ソフトバンク(☆3対1★)西武 =リーグ戦3回戦(2019.03.31)・福岡ヤフオクドーム=
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西武
0000100001701
ソフトバンク
00000210X3702
勝利投手:高橋 礼(1勝0敗0S)
(セーブ:森山 孔介(0勝0敗2S))
敗戦投手:髙橋 光成(0勝1敗0S)

本塁打
【西武】中村 剛也(1号・5回表ソロ)
【ソフトバンク】柳田 悠岐(2号・6回裏2ラン),上林 誠知(1号・7回裏ソロ)

  DAZN
◆ソフトバンクが開幕3連勝。ソフトバンクは1点を追う6回裏、柳田の2ランで逆転に成功する。続く7回には、上林にソロが飛び出しリードを広げた。投げては、先発・高橋礼が6回1失点の好投でうれしいプロ初勝利。敗れた西武は、先発・高橋光が力投を見せるも、打線が援護できなかった。

◆西武山川穂高内野手(27)は2試合連続本塁打中。89年ブーマー(オリックス)が開幕戦から5試合連続本塁打を記録しているが、西武で開幕戦からの連続本塁打は93年秋山ら3人の3試合が最長。山川が球団記録に並べるか。

◆開幕2連敗中の西武が、早くも継投パターン再編に乗り出した。 守護神ヒースを登録抹消し、廖任磊投手が1軍に合流した。ヒースは29日開幕戦で11回に登板しアウトを1つも取れないままサヨナラ負けを喫していた。状態の上がらない助っ人外国人に、小野和義投手コーチは「ヒースは調整不足。自分のボールが投げられるようになって戻ってきてほしい。そうなればすぐ上げる。期限は決めていない」と話した。 継投はマーティンが抑えに入り、セットアッパーは増田が務める模様。速い決断で今季初勝利を奪いに行く。

◆2019年アサヒビール・イメージガールのモデル鈴木望(26)が始球式を行った。 自身初の大役で、投球は一塁側にそれ、ワンバウンドして打者の背中を抜けた。鈴木は「緊張しましたね。震えちゃった。福岡はすごい食べ物がおいしいイメージ。めんたいこで2杯おかわりしちゃいました」と笑顔で話した。

◆西武先発高橋光成投手が、一発攻勢に泣いた。 ソフトバンク打線に好投し、5回まで4安打無失点。しかし1点リードの6回に柳田から逆転弾、7回には上林にも1号ソロを浴びた。開幕カード3戦4被弾はいずれも先発投手が打たれた。7回3失点は及第点だが「ゲームをつくるのは最低限。勝たないといけない場面で勝てなかったのは、自分の弱さでもある」と話した。

◆ソフトバンク柳田悠岐外野手が2試合連続の逆転決勝本塁打でチームを開幕3連勝に導いた。 1点を追う6回1死一塁。西武高橋光の初球、真ん中に入ってきた147キロ直球を逃さず、フルスイングした。左中間スタンドへ2号2ラン。「とにかく打てると思った球をかち上げようと思った」と笑った。30日には逆転満塁弾で試合を決め、シーズンインと同時にエンジン全開だ。 1、2打席目もヒットを放ち、3安打猛打賞。今季の5安打すべてがファーストストライクを捉えている。昨年から早いカウントで積極的に打つスタイルに変えた。「あまり見逃し過ぎてもダメかなと思って。そこからですね」。17年は2球目までに打ったのは117打数だったが、昨年は167打数に増えた。今年も積極打法は変わらない。 逆転弾直後の7回2死一塁では、金子侑の中堅左を襲う大飛球に快足を飛ばしてランニングキャッチ。抜ければ、同点になるピンチを防いだ。「本当にプロイチでした。一歩目もよかった。ボールから目を切って思い切って走った。どうかなと思いましたが(グラブを)伸ばしたらギリギリひっかかってくれた。(外野守備走塁コーチの)村松さんのおかげです」。試合前練習で強制的? にノックを続けてくれたことに感謝。プロ入り最高のプレーと自画自賛した。8回には今季3盗塁目を決めた。開幕から走攻守すべてでギータが大暴れしている。【石橋隆雄】

