日本ハム(☆6対5★)楽天 =リーグ戦6回戦(2019.04.25)・札幌ドーム=
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楽天
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日本ハム
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勝利投手:堀 瑞輝(1勝0敗0S)
敗戦投手:青山 浩二(0勝2敗0S)

本塁打
【楽天】藤田 一也(1号・8回表2ラン)
【日本ハム】大田 泰示(3号・6回裏ソロ),渡邉 諒(2号・7回裏3ラン),大田 泰示(4号・8回裏ソロ)

  DAZN
◆日本ハムがサヨナラ勝ち。日本ハムは逆転を許した直後の8回裏、大田がこの日2本目となるソロを放ち、同点とする。そのまま迎えた延長12回には、2死満塁から杉谷が適時打を放ち、熱戦に終止符を打った。敗れた楽天は再三のリードを守りきれず、痛い敗戦を喫した。

◆過去3度の冬季オリンピック(五輪)に出場した、カーリング女子の北海道銀行に所属する船山弓枝(41)が始球式を務めた。 「北海道銀行スペシャルデー」と銘打たれた試合で、真っさらなマウンドに立つと「光栄でしたが、オリンピックより緊張しました」と苦笑い。投球はワンバウンドになった。「思っていた以上に遠く感じました。神聖な場所に立たせてもらい、感謝です」と大役を終えるとホッとした笑みを見せた。

◆日本ハム大田泰示外野手(28)が描いた2本のアーチが、劇的勝利への伏線だった。1本目は6回。打ちあぐねていた古川の140キロ直球を打って同点3号ソロ。2本目は再び1点を追っていた8回。「真っすぐ一本狙い」で打席に立ち、ハーマンが投じた内角高め、見逃せばボールの146キロ直球を「がむしゃらに、いきました」と左翼席へ運んで同点4号ソロ。「勝ちにつながってうれしい」。起死回生の2連発は、昨年4月28日ロッテ戦(ZOZOマリン)以来、自身3度目の大当たりとなった。 試合前には栗山監督から、信頼の証となる言葉をかけられた。「試合前に、タイシには話をしていた。これが決していいわけではなく、これが普通なんだ、と」。24日はプロ初の5安打で5打点。チームを大勝に導いた大活躍は決してまぐれではない。指揮官にとって大田が豪快なスイングで安打を重ねる姿は普通。1試合2本塁打も当然だ。 2試合連続の3安打もマークし、打率は3割6厘と跳ね上がった。「まだまだ先は長い。満足せず、1日1日。そこにこだわる」。まだ打線全体は乗り切れていいないが、苦しむ攻撃陣の光となっている。【木下大輔】

◆日本ハム金子は2回と3回に得点圏に走者を背負いながら無失点。楽天古川も3回まで1安打無失点と上々の立ち上がりを見せた。 楽天は4回、足立のスクイズが決まって1点先制。日本ハムは6回、大田が左中間へ3号ソロを運び、同点に追いついた。 楽天は7回に1点、8回に3点を挙げたが、日本ハムも7回に3点。8回には大田が4号ソロを放ち、延長戦に突入した。 日本ハムは延長12回2死満塁、杉谷が左越えのサヨナラ打を放ち、貯金1とした。日本ハム堀が1勝目。楽天は延長戦に入ると攻め手を欠いた。楽天青山が2敗目。

◆楽天藤田一也内野手(36)の代打弾も勝利にはつながらなかった。 2点を追う8回1死一塁から代打で登場。1点を勝ち越した直後の7回に今季ここまで10試合に投げて8ホールド、わずか1失点の宋家豪が3ランを被弾していた。嫌なムードが立ちこめる中、日本ハム浦野の直球を右翼席にたたき込む同点の1号2ラン。「(意識は)つなぐだけ。最高の結果になった」。平石監督も「絶体絶命の状況から見事なホームラン」とたたえる大仕事だった。 チームが今季初のサヨナラ負けを喫し「勝ちたかったです」。意地を見せたベテランに笑顔はなかった。

