦投手。 「去年投げていろいろなバッターを見ている。去年は負けているので、次は勝ちたいと思います」。 5月下旬の1軍再昇格後は連勝中で「交流戦という新しい戦い方が始まったので、自分の3勝目をしっかり勝ちたい」と力強かった。

◆阪神大山悠輔内野手(24)が自らのミスを取り返す同点打を放った。3回の守りでは、2死一、二塁から三塁大山が7番清水のゴロをトンネル。タイムリーエラーとなって先制点を許した。 1点を追う4回。併殺崩れで残った糸井が二盗を決めて2死二塁とすると、4番大山は先発上原の直球を中前へ運んだ。 「何としても同点に追いつきたい場面だったので、ランナーを返すことができて良かったです」 自らの失策で許した1点を取り返すタイムリーで試合を振り出しに戻した。

◆阪神先発のオネルキ・ガルシア投手(29)はライナー直撃にも負けない気迫で、5回8安打1失点(自責0)と粘りの投球を見せた。 5月26日DeNA戦(横浜)の移籍初勝利から3連勝を狙うガルシアは毎回、得点圏に走者を背負う苦しい展開。それでも、失点は3回に三塁手大山の適時失策で許した1点のみと踏ん張り、最少失点でマウンドを2番手島本に託した。 3回には8番中島卓の強烈な打球が右膝付近にライナーで直撃。当たった打球を拾い直して投ゴロとしたが、直後にはマウンド周辺でうずくまった。状態が心配されたが、3回の打席には入り、後押しする歓声が送られた。 5回には1死満塁で代打中田を迎えたが、1-2-3の併殺に仕留めた。最大のピンチを最高の形で切り抜けた赤髪モヒカンの助っ人左腕は、感情むき出しのガッツポーズを見せた。 マウンドを降りたガルシアは「初回からコントロールが良くなく、球数(5回98球)も多くなってしまった。長いイニングを投げることができず、悔しい投球となりました。ただ、粘る事ができたのは良かったので、次に生かしたいです」と振り返った。

◆日本ハム大田泰示外野手(29)が9日、自身の誕生日に、勝ち越しの11号2ランを右翼ポール際へ運んだ。 同点の6回無死一塁、阪神島本の3球目、144キロ直球を豪快にフルスイングした。巨人時代から数えて、甲子園では23試合目で初の本塁打。これで、全12球団本塁打を達成した。「思い切って、いきました。阪神から打てば12球団本塁打というのは、少しだけ頭の片隅にはありました。うれしいです。甲子園でも人生初めてのホームラン。夢だった甲子園で、誕生日に打てて最高です」と、冗舌だった。

◆阪神がラッキーセブンに、ラッキーな形で2点差を追いついた。 ジェット風船が舞った直後、1-3で迎えた7回裏。マルテ、梅野の連打で無死二、三塁の好機から、7番高山の遊ゴロの間に1点をかえす。さらに1死二塁から、8番北條の3球目で二塁走者梅野が積極的に三盗を敢行。捕手清水の悪送球を誘って、そのまま同点のホームを踏んだ。 8日の同カードでは7回表2死から満塁本塁打を浴びるなどアンラッキーな7失点。7回裏を待たずに多くのジェット風船が宙を舞ってしまった。しかし、この日は反撃を信じて打ち上がったジェット風船がラッキーな同点劇を呼び込んだ。

◆日本ハムは3回に敵失から先制。先発の上原は3回まで無安打投球。阪神先発のガルシアも走者を出しながら粘投を見せる。 阪神は4回2死二塁から、4番大山の中前打で同点に追いつくも、日本ハムは6回に大田の11号2ランで勝ち越した。 阪神は7回に高山の内野ゴロの間に1点、さらに梅野の三盗が悪送球を誘い同点に。9回2死二、三塁、代打原口が中前へサヨナラ打。阪神が連敗を2で止めた。日本ハム3位転落。藤川4勝目、秋吉2敗目。

◆阪神が原口文仁捕手のタイムリーで、今季6度目のサヨナラ勝ち。9回2死無走者から高山、北條の連打でチャンスを作り、代打で登場の原口が中前にはじき返した。原口のヒーローインタビューは以下の通り。 -甲子園へお帰りなさい 原口 みんな、ただいま! -今のお気持ちを 原口 最高です! -どんな景色ですか 原口 最高です! -大きな病を乗り越えて、この瞬間を迎えました。サヨナラになった瞬間の気持ちは 原口 ほんとに、センターの前に落ちてくれっていう願いだけで走ってました。 -ほんとに苦しい時期を味わってきたと思うんですけど、心の支えになったものは 原口 周りの方々にすごく恵まれて支えてもらったので、それとほんとに、きょうここに集まってくれたファンの皆さん、そしてテレビ、ラジオ、全国で応援してくれてるタイガースファンの皆さんが待っててくれたので、きょうを迎えることができて、最高の気分です。 -モニターにはあの瞬間、涙を流している方もいたんですけれども、あらためてこの場に立って、この大歓声、タイガースファンをどう見てますか 原口 たくさんの方にこうやって集まっていただいて、選手みんな幸せな気持ちで野球ができてます。ほんと、ありがとうございます。 -きょうの試合は前半から苦しい時間が続いていましたけれども、今年のタイガース終盤で粘りも見えていますが、そのあたりチームの雰囲気は 原口 劣勢になってもベンチの雰囲気がすごくいいので、逆転できるという、ベンチから気持ちがすごく伝わっているので、それが出てる選手に乗り移って、こういう結果になったと思います。 -そんな中で、最後の最後に9回2アウトからのサヨナラ劇。昨年に続いて勝負強さが出ています 原口 早い回から準備させてもらって、先輩たちいる中で、裏で準備していたので、ほんとにいろいろサポートしてくれる周りのメンバーにも、とても感謝の気持ちでいっぱいです。 -サヨナラの瞬間、選手や矢野監督から何か言われたりは 原口 僕も結構、興奮してたんでちょっと忘れてしまったんですけど、みんな祝福してくれてうれしかったですね。 -この世界には同じように苦しい思いをしてる人もたくさんいると思うんですけど、そういった方々にもすごく、意味のある一打、価値ある一打だったと思うんですが 原口 僕の活躍がそういう力になるとすれば、ほんとに僕もこうやって、生きて野球をやれる意味があると思うのでこれからさらに頑張っていきたいと思います。 -最後にメッセージを 原口 あ、いいですか? オフシーズンにファンの人にセリフを決めてもらったので、ちょっとやりたいと思います。恥ずかしいんですけど。これを、スリー、ツー、ワンで言いたいと思います。いいですか? スリー、ツー、ワン、必死のグッチー!