◆ソフトバンクの高橋礼投手(23)が西武打線を6回1失点に抑え、プロ初勝利を挙げた。17年ドラフト2位の右腕は、188センチの長身ながらサブマリンとして、開幕ローテーション入りをつかんだ。通算284勝で、球界最高のサブマリンと言われる日刊スポーツ評論家の山田久志氏が激励の言葉をおくった。高橋礼のボールはまだまだ速くなるよ。大柄な体格は下手投げにそぐわないのでは? という見方もあるようだが、それは当てはまらない。 ちょっと古い話になるが、1963年(昭38)に巨人に入団した「メリーちゃん」の愛称だった渡辺秀武さんは、高身長で、南海ホークスの名投手、杉浦忠さんをまねてアンダースローに転向し、大成した。 手足の長いほうがかえって、うまく体を使う投げ方を覚えれば球速が出る。高橋礼をみていると、まだ少し移動が早いね。いわゆる専門用語でいう「ほどける」のが早いってやつだ。 わたしが現役だった阪急ブレーブス時代のビデオを参考にしてくれていると人づてに聞いた。もしまた機会があれば、次の点に気をつけながらみてほしい。 下手投げは、いかに強くフィニッシュするか、そこにどうやって力をもっていくかの勝負になる。直球も、カーブ、シンカーでも、同じように強く振って、そしてボールを離す瞬間に最大限のパワーを伝える。 始動からフィニッシュまで、恵まれた体格を生かしながら投げてほしい。きっとおれより速い球を投げることができる。期待しています。

◆ソフトバンクのストッパー森唯斗投手が2セーブ目を挙げた。9回1死から西武中村に中前打を許したが、無失点で切り抜けた。「チームが勝ったことが一番うれしい」。 3連投で2戦連続セーブにも淡々としたもの。「行け、と言われたところで行くだけです」。2日からはオリックス(京セラドーム大阪)との3連戦。「次は6(試合連続で)行く準備をします」。新人甲斐野も好投続けているだけに「甲斐野も頑張っているし、負けられない」と気合十分だった。

◆ソフトバンク高橋礼投手(23)が昨年のリーグ王者・西武を相手にプロ初勝利を挙げ、チームを2年ぶりの開幕3連勝に導いた。6回1失点と好投すると、6回裏に柳田が逆転の決勝2号2ラン。高橋礼に白星が転がり込んだ。今季から先発に挑み、開幕ローテーション入り。2年目のサブマリンがいきなり結果を出した。祈るように、ベンチから決着を見守った。抑えの森が最後の打者を打ち取ると、高橋礼の笑みがはじけた。2年目の今季初登板でプロ初勝利。「去年は4回でマウンドを降りたのに、お立ち台に呼ばれて恥ずかしかった。今日は初勝利で立てたので良かった」。4回無失点の昨年10月3日ロッテ戦を引き合いに出し、端正な顔を緩ませた。 188センチの長身サブマリンはこの日最速142キロの直球とカーブ、スライダー、シンカーで翻弄(ほんろう)。山川の体は泳ぎ、秋山のバットは空を切った。強打者がずらりと並ぶ昨季王者の西武打線を相手に、6回をソロ本塁打による1失点で抑えた。 直球で押せるアンダースローだ。「山田久志さんのようになりたい」と偉大な大投手を目標にする。ルーキーだった昨年は12試合に登板。CS、日本シリーズでも起用され。日本一に貢献した。主に中継ぎで、先発はシーズン3試合、CSで1試合あったがいわゆるオープナーの役割。5回を投げたことはなかった。昨秋、今春と日本代表に選出されたが「自分に不満。現実は0勝のピッチャー」と未勝利の現実をかみしめていた。 勝つために、先発ローテーション入りを目指した。「短いイニングなら直球で押せていたけど、先発をするなら、ごまかしはきかない」。投球スタイルも見直した。2月の春季キャンプでは「ブルペンでカーブのストライク率100%」と工藤監督から課題を与えられ、投げ込んだ。紅白戦や練習試合では「苦しい部分はあるけど、あえてやっている」と、自ら考えて変化球主体で投げた。この日は101球のうち半分近い、46球が変化球。昨年は全体の約75%がストレートだった剛腕が変身し、自慢の直球をより生かせるようになった。 勝ちにこだわった高橋礼は「初勝利のためにやってきたわけではない。1つずつ勝ちを積み重ねていきたい」と言った。まだスタートラインに立っただけ。目標はもっと、上にある。【山本大地】

