1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
広島 | 2 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 11 | 2 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 6 | 1 | 0 |
勝利投手:アドゥワ 誠(2勝1敗0S) 敗戦投手:秋山 拓巳(2勝2敗0S) |
◆広島が7連勝。広島は初回、鈴木の適時打で2点を先制する。3-0で迎えた4回表には、菊池涼とバティスタの連続適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・アドゥワが7回無失点の好投で今季2勝目。敗れた阪神は、先発・秋山が試合をつくれず、打線も1得点と振るわなかった。
◆阪神先発の秋山拓巳投手(28)が5回9安打5失点でマウンドを降りた。初回に3連打を浴び、2点を失うと、その後も流れを断ち切ることはできず、広島打線につかまった。 「勝負球が甘くなり、常にランナーを背負う苦しい投球となってしまいました。初回から失点を重ねて、追いかける展開を作ってしまい、チームに申し訳ないです」 秋山は7日ヤクルト戦(神宮)以来、中11日での先発マウンドだったが結果を残すことはできなかった。 阪神打線も広島先発のアドゥワを相手に5回まで無得点で、秋山を援護できなかった。
◆広島は1回、4番鈴木の2点二塁打で先制。2回にも2番菊池涼の適時内野安打が飛び出し、3回を終えて3点リード。 広島は3点リードの4回、菊池涼、バティスタの2者連続適時打で2点を追加。先発アドゥワは6回を終えて3安打無失点。 広島が快勝で7連勝を飾った。アドゥワは今季2勝目。菊池涼は4安打2打点。阪神は打線がふるわず、同一カード3連敗。 阪神秋山が2敗目。
◆阪神中谷将大外野手が意地のタイムリーで21イニングぶりの得点をたたき出した。 完封負け間近だった9回2死二塁、一岡の外寄り143キロ直球を引っ張った。ライナーを左翼線にはずませる適時二塁打。17日広島戦の7回から続いていたゼロ行進をストップさせ、「結果が出るように必死でした。結果を出せたのは良かったです」と冷静に振り返った。 一塁レギュラーのマルテはこの日先発した右腕アドゥワを相手に、4月30日広島戦で2打席連続併殺打を含む3打数無安打。中谷は出場3試合連続安打の勢いも買われ、7番一塁で4月23日DeNA戦以来となる今季12度目のスタメンを勝ち取っていた。7回にも中前打を放ち、今季3度目のマルチ安打も記録。「次もしっかり結果を残せるように頑張ります」と力を込めた。
◆広島が4月17~27日の8連勝に次いで今季2度目の7連勝。広島が7連勝以上を2度記録するのは17年(10連勝1度、9連勝1度、7連勝1度)以来だが、開幕から43試合目までに2度は球団史上初めてだ。 4月16日時点の広島はチーム防御率4・37で4勝12敗の最下位だったが、同17日以降はチーム防御率2・28で20勝6敗1分け。投手陣を立て直して首位巨人へ4厘差に迫った。
◆広島2番菊池涼介内野手が今季初の4安打と奮闘した。1回は右前打でチャンスメークし、鈴木の二塁打で生還。 2、4回に適時打を放ち、2打点もマークした。打率を3割4厘と大台に乗せ、9回には二盗も成功させた。緒方監督は「非常にいい打撃をして、頼もしい限り」と絶賛。本人は「またがんばります」と淡々としていた。
◆今季初登板した阪神谷川昌希投手が2イニングを無失点に抑えた。 6回から2番手で登板。7回には先頭打者を味方失策で出塁させたが、後続を断った。「テンポを意識して、腕を振って投げることだけを考えました」。矢野監督も「競ったところや、連投が続いたなかで谷川もそういうところに入ってくれるとチームとしてはすごく助かる」と期待を寄せた。