◆阪神矢野燿大監督(50)が劇的ストーリーに男泣きだ。3-3の9回。2死から昨季苦しんだ高山、北條の連打で一、三塁のチャンスを作ると、大腸がんから復活してきた代打原口が、中前打を放ちサヨナラ勝利を収めた。 2点ビハインドの7回には無死一塁から左翼線適時二塁打を放った梅野が、決死の三盗で捕手の悪送球を誘って同点のホームを踏んだ。8回から登板した藤川は志願の2イニングを無失点と最高の働きをしていた。 試合後に報道陣に囲まれた指揮官は「感動しました」と目を潤ませ、「ちょっと待って」と取材を中断。「2アウトから俊が打って、北條がつないで原口が決めるなんて...」と我慢できなかった。

◆結果的には4人目の日本ハム宮西尚生投手が誤算だった。2点リードの7回に登場も、先頭のマルテ、梅野に連打を許し、内野ゴロと守備の乱れで追いつかれた。 マルテには3球目、梅野には初球を痛打され「1アウト目を取り急ぎすぎた」と反省した。2死二塁で迎えた関学大の後輩、阪神近本との対決では、3球ファウルで粘られながら、最後は直球で見逃し三振を奪い、先輩の意地を見せた。

◆守護神が聖地に散った。9回からマウンドに上がった日本ハム秋吉亮投手は、2死から3連打を浴びてサヨナラ負けを喫した。 昨季までヤクルトに在籍。同リーグの阪神とは、何度も対戦を重ねてきた。「外のスライダーで勝負したけど、これからは配球を考えないと。読まれていたと思います」と、悔しがった。「ああいう場面で抑えて、流れを持ってこないと」と、自分を責めた。

◆日本ハム大田泰示外野手(29)が、バースデーアーチでプロ野球35人目の節目を飾った。9日の「日本生命セ・パ交流戦」、阪神3回戦(甲子園)で1-1の6回無死一塁、右翼ポール際へ11号2ランを放った。 巨人で8年、日本ハム3年目で、12球団本塁打を達成した。チームはサヨナラ負けし、連勝は「3」で止まった。 阪神ファンの悲鳴をまとった打球を、右翼ポール際に放り込んだ。1-1の6回無死一塁。大田が、メモリアルなアーチを架けた。阪神島本の3球目、直球144キロをフルスイング。「入ってくれればなぁ」と願いを込めた打球は、ギリギリでスタンドイン。一時、勝ち越しとなる11号2ランとなった。「最高の結果になって良かった」と、本塁打後には恒例の「マッスルポーズ」を披露。全12球団から本塁打の快挙を成し遂げた。祝砲になった。この日は29歳の誕生日。「甲子園でも、人生初めてのホームラン。夢だった甲子園で、誕生日に打てて最高です」と喜びは格別だった。12球団本塁打に王手をかけていることを知ったのは、昨季。「全く、意識していなかったから。出たらラッキーくらいだよ」と平常心で、今カードに臨んだ。昨季までは、甲子園では通算20試合で46打数8安打、打率1割7分4厘と苦戦を強いられていた。今カード3試合は14打数5安打4打点と、苦手意識を拭い去る活躍を見せた。 大田の5打数2安打2打点の奮闘も実らず、チームはサヨナラ負けで連勝は「3」で止まった。首位ソフトバンクが敗れたため、勝てば首位奪取だったが、あと1歩届かなかった。栗山監督は「勝負にいって、やられることもある、それはこっちが悪いので」と潔く受け止めた。11日からは本拠地・札幌ドームで広島、巨人と6連戦。頼もしい「強打の2番打者」が、今度は勝利につながる1発を放つ。【田中彩友美】 ▼初本塁打は巨人時代の12年9月23日ヤクルト23回戦(東京ドーム)の8回、日本ハム移籍後の1号は17年4月29日楽天4回戦(札幌ドーム)の2回に打っている。通算49本塁打(巨人9本、日本ハム40本)。 ▼大田が阪神から本塁打を放ち、現12球団すべてから本塁打を記録した。全球団から本塁打は今年4月17日の丸(巨人)以来、プロ野球35人目。35人のうち32人は交流戦が始まった05年以降に記録している。また大田はこれが通算49本目。50本塁打未満で達成は15年大引(ヤクルト=32本)に次いで2人目。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手は3三振を含む5打数無安打に終わった。 4試合ぶりの無安打に「自分の問題です。いろいろ考えすぎました」。9回は藤川の内角高めのボール球に詰まって二飛。「打つボールじゃなかった。バットを止めたけど、当たってしまった」と悔しがった。 ここまで右腕には打率2割9分7厘も、左腕に対しては1割2分5厘。「苦手意識はないですけど、打てていないのは確か。打てるようにしないと」と課題を口にした。

◆阪神荒木郁也外野手が今季7打席目で初安打を放った。7回2死無走者で代打出場。 2球で追い込まれてから、左腕宮西の外角低めに逃げるスライダーにうまく合わせた。打球は左翼と遊撃の間にぽとりと落ち、二塁打となった。「良いところに落ちてくれました。1本出たので良かった」。5日に今季初昇格し、17年5月7日広島戦(甲子園)以来、約2年ぶりの安打となった。

◆ジョンソン離脱の危機に、阪神藤川球児投手(38)が立ち上がった。 8回を3者凡退に抑えると、9回もマウンドに向かった。今季初の「またぎ登板」。志願だった。先頭打者の日本ハム清宮に対し、初球にフォークボールでストライクを取ると、2球目は直球で押し、二飛に打ち取った。1安打されたが、2回を無失点。原口のサヨナラ打を呼ぶ好リリーフで、今季4勝目を手にした。 「原口のための試合だった。誰が見ても、そういう展開だった。ファンの方もよかったと思う。(またぎは)初めてじゃないんで。僕個人のことは何もない」 歓喜の余韻が残るベンチ裏の通路で、藤川はかみしめるように言った。原口のサヨナラ打を喜び、そして次世代のスター候補の存在が右腕を高ぶらせた。「あと何年できるか分からないが、1度勝負したい選手だった。実は楽しみだった。2点差、3点差なら、全球ストレートでやりたいと思った」。清宮との対決を心待ちにしていた。今カード、前日までの2試合をブルペンの映像で見ながら、思わず口に出した。「20年やってきた中で、1番だ...」。実際にマウンドから向き合って「確信した」という。 「あれだけ(打つ)ポイントが近くて、自分の打撃をしようとする選手はいない。ボールに見極め、バットの出し方。間違いなく、すごいバッターになる。日本の野球界にとって、めちゃくちゃ楽しみです」 2イニング投げたことは意に介さず、18歳下のスラッガーに、新たな刺激を受けた。「8回の男」が不在という不安をぬぐい去る快投でもあった。【田口真一郎】

◆ありがとう、原口-。阪神が劇的な勝利で同一カード3連敗を阻止した。「日本生命セ・パ交流戦」の日本ハム戦で、9回2死二、三塁から代打原口文仁捕手(27)が中前にサヨナラ打を放った。 大腸がんから1軍に復帰し、最高の形で甲子園のお立ち台に上がった。試合後には矢野燿大監督(50)が男泣き。満員のスタンドにも大きな感動を与えた。目の前にあるテレビカメラが涙でぼやけた。阪神矢野燿大監督(50)が試合後のインタビュー室で男泣きした。 9回2死から高山、北條がつないで最後は原口がサヨナラ打という筋書きのないドラマ。「昨季は2軍監督として苦しんだ高山、北條を見てきたが?」とマイクを向けられ、我慢できなかった。数秒間の沈黙の後、「はい...。うれしいです」。真っ赤な目に涙が盛り上がり、あふれ出た。 涙腺を刺激したのは梅野の勇気だった。7回に二塁打を放つと、北條の3球目に決死の三盗を敢行。捕手の悪送球を誘って同点のホームを踏んだ。「この展開で...サードに、まあリュウ(梅野)が走ったっていうね。まあ言いたいこといっぱい...。ちょっと、ごめん」。アグレッシブに次の塁を狙う。矢野イズムを体現するプレーに、こみ上げてくる感情を抑えきれなかった。 異例の会見中断もあった。振り返れば、振り返るほど選手たちの決死のプレーに心を揺さぶられた。「しゃべると、ちょっと待って...。ちょっとタイム。ガミ(二神広報)水、持ってきて」。そう言い残すと部屋を退室。数十秒後に囲み取材が再開された。 矢野監督は「初めてちゃう。自分では泣いたことないけど。勝って泣いたことないんだけど。(泣くときは)もう優勝とかそういうことかなと思っていたけど」と、しみじみと話した。決死の走塁。苦しんでいた男たちの意地。そして甲子園に帰還した男のサヨナラ打。信じられないストーリーのエンディングは矢野監督の男泣きだった。【桝井聡】