◆ムードメーカーの一振りが、二転三転する試合に決着をつけた。 日本ハム杉谷拳士内野手が、楽天6回戦の延長12回2死満塁から、左翼に値千金のサヨナラ打を放った。6回に追いつき、7回に一時逆転しながら8回再逆転され、再び追いついた試合は、引き分け間際の土壇場で最高の幕切れとなった。笑顔の真ん中で、ヒーローは、しかめっ面だった。スポーツドリンクによる手荒い祝福のシャワーに、日本ハム杉谷は、おぼれそうになっていた。「最初にタイシ(大田)が見えて、抱きつこうとしたらスルーされたので混乱しました」。興奮のるつぼと化した本拠地の札幌ドームで、完全に舞い上がっていた。 もつれに、もつれた延長12回。2者連続の申告敬遠での満塁から2死となった土壇場で、打席がまわってきた。その前の11回の打席ではバント失敗で好機をつぶしていただけに、取り返したい気持ちが強かった。「誠さん(金子打撃チーフ兼作戦コーチ)から『お前にまわって来るから必死で行け。内角のスライダーには当たればいいから』と言われていた」。決死の覚悟で打席に立ち「狙っていた」という楽天青山の144キロ直球を振り抜いた。打球は前進守備の左翼手の頭を軽々と越える、殊勲のサヨナラ打となった。 春季キャンプ中、栗山監督から「開幕、あるかもしれないから準備をしておけ」と二塁でのスタメンを期待される声をかけてもらいながら、競争に敗れてベンチスタートが続いた。それでも、チーム一の元気印は決して腐らなかった。試合前の練習中、栗山監督に「監督、僕はいつでも用意が出来ていますよ!」と、アピールするのが日課になった。「いつも前向きに野球に取り組んでいるので、神様がチャンスをくれたのかな」。この日も7回途中から、4番中田の代走で出場。死闘の決着を、つけた。 サヨナラ打は自身7年ぶり2度目。「明日(26日)は監督の誕生日だから、気持ちが入りました。『57歳サヨナラ記念日』で、いいですか?」。前祝いの"首位たたき"でチームは3カードぶりの勝ち越し。27日から始まる平成最後の3連戦に弾みを付けた。【中島宙恵】 ▼日本ハム杉谷のサヨナラ打は、プロ4年目だった12年8月8日ソフトバンク戦(帯広)以来2度目。12年ソフトバンク戦は6-6で迎えた9回2死一、二塁から代打で登場。2ボール1ストライクからの4球目を強振し、左中間を破る二塁打で試合を決めた。

◆楽天田中和基外野手(24)に上昇ムードが出てきた。 リードオフマンとして開幕を迎えた昨季新人王。ここ6試合は9番での出場が続いていたが、今季初めて2番でスタメン。8回に一時勝ち越しとなる適時三塁打を放ち、3回の左翼線二塁打とあわせてマルチ安打を記録した。 「(打順によって)自分の実力が変わるわけではないので」と淡々。平石監督は2番起用について「今日はそっちの方が機能するんじゃないかと思った。左の方は、かなり状態が上がってきている」と説明。本人も「(左打席は)空振りが少なくなってきている」とうなずいていた。

◆楽天が今季初のサヨナラ負けで連敗を喫した。勝ち越した直後の7回に今季ここまで10試合に投げて8ホールドの宋家豪が3ランを被弾。代打藤田の同点弾と田中の適時打で再びリードを奪った直後の8回にも今季両リーグ最多タイ14試合目の登板だったハーマンが大田に2打席連発を許して追いつかれた。最後はイニングをまたいだ青山が満塁策から2死までこぎ着けながら粘れず。平石洋介監督のコメント。 「こういう時もある。救援陣はいい仕事をしてくれている」 ただ、前日の5安打に続いてこの日も2本塁打を含む3安打を浴びた日本ハム大田への攻め方については「状態のいいバッターに対しては、こちらから崩しにいかないと。昨日(打たれたこと)を今日にどうつなげるか。それができていなかった」と指摘。

◆日本ハムの金子は今季3度目の先発登板で、4回を投げて4安打1失点で降板し「前回よりもいい球と悪い球の差があった」と反省した。立ち上がりは三者凡退で切り抜けたが、制球がやや甘く二回以降は毎回、得点圏に走者を許し、四回にはスクイズを決められた。  前回登板した18日のオリックス戦での移籍後初勝利から2連勝とはならなかったが、チームは延長十二回でサヨナラ勝ち。「チームが勝ったのは良かったが、もう1イニングいける(と監督に思わせる)ような投球をしないといけない」と話した。 日本ハム・栗山監督(サヨナラ勝ちに) 「誰がとかではなく、みんなで(勝った)。リリーフ陣も頑張ってくれた」 大田(2打席連発を含む3安打) 「とにかく勝てるようにやるだけ。(八回の4号ソロは)真っすぐ一本狙い。がむしゃらにいった」