◆広島が今季2度目の7連勝を決め、首位巨人にゲーム差なしの4厘差と迫った。先発アドゥワ誠投手(20)が7回を0封して2勝目を挙げ、菊池涼介内野手(29)が4安打2打点と奮闘した。 緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り-アドゥワが好投 緒方監督 前回に続いていいピッチングをしてくれた。打たせて取る持ち味がしっかり出ていた。 -7回1死三塁の場面で無失点 緒方監督 そういうところが大事だからね。ランナーを出してもしっかりと切り替えて、次の打者に対して、簡単には失点しないという。彼の評価にもつながってくる。打線も先制、中押しといい攻撃をしてくれた。反省するところはあるんで、そこは反省してね。 -菊池涼が4安打 緒方監督 連戦から抜けて、2試合、3試合というところで体も元気になってきて。非常にいい打撃をして、頼もしい限りです。
◆阪神梅野隆太郎捕手が主導権を握れなかったことを反省した。この3連戦は先発投手が序盤に先制を許した。 リードを守る展開に持ち込めず「守備からリズムを作っていくのが今後の課題。勝ちパターンにうまくつなげなかった」と話した。この日は打撃でも快音は響かず。9回1死一塁で痛烈な当たりを放ったが、遊撃の正面に飛び、4打数無安打に終わった。
◆阪神が投打に精彩を欠き、広島に同一カード3連敗を喫した。貯金はゼロになり、勝率5割に。甲子園で8勝13敗と力を発揮できない状況になっている。 試合後の矢野燿大監督の談話は以下の通り。 -甲子園で悔しい思い いつも勝ちたいと思ってやっています。甲子園でいい姿を見せたいと思ってやっているなかで、こういうこともある。ただ、次の試合もこういうことがあるのは、すまされない。前を向いて戦っていくだけです。 -いい当たりが正面を突いた。得点力の修正を どうやって点を取っていくかはウチのずっと課題。一喜一憂する部分ももちろんありますけど、自分らがどうやって点を取っていくかを見つめながらやっていくしかない。 -アドゥワはつかみどころがなかった 先に点を取られると、なかなか、打線も盛り上げるのは難しい。早い段階で得点できれば状況を変えられた。投手やバッテリーの反省もある。 -2試合連続で1回に失点して追う形になった 俺としてはバッテリーがもうちょっとやることあるん違うかな。梅野はここまでよく頑張っている。苦しい時期もありながら、いろいろできてきたけど、アキ(秋山)もずっとローテーションを守っていない登板で1回1回が強く気持ちも意気込んで、どんどん行くなかでも引っ張っていったり落ち着かせたりとかね。
◆18日の敗因を矢野監督から「4番の差」と指摘された阪神大山悠輔内野手が意地のマルチ安打を放った。 6回に中前打を放ち、9回には先頭打者として再び中前に運び、中谷の適時打を生んだ。チームの敗戦に「切り替えてしっかり頑張ります」と話して、クラブハウスへと向かった。
◆阪神木浪聖也内野手が失策を反省した。7回、先頭菊池涼の打球を正面でグラブに当てながらも後逸。「切り替えないと駄目なので、次に向けてしっかり準備していきたいです」と前を向いた。 打撃で取り返したい気持ちは「もちろんありました」と話したが、この日は4打数無安打に終わった。
◆阪神の糸井嘉男外野手はフェンス激突による負傷交代から一夜明け、いつもの「3番右翼」で先発出場した。 18日広島戦の4回に鈴木の飛球をスライディングキャッチで邪飛にした際に膝をぶつけた模様だ。試合前のフリー打撃には姿を現さなかったが、清水ヘッドコーチによると「室内で打っていた」という。古傷のある右膝は万全ではないが、開幕から全44試合に出場している。この日は4打数無安打に終わった。
