DeNA(☆8対4★)阪神 =オープン戦1回戦(2019.03.19)・横浜スタジアム=
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阪神
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DeNA
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勝利投手:バリオス(2勝1敗0S)
敗戦投手:守屋 功輝(0勝1敗1S)

本塁打
【DeNA】桑原 将志(1号・3回裏ソロ),楠本 泰史(1号・4回裏3ラン)

  DAZN
◆DeNAは、先発・バリオスが5回2失点。開幕に向けて順調な調整ぶりを披露した。対する阪神は、ルーキー・木浪がオープン戦トップタイとなる16本目の安打をマーク。開幕一軍入りへ向け、今日もアピールに成功した。

◆阪神先発のオネルキ・ガルシア投手(29)がアクシデントもあって3回3安打1失点で降板した。 2回、1死二塁で大和を迎えた場面。4球目をファウルにされた直後に右足の付け根を気にするそぶりを見せて投手コーチ、トレーナーらがマウンドに集結。ただ、投球練習後にOKサインを出して投球を続行した。 ガルシアは「自分としては状態は良かったが、あの1球を投げた後に変な感覚があった」とコメント。右足股関節周りに張りがあった模様だ。予定していた5回を投げずに降板となったが、「全然問題ない」と、次回登板には影響はなさそうだ。

◆DeNA1、2番の外野手コンビが、首脳陣へアピールした。 1点を追う3回先頭。まずは1番桑原将志外野手(25)が右翼ポール直撃の同点弾を放った。「いい時の自分の状態に戻りつつある」。昨季中日で13勝を挙げた阪神ガルシアからの1発だった。2番に入った2年目の楠本泰史外野手(23)も、負けじとアピールだ。2点リードの4回2死一、三塁。守屋の148キロを右翼上段へ。オープン戦で打率3割6分4厘と好調を維持するが「慢心しないよう言い聞かせている」と足元を見つめる。 「左翼・筒香」は決まっているが、昨季41発で本塁打王に輝いたソトは試合によって二塁、右翼と流動的だ。「中堅」筆頭の桑原は「(1番を)打ちたいですね。後ろはすごい打者。その前を任せてもらえる信頼を得たい」と定位置奪取に意欲。ラミレス監督も「これまで1、2番(固定)に苦労していた。ようやく。桑原は自信を取り戻しつつあるし、楠本も(開幕スタメン)可能性がない訳ではない」と競争を歓迎した。

◆阪神鳥谷敬内野手(37)がDeNAとのオープン戦に「1番遊撃」で出場し、存在感を示した。初回、いきなり背番号1が飛び込んだ。二遊間に転がる鋭いゴロへ、懸命にダイブ。届かなかったが、ひたむきな姿勢には、鳥谷の意地が詰まっていた。打って、走って、飛んで-。プロ16年目を迎える37歳が、全力プレーで自らの定位置を取り戻そうとしている。 「どんな形でも、しっかり準備して対応できるようにしたい」 バットでも見せた。3回の第2打席。外角高めにきた142キロシュートに反応。きれいに流すと、打球は三塁線を抜けた。一塁ベースをまわったところで、クールに打撃手袋を外すと、表情が少し緩んだ。5回無死一、三塁の打席では二ゴロ。併殺崩れの間に1点をもぎ取った。足も衰えていない。直後の3球目。果敢にスタートを切り二盗に成功した。 矢野監督は「ヒットも打って、いいタイミングで盗塁もしてね」と褒めた。さらに指揮官は「シーズンに入って、トリの力は必要になるはずやから。今、ショートでは木浪が調子よくやっているけど、シーズンに入っても、ずっと競争は続くと思う」とも。状況的にはバットで結果を残し続けているドラフト3位の木浪聖也内野手(24=ホンダ)の開幕スタメンが有力視される。だが、どのオーダーであれ、開幕戦だけで競争が終わるわけではない。遊撃ポジション争いの激化の気配が漂う。 鳥谷は、一回り年齢の違う新人とのポジション争いにも、表情は明るい。自らが目指した場所を決して諦めていない。【真柴健】

