オリックス(★4対8☆)阪神 =オープン戦3回戦(2019.03.24)・大阪ドーム=
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阪神
0700000108901
ORIX
0000000044921
勝利投手:西村 健太朗(2勝0敗0S)
敗戦投手:榊原 翼(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(4号・2回表ソロ)
【オリックス】マレーロ(1号・9回裏3ラン)

  DAZN
◆オリックスはマレーロが3ランを放つ活躍。激しい定位置争いの中、オープン戦最後の試合で存在感を示した。対する阪神は先発・西が6回無失点の好投。古巣相手に結果を残し、開幕に向け順調な仕上がりを見せた。

◆阪神西勇輝投手(28)が、移籍後初打席で中前適時打を放ち、「初安打初打点」をマークした。 4番大山の4号ソロで1点を先制した2回。1死満塁で打席に向かうと、2球目、外角高めの147キロ直球を中前に運んだ。 セ・リーグ移籍後、初打席ということもあり、この日はグリップエンドに「T16」と刻印されたバットを使用。試合前に、包まれていたビニールをはがしたばかりだった。 昨季まではオリックスに在籍。打席に立つのは交流戦のみだったが、今季はバットでも西が魅了する。

◆阪神大山悠輔内野手(24)が先制4号ソロを放った。 2回だ。先頭で打席に入るとオリックス先発榊原の5球目、内角高めの144キロ直球をジャストミート。白球を左翼席に突き刺した。 「ここ数試合、自分のスイングができていなかったので、自分のスイングをしようと心がけて打席に入りました。その結果がホームランとなって良かったです。まだ序盤なので、引き続きしっかりと集中していきたいです」。この日で、阪神のオープン戦は終了。状態を上げて、4番がシーズン開幕を迎える。

◆開幕へ準備OK! オープン戦最終戦で「19年型猛虎打線」が2回に一挙7得点と火を噴いた。 先頭の4番大山が左翼席に先制の4号ソロを放ち、口火を切った。1死満塁からは9番西が移籍後初安打を放ち、1点追加。続けて「止まらない男」のドラフト3位木浪聖也内野手(24=ホンダ)が、体勢を崩されながらもライトに運んで2点を追加した。 まだまだ止まらない。相手の失策もあり1死満塁の好機で、3番糸井が左中間を破る3点二塁打。快足の近本が、一塁から一気に生還すると、京セラドーム大阪はお祭り騒ぎになった。

◆阪神ドラフト3位の木浪聖也内野手(24=ホンダ)が追加点となる2点適時打を放った。 9番西の適時打で2-0とした2回1死満塁。内角に入ってきた128キロスライダーにうまくバットを合わせた。 「前の打者の西さんが打ったので、自分も続こうと強い気持ちを持って打席に入りました。打った瞬間は捕られてしまうかと思いましたが、なんとかヒットになってくれて良かったです」 これでオープン戦22安打目。オープン戦首位打者の可能性を残している。

◆オリックスの先発・榊原翼投手(20)が4回7失点(自責6)で降板した。1回は3者凡退だったが、2回に先頭打者の大山に先制本塁打を浴びるとリズムを崩した。 2安打と四球で1死満塁のピンチを背負い、投手の西に中前適時打。さらに木浪に2点適時打、自らの悪送球もからんだ1死満塁から糸井に走者一掃の適時二塁打を打たれた。榊原は「2回は焦ってアウトを欲しがってしまい、投げ急いでしまいました。先発投手としてゲームを作ることができず、申し訳ない気持ちです。最後のイニングのように、最初から落ち着いて投球できるようにしていきたいと思います」と猛省していた。

◆先発した阪神西勇輝投手(28)が6回5安打無失点でマウンドを降りた。 「古巣相手で正直やりにくさはありましたが、良い緊張感の中でピンチの場面でも動じずに投げることができました。最後のオープン戦でチームに良いリズムを生みたかったので、自分の仕事ができて良かったです」 投球だけでなく、バットでも流れを呼んだ。2回に適時打を放ち、阪神移籍後「初安打初打点」をマーク。6回1死一塁では初球にバントを成功させた。 「公式戦の前に打席に入れて、ヒットもバントも凡打も含めて開幕前にいい経験ができました」 順調に調整が進めば、開幕3戦目の3月31日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)で先発が予定されている。投打で存在感を示した西が、虎の19年シーズンを支える。

