1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヤクルト | 3 | 2 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 10 | 13 | 0 | 1 |
広島 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 2 | 0 |
勝利投手:原 樹理(1勝0敗0S) 敗戦投手:ジョンソン(0勝1敗0S) 本塁打 |
◆ヤクルトは初回、西浦と村上の連続適時打などで3点を先制する。その後は、3回表に村上のソロが飛び出すなど着実に得点を重ね、終わってみれば13安打で10得点を挙げた。投げては、先発・原が8回1失点の快投で今季初勝利。敗れた広島は、先発・ジョンソンが乱調だった。
◆広島クリス・ジョンソン投手(34)が毎回失点で今季最短3回6失点でKOされた。立ち上がりからつまずいた。 1回、プレーボール直後の初球をヤクルト1番太田に一塁方向へ痛烈にはじき返されると、打球の正面に入った松山が止められず右前打となった。1死満塁から雄平の犠飛で先制を許し、西浦、村上には連続適時打。1回から5安打を集中され、3点を失った。 2回以降も立ち直れず、2死二塁から山田哲、バレンティンに連続適時打。3回には村上に右翼席へ豪快にソロを運ばれた。 3回、先頭の打席が回ってきたところで代打が送られ、降板となった。大炎上の左腕は味方の攻撃が始まる前にロッカールームへ姿を消した。
◆広島菊池涼介内野手(29)が5回、左前適時打を放ち、チーム16イニングぶりとなる得点を上げた。 中盤までに9点のビハインドを背負った5回。1死一、二塁からヤクルト原のスライダーをたたいて三遊間を破った。チームにとっては6日阪神戦の6回以来の得点に「とにかく1点欲しかったので打てて良かったです」と話した。
◆「1番三塁」スタメン出場のヤクルト太田賢吾内野手(22)が、猛打賞をマークした。 1回、広島先発ジョンソンの初球を右前打。2回には左前打を放ち、第4打席の5回には、2死一、三塁で広島2番手藤井皓のフォークボールを拾って左前へ運び、打点も挙げた。「前の打席(4回)に三振してしまったので、絶対打ってやろうと思いました」と話した。 日本ハムからトレードで新加入し、左手親指を骨折した坂口の代わりに1軍に昇格。今季初スタメンで、結果を出した。
◆広島田中広輔内野手が6試合連続27打席連続無安打で、打率を1割8分4厘に落とした。昨季対戦打率3割超のヤクルト原の前に4打席凡退。 3つの飛球アウトを献上した。切り込み隊長の不振が打線の不振と重なり「僕がしっかりしていれば勝てる試合もあった。何とか早く貢献できれば」と、開幕10試合で借金4のスロースタートの責任を背負った。
◆"燕のゴジラ"が火を噴いた。ヤクルト村上が、2号ソロを含む3安打でプロ初の猛打賞をマーク。 1回の第1打席の適時打で流れに乗ると、3回1死に「初球から狙っていた」と広島先発ジョンソンの初球148キロを完璧に捉え、スタンド中段まで飛ばす2号ソロで追加点を挙げた。チームも今季最多の13安打、10得点を奪い快勝した。 試合前練習で、小川監督から「痩せたのか?」と声をかけられた。実際には最近は体重を計っていないため増減は分からなかったが、「気楽にいけよ」のひと言が耳に残った。最近2試合は無安打で、この日の試合前の時点で打率は1割3厘に低迷。それでも将来性を買われてスタメン出場を続けている。「いろいろ修正して、試行錯誤している。これまで迷惑をかけてきたので、頑張りたい」と話した。小川監督は「結果が出ることが、一番の薬になる。間違いなく、何年か後に3割30本を打てる選手」と太鼓判を押した。
