広島(★2対6☆)ヤクルト =リーグ戦3回戦(2019.04.11)・マツダスタジアム=
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ヤクルト
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広島
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勝利投手:寺原 隼人(1勝0敗0S)
敗戦投手:岡田 明丈(0勝2敗0S)

本塁打
【広島】松山 竜平(2号・6回裏2ラン)

  DAZN
◆ヤクルトは初回、バレンティンの適時打と雄平の犠飛で幸先よく2点を先制する。続く2回表には、青木の適時打などで4点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・寺原が6回途中2失点で今季初勝利。敗れた広島は、先発・岡田が2回途中6失点と誤算だった。

◆ヤクルトが今季初の同一カード3連勝を目指す。 昨季広島戦は6勝19敗と大きく負け越し、連勝は8月2、21日の2試合が最長。 広島戦で3連戦3連勝となれば12年9月17~19日以来、7年ぶりとなる。

◆ヤクルトに新加入した寺原隼人投手が先発し、5回2/3を被安打5の2失点に抑え、新天地で今季初勝利を飾った。 今季2度目の先発マウンド。初回は3者凡退と上々のスタートを切った。2回以降は走者を背負いながらも、粘り強く投げた。直球の制球に苦しみながら、カーブやスライダーなど変化球でカウントを整えた。 6-0で迎えた6回、広島5番松山に2ランを浴び、その後さらに連打を許したところで降板した。「野手の方が前半、点を取ってくれたので、楽な気持ちで投げることができました。調子自体はよくなかったですが、(捕手)中村がいいリードをしてくれました。本塁打を打たれた場面では、自分で首を振って投げたので、首を振って投げる以上はしっかり投げないといけなかったです」と話した。

◆広島松山竜平外野手(33)が反撃ののろしを上げる2号2ランを右翼席へ運んだ。 6点を追う7回。2死二塁からヤクルト寺原に追い込まれながら低めフォークを拾い上げると、きれいな放物線を描いた。「何とか1点返したいという気持ちで食らいついていきました」。2回の一塁守備で適時失策を記録。そのミスを取り返す1発となった。

◆1回0/3、打者10人に6四球。広島先発岡田明丈投手がふがいない投球でマウンドを去った。 初回は2四球で2失点。2回は先頭から連続四球の後、投手の寺原をストレートの四球で歩かせ満塁。駆けつけた佐々岡投手コーチにはっぱをかけられた。それでも立ち直れず、太田に4連続四球となる押し出し四球を与えたところでタオルを投げられた。2番手矢崎も走者をかえされ、6失点で今季2敗目。悪夢だった。 チームは、思ってもみない形で注目されていた。前日10日のヤクルト戦は3-3の延長10回、1イニングで12点を失い敗れた。延長イニングの失点では史上最多。開幕から4カード連続負け越しが決定した。過去の優勝チームで、4カード連続負け越しからスタートしたチームはない。王者が試練を迎えていた。 練習前の野手陣の円陣で、元選手会長の小窪が声だし役を務めた。「やられたら、やり返す!」。短い言葉でチームを鼓舞した。「いつもは(かけ声をかけるのは上本)崇司なんですけど...。みんな、なんとかしたいと思っている。熱い気持ちをもってやりたい」と話していた。岡田も同じ思いを持っていたが、結果は最悪だった。

◆広島の旧姓加藤から改名した矢崎拓也投手が2年ぶりに1軍登板を果たした。乱調の岡田に代わり、2回無死満塁で登板。適時打や押し出しを許すも3回以降は立て直し、4イニング無失点の力投。 厳しい状況での登板にも「マウンドに上がれば打者に集中するだけだと思っていた。ヒットはしょうがないけど、四球はいただけない」と振り返った。

◆広島は先発岡田が四球連発で自滅。チームはヤクルトに3タテを食らい、今季初の4連敗となった。緒方孝市監督(50)の一問一答は以下の通り。 -先発岡田が崩れた 緒方監督 見たまんま。後を受けたピッチャー陣はがんばってくれたし、試合をぶっ壊さずに最後まで本当にがんばってくれた。野手も本当に集中した。エラーも1個出たけど、あれも失点に絡んでいるから。そういった中でみんな集中して、最後までがんばってくれた。 -やはり先発が試合をつくらないと厳しい 緒方監督 だから、見たまんま。今の状態では投げさせられないから、2軍でしっかりやってもらうしかないよね。地元で勝ててないので、ファンの人に申し訳ないけど、明日から試合が続くし立て直せるようにしっかりとやるだけです。

