阪神(★2対5☆)DeNA =リーグ戦3回戦(2019.04.11)・阪神甲子園球場=
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DeNA
0200030005901
阪神
0010001002612
勝利投手:大貫 晋一(1勝0敗0S)
(セーブ:山﨑 康晃(1勝0敗1S))
敗戦投手:秋山 拓巳(0勝1敗0S)

本塁打
【DeNA】神里 和毅(2号・6回表3ラン)
【阪神】大山 悠輔(1号・3回裏ソロ),近本 光司(1号・7回裏ソロ)

  DAZN
◆DeNAが連勝。DeNAは2回表、伊藤光の適時打などで2点を先制する。その後1点を返されるも、6回に神里の2試合連続本塁打となる3ランが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・大貫が5回1失点でプロ初勝利。敗れた阪神は、打線が好機を生かせなかった。

◆阪神大山悠輔内野手(24)が今季1号ソロを放った。 2点を追う3回2死からDeNA大貫の内角ツーシームをフルスイング。左中間席に突き刺した。 大山は「初回のチャンスの場面で流れを止めてしまったので、なんとか塁に出るという気持ちで打った結果が、ホームランとなって良かったです。ここから逆転できるように頑張ります」とコメントした。

◆阪神のドラフト1位近本光司外野手(24=大阪ガス)がプロ1号を放った。4点を追う7回、先頭の投手守屋に代わって代打出場すると、DeNA国吉の直球を右翼席に運んだ。 近本は「代打だったので、ファーストストライクから積極的に打ちに行った結果が最高の結果となりました。(初本塁打は)甲子園で打つことができて素直にうれしいです」と振り返った。

◆DeNAドラフト3位大貫が5回1失点でプロ初勝利を挙げた。打線は2回に伊藤光の適時打などで2点を先制し、六回に神里が2戦連発となる3ランを放った。山崎が今季初セーブ。阪神は秋山が踏ん張れず、打線もソロ2本のみ。

◆諦めきれなかった野球を仕事に選んだかいがあった。DeNAドラフト3位大貫晋一投手(25)が5回100球を投げ、5安打1失点でプロ初勝利を挙げた。中学、高校、大学と表舞台に縁がなかった苦労人。初めて立つ甲子園のマウンドで、プロとしての第1歩を踏み出した。日体大4年時は、リクルートスーツを着ていた。製薬会社の営業職に内定をもらっていた大貫が、DeNAのユニホームを着て、甲子園でヒーローインタビューを受けた。「ここまで面倒を見てくれて、支えてくれた方に感謝したい」とウイニングボールを握りしめた。 最大のピンチは初回。2死満塁としたが、中谷を宝刀ツーシームで片付けると波に乗った。1発を許した大山と5回1死一塁で再戦。「ターニングポイントだと思った」とフォークで難をしのぎ、2度目の登板で5回1失点で白星を手にした。 DeNAの地元・横浜で育った。背泳ぎで選手コースだった水泳を辞め、野球を始めた。それでも、青葉シニア時代はメンバー外。静岡の桐陽高時代も県ベスト8が最高成績。「中学も投げた記憶がほとんどない。大学も右肘のトミー・ジョン手術して2年投げていません。プロなんて縁ないと思っていました」と言う。 日体大では保健体育の教員免許を取得し「サラリーマンになると思っていた」と何度も就活生と一緒に合同セミナーに通った。それでも「野球が好きだった」。だが、現実は厳しかった。社会人野球で再スタートを志したが、硬式どころか、軟式のチームにも断られたことがあった。巡り巡って入社した新日鉄住金鹿島でつかんだプロへの道。「諦めなくて良かった」とかみしめる。 03年に夏の甲子園を見に行った。当時の小泉首相が開会式で始球式を務め、厳かな雰囲気の中で9歳だった大貫少年は「寝ていました」。記憶になかった聖地のマウンドで、節目となる1勝をマーク。友人から「まだ野球やっていたの?」と言われ続けた男が「DeNA大貫」として憧れの道を歩み始めた。【栗田尚樹】

◆今季初登板の阪神先発秋山拓巳投手は6回9安打5失点で黒星を喫した。2回に守備の乱れもあって2失点すると、6回は2死一、三塁から神里に直球を右翼席に運ばれた。 昨年10月に右膝のクリーニング手術。1軍マウンドは昨年8月24日の巨人戦(東京ドーム)以来230日ぶりで、甲子園は同6月22日の広島戦以来293日ぶりだった。「期待に応えたかった。ゼロで抑えたかった」と悔しげな表情を浮かべた。 矢野監督も「慎重によく粘っていってくれたんですけどね。最後、もう1つアウトをね」と6回の場面を振り返り、「頑張ってもらわないとダメな投手。ここから調子を上げてもらいたい」と期待した。

◆阪神糸井嘉男外野手がマルチ安打の活躍を見せた。1回1死一塁から右中間への二塁打でチャンスを広げ、5回にも投手への内野安打で出塁した。 今季12試合で5度目の複数安打となったが、いずれも得点には結びつかず、9回は二ゴロに倒れ最後の打者となった。