◆阪神矢野燿大監督(50)が24日、オープン戦最終戦のオリックス戦の試合後に29日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)での開幕オーダーを明言した。 「開幕は今日のメンバーで行きます」と話したもの。開幕スタメンは以下の通り。1番遊撃木浪、2番中堅近本、3番右翼糸井、4番三塁大山、5番左翼福留、6番一塁ナバーロ、7番二塁糸原、8番捕手梅野。ドラフト1位の近本、同3位の木浪が開幕スタメンを勝ち取った。阪神の新人2人が開幕オーダーに並べば、72年にドラフト2位入団の中村勝広、同3位の望月充が出場して以来、47年ぶりとなる。開幕投手はメッセンジャーが決まっており、昨季最下位から巻き返しを図る。

◆阪神糸井嘉男外野手がシーズン開幕に向けて、最終調整を終えた。この日は2回1死満塁で左中間を破る3点二塁打を放ち、状態の良さを披露した。 試合後は多くを語らず帰路に就いたが、状態の良さは数字で実証済み。オープン戦で打率4割6分7厘と好成績を残して、開幕戦に臨む。

◆9回に登板した阪神藤川球児投手がマレーロに3ランを被弾するなど4失点だった。「あまり思うようにコントロールできなかった。(状態は)段階的には例年と同じ。アウトの取り方はわかってきた。今日の結果ほど、状態は悪くない」。 今季もブルペン陣の精神的支柱として、チームを鼓舞していく。

◆昨年まで同僚だった阪神西に6回を無得点に抑えられ、最終戦を落とした。 オリックス西村徳文監督は「西に抑えられたというより、最終戦で抑えられたことが悔しい」と振り返った。 それでも開幕オーダーはほぼ固まった。未定なのは一塁だけ。この日はT-岡田が先発し、西から2安打。マレーロは最終回に藤川から3ランを放った。 「2人ともどちらを使っても、というものを出してくれたので迷いますね」とうれしい悩みだ。相手投手との相性なども含め、開幕までに決める。

◆トップバッターは任せろ! 阪神ドラフト3位の木浪聖也内野手(24=ホンダ)が、「開幕1番」を心待ちにした。開幕スタメンを目標に掲げ、チャンスをつかんだ。「緊張すると思うけど、一生懸命やりたい。必死でやるだけです」と語る表情は初々しかった。 23日にオープン戦首位打者に立ったが、この日は5打数1安打。打率は3割7分3厘で3位に後退。05年赤星以来の快挙達成はならなかった。それでも2回には右翼に2点タイムリーを放ち、好調をキープしたままオープン戦を終えた。「キャンプが始まってから、ずっとやるべきことをやってきた。自信がついた部分もある。でも、シーズンに入ってからが大切。練習からしっかりやっていきたい」。 この日、矢野監督は開幕オーダーを明言。木浪は同じルーキーの近本と1、2番コンビを組む。指揮官は「マイナスが少ないよね。打てるとか、対応できるとか。見逃し方もいい。元気がある。プラスが想像以上に多かった」と予想以上に活躍に目を丸くした。結果を残し、リードオフマンの遊撃スタメンという大役を務める。19年虎の「セイヤ」が大ブレークの予感だ。【真柴健】

◆「5番左翼」で開幕戦に臨む阪神福留孝介外野手が2回の猛攻に一役買った。 大山のソロ弾の直後に、遊撃への内野安打で出塁。9番西のタイムリーで2点目のホームを踏んだ。オープン戦は13試合に出場し、打率2割8分1厘、2本塁打。順調に調整を進め、42歳を迎えるシーズンに突入する。