◆ついに広島が、首位巨人にゲーム差なしの勝率4厘差に肉薄した。先発アドゥワ誠投手(20)が7回を4安打0封。打たせて取る持ち味を発揮し、三振0で2勝目を挙げた。一時は借金8を背負い、首位に7ゲーム差と出遅れた王者は、投打の歯車をかみ合わせ今季2度目の7連勝。休養日をはさんだ21日にも、開幕戦以来の首位に立つ。敵地甲子園の左翼スタンドから「アドゥワコール」が沸き上がる。アドゥワは派手に喜ばず、いつものように少しうつむきながらベンチに引き揚げた。5-0の7回の守り。1死から中谷に打たれた中前打を中堅野間が後逸し、打者走者に三塁まで進まれた。「カバーしたかった」。木浪を浅い左飛、代打鳥谷を捕邪飛。いずれも真っ向勝負で凡退させ、7回を無失点で締めくくった。 雪辱戦だった。前回4月30日の対戦は、同じ甲子園で6四球を出し自滅した。1回に押し出しを含む4四球で先制され、5回3失点。「コースを狙いすぎた」と猛省した。この日の四球はわずかに2つ。三振を1つも取らず、21個のアウトのうち併殺を含めた14個を内野ゴロで奪った。「しっかりとゴロアウトを取れた」と振り返った。 昨季中継ぎのアドゥワが華麗に転身した。成功の秘密は、3月中旬から2軍のローテで経験を積んだことと、スライダーを本格的に投げ始め、投球の幅を広げたことだ。この日は111球の球数のうち22球がスライダー。「見せ球」と話していたが、1回先頭近本、5回の代打高山など、のべ4人に決め球として使い、すべて凡打に仕留めた。 広島といえば強力なクリーンアップが売りだが、開幕からチームを支えてきたのは投手陣。防御率3・04はリーグ断トツだ。序盤は大瀬良、床田、野村が奮闘し、ここにきてジョンソン、アドゥワが安定。投打の軸をかみ合わせ、一気に首位を奪う。【村野森】
◆"東京ドーム酔い"で虎の猛打消滅!?阪神が広島に痛恨の3連戦3連敗を喫した。 19日はアドゥワに苦戦してゼロ行進。9回に1点を奪うのが精いっぱいだった。直前の15日巨人戦はエース菅野に4発11安打を浴びせ、プロ初の10失点で完全KO。東京ドームで合計5本塁打を見舞ったが、広い甲子園では一転して貧打に。3戦で3得点に終わった。広島戦4連敗で勝率5割に逆戻り。劇勝が台無しやんか...。4日前の鮮やかな菅野粉砕は何だったのか...。阪神が直前カードの巨人戦連勝の勢いを完全にそぐ、3連戦3連敗を喫した。15日には巨人のエースに4発を浴びせてプロ初の10失点でKOしていた。本拠地で猛打を再現するはずが打線は急降下...。この日はアドゥワを打ちあぐねて走者を出しても得点できない。打てそうで崩せず、満員甲子園はもどかしさだけが募った。 1、2回で3点を先行される劣勢も響いた。4回無死一塁。福留が微妙に沈む速球を引っ掛けて、3-6-3の併殺打。百戦錬磨のベテランでも苦戦する、つかみどころのなさ。矢野監督は首をひねる。「真っすぐが沈むというか、ツーシーム系を投げているのか、自然に沈むのか、俺には分からないけど...」。4月30日に攻略したアドゥワへ白星を献上してしまった。 また「東京ドーム病」の症状が出た。狭い敵地で猛攻撃した直後、広い甲子園で一転して貧打に陥るジンクスだ。15日は18安打13得点。アーチ5発を懸けた。指揮官も「こういう攻撃ができたのは、みんなの自信にしていい」と胸を張っていたが、目に見えない力みが出たのか、打線は空回り。17日広島戦で2得点後、この日の8回まで20イニング連続無得点の惨状だ。指揮官も言う。 「この前のジャイアンツに結構しっかりみんなが打ったなかで(その後は)こういう試合にもなりやすい部分もある。