◆阪神大山悠輔内野手がセ・リーグの4番で最遅となる12試合目で1号を放った。2点を追う3回2死。大貫の内角ツーシームを左中間席へ運んだ。「初回のチャンスで流れを止めてしまったので、何とか塁に出る気持ちで打った結果が、ホームランになってよかったです」。 初回の反省を生かしたアーチだ。1死二、三塁、カウント2-0と打者有利な状況。ここで同じ内角ツーシームにバットは詰まり、三ゴロで走者をかえせなかった。 矢野監督は「初回の流れの中で打ってほしい打者なのでね。ただ、その後にある意味でやり返したというかね。そういう打席に見えた」と反発力を評価した。人気球団で4番の重圧と戦っている。チームの敗戦に大山は「大事なところで打てるようにがんばります」と言葉を絞り出した。

◆阪神梅野隆太郎捕手が3ラン被弾を悔しがった。今季初登板となった秋山をリードし、2回に2失点したものの5回まで1点差と接戦に持ち込んだ。だが、6回2死から神里に決定的な3ランを浴びた。 梅野は「最後、もうひと踏ん張りできなかったのが悔やまれます。思い切って勝負したが、結果的に粘れなかったのが悔しい」と肩を落としていた。

◆阪神ドラフト1位の近本光司外野手(24)がプロ1号をかっ飛ばした。4点を追う7回に代打で出場し、DeNA国吉の143キロ真っすぐを力で右中間席へはじき返した。新人の本塁打は12球団一番乗りで、阪神では04年鳥谷以来となる会心弾。チームは初戦のミラクル大逆転勝ちを生かせず痛い連敗を喫したが、期待のルーキーが希望を灯した。近本が虎の意地を一振りに込めた。代打で打席に立った7回。国吉の143キロ直球を迷いなく振り抜いた。「しっかりファーストストライクを振るのと、しっかり塁に出るのを意識して振りました」。打球がライトスタンドに吸い込まれると、背番号5は大歓声に包まれた。表情を崩さずベースを回る。「ナイスバッティング!」「おめでとう!」。ハイタッチで迎えるナインに声を掛けられ、少し笑みがこぼれた。 近本のプロ1号は、12球団のルーキー最速弾となった。「ホームランが甲子園で出て、それも最初のホームランで良かったかなと思います」。関学大時代もリーグ戦で甲子園でプレー経験があるものの、本塁打はゼロ。「あまり相性はよくなかったですね、大学生の時は...」。苦笑いで振り返っていた聖地を、一打で記念すべき場所に変えた。 170センチ、72キロ。プロでは小柄な体形に秘められたパンチ力は、幼い頃から養われた。意識するのは「遠心力」。小学生の時から掃除用のほうきをブンブン振り回し、子どもが扱えないような長さのバットでロングティーで体を鍛えてきた。現在使っているバットは、先端に重さがある890グラムのタイプ。春季キャンプで9種類のバットを持参し、試行錯誤した末に「遠心力」を生かせる相棒を見極めた。 開幕スタメンをつかんだが、9日のDeNA戦から代打での出場が続く。だがドラ1ルーキーは頼もしい。「難しさはそんなに感じていないですね。気持ちの作り方は、代打の方が緊張感というか、1打席に集中できるのでいいかなと思います」。矢野監督も人並み外れた勝負強さを称賛した。「代打というのは本当に難しい場面なんですけど、振り切った素晴らしい打球でしたね」。敗戦の中で虎党を沸かせ、希望を感じた1号だった。【磯綾乃】 ▼近本が1号本塁打。阪神新人選手の12球団本塁打一番乗りは、04年鳥谷以来15年ぶり。鳥谷は同年5月27日横浜戦(甲子園)で、東和政からバックスクリーン右にプロ1号。なおこの試合はチーム43試合目。近本は12試合目で、鳥谷の記録を大幅に更新した。なお阪神新人の代打本塁打は、梅野が14年5月6日中日戦(ナゴヤドーム)打って以来、5年ぶり。

◆阪神がまたも初物アレルギーを露呈した。 DeNA先発大貫と初顔合わせ。立ち上がりから、プロの先輩風を吹かせ損ねたのが響いた。1回1死後、糸井の右中間二塁打で二、三塁の先制機を築く。だが、大山が内角シュートにどん詰まりの三ゴロに倒れ、満塁になると今度は中谷が外角球に詰まって二ゴロ...。好機を逃しては勝機も巡らない。 DeNAに連敗し、カードを負け越し。矢野監督も「(大貫に)苦しんだというか、立ち上がりやね。あそこで点を取れるのが...。流れをあそこで生かせなかったのが、落ち着かせるところになった」と渋い表情を浮かべた。左打者の外角低めに落ちるフォークに苦戦し、右打者も懐を突かれた。浜中打撃コーチも「ツーシームとフォークでやられた。ツーシームが変化していたのはある」と言う。 4日巨人戦の高橋、6日広島戦の床田に続いて、またも白星を献上。9日DeNA戦こそ、逆転勝ちで上茶谷の勝利を消したが今季は早くも初物に3敗し、うち新人2人にプロ初勝利を献上している。矢野監督は「毎年絶対にそういうことは出てくる。やられたら言われるのは仕方ないこと。次回やり返すしかない」と語気を強めた。日替わりオーダーも実らず今季最多タイの借金2。重症にならないうちに手を打つしかない。【酒井俊作】 ▼阪神は今季、初顔合わせの先発投手と対戦した4試合で1勝3敗。この日の大貫ら4人に3勝を稼がれ、防御率2・34と抑え込まれている。

◆DeNA守護神の山崎康晃が、今季初セーブを挙げた。 3点リードの9回に4番手でマウンドに上がると3者凡退。40セーブを目標に掲げる右腕は「長いシーズンいろいろありますから。これから積み重ねていきたい」と先を見据えた。