◆阪神梅野隆太郎捕手が「勇気の盗塁」で同点劇を演出した。1-3の7回無死一塁からマルチ安打となる二塁打で二、三塁と得点機を作った。 高山の遊ゴロで1点差とし、なおも1死二塁から打席北條の3球目で三盗を試みた。「自分でしっかり根拠と意図を持って。そして勇気を持って(スタートを)切れたので良かった」。捕手清水の悪送球を誘い、一気に同点のホームを踏んだ。ともに捕手の座を競う原口の劇打には「勝負強いバッター。本人が一番、プレッシャーの中で戦っている。ほんとにすごい」とたたえた。

◆-今日の勝利の味は 矢野監督 感動しましたね。めちゃめちゃ感動しました。 -9回2死から 矢野監督 そうですね。俊(高山)が打って北條がつないで、原口が決める。自分自身こみ上げてくるモノがありましたし、その前に今日は原口がヒーローですけど、その前の梅野がサードに走った盗塁。あれもみなさんめちゃくちゃすごいんですよ。アレを走る勇気と、まあ、すべてね、本当に感動します。 -梅野はサイン 矢野監督 言えることと言えないことがありますけど、あの場面で走るっていう。すごいんです。勇気が。それをまずワンバウンド止めたり、盗塁刺したり、バットでもリュウはね。やってくれてますけど、それが本当にすごいことだなとまず感動しますし。最後2アウトからね。出た選手たちが...。打ってくれるというのは...。 -高山、北條は2軍監督として厳しい状況見てきた 矢野監督 はい...。うれしいですね(涙があふれる)。 -最後ヒーローと抱き合ったときは 矢野監督 いや、もう最高です。 -球児も素晴らしい投球 矢野監督 そうやねん。自分から(2イニング目)行くと言ってくれてね。球児がいってくれたのもあったし。ねえ。2アウトから俊が打って、北條がつないで、原口が決めるのもすごいなっていうのもあるし(言葉に詰まる)。しゃべると涙が出るから。 -大山のエラーを取り返すタイムリー まあね、あれはその前のユウスケがホットコーナーと言われるポジションで。やっぱりそういう気持ちを出したものは見せていかなきゃダメだし。

◆阪神北條史也内野手が9回に安打でサヨナラ勝ちへつないだ。2死から安打の高山を一塁に置き、秋吉の直球を右前へ。無安打で迎えた最終打席だった。 「追い込まれたけどしっかりつないで、粘ってアウトにならないように。3打席凡退して切り替えて。最後、つなげて良かった」。8日は3安打4打点と気を吐き、2試合連続の先発起用に応えた。

◆阪神大山悠輔内野手がミスを取り返す適時打だ。1点を追う4回、糸井の盗塁で2死二塁として先発上原の直球を中前に運んだ。 3回には、自らの適時失策で先制点を許しており「自分のミスで失点したので、何とか取り返したいという気持ちもあった。追い込まれていたので、ボールに食らいつくという気持ちで」。失策には反省しきりだったが、ガルシアの粘投に応えた。

◆「みんな、ただいまー!」 阪神原口文仁捕手の明るい声が、お立ち台から響いた。甲子園の観客へ、全国の阪神ファンへ、そして自分と同じように困難に立ち向かう人へ-。 「僕の活躍がそういう力になるとすれば、本当に僕もこうやって生きて、野球をやれる意味があると思うので、これからさらに頑張っていきたいと思います」 大腸がん手術からリハビリを経て、1軍復帰した5戦目。ドラマでも描けないような歓喜のシーンだった。3-3の9回2死二、三塁、日本ハムの守護神・秋吉の3球目、外角のスライダーに代打原口が必死に食らいついた。「本当にセンターの前に落ちてくれ、という願いだけで走っていました」。センター前に弾むサヨナラの打球を見届けると、両腕を突き出し喜びを爆発させた。梅野に糸原に矢野監督、仲間たちに次々と抱きつかれた。「最高ですね、最高以外ないです」。復活のイメージを描いていた原口の想像を上回る、最高の結末だった。 チームメートがお膳立てしてくれた。ベンチで声援を送る裏で、7回にも次打者サークルに入るなど早くから代打の準備に集中した。9回は2死から高山、北條が懸命につないで原口に回した。「早い回から準備させてもらって、先輩たちもいる中で裏で準備していたので、本当にいろいろサポートしてくれる周りのメンバーにも、とても感謝の気持ちでいっぱいです」。感謝の気持ちを原動力に3連敗阻止の殊勲者になった。 待ちこがれていた1軍のお立ち台。ずっと温めてきたものがあった。「オフシーズンにファンの人にセリフを決めてもらったので、ちょっとやりたいと思います。いいですか? スリー、ツー、ワン、必死のグッチー!」。原口の笑顔に大声援で応える甲子園のファン。また何度も、この瞬間が見たい。【磯綾乃】

◆<とっておきメモ> 原口は復帰までの過程で、大好きな野球への「情熱」を再確認した。大腸がんの手術後、春季キャンプや高校野球の中継など、野球と名のつくものに貪欲に接した。中でも3月の東京ドームの一戦にテレビでくぎ付けになった。イチローの引退試合だ。「こんな引退、すごいな。ファンに愛されてる、イチローさんってすごい」。多くの選手が白球を追いかける姿がリハビリのエネルギーになった。 もう1度プレーする-。決して後ろを向かなかった。2年前からオフなどに体のケアを担当する近畿医療専門学校の本田誠さんは「計画通り、描いてきた通りに来ていると思います。その努力には尊敬しかない」と話す。退院後、筋肉は以前に比べて弱くなっていたが、原口はそれすらも前向きに考えた。「体が弱ったと捉えるより、体が柔らかくなったと捉えた方がいい」。入院してトレーニングが出来なかった期間は、体を休めることが出来た時間。2人でよくそんな話をしたという。 「ゴールデンウイークごろに復帰」を掲げ、ここまで計画的に1歩ずつ前進。4月の体力測定の数値が昨年を上回るなど、トレーニングの成果は目に見える形で現れた。コンディション面でも昨年12月のシーズン終了直後と比べ、体が軽く動きやすくなっていた。困難を乗り越えて、原口はさらに強くなって帰ってきた。【阪神担当=磯綾乃】