消極的になり過ぎている感じも俺はしない。もしかしたら気持ちが先行し過ぎているという部分もあるかもしれない」 歴史は繰り返す。昨年も8月26日に東京ドームで14安打9得点の逆転勝ちした後、同28日ヤクルト戦(甲子園)で6安打完封負け。悪夢の3連戦3連敗を喫していた。かつて、あるベテランは自らを戒めるように言ったものだ。「東京ドームで大勝した後の甲子園は要注意やね。気持ちいいから、フリー打撃でも、つい大振りしてしまう。低いライナーを、コンパクトに打つことやな」。東京ドームの快音に酔いすぎると、ひどい目に遭う。昨季苦戦した甲子園で5連敗。8勝13敗と借金5に増えた。【酒井俊作】
◆19日の広島戦(甲子園)に先発した阪神・秋山拓巳投手(28)は5回を9安打5失点。試合をつくることはできなかった。 「勝負球が甘くなり、常にランナーを背負う苦しい投球となってしまいました。初回から失点を重ねて、追いかける展開を作ってしまい、チームに申し訳ないです」 一回1死から菊池、バティスタ、鈴木に3連続長短打を浴びて2点を先制されると、二回にも先頭の田中に右翼線二塁打、2死から菊池の投手強襲の適時内野安打を浴びて1点を失った。 前回対戦の4月30日(甲子園)では7回3安打無失点で今季初勝利を挙げたが、好投の再現とはいかなかった。
◆広島の菊池涼が4安打2打点と活躍した。一回は右前打で出塁。鈴木の二塁打で先制のホームを踏んだ。二回には適時打を放ち、四回には右翼線へ三塁打。「うまく対応することができた」と笑顔を浮かべた。 これで7試合連続安打と好調を維持。緒方監督は「非常にいい打撃をしていて、頼もしい限りです」と信頼を寄せた。
◆阪神は19日、広島戦(甲子園)に1-5で敗れ、同一カード3連敗。矢野燿大監督(50)は試合後のインタビューで「前向いて戦っていくだけ」と険しい表情で語った。一問一答は以下の通り。 --悔しい連敗になったが、甲子園で悔しいゲームが続いている 「いえいえ、まあ、これは終わったことで仕方がないんで、はい。いつも勝ちたいと思ってやっていますし。甲子園でいい姿をね、見せたいと思ってやっている中で、こういうこともあるんでね。ただ次の試合も『こういうことがあるんでね』っていうことでは済まされないんでね。前向いて戦っていくだけです」 --いい当たりが正面を突いたりもあったが、打線の得点力をどう見ているか 「それは仕方がない部分もね、ありますし。その(いい当たりの)ライナーも凡打は凡打ですし、ラッキーなヒットもあると思うんでね。まあどうやって点を取っていくかっていうのは、うちのチームとしての今年の課題でずっと、ある部分なので。まあ一喜一憂する部分ももちろんありますけど。でもやっぱり、自分らがどうやって点取っていくかっていうのを見つめながらやっていくしかないと思うし、まあ、そこの中で成長していける部分があると思っています」 --点差がある中ではあったが、初登板の谷川を含め2番手以降の投手が奮闘した 「まあそうですね、谷川は今シーズン初めての登板だったんでね。競ったところや連投が続いた中で、そういうところで谷川も入ってきてくれるとチームとしてすごく助かるんで。浜地が昨日(18日)はスケールの小さいピッチングをやってましたけど、きょうは堂々と向かっていけた部分もまあ、あったかなと思うんで。ピッチャーは何人出てきてくれてもありがたいんで。堂々と、どんどん向かっていってくれればと思います」