◆広島が9日、ヤクルトに今季初の2桁失点を喫し、大敗した。開幕10試合3勝7敗は3連覇した過去3年はなかったスロースタート。大黒柱のクリス・ジョンソン投手(34)が炎上し、切り込み隊長の田中広輔内野手(29)も27打席連続無安打と不振にあえぐ。4連覇を目指す緒方広島の真価が問われる。上位打線が塁上をかき回し、中軸で得点を挙げる-。広島がやりたい野球を本拠地でヤクルトにやられた。序盤から劣勢の展開となり、中盤以降は四球連発に、拙守も見られ、満員だったスタンドも空席が目立つようになった。終わってみれば、今季初の2桁失点で大敗。4連覇を目指す緒方広島が開幕10試合で3勝7敗と大きくつまずいた。 王者広島の歯車が、かみ合わない。大事な週の初戦を託したジョンソンが大誤算。球速は出ていたが、球が上ずった。初回に5安打を集中されると、立て直すことができないまま3回まで毎回の計6失点。イニング間にベンチ前で迎えるナインに手を合わせる余裕すらなく、代打が送られた3回裏は攻撃開始前にロッカールームへ姿を消した。 大差の展開で攻撃陣の反発力も薄れた。切り込み隊長に当たりが止まっているだけにエンジンがかからない。1番田中は昨年対戦打率3割3分3厘のヤクルト先発原に対しても、4打席連続凡退。3打席が飛球アウトとらしさを欠いている。6試合連続、27打席連続無安打はプロ入り最長の大不振だ。さらに守備でも8回に失策。セ・リーグ最長となる578試合連続フルイニング出場を続ける攻守の要は「僕がしっかりしていれば勝てる試合もあった。何とか早く貢献できれば」と口元を引き締める。 ただ不振は田中だけではない。3番は野間で固定されつつあるが、5番が決まらない。経験のある安部や西川の状態が上がっていない現状が打線再構築を難しくさせている。緒方監督も不振の田中に「このまま変わらないようだったら打線はいろいろ考えて」と打順変更を示唆しながらも「粘り強さは出していかないと。週の頭だし、あとの試合につながらない」と攻撃陣全体の奮起を促した。【前原淳】
◆広島が今季初の2桁失点で大敗し、開幕10試合を終え3勝7敗。借金4となった。広島緒方孝市監督(50)の試合後の談話は以下の通り。 - 先発ジョンソンは球が高かった 緒方監督 球に力はあるように見えたけどね。また修正してくれれば。 - 早期降板で中継ぎ陣に負担が出た 緒方監督 もうちょっと攻めていくところは見せてほしいね。 - 打線も反発力が見られなかった 緒方監督 そこは粘り強さは出していかないと。週の頭だし、あとの試合につながらないというか。1試合1試合という気持ちでやっていても、そういうところは大切にやっていかなくちゃいけない。 - 1番田中が27打席連続無安打 緒方監督 状態があまり良くないね。経験のある選手なので、しっかり打席を重ねていけば修正してくれると思っています。 - 打順の変更は 緒方監督 このまま変わらないようだったら。打線はいろいろ考えて今年はやっていくので。 - 守備の乱れもあった 緒方監督 そういうところが出るから、点差が開いたゲームになってしまう。常に1試合1試合、どういう状況、どういう展開になろうとも、しっかりと集中してやっていくことの積み重ねなのでね。
◆ヤクルト・村上宗隆内野手(19)が9日、広島1回戦(マツダ)で2号ソロを放った。5-0で迎えた三回1死。ジョンソンのカットボールを右越えに運んだ。一回には右前適時打しており、「1打席目でヒットが出たので、少し楽な気持ちで打席に入れました。大振りすることなく、しっかりと自分のスイングができました」とコメントした。
◆広島・緒方孝市監督(50)が9日、ヤクルト戦(マツダ)で執念のリクエストをみせた。 1-10の八回1死一、二塁でヤクルト・村上の三塁線へのボテボテの打球を三塁・安部が素早く処理して一塁へ送球したが、一塁塁審の判定はセーフに。一塁ベンチの指揮官がすかさずリクエストを要求すると、リプレー検証の結果、判定がアウトに覆った。 大量ビハインドを背負っても、最後まであきらめないカープ野球を緒方監督が体現。2死二、三塁で再開後、4番手・中田が中村を二ゴロに打ち取って無失点で切り抜けると、敗戦ムードの中でも球場に残って応援しているカープファンからは拍手が湧き起こった。
