ソフトバンク(3対3)日本ハム =リーグ戦1回戦(2019.04.09)・長崎ビッグNスタジアム=
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日本ハム
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ソフトバンク
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勝利投手:-
敗戦投手:-
  DAZN
◆ソフトバンクは2-2で迎えた6回裏、上林の適時打が飛び出し、勝ち越しに成功する。対する日本ハムは直後の7回、1死二三塁から王が犠飛を放ち、試合を振り出しに戻した。その後は両軍無得点のまま延長戦に突入するも、降雨コールドにより引き分けに終わった。

◆日本ハムは今季2度目の引き分けだった。ソフトバンク戦(長崎)は断続的な雨の中、上原健太投手(25)が中4日で今季初先発し、5回途中2失点(自責0)の力投。計7投手の必死の継投策だったが、延長10回表が始まる直前に雨が強まり、そのままコールドゲームとなった。長崎は試合直前から雨が断続的に降った。下り坂の天気予報。中4日で先発の上原は、最初から飛ばしていた。初回先頭の牧原への4球目の直球が、球場表示でこの日最速の146キロ。走者がいなくてもクイック投球するなど、打者のタイミングをずらすテクニックを駆使して、3回までパーフェクト投球。打線から2点の援護も受けたが、落とし穴が待っていた。 試合中盤の入り口、4回。残る力を振り絞りたかった。「ああいう場面を抑えていかないと完封、完投は難しいのかなと思います」。4回1死、今宮の三ゴロを浅間が悪送球した(記録は失策)。初めて走者を背負うと、リズムが崩れた。続く内川に中前へ適時打を許した。さらに四球と単打で満塁とされ、長崎出身の川島には同点犠飛。リードを吐き出してしまった。 4日楽天戦で第2先発として3回2/3、65球を投げた左腕は、5回途中まで75球を投げきった。十分すぎる仕事ぶりだったが、悔しさを隠せなかった。「浅間のエラーを助けてあげたかったです。野手のエラーをピッチャーがカバーできれば流れも変わってくる」。先発として独り立ちしたいプロ4年目の最初の先発は、ほろ苦い登板となった。 栗山監督は上原について「軸になって、しっかり投げいかないといけない年」と期待している。移動日だった8日、指揮官は長崎の風頭公園にある坂本龍馬像を拝んだ。その像の左足は前に出ており、土台からはみ出している。「枠にはまるな、ということ」。さまざまな新戦術を用いる今季のチーム、そしてステップアップを目指す上原にも当てはまる、偉人からのメッセージを受け取って臨んだ試合。雨降って地固まる、起点としたい。【木下大輔】

◆長崎出身のソフトバンク川島慶三内野手が10年ぶりの凱旋(がいせん)で地元ファンに感謝した。 川島は今季初スタメンで出場。「監督の粋な計らいですよ」と笑ったが、柳田を欠くなど苦しいチーム事情の中で、経験豊富なベテランの力が必要だった。守備位置はキャンプでも練習していなかった左翼守備での先発だったが「出たら自分の責任。しっかりプレーしようと思った」と難なくこなした。1点を追う4回1死満塁の第2打席では、スタンドがこの日一番の盛り上がりで大声援が送られた。追い込まれてからきっちり外野に打ち上げ、同点の犠牲フライとした。 川島は「声援をすごく送ってくださったファンの方に感謝ですね。打たないかんなという場面で犠飛を打てて良かった。あんなに感謝の気持ちを持ちながら打席に入ったのは初めてかもしれない。後押ししてもらいました」と感慨深げに振り返った。

◆ソフトバンク周東佑京内野手がプロ初盗塁を決めた。8回、四球の4番デスパイネに代わって出場。 日本ハム・ハンコックが5番松田宣に対する3球目に二盗を決めた。「スタートは悪くなかった。1個決まると(気持ちは)全然違う。今日のようなところを頑張りたい」とうれしそうに話した。 17年育成ドラフト2位で入団し、昨年はウエスタン・リーグで27盗塁を決め盗塁王を獲得。今季はキャンプからA組に入り、開幕直前に支配下登録。6日に初めて1軍に登録され、この日が出場2試合目だった。

◆ソフトバンクのドラフト7位ルーキー奥村政稔投手が、三菱重工長崎時代に投げ慣れた長崎で登板した。 「ここのマウンドは投げ慣れているので」と気合十分で、1点リードの7回に3番手で登板。2番大田から連続安打を打たれ1死二、三塁で降板した。モイネロが中犠飛を許したことで1/3回、1失点と悔しい凱旋(がいせん)になった。