◆ヤクルトの再生工場が、ベテラン投手をよみがえらせた。ソフトバンクを戦力外になり、新加入した寺原隼人投手(35)が5回2/3を5安打2失点。ソフトバンク時代の17年5月7日ロッテ戦(ZOZOマリン)以来704日ぶりの白星を挙げた。 打線も相手の隙を突いて序盤に得点を重ね、広島戦では12年9月17~19日以来7年ぶりの3連戦3連勝。リーグ優勝した15年シーズン以来1282日ぶりの単独首位に立った。ウイニングボールを手にすると、思わず笑みがこぼれた。704日ぶりの勝利に「正直、うれしい。戦力外になって、こういうのは想像していなかった」とかみしめるように話した。 状態はよくなかった。直球でストライクをとれず、スライダーやカーブ、フォークで粘った。6点のリードをもらった2回2死一、二塁のピンチでは、広島小窪を131キロの低めスライダーで遊ゴロに打ち取った。この日の最速は146キロ。01年夏の甲子園で約158キロを計測した当時の投球スタイルとは異なるが、ベテランらしく5回2/3を2失点にまとめた。リードした中村は「守りに入らず、ゲームを作ってくれた。新天地で、なんとか勝たせてあげたいという一心だった」と安堵(あんど)の表情だった。 ヤクルトは4球団目となる。「すごくいいチーム。お世辞抜きで、いいチーム」と繰り返した。加入が決まり、すぐにオリックス時代の同僚で同い年の近藤と「一緒に喜び合おう」と連絡をとりあった。練習が始まると、ベテラン左腕石川の姿に感銘を受け、よく話をするようになった。「勉強になる。妥協をしない。だから勝ち星を重ねている」。地道な努力の偉大さを痛感した。 チームは、広島を相手に3連戦3連勝は12年9月17~19日(マツダスタジアム)以来7年ぶり。単独首位にも立った。「拾っていただいて、何が何でも結果しかない。もっといい投球をして、長いイニングを投げたい」。優勝を目指すチームに、頼もしいベテランが加わった。【保坂恭子】 ◆ヤクルト移籍で復活した選手 坂口は16年にオリックス自由契約から移籍し、16~18年は3年連続規定打席をクリア。昨季は打率3割1分7厘(リーグ9位)をマークした。オリックスから16年7月にトレードで加入した近藤は昨季、リーグ最多の74試合登板で最優秀中継ぎ投手に。野村克也監督時代は角盈男、田畑一也(現投手コーチ)、広田浩章、野中徹博、小早川毅彦、辻発彦ら移籍組が活躍し「再生工場」という名称が生まれた。

◆広島先発岡田がプロらしからぬ四球連発で自滅した。初回に2四球で2失点。2回は先頭から連続四球の後、投手の寺原をストレートの四球で歩かせ満塁。太田に押し出し四球を与えたところで降板となった。1回0/3、6四球で6失点。「初回から思ったところに投げられず、引きずってしまった」とうなだれた。緒方監督は「今のままでは投げさせられない。2軍でしっかりやってもらうしかない」と降格を即断した。 チームは泥沼に迷い込んでいる。前日10日のヤクルト戦は延長10回の1イニングで12点失点し、開幕から4カード連続の負け越しが決まった。それを受け、練習前の野手陣の円陣で元選手会長の小窪が声だし役を務めた。「やられたら、やり返す!」と短い言葉で鼓舞した。 岡田も同じ思いだったが、責任感が手もとを狂わせたのか。今季初の4連敗で借金6、首位に5ゲーム差となった。 試練は続く。12日からの6日間で横浜→鹿児島→熊本と移動し5試合を戦う。緒方監督は「地元で勝ててないのでファンの人に申し訳ないけど、明日から試合が続くし、立て直せるようにしっかりとやるだけ」と前を向いた。悪い流れを引きずるわけにいかない。【村野森】