◆--アドゥワはつかみどころがなかった 矢野監督「真っすぐが沈むというか、ツーシーム系を投げているのか、自然に沈むのか。どうしても先に先に点を取られると、なかなか打線も追い上げて、って難しい。まあでも早い段階で得点できれば、状況というのは変えられたと思う。もちろんバッテリーはバッテリーでの反省はあるし、(打者も)『点取られへんからごめんなさい』ではチームとしても良くないんで」 --打線が元気がない 「1年間でこういうこともあるし。この前のジャイアンツ(戦)はみんなが打って、(その後は)こういう試合にもなりやすい部分もあるのかなとは思うけど。消極的になり過ぎているという感じもしないし。気持ちが先行し過ぎているという部分は、あるかもしれないけど」 --初登板の谷川を含め2番手以降の投手は 「そういうところ(中継ぎ陣)に入ってきてくれると、すごく助かる。浜地は昨日(18日)は"スケールの小さいピッチング"をやってましたけど、きょうは堂々と向かって行けた部分もあったかな。ピッチャーは何人出てきてくれてもありがたい」
◆あ~ぁ。ため息渦巻く甲子園も3日連続となると、エエ加減にしろや...と言いたくもなる。長いペナントレースで、やっちゃいけない、避けなければいけないことが同一カード3連敗。いわゆる3タテというやつ。これを食らうと、イッキに気分は落ち込む。 ことしの阪神。4月に2度、巨人に食らわされた。そこから盛り返して、今がある...のに、再び嫌な空気が漂い始めてしまった。貯金は使い切って、再び5割に逆戻りだ。家路に就く虎党の重い足取り-。 そういえば、ほんの何時間前、甲子園のある一角に弾ける笑顔があったのになぁ...。あの盛り上がりは、いったい何だったのか?! 舞台は右翼スタンド下にある甲子園歴史館多目的ホール。サンケイスポーツ専属評論家であり、代打の神様としてタテジマの一時代を築いた八木裕氏のトークショーが開催された。司会の梅じゅんことフリーアナウンサー、梅田淳氏が名調子を披露。そこにサンスポイベントならどこへでも、の"オジャマ虫"運動部長・大澤謙一郎も駆け付けての掛け合いに。 「このイベント、サンスポは何度も開催してきましたが、過去最多の70人が参加。参加者の反響も史上最高でした」 普段からやかましい部長大澤が、さらに輪をかけて興奮気味。シーズン前の阪神順位予想が3位の梅田アナ、何とBクラス4位予想の八木氏、さらに5位という非常識?! 予想の大澤も加わって、ファンは爆笑の連続だった。 質問コーナーでは「再び甲子園にラッキーゾーンを」という提案が。 「ラッキーゾーン撤去の一番の被害者は私ですから」 八木氏の"前ふり"にまたまた爆笑の場内。ラッキーゾーンが撤去された1992年、その終盤9月11日。今に語り継がれる幻のサヨナラ弾を放ったのが八木氏だった。一度は本塁打判定が、ヤクルト・野村監督(当時)の激しい抗議の末に覆ってエンタイトル二塁打。結果、サヨナラは取り消され、延長に突入し、十五回まで、日本最長6時間26分の死闘になってしまう。もし、ラッキーゾーンが残されたままなら...。判定が覆らなければ...。あの年、阪神は優勝していたかもしれない。歴史を変えたラッキーゾーン!(ちょっと大袈裟かな) 八木氏からは"被害者"らしく、打者を思いやる意見があった。 「レフト方向は浜風に乗って比較的本塁打は入る。でも、逆にライト方向は浜風があって、打球が押し戻されてしまう。だからライトにだけラッキーゾーンを設置してはどうか。野球場は別に左右対称でなくてもいいんですから」 なるほどなぁと頷く、参加した熱烈虎党たち。ところが、皮肉にも直後の試合で"たられば"の打球が相次ぐ。一回の糸井の右飛。ラッキーゾーンがあれば同点2ランだった。四回の菊池涼の右翼線を抜けて外野フェンスを伝った三塁打も、ラッキーゾーンがあれば、違った打球になったに違いない。 ただ、こんな話題もシーズン中では空しさが増すばかり。今はひたすら、連敗ストップを願います。