◆ソフトバンクのドラフト1位右腕の甲斐野央投手がプロ初ホールドを挙げた。 2点リードの8回1死一塁でマウンドへ。初勝利を挙げた3月29日と同じく山川からフォークで三振に奪うと、四球の後、外崎を打ち取り、無失点でしのいだ。「全力で行きました。1発で同点になるより、単打でOKの気持ちでいきました」。30日の奥村に続き、2試合連続でルーキーが守護神森につないだ。

◆ソフトバンク上林誠知外野手が7回に1号ソロを放った。「これまで安打3本すべて変化球だったので、直球を本塁打にできてよかった。詰まったので、入ってくれと思った」と右翼ポール際のテラスゾーンへ運んだ。 3月24日広島とのオープン戦で背中の張りを訴え、途中交代。打撃不振もあり開幕戦出場が危ぶまれていた。「その時に(中村)晃さんから連絡がきて、普通にプレーするのはすごいことだと。ありがたかった」。自律神経失調症を公表し治療に専念している先輩の思いを胸に、開幕3連戦では打率4割4分4厘、1本塁打、2打点と数字を残した。

◆西武が流れをつかみきれなかった。先発高橋光成投手の粘投で、両チーム無得点で迎えた3回、先制の絶好機を西武がつかんだ。 先頭の中村剛也内野手が左翼フェンス上部に飛ばし、左翼グラシアルの好守に本塁打こそ阻まれたが、二塁打で出塁。さらに9番木村文紀外野手の内野安打で無死一、三塁とし、1番金子侑司外野手が打席に入った。今季無安打の金子侑はクリーンヒットで捉えたが、投直でアウト。走者中村が三塁に帰塁をしたが、走塁死で併殺の判定を受けた。 辻発彦監督は、ここで今季初めてのリクエストを発動した。審判団によるリプレー検証が行われ、中村は「自分の中ではセーフだと思ったけど」と三塁で待ち続けたが、判定は覆らなかった。無死一、三塁のビッグチャンスが、2死一塁となり先制のチャンスを逸した。 中村は5回、先制となる右越えの1号ソロを放った。9回にも打って猛打賞で孤軍奮闘した。しかし、投手陣がソフトバンク打線に2発を浴びて14年以来5年ぶり開幕3連敗。まさにタッチの差で勝機を逃し、2時間48分の試合を終えた。

◆西武が5年ぶり、球団史上5度目となる12球団唯一の開幕3連敗を喫した。5回に中村の1号ソロで先制したが、2発に沈んだ。3連戦で4被弾。開幕カードからパ・リーグの覇権をかけた宿敵ソフトバンクとの対決は、大きく差をつけられた。辻発彦監督は「(3失点目の)上林の本塁打はバッテリーとして大いに反省しないといけない。3点目が痛すぎた」と嘆いた。 金子侑と木村が今季初安打を放ったが、反比例するように中軸が沈黙した。2戦連発中だった山川も封じられ、2~7番で24打席わずか1安打。1年前は開幕8連勝スタートだったが、今季は借金3で4月2日にロッテとの本拠地開幕を迎える。辻監督は「明後日から開幕という気持ちで頑張りますよ」とリセットして臨む。

