阪神(☆5対2★)巨人 =リーグ戦10回戦(2019.05.30)・阪神甲子園球場=
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巨人
0200000002501
阪神
30001010X5701
勝利投手:髙橋 遥人(1勝0敗0S)
(セーブ:ドリス(2勝1敗12S))
敗戦投手:ヤングマン(3勝2敗0S)

本塁打
【巨人】大城 卓三(2号・2回表2ラン)
【阪神】大山 悠輔(9号・1回裏3ラン)

  DAZN
◆阪神が3連勝。阪神は初回、大山の3ランで幸先良く先制する。その後1点差とされて迎えた5回裏には、大山が適時打を放ち、リードを広げた。投げては、先発・高橋遥が7回2失点の力投で今季初勝利。敗れた巨人は、先発・ヤングマンが試合をつくれなかった。

◆巨人大城卓三捕手(26)が2号2ランを放ち1点差とした。 3点を追う2回無死一塁、フルカウントからのカットボールを中堅バックスクリーン左に運んだ。打力を生かすために、26日の広島戦(東京ドーム)から一塁手でスタメン出場。3試合連続スタメンに結果で応え「反撃につながればいいですね」とコメントした。

◆阪神は前日のサヨナラ満塁弾の余勢を駆ったように、いきなりの先制3ランで幕開けした。 初回1死一、三塁で4番の大山悠輔内野手(24)が左翼ポール際に9号3ランを放り込んだ。ヤングマンのスライダーにやや泳がされながら、左手を伸ばしてフォロースルーした。「初回の先制点がほしいチャンスの場面だったので、打つことができてよかったです。風にもうまく乗ってくれました」と振り返った。 前日29日は4-4の延長12回に高山俊外野手(26)が代打サヨナラ満塁本塁打を放っていた。 大山は中盤にも適時打。3-2の5回、糸井の三塁打に続いて中前打を放って4点目をたたき出した。「追加点がほしい場面で、焦ることなくしっかりと我慢して打つことができた。(高橋)遥人も頑張っているので援護できてよかった」。力投する後輩左腕への援護打だった。

◆阪神高橋遥人投手(23)は7回2失点と好投した。2回に大城に2ランを打たれ3-2とされたが、その後は7回まで快投し、リードを保った。 「初回から点を取ってくれたので、自分のペースで投げることができました。後ろに頼りになる先輩投手の皆さんが控えてくれているので、1イニング1イニングを全力で投げきることができました」と謙虚に振り返った。 中盤の出来は際立っていた。6回、先頭の坂本勇に中前打を浴びたが、続く丸にフルカウントからの高め142キロを空振りさせ、三振併殺。岡本も145キロで空振り三振とねじ伏せた。7回も危なげなく3者凡退。プロ入り後最多120球の熱投だった。 17年ドラフト2位。1年目の昨季はシーズン序盤に2勝を挙げたが、その後、左肩などの故障で離脱してシーズンを終えた。今季は3度目の先発で、前回23日のヤクルト戦の6回無失点に続く好投だった。

◆阪神は1回、大山の左越え9号3ランで先制した。巨人は2回に大城の中越え2号2ランで1点差に迫った。 阪神が5回、大山の適時打で1点を追加した。巨人ヤングマンは3回2/3、3失点で降板。高橋遥は6回まで2失点、8奪三振の好投。 阪神は7回にも糸原の犠飛で1点を追加した。7回2失点の高橋遥は今季初勝利。チームは貯金6とした。巨人は連敗で貯金3。ヤングマンが2敗目。

◆2年目右腕の巨人鍬原拓也投手(23)が今季初登板で1回2/3を1安打無失点に抑えた。 3点を追う7回1死からマウンドへ上がると、糸井を150キロの直球で遊ゴロ、大山も149キロの直球で三ゴロに打ち取った。8回も続投すると2死からマルテに中前打は許したが、北條を空振り三振に封じた。「緊張しましたが、ファームでやってきたことが出せてよかったです」と汗をぬぐった。 中大から17年ドラフト1位で入団。即戦力として期待をかけられたが、昨季は先発で1勝のみの6試合の登板に終わった。今季はリリーフに転向し、勝利の方程式入りを目指したが開幕2軍スタート。イースタン・リーグで20試合に登板し、2勝2敗1セーブ、防御率3・00の成績を残し、29日に今季初の1軍昇格を果たした。 「やっとスタートラインに立てました。まずは使っていただいたところで結果を残して、ステップアップしていきたい」と今後の活躍を誓った。 原監督は「久しぶりに、何となくリリーフを見て、ちょっとほくそ笑んだところはありますね。心の中でね」と2年目右腕の好投に喜んだ。

◆巨人が阪神に連敗し、今月の負け越し(9勝12敗1分け)が決まった。 先発のテイラー・ヤングマン投手(29)が1回に大山に9号3ランを浴び、先制点を献上。毎回の5四球と制球が乱れ、4回途中3失点で今季2敗目を喫した。中継ぎ陣も流れを呼び込めず、2点を追加された。阪神戦は6連勝スタートの後、4連敗を喫した。 打線は2回に大城の2号2ランで2点を返したが、3回以降は沈黙した。原辰徳監督(60)は「(ヤングマンは)ちょっとリズムがね。やっぱりリズムという部分で、制球力がいいとは言えないね」と指摘。4番大山に5点中4点を奪われ「4番バッターがというところはね。抑える、抑えられるという部分は勝利を大きく左右する。そこは如実に出た」と話した。

◆巨人宮本和知投手総合コーチ(55)が先発陣に奮起を求めた。 先発ヤングマンが4回途中3失点で降板。延長12回を戦った29日阪神戦では8投手をつぎ込んでおり「もう少し投げないといけない。先発としてやっぱり今のリリーフ陣、連戦を考えるとやっぱり6、7回までは責任というのがあると思う。今、本当にうまく回ってない。リリーフ陣に負担をかけている」と苦しい心境を吐露した。 それでも2番手田口が2回1/3を1失点、今季初登板の鍬原が1回2/3を1安打無失点と結果を残し、収穫もあった。「投手『陣』ですから。こういう中でいい時も悪い時もカバーし合うのがチーム。そんな中で鍬原が使えるというメドが立ったことは今日のゲームの中で収穫。田口もあそこまで投げられる力があるので、その中で新しい芽が出てきたことをプラスに捉えたいと思います」と前を向いた。