◆アドゥワが7回無失点で2勝目。三振は一つも奪えなかったが、動く直球を軸に、打たせて取った。「低めに集めることを意識した。走者は背負ったけれど、要所を締められた」と充実感をにじませた。プロ初完投した12日のDeNA戦(マツダ)に続く好投。緒方監督は「持ち味がしっかり出ていた」とたたえる。好調の打線に加え、若い投手の台頭で広島の勢いが増している。
◆「ウ~ウ~ウ~、前の阪神車止まりなさーい!!」。ヒャ~、パトカーに停止を命じられてもうたァ! 「何しとんねん!! 現在、春の交通安全運動と同時に『野球安全運動』が実施されとるのに、3連敗の逆走をしたらアカンやろー!! 見てみぃ、巨人車も広島車も順調に走っとるやないかァ!?」 「すんまへん」 「まあ、今日は大目に見るさかい(えーっ!? 逆走を大目に見るのか?)、二度とこーいうことはしないように!!」 「は、はい!! では失礼します」。アレ? 阪神車が発車しまへ~ん? 「アホかァ!! (打線が)アクセルとブレーキを踏み間違えてるやないかァ!! それじゃ進むかいなァ!!」という具合で2試合連続の零封負けを食らいそうな、わずか1得点、トホホ...。プロ野球のレギュラー免許取り立ての若虎が多いから、そろそろハンドルさばきならぬ"バットさばき"に疲れが見え始めているのだ(ルーキー・近本、木浪のバットから快音が消えつつある)。 さ、こーいうときこそ昨季まで2軍監督を務め、若虎とともに汗を流してきた矢野監督の采配の見せ所なのだ。矢野さん、まずは次の燕車をあおったれー!!(あおり運転は絶対にダメですよ!!)
◆阪神・清水ヘッドコーチは「(広島は)強い。そこに勝たないといけない」と語気を強めると、一回の木浪の守備について「(捕球後にこぼして)見た目が悪いよね。球際に強くなるように練習していくしかない」と苦言。藤本内野守備走塁コーチは「(バティスタの打球が)チェンジアップ気味になった」と変化があったとした上で「1回(グラブに)入ったんだから。球際に強くなれるように。投手を助けられる内野手になってほしい」と話した。
◆九回2死から執念の打球が左翼線に跳ねた。今季ワーストの連続イニング無失点に終止符を打ったのは中谷。スコアボードに21イニングぶりの得点を刻み、虎党の留飲を少しだけ、下げた。 「結果が出せるように必死なので。結果が出せてよかったです」 敗戦に言葉少なも、2戦連続零封負けを阻止したのは0-5の九回。中前打で出塁した大山を二塁に置き、一岡の外角143キロを振り抜いた。 アドゥワとの前回対戦で2度の併殺打に倒れていたマルテに代わり、「7番・一塁」で4月23日のDeNA戦(横浜)以来、22試合ぶりのスタメン出場。抜てきした矢野監督は「これだけ満員のお客さんが来てくれる中で、得点するっていうのが一番、喜んでもらえる。やっぱりゼロっていうのは良くない」と、意地の一本を評価した。 七回の中前打を合わせて、2安打1打点。中谷は「次もしっかり結果を残せるように頑張ります」とさらなるアピールを誓った。 (新里公章)
◆阪神は広島に1-5で完敗。今季3度目の同一カード3連敗で、勝率は5割に戻った。今季最多の観衆が詰めかけた甲子園では5連敗。貧打が顕著だが、序盤の失点から追いかける試合展開が続き、矢野燿大監督(50)は「バッテリーでもうちょっとやることあるんちゃうかな」と梅野隆太郎捕手(27)に注文を出した。 勝つための可能性をつかんで離さぬよう、導いてほしかった。繰り返された凡打と、次々にスコアボードに刻んだ「0」も痛い。貧打は言わずがなだが、矢野監督があえて口をとがらせたのは、序盤からズルズルと失った点の方だった。自分自身も捕手だから、梅野にもっと上を目指して欲しいから、より高いレベルを求めた。 「タラレバ言ったら仕方ないけど、(一回の)2点でこう終わってると(また違った)。