◆阪神3番糸井嘉男外野手(37)が好調キープをアピールした。 3回2死の第2打席でバリオスの変化球を捉えて右中間へ二塁打。オープン戦3試合の打率は6割6分7厘だ。4回裏の守備からお役御免となった背番号7は「まあまあ。普通です」とサラリ。 古傷の右膝炎症で今季初実戦は16日の西武戦までズレ込んだが、しっかり開幕を逆算しているようだ。

◆開幕2番に決定した阪神ドラフト1位近本光司外野手(24=大阪ガス)が好守を見せた。 6回無死一塁。大和の中前打を捕り、一塁走者山本が三塁を狙うのを見ると、鋭い送球で刺した。矢野監督が「しっかりした強い送球で安定した送球は増えてきている」と成長を認めた。 この日は1回に左前打を放つが、一塁でけん制死。「アンツーカーとか球場によって違う。勉強しながらやっていきます」と振り返った。

◆育成出身の10年目右腕・DeNA国吉佑樹投手(27)が、自己最速の158キロをマークした。 5点リードの7回から3番手で登板。2死走者なしから阪神ドラフト1位近本を空振り三振に仕留めた真ん中高め直球で、自己最速を更新した。「スピードではなく質の高い球を求めたい」と話した。

◆阪神中継ぎ左腕の開幕1軍争いも佳境に入った。 19日は6回1死一、二塁の場面から島本浩也投手(26)を投入。島本は楠本を空振り三振に抑え、宮崎には2点二塁打を浴びたが、筒香を高め速球で押し込んで捕飛に抑えた。 飯田優也投手(28)も8回を3者凡退。矢野監督は「島本はいい球投げている。内容的にはいい。左打者はどこも多いので、左投手は大事。いい競争してもらえたら」と、両者ともに高く評価した。

◆阪神ドラフト3位の木浪聖也内野手(24=ホンダ)が、5回に右前打を放ち、オープン戦16安打目を記録した。 16年に高山がマークした球団新人最多安打(80年以降)の17本に、あと1本と迫ったが「試合に出て、結果を残すだけ。そんなには気にしていないです」。8試合連続安打を矢野監督は「毎日、打つのは簡単なことじゃないからね」と褒めていた。

◆またまた梅ちゃんバズーカがさく裂だ! 阪神梅野隆太郎捕手(27)が2度も強肩を発動させた。2回には山本を、7回には代走神里の二盗をストライク送球で阻止。オープン戦の盗塁阻止率8割と驚異の数字を誇る。他球団の足攻めを、この鬼肩で封じ込めるで~。涼しげな顔で任務を遂行した。2回の守備で、1死一塁の場面。マウンドのガルシアが右足股関節周りの張りを訴えた直後だ。9番大和から空振り三振を奪うと、すぐさま二塁に送球。一走・山本の盗塁をストライク送球で阻止してみせた。「自分がそれが役目。仕事なので。やるべきことが出来るか、出来ないか。結果がアウトで良かった」。7回にも1死一塁から、二盗を狙った俊足の代走神里を強肩で食い止めた。 ネット裏の007にも大きなプレッシャーだ。梅野の鬼肩は球界にも知れ渡る。オープン戦で8個の盗塁刺は、現時点で12球団トップ。許した盗塁は2つしかなく、盗塁阻止率も8割を誇る。昨季シーズンの盗塁阻止率3割2分。巨人小林に2分1厘の差でリーグ2位だったが、今季はさらにすごみを増している。開幕を直前に控えて集結する他球団スコアラーにも、その脅威を存分に見せつけた。ちなみに甲斐キャノンで知られるソフトバンク甲斐は今オープン戦で盗塁刺5、許盗塁3で盗塁阻止率6割2分5厘だ。 バットも上昇気配が漂う。2回、1死満塁から三ゴロ併殺崩れでオープン戦初打点を挙げると、5回にバリオスの変化球を左前打、9回には守護神山崎の直球をふり抜いて中前打を放った。「ゾーンの中で振り抜けた。(調子が)上がってきていると思います」。正妻奪取だと言わんばかりの暴れっぷりだ。 ただ、矢野監督は注文を忘れなかった。大量5点を失った4回の守備。2番手守屋が先頭ロペスを迎えた場面。2球で追い込んで高め直球を痛打され、左中間へ二塁打を浴びた。「あそこはリュウ(梅野)が引っ張ってやらないと。最高の追い込み方をしてて。たまたま打たれたんだけど、自分のなかではないボールだったんで」。試合後の梅野に笑顔はなかった。期待値が高いだけに、求められるパフォーマンスも高くなる。【桝井聡】