◆あの日とは、また違った涙だった。大病を越えて、シンデレラボーイが帰ってきた。阪神原口がサヨナラ打を放った瞬間、甲子園は泣いた。 「みんな、ただいま!(気分は)最高です!」 お立ち台で声を張り上げる。その姿はデビュー当時の"あのころ"と全く同じだった。16年4月27日の巨人戦(甲子園)。育成選手だった原口は3年ぶりに支配下選手登録され、1軍へ。緊急昇格だったため、背番号94のユニホームは間に合わず、山田勝彦2軍バッテリーコーチ(背番号82)のユニホームを借りて試合に出場した。 原口が1軍合流した今月4日、鳴尾浜で山田コーチが懐かしんだ。「もちろん、覚えてるよ。支配下(選手)になるとき、1軍に(原口が)いきなり欲しいと言われてね。それでユニホームが間に合わないから、サイズも合うし、俺のユニホームで。あのとき、話題にもなったし、活躍してくれてうれしかったね」。 今季も退院後は、山田コーチと1軍復帰を目指してきた。「退院してすぐは、体力が全然なかった。でも、表情は全く変わりない。だから全体練習に入らずに、自分で1度は調整してみようと。そこからペースをあげてね」。最初は外野グラウンドでのウオーキングから始まり、次第に回復。送球練習で受ける原口のボールは次第に強くなった。 「あいつは育成選手を経験したり、今までも、かなり苦労している。そこから上がって来ているから。野球人だけじゃなくていろいろな人に勇気を与えられる存在だと思う。普通の精神力ではできないよ。彼は特別。でも運だけじゃないよ、あいつは...」。 一瞬のために準備を欠かさない。試合に出られなくても、ベンチではペンを持ち細かくメモを取る。試合で打てなければ、他選手が帰路に就く中、ひたすらマシン打撃を行う。どの行動もプロとしてのかがみだ。 借りたユニホームで出発した思い出の地で、原口はまた新たなスタートを切った。一時は腰痛や右肩脱臼の影響で育成契約へ。ケガを乗り越え、今回は病気にも負けず...。何度も新しいスタートを切った。信ずれば道は開ける。今回、原口の活躍に喜ぶのは野球ファンだけでない。闘病患者にも勇気を与える。 「生きて野球をやれる意味があると思うので、これからさらに頑張っていきたいと思います」 どんな境遇に置かれても、決して諦めない。それは勝負ごとでも、人生でも。スタートラインは何度だって引ける。必死に頑張る原口が、そう教えてくれる。【阪神担当=真柴健】

◆阪神が9日の日本ハム戦(甲子園)で、3試合連続で先制点を献上。三塁・大山悠輔内野手(24)の適時失策で、またしても失策が失点へとつながった。  0-0の三回。2安打を集められ2死一、二塁とされると、清水の強烈な打球が三塁へ。これを大山がグラブに当てられず、左前へと抜ける適時失策となった。なお2死一、二塁で、続く中島も強烈なピッチャー返し。ガルシアの足に直撃した後、素早く投ゴロに処理するも、膝をつき痛がる姿をみせていた。

◆阪神・大山悠輔内野手(24)が9日の日本ハム戦(甲子園)の四回、同点の中前適時打を放った。  三回を終え、日本ハム・上原の前に走者を出すことができず。四回の攻撃前に、浜中打撃コーチを中心に円陣を組んだ。2死から一走・糸井が果敢にスタート。セーフの判定に日本ハムからリクエストがあり長い審議が行われるも、判定は変わらず。糸井のNPB通算293個目の盗塁で2死二塁と好機は広がり、大山が高め139キロを左中間へ弾き返した。  大山の打点は5日のロッテ戦(ZOZOマリン)で適時打を放って以来。今季39打点目で、試合を振り出しに戻した。

◆日本ハム・大田泰示外野手(29)が9日、阪神3回戦(甲子園)で1-1の六回無死1塁から右翼ポール際へ29歳のバースデーアーチとなる11号2点本塁打を放った。大田はこの1本で全球団から本塁打をマークした。09年ドラフト1位で巨人に入団して8年在籍し、17年から日本ハムでプレーして今季3年目。通算11年目のシーズンを過ごしている。

◆阪神のオネルキ・ガルシア投手(29)が9日、日本ハム戦(甲子園)に先発し、5回8安打4四球1失点(自責0)と粘投も2勝目とはならなかった。  「初回からコントロールが良くなく、球数も多くなってしまい、長いイニングを投げることができず、悔しい投球となりました。ただ、粘る事ができたのは良かったので、次に生かしたいです」  毎回、得点圏に走者を背負ったが1失点で踏ん張った。唯一失点を許したのは、三回。2本の安打で2死一、二塁とされ、7番・清水の打球を三塁手・大山がトンネル。適時失策となり、不運な形で先制点を献上した。四回に同点に追いたが、5回98球を投げてマウンドを降りた。

◆阪神-日本ハム戦が9日、甲子園球場で行われ、2点を追う七回に阪神が同点に追いついた。  マウンドには宮西。先頭のマルテが左前打で出塁すると、続く梅野が左翼線二塁打。無死二、三塁から高山の遊ゴロの間に1点を返した。  なお1死二塁で、打席には北條。その3球目に、二走・梅野が果敢にスタート。捕手・清水の送球がそれ左翼線を転がる間に、一気に同点のホームを踏んだ(記録は盗塁と悪送球)。  梅野の盗塁は今季6個目。リーグトップタイの16盗塁を記録しているD1位・近本光司外野手(大阪ガス)に次いで、チーム2位の数字だった。

◆阪神が今季6度目のサヨナラ勝ち。九回2死無走者から連打を放ち、代打原口が二、三塁から中前に運んで試合を決めた。七回に梅野の三盗が失策を誘って追い付き、藤川が4勝目。日本ハムは秋吉がつかまり、連勝が3で止まった。原口の一問一答は以下の通り。  --サヨナラ打  「(涙をこらえ)最高です!」  --サヨナラの瞬間は  「本当にセンターの前に落ちてくれという願いだけで走っていた」  --苦しい時期、心の支えになったものは。  「周りの方々にすごく恵まれて支えられて、きょうを迎えることができて最高の気分です」  --ファンの存在は  「本当に幸せな気持ちで野球ができている。本当にありがとうございます」  --劣勢を跳ね返した  「ベンチの雰囲気がすごくいい。逆転できるという気持ちベンチからすごく伝わってきて、それが出ている選手に乗り移ってこういう結果になった」  --「早いうちから準備させてもらって。先輩たちいる中で、裏で準備したので、サポートしてくれる周りのメンバーにもとても感謝の気持ちでいっぱい」  --矢野監督からは  「興奮していたのでちょっと忘れた。みんな祝福してくれてうれしかったです」  --同じ苦しみと闘っている人にも意味のある一打  「僕の活躍が力になるとすれば、本当に僕も生きてこうやって野球をやれる意味があると思うので。これからさらに頑張っていきたい」

◆阪神が今季6度目のサヨナラ勝ち。九回2死無走者から連打を放ち、代打原口が二、三塁から中前に運んで試合を決めた。七回に梅野の三盗が失策を誘って追い付き、藤川が4勝目。日本ハムは秋吉がつかまり、連勝が3で止まった。  阪神・矢野監督は原口のサヨナラ打に「感動しました。めちゃくちゃ感動しました」と興奮冷めやらぬ様子。「込み上げてくるものがあった。最高です」と声を詰まらせていた。

◆日本ハムは大田が29歳の誕生日に輝きを放った。1-1の六回に11号2ランを逆方向の右翼ポール際に運び「夢だった甲子園で誕生日に打てて最高」と喜んだ。継投失敗により勝利にはつながらなかったが、これで12球団全てから本塁打を放ってみせた。  神奈川・東海大相模高時代は高校球界屈指のスラッガーとして名をとどろかせたが、甲子園大会には縁がなかった。「(12球団本塁打は)頭の中にはあった。あの雰囲気の中でできたのは良かった」と納得の表情だった。