ゲームは生きモンなんで、言い訳にできないけど。俺としては、バッテリーでもうちょっとやることあるんちゃうかなと」 一回から秋山が鈴木に2点二塁打を許し、連日の先制点を献上。将は「やっぱりしんどい」とこぼしたが、少なくともこの2点で、つなぎ止めて欲しかった。特に梅野に、率直に求めた。 「梅野はよく頑張っている。成長しているからこそ、苦しい時期もありながら、いろいろ出来てきた。(ただ)アキ(秋山)も、ずっとローテーションを守っているっていう中ではない登板。すごく意気込んで、ドンドン行く中で。そこを引っ張っていったり、落ち着かせたり、または相手を見ていくという部分では、梅野が、もうちょっとこう...。俺は、どうかなあというのはあった」 秋山の被安打9のうち2ストライクから打たれたのが5つ、初球を打たれたのも2つ。ひとつひとつが気になった。 5カード連続負け越しなしから暗転し、負け越した10-12日の中日3連戦(甲子園)からの3カード8試合(3勝5敗)が特に顕著だ。7試合で先制を許し、5試合で一回から失点。しかも、すべて2点以上の複数点を奪われた。救援陣は安定しているだけに、梅野自身も「先発を(長いイニング)引っ張らないと。今回はなかなか勝ちパターンにつなげなかった」と責任を痛感した。 今季3度目の同一カード3連敗で貯金は尽き、甲子園5連敗。2日連続で今季最多を更新する4万6719人の前で、この2日間で一度もリードを奪えなかった。「甲子園でいい姿を見せたいと思ってやっている。次の試合も『こういうことがあるんでね』では済まされない。前向いて戦っていく」と指揮官。21日からは再び甲子園でヤクルト戦。引っ張れる男と見込むから、梅野に今以上を求めていく。 (長友孝輔)
◆低迷していた4月がウソのような快進撃で、ついに首位巨人の背後に迫った。ゲーム差「0」の2位。広島を今季2度目の7連勝に導いたのは、4番・鈴木だった。 「甘い球が来たので、打ったという感じ。初回にチームにとって、いい先制点になった」 一回1死から菊池涼、バティスタの連打で一、二塁。ここで打席に立つと、秋山の外角直球を逆らわず右中間へ運んだ。先制の2点二塁打に、迎打撃コーチは「初回に甘い球を一発で仕留めてくれた」と最敬礼だ。 それでも鈴木に笑顔はない。「(最近は)一発で仕留められないことが多い。そのために(練習で)努力して打席に立っている」。残り4打席の凡退を反省したが、ここぞで打ってこそ主砲。35打点に打率、本塁打数も堂々のリーグトップだ。 丸がFAで巨人に移籍して「存在の大きさがわかった」という。開幕から相手投手に徹底マークされながらも孤軍奮闘してきたが、チームの勝利に結びつかず、4月16日には借金が最大8に。それでも「決してチームの雰囲気は悪くはない」と下を向かなかった。心強かったのはバティスタの存在だ。5月に入って、鈴木と並ぶ6本塁打。キャンプ中も食事にいく大の仲良しが、今は3番で盛り上げてくれる。 「(雰囲気がいいのは)チームは勝っているからね。また、あしたから頑張ります」 阪神に3連勝で、今季最多の貯金「6」。4月16日には首位ヤクルトと7ゲーム差だったが、わずか1カ月で「0」になった。セ・リーグ3連覇の王者が定位置に就くのは時間の問題。目指す4連覇へ、不動の4番がいる限り、視界良好だ。(三木建次)