◆古巣斬りで万全開幕だ! 阪神西勇輝投手(28)がオープン戦最終登板となったオリックス戦(京セラドーム大阪)で6回5安打無失点と好投した。移籍後初打席となった2回には中前タイムリーを放ち、プロ初打点を記録。6回には犠打をマークするなど投打で活躍。オリックスファンからも温かい拍手で送り出され、虎1年目のシーズンに向かう。西の持ち味が凝縮されたマウンドだった。本塁ベースの隅を通過したボールが捕手のミットに次々と収まる。ヒットを浴びても、四球を出しても本塁だけは許さない。最終イニングとなった6回は2死からルーキー頓宮に3球連続の外角直球で二ゴロに仕留めた。89球を投げて6回5安打無失点。「インコースも多く投げられたし、変化球もある程度いけました」。開幕までのラスト登板で万全の状態に仕上げた。 バットでも魅了した。2回1死満塁の場面で打席に立つと、2球目の147キロを捉えて中前へ。公式戦、オープン戦を通じて"プロ初打点"をマークした。6回1死一塁からは初球を一塁方向へしっかりと転がし、送りバントも成功。バットを握っても結果を出す右腕に矢野監督も「バントもできるし、タイムリーも打ったし、センスというのはしっかり見えた」と絶賛だ。 マウンドで笑顔になった。昨季までバッテリーを組んだオリックス若月が2回の打席に向かった瞬間、場内に光永亮太の「Always」が流れた。オリックス時代に西が登場曲として使用していた。粋な演出に「うれしかった」と笑った。マウンドに上がる時には両軍のファンから万雷の拍手を受けた。古巣のファンからも背中を押された。 新天地でも調整に寸分の狂いもない。オープン戦は4試合に登板し、計15回を投げて防御率1・80。西は「笑顔も増えて全力でプレーする姿を見せられて良かった。チームがどんな時でも1つになって、前を向いて優勝を目指していきたい」と力強く語った。開幕3戦目となる31日ヤクルト戦へ。隙は感じられない。【桝井聡】

◆阪神梅野隆太郎捕手が3安打猛打ショーでオープン戦を締めくくり、昨年に続いて開幕マスクを決めた。 「開幕戦は独特の雰囲気ですから。緊張もすると思いますが、いいスタートが切れるように。我慢のシーズンになると思うけど、思い切り楽しんでいきたい」。いい形で準備を終え、笑顔で本番に向けての意欲を明かした。

◆阪神ドラフト1位近本光司外野手(24=大阪ガス)がオープン戦を乗り切り、本番に向かう。 17試合に出場し、打率2割6分2厘、6盗塁。「課題も少なくなり、ゆとりを持ってできるようになってきた。(シーズンは)オープン戦とは違うと思いますが、自分のできることをしっかりやっていきたい」。2番センターでデビューする。

◆阪神は24日、京セラでオリックスと対戦。オープン戦最終戦で、2年連続最下位危機のところで打線が爆発した。  二回、先頭の大山が左越えに先制の4号ソロ。「打ったのはストレート。ここ数試合、自分のスイングができていなかったので、自分のスイングをしようと心がけて打席に入りました。その結果がホームランとなったよかったです」。4番に一発が飛び出すと、その後1死満塁から、先発の西が打席へ。古巣を相手に阪神加入後初めて打席に立つと、中前適時打と打棒を披露した。FA右腕のタイムリーで追加点をあげると、続くD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)も2点適時打。さらにさらに、1死満塁から糸井が左中間に走者一掃の3点適時二塁打を放ち、この回一挙7得点をあげた。  勝てば日本ハムの結果次第で最下位脱出の可能性がある中、猛虎打線が意地を見せた。

◆オリックス・若月健矢捕手(23)が24日、阪神戦(京セラ)に「8番・捕手」で出場。昨季までチームメートだった阪神先発の西勇輝投手(28)に"イタズラ"を仕掛けた。  二回の第1打席。若月が打席に入ると、歌手、光永亮太の「Always」が場内に流れた。普段は登場曲に光GENJIの「パラダイス銀河」などを使用している若月だが、この日は変更。西がオリックス時代の2016年に登場曲にしていた「Always」に変え、マウンド上の西も思わず笑みを浮かべていた。

◆4番大山が阪神打線に火をつけた。先頭打者の二回に豪快に左へオープン戦4号。この回、打者11人で一挙7点の猛攻を呼び「良かった。自分のスイングをしようと心掛けた」とほっとした様子だった。ただ、その後の3打席は2三振を喫するなど、精彩を欠き「反省すべきところが多い」と笑顔はなかった。  オープン戦最終戦に勝ち、2年連続の最下位は免れた。得点力不足の課題解消は、打率2割2分4厘で終えた大山の成長次第とあって、矢野監督は「4番やからね。あともう1、2本打てるように成長を求めたい」と期待した。