◆ヤクルトは優勝した15年以来の単独首位に立ち、青木宣親外野手は「去年に引き続きという感じ。自分たちの形、方向性が見えている」と手応えを口にした。 2回に4連続四球など広島先発岡田が制球を乱し、さらに無死満塁、青木は中前打で続いた。序盤に6点を奪い、試合を優位に進めた。「一気にたたみ掛けることができた」と振り返った。

◆ヤクルトの再生工場が、ベテラン投手をよみがえらせた。ソフトバンクを戦力外になり、新加入した寺原隼人投手(35)が5回2/3を5安打2失点。ソフトバンク時代の17年5月7日ロッテ戦(ZOZOマリン)以来704日ぶりの白星を挙げた。打線も相手の隙を突いて序盤に得点を重ね、広島戦では12年9月17~19日以来7年ぶりの3連戦3連勝。リーグ優勝した15年シーズン以来1282日ぶりの単独首位に立った。今日12日から2位巨人と3連戦に臨む。 ウイニングボールを手にすると、思わず笑みがこぼれた。704日ぶりの勝利に「正直、うれしい。戦力外になって、こういうのは想像していなかった」とかみしめるように話した。 状態はよくなかった。直球でストライクをとれず、スライダーやカーブ、フォークで粘った。6点のリードをもらった2回2死一、二塁のピンチでは、広島小窪を131キロの低めスライダーで遊ゴロに打ち取った。この日の最速は146キロ。01年夏の甲子園で約158キロを計測した当時の投球スタイルとは異なるが、ベテランらしく5回2/3を2失点にまとめた。リードした中村は「守りに入らず、ゲームを作ってくれた。新天地で、なんとか勝たせてあげたいという一心だった」と安堵(あんど)の表情だった。 ヤクルトは4球団目となる。「すごくいいチーム。お世辞抜きで、いいチーム」と繰り返した。加入が決まり、すぐにオリックス時代の同僚で同い年の近藤と「一緒に喜び合おう」と連絡を取り合った。練習が始まると、ベテラン左腕石川の姿に感銘を受け、よく話をするようになった。「勉強になる。妥協をしない。だから勝ち星を重ねている」。地道な努力の偉大さを痛感した。 チームは、広島を相手に3連戦3連勝は12年9月17~19日(マツダスタジアム)以来7年ぶり。単独首位にも立った。「拾っていただいて、何が何でも結果しかない。もっといい投球をして、長いイニングを投げたい」。優勝を目指すチームに、頼もしいベテランが加わった。【保坂恭子】 ◆ヤクルト移籍で復活した選手 坂口は16年にオリックス自由契約から移籍し、16~18年は3年連続規定打席をクリア。昨季は打率3割1分7厘(リーグ9位)をマークした。オリックスから16年7月にトレードで加入した近藤は昨季、リーグ最多の74試合登板で最優秀中継ぎ投手に。野村克也監督時代は角盈男、田畑一也(現投手コーチ)、広田浩章、野中徹博、小早川毅彦、辻発彦ら移籍組が活躍し「再生工場」という名称が生まれた。 ◆加入組3勝 ヤクルト投手陣に今季、移籍で加入した3人が早くも全員勝利を挙げた。3月31日阪神戦では日本ハムからトレードで加わった高梨が移籍初登板で6回1失点。今月5日の中日戦ではソフトバンクから自由契約になった五十嵐が、古巣では10年ぶりの勝利をマークした。