◆阪神が巨人に連勝し、2位の座を守った。4番大山悠輔が先制の9号3ランを放つなど4打点の活躍。先発高橋遙人は7回2失点で今季初勝利を挙げた。試合後の矢野燿大監督の談話は以下の通り。 -大山は4番らしさが出てきたか 矢野監督 そうですね。結果もついてきている。凡打でもしっかり走るとか、フライでもしっかり走る姿を見せてくれている。そういうところを含めて本当に4番らしくなってきている。 -高橋遥は速球の球威が抜群だった 矢野監督 今日だけじゃなくて、この前も球がいっていた。内容的にもいい球が多かった。3点取ってすぐ2点取られて流れ的には嫌だけど、しっかり守って耐えて、しっかりした投球をしてくれて。球数が増えたところでも最後、もう1イニング行ってくれたのは本当に価値がある。内容も含めて本当に素晴らしい投球だった。 -北條の好守や、梅野の盗塁阻止など堅守だった 矢野監督 そうやね。そういうところで締まる。流れをこっちにまた呼び寄せるアウトになっている。 -大山は1回に見事な先制弾だ 矢野監督 立ち上がりは投手も難しいけど高めに浮いたとはいえ、うまくフォローで、片手で持って行けた。自分が4番だという意識もどんどん強まってると思う。だからこそ、こういうところで打ちたいと思っているやろうし。そういうのは近くにいても感じる。(4番を)外すことももちろんない。悠輔を大きく育てるような打順が4番だと思う。

◆阪神マルテ内野手は2試合連続マルチ安打を記録した。4回に先頭で一塁強襲安打を決めると、8回は詰まりながらも二遊間を抜いた。3試合連続弾はならずも好調はキープ。 「いいチャレンジができているしポジティブな結果が出ている。神のおかげだよ」と笑顔だ。

◆阪神守護神ドリス投手は貫禄の12セーブ目だ。3点リードの9回に登板。2番坂本勇に安打を許すも、3番丸以降の3人を抑えた。 「いい試合だったと思う。(中継ぎ陣が)いい状態で来てくれるので入りやすい。何より楽しんでやるのが1番。それができていると思う」と喜んだ。

◆こんな1番打者がいれば勝てる。阪神近本光司外野手(24)が電光石火の「足攻」をかました。初回、強くたたきつけて高いバウンドの遊撃内野安打。十八番(おはこ)ともいえる打球で先頭出塁を果たすと、すかさず2番糸原の初球に二盗を決めた。 その後に大山の3ランが生まれたが、ド派手な一打の裏にあった細やかな仕事は見逃せない。新人特有の怖い者知らずの思い切りとは正反対。「しっかりとイメージというか準備していたことができたのがよかった。いろいろと想定しながらでした」。近本によると初回の内野安打、初球の盗塁も「イメージ」済みだったというから驚きだ。5試合連続得点(ホームイン)は自己最長。切り込み隊長の仕事ぶりを表す。 7回には左中間三塁打。糸原の浅い左邪飛で本塁を陥れた。「打った瞬間に三塁を狙っていました。二塁打より三塁打の方がいい」。3点差に広げる追加点。矢野監督は「効果的に1点を取れた。近本の足で取れた1点」と評価した。 2安打で打率3割1分2厘。最近7戦15安打と止まらず、マルチ安打は19度目。驚異の年間「52」ペースはリーグ新人記録の巨人長嶋茂雄の「48」すらしのぐ勢いだ。三塁打5本と15盗塁はともにリーグ単独トップになった。個人記録にはいつも無関心な背番号5。プレースタイルと同様、日々前進しか頭にない。【柏原誠】 ▼近本が2安打を放ち、19度目のマルチ安打を記録した。このままいけば年間52度ペース。阪神新人最多の98年坪井40度、さらにはセ・リーグ新人最多の58年長嶋(巨人)48度の更新も視野に入る勢いだ。

◆巨人は、先発ヤングマンが4回途中3失点で降板し、5月12敗目(9勝)で、月間負け越しが決まった。 延長12回計8投手をつないだ総力戦に敗れた翌日に、先発が5四球と制球を乱して早期降板。5試合連続6回もたずにマウンドを降りた助っ人に、原監督は「リズムという部分で、制球力がいいとは言えない。かなり長いイニング投げさせようと、連戦の中でリリーフも使っているので思ったけど。1点差という中で、バトンを譲る必要がある」とスイッチを告げた。 3、4月は16勝10敗の首位とスタートダッシュに成功したが、5月に加速とはいかなかった。22試合中、先発がクオリティースタート(6回自責3以内)を達成したのは7試合で、残る15試合は中継ぎに重い負担を掛けた。指揮官は「限られたメンバーでやるしかない。先発ピッチャーがかなりゲームを支配しているというのは誰しもが分かっていることですから。そこは奮起して欲しいところでしょうね」と課題に挙げた。 2回に5番大城の2ランで1点差に追い上げたが3回以降は得点を奪えず。阪神戦4連敗で、首位広島に4・5ゲーム差に離された。【前田祐輔】 ▽巨人ヤングマン(4回途中3失点で2敗目)「今日の試合を含めて制球がよくなくて苦しんでいる。(先制3ランは)スライダーがちょっと浮いてしまった」