◆阪神の矢野監督は29日の開幕戦でドラフト3位の木浪(ホンダ)、1位近本(大阪ガス)の新人コンビで1、2番を組むことを明言した。  遊撃の定位置争いを勝ち抜いた木浪はオープン戦の打率3割7分3厘は3位で、22安打は最多。この日も二回には巧みに2点打を放ち「自信がついた部分はあるが、シーズンに入ってからが大事」と気を引き締めた。  中堅の近本は俊足を生かし、オープン戦で6盗塁。新人王と盗塁王を掲げるシーズンへ「開幕スタメンが目標ではない。自分のできることをしっかりやりたい」と頼もしかった。

◆九回に登板した阪神の藤川は直球の制球に苦しんで4失点。マレーロの3ランを含め、許した3安打はいずれも直球を捉えられ「きょうに限っては、思うようにコントロールができなかった」と思い返した。  23日に続いて振るわなかったが、変化球で2三振を奪うなど手応えもあったといい「段階的には例年のような感じ。結果ほど状態は悪くない」と前向き。松坂世代のベテランは「いよいよ始まるなという気持ち。チーム全員で支え合って、リーグで一番の成績に上がってこられれば」と気持ちを高めた。

◆斬り込み隊長、任せた! 阪神がオープン戦最終戦のオリックス戦(京セラ)で8-4と快勝。ドラフト3位・木浪聖也内野手(ホンダ)が1安打2打点を放ち、12球団トップとなるOP戦通算22安打でフィニッシュした。  木浪は遠征先でも自室でストレッチなどで疲労をとり、オープン戦での活躍につなげている。「この時期なので、トレーナーさんにマッサージをしてもらうよりは、自分でやろうと思っています」と頼もしい。浜中打撃コーチも「体の強さも木浪の武器かもしれない。よく練習するし」と目を見張るタフネスぶりだ。シーズンの長丁場は初体験だが、強靭な肉体で乗り越える。

◆阪神戦に敗れたが、オープン戦は勝率6割でフィニッシュ。西村監督は「選手たちが競争という強い気持ちでやってくれて、勝ち残った選手がスタメンで出ている。まだまだレベルアップしないといけないけど、そういうものが見えてきたのは収穫」と手応えを口にした。高卒2年目の西浦、D2位・頓宮裕真内野手(亜大)らフレッシュな選手が躍動。残るは一塁手だが、この日、T-岡田が2安打、マレーロも九回に3ランと存在感を見せ、指揮官は「どうしよう迷ってきた」と"うれしい悲鳴"だった。

◆藤川がオープン戦初の連投で九回に登板。マレーロの3ランを含む3安打1四球4失点だった。「きょうはストレート中心で最初打たれて、変化球に切り替えてからは三振だったりが取れました」。オープン戦を振り返り「段階的には例年のような感じ。(オープン戦の)最初は三振もなくて、だんだんアウトの取り方がわかってきたかなと思う」と分析した。

◆「3番・右翼」の糸井は1安打3打点。二回、4点を奪い、なお1死満塁で打席に入ると左中間を破る走者一掃の二塁打。「いい流れで回ってきたチャンスだったので、何とか返そうと打席に入りました。自分のスイングがしっかりできました」とコメントした。オープン戦は打率・467(15打数7安打)、1本塁打、7打点。阪神にFA入団し、3年連続で3番で開幕を迎える。