◆ヤクルトの原樹理投手(25)が、8回5安打1失点の好投で今季初勝利を挙げた。 敵地ながら、強気の投球で今季初勝利を挙げた。原は序盤から切れのある変化球で広島打線を翻弄。しかし五回、一死一、二塁のピンチを招くと菊池に左前適時打を浴び失点。なおも一、二塁のピンチが続いたが、野間をスライダーで遊ゴロ併殺に打ち取った。六回以降は一人のランナーも許さず八回を投げきり、お役御免。最後は大下が試合を締めた。なお打線は一回に3点を先制。その後も得点を重ね13安打10点と爆発した。 ヒーローの原は「前半はあたふたしたんですけど、後半は開き直ってテンポよく投げられた」と振り返ると、8回1失点の内容については「長いイニングを投げられたってことは、火曜日で中継ぎを少しでも休ますことができたかなと思います。これからもできるだけ長いイニングを目指してがんばって投げていきたい」と意気込んだ。
◆広島はジョンソンが3回を9安打6失点の乱調だった。序盤で試合の流れを完全に手放し「スコアボードが物語っていると思う」と言葉少なだった。 一回に5安打を浴びて3点を先制され、その後も立ち直る兆しが見えなかった。5回3失点だった前回に続き、またも不安定な投球。修正点について本人は「終わったばかりなので何とも言えない」と濁したが、緒方監督は「(球は)力があるように見えた。修正できるように、頑張ってもらう」と奮起を促した。
◆広島打線は1点を返すのがやっとで、特に田中広の不振が目立つ。6試合連続無安打に終わり「何とか早く、チームの勝利に貢献する結果を残したい」と自らを鼓舞するように話した。 3番野間、4番鈴木は打率3割を超え、不動の1番打者の出塁が得点力を左右する。緒方監督は「打席を重ね、修正してくれると思う」と復調に期待しつつ、「このまま変わらなければ、いろいろ考えていく」と打順変更の可能性も口にした。
◆ヤクルトの原が8回5安打1失点と好投し、今季初勝利を挙げた。119球で先発の役割を果たし「チームが勝ったことが一番。自分にも勝ちが付いてうれしい」とうなずいた。 五回まで毎回走者を背負いながらも緩急を駆使して粘った。五回1死一、二塁では菊池涼に適時打を許したが、続く野間を遊ゴロ併殺に打ち取り、七回は3者三振に仕留めた。大量援護にも助けられ、昨季リーグ王者との最初の試合で白星を挙げ「マツダスタジアムで勝てたのはいいこと」と喜んだ。
◆5年目内野手の太田が日本ハムから移籍後初めて先発出場し、3安打1打点。一回に右前打を放って先制のホームを踏むと、二回に左前打、五回には左前適時打を放った。昨年12月にトレードで加入した22歳は「後ろにはノリ(青木)さん、山田さんがいる。楽に打席に入れた」と笑顔を見せた。
◆2連敗で借金4となった。先発のジョンソンが3回9安打6失点の乱調。序盤で試合の流れを完全に手放し「スコアボードが物語っていると思う」と言葉少なだった。5回3失点だった前回に続き、またも不安定な投球。緒方監督は「(球は)力があるように見えた。修正できるように、頑張ってもらう」と奮起を促した。 6試合連続無安打の広島・田中広 「何とか早く、チームの勝利に貢献する結果を残したい」 乱調だったジョンソンに広島・佐々岡投手コーチ 「(序盤で)6点を取られると試合が終わってしまう。粘り強くやってもらわないといけない」
◆原が8回5安打1失点と好投し、今季初勝利を挙げた。119球で先発の役割を果たし、「チームが勝ったことが一番。自分にも勝ちが付いてうれしい」とうなずいた。五回まで毎回、走者を背負いながら緩急を駆使して粘った。大量援護にも助けられ「マツダスタジアムで勝てたのはいいこと」と喜んだ。 二回に適時打のヤクルト・山田哲 「センター中心にイメージ通りの打撃ができた」