◆日が落ちきらない球場がドッと沸いた。0-0の1回1死一、三塁。阪神の4番大山悠輔内野手(24)が巨人ヤングマンの3球目、高めスライダーをすくい上げた。 左翼フライかと思われた打球は、甲子園独特の浜風に押されてスタンドイン。先制の9号3ランになった。「打ち方はそんなに良くなかったけど、風とファンの声援に乗って入りました」。序盤から宿敵に先制パンチを浴びせた。 9試合連続でHランプを光らせた若き大砲は、これで終わらない。5回の3打席目には無死三塁からスライダーをはじき返して効果的な中前適時打。4月18日ヤクルト戦以来、今季最多タイの1試合4打点をマークした。 勝利を呼ぶ男だ。勝利打点はチームトップの今季6本目だ。9本塁打、32打点にV打点を加えて「チーム3冠」。さらに本塁打を打てばこれで6連勝と、やはり4番が打てば勝利に近づく。日頃から浜中打撃コーチに「右打者は浜風を利用しろ!」とアドバイスを受ける。右の大砲が活躍すれば、昨季から苦戦が続く本拠地白星も増えていく。 矢野監督も1発で終わらない若き主砲に「すごく価値あるタイムリー。ああいうところで打ってくれるのは、本当の4番の打撃内容」と絶賛した。そして「開幕当初は迷ったりした時もあったけど、やっぱり悠輔の成長がチームの勝ちには絶対必要」とさらなる進化を期待する。 31日からは3ゲーム差で追いかける首位広島と激突する。大山と同学年のスラッガー鈴木との4番対決にも注目が集まる。お立ち台に立った大山は「この前は3タテされてるんでやり返せるように頑張ります」と宣言した。少年が詠んだ「春の大山」が注目を集めた虎の主砲だが、暖かくなり始めた初夏も爆発しそうな予感だ。【桝井聡】 ▽阪神浜中打撃コーチ(4打点の大山に)「あそこは浜風で伸びる。ああいうのも入るんやなと思えれば、悠輔も楽に打てるようになる。これからの季節は結構、風が吹くからね。どっしりとした、4番としての形ができている」

◆阪神矢野監督が令和の大逆襲宣言だ。元号が代わってから、巨人に無傷の4連勝。この日も先制、中押し、だめ押しと理想の試合運びだったが「平成ではたっぷりやられた。まだまだ借りがあるので、しっかり返していきたい」と手綱をギュッと締めた。 投打の歯車がかみ合い、昨季苦戦した甲子園で13勝13敗の五分に戻した。「先発に勝ちがついて、ホールドがついて、抑えにというのは本当に理想の展開。昨日のあの試合の後。2つ取らないと昨日の勝ちも生きてこない。流れのいい勝ち方ができた」と手応え十分だ。 平成では巨人相手に318勝434敗17引き分けと大苦戦したが、天皇代替わりから負けなしとゲンがいい。31日から3ゲーム差で追う首位広島と敵地3連戦。指揮官は「次に戦う上でもいい形でいけた」と語気を強める。3連勝すれば、カープと同率首位になる。堂々と王者の胸を借りる。

◆阪神糸原健斗内野手はダメ押しの5点目をたたき出した。2点リードの7回、先頭1番近本が三塁打を放った直後に左犠飛。 中押し点を「近本が粘って打ってくれたので。追い込まれたけど、なんとか食らいついていこうと思った。いい追加点になりました」と振り返った。

◆阪神2年目の高橋遥人投手(23)が、377日ぶりの復活勝利で巨人連倒を導いた。失点は2回に大城に浴びた2ランだけにとどめ、7回9奪三振の快投。左肩の不調で長らく2軍生活が続いたが、今季3度目の登板で昨年5月以来の白星をつかんだ。高橋遥が阪神に入団が決まった17年12月、阪神板山やDeNA山崎康ら亜大OBが、鹿児島で野球教室を行った。 選手たちはサインを書いて配り、集まった子どもたちを喜ばせた。しかし、高橋遥のサインに子どもたちは「お兄ちゃんのサインはいらなーい!」と無邪気に拒否したという。その様子を見ていた亜大・生田監督はこの日の初勝利を自宅のテレビの前で見届けた。「その子たちもあの時のお兄ちゃんだ、サインもらっておけばよかったなって思ったんじゃないですかね」。そう笑って喜んだのは、雌伏の月日を知るからこそ。「肘が調子悪くて苦しんでいた時を知っていたので、見ててうれしい気持ちです。伸び伸び投げてましたね。たくましいです」。 愛弟子は今年の野球教室できっとサイン攻めにあうはずだ。【阪神担当=磯綾乃】

◆阪神ピアース・ジョンソン投手が登板5試合連続ホールドを挙げた。高橋遥のあとの8回を危なげなく3者凡退。最速154キロの速球は全て150キロを超え、緩急も効果的につけた。 延長12回を制した前日に続いて投手陣が奮闘。「大きい勝ちだね。次の広島戦はもっと大事なシリーズになる。この2試合のようにみんなが仕事をできればいい」と見据えた。

◆阪神梅野バズーカーがこの日もさく裂した。 2点リードの6回無死一塁。3番丸を空振り三振に仕留め、そのまま一塁走者坂本勇人の二盗を強い送球で阻止。4打数無安打に終わったが、先発高橋遥人の今季初勝利を好リード。「緩急をつけられた。ポイントで緩い球を使えたのが良かった」と充実感たっぷり。「最後までスピードが落ちなかった。自信にしてほしい」と左腕をたたえた。

◆阪神が巨人に6年ぶりの4連勝を飾った。初回4番大山が先制3ラン。直後の2回に大城の2ランで1点差とされたが、5回に大山が中前適時打で追加点。7回には三塁打の近本を糸原の犠飛で迎え入れ、点差を広げた。阪神先発の高橋遥は7回2失点の好投。ジョンソン、ドリスの救援陣も締めた。 阪神の高橋遥、大山のヒーローインタビューは以下の通り。 ◆高橋遥 -今の気持ちから 高橋遥 すごく間空いちゃったですけど、また勝つことができてうれしいです。 -どんな思いでマウンドに 高橋遥 去年すごく打たれてしまったので、今回はやり返すぞと思って、思い切って投げることができました。 -見事に7回2失点。やり返しました 高橋遥 よかったです。 -特に怖い丸選手は完璧に抑えました 高橋遥 梅野さんがすごく引っ張ってくれたので、思い切って投げることができました。 -7回の力投、プロ入り最多の120球の力投でした 高橋遥 去年けがして、すごくトレーニングたくさんできたので、しっかり120球最後まで強いボール投げることができました。 -初勝利につながったのは打線の援護も大きかったと思うんですが、プレゼントをくれた大山選手に一言どうぞ 高橋遥 あ、ホームラン、ナイスバッティングでーす。はい。 -次回登板へ向けて 高橋遥 こういうピッチングを続けられるように、しっかり頑張っていくので、応援よろしくお願いします。   ◆大山 -今の気持ちは 大山 なんとか遥人に勝ちをつけてあげたかったので、その仕事ができてホッとしてます、 -先制ホームランから振り返っていきたいんですが、いきなり迎えた大きなチャンス、どんな思いで 大山 なんとか点数を取りたいなと思ってたんですけど、打ち方はあまりよくなかったですけど、風と、ファンの声援に乗ってホームランになりました。 -そして常々大山選手が話すのが「ホームランの後の打席が大事だ」と。5回欲しいところで追加点もお見事でした 大山 うまく打てたので、自分自身にとってもチームにとってもよかったと思います。 -追い込まれてましたけれども、押っつけるように落ち着いたバッティングでしたね 大山 自分の中でいろいろ整理しながら打席に入ることができたので、そこは今までとは違った打席だったかなと思います。 -巨人4連勝。令和の時代に入って4戦4勝です。まだまだ、もっともっと勝ちますか 大山 もちろんです。 -あすからいよいよ広島と直接対決です。抱負を一言 大山 この前3タテされてるので、なんとかやり返せるように頑張っていきたいと思いますんで応援よろしくお願いします。