◆あぁ、この猛攻、シーズンに取っておけないものなのか。4番大山の一発に始まって、福留が全力疾走内野安打。糸原がしぶとく四球で、梅野がヒットでつなぐ。投手・西のタイムリーは想定外のオマケだけど、ルーキー木浪がまた打って2打点。さらに糸井が満塁から走者一掃二塁打やぁ、一挙7点やぁ~~!  強打者・糸井にカウント2ボールから真っすぐ勝負なんて、本番じゃ、あり得ない...なんて野球通を気取るのは、この際ナシ。オープン戦最下位も脱出したということで、終わりよければすべてよし。「有終の美」を素直に喜びましょう。  ところで、オープン戦1位はお気づきでしょうね。悔しいけど、また、あの、広島ですわ。昔はこの時期に強くても「どうせコイノボリの季節までや」と笑ってられるチームでしたが、昨今の強さは尋常じゃない。油断したら、この時期から突っ走りかねない。  そんなカープ担当の柏村翔が、実はこっそりテレビに出演を果たしていた。広島ホームテレビ「カープ道」という広島球団をちょっと違った角度から応援する番組。20日の深夜に「カープ番記者座談会」というテーマの下、デビューしていたんです。  「広島ローカルなので残念ながら大阪では見られません。何を話したかも秘密です」  遠く離れて、何をしゃべってもバレないと思っていた柏村よ。甘い。このインターネット時代を分かっていないのか。同番組のホームページを見れば、見逃した方のためのサービスがあるのだ。  「阪神の開幕はメッセンジャーですが、一回に満塁ホームランを打たれてもう試合は決まったんです。メッセは『二回に修正できた』といってますが、もう遅いです。満塁弾で試合の流れが決まってしまってます」  画面でエラそうに解説しておりました。しかも爆笑を誘ってやがる。カープ愛を披露するのは勝手だが、元虎番とは思えぬ?! 阪神へのディスりっぷり。「ジャーン」とか言いながらパネルを提示するなど、虎番時代からは想像できないハシャぎっぷりだった。  そんな柏村が番組でイチオシ選手に挙げていたのが「西川選手です」。理由が「オシャレ」。ナメテんのか(怒) おっと下品になってしまった。こうなったら負けるな、虎番たちよ。オープン戦終了で一区切り。開幕へ、イチオシは誰や?  「僕は北條選手です。いつか必ず、彼の力が必要な時期がきます」  記者3年目突入の竹村岳の真面目な意見です。モモコ姫こと箭内桃子記者は「貫きます。江越さんです」。実はモモコ姫、昨年11月時点で「7番中堅江越」の開幕スタメンを予想している。"江越推し"を変えないのは、ある意味立派。沖縄の星・新里公章記者は「当然、ナバーロですよ」。エッ?! 理由は? 「彼は性格がよく、ある球団関係者も『将来、いい指導者になる』と言っていました」だと。将来じゃなく、目先のシーズンが大事なんだけれど。  ひねくれた意見も混じってますが、期待してみてください。運命の開幕までわずか。どんなシーズンが待っているのか。なお、柏村記者出演のカープ番特集、前回が前編で、後編は27日深夜放送だとか。最強ライバルの動向が気になる方は、柏村の"暴言"ともどもチェック、お願いします。

◆--オープン戦を通しての手応えは  矢野監督 「オープン戦最下位でしょ?」  --今日で脱出した  「なんや...」  --気にしていた  「いやいやいや...。別に始まってもないから。現状、本当に結果、いいプレーが出たのはいいし」  --選手は成長した  「俺はよく内面のことばかりを言っちゃうけど、(高山)俊にしたって去年苦しくて、今もなかなか出られてないけど、そういうところでも『こいつ成長してんな』というのが姿として、俺は見えるから。楽しみが多いなと思ってんねんけど」  --いろんな選手が盗塁をしていた  「チャンスがあれば、作戦の中でやっていくことになると思うけど。先の塁を狙うっていう意識はキャッチャー(の立場)でもすごく嫌だから。それはずっともって戦っていきたい」

◆開幕マスクの梅野は猛打賞。二回に左前打、六回に中前打を放ち、八回2死二塁からは適時二塁打。3安打1打点に「逆に気を引き締めて。(開幕から)新たなスタート。いいスタートを切れるようにしたい」と話した。矢野監督は「リュウ(梅野)とかが打つと、ビッグイニングになりやすい。そこが一番大きかったかな。俺的には」と目を細めた。