◆ヤクルト・村上宗隆内野手(19)が9日、広島1回戦(マツダ)で2号ソロなど、プロ2年目で初の複数安打となる3安打を放ち、10-1での大勝に貢献した。前日まで打率・103と低迷する中、試合前に小川淳司監督(61)から声をかけられ、復調の兆しをつかんだ。10代の若武者が起爆剤となった打線は、いずれも今季最多の13安打10得点。昨季6勝19敗と苦戦した王者に先勝した。 軽く振り抜いたように錯覚させた。5-0で迎えた三回1死だ。広島の左腕、ジョンソンが初球に投げた148キロの高めのカットボール。村上が完璧に捉えた白球は高く舞い上がり、カープファンが悲鳴をあげる右翼席中段に消えた。 「初球からいこうという気持ちで打席に入っていた。試行錯誤しながらやっている。迷惑ばかりかけているので、貢献できるように頑張りたい」 好投手のジョンソンを苦にしなかった。2-0の一回2死一、二塁では追い込まれながらも「転がせば何とかなる」とスライダーに食らい付いて右前適時打。五回にも右中間へ二塁打を放って3安打。複数安打はプロ2年目で初となった。 開幕戦から先発出場を続けながら、この試合前まで打率・103と苦しんできた。周囲からの過度な重圧。初めて直面する1軍投手の高い壁。苦手とする直球中心の攻め。高校時代までは捕手だったが、プロでは内野を守る守備への不安...。19歳には重すぎるものを両肩に背負い、頬はこけ、笑顔は少なくなった。「悪い方向には行っていないと思う」と自分に言い聞かせるように漏らしたこともあった。 手を差し伸べたのは指揮官だった。ティー打撃で練習中、普段は静かに見守る小川監督が歩み寄り、身ぶり手ぶりを交えながら声をかけた。「気楽にやれよ」-。打撃練習を真横で見つめ、走塁練習後には笑顔で語りかけた。「俺は『魔法の言葉』を持っていない」と笑い、この日も多くを明かさなかった小川監督だが「少し痩せているように見えたから。まだ2年目。過度な期待はいけない」と思いやっていた。 指揮官の言葉で復調した村上に呼応するように、打線はいずれも今季最多の13安打10得点。昨季広島戦は6勝19敗。マツダスタジアムは2勝9敗と"鬼門"だったが、今季は先勝した。 「(村上は)打てなくて(もやもやした気持ちが)たまっていたと思う。結果が一番の薬。素晴らしい本塁打だったが、今日は3本打ったことが一番。少なくとも今日一日は、いい気分で過ごせるだろう」と小川監督。王者相手に快勝で、再び貯金2。今後にさらなる期待を抱かせる1勝となった。 (長崎右)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
巨人 |
7 | 3 | 0 | 0.700 (↑0.033) | - (-) |
133 (-1) | 45 (+3) | 34 (+1) | 14 (+2) |
4.000 (-) | 0.000 (-) |
2 (-) |
ヤクルト |
6 | 4 | 0 | 0.600 (↑0.044) | 1 (-) |
133 (-1) | 41 (+10) | 34 (+1) | 10 (+1) |
5.000 (↑1) | 0.000 (-) |
3 (1↓) |
DeNA |
5 | 5 | 0 | 0.500 (↓0.056) | 2 (↓1) |
133 (-1) | 52 (+8) | 45 (+12) | 11 (+2) |
3.000 (-) | 0.000 (-) |
3 (1↑) |
阪神 |
5 | 5 | 0 | 0.500 (↑0.056) | 2 (-) |
133 (-1) | 38 (+12) | 48 (+8) | 5 (+1) |
4.000 (↑1) | 0.000 (-) |
5 (1↓) |
中日 |
4 | 6 | 0 | 0.400 (↓0.044) | 3 (↓1) |
133 (-1) | 38 (+1) | 37 (+3) | 10 (-) |
7.000 (-) | 0.000 (-) |
6 (-) |
広島 |
3 | 7 | 0 | 0.300 (↓0.033) | 4 (↓1) |
133 (-1) | 32 (+1) | 48 (+10) | 11 (-) |
3.000 (-) | 0.000 (-) |
コメント