◆日本ハムは激しい雨のため、10回表無死で引き分けた。 9回の守り。7人目浦野の打ち取った当たりが、一塁ベースに直撃し右前二塁打に。サヨナラ負けのピンチを迎えた。栗山英樹監督は「あれで点を取られるなら、野球の神様のメッセージだからしょうがないと思っていた」。救援陣の踏ん張りで後続を断ち、今季2度目のドローに持ち込んだ。

◆ソフトバンクが雨の長崎で、延長10回表無死での降雨コールドで引き分けに持ち込んだ。甲斐野が投球練習をしていたが、雨脚が強まり中断。13分後、そのまま試合終了となった。 8日に大黒柱の柳田悠岐外野手が左足裏肉離れで離脱。全治は3週間の予定で、この日がギータ抜きの初戦となった。2点を追う4回、「いない期間は何とか全員で頑張って」と話していた3番内川聖一内野手が二塁頭上をライナーで抜ける中前適時打を放った。6回には柳田を追い越すことを目標としている上林誠知外野手が1死二、三塁から右前へ一時勝ち越しの適時打を放った。開幕から高い数字を残し続ける柳田に対し「まだまだ(柳田さんの)時代は続きますね。すごい」と話し、故障を知った時は「ショックです」と衝撃を受けていた。 7回に日本ハムに追いつかれたが、雨で足場が悪い中、投手陣も踏ん張り9回まで同点で終えた。工藤監督は「負けないで終わるのは大きい。投手がよく粘ってくれた。(攻撃も)今まで通りにはいかない」と、この日は犠打を2度使うなど、柳田抜きで作戦面の変更も出てきた。 長崎は球団4試合目。12年以来7年ぶり、主催は09年以来10年ぶりの開催となった。九州移転30周年を記念した「WE=KYUSHUデー」は、1万7742人のファンで盛り上がった。この日の告知のために地元では丸山公園内の坂本龍馬像も同じユニホームと帽子をかぶった。龍馬像が何かを着用するのは初だ。 長崎のファンに負けない姿を見せた選手たちはこの日深夜にバスで福岡へ戻った。柳田が帰って来るまで、首位の座を渡すことはできない。【石橋隆雄】

◆日本ハムは今季2度目の引き分けだった。ソフトバンク戦(長崎)は断続的な雨の中、上原健太投手(25)が中4日で今季初先発し、5回途中2失点(自責0)の力投。計7投手の必死の継投で延長戦に持ち込み、10回表が始まる直前に雨が強まり、そのままコールドゲームとなった。勝てなかったが、負けなかった。投手陣の踏ん張りで、今季2度目の引き分けに持ち込んだ。栗山英樹監督は先発上原をたたえた。「中4日だったけど、しっかり頑張ってくれた」。 上原は、最初から飛ばした。初回先頭の牧原への4球目の直球が、球場表示でこの日最速の146キロをマークするなど3回までパーフェクト。4日楽天戦で第2先発として3回2/3、65球を投げていた疲労を感じさせない内容だった。 悔やんだのは4回の2失点だ。1死無走者から今宮の三ゴロを浅間が悪送球(記録は失策)。初めて走者を背負うと続く内川に中前適時打。さらに四球と単打で満塁とされ、川島には同点犠飛を浴びた。「野手のエラーをカバーできるのは投手だけ。何とかカバーしたかった。失点してしまって浅間に申し訳ない」。経験のない調整期間での好投ながら、自らを責めた。 ただ、上原の気迫はリリーフ陣にも伝わった。雨が断続的に降る悪コンディションの中で、それぞれが先発の思いをつないだ。9回を託された浦野は不運な打球からピンチを招いた。栗山監督は「あれで点を取られるのなら、野球の神様からのメッセージとして、しょうがないと思って見ていた」という厳しい場面も、最後は信じて送った右腕がピンチを切り抜けた。 移動日だった8日、栗山監督は長崎の風頭公園にある坂本龍馬像を拝んだ。その像の左足は前に出ており、土台からはみ出している。「枠にはまるな、ということ」。さまざまな新戦術を用いる今季のチーム、そしてステップアップを目指す上原ら若手選手にも当てはまる、偉人からのメッセージを受け取って臨んだ試合。現状は乗り切れないチーム状況も、雨降って地固まる、起点としたい。【木下大輔】

◆日本ハム王柏融が7回に意地を見せた。 2-3で迎えた1死二、三塁。モイネロの145キロを捉え、同点の左犠飛とした。それまで2三振に1四球と振るわなかっただけに「絶対に外野までは打球を飛ばそうと思っていた。最低限の仕事はできたので良かったです」。中軸の面目を保ち、ホッとしていた。