◆阪神の藤川が今季初めて投げた2回を無得点に抑え、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。勝ちパターンの一角を担ったジョンソンが疲労蓄積で離脱した中、38歳のベテランが存在感を発揮。再調整を経て1軍復帰後は17試合連続無失点とした。  3-3の八回から登板。直球は走り、フォークボールがさえた。4勝目を挙げても「結果からすれば、原口のための試合」と謙遜したが、清水ヘッドコーチは「あの年齢でイニングまたぎは、感謝しかない」と踏ん張りをたたえた。

◆阪神は9日、甲子園で日本ハムに4-3とサヨナラ勝ちした。1-3の七回、1点を返し、なお1死二塁で二走・梅野が三盗を決め、失策を誘って生還。3-3の九回には2死から高山、北條が連打でチャンスをつくり、大腸がんから復帰した代打・原口が中前へサヨナラ打を放った。  「感動しましたね。めちゃめちゃ、感動しました」  矢野監督は、会見場でテレビのインタビューを受けながら、何度も声を詰まらせた。  「俊が出て北條がつないで最後、原口が決める。自分自身こみ上げてくるモノがありましたし、その前に今日は原口がヒーローですけど、その前の梅野がサードに走った盗塁。あれもみなさん、めちゃくちゃすごいんですよ。アレを走る勇気と、まあ、すべてね、本当に感動します」  さらに担当記者との囲み取材が始まると「泣いちゃった...」と自ら口を開き「この展開で...サードに、まあリュウ(梅野)が走ったっていうね。まあ言いたいこといっぱいあるんやけど...ちょっと...ごめん」。広報から水を受け取ると、一度、別室に退室。1分ほどして戻ってきた。  「(泣くのは)初めてちゃう? 勝って泣いたことはないんだけど。もう優勝とかそういうことかなと思っていたけど。優勝して泣くつもりだったんだけど」  選手たちの熱いプレー、思いを全身で受け止め、まさに"男泣き"だった。

◆北條が勝負どころの連打で原口の劇打につなげた。九回2死から高山に続く右前打。二、三塁とチャンスを拡大し、劇勝へとつながった。4打席目でこの日初ヒットを刻み「(凡退にも)切り替えて切り替えてやって、最後はつなげてよかった。みんなが(原口が)決めてくれると思っていた。かっこいい」と声を弾ませた。

◆阪神・原口文仁捕手(27)が、代打で九回2死二、三塁から中前適時打を放って、試合を決めた。  念願かなった。原口が「必死のグッチ」と書かれたタオルを両手で掲げ、今季初の甲子園でのお立ち台で「スリー! ツー! ワンッ! 必死の、グッチー!!」と絶叫で締めた。実はこの新パフォーマンス、今年3月7日に病気の公表後初めてチームへ合流した際に「やっぱりお立ち台に上がって"やりたいこと"もあるので」と匂わせていたもの。虎党も大喜びだった。

◆――九回2死から  「今日は原口がヒーローですけど、その前の梅野がサードに走った盗塁。あれもみなさんめちゃくちゃみなさん、すごいんですよ。アレを走る勇気と、まあ、すべてね、本当に感動します」  ――最後ヒーローと抱き合ったときは  「いや、もう最高です」  ――次回は敵地でソフトバンク戦  「今日はもう、味わわせて下さい」  (囲みになって、自ら)  「泣いちゃった...」  ――ファーム監督のときから次の塁を狙う意識を求めてきたが  「...ちょっと待って」  (囲みが一時中断)  「ああいう野球が、したいというか、そういう姿勢を持ってやっていきたい。まだまだ発展途上のチームなんで色々な失敗、きょうもユウスケ(大山)のエラーもあったし。あれでいいとは言えないけど、そういう気持ちが俺はうまくなると思うし」  ――試合で泣くのは  「初めてちゃう。自分では泣いたことないけど。勝って泣いたことはないんだけど。もう優勝とかそういうことかなと思っていたけど」  ――涙の理由は梅野の気持ちと原口のサヨナラか  「いやいやいや全部じゃん。全部絡んでるじゃん。ねえ、俊(高山)だって苦しんでたりさあ」  ――また映画のような  「うん、今日はすごいね。う~ん、ましてや北條もね(グスン)、ずっとベンチで一番声を出して、出られへん時も悔しさを我慢してやってるっていう。で、球児がね、ああいう姿を見せられると...(詰まる)。優勝して泣くつもりだったんだけど」

◆九回に代打サヨナラ打を放った原口文仁の打球音が、「たかが野球ごときに負けるはずないやろ! こっちは人生を懸けて病魔と闘い、そして倒してきたんやでェ!!」と俺の耳には聞こえたのだ!!  原口よ、日本中のおっさんの、若い者の、子供の、お年寄りの、とにかく全ての虎党に涙をボロボロと落とさせた。感動を超え、もはや祈りにも似たサヨナラのひと振り...。アリガトウ!!  よく世間では大病を患った者が「病気になってよかった。真の幸せに気付かされた...」なんて言うけど、そんなの絶対にウソだ。乳がんと闘い続け、そして5年前に逝った妻と歩んできた俺には分かるのだ!!  原口も怖かったろう、とにかく寂しかったろう...。そんな中でも彼は、インタビューで答えているように、テレビのキャンプ中継を毎日見て「こんなに長く野球を見たのは初めてだし、広島ってあんなに練習しているんだ!!」と、そこに自分の心を燃やし続けるものを見つけたのだろう。  現在、病と闘っている方。昨年最下位の阪神・原口にできて、あなたにやれないことはないよ!! 生きろー!!

◆大山がミスをバットで取り返した。三回2死一、二塁から清水の打球をトンネル(三塁失策)し、痛恨のタイムリーエラーで先制点を献上。それでも0-1の四回2死二塁から中前へ同点打で意地をみせた。連続安打を7試合に伸ばし、「取り返したかった。打てたことはよかったですが、エラーは消えない。反省しないといけない」と気を引き締め直した。

◆高山が土壇場で価値ある一打だ。3打席凡退で迎えた九回2死走者なしから、守護神・秋吉の132キロを中前へ弾き返して出塁し、劇勝を"アシスト"。「2死からでもこの回で決めると思っていました。打ててよかったです」と白い歯をこぼした。七回1死二、三塁から強烈な遊ゴロを放って三走・マルテを本塁へ迎えれる貴重な打点もあげ、渋い働きが光った。