◆西武・中村剛也内野手(35)が31日、ソフトバンク3回戦(ヤフオクドーム)で今季1号を放った。五回一死から高橋礼の139キロの直球を右翼席に運び、「打ててよかったです」とコメントした。  中村は昨季、28本塁打を放ったものの、春先は大不振。4月に左肩を痛め、約1カ月戦列を離れていたこともあり、初本塁打はチーム55試合目となる6月9日の巨人戦(東京ドーム)だった。  また、この一発で史上18人しか達成者のいない400本塁打まで残り14本とした。

◆西武・高橋光成投手(22)が31日、ソフトバンク3回戦(ヤフオクドーム)に先発し、7回6安打3失点で初黒星。西武は2014年以来、5年ぶりの開幕3連敗となった。  五回に中村のソロで先制したものの、六回一死一塁からシュート回転した直球を柳田に左中間席まで運ばれ、逆転を許した。右腕は「いい打者なので、もっと厳しくいかないといけなかった」と反省。七回2死からは上林にソロを浴び、「状況判断ができていない。歩かせてもいい場面。バッテリーは大いに反省しないと」と辻監督から苦言を呈された。  「めちゃくちゃ崩れることはなかったけど、勝てなかったのは自分の弱さ。ゼロで抑える気持ちでいかないといけない」と高橋光。登板前日には「すごく楽しみ」と、今季初登板を心待ちにしていたが、結果には結びつかなかった。

◆西武・高橋光成投手(22)が31日、ソフトバンク3回戦(ヤフオクドーム)に先発し、7回6安打3失点で初黒星。西武は2014年以来、5年ぶりの開幕3連敗となった。辻監督との一問一答は以下の通り。  --開幕3連敗  「結果だから。全員にヒットが出たし。やりますよ、あさってから」  --先発の高橋光は  「よく頑張っていた。(柳田の2ランは)シュート回転して甘く入った。打った方もすごい」  --上林にはソロ  「あの3点目が痛い。バッテリーは大いに反省しないと。あそこは歩かせてもいい。状況判断ができていない」  --ヤフオクは鬼門  「みんなが分かっていること。ファンの応援が大きいということじゃないの」  --地元で挽回  「(2日から)地元でできる。あさってから開幕という気持ち。見ててくれ」

◆ソフトバンクの高橋礼が6回4安打1失点と好投し、2年目でプロ初勝利を挙げた。右下手投げ投手は西武の強力打線にひるまず「ちゃんとやることをやっていれば、勝ちはついてくる」と淡々と話した。  序盤からテンポよく放り、カーブ、シンカーを有効に使って的を絞らせない。五回に中村に先制ソロを浴びても崩れず、六回2死二塁では外崎を外角球で空振り三振に仕留めた。「緩急をいい意味で使えた試合。初めて6回を投げ切った」と収穫を得た。初の開幕先発枠をつかんだシーズンで、上々のスタートを切った。

◆西武の中村が今季1号のソロ本塁打を放った。0-0の五回、高橋礼の外角寄りの直球を右翼席からせり出すテラス席へ運んだ。「いい当たりではなかったけど、球場なりに」と球場の特徴を生かしたアーチを冷静に振り返った。  残り15本で今季を迎えた通算400本塁打へまずは一歩前進。三回には二塁打、九回にも中前打と3安打をマークし、調子の上がらない打線において好調ぶりを印象付けた。 西武・小野投手コーチ(高橋光に) 「ボール自体はいい。最低限の仕事はできた。こういう投球が続けば、軸として期待は持てる」

◆ソフトバンクのドラフト1位新人、甲斐野が3-1の八回1死一塁で登板し、山川を前回に続き三振に仕留めるなど無失点で九回の森につないだ。「良かった時の次が大事。初球から全力でいけるように入った」と納得の表情だった。  抑えを務めていた東洋大時代は経験がないという、走者を置いた場面でのマウンドにも対応。工藤監督は今後も勝ちパターンで起用していく構えだ。躍進を続ける大型ルーキーは「チャンスをもらえるなら、結果を残してつかみたい」と力強く話した。