◆DeNA・桑原将志外野手が19日の阪神戦に「1番・中堅」で先発し、右翼ポール直撃の1号ソロなど2試合連続2安打でアピールした。  「いいときの自分に近づいているのかなと思います。感覚的によくなっています。沖縄のときと投手の球の見え方が違う」  2016、17年は不動のリードオフマンとして活躍したが、昨季は不振からスタメン落ちや下位打線に回される試合も多かった。リベンジを誓った今季、沖縄での春季キャンプで序盤は好調だったが、徐々に調子を落とし、キャンプ後に2軍調整を通達された。  2軍でも調子を取り戻したわけではなかったが、チームの1番打者が固定できていない状況から16日のソフトバンク戦から1軍に合流したばかり。その矢先での復調アピールとなった。  ラミレス監督は阪神・ガルシアから本塁打を放ったことに「リーグで屈指の投手から打った。アウト(右飛)となったが第1打席もよかったし、2安打でいい状態だと思う」と、ムードメーカーに復調の兆しを感じていた。  「だれでも競争はある。アピールしないといけないと分かっている」と表情を引き締めた桑原。それでも1番打者へのこだわりを聞かれると「打ちたいっすね。後にいい打者がいるので1、2番は大変だと思いますけど、信頼を得られるように頑張りたい」と力強く語った。

◆阪神の梅野が2安打1打点をマークし「振りに行けている。チャンスのところで1本出せればもっといい」と好調ぶりを口にした。  強肩を生かし、二回と七回には盗塁を阻止。正捕手らしく「それが自分の仕事、自分のやるべきこと」とうなずいた。  ただ、2番手の守屋が2回1/3を7失点とリード面に課題を残した。捕手出身の矢野監督は「盗塁を刺せる、打てるっていうのは、俺らも認めるとこやけど、キャッチャー的には(失点を)次に生かしていってほしい」と反省も促した。

◆阪神・鳥谷敬内野手(37)が19日、DeNA戦(横浜)に「1番・遊撃」で先発出場した。  芸術的バットコントロールから生まれた打球が左翼線へ転がる。三回。鳥谷の「技」が詰まった安打だ。内野ゴロによる入れ替わりで出塁した五回には二盗成功。ベテランが打って、走って、守って、"お忘れなく"の猛アピールを演じた。  「いつでも、しっかり準備しているから。盗塁? サインだから」  どんな時でもクールなスタイルは、十年来、変わることはない。ただ、オープン戦スタメンは6試合ぶりだった。その現実がすべてを物語る。若い力が台頭し、シーズンではどんな起用になるのか?  鳥谷は? と問われた矢野監督は...。  「シーズンに入って、トリの力は必要になるはず。いま遊撃では木浪が調子よくやっているけど、ずっと競争は続くと思うから。というところで、どこにはめようかなと思ったときに、1番がいいかなと」  黙々とプレーする男のプライドを信じ、頼りにする指揮官がいる。元気な鳥谷-。それは矢野阪神になくてはならない"お守り"だ。