◆試合前の阪神の練習は当然のことながら結構"気合"が入っていた。  しかし...ムシ暑い。といって肉体にかかる負荷は日本ハムも同じだ。ただし、甲子園で2-3、5-10と虎は砂を噛むような負けを重ねてズルッと2位から3位に後退していた。  「甲子園のファンを悲しませてはならない」とは矢野監督の大前提のハズだったのに...満員のマンモスにはなんともいえない空気が流れた...。  この日の司令塔役の長友孝輔は球場入りする途中で阪神グッズの売り場の店頭に藤浪晋太郎投手の「等身大のパネル」がニッコリとほほ笑んでいるのを見て...フッとため息をついた。  「そうなんですよ。もうそろそろ藤浪投手の1軍復帰も近い。なんかこの辺でスカッとした雄姿を見せてほしい...誰もが待っているんですから...」  誰の思いも一緒なのだ。明日の11日、2軍のオリックス戦に先発という。機は熟した...いやミックスジュースにはとっくに"食べ頃"の果実なのである。  ホームチームの阪神が先に練習する。それを取材して...野手組担当の竹村岳はベンチから通路を通りクラブハウスの方に向かう通路で何気なく"打撃スイング"の素振りを何度かクビをひねりながら繰り返した。別に意味はない。彼は大体大でずうずうしくも「31番」を希望するほど堂々としている。とにかく通路で彼はシャドースイングをしている。  「おい、それでは右足に体重を乗せすぎッ!」  振り向くとなんと矢野監督が真剣な顔で立っていた。もうちょっと左足に乗せんと...ウン、そうや、スイングしてみ...そや、それでエエ...  実は試合前の通路です。矢野監督は思わず通りかかって...大体大の野球部だった竹村のシャドースイング(それも本人は必死にやってたわけじゃないのに...)を監督がちょいと真剣に"指導"してくれたのであります。  矢野監督のヒューマンな一面がのぞいた。竹村は思わずジンときた。「矢野監督って...そんなほのぼのとした人なんですョ」  なんとなく矢野燿大監督の人柄を物語るちょっとしたハプニングだ...。  竹村岳は電話の向こうでシミジミ「僕はきっと阪神が優勝するんじゃないかと思いました」といった。  試合展開によってはここ一番で『代打・竹村岳』なんてのがアナウンスされるんじゃないだろうな...てなジョークをとばしながらいざプレーボール。  それが読者の皆さま、日本ハム・上原に打線は苦戦...だが必死の阪神も追撃して...説明するまでもなく紙面でドヒャッと展開したように3-3の同点!  で九回2死走者なしとなりまして高山がパッとドアを開けた。続く北條が右翼に痛打...おいおい...まさか...ここで試合前の通路で"特訓"を受けたアノ切り札が出てくるんじゃないだろうな?(まさかそんなことはあるわけはない!)  だが、もっとワンダフルな"ドラマ"が待っていた! そうです。原口が通路でバットを振って文字通り『必死のグッチ!』状態になっていたのです。  日本ハム・秋吉の127キロのスライダーは決して甘い1球ではなかった。が、それ以上に虎党のヤケドしそうな思い、そして満員の甲子園ファンは原口の背中を押した。  矢野監督もインタビューでは何度も声が詰まった。2死からの...高山、北條コンビはどちらかといえば黙々と汗をかいてきた。その男たちが最後に赤い絨毯をひき、チームを絶望の淵から引き上げた原口がいた。  なんか、わが若きトラ番記者竹村岳の矢野監督とのちょっとしたふれあい...「きっと優勝します」といった竹村のセリフがズシリと響く...。

◆八回から登板した藤川が2イニングを投げ、無失点でピシャリ。  わずか2球、時間にしてほんの数分間だったが、藤川にとって至極の時間だった。九回に先頭で迎えた清宮との勝負だ。「勝負したいと思っていた、新しい選手では唯一の選手だったので」と話す20歳と初対戦。内角高めの148キロ直球でつまらせて、二飛に打ち取った。それでも「ボールの見極め方、バットの出し方が他の選手と違う。間違いなくすごい選手になると確信している。僕が20年見てきたなかでは一番」と賛辞を惜しまなかった。

◆大腸がん手術から復帰し、9日の日本ハム戦(甲子園)で劇的サヨナラ打を放った阪神・原口文仁捕手(27)の夫人(26)が、サンケイスポーツに独占手記を寄せた。病と闘いながらも、復帰へ愛娘と家族3人で前向きに取り組んできた姿などを綴った。サヨナラの瞬間、私は意外なくらい冷静で、なぜか「絶対、決めてくれるだろう!」と思って、テレビの音量を上げました。「やったねー!!」と、決まっても冷静でした。  この日は甲子園へ行くことはできなかったのですが、7日のゲームは甲子園で観戦しました。率直に「やっと戻ってこられた! おかえりなさい! ここまで本当によく頑張ったね!」という気持ちがこみ上げてきました。主人の一番のパワーの源は、ファンの皆さまの応援、声援です。入院しているときから、ツイッターでのメッセージもたくさんいただき、本当に支えていただきました。お手紙もたくさんいただいて、こんなにも多くの方々に愛されているんだ、とうれしく思いました。  皆さまのおかげで、主人は常に前向きでした。病院でも自宅でも。きっと「前だけ向こう!」と決めたので、そうしていたのだと思います。一度決めたことは曲げない人なので。たとえ家族の前でも。今回の件で主人が変わったところを1つ挙げるとすれば"前向き"さに磨きがかかったことでしょうか。あとは、「野球が好きで好きで仕方がないんだな~」と、改めて私が思い知らされました。  そんな前向き過ぎる人なので、私は「頑張りすぎないでね! 無理しないでね!」と毎日のように言っていました。でも、自分の体のことは本人が一番分かっていると思うので、ほどほどに。あとは私も、とにかく笑顔で過ごそう! と思いました。  1歳になった娘が笑わせてくれるので、無理に笑顔を作っていたのではなく、心から笑っていました。娘の1歳の誕生日も、楽しい思い出です。本来ならシーズン中ですし、家族そろってお祝いできるとは思っていなかったので。あと、もう一つ! 娘が歩いた瞬間を一緒に見られたことも忘れられないです。主人と娘が手をつないで歩いてる姿を見て、幸せを感じました。  病気が発覚した日は、主人とは離れていたのですが、本人に会うまでは私の心の中はもう「雨」どころではなく、雷雨? 台風? 不安すぎてどうしようもなかったです。ですが、本人に会った瞬間、「この人なら大丈夫だな!」と思えたので、次の日ぐらいからはもう「晴れ」でした! その後からはずっと「晴れときどき曇り」でしょうか。一緒にいるときの気持ちは「晴れ」なのですが、離れているときは「何してるかな? ご飯ちゃんと食べたかな? しっかり睡眠を取れたかな? 無理してないかな?」という気持ちがあるのも事実です。  ですが、この期間で、家族の絆は強まったと思います。主人だけでなく私自身も、娘の笑顔に助けられましたし、支えてもらいました。娘がいなかったら、どうなっていたんだろう...とも思います。3人一緒で良かったと、心から思います。私は主人の、人の気持ちになって物事を考えられるところ、感謝の気持ちを伝えられるところを、尊敬しています。  本当に、ファンの皆さまのおかげで、私たちはここまで来ることができました。原口文仁を、これからもどうかよろしくお願いいたします。

◆ガルシアは毎回得点圏に走者を背負ったが、なんとか踏ん張り5回8安打1失点(自責0)と粘投した。三回、2死一、二塁で大山の適時失策で先制点を献上。直後に中島の打球が右太もも付近に直撃するアクシデントもあったが、5回98球を投げきった。「何とかチームのためにと思って投げていましたが、コントロールに苦しみました」。五回に代打を出されるも、降板後もベンチに残り、必死にチームメートを鼓舞。「チームが盛り上がればそれでいいし、勝ってよかったです」と胸をなで下ろした。 六回2死一塁から登板し、七回まで無失点に抑えた阪神・守屋 「投げる前、モニターでみていてフルスイングとかを感じていた。甘い球は投げないようにと思っていました」