◆DeNAドラフト3位大貫晋一投手(25)が5回100球を投げ、5安打1失点でプロ初勝利を挙げた。中学、高校、大学と表舞台に縁がなかった苦労人。初めて立つ甲子園のマウンドで、プロとしての第1歩を踏み出した。ハマっ子の大貫は、憧れを現実とした。大学4年生だった15年。横浜スタジアムへ友人と試合観戦に行った。マウンドでは三浦現1軍投手コーチ、阪神藤浪が投げ合っていた。スタンドは超満員。右翼側の立ち見席からでも、熱気は伝わってきた。「すごかったですよ。こんな満員になるなんて」。幼少期から、永遠の憧れだった番長の後ろ姿に感動を受けた。 そして今、思う。「続けていれば、いいこともあるなって。諦めずに頑張っていれば、自分みたいなやつでもプロに入れるんだって。自分が地元のチームのユニホームを着られる日が来るなんて。感慨深いですよ」としみじみ語った。【DeNA担当 栗田尚樹】

◆諦めきれなかった野球を仕事に選んだかいがあった。DeNAドラフト3位大貫晋一投手(25)が5回100球を投げ、5安打1失点でプロ初勝利を挙げた。中学、高校、大学と表舞台に縁がなかった苦労人。初めて立つ甲子園のマウンドで、プロとしての第1歩を踏み出した。 日体大4年時は、リクルートスーツを着ていた。製薬会社の営業職に内定をもらっていた大貫が、DeNAのユニホームを着て、甲子園でヒーローインタビューを受けた。「ここまで面倒を見てくれて、支えてくれた方に感謝したい」とウイニングボールを握りしめた。 最大のピンチは初回。2死満塁としたが、中谷を宝刀ツーシームで片付けると波に乗った。1発を許した大山と5回1死一塁で再戦。「ターニングポイントだと思った」とフォークで難をしのぎ、2度目の登板で5回1失点で白星を手にした。 DeNAの地元・横浜で育った。背泳ぎで選手コースだった水泳をやめ、野球を始めた。それでも、青葉シニア時代はメンバー外。静岡の桐陽高時代も県ベスト8が最高成績。「中学も投げた記憶がほとんどない。大学も右肘のトミー・ジョン手術して2年投げていません。プロなんて縁ないと思っていました」と言う。 日体大では保健体育の教員免許を取得し「サラリーマンになると思っていた」と何度も就活生と一緒に合同セミナーに通った。それでも「野球が好きだった」。だが、現実は厳しかった。社会人野球で再スタートを志したが、硬式どころか、軟式のチームにも断られたことがあった。巡り巡って入社した新日鉄住金鹿島でつかんだプロへの道。「諦めなくて良かった」とかみしめる。 03年に夏の甲子園を見に行った。当時の小泉首相が開会式で始球式を務め、厳かな雰囲気の中で9歳だった大貫少年は「寝ていました」。記憶になかった聖地のマウンドで、節目となる1勝をマーク。友人から「まだ野球やっていたの?」と言われ続けた男が「DeNA大貫」として憧れの道を歩み始めた。【栗田尚樹】

◆阪神・大山悠輔内野手(24)が11日、甲子園で行われたDeNA戦で、今季48打席目に待望の1号ソロをかっ飛ばした。  「初回のチャンスの場面で流れを止めてしまったので、なんとか塁に出るという気持ちで打った結果が、ホームランとなってよかったです」と声を弾ませた。  0-2の三回2死からDeNA先発のD3位・大貫大樹投手(新日鉄住金鹿島)の137キロツーシームを振り抜き、左中間スタンドへ大きなアーチをかけた。  一回1死二、三塁で迎えた第1打席に三ゴロに倒れていただけに、意地の詰まった1発となった。

◆日本野球機構(NPB)の土山剛弘審判員(47)が11日、阪神-DeNA3回戦(甲子園)で三塁塁審を務めて通算1000試合出場を達成した。NPB審判員では128人目、現役で25人目。

◆阪神のD1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が11日のDeNA戦(甲子園)に七回先頭で代打で出場し、プロ初本塁打を放った。  1-5の七回先頭。9番守屋からの攻撃で、代打として打席におくられた。DeNAの2番手・国吉の1ボールからの2球目、外角143キロ直球をフルスイング。打球はぐんぐん伸びて右中間席に着弾した。  「打ったのはストレート。代打だったので、ファーストストライクから積極的に打ちにいった結果が最高の結果になりました。(初ホームランは)甲子園で打つことができて素直にうれしいです」  近本はこの試合前まで10試合に出場し、30打数6安打3打点だった。35打席目での待望のアーチに、詰めかけた虎党たちは大歓声だった。

◆阪神は11日、甲子園でDeNAと対戦、2-5で敗れた。2点を追う三回に大山が今季1号ソロを放って、反撃態勢に入ったが、先発秋山が踏ん張れず、六回には神里の3ランを被弾した。  阪神は七回に代打で登場したD1位・近本光司外野手(大阪ガス)が右中間席へプロ初本塁打となる今季1号ソロを放ったが、残塁10の拙攻で点差を詰め切れなかった。連敗で借金は2。12日からは甲子園に中日を迎えて、3連戦を行う。