◆DeNAの国吉が七回から3番手で登板し、三者凡退とした。先頭打者のドラフト3位新人の木浪(ホンダ)を内角寄り直球で見逃し三振に仕留めると、続く糸原は三ゴロ。ドラフト1位の近本(大阪ガス)にはこの日最速の158キロで空振り三振に封じた。  16日に続いて好投を見せた中継ぎ右腕投手に、ラミレス監督は「あれだけいい投球をしている。去年よりいい場面での起用が増えてくると思う」と信頼を口にした。

◆課題を受け止めつつ、梅野は攻守でたしかに状態を上げている。五回先頭でバリオスから左前打を放つと、九回1死では守護神・山崎康からクリーンヒットで中前へ。オープン戦初のマルチ安打&2盗塁刺と、結果は示した。坂本との開幕マスク争いも大詰めだが「試合に出たときにどうするか。(結果が)出なかったらチャンスがなくなるので」と危機感を持ち続けている。

◆♪裏街 スナック 酔えないお酒...なんとなく五木ひろしの歌が口をついて出ました。皆さまもご同様の心境じゃなかったかなぁ...運動部長大澤謙一郎はソレをガマンしてパソコンに入ってくるファンの皆さまの"つぶやき"を見てました。  「みんな同じなんや...」という妙な連帯感。それに安心なんかしてる場合じゃないけど...しなきゃしようがない。だって、本日の横浜はとても快適な天気だったけれど皮肉にも"黄昏れて"いたのです。  当番デスクの澄田垂穂は当初はとてもホッコリした顔でした。なぜならもう数日で小学5年になる長男・遼真君が、いつの間にか父親のDNAを受け継ぎ「猛虎党員?」に溶け込んでいるのです。「まだ正式じゃないですが、野球チームに興味をもちまして...。野球を始めるのが早くはないんで、YouTubeを見ながら、スイングなどをマネしてやってます」(澄田D)とのことだ。長女真歩ちゃんには六甲おろしを教え込み...こちらも野球に興味を持つように誘い込み、成功したのであります。  だから本日もニッコニコでした。プレーボールがかかるまでは...。  その頃、鳴尾浜(横浜じゃないぞ、ナルオハマだ)では阪神-中日の2軍戦が悪天候で中止。練習が急きょ、甲子園の室内に変更となった。それで現中日担当のベテラン三木建次が根尾選手をマークして室内に移動してみるとそこに突然、阪神のマルテ内野手が現れた。  マルテは右ふくらはぎに少し違和感があるので、横浜遠征には帯同せずに甲子園で軽い練習をしている。そこに先のキャンプで根尾選手の右ふくらはぎを1カ月重点的に取材し続けてきたから三木はちょっとした『ふくらはぎ博士』となっている。  そのドクターの目前にマルテが現れたから瞬時にして根尾"主治医"からマルテ主治医? に早変わりして得意のスペイン語風(日本語で)「ダイジョーブ?」すると通じた(当たり前じゃ)マルテ曰く「ダイジョーブ!」。  ここまでならいいけど三木はその"単独スクープ"(そんなわけはない)でもうすっかり「たしかにマルテはイイ感じとみた。だって俺、2月はズッと根尾のふくらはぎを見続けてたんやから...わかるんだ」だと。  その頃、横浜は"黄昏ゲーム"となっていた。  阪神が先手をとったのはいいが、なんとなくモヤッとした展開。そのうち期待の先発ガルシアは初めての同一リーグとの小手調べに「シーズン同様の気持ちで臨むョ」と言っていた。なにせ開幕2カード目の巨人戦での先発が濃厚だが...その頼みのガルシアが途中から右足股関節周囲のハリを訴えて...3回で降板した。  もちろん大したことがないことを祈る。開幕カウントダウンのこの時期の日本の天候は油断がならないのだ。  ただ、ズブのシロウトの意見でもあるが二回1死一塁で、打席に大和を迎えたとき...ガルシアは8球も使った。シュート2球、ストレート2球、チェンジアップ2球...そして速球と最後はスライダーと残りの4球は完ぺきにゾーンを外している。(結果的に一塁走者も盗塁失敗で併殺だが...)。  なんとなくガルシアがムキになっていた。つまり..."らしくない"ガルシアがそこにいた...。三振に終わったが...マウンドでガルシアの肩が上下していた...。この8球かかった大和の三振のなかに勝負のアヤがあったのか。  ♪あの人は行って行ってしまった もうよその人...か。チッ!