◆ソフトバンクの上林が五回の中前打で3試合連続安打とし、七回には1号ソロ。高橋光の速球を右越えへ運び「直球もそろそろ打ちたいと思って、最後に打てた。これで乗っていけたら」と喜んだ。  打撃不振だったオープン戦の期間に、自律神経失調症などで離脱中の中村晃から「野球ができているだけですごいことだよ」と、珍しく連絡をもらったという。「晃さんのためにも、監督、コーチにもいろいろ心配をかけたので、開幕3連戦で少しでも役に立ってとりあえず良かった」と言葉をかみしめるように話した。 工藤監督(昨季リーグ覇者を相手に、2年ぶりの開幕3連勝) 「今年はチャレンジャーのつもりで戦っていくところで、選手も気持ちを入れて試合に臨んでくれた」 ソフトバンク・村松外野守備走塁コーチ(七回の柳田の好守に) 「抜けるかと思ったけど、最短距離で良かったんじゃないか。球際は弱いところがあったけど、最近良くなってきてる」

◆ソフトバンク・上林誠知外野手(23)が31日の西武戦(ヤフオクドーム)で今季1号を放った。1点リードの七回2死、右越えソロで点差を広げた。  「守っていても1点差と2点差は違うのでよかった。自分にとっても大きかったです」  オープン戦は打率・114と不振で、開幕直前に背中を痛めた。不安視されたが、3試合連続安打で周囲を安心させた。  「オープン戦が終わって、(中村)晃さんから連絡をもらいました。打てていなかったし、ケガもあって心配してくれたんだと思います。自分も大変なのに気にしてくれて、晃さんの分も頑張らないと」  3月中旬に「自律神経失調症」を公表して静養中の中村晃外野手(29)から激励があったことを明かして「監督、コーチにも心配をかけたので、開幕3連戦で少しでも役に立ててよかった」とほっとしていた。

◆ソフトバンク・今宮健太内野手(27)が31日の西武戦(ヤフオクドーム)で3試合連続となる安打を放った。一回に左前打で好調をキープ。第91回選抜高等学校野球大会で、母校の明豊(大分)が準決勝に進出したことを祝福した。  「やりましたね。春夏を通じて初のベスト4。あと2勝。楽しんで野球をやってもらいたいですね」  自身は2009年の3年夏に8強入り。「生徒たちから僕たちを超えたいと、僕の名前も出ていたりしたので、僕も頑張らないと」。刺激をもらって、開幕3連戦でチーム最多の6安打を放った。

◆頼れる主砲がいきなりエンジン全開だ。柳田が0-1の六回に、2戦連続の逆転本塁打となる2ランを放り込み、七回の守備では2死一塁から金子侑が放った左中間への大飛球を腕を目いっぱい伸ばして捕球。大車輪の活躍で開幕3連勝に導き、お立ち台で「やりましたー!」と声を張り上げた。特に好守には「絶対捕れないと思った。プロ一(番)」と自賛。「チームに貢献できたのが良かった」と満面の笑みを浮かべた。

◆記念球を握った若鷹と指揮官のツーショットが開幕ダッシュの象徴だ。3年連続日本一を狙うソフトバンクが、フレッシャーズの躍動で2年ぶりの3連勝発進。昨秋、今春と2度も侍ジャパンに選出されたサブマリン、高橋礼が2年目で待望のプロ初勝利を挙げた。  「勝ちよりも、次につながる投球ができてよかった。初勝利のために頑張ってきたわけではないので、1つずつ積み重ねていきたいです」  オープン戦では連打を浴びて壁になった六回を秋山、外崎から空振り三振を奪って切り抜けた。「アウトを欲しがらずにコースを意識して」と自己最多101球で、自己最長の6回を4安打1失点。直後に柳田の逆転弾で白星の権利を得た。  「絶滅危惧種」と表現する下手投げに千葉・専大松戸高時代、自ら挑戦した。「自分でやるしかない」と少ない情報で研究を重ね、元ロッテの渡辺俊介氏や西武から海を渡った牧田和久(パドレス)の本は宝物。専大からプロ入り後は周囲の人脈を頼り、2人を含めた先人に相談。久保2軍投手コーチを通じ、284勝の元阪急・山田久志氏との会話も実現させた。  山田氏からはシンカーの重要性と使い方を教わった。この日よかった球種として即答。魅力は142キロを計時した直球だが、キャンプで練習したカーブもさえ、工藤監督は「緩急が使えるようになった」と目を細めた。  右腕だけでなく、D1位の甲斐野央投手(東洋大)は開幕戦で勝利し、この日は初ホールドを挙げた。D7位・奥村政稔投手(三菱日立パワーシステムズ)と支配下登録されたばかりの川原もホールドを記録した初物ラッシュの3連戦に、指揮官も「みんなが頑張ってくれたおかげで3連勝できた」と満面の笑み。新生投手陣で、12球団唯一の開幕カード3連勝だ。 (安藤理)