◆右中間席を見つめて顔をしかめるしかなかった。阪神・秋山拓巳投手は11日、DeNA戦(甲子園)に先発。右膝手術からの復帰初マウンドで五回まで2失点と粘投を続けていたが...。六回2死一、三塁で神里に痛恨の3ランを被弾し、点差を離されてしまった。  「今シーズン初登板だったので、期待に応えられるようにと意気込んでマウンドに上がりましたが、最小失点で抑えることができず、チームの期待に応えることができずに申し訳ないです」  申し訳なさそうにコメントした。直球は最速140キロを1度計測したのみだったが、100キロ台のカーブなど変化球を有効に織り交ぜ、何とか痛打を避けた。何度も走者を背負いながらも踏ん張っていたが、六回の一発がすべてだった。  1-2の六回。宮崎の右前打と大和の一前犠打で1死二塁のピンチを背負った。二回に先制の適時打を許していた伊藤光にまたも左前打を浴び一、三塁...。代打倉本を1球で二直に仕留めたが、続く神里にやられた。甘く入った初球高め131キロ直球を振り抜かれ、右中間席へ。2号3ランとされ、1-5と突き放されてしまった。  順調に段階を踏みながら結果を残し、つかんだ先発マウンドだった。これまでウエスタン3試合で3勝0敗、防御率2・70と好投。徐々にイニングや球数を増やしながら仕上がりを高めてきた。「不安な気持ちは多少ありますけど。確実に2週間前くらいから状態はよくなってきているので、今の真っすぐならしっかりやれるんじゃないかなという気持ちも出てきています」。不安と、自信とが半々の登板だったが、快投で不安を拭い去ることはできなかった。  終わってみれば6回9安打5失点。2018年6月7日のオリックス戦(甲子園)以来、307日ぶりとなる白星はつかめず。試合後の矢野監督は次回登板については明言しなかった。悔しさの残る復帰登板となった。

◆阪神のドラフト1位新人、近本がプロ初本塁打を放った。七回に代打で出場。国吉の143キロを捉えると、打球は右中間席へ。「代打だったので、ファーストストライクから積極的に打ちにいった結果。甲子園で打てたのが一番良かった」と自画自賛した。  開幕戦に「2番・中堅」で起用され、いきなり三塁打を放つなど躍動したが、代打や代走での出場機会になっている。それでも「先発で出るときに、この期間を生かせるように」と前向きに話した。 矢野監督(近本に) 「難しい場面だが、しっかり振り切った素晴らしい打球だった」 梅野(秋山をリード) 「最後もう一踏ん張りというところで、バッテリーとして粘れなかった」 阪神・浜中打撃コーチ(大貫に) 「タイミングが取りづらかった」

◆阪神は11日、甲子園でDeNAに連敗し、カード負け越し。借金は2となった。試合後は5回6失点、六回に神里に3ランを被弾した先発秋山については「慎重によく粘っていってくれたんですけどね。最後、もう一つのアウトをね。疲れているのは、こっちもわかっていたんですけどね。何とか頑張ってほしいというところでね」と話した。  今後の起用法については「それはファームでも頑張っているピッチャーもしますしね。いろいろ検討しながら決めていきます」と明言しなかった。  今季1号ソロの大山がについては「試合の中でいうと初回の流れの中でやっぱり打ってほしいというバッターなんでね。ユウスケ自身もそのように思っていると思いますけど。ただ、その後にある意味でやり返したというかね。そういう打席には見えた」と話し、一回1死二、三塁の先制機に凡退した打席内容を指摘した。  打線は10残塁で借金は2。昨季苦手とした本拠地甲子園でカード勝ち越しとはいかなかった。  「流れをなんとかこっちに呼び戻したいということでそういうこともやったんですけど、なかなか現状うまくいってないんでね。その中でもどうやっていくかをしっかり考えてがんばっていきたいと思います」  七回に飛び出したD1位近本の1号ソロについては「代打というのは本当に難しい場面なんですけど、振り切ったすばらしい打球でしたね」とたたえた。  DeNAの新人大貫に白星を献上。9日の上茶谷、4日の巨人・高橋ら初対戦の新人投手を攻略できないことについては「毎年、毎年絶対にそういうことは出てくるし、やられたら言われるっていうのは仕方ないことやし。次回やり返すしかないと思うんで」と話した。

◆DeNAの2年目の神里が初の2試合連続本塁打をマークした。六回に秋山の内角速球を捉え、右中間席への貴重な3ラン。同い年のルーキー大貫の初勝利を援護し「大貫が頑張っていたので、助けられてよかった」と笑顔だった。  ルーキーイヤーに15盗塁を記録。オフの肉体改造で長打力が目に見えて向上した。これで7試合連続安打と好調な1番打者に、ラミレス監督は「いまの彼はポジションをつかみかけている」と称賛した。 ラミレス監督(初勝利の大貫に) 「おめでとうと言いたい。球数が多かったことを修正すれば、まだまだ向上できる」 伊藤光(二回に先制打) 「大貫が一回のピンチを乗り越えたので、自分のバットでかえすという強い気持ちだった」 山崎(今季初セーブ) 「強い気持ちを持って、一つずつ積み重ねたい」

◆守護神の山崎が3点リードの九回から登板。1番鳥谷からの好打順を三者凡退で切り抜け、6試合目の登板で今季初セーブを挙げた。「2019年の初セーブとなったし、締めくくるポジションとして、きょう以上の強い気持ちを持って一つずつ積み重ねていきたい」。大貫の初勝利も"アシスト"し、「大貫に対して思う気持ちがありました」と記念球を手渡した。