◆楽天は3度リードを奪いながら逃げ切れず、延長十二回の末に今季初のサヨナラ負けを喫した。十二回2死満塁で、青山が杉谷にサヨナラ打を浴びて力尽きた。  4時間27分の接戦を落とし、2位ソフトバンクに0・5ゲーム差と迫られた。平石監督は「よく粘ってくれた。いい粘りを見せてくれた」と選手を責めなかった。 古川(先発で今季初登板し6回1失点) 「緊張した。直球はとてもいい感触だった。自分の中で反省点はあったので、しっかり直していく」

◆前日に自身初の1試合5安打をマークした大田が、2本塁打を含む3安打と大暴れ。1点を追う六回に左中間へ同点ソロ、逆転を許した直後の八回には「真っすぐ一本狙い。がむしゃらにいきました」と2打席連発となる同点の4号ソロを左翼席に運んだ。2試合で11打数8安打7打点の大当たり。打率を・306まで上げたが「まだまだ。一日一日が大事だと思う」と表情を引き締めた。

◆3度リードを奪いながら逃げ切れず、延長十二回の末に今季初のサヨナラ負けを喫した。4時間27分の接戦を落とし、2位・ソフトバンクに0・5ゲーム差と迫られた。ただ、今季初登板の古川が、6回1失点と粘りの投球を見せたのは明るい材料。大田に被弾した六回を「もっと厳しくいかなくては」と反省したが、平石監督は「全体的によく投げてくれた。いい時の状態に近い」と評価した。

◆地鳴りのような歓声が沸き起こった。プロ11年目のムードメーカー、日本ハム・杉谷拳士内野手(28)が5-5の延長十二回2死満塁で自身2度目のサヨナラ打を放ち、4時間27分の死闘に終止符を打った。  「バントを失敗していたので、攻める気持ちを前面に出しました。無我夢中で走りました」  七回に代走で途中出場し、八回の打席で併殺打、十一回無死一塁では送りバントに失敗していた。金子1軍打撃チーフ兼作戦コーチから「死ぬ気でいけ」と送り出された十二回の打席。青山の144キロの直球を捉え、左翼手の頭上を抜いた。  いじられキャラの杉谷らしく、抱きつこうとした大田に"スルー"され、歓喜のウオーターシャワーを容赦なく浴びせられた。26日に58歳の誕生日を迎える栗山監督へ一足早いプレゼントにもなり「57歳サヨナラ記念日でいいですね。監督が気持ちよく誕生日を迎えられるよう打ちました」と目尻を下げた。  チームは、開幕戦以来のサヨナラ勝ちで貯金を「1」とした。勢いそのまま、27日からソフトバンクとの平成最後の3連戦に臨む。 (中田愛沙美)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
1381 0.619
(↓0.031)
-
(-)
121106
(+5)
88
(+6)
22
(+1)
9
(+1)
0.242
(-)
3.700
(↓0.01)
2
(-)
ソフトバンク
1392 0.591
(↑0.02)
0.5
(↓1)
11996
(+3)
69
(-)
30
(+1)
17
(+1)
0.249
(↓0.004)
2.520
(↑0.12)
3
(-)
日本ハム
11102 0.524
(↑0.024)
2
(↑1)
12083
(+6)
95
(+5)
12
(+3)
8
(+2)
0.240
(↑0.001
3.880
(-)
4
(-)
西武
10111 0.476
(↑0.026)
3
(↑1)
121123
(+9)
116
(+8)
25
(+2)
24
(+1)
0.254
(↑0.003)
4.470
(↓0.14)
5
(-)
ORIX
8123 0.400
(↓0.021)
4.5
(-)
12074
(-)
90
(+3)
20
(-)
24
(-)
0.223
(↓0.001)
3.580
(↑0.02)
6
(-)
ロッテ
8131 0.381
(↓0.019)
5
(-)
12182
(+8)
106
(+9)
27
(+3)
17
(-)
0.232
(↑0.006)
4.250
(↓0.21)