◆ソフトバンクを戦力外になり、ヤクルト新加入した寺原隼人投手(35)が5回2/3を5安打2失点。ソフトバンク時代の17年5月7日ロッテ戦(ZOZOマリン)以来704日ぶりの白星を挙げた。人生初めての1人暮らしで、寺原は慣れないフライパンを握っている。どうしても外食が多くなるが、少しでもバランスのよい食事をと、福岡に住む03年に結婚した夫人が手作りのおかずを凍らせて送ってくれる。ひじきの煮物はレンジで温めて、下味がついているカット野菜はフライパンで炒めて食べる。「作って小分けして、送る作業は大変だと思うけど、やってくれています」と感謝する。 昨季日本シリーズ終了後、ソフトバンクから戦力外通告された。ヤクルト入団が決まったが「戦力外になって、そんなにもう長くは(現役を)できないと思った。1年かもしれないし、それなら1人で」と単身赴任を決意。高校時代は寮生活で、初めての1人暮らしに「掃除と洗濯は好きなんですけど、料理は後片付けが苦手で」と私生活は悪戦苦闘中。それでも「ちょっと楽しいです」。家族への感謝の思いを胸に、新天地で奮闘する。【ヤクルト担当 保坂恭子】

◆広島・岡田明丈投手(24)が11日、ヤクルト戦(マツダ)で6四球を与えるなど二回途中2安打4失点の大乱調で早々と降板した。ベンチの最前列に座ると、悔し涙を浮かべた。  一回に先頭・太田の四球で歩かせると、青木の右前打を処理した鈴木-小窪-田中広の好中継で青木を二塁でアウトにしたが、山田哲に四球。1死一、三塁でバレンティンに右前適時打、雄平の左犠飛で2点の先制を許した。  二回にも先頭・村上と中村を連続四球で歩かせると、投手の寺原にはストレートの四球で満塁のピンチを招いた。ここで佐々岡投手コーチがマウンドへ向かって、岡田のお尻をポンッと叩いて活を入れたが...。太田をストレートの押し出し四球で3失点目を献上。緒方監督はここでタオルを投入した。  現在、3連敗中の広島は7日の阪神3戦目(マツダ)から前日10日のヤクルト2戦目(同)までの3試合で34失点で"投壊"に陥っている。

◆ヤクルトのバレンティンが一回1死一、三塁で速球を右前にうまく運び、先制打として3試合連続で安打と打点をマークした。  一塁走者の山田哲が二塁へスタートを切っており、二塁手の菊池涼がやや二塁ベースに寄ったことで打球が右前に抜けた。「(山田)哲人が走ってくれたおかげでラッキーだった」と謙遜したが、昨季131打点でタイトルを獲得した4番打者が状態を上げてきた。

◆ヤクルトの青木は二回の適時打を含む2安打で勝利に貢献した。3-0としてなおも無死満塁の好機で、代わったばかりの矢崎の変化球を中前に運び「一気に畳み掛けられた」と満足げに話した。  3試合連続安打と好調。リーグ3連覇中の広島相手に敵地で3連勝を飾り「チームが自信を持てるようになってきた」と手応えを口にする。同じ宮崎県出身の後輩である寺原の2年ぶりの白星をアシスト。試合後のロッカールームではナインとともに大声で祝福し「よく粘っていた」と喜んだ。 中村(寺原を好リード) 「寺原さんにとっては新天地だし、何とか勝たせてあげたいという一心でリードしていた」 ヤクルト・田畑投手コーチ(寺原に) 「状態があまり良くない中で、よく投げてくれた」 小川監督(3連勝で単独首位) 「また次の試合が大事になる」

◆広島は一塁手の松山と、左翼手の西川の守備位置を三回から入れ替えた。一塁を任せてきた松山が二回に失点につながる失策を犯し、早くも今季4失策目。高ヘッドコーチは「エラーが多いから、この形がいいかなと思って。この形が多くなるかもしれない」と説明した。  西川は今季から外野に挑戦中。一塁の守備練習はこの日から始めたばかりだったが、無難にこなし「(出場機会が)増えればいいですけど」と前向きに話した。 広島・佐々岡投手コーチ(四球で崩れた岡田に) 「1、2年目の選手ではない。しっかり自覚を持ってほしい。ああいう姿は残念」 松山(六回に2号2ラン) 「何とか1点返したいという気持ちで、食らい付いていった」

◆バレンティンが4番の仕事だ。一回1死一、三塁から岡田の146キロの直球を捉え、先制の右前打を放った。一走・山田哲がスタートを切っており、打球は大きく開いた一、二塁間を抜けた。「テツトが走ってくれたおかげで、ラッキーだった」と主砲。3試合連続打点で昨季の打点王が調子を上げてきた。 寺原についてヤクルト・田畑投手コーチ 「状態が悪い中、よく粘って後の投手につないでくれた。曲がり球とフォークをうまく使っていた」 ヤクルト・中村 「(寺原には)『攻めていきましょう』と話した。寺原さんも守りに入らず、試合を作ってくれた」