◆阪神ドラフト1位ルーキーの近本光司、代打でプロ初ホームラン、おめでとう!!  君のそのグングンとスタンドへと伸びていく打球に全国の虎党は未来の4番...いや何だったら、即刻4番を打ってもらってもいいと思ったのではありません? 今季7安打中、ホームランに三塁打2本、二塁打1本...。この長打男を生かさない手はない。  次の中日戦から4番任せたで!! と、本日やっと1号を放った4番大山にプレッシャーをかけておくのだ!! 文句を言いつつ、4番大山と心中覚悟を俺は決めているんだから、バケてくれ~。  それにしても、ハ~ァ...。やっぱり打てない貧打阪神。とりわけ、今季1番に入った選手は、わずかヒット2本だけの『呪われた1番打者』がコワ~イ!!  上本や鳥谷を日替わりで1番に起用しても現状、斬り込み隊長の雰囲気はないしなあ~。ならば、打てる人から打線で1番糸井、3番福留さま、そして5番に長打男の近本の勝負に出てもいーんじゃねーの!?  最後に秋山は次に絶対に復活勝利を挙げると本日の投球を見て、予言しておくのだ!!

◆--近本のプロ1号の後、何か声をかけたか  矢野監督 「試合中なんでね、なかなかそういうのは展開的にも声をかけられる状況じゃなかったので。ナイスバッティングということは伝えたような気はしてるんですけど。特別に声をかけたっていうことはできてないですね」  --明日以降も甲子園が続く  「現状ね、DeNAの第1戦でいい勝ち方ができたのを生かせなかったのでね。自分たちで状態をあげていって流れを作っていかないと、なかなか他力本願ではいけないので。なんとか自分たちで調子をあげて前を向いて頑張っていきます」  --中谷の二回のファンブルはイレギュラーも  「イレギュラーしたといえばしたんだろうけど、将大のレベルであればそういうことはケアできる。ランナーも宮崎やったかな。もともと守備はうまい選手なので、しっかりやってくれると思います」

◆どうしても"気になる"ので、出社するなり「虎ソナ班」の窓際から、4月からトラ番になって鳴尾浜の2軍戦(対オリックス)を取材中の菊地峻太朗に電話をいれた。二の線のツラなので「どこからきた?」と聞いたら「横浜です」という。なんだDeNAの地元出身なのか...と言ったら、明治学院大のアメフット部出身で粘りが身上らしい。  おい、ところで我らがマルテ内野手は一体どこでドーしとるんだ...と聞いたら「まだもう少しお待ちください」だと。それで立て続けに「我らが藤浪投手は?」とたたみ込んだら「天気もいいし、笑顔ものぞいていて元気でした」だと。  次の質問をしようとしたら「先輩、今日は2軍戦で高橋遥人投手が6回2失点で、キラッとしたピッチングを見せました。もう実にイイ感じ...」というのでついつられて、思わずそりゃ楽しみだな...。  というのもこの日の当番デスク阿部祐亮の長男もハルト(遥斗)で、つい数分前に運動部の当番席で阿部に「おい最近の遥斗君(小2)のサッカー熱はどうだい」と聞いてみた。元気で頑張ってますという。こっちは「遥斗には野球をやらせて、近い将来は阪神に入れてちょっとはシャキッとした打者にしてくれんか?」と気楽なことを口走った。この日の甲子園のDeNA戦には間に合わない。でもそういう無茶ぶりをしたくなるほど、前日10日の若虎の動きはヘロヘロだった。  しかし...ちょうど1年前の4月11日の広島戦で、高橋遥は7回2安打無失点の力投。阪神の新人が甲子園での初登板初先発を勝利で飾ったのは、1959年の村山実以来、実に59年ぶりだった。  だとしたら、ひょっとしてハルトつながりで...と思った。そこに矢野監督が鳴尾浜に姿をみせたのだ。菊地はトラ番キャップ大石豊佳にすぐ連絡。今年の矢野監督はこうして足しげく鳴尾浜に駆けつけ、2軍の状態を視察する。  大石キャップもその動きのいい矢野監督には昼飯抜きで追いかける日々が多くなるが、なんだか活気があってイイ。そして大石は「監督は今日はあえて長坂捕手を抹消して梅野と坂本の"捕手2人制"をとりました。もしも...の場合は中谷がいますから...つまりは背水の陣という陣形。攻めの姿勢を貫く矢野監督らしさが出てます。これが若虎たちを鼓舞するんじゃないかと思います」というのだ。  まぁ最近、どこやらの運動部長がウルサイほど「ウチも働き方改革や」と、なんだかんだと少ないスタッフで休みも取らせなければいけないので、頭を痛めているけど...。阪神タイガースの最前線の動きを見ていると「他人とは思えないなぁ...」となってくる。  その一環だろうが、甲子園の記者席には野下俊晴デスクが登場した。「オッ、珍しいな。元気でやってるか」と球場入り口で阪神球団南信男顧問に声をかけられ思わず「僕が来たからにはぜひ勝ってくださいョ」と野下にしては珍しく"本音"をからめたセリフが口をついて出た。  野下がトラ番キャップ時代、南氏は球団社長。それで「2日前(9日、梅野サイクル安打など12-8と快勝)は僕が当番デスクでしたから、今日もひとつ...」とヨイショも付け加えたらしい。  たしかに"その片リン"はのぞいた。三回に大山が1号。五回表には中谷がロペスの打球をダイビングキャッチをみせ、七回には近本が記念すべきプロ初ホームラン!  だけど一回の絶好機にアップアップの大貫に大山、中谷の凡退が響いた。砂を噛むような後味の悪さのシーンを引きずりたくはないが...。