◆「宝塚歌劇105周年記念ナイター」として行われ、10月13日付で宝塚歌劇団退団する星組トップの紅(くれない)ゆずるが始球式を務めた。 同時退団する星組トップ娘役綺咲愛里(きさき・あいり)と登場。同団員の甲子園始球式は初。投球が外角高めに外れたが大歓声を受けた紅は「360度から見られるってどんな気分なんだろうと選手を尊敬しました。もうちょっとうまく投げたかった」と笑顔。 綺咲は「あの空間にいさせていただいて本当に光栄。これからも阪神タイガース、野球をたくさん応援させていただきたいです」と感激した。 7月12日に宝塚大劇場で開幕する「GOD OF STARS-食聖-」「エクレール ブリアン」が2人の同劇場サヨナラ公演になる。

◆グループトップも白星を見届けた。阪急阪神ホールディングス(HD)角和夫代表取締役会長グループCEOが、今季初めて甲子園での一戦を観戦した。 宝塚歌劇団・小川友次理事長らと訪れ、上位争いするチームの戦況を追った。昨年6月の株主総会で若手の伸び悩み、外国人の期待外れなどを指摘されて「(チームには)結果を出してもらわないとしょうがないと思います」と奮起を促すような発言をしていた。この日は「宝塚歌劇団105周年記念ナイター」とうたわれ、試合後は「宝塚の日に勝ててよかったですね」と笑顔。帰り際には「あしたの広島戦です。まずは初戦ですね」と勝利を願った。

◆阪神2年目の高橋遥人投手(23)が、377日ぶりの復活勝利で巨人連倒を導いた。失点は2回に大城に浴びた2ランだけにとどめ、7回9奪三振の快投。左肩の不調で長らく2軍生活が続いたが、今季3度目の登板で昨年5月以来の白星をつかんだ。◆高橋遥のここまで 金本監督期待の17年ドラフト2位左腕は、昨年4月の広島戦で7回0封で初勝利。だが、左肩の不調で6月中旬から2軍調整のままシーズン終了。先発6試合で2勝(3敗)だった。 その後もコンディションを整えることに専念し、矢野新体制となった今春キャンプは2軍発進。中旬に初めて打撃投手を務め、下旬の練習試合四国IL高知戦で約8カ月ぶりに実戦登板して1回0封。2軍でイニング数を伸ばし、今月5日のDeNA戦(甲子園)で岩貞に代わる緊急先発として約11カ月ぶりに1軍復帰。この日が3試合目の先発だった。

◆阪神2年目の高橋遥人投手(23)が、377日ぶりの復活勝利で巨人連倒を導いた。失点は2回に大城に浴びた2ランだけにとどめ、7回9奪三振の快投。左肩の不調で長らく2軍生活が続いたが、今季3度目の登板で昨年5月以来の白星をつかんだ。チームは巨人戦6連敗後4連勝と巻き返し、今季最多の貯金6。勢いを加速させ、31日から首位広島との3連戦に臨む。高橋遥は8回を締めたジョンソンに「イイネ、イイネ」とベンチで肩を組まれた。「ありがとうございます」。マウンドの堂々とした立ち居振る舞いとは一変。まだまだ初々しい姿があった。 2回に1発を浴びたものの、直球で押して巨人打線に3回以降は二塁を踏ませず。丸と岡本の中軸からの4三振を含めて9三振を奪った。プロ最多の120球を投げても、キレは変わらなかった。「久しぶりに強いボール、納得いくボールがすごく多く投げられた。梅野さんに引っ張ってもらって、思い切って攻めることができました」。巨人には昨年4月の甲子園で5回途中7失点と炎上したが、1年越しにリベンジした。 今季はここまで2試合に登板。23日のヤクルト戦(甲子園)は6回無失点と好投も、援護に恵まれなかった。ようやく昨年5月18日以来、待ちに待った白星を手にした。「ケガしていた分、鳴尾浜でいろいろな人に支えてもらった。全然違います。何百倍もうれしいです」。こみ上げる気持ちは、ひと味違った。 17年ドラフト2位で入団し、昨年4月11日の広島戦で華々しくデビューした。球団新人では59年の村山実以来となる甲子園での初登板初先発初勝利という快挙を達成。しかし、その後は左肩や肘の不調に悩まされた。周囲の期待、初めて体験する痛みに戸惑い、当初はなかなか言い出せなかった。6月10日の登板を最後に2軍調整となった。鳴尾浜で走り込みを続け、シーズンを終えた。元気な仲間を見て「野球ができていいなあ」と漏らすこともあった。この日の登板前、恩師の亜大・生田勉監督(52)に1通のメールを送った。「腕がちぎれても頑張ります」。生田監督は「ちぎれたら困るんだけど...」と苦笑いしたが、懸ける思いの強さがにじみ出ていた。 勝負どころで三振を奪うと、小さなガッツポーズを作った。痛みに苦しまずに気持ちよく腕が振れる。投球の合間に自然と浮かんだほほ笑みは、苦難のバックボーンがあるからこそだろう。矢野監督は「いつも勝てそうだなと見ていた。能力が高い投手、ここからしっかり頑張っていってくれる期待を持てる投球」と絶賛。これからは堂々と先発ローテを守る。【磯綾乃】