◆最後の最後で、春眠から目覚めた。虎が勝ち、日本ハムがヤクルトに負けるしかない条件で最下位脱出に成功した。この勢いを大事にする。矢野監督が開幕に向けて、確かな手応えを口にした。  「もちろん、いいスタートを切りたいし、開幕ダッシュをしたいっていうのはどこの監督さんも思っておられると思うし、俺も正直な気持ち、それがあるし」  5勝11敗1分け。開幕6連敗(1分け挟む)から始まり、チーム打率・227は12球団11位(最下位は中日で同・218)だが、ギリギリまで競争をあおった結果、ようやく戦う形ができた。  「オープン戦とはいえ、勝てなかったところはもちろん反省しているけど、それを悲観的に捉えているところは全然ない」  藤川がこの日も失点するなど、勝利の方程式はまだ不透明なところもある。右ふくらはぎを痛めて開幕2軍を決めたマルテの状態も気になる。でも、「その(シーズン中に故障者が出た)とき、対応できるような選手たちはいる」と、主力級が離脱するとガタガタに崩れるようなこれまでとは違うことを強調した。  「もちろん100点ではないけど。これから開幕を迎える準備では、そんなに、これはやれなかったとか、そういう感じはあんまりもってない」  昨季17年ぶりとなる最下位から、あえてリーグ優勝、日本一を目指すと約束した。口に出さないと、かなう夢もかなわない。「ここからのプラスを望めるような材料が多い。すごく楽しみ」。ファンを喜ばせたい。とにかく、勝ちたい。矢野監督の1年目が、いよいよ始まる。(大石豊佳)

◆阪神のドラフト1位・近本光司外野手(大阪ガス)も「2番・中堅」で開幕スタメンを射止めた。  「しっかり自分のできることをやっていきたいと思います。自分のやることをしっかりやって、開幕スタメンというよりは、しっかり自分のやれることをできるように」  この日は3打数無安打に終わるも、一回1死ではセーフティーバントを試みる場面もあった。二回に4点を挙げ、なお1死満塁では糸井の左中間を破る当たりで一塁から一気にホームを踏んだ。  新人2選手が開幕戦で先発するのは1972年の中村勝広、望月充以来47年ぶり。1、2番を組むのは球団初となる。「結果は後からついてくるものだと思っている」。これまで通り、必死にグラウンドを駆ける。

◆大きな弧を描きながら白球は左翼席へと吸い込まれた。一挙7点のビッグイニングを呼び込んだのは、4番大山だった。  「ここ数試合、自分のスイングができていなかったので、自分のスイングをしようと心がけて打席に入りました。その結果がホームランとなってよかったです」  0-0の二回先頭。カウント3-1から、オリックスの先発右腕・榊原の内角球を豪快に振り抜いた。3月20日のヤクルト戦(神宮)以来4試合ぶりの一発は大田(日本ハム)、陽岱鋼(巨人)の5本に次ぐ、オープン戦3位タイの4号。球団では2017年の高山以来となる4発だ。  試合前の時点で、11打席連続無安打だった。「人間なので、引きずるところは引きずります」。若き4番は人知れず、思い悩んだ。主砲として戦う143試合の重圧はこんなもんじゃない。「でも、しっかりとやっていければ」と必死に顔をあげていた。  矢野監督は「ここからもう1本、もう2本って打てるように」と期待値が高いからこそ、さらなる注文をつけた。  3番糸井、5番福留のベテランコンビから挟まれる。大山の覚醒が、打線機能のカギを握る。「その(本塁打)後(の凡退)は反省なので、修正プラス、レベルアップしていきたい」。プロ3年目で初の開幕4番。チームを勝利に導く。(新里公章)