◆DeNAの新人・大貫がプロ初勝利。新人投手の勝利は3月29日のソフトバンク・甲斐野央、4月4日の巨人・高橋優貴に次いで今季3人目。  DeNA(前身球団を含む)の新人投手で登板2試合目までに初勝利を挙げたのは、昨年の東克樹(2試合目)がいるが、右腕では2011年の加賀美希昇(1試合目)以来8年ぶり。DeNAの新人投手が甲子園でプロ初勝利を挙げたのも11年の加賀美以来8年ぶり。

◆大貫の日体大時代の恩師、古城(こじょう)隆利監督(49)は神奈川県内で教え子の初白星を知った。社会人野球を経てプロ入りした大貫について「(大学時代からの)試合を作る力が実ったようですね。何よりいいのは、自分の力を過信しない謙虚さ。4年生の時も『まさかプロ野球の選手に...』という感じだった」と懐かしそうに振り返った。

◆2年目の神里が初の2試合連続本塁打を放った。六回に秋山の内角速球を捉え、右中間席への貴重な2号3ラン。同い年の大貫の初勝利を援護し、「大貫が頑張っていたので、助けられてよかった」と笑顔だった。昨季は15盗塁を記録。オフの肉体改造で長打力が向上した。これで7試合連続安打と好調な1番に、ラミレス監督は「今の彼はポジションをつかみかけている」と称賛した。

◆4番・大山は一回1死二、三塁で三ゴロに倒れ、先制点を演出できなかった。2点を追う三回2死では左中間へ今季1号ソロを放ち、「初回のチャンスの場面で流れを止めてしまったので、なんとか塁に出るという気持ちで打った結果が、ホームランとなってよかったです」と話した。矢野監督は「(凡退後に)ある意味でやり返したというか」とかばった。

◆中谷が五回、中堅の守備でロペスの左中間への打球をダイビングキャッチし、スタンドから大きな歓声を受けた。だが、一回2死満塁の先制機で二ゴロ。二回無死一塁で大和の中前打をファンブルし、二塁止まりだった宮崎の三塁進塁を許してしまった。ここから先制の2点を与えたこともあり、試合後は報道陣の問いかけに「なにもないです...」と厳しい表情でクラブハウスに引き揚げた。 二回、2失点につながった中谷の失策について阪神・筒井外野守備走塁コーチ 「イレギュラーによく反応していただけに、もったいない。強い送球ができていたら、(三塁で)刺せたかもしれない」

◆阪神はDeNAの先発、D3位・大貫にプロ初勝利を献上し、2-5で5位転落。モヤモヤ感ばかりが漂う中、ドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が七回に代打登場し、プロ1号を放った。  初アーチの記念球は近本の手元に帰ってきた。初安打は両親に送ると明言していたが、今回は「まだ考えていないです」と話した。右中間席で球を捕球したのは神戸市からきた五井将太さん(20)=会社員。「外野で観戦するのも初めてだったんですけど、一生忘れられない」と大興奮。五井さんも関学大に通っていた経験があり、偉大な先輩へ「とてもうれしい。どんどん結果を残してもらえたら」とエールを送った。

◆初ものアレルギー!? 阪神はDeNAのD3位・大貫晋一投手(新日鉄住金鹿島)を打ち崩せず連敗。矢野監督が天を仰いだ。  「毎年、毎年、絶対にそういうこと(新人との対戦)は出てくるし、やられたら言われるっていうのは仕方ないことやし。次回やり返すしかないと思うんで」  早々のKOチャンスを不意にした。  一回、1死から糸原がストレートの四球を選び、続く糸井が右中間二塁打。目の前のルーキーはもう冷や汗だらけ。二、三塁から外野フライでも1点の状況で、聖地のボルテージは高まったが、大山&中谷の内野ゴロでまさかの無得点。四回も先頭・ナバーロが左前打でチャンスメークしたが、二死二塁で3試合ぶりに1番を任された鳥谷が一ゴロとは...。  指揮官は「苦しんだというか、立ち上がりやね。ちょっと(大貫を)落ち着かせるところになったと思う」と立ち上がりの拙攻を嘆いた。  洗礼どころか余裕を与えてしまい、五回までで大山のソロのみの1得点。プロ初勝利を献上することになった。清水ヘッドコーチは「どこのチームも初ものは手探りになるけど、手探りでいきすぎてしまう」という。  4日には巨人のD1位・高橋優貴投手(八戸学院大)にもプロ初勝利を献上しており、9日にはDeNAのD1位・上茶谷大河投手(東洋大)に6回8安打3得点と攻略しきれなかったばかり。データの少ない新人に対する嫌なイメージが膨らみつつある。  「自分たちで状態をあげて流れを作っていかないと。他力本願ではいけないので」  上向きかけても乗り切れない猛虎打線。前日の浜口に続き、苦手ばかりでは悲願のVは遠ざかるばかりだ。 (大石豊佳) 大貫について阪神・浜中打撃コーチ 「ツーシームとフォークでやられた。(打順は)監督もいろいろ考えていると思う。大山と近本にホームランが出たし、またあしたやるしかない」