◆巨人は、先発ヤングマンが4回途中3失点で降板し、5月12敗目(9勝)で、月間負け越しが決まった。原辰徳監督のコメント。 「リズムという部分で、制球力がいいとは言えない。かなり長いイニング投げさせようと、連戦の中でリリーフも使っているので思ったけど。1点差という中で、バトンを譲る必要がある」 3、4月は16勝10敗の首位とスタートダッシュに成功したが、5月に加速とはいかなかった。22試合中、先発がクオリティースタート(6回自責3以内)を達成したのは7試合で、残る15試合は中継ぎに重い負担を掛けた。 「限られたメンバーでやるしかない。先発ピッチャーがかなりゲームを支配しているというのは誰しもが分かっていることですから。そこは奮起して欲しいところでしょうね」

◆阪神・大山悠輔内野手(24)が30日の巨人戦(甲子園)で、一回に先制の9号3ランを放った。  「打ったのはスライダー。初回の先制点が欲しいチャンスの場面だったので、打つことができてよかったです。風にもうまく乗ってくれました」  1死一、三塁で打席に立つと、カウント1-1からの3球目、外角高めのスライダーをうまくとらえた。左翼への飛球は風に乗ってぐんぐん伸びると、そのままフェンスを越える本塁打となった。  阪神は今季、巨人に開幕から6連敗の屈辱を味わったが、そこから3連勝。前日29日には延長十二回に高山が代打サヨナラ満塁本塁打を放つ劇的な勝利を飾って2位浮上に成功していたが、この流れそのままに、この日もさい先よいスタートとなった。

◆巨人・大城卓三捕手(26)が30日、阪神10回戦(甲子園)に「5番・一塁」で先発出場。3点を先制された直後の二回無死一塁から、バックスクリーン左への2号2ランを放った。  「反撃につながればいいですね」  追撃の一発だ。相手先発・高橋遥が投じた138キロのカットボールを捉え、5月19日の中日戦(ナゴヤドーム)以来のアーチをかけた。

◆阪神は30日、巨人戦(甲子園)に5-2で快勝。伝統の一戦を4連勝とした。  一回1死一、三塁で大山が左翼席に3ランを放ち、先制に成功。先発・高橋遥が1点差に詰め寄られたが、五回無死三塁で再び大山が中前適時打を放ち、中押し。七回には先頭のD1位、近本光司外野手(大阪ガス)の左中間三塁打をきっかけに、続く糸原が左犠邪飛で1点を追加。巨人の反撃を封じた。  高橋遥は7回4安打2失点で、今季初勝利をあげた。

◆阪神が30日、巨人に5-2で快勝し、同カード4連勝を飾った。  ヒーローは一回に先制3ラン&五回に中押しとなる中前適時打を放った大山と、7回2失点で今季初勝利を飾った高橋遥。  --まずは高橋遥投手  「ありがとうございます」  --初勝利  「すごい間があいちゃったんですけど、勝つことができてうれしいです」  --巨人戦のマウンド  「昨年すごい打たれてしまったので、今回やり返そうと思って、思い切って投げることができました」  --7回2失点。やり返した  「はい。よかったです」  --丸相手にも好投  「梅野さんが(リードで)すごく引っ張ってくれたので、思い切って投げることができました」  --120球の熱投  「けがして、しっかりトレーニングができたので120球、最後まで強い球を投げられました」  --打線の援護も大きかった。大山選手に対して  「ホームラン、ナイスバッティングです」  --次回登板に向けて  「こういう投球を続けられるようにしっかり頑張っていくので応援よろしくお願いします」  --続いて、大山選手  「ありがとうございます」  --4番の仕事を終えて  「何とかハルトに勝ちをつけてあげたかったので、その仕事ができてホッとしています」  --一回の先制3ラン  「何とか点数をとりたいなと思っていた。打ち方はあんまりよくなかったですが、風とファンの声援に乗ってホームランになりました」  --一発の後の打席  「そうですね。うまく打てたので自分自身にとってもチームにとってもよかったかなと思います。自分の中でいろいろ整理しながら打席に入ることができたので」  --巨人戦4連勝。令和に入って4戦4勝  「まだまだです」  --もっと勝ちますね  「もちろんです」  --明日に向けて  「この前、3タテされているので、何とかやり返したいと思っていますので、応援よろしくお願いします」

◆セ・リーグ3位の巨人は30日、阪神10回戦(甲子園)に2-5で敗れ、2連敗。2位・阪神とのゲーム差は「1・5」に縮まった。先発のヤングマンが四回途中で降板する中、2年目の鍬原(くわはら)拓也投手(23)が今季初登板で存在感を発揮した。  「ファームでやってきたことを同じようにできたので」  前日29日に出場選手登録されたばかりの昨年のドラフト1位右腕は、チームが5点目を失った直後の七回1死から4番手で登板。糸井をこの日最速となる150キロの直球で遊ゴロに仕留めると、一回に先制の3ランを放った4番・大山も、149キロの内角直球で三ゴロに抑えた。  回をまたいで、八回もマウンドに立った鍬原。福留を二ゴロ、梅野を二飛に抑えた後、マルテには中前打を浴びたが、最後は代打・高山を空振り三振に抑えた。「まずは、こういうところから経験を積んで。やっとスタートラインに立てたので、ここからです」とさらなる活躍を誓った。  鍬原の好投に宮本投手総合コーチも「鍬原が使えるというメドが立ったことは、今日のゲームの中で収穫」と評価した。

◆不敗伝説を誇る阪神・藤原オーナー(電鉄本社会長)が連日の生観戦で、またまた勝利を見届けた。これで球場を訪れての観戦日は9戦9勝。「強いですなぁ。みなさんの応援のおかげで、きょうもまた、全員野球ができました。一戦一戦、1つずつ、戦っていってほしいですな」。ライバル巨人を倒しての快進撃に笑いは止まらなかった。この日午後には電鉄本社で球団からのオーナー報告も行われた。