◆火の玉ストレートで最後の打者を打ち取ると、マウンドで静かにほえた。八回から登板した藤川が2イニングを投げ、無失点でピシャリ。今季初の回またぎを自ら志願する男気で、原口の劇打を呼び込んだ。  「原口のための試合だった。自分どうこうではないですけど、お客さんも来てよかったと思うし、そういう風になってよかった」  百戦錬磨の投球術で、日本ハム打線につけいる隙を与えなかった。八回、2番・大田から始まる上位打線。それでもわずか5球で2アウトを奪うと、近藤を外角フォークで空振り三振。これで任務完了かと思われたが...。八回が終了した時点で3-3の同点で、勝ちパターンの一角を担ってきたジョンソンが7日にリフレッシュのため登録抹消。ブルペンの窮地に、2イニング目を矢野監督に直訴。逆転を信じ、マウンドへ上がった。  「(回またぎは)初めてじゃないので、球数も少なかったし、普通のことです」と張り詰めた緊張感のなかでも冷静沈着だった。2死から清水に中前打を許したが、最後は中島に対し、146キロ直球を外角低めにズドン。見逃しの三振に仕留め、その裏の逆転劇を呼び込んだ。これで今季20試合に登板し、無傷の4勝目。17試合連続無失点で防御率1・29と抜群の安定感を見せている。  助っ人セットアッパー不在のなか、ブルペンを支える一人として、歴代11位のNPB通算730試合登板を誇るベテランとしての責任感がある。島本や守屋ら若手に対し、これまで培ってきた知識や経験を踏まえ、試合中からブルペンで積極的にアドバイスしている。  「こういう試合はこういう流れだから、(展開は)こうなるとか、ここは重要な場面だとか。ここでランナーを出したらズルズルいくとか。球児さんにはいろいろと教えていだだいています」と守屋が話せば、島本も「状況に応じたアドバイスをマウンドに行く前に話してくださるのでとてもありがたいです」と口をそろえる。鉄壁を誇る救援陣の奮闘の裏に球児あり、というわけだ。  まだまだバリバリ投げてチームを救う。衰え知らずの最強のアラフォーがこれからも投手陣を、そして虎を支える。 (織原祥平)

◆記念の一発は、右翼ポール際に飛び込んだ。六回1死一塁で、島本から11号2ラン。日本ハム・大田泰示外野手が、29歳のバースデーアーチと「12球団から本塁打」を同時に決めた。  「夢だった甲子園で誕生日に打てて最高」  2009年ドラフト1位で巨人に入団し、8年在籍して9本塁打に甘んじた。だが、日本ハムに移籍した17年から3年連続で2桁本塁打。阪神以外の11球団からは既に本塁打を放っていた。  甲子園初本塁打でもあった。東海大相模高時代は、3年夏の北神奈川大会で決勝敗退。聖地に進めなかった。  「こういう形の中で打ててよかった。(12球団本塁打は)頭の中にはあった」。逆転負けで決勝アーチとはならなかったが、プロ11年目に高校時代の悔しさも晴らした。 (山口泰弘)

◆誰よりも選手の可能性を信じてきたからこそ、言葉にならなかった。劇的なサヨナラ打に勢いよくベンチを飛び出すと、殊勲の原口を強く抱きしめた。  「めちゃめちゃ感動しました。俊(高山)が出て北條がつないで、最後、原口が決める。自分自身こみ上げてくるモノがありました」  会見場で何度も声を詰まらせた。二神広報から飲料水を受け取り一度、別室に退室。大腸がんの手術から約5カ月で復帰。ファンに感動を与えた姿に、思い返すだけで心が揺さぶられた。1分ほどして戻ってきても、顔はくしゃくしゃのままだった。  「今日は原口がヒーローですけど、その前の梅野がサードに走った盗塁。あの場面で走るって本当にすごい。勇気が」  七回無死二、三塁から高山の遊ゴロで1点差に迫り、なお1死二塁の場面だった。打者・北條の3球目、二走・梅野がモーションを盗んだ完璧なスタート! 捕手・清水の悪送球を誘い一気に同点のホームを踏んだ(記録は盗塁と悪送球)。  九回の攻撃では2死から高山、北條が連打。2軍でも苦しむ姿を見てきたチルドレンが好機を作ると、最後は原口の劇打。「いやぁ、すごい...」。胸を打った感動を言葉にすると、どうしても声にならなかった。  2軍監督を務めた昨季。「超積極的」を掲げ、挑戦と失敗から改革を推し進めてきた。盗塁を失敗しても、引きずることはない。「耳にタコができるくらい言ってきた」。何度もミーティングで「挑戦」から学ぶ大切さを説いてきた。  ときには、1998年から4年間、阪神に在籍し現在は公認会計士として働く奥村武博氏(39)の名前を挙げたときも。チームメートだった男が人生における試練を乗り越え、夢をかなえた姿を今の若虎にも見習ってほしかった。「プロとして結果を残すのもすごいけど、はい上がって成功することも同じくらい、俺はすごいと思うから」。そう思えば、そうなる-。説いてきた気持ちの強さは今、結果となってグラウンドにあらわれている。  「初めてちゃう? 優勝して泣くつもりだったんだけど」  選手たちの思いを、プレーから受け取った。目からこぼれる涙ですら、今は幸せだと思えている。 (竹村岳) 七回に三盗を決め、同点のホームを踏んだ阪神・梅野 「積極的というか、根拠、意図、勇気を持って。状況とかはもちろんあるんですけど。勇気を持って、しっかりスタートを切れたのはよかったと思います」

◆(ヒーローインタビュー)  ――甲子園へおかえりなさい  「ありがとうございまーす!!」  ――今の気持ちを  「最高でーす! みんな、ただいまー!!」  ――サヨナラの瞬間は  「ほんとに、もうセンターの前に落ちてくれっていう願いだけで走っていました」  ――苦しい時期を味わってきたと思いますが、心の支えは  「ほんとにね、周りの方々にすごく恵まれて支えてもらったので。それとほんとにね、きょうここに集まってくれたファンのみなさん、そしてテレビ、ラジオ、ほんとに全国で応援してくれているタイガースファンの皆さんが待っててくれたので、ほんときょうを迎えることができて最高の気分です」  ――ベンチの雰囲気は  「劣勢になってもベンチの雰囲気がすごくいいので、これもう逆転できるというね、気持ちがベンチからすごく伝わっているので、それが出ている選手に乗り移ってこういう結果になったと思います」  ――持ち前の勝負強さが出ている  「そうですね、ほんとにね、早い回から準備させてもらって、先輩たちがいるなかでね、裏で準備していたので。ほんとにそうやっていろいろサポートしてくれる周りのメンバーにもとてもね、感謝の気持ちで一杯ですね」  ――同じように苦しんでいる人がいる中、すごく意味のある一打  「そうですね、ほんとにね、僕の活躍がそういう力になるとすればね、ほんとに、僕もこうやって、生きて野球をやれる意味があると思うので、これからさらに頑張っていきたいと思います」