◆寺原を援護したのは、宮崎県出身の先輩、青木だった。一回に右前打で先制点を演出すると、二回無死満塁では中前適時打を放ち、「一気に畳み掛けられた」と満足げに話した。3試合連続安打と好調の37歳は、試合後のロッカールームでナインとともに大声で寺原を祝福し、「よく粘っていた。チームが自信を持てるようになってきた」と手応えを口にした。

◆リーグ3連覇した昨季まで「要塞」と呼ばれたマツダスタジアムが"陥落"した...。前日に開幕4カード連続負け越しで"V率0%"となった広島が、また投壊。同球場での4連敗は緒方監督1年目だった2015年8月以来4年ぶり。4試合計40失点に、指揮官は顔をしかめた。  「(岡田は)見たまんま。だから、見たまんまだって。今の状態では投げさせることができない。2軍でしっかりやってもらう」  頭痛などに効く「バファリン」のスポンサー試合だったが、緒方監督にとっては頭の痛い展開となった。先発の岡田が二回持たず2安打6失点でKO。6四球とストライクが入らなかった。  一回、いきなり先頭の太田に四球。1死一、三塁からバレンティンの右前適時打、雄平の左犠飛で2点を失った。二回は無死から連続四球。投手の寺原も歩かせると、太田にもストレートの四球を与えて、押し出し。4者連続四球に我慢の限界を超え、タオルを投入した。  しかも、前日10日の4失策に続き、この日も守乱だ。一塁・松山が0-5の二回1死満塁で雄平の低い打球を弾き、適時失策。リーグワーストタイの4失策目に、緒方監督が試合中に動いた。三回。松山を左翼、左翼・西川を一塁へと入れ替える、異例の"荒技"。だが、ときすでに遅し。12試合で昨年(9)の倍となる18失策と本来の「守り勝つ野球」とはほど遠い状況が続いている。  「地元で勝てなくてファンに申し訳ない」と、連日のようにファンへのざんげの言葉を繰り返す指揮官。昨季19勝6敗と圧倒したヤクルトに同一カード3連敗を喫し、借金6で最下位独走。古葉竹識監督5年目の1979年に借金6から逆転優勝を果たし、球団初の日本一に輝いた例はあるが...。いまのカープに"特効薬"は見あたらない。(柏村翔) 一塁・松山と左翼・西川の守備位置を入れ替えたことに広島・高ヘッドコーチ 「エラーが多いから、この形がいいかなと思って。この形が多くなるかもしれない」 一塁の守備練習はこの日から始めたばかりの広島・西川 「(出場機会が)増えればいいですけど」