◆信じら令和~!? 平成に開幕した今季のプロ野球。そしたら、阪神はいきなり巨人相手に6戦6敗。「アカ~ン!! こんなもん、時代でも変わらへんかったら何も変わらへんでェ!!」と悲痛の叫びを上げた虎党...。  ところが、ホンマに元号が平成から令和に変わるや、阪神は巨人に負け知らずの4連勝をするとは...。世の中、どないなっとんね~ん!?  本日、2年目の高橋遥人君が7回を4安打2失点での今季初勝利。お見事...。てか!! 俺はここまでの『低めを大切にする投手』を見たことないわー!! 虎のローテ決定...と言いたいところだけど、阪神の先発は東京五輪の入場券級に競争率が高いのだ!!  青柳に西、岩田、メッセンジャー、岩貞、ガルシアもいれば、秋山に才木もいるところに、本日の高橋遥、さらには昼間のファームで3回を無失点に抑えた、『化けたらメジャー』の藤浪晋太郎が控えているという、し烈な争いなのだ!!  一方、打線も先制3ランの4番・大山が雨の後のタケノコのようにニョキニョキと成長しているし、近本の足も令和の虎の新兵器なり!! イヤ~、令和は平和ないい時代でーす!!

◆(TVインタビュー)  --五回には大山が貴重なタイムリーも  「なかなか次の点が取れていない、しかも追い上げられているところだったので、本当にいいところで4番の働きをしてくれました」  --31日からは広島戦  「僕はいつもそうですけど、選手たちと思い切り楽しんで、苦しいときこそ楽しんでいく、苦しいときこそベンチで声を出して、みんなで頑張っていきます」  (記者の囲み取材)  --高橋遥は直球も走っていた  「3点取って、すぐポンと2点取られて、流れ的には嫌だったけど、しっかり守って、耐えてというか、しっかりしたピッチングをしてくれた。なおかつ最後、球数が増えたところでも最後、もう1イニング行ってくれたっていうのは、本当に価値がある」  --火曜日に雨で流れても高橋遥はそのまま  「もう全然いける自信、結果出たからでなくて、遥人がやってくれるだろうというのを感じていたから。何のちゅうちょもなくというか」

◆編集局のパソコンで、阪神の2軍戦を見ていた。注目はもちろん先発した藤浪晋太郎投手。2軍で何をモタモタしているのか...彼が1軍に加わらないと、今年のタイガースは何も始まらないではないか! という思いでブーたれていたのは誰ですか?...俺ってか。そんなことあるかい。俺は何年、トラ番の悲哀をあじわってきたことか。  這えば立て、立てば歩めの親心で、ひたすら藤浪晋太郎の復活を待ち続けていたのはこの俺だよ(こんなおっさんが随分増えてるんやろなぁ)。  と...モニターをみて思った。彼はノーワインドアップで投げているではないか。ドキッとした。と、そこに編集委員上田雅昭が電話をくれた。思わず「おい、藤浪のあのフォームは鈴木啓示(元近鉄、史上最後の300勝投手と呼ばれたレジェンド)が300勝直前になって大胆に制球力をつけてギアチェンジをしたときのフォームにそっくりじゃないか...」と言ったら、上田記者も「そういえば...ほうふつさせましたなぁ」という。もっとも上田は「あのね先輩、今日の鳴尾浜の2軍戦はものすごい取材陣でして、僕の席なんかなかったんですヮ。それであちこちウロチョロしながらチラ見してましたが...そういえばそっくりでしたナ」というのだ。  ズバリいわせてもらえば、藤浪はやっと"肩の力を抜く"鈴木流にたどりついたといえる。シロウト目にも楽しみな姿でおましたヮ。  どれぐらいこの日の鳴尾浜がフィーバーしていたか。取材したトラ番織原祥平記者が「カメラマン9人、TV局のカメラが5台...ものすごいメディアの数です。そしてやっといい報告ができます! 僕は昼食を食べる場所もヒマもありませんでしたッ!」という電話の声がすべてだ。  2軍戦にこの日が2度目の藤浪にこの熱気。現状の存在感をものの見事に物語っていたのです。  そして...鳴尾浜から矢野監督を先頭に報道陣の"民族大移動"で甲子園がイッキにニギヤカになっていった。  だけど...えてしてこんな時にかぎって皮肉な結末が甲子園には待っているものです。え、少しは素直になれってか。ソレで何度も裏切られてきたじゃないですか...。  ところが甲子園はいきなり近本が俊足を活かし、すぐ盗塁...糸原四球と続いて大山がヤングマンの変化球を浜風に乗せて左翼へ先制3ラン。ナメたらあかんぜよ!  まさにセ・リーグの"風向き"がガラッと変化していた。こんな涼風が吹くとは、4月に東京ドームと甲子園で巨人に6連敗した頃は誰が想像してました? ま、私はこうなるとは思ってましたけど...え、ウソつけってか。そんなもん...俺の腹の底を誰がわかってたんでっか。どれだけこのチームに裏切られ、見捨てられ、いじめられてきたことか。そやからこれぐらいの豹変は見過ごしてくれませんか...多分、今日はこんな人があちこちで増殖してるんやろなぁ...梅田やミナミの赤ちょうちん街では...。  それにしても矢野監督の投手起用は大胆にして細心ですなぁ。高橋遥人への執着と決断のほど加減の良さ...それに糸井(五回)近本(七回)の三塁打の痛打と脚力の魅力はどないだ。さぁ次は鯉コクで広島の酒は...また美味いぞ、皆の衆ッ、いうてたやろ、俺は!