◆涙の劇的サヨナラ打! 阪神・原口文仁捕手(27)が、代打で九回2死二、三塁から中前適時打を放って、試合を決めた。今年1月に大腸がんの手術を受け、復帰して5試合目。「みんな、ただいまー!」。日本ハム相手に3タテを阻止。頼れる男の復活ドラマに、甲子園が感動の涙に濡れた。  ここに立つために-。何でも乗り越え、何でも耐えた。甲子園がぬれたのは、祝福の水のせいだけじゃない。原口のサヨナラ打が、劇的すぎたせいだ。見つめる全員の目元から、光るモノがあふれ出た。指揮官も泣いた。「みんな、ただいまー!」。ヒーローは目を潤ませたところでグッとこらえ、お立ち台の上から、感謝、感謝だ。  「周りの方々にすごく恵まれて支えてもらったので。それとほんとにね、きょうここに集まってくれたファンのみなさん、そして全国で応援してくれているタイガースファンの皆さんが待っててくれたので、ほんときょうを迎えることができて最高の気分です」  こんな男だから、最高の筋書きが用意されている。復帰戦となった4日のロッテ戦(ZOZOマリン)と同様に、原口の打席を目指すかのように、打線がつながった。1-3の七回に、梅野の三盗に捕手の悪送球が絡み同点に。そして3-3の九回、2死から高山、北條が連打でおぜん立てし、「代打・原口」登場だ。  二、三塁から、守護神・秋吉のスライダーを中前へはじき返し、復帰後甲子園初安打。あとはもう、もみくちゃだった。試合後、必死にコメントしようとした矢野監督だったが、涙が邪魔をする。囲み取材は中断を挟むほどに。「勝って泣いたことはないんだけど。もう、優勝とかそういうことかなと思っていたけど」と声が震えた。今季6度目のサヨナラ勝ちで、最後に、誰より強い男が決めてくれた。大腸がん発覚から5カ月。1軍復帰からはわずか5日。背番号「94」がお立ち台に帰ってきた。  公表前だった1月の、球団に初めて詳しい病状を伝えた直後。間髪入れずに、原口の携帯を鳴らしてきた人がいた。「フミ、俺は待ってるからな!」。矢野監督だった。2月のチームのキャンプ中も、将は沖縄から愛読書であるひすいこたろう氏の著書2冊、送ってくれた。ただでさえ前向きな原口が、燃えに燃えた。  「今ね、すごく野球がうまくなってるんです。あぁ~、みんなに見せたいなあ!」。手応えのあるオフから一転。急に闘病へ突入しても、下を向いた日なんて一度もなかった。「これで甲子園に帰ったら僕、スターになっちゃいますよね?」。常に思い描いたのは、自身の応援歌の始まりにあるように「ここに立つ」日。そして、待ってくれていた矢野監督の胸に、思いきり飛び込んだ。  「多くの人にほんとに感謝の気持ちでいっぱいです。こうやって最高の場面で起用していただいてね、ほんとに有り難い気持ちと、期待に応えたいという思いでいつもやっているので、きょうはそういう日になってよかったなと思います」  お立ち台からグルッと360度を見渡す。待っていてくれたすべての人のために、原口はここに立ち続ける。 (長友孝輔) ★原口の経過  ◆1月24日 昨年末に受けた人間ドックで大腸がんが判明し、近日中に手術を受けることを自身のツイッターで公表。直筆のメッセージで「早期の実戦復帰を目指します」「常に前だけを向いて進んでいきます」などとつづった。  ◆31日 「先日、無事に手術終えました。順調に回復してます」(ツイッターにて)  ◆2月6日 「先日、退院しました。これから少しずつですがリハビリを始めていきます」(ツイッターにて)  ◆3月7日 鳴尾浜での2軍練習に合流。ユニホーム姿で会見に臨み「必ず今年中に1軍に戻って活躍したい。お立ち台に上がってやりたいこともある」と約束。  ◆5月8日 ウエスタン・中日戦(鳴尾浜)で八回、代打登場し、右飛。昨年10月13日の中日戦(ナゴヤドーム)以来207日ぶりとなる実戦出場を果たした。  ◆6月2日 ウエスタン・ソフトバンク戦(丹波)で「4番・DH」で出場。三回に今季1号となる3ランを放った。  ◆4日 ロッテ戦(ZOZOマリン)の九回に代打で今季1軍初出場。左越えに適時二塁打を放った。

◆見事なサヨナラ勝ちだった。日本ハムの勢いに押されて連敗した直後。嫌なムードを吹き飛ばし、逆に勢いをつけてソフトバンク戦に臨める。  流れを引き寄せたのは梅野だ。七回の初球を引っ張っての二塁打も、相手の隙を突いての三盗も、捕手ならではの読み。ここまで阪神を引っ張ってきた最大の功労者の存在は頼もしい。  ただ、指摘しておきたい点はある。それは対左投手。これは阪神の打者だけに限らないが、最近の右打者は左投手をうまく打てない。  ほとんどの左腕は、外角への緩い球、落ちる球を生かしたいから、内角へ真っすぐ、スライダーを投げ込む。このパターンを頭に刻み込んで、追い込まれるまでは、内角だけに絞って引っ張ればいい。それを難しい変化球まで打とうとするから、自分で混乱してしまっている。  相手との駆け引きで、打席の後ろに立ったり、前に立ったりするのも必要。駆け引きで内角を投げさせる。それを狙う。1つの左腕対策だ。  現状の阪神の打者で、合格点が与えられる右打者は梅野だけ。ソフトバンクはミランダ、和田、大竹と左腕が3枚先発してくるという。大山、マルテ、北條らの奮起を期待したい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
510 0.833
(↓0.167)
-
(-)
1229
(+2)
18
(+3)
12
(-)
7
(-)
0.286
(↑0.001)
2.890
(↓0.09)
2
(3↑)
巨人
420 0.667
(↑0.067)
1
(↑1)
1227
(+11)
19
(+3)
11
(+3)
5
(+2)
0.282
(↑0.022)
3.230
(↑0.04)
3
(1↓)
日本ハム
420 0.667
(↓0.133)
1
(-)
1226
(+3)
23
(+4)
5
(+1)
4
(-)
0.293
(↑0.007
3.290
(↑0.04)
4
(1↓)
ORIX
320 0.600
(↓0.15)
1.5
(-)
1318
(+4)
18
(+9)
3
(-)
3
(+2)
0.271
(↓0.021)
3.680
(↓1.43)
5
(1↑)
阪神
330 0.500
(↑0.1)
2
(↑1)
1230
(+4)
27
(+3)
4
(-)
8
(+2)
0.272
(↓0.003)
3.670
(↑0.33)
6
(2↓)
西武
330 0.500
(↓0.1)
2
(-)
1228
(+4)
30
(+6)
7
(-)
9
(+2)
0.275
(↑0.003)
4.910
(↓0.31)
7
(-)
DeNA
330 0.500
(↑0.1)
2
(↑1)
1220
(+6)
22
(+4)
4
(+1)
2
(+1)
0.277
(↑0.01)
3.630
(↓0.07)
8
(1↑)
楽天
330 0.500
(↑0.1)
2
(↑1)
1217
(+5)
23
(+2)
2
(-)
1
(+1)
0.231
(↓0.005)
3.570
(↑0.32)
9
(1↑)
ヤクルト
230 0.400
(↑0.15)
2.5
(↑1)
1325
(+9)
19
(+4)
5
(+1)
3
(-)
0.221
(↑0.016)
3.430
(↑0.1)
10
(2↑)
広島
240 0.333
(↑0.133)
3
(↑1)
1223
(+3)
27
(+2)
5
(+1)
2
(-)
0.209
(↑0.011)
3.600
(↑0.31)
11
(3↓)
ロッテ
240 0.333
(↓0.067)
3
(-)
1223
(+3)
39
(+11)
3
(+1)
5
(+1)
0.239
(↓0.01)
6.280
(↓1.08)
12
(1↓)
中日
150 0.167
(↓0.033)
4
(-)
1226
(+2)
27
(+5)
4
(-)
2
(-)
0.245
(↑0.004)
4.410
(↑0.3)