◆まずは守りから-。またも打線が沈黙し、同一カード3連敗を喫した阪神だが、球団OBの八木裕氏(53)=サンケイスポーツ専属評論家=は、記録上は失策にならなかった2つのプレーを鋭く指摘。守備の意識の徹底、球際の強さを求め「改めて"打線は水物"ということを肝に銘じてほしい」と話した。 3連戦で、わずか3得点。打線がふるわなかったのは事実だが、わたしが敗因を挙げるなら、記録上は安打となった序盤の2つの"エラー"だ。 まずは一回1死一塁。バティスタの二遊間へのゴロを、遊撃・木浪が一度は捕球しながら、こぼした。一塁走者を確実に二塁で封殺できた打球。直後に、鈴木に先制の2点二塁打を許した。新人には酷かもしれないが、プロの遊撃手ならアウトにしてほしい。 二回は2死三塁から、菊池涼のゴロを、秋山が捕り損ねて適時打にしてしまった。これも普通なら投ゴロ。記録には残らない2つのミスで、序盤に主導権を握られた。 菅野を打ち崩すなど東京ドームで巨人に2連勝した後だけに、まさかの3連敗だが、野球は打つだけではない。初戦(17日)の最終回の7点で広島打線に勢いをつけてしまった感はあるが、ここで改めて"打線は水物"だということを、肝に銘じてほしい。 ディフェンスがしっかりしないと、勝機は逃げていく。木浪の守備も、打球に対して目を切るのが早すぎると感じた。球際に強くならなければ勝てない。練習から、きっちりと捕球することを意識していって欲しい。 打線について指摘するなら、各打者が狙い球のプランをもって打席に立っていたのか、ということだ。この日のアドゥワは球の切れはあったが、抜群の制球力があるわけではなく、攻略できない相手ではない。しかし記者席から見ていて「考えているな」と思ったのは糸原と福留ぐらい。大山はスライダーに振り遅れる場面もあり、どの球種に狙いを定めていたのか理解できなかった。 広島の鈴木が一回、強振せずに右中間に弾き返した打撃は見事。イニング、カウント、相手投手の特長などを頭に入れて対応している鈴木の打撃を、阪神ナインも参考にしてほしい。 (サンケイスポーツ専属評論家)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
巨人 |
23 | 17 | 1 | 0.575 (↓0.015) | - (-) |
102 | 212 (+4) | 159 (+5) | 52 (+1) | 24 (+2) |
0.266 (-) | 3.540 (↓0.04) |
2 (-) |
広島 |
24 | 18 | 1 | 0.571 (↑0.01) | 0 (↓1) |
100 | 170 (+5) | 165 (+1) | 40 (-) | 25 (+1) |
0.243 (↑0.001) | 3.040 (↑0.05) |
3 (-) |
ヤクルト |
21 | 21 | 2 | 0.500 (↓0.012) | 3 (-) |
99 | 213 (-) | 217 (+7) | 50 (-) | 18 (-) |
0.245 (↓0.004) | 4.410 (↓0.06) |
3 (-) |
阪神 |
21 | 21 | 2 | 0.500 (↓0.012) | 3 (-) |
99 | 171 (+1) | 193 (+5) | 31 (-) | 26 (-) |
0.243 (↓0.002) | 3.800 (↓0.03) |
5 (-) |
中日 |
19 | 23 | 0 | 0.452 (↑0.013) | 5 (↑1) |
101 | 149 (+5) | 162 (+4) | 27 (-) | 27 (-) |
0.262 (↑0.004) | 3.780 (↓0.01) |
6 (-) |
DeNA |
17 | 25 | 0 | 0.405 (↑0.015) | 7 (↑1) |
101 | 165 (+7) | 184 (-) | 50 (+3) | 9 (+1) |
0.238 (-) | 3.990 (↑0.1) |
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