◆昨年10月に右膝手術を受け、8月24日の巨人戦(東京ドーム)以来となる復帰登板の秋山が顔をしかめた。6回9安打5失点。五回までを6安打2失点と踏ん張っていただけに、一発が痛かった。  「(相手が)左(打者)でも投げさせてくれたので、期待に応えたかったんですけど。投げきってゼロで終えたかったです」  反省したのは1-2の六回2死一、三塁。試合前時点で打率・367と好調の神里を打席に迎えた場面だった。初球の高め131キロ直球をフルスイングされ、右中間席へ放り込まれた。矢野監督が「代え時も頭の中にありながら、いろんなことを含めて、もう1人何とか頑張ってほしいということで」と送り出したことを明かしたが、すべてを暗転させてしまった。  ウエスタン3試合で3勝0敗、防御率2・70。右膝の状態も見ながら徐々にイニングや球数を増やし、仕上げた。「思ったより真っすぐもしっかり投げられました」。100キロ台のカーブなど変化球も有効に使いながら要所をしのいでいた。  「どうしても、全部一生懸命になった部分はあったんですけど。次に生かしたいなと思います」  次こそ勝利に導く。 (箭内桃子) 秋山について阪神・福原投手コーチ 「まだもう少し球の切れもほしいかなというのはありましたけど。(次回登板へ)しっかりつなげてもらってですね」

◆DeNAは11日、阪神3回戦(甲子園)に5-2で勝ち、2連勝を飾った。ドラフト3位右腕・大貫晋一投手(25)=新日鉄住金鹿島(現・日本製鉄鹿島)=が先発し、5回5安打1失点でプロ初勝利。チームの新人一番乗りで、12球団の先発投手では巨人のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=に次ぐ白星となった。  記念すべき瞬間は三塁側ベンチの最前列で迎えた。25歳のルーキー、大貫が5回1失点でプロ初勝利。仲間からの握手攻めに笑みを浮かべた。  「純粋にすごくうれしいです。常に攻める気持ちを持って投げました」  最速148キロの本格派右腕が2度目の先発。一回2死満塁のピンチで中谷をツーシームで二ゴロに。五回1死一塁では、前の打席で本塁打を浴びた大山をツーシームで遊ゴロに打ち取り、続く福留を二飛に抑えた。  静岡・桐陽高時代の最高成績は県大会8強で縁がなかった甲子園。この日は敵地の大声援が押し寄せた。「一球一打に阪神ファンの歓声が上がる」。自分を見失いそうになったとき、投球の間を長めに取って気持ちを落ち着かせた。  日体大時代に右肘の手術を受けた苦労人。新日鉄住金鹿島(現・日本製鉄鹿島)で磨いたツーシームが要所で生きた。さらに...。9日の阪神戦に登板し、6回3失点で勝ち負けが付かなかった同期のD1位・上茶谷(東洋大)からエールをもらっていた。  「(阪神打線は)めっちゃ打ちますよ。頑張って抑えてください」  上茶谷とは2月の春季キャンプの宿舎で同部屋。キャッチボールのパートナーでもある。大貫は22歳の助言を聞き「低めに投げてゴロを打たせようと意識しました。年下ですが、上茶谷を尊敬しているし、刺激をもらっています」と自らを奮い立たせた。  5回100球。球数は多かったが、最少失点で乗り切った。「野手の方が点を取り、リリーフ陣が締めてくれた。チームの勝利だと思います」。記念球を握りしめ、甲子園で無数のフラッシュを浴びた。(湯浅大) 初勝利の大貫にDeNA・ラミレス監督 「おめでとうと言いたい。球数が多かったことを修正すれば、まだまだ向上できる」 二回に先制の右前適時打を放ったDeNA・伊藤光 「大貫が一回のピンチを乗り越えたので、自分のバットでかえすという強い気持ちだった」