◆オリックスから国内フリーエージェント(FA)で加入した阪神・西勇輝投手(28)が古巣相手に6回5安打無失点。元本拠地で、プロ初適時打もたたき出すなど、投打に活躍。シーズン開幕へ、準備OKだ。  ブーイングもなかった。仮にあったとしても大歓声がかき消していた。西が古巣相手に完ぺきなラスト登板をした。  「正直やりにくさはありましたが、いい緊張感の中でピンチの場面でも動じずに投げることができました。本当に充実した試合になった」  オリックス時代、何度も踏んだ京セラドームのマウンドだった。ロジンに静かに手を当て、右拳で右太ももをたたく。いつものルーティン。内角を有効に使いながら、低めに投げる。やるべきことは昨季と一緒だった。  五回に唯一といっていいピンチを招いた。先頭・小田、T-岡田と連打を許し、無死一、二塁。打席に元女房役の若月を迎えた。手の内を分かっている男同士。遊ゴロ併殺に仕留めて切り抜けると6回89球でゼロ封だ。  「ヒットを打たれた中で何球か甘い球もあった。そういう詰め、決め球をもう少ししっかりしないと痛い目にあうと思う。決め球の精度を上げていけたら」  悩みながらも「自分に一番合う球団」とFAで阪神への移籍を決めた。初対戦に前日23日は思わず「やりにくさしかない。後輩が多い。みんなかわいい」と漏らした。オリックスファンからも冷たい"洗礼"を浴びせられても不思議ではなかったが、古巣は優しかった。二回2死一塁-。若月を打席に迎えたときに聞き慣れた歌が流れた。場内に西が2016年に使用していた登場曲、光永亮太の「Always」。「本当にうれしかった」。心配は杞憂に終わり、思わず、笑った。  投げるだけじゃなく、二回1死満塁では虎初打席でプロ初適時打という中前打。六回1死一塁では1球で一塁線への犠打を成功させた。打って走って、得点に絡んで、準備万端だ。  「1年間けがなくローテーションを回れることが大事。長い目で見て、どういうコンディションで戦えるか考えながら過ごしていきたい。あとはチームがどんな時でも前を向いて行ければ。みんなで1つになって優勝目指して頑張りたいです」  登板予定の開幕3戦目のヤクルト戦(京セラ)まで、あと1週間。西が白星を量産して、チームとともに、のし上がる。(箭内桃子) 西について阪神・福原投手コーチ 「バントもヒットも出たし、投げるほうも問題なかった」 ★西についてのオリックスナイン反応 3打数無安打と抑えられた吉田正 「低めにコントロールされていた。いい投手ですね」 五回無死一、二塁で遊ゴロ併殺打に仕留められた若月 「(投手としては)取りたいところでゲッツーを取られた。いい投手ですね。なんでもストライクを取れるので」

◆斬り込み隊長、任せた! 阪神がオープン戦最終戦のオリックス戦(京セラ)で8-4と快勝。ドラフト3位・木浪聖也内野手(ホンダ)が1安打2打点を放ち、12球団トップとなるOP戦通算22安打でフィニッシュした。29日の開幕ヤクルト戦(同)での1番起用も確定。最下位から出発する新星・虎の顔になる!  虎の枠を飛び越え、ついに12球団最高のヒットマンに昇り詰めた。何度も両手を突き上げ、積み重ねた「22」という勲章。木浪が、がむしゃらに灯してきたHランプを自信に変え、間近となったシーズンに飛び込む。  「自信がついた部分もあるんですけど、まだシーズンに入っていない。シーズンに入ってからが大事になると思うので。残りの練習をしっかりやっていきたいです」  流れのままに、二回にビッグイニングを作った。大山の4号ソロや西の適時打などで2点を先制し、なお1死満塁で木浪の出番だ。1ストライクから128キロスライダーを泳ぎながら拾うと、打球は右翼線に弾む2点打。「前の打者が西さんだったので、自分も続こうと強い気持ちを持って」と放った一打が22度目のHランプだ。チームも快勝し、最下位から脱出。「3・29」へ、絶好の勢いをもたらした。  打率・373(59打数22安打)は12球団3位。ルーキーに限れば、もちろん堂々のトップだ。ほれぼれする数字を残してきたリードオフマンに、起用を続けた矢野監督も、うなるしかない。監督としての初陣に、1番を託す考えを明かした。  「開幕は今日のメンバーで行きます」  先発した西を除き、野手はこの日、ベストメンバー。木浪についても「プラスが想像以上に多かったんで。だからこそね、ここまでの結果は自分でつかみ取ったものだし、想像以上」と期待を超えた活躍を手放しで称賛した。"本番モード"となり厳しくなる攻めにも「思いきって、木浪なら木浪らしいプレーをやっていってくれたらいい。そんな先の心配はまだしなくていい」と絶大の信頼を寄せた。  社会人出身の24歳。4位・斎藤友貴哉投手も同門とあって、所属していたホンダでは活躍する木浪らの話題で持ちきりになっているという。春季キャンプ中の練習試合などではテレビの地上波での中継がないことも多いが、スマートフォンでのネット速報を元同僚たちが集まってのぞき込んでいる。そして、気になれば木浪にも直接、電話がかかってくる。木浪も「お世話になったので」と笑いながら丁寧に答える。  「その(シーズンの)ためにキャンプが始まってから、自分のやることをやってきた。変わらないです。今まで通りです」  リードオフマンとして、エンジン全開で虎を開幕から走らせる。17年ぶり最下位からの出発。スタートダッシュの中心には、新鮮な木浪がいる。(竹村岳)