◆ヤングマンは四回途中3失点で2敗目(3勝)を喫した。一回1死一、三塁から大山にスライダーを左越え3ランとされ「少し球が浮いてしまった」。助っ人右腕は5四球を与えるなど先発の役目を果たせず「最近は制球に苦しんでいる。制球力を向上して、試合につなげることが課題」と反省を口にした。 ヤングマンに巨人・宮本投手総合コーチ 「もう少し投げないといけないよね。今のリリーフ陣、連戦を考えると6、7回までは責任というのがあると思う」

◆2年目左腕・高橋遥を攻略できなかった。7回2失点の好投を許した巨人・原辰徳監督(60)は「なかなか追加点が取れなかった」と眉間にしわを寄せた。  チームとして計5安打では厳しい。前日2発の丸は4打数無安打。特に2点を追う六回無死一塁で、フルカウントから高めのボール球で空振り三振を喫し、一走・坂本勇も盗塁死。三振併殺で反撃ムードがしぼみ、丸は「見極めないといけなかった」と肩を落とした。  原監督は28、29日に中島と陽岱鋼の両ベテランを直接指導。再生を図っているが、中島は指導後の2試合で5打数無安打、陽も1打数無安打と快音はなし。キーマンの状態が上向くことも、再浮上への1つの鍵となっている。  今季の阪神戦は開幕6連勝の後に4連敗。虎に4連敗を喫したのは2013年以来6年ぶりとなった。一回に4番・大山に先制3ランを浴びており、原監督は「やっぱり(相手の)4番を抑える、あるいは(巨人の4番が)抑えられるかが勝利を左右する」と、1安打の岡本にも奮起を求めた。5月は9勝12敗。1試合を残して月間の負け越しが決まった。 (伊藤昇)

◆走って、走って、走った分だけ、虎を勝利に加速させた。D1位・近本光司外野手(大阪ガス)が一回に内野安打&リーグトップの15盗塁目で先制機をお膳立てした。  「しっかり準備できたことがよかった。それで(チームが)勢いづいたと思います」  これまで通算2試合で2勝を献上し、打率・140と打ちあぐねてきたヤングマンの立ち上がりをかき乱した。一回先頭で外角高め145キロを振り抜くと、打球は高く弾んで遊撃手前へ。快足を飛ばし内野安打をもぎ取った。さらに続く糸原の打席の初球で鮮やかに二盗成功! リーグ単独トップとなる15盗塁目を決め、瞬く間に無死二塁の好機を演出した。  一度走り出したら、もう止まらない。4-2の七回先頭では高木から10球粘って左中間へ。中堅が打球の処理にもたつく間に、一気に三塁まで陥れた。「打った瞬間、3つ目を狙っていました。二塁打より三塁打の方がいいと思って、しっかり走りました」。こちらもリーグトップの5本目でチャンスメークすると、糸原の左邪飛でタッチアップして生還。5点目を再び足でもぎ取り、満面の笑顔でハイタッチだ。  失敗の数だけ学びを得てきた。盗塁数「15」がリーグトップなら、盗塁死数「8」もトップ。しかし、ミスはそのままでは終わらせない。その姿勢は打席でも同じ。「たとえば、同じ投手に前回の対戦と同じような三振をしてしまったとき。(前回は)その次の打席でどんな攻めをされたかを、メモを見て確かめて打席に向かいます」。打席ごとに欠かさずつけているチャート用紙を、試合中にも念入りに確認。悔しい経験は余すことなく次に生かす。だから成功も自然と増えていく。  「内野安打もそうですし、1球目で盗塁など、いろいろ想定しながらやっています」  地道な準備が結果につながる。近本が虎を力強く引っ張り続ける。 (箭内桃子)

◆七回、プロ最多の120球を投げた。先発の役目を十分に果たした高橋遥は、充実感をかみしめてマウンドを降りた。昨年5月18日の中日戦(ナゴヤドーム)以来377日ぶりの白星。大山と並んだ今季初のお立ち台で飾らずに表現した。  「1軍の試合(での勝利)は、けがしてから長かったので、率直にうれしいです」  二回に大城に2ランを被弾した以外は完璧だった。キレのいい直球にカットボール、そしてここぞでスライダー。三、六回には2年連続MVPの丸を、四、六回には主砲・岡本に空を切らせた。六回を終えて99球。まだ行ける。首脳陣の判断に応えた。「七回は全力で全部投げた。納得のいく力強いボールが投げられました」。三者凡退で締めて7回4安打2失点。9奪三振の力投を矢野監督も「最後、球数が増えたところでもう1イニング行ってくれたのは、本当に価値がある。内容も含めて、本当に素晴らしい投球」と絶賛した。  1年目の昨季、前半だけで2勝を挙げたが、6月中旬に左肩のコンディション不良で離脱。リハビリの日々が始まった。アマチュア時代には長く投げられない経験があまりなかったこともあり、焦りや葛藤に襲われた。  乗り越えられたのは、同じように復活に向けて汗を流す仲間の存在が大きかった。特に脳腫瘍からの復活を目指す同級生の横田が手本になった。「自分のやり方や生活のリズムがしっかりしている。朝も早いし、絶対練習後はこれをやるとか決まっている」。ルーティンを崩さない姿を見て、自身も意識改革に取り組んだ。気持ちの波がある性格を改善するよう、投げられない日が続いても弱音を口にしなかった。トレーニングでも、あまり鍛えたことがなかった左腕を鍛えて、けがの再発防止に努めた。  そんな姿を矢野監督も見ていた。火曜日の試合が雨天中止となっても、将は登板日を変えなかった。「全然いける自信、遥人がやってくれるだろうと感じていたから」という厚い信頼に応えた。  「こういうピッチングを続けられるように頑張っていくので、応援よろしくお願いします!」  お立ち台で初々しく喜びを爆発させた。もっともっと勝利に貢献して、笑顔の花を咲かせる。 (織原祥平) 今季初勝利の高橋遥をリードした阪神・梅野 「ボール先行の中でもなんとか平行カウントに持っていって、粘り強く投げてくれた。7回2失点は自信に変えてほしい。(リードに)しっかり応えてくれました」 高橋遥について阪神・福原投手コーチ 「球数も多かったけど、しっかり投げられていた。次も期待できる。ホームランを打たれた後もしっかり切り替えて投げてくれた」