◆昨季10年ぶりのリーグ優勝を果たした西武は31日、ソフトバンク3回戦(ヤフオクドーム)に1-3で敗れ、2014年以来、5年ぶりの開幕3連敗を喫した。優勝した翌年としては、球団では西鉄時代の1957年以来、62年ぶりの3連敗スタート。開幕8連勝でロケット発進を決めた昨季とは対照的な船出となったが、意外なデータが連覇へ"後押し"する。  2点を追う九回2死一塁。金子侑が一ゴロに倒れると、左翼席の一角に陣取ったレオ党から、大きなため息が漏れた。  「打った方もすごいが、もうちょっと投手も考えないと」  辻監督が嘆いたのは六回、高橋光が柳田に浴びた逆転2ランだ。前日の今井に続き、2戦続けて先発投手が柳田に初球を本塁打された。昨季クライマックスシリーズ・ファイナルステージで敗れた宿敵に開幕3連敗。開幕8連勝だった昨季と真逆のスタートになった。  投打の柱、菊池と浅村が退団。その上、内海、榎田、D1位・松本航(日体大)と先発投手3人が離脱する中での開幕となった。前年優勝球団の開幕3連敗は2016年のヤクルト(4連敗、同年最終順位5位)以来、3年ぶり。球団では西鉄時代の1957年以来、62年ぶり2度目だ。だが、これが意外な"後押し"のデータになる。  57年の西鉄は開幕4戦目も敗れたが、その後はエース稲尾、主砲の中西、豊田らの活躍で初のリーグ連覇、日本一を達成した。巻き返しへは、まだまだ時間がある。この日は4打数無安打の山川も「3試合が終わっただけ。下を向く必要はない。まだ140試合あるんで」と口にした。  17年は1勝11敗、昨年は3勝8敗のヤフオクドームでは、シーズンをまたいで9連敗。だが2日からは本拠地メットライフドームでの試合。指揮官は「やりますよ、あさって(2日)から。地元でできる。開幕という気持ち」と前を向いた。 (花里雄太) 7回3失点で黒星を喫した西武・高橋光 「めちゃくちゃ崩れることはなかったけど、勝てなかったのは自分の弱さ」

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
300 1.000
(-)
-
(-)
140
(-1)
14
(+3)
10
(+1)
4
(+2)
3.000
(↑1
0.000
(-)
1
(-)
日本ハム
201 1.000
(-)
0
(-)
140
(-1)
14
(+3)
8
(+1)
2
(-)
1.000
(↑1)
0.000
(-)
3
(-)
楽天
210 0.667
(↑0.167)
0.5
(-)
140
(-1)
22
(+9)
12
(+4)
6
(+3)
1.000
(↑1)
0.000
(-)
4
(1↓)
ロッテ
120 0.333
(↓0.167)
1.5
(↓1)
140
(-1)
12
(+4)
22
(+9)
6
(+2)
2.000
(↑2)
0.000
(-)
5
(-)
ORIX
021 0.000
(-)
2
(↓1)
140
(-1)
8
(+1)
14
(+3)
1
(-)
5.000
(-)
0.000
(-)
5
(-)
西武
030 0.000
(-)
2.5
(↓1)
140
(-1)
10
(+1)
14
(+3)
4
(+1)
0.000
(-)
0.000
(-)