◆キミが光や! 阪神はDeNAの先発、D3位・大貫にプロ初勝利を献上し、2-5で5位転落。モヤモヤ感ばかりが漂う中、ドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が七回に代打登場し、プロ1号を放った。決定力不足の打線は相変わらずで、2連敗で借金「2」。このジリ貧傾向を何とか変えてくれ~!  もどかしさも冷たい空気も、ひと振りで熱く変えた。白球が漆黒の夜空を舞い、聖地の右中間席へ消える。やったぞ、近本! 七回先頭代打でプロ初アーチ。カード負け越しで5位転落となった中、ルーキーの一撃だけが虎を明るく照らした。  「甲子園でああいう打球は初めてだったので。きょうは浜風じゃなくて北風で、それもフォローしてくれて入ったのかなと思います。ファーストストライクから積極的に打ちにいった結果が最高の結果となりました。甲子園で打つことができて素直にうれしいです」  1ボールからの2球目、国吉の143キロ直球を振り抜いた。着弾を見送っても表情は変わらず「負けている状況だったので、あまり覚えていないです...」と必死にダイヤモンドを一周した。待望のプロ初アーチは12球団の新人で最速。虎のドラフト1位が、またしても新たな歴史を刻んだ。  キャンプからオープン戦にかけて猛アピールに成功。D3位・木浪聖也内野手(ホンダ)とともに球界史上初の開幕新人1、2番コンビを任されたが、6日の広島戦(マツダ)を最後にベンチスタートの日々が続く。悔しくないはずがない。プロである以上、結果を残すしかない。しかも、大観衆の前で-。運命のドラフト前、赤い糸で結ばれたかのように甲子園への思いを強めたことがあった。  「近況というか、報告ですね」  ふらっと母校に立ち寄ったという。兵庫・社高時代には、体育科の学生寮『東雲寮』の寮長。約100人の学生を束ね、聖地を目指した。3年夏は県8強に終わり、関学大を経て大阪ガスに入社。野球部にはバットもプレゼントし、職員室にも足を運ぶと、都市対抗野球で全国制覇したことを笑顔で報告した。聖地を目指した高校時代から7年の月日を超え、プロ野球選手して放った甲子園でのアーチは格別だ。  「悔しいですけど、今の期間を次出たときの準備の期間だと思って今取り組んでいます」  矢野監督は「代打というのは本当に難しい場面なんですけど、振り切ったすばらしい打球でした」とうなずいた。借金は再び「2」。確かに停滞している。でも、近本という新しい風が吹いている。まだまだ、ここから。17年ぶり最下位に沈んだ昨季から、明らかに虎は変わってきている。 (竹村岳) ★最近のドラ1野手初アーチ  ◆伊藤隼太(2012年、慶大) 12年9月27日。ヤクルト戦(神宮)。五回2死満塁で松井光から満塁本塁打。1軍公式戦35打席目で、初本塁打初打点を記録した  ◆高山俊(16年、明大) 16年3月31日のヤクルト戦(神宮)。一回先頭でデイビーズから、先頭打者本塁打。新人の先頭打者初球での初本塁打は2リーグ分立後では史上初  ◆大山悠輔(17年、白鴎大) 17年7月1日。ヤクルト(甲子園)。「5番・一塁」で先発出場し、原の145キロ直球を左翼席最前列への先制3ラン。阪神の新人のプロ初安打本塁打は1987年の八木裕(現サンケイスポーツ専属評論家)以来30年ぶりだった

◆阪神はDeNAに2-5で敗れ、借金「2」の5位に後退した。先発したDeNAのD3位・大貫晋一投手(25)=新日鉄住金鹿島=相手に一回から1死二、三塁のチャンスを作るも、大山悠輔内野手(24)、中谷将大外野手(26)が凡退。球団OBでサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(65)は、2人の打席内容に「寂しい」とため息をもらした。  昨夜の負けは一回の攻撃に尽きる。DeNAの先発・大貫をそこで攻略できたはずなのに、できなかった。1死二、三塁で大山、2死満塁で中谷が凡退。ともに打者有利なカウントなのに、まるで追い込まれたかのようなスイングだったことには、寂しさを感じた。  大山は2ボールから内角高めのシュートを振って三ゴロ。中谷は初球、これも高めのシュートを振って二ゴロだった。狙い球を思い切り振っての凡退ならば、まだ納得できる。だが、いずれもそうは見えなかった。ストライクを取られるのが嫌で、狙い球以外に手を出したように見えた。  大山はせめて外野フライを打ってほしい場面。大貫はシュートのきわどい球さえ振らなければ、なんとかなりそうな投手だったのに、その球を振ってしまった。中谷もシュートが狙い球ならば、引っ張らなければいけないはずなのに、打球は右方向へ。なぜ、このスイングなのか...とガッカリした。中谷は遠くへ飛ばす魅力があるのに、追い込まれてもいないのに追い込まれたようなスイングをしていては、持ち味が生かせない。こういう打席を減らしていかないといけない。  打者には、2ストライクになるまでは見逃していい権利がある。狙い球でなければ見逃すのも大きな選択肢だし、狙い球ならば「来た!」と思い切ってスイングをするべきだ。この日の2人には、打席のなかでそういう余裕がなかった。結果的に大貫を助けてしまった形になった。コーチは結果ではなく、しっかりスイングできたかどうかを見て、声をかけてあげてほしいと思う。  いい例がDeNAの神里だ。四回の打席で直球を見逃して三振。ヨシ、次の打席では直球をとらえてやろうと狙っていたのだろう。六回は初球の直球をフルスイングして本塁打にした。同じことが七回の近本の本塁打にもいえる。直球一本待ちで、狙い球をフルスイングしてスタンドまで運んだ。ナイスバッティングだった。近本の思いきりのよさを、みんな見習ってほしい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
840 0.667
(↑0.031)
-
(-)
131
(-1)
62
(+6)
39
(+2)
10
(-)
5.000
(-)
0.000
(-)
2
(1↓)
巨人
740 0.636
(-)
0.5
(↑0.5)
132
(-)
47
(-)
37
(-)
14
(-)
5.000
(-)
0.000
(-)
3
(-)
DeNA
750 0.583
(↑0.038)
1
(-)
131
(-1)
59
(+5)
47
(+2)
14
(+1)
3.000
(-)
0.000
(-)
4
(-)
中日
560 0.455
(-)
2.5
(↓0.5)
132
(-)
41
(-)
39
(-)
11
(-)
7.000
(-)
0.000
(-)
5
(1↓)
阪神
570 0.417
(↓0.038)
3
(↓1)
131
(-1)
40
(+2)
55
(+5)
7
(+2)
4.000
(-)
0.000
(-)
6
(-)
広島
390 0.250
(↓0.023)
5
(↓1)
131
(-1)
37
(+2)
69
(+6)
12
(+1)
3.000
(-)
0.000
(-)