◆ソフトバンクの川島が出身地長崎での試合で、四回に同点犠飛を放った。1点差に迫り、なお1死満塁で打席へ。追い込まれながらも中堅にしっかりと打ち上げ、三塁走者が悠々と生還した。今季初の先発出場で「監督の粋な計らい。楽しみたい」と話していた一戦で結果を残し「声援がすごかった。打たないかんなと思った」と地元のファンに感謝した。  相手先発が左腕上原で、左キラーとして白羽の矢が立った。柳田を故障で欠く中、本職でない左翼の守りもこなした。複数ポジションを懸命に守る35歳のムードメーカーは「出たら自分の責任。悪くはなかったと思う」と納得の表情だった。

◆ソフトバンクの先発東浜は、時折強く降る雨の中で5四球と苦しみながらも、六回途中2失点。125球を投げて試合をつくり「球数を要してしまい、とても難しいマウンドになった。野手が追いついてくれたことに感謝」と振り返った。  春季キャンプ中に左脇腹を痛め、完治した後も抑え気味の調整だったというが、この1週間は筋力トレーニングの重りを増やすなど体を追い込んできた。「調子は良くなかったが、なんとか粘ることができた点は良かった」と収穫を挙げた。

◆ソフトバンクは終盤の勝ち越し機を生かせず、雨天の影響で13分間中断した末、延長十回表無死で引き分け。八回は福田が一ゴロ、九回は高田が空振り三振と、代打勢がともに2死一、二塁で凡退したのが響いた。主砲の柳田が故障で離脱して迎えた最初の試合で4安打3得点と、打線の迫力不足は否めなかった。  それでも七回途中から登板し八回を抑えたモイネロや、守護神の森が九回のピンチをしのぐなど投手陣はなんとか踏ん張った。工藤監督は「負けないで終わったのは非常に良かった。投手もよく粘ってくれた」と前向きに捉えた。

◆日本ハムは引き分けに持ち込んだ。栗山監督は2-3と勝ち越された直後の七回1死二、三塁で左腕モイネロから左犠飛とした王柏融をたたえ「技術の高さ。同点にしたのは大きかった」と話した。  七回以降は4投手の継投でピンチをしのいで無得点に抑え、「しっかり投げてくれた。とにかくみんなにいってもらうしかない」と4時間を超えた総力戦で負けなかったことに納得顔だった。

◆試合開始から降っていた雨が強くなり、延長十回降雨コールドで引き分けた。1点を勝ち越された直後の七回1死二、三塁で王柏融が同点の左犠飛。栗山監督は「意外と犠飛を打つのは難しい。同点に追いついたのは大きかった」と新助っ人をたたえた。7投手の継投で、3連敗を免れ、「いつ(雨で)終わってもいいように使った。今はとにかくみんなで戦うしかない」と言葉に力を込めた。

◆左膝裏肉離れで出場選手登録を抹消された柳田に代わり、3番に入った内川が四回1死二塁で中前適時打。「最初の好機で点を取れて良かった」とチーム初安打で反撃の起点になった。だが、八、九回の好機で代打陣が凡退するなど、左脇腹痛のグラシアルも不在の打線は4安打に終わった。工藤監督は「今まで通りの攻撃は難しいし、攻撃も変えて。思いきった作戦もできるように」と作戦変更を口にした。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
622 0.750
(-)
-
(-)
133
(-1)
48
(+3)
32
(+3)
19
(-)
7.000
(↑2
0.000
(-)
2
(-)
楽天
631 0.667
(↑0.042)
0.5
(↓0.5)
133
(-1)
52
(+7)
33
(+6)
10
(+1)
2.000
(-)
0.000
(-)
3
(-)
西武
550 0.500
(↓0.056)
2
(↓0.5)
133
(-1)
62
(+6)
44
(+7)
11
(+1)
11.000
(↑1)
0.000
(-)
4
(1↑)
ロッテ
460 0.400
(↑0.067)
3
(↑0.5)
133
(-1)
45
(+5)
67
(+4)
20
(+2)
9.000
(↑2)
0.000
(-)
5
(1↓)
日本ハム
352 0.375
(-)
3
(-)
133
(-1)
32
(+3)
50
(+3)
5
(-)
2.000
(-)
0.000
(-)
6
(1↓)
ORIX
253 0.286
(↓0.047)
3.5
(↓0.5)
133
(-1)
26
(+4)
39
(+5)
4
(+1)
14.000
(↑2)
0.000
(-)