◆興味深いシーンがあった。二回1死満塁で打席に西。次が好打者・木浪だから、西にはゲッツーを避けるためにも「打つな」のサインが出ると思ったら、まさかの強打で結果は適時打。これが積極的な矢野野球なのか。シーズンに入って同じシーンでどうするのだろうか。楽しみではある。  オープン戦を終えて、最大の成果は木浪、近本が開幕1、2番を任せられるまで成長したこと。「競争」をテーマに掲げた矢野監督が結果を出し続けた2人を起用してきた。有言実行は他の選手にも「次は俺も」のモチベーションになるはず。  北條、上本、中谷、高山らが控えに回ることになり、逆に層が厚くなった。調子が落ちれば、代わりはいる。矢野監督の「70人近い選手全員で戦う」野球だ。  投手陣は先発ローテが安定。一方で得点力不足は解消できないままでの本番となる。先発陣は我慢が必要。打線は足を絡めていかに効率よく点が取れるか。また、新外国人マルテがいつ打線に加わるのか。守護神に再挑戦する藤川が準備段階で結果を残せなかったことも不安材料。本番ではスタートダッシュが肝心だろう。(サンケイスポーツ専属評論家)

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
844 0.667
(-)
-
(-)
70
(+6)
58
(+6)
12
(-)
8
(+1)
0.242
(↑0.008)
3.420
(↓0.04)
2
(-)
ソフトバンク
951 0.643
(-)
0
(-)
58
(+6)
55
(+6)
13
(-)
12
(+3)
0.245
(↓0.006)
3.600
(↓0.17)
3
(1↑)
楽天
743 0.636
(-)
0.5
(-)
66
(+7)
50
(+7)
12
(-)
8
(-)
0.256
(↑0.01)
3.270
(↓0.3)
4
(1↑)
巨人
1060 0.625
(↑0.025)
0
(↓0.5)
76
(+6)
65
(+4)
19
(+3)
12
(-)
0.256
(↑0.004)
3.960
(↓0.01)
5
(3↓)
ORIX
962 0.600
(↓0.043)
0.5
(↑0.5)
65
(+4)
59
(+8)
12
(+1)
19
(-)
0.262
(↑0.001
2.260
(↓0.23)
6
(-)
ロッテ
671 0.462
(↓0.038)
2.5
(↓0.5)
61
(+4)
54
(+6)
10
(-)
14
(+1)
0.248
(-)
3.730
(↓0.21)
6
(3↑)
DeNA
674 0.462
(↑0.045)
2.5
(↑0.5)
59
(+6)
65
(+1)
14
(-)
5
(-)
0.250
(↓0.001)
3.480
(↑0.16)
8
(2↑)
ヤクルト
791 0.438
(↑0.038)
3
(↑0.5)
75
(+4)
79
(+2)
17
(+1)
20
(+1)
0.258
(↑0.003)
4.160
(↑0.14)
8
(-)
中日
793 0.438
(-)
3
(-)
57
(+7)
65
(+7)
12
(+2)
11
(+1)
0.218
(↑0.004)
3.230
(↓0.21)
10
(3↓)
西武
681 0.429
(↓0.033)
3
(↓0.5)
58
(+1)
79
(+6)
8
(-)
19
(+1)
0.242
(↓0.007)
4.210
(↓0.06)
11
(1↑)
阪神
5111 0.313
(↑0.046)
5
(↑0.5)
55
(+8)
70
(+4)
12
(+1)
16
(-)
0.227
(↑0.001
3.830
(↓0.01)
12
(1↓)
日本ハム
373 0.300
(↓0.033)
4
(↓0.5)
48
(+2)
49
(+4)
14
(-)
10
(+2)
0.261
(↑0.002)
3.820
(↓0.01)