◆ヤクルトは11日、広島3回戦(マツダ)に6-2で勝ち、3連勝。シーズン8勝4敗とし、リーグ優勝した2015年10月7日(全日程終了時)以来の単独首位に浮上した。昨季ソフトバンクを戦力外になった寺原隼人投手(35)が先発し、六回途中5安打2失点で移籍後初勝利。球団伝統の『再生工場』で復活した。広島戦の3連戦3連勝は12年9月17-19日(マツダ)以来7年ぶり。球団設立50周年に燕が好調だ。  勝利を待つ瞬間、寺原の脳裏には戦力外通告を受けてからの日々が浮かんでいた。先発では17年5月7日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来の勝利。35歳の右腕は感慨深げだった。  「戦力外になったときは、今の姿は想像できなかった。拾っていただいたので、何が何でも結果で応えたかった。ヤクルトの雰囲気はすごい。お世辞抜きで本当に良いチームです」  宮崎・日南学園高時代に最速154キロの剛球を誇った男は、円熟味のある投球で鯉打線をかわした。最速146キロを計測した直球の制球に苦しんだが、スライダーでカウントを稼ぎ、左打者にはフォークボールでゴロを打たせた。序盤の大量得点にも守られ、96球で六回途中5安打2失点。「直球でストライクが取れない中、中村が引き出してくれた」と女房役に感謝した。  昨季は日本シリーズにも同行していたが、日本一が決定した直後に戦力外通告を受けた。途方に暮れる中、救いの手を差し伸べたのがヤクルトだった。昨季は救援。新天地で先発に転向することになり、春季キャンプでは39歳の石川の背中を追った。石川が3連投すれば、自身もブルペンに向かった。「ずっと第一線で活躍している。理由があるはずだと思って」。調整法や気温への対処法などを吸収してきた。  心の支えは福岡に残してきた家族の存在。東京に単身赴任のため、夫人の由記さんが健康を考えて調理した食材を送ってくれる。外食後でも、野菜が不足していると思えば自宅で食材を温め直すという。「ひじきだとか、温めるだけにして送ってくれる。今まで料理は全くしたことがなかったけれど、ティファールのフライパンを買いました」。冷凍庫に所狭しと並ぶ愛妻料理を目にする度、復活への思いを新たにしていた。  リーグ優勝した15年以来の単独首位。球団伝統の『再生工場』が躍進を支える。昨季ソフトバンクを戦力外になった五十嵐は開幕から5試合連続無失点。チーム防御率2・88はリーグ1位と、昨季の4・13(同4位)から大幅に改善している。  前夜(10日)は延長十回に12点を奪い、延長で1イニング最多得点のプロ野球新記録を樹立。小川監督は試合前に「大味な試合の後は得点できないことが多い」と心配していたが、打線は二回までに6点を奪った。  昨季2勝9敗と鬼門だったマツダスタジアムで3連勝。広島戦で3連戦3連勝するのは12年9月17-19日(マツダ)以来7年ぶりだ。「きょうを勝てば、あすが大事になる」と小川監督。12日からは2位・巨人との3連戦。勢いを東京ドームに持ち込む。(長崎右)

◆広島は序盤の失点が重く、今季初の4連敗を喫した。岡田が押し出しを含む6四球を与え、1回0/3を6失点で降板した。一回に2四球が絡んで2点を先制され、二回に入るとさらに制球が乱れた。球が浮いたかと思うと、次にはワンバウンド。バントを試みる投手の寺原に対しても、全くストライクが入らなかった。先頭打者から4者連続で歩かせたところで降板を告げられ、試合後に2軍降格が決まった。  元広島投手の北別府学氏(61)はブログで、「ベンチの空気はどんなにか重く暗いことだろうと思う 監督 コーチ 選手達 そして声援を送っているファンの皆さんの事を思っている次第です」と奮起を促した。  チームはこの3連戦で計31失点。昨季までのような守備の安定感を取り戻せないまま、12日からは敵地で強打のDeNAと顔を合わせる。北別府氏は「今、色々と空回りしてしますが エラーも難しい捕球だったり 中々結果が出ない選手の中にはスロースターターな選手もいます」とアドバイス。「私も個人的には2年間、もがき苦しんだ経験があります。まだまだ始まったばかりです!!」と呼びかけていた。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
840 0.667
(↑0.031)
-
(-)
131
(-1)
62
(+6)
39
(+2)
10
(-)
5.000
(-)
0.000
(-)
2
(1↓)
巨人
740 0.636
(-)
0.5
(↑0.5)
132
(-)
47
(-)
37
(-)
14
(-)
5.000
(-)
0.000
(-)
3
(-)
DeNA
750 0.583
(↑0.038)
1
(-)
131
(-1)
59
(+5)
47
(+2)
14
(+1)
3.000
(-)
0.000
(-)
4
(-)
中日
560 0.455
(-)
2.5
(↓0.5)
132
(-)
41
(-)
39
(-)
11
(-)
7.000
(-)
0.000
(-)
5
(1↓)
阪神
570 0.417
(↓0.038)
3
(↓1)
131
(-1)
40
(+2)
55
(+5)
7
(+2)
4.000
(-)
0.000
(-)
6
(-)
広島
390 0.250
(↓0.023)
5
(↓1)
131
(-1)
37
(+2)
69
(+6)
12
(+1)
3.000
(-)
0.000
(-)