◆連勝や~! 阪神は30日、巨人戦(甲子園)で5-2と快勝。延長十二回劇的サヨナラ勝利した前日29日の勢いそのままに、一回に大山悠輔内野手(24)が先制の9号3ランを放った。これで令和に入ってから巨人戦は4連勝。貯金は今季最多の「6」に増え、きょうからは首位広島と敵地で直接対決。鯉のシッポも捕まえて、引きずり下ろすでぇ~!!  大山が振り切った打球は、まだ明るい甲子園の空にフワリと上がった。走りながら打球の行方を追う。虎党の大歓声に、そして浜風に乗って打球は伸び続け、左翼ポール際にストンと落ちた。  「打ち方はあまりよくなかったですけど、風とファンの声援に乗ってホームランになりました」  高山のサヨナラ満塁弾で劇的勝利を収めた前日29日の余韻も後押ししたか。4月20日の対戦では8回3安打無得点に抑えられた難敵ヤングマンに先制パンチを浴びせた。  一回1死一、三塁で外角高めのカーブをフルスイング。完璧な当たりではなかったが、フワリと上がった打球は右翼から左翼へと吹く浜風に乗って思った以上に伸びた。昨年から浜中打撃コーチに「右打者は浜風を利用しないといけないぞ」と言われ、意識してきたことが結果につながった。  追加点が取れそうで取れずに迎えた五回にも4番の仕事。糸井の虎移籍後初三塁打に続き、田口のスライダーを中前へ。これでこの日4打点。4番が4打点で、2013年以来6年ぶりの巨人戦4連勝に貢献だ。  矢野監督は「風にも乗った効果的な本塁打。次のもう一本も価値あるタイムリーだった。ああいうところで打ってくれるのが4番」と絶賛。開幕から4番で起用し続ける主砲に「やっぱり悠輔の成長がチームの勝ちには絶対必要。それにしっかり応えてくれている。逆に言うと、悠輔を大きく育てる打順が4番。4番といえば大山といってもらえるような選手に近づいていってくれたら」とさらなる期待をかけた。  尽きない情熱があるから、進化し続けられる。侍ジャパンに参戦していた3月8日、オリックスの吉田正と大阪市内の小学校をサプライズ訪問して「夢」と題して講演した。児童から「野球のどこに魅せられたのか」と質問されて、応えた。  「小1のとき父に地元の野球チームの試合を見に連れていってもらって、そのまま試合に出させてもらった。そのときの打球を追って拾う感覚だったり、捕ったときの景色が忘れられない」  少年時代を思い出しながら熱弁を奮った。楽しくて、無心でボールを追ったあの日。キラキラと輝く原風景が、今でも大山を突き動かしている。  巨人には開幕から6連敗したが、令和に入って4連勝。指揮官は「平成ではたっぷりやられた。まだまだ借りがあるので返していきたい」。そして、31日からは3ゲーム差で追いかける首位広島と直接対決だ。大山は「この前(17-19日)は3タテされているので、何とかやり返せるように頑張っていきたいです」と気合を入れ直した。主砲がもっともっと打ちまくって、虎をVへと導いていく。 (菊地峻太朗) 大山について阪神・浜中打撃コーチ 「浜風を使うのは難しいけど、(使えれば打球が)伸びる。ああいう打球は(大山)悠輔にとっても楽になる。きょうみたいなホームランが出れば、4番として本人にとっても自信になると思う」

◆厳しく糾弾させてもらう。リリーフが足りない、頼りないだと嘆く前に、先発投手のふがいなさは何だ。野球は先発がしっかりしないと、話にならないんだよ。  ヤングマンはヨーイどんで、ふらふらしたカーブと、へなへなしたスライダーばかり。長身なんだから、打者が腰を引くくらいの変化をすればまだしも...。ただ緩~く、曲げ~て、いるだけ。回転も切れもあったものではない。しかもそれを、緩い球しか打てない相手に投げるかね。  それ以前に、ストレートあっての変化球。ピッチングの基本はストレートであることを、完全に忘れている。ストレート自体に力がなく、自信も持てないから、"ふらカーブ"に頼らざるをえないんだろう。  こうなると、練習不足としか、言いようがない。あのピッチングを見ても、それは明白じゃないか。1週間に1度しか登板しない投手が、ふだん何をしているのかね。  分かっているだろうけど、ヤングマンだけではなく、他の先発陣にも通じる話。もちろん、投手コーチ陣にも言わせてもらう。調整を選手任せにしていたら、ダメだ。投げ込み、走り込みをさせて、個々のレベルを上げていかないと、チームの上昇も、ないよ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆巨人に連勝できた原動力は1番・近本、4番・大山の活躍。2人が今の阪神を引っ張っている。  近本は、相手にとって本当に嫌な打者になっている。七回、簡単に追い込まれながら、そこから粘って10球目のカットボールを左中間三塁打。「対左腕」を注目してきたが、絶対に引っ張ろうとしない。打率が落ちない最大の要因だ。  続く糸原の左邪飛で、迷うことなくタッチアップで生還した。この場面、巨人は「走らないのでは」と判断して捕球したが、相手の予想を覆す俊足が近本にはある。もぎ取った1点が巨人に与えたダメージは大きい。一回にはボテボテが遊撃内野安打になり、次打者の初球を二盗。勢いをもってくる選手だ。  4番・大山も期待以上。一回1死一、三塁は最低でも犠飛が求められる。つまりフライを打たなければいけない。状況を把握した打撃ができている。五回無死三塁では、真っすぐ3球で追い込まれたカウントからスライダーを仕留めた。読みに勝った内容のある打撃。4番らしくなってきた。  打線のキーマンである1番&4番が元気で、打線が固定されている阪神。当分、面白い戦いができるだろう。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
31191 0.620
(↑0.008)
-
(-)
92221
(+13)
191
(-)
53
(+3)
34
(+1)
0.258
(↑0.003)
3.080
(↑0.06)
2
(-)
阪神
28222 0.560
(↑0.009)
3
(-)
91206
(+5)
211
(+2)
40
(+1)
33
(+2)
0.248
(-)
3.530
(↑0.03)
3
(-)
巨人
25221 0.532
(↓0.011)
4.5
(↓1)
95239
(+2)
200
(+5)
66
(+1)
24
(-)
0.266
(↓0.002)
3.830
(↓0.03)
4
(-)
中日
22270 0.449
(↓0.009)
8.5
(↓1)
94180
(+1)
190
(+8)
33
(-)
29
(-)
0.260
(↓0.002)
3.750
(↓0.09)
5
(1↑)
DeNA
21280 0.429
(↑0.012)
9.5
(-)
94192
(+8)
209
(+1)
56
(+1)
14
(-)
0.244
(↑0.003)
3.900
(↑0.06)
6
(1↓)
ヤクルト
21302 0.412
(↓0.008)
10.5
(↓1)
90239
(-)
276
(+13)
62
(-)
21
(-)
0.240
(↓0.003)
4.710
(↓0.16)