◆--ガルシアは走者を出しながら粘りの投球  矢野監督「ちょっと制球に苦しんでいる感じはあったし、今まで見たなかではちょっと良くなかったかな。別に球の走りが悪いとか、そういう感じではないので。まあ、大丈夫だと思う」  --三回までで降板したのは  「ちょっと違和感というか、そういうのが出たので、まあまあ今無理してもね。まあ大事を取ってというか」  --盗塁もあったが、鳥谷はあれだけ走れる  「もちろん。ずっとキャンプでも走ってるしね。一番走る姿というのを、俺も見てるつもりやし、うん。年齢関係なくというか。そういう動きを見せてくれているんでね」  --木浪も打って、オープン戦の新人安打記録も近づいてきている  「それはね、俺らは関係ないというか。木浪自身はそれは超えていけばいいことやし。まあ今の状態でいけば超えると思うんやけど。まあでも、毎日打つのって簡単なことじゃないからね」

◆2年目の山本が先発起用され、四回の勝ち越し右前打など3安打。昨季1軍出場2試合の20歳は「3安打はびっくりです。アピールしたいと思っていたので、結果が出てうれしい」と笑った。現時点で正捕手争いに加わる立場ではないが、昨年8月19日の広島戦では、代打でのプロ初打席で本塁打。将来が期待されるホープが、本拠地で躍動した。

◆不安要素の解消に光が差した。DeNA・桑原将志外野手(25)が「1番・中堅」で右越え1号ソロを含む2安打、「2番・左翼」の楠本泰史外野手(23)も右越え1号3ランなど2安打と活躍した。  「いいときの自分に近くなっていると思います。(本塁打は)今までは引っ張りがちでしたが、素直に逆方向に打てました」  春季キャンプ後、2軍での調整が続いていた桑原は16日のソフトバンク戦(横浜)から1軍復帰。2試合連続の複数安打で復調をアピールした。2年目の楠本もオープン戦で打率・364と好調を維持し、「オープン戦だけと思われないように、毎日必死にやっています」と表情を引き締めた。  筒香、宮崎、ソトら強力な主軸が顔をそろえるDeNA打線だけに、1、2番の台頭が課題だった。ラミレス監督は「まだこの2人が理想とはかぎらない。オープン戦の残り試合もあるので、しっかり見せてもらう」と慎重な姿勢だが、若手の活躍は大きなプラス材料となった。 (湯浅大)

◆芸術的バットコントロールから生まれた打球が左翼線へ転がる。三回。鳥谷敬内野手(37)の「技」が詰まった安打だ。内野ゴロによる入れ替わりで出塁した五回には二盗成功。「1番・遊撃」で出場したベテランが打って、走って、守って、"お忘れなく"の猛アピールを演じた。  「いつでも、しっかり準備しているから。盗塁? サインだから」  どんな時でもクールなスタイルは、十年来、変わることはない。ただ、オープン戦スタメンは6試合ぶりだった。その現実がすべてを物語る。若い力が台頭し、シーズンではどんな起用になるのか?  鳥谷は? と問われた矢野監督は...。  「シーズンに入って、トリの力は必要になるはず。いま遊撃では木浪が調子よくやっているけど、ずっと競争は続くと思うから。というところで、どこにはめようかなと思った時に、1番がいいかなと」  黙々とプレーする男のプライドを信じ、頼りにする指揮官がいる。元気な鳥谷-。それは矢野阪神になくてはならない"お守り"だ。(上田雅昭)

◆捕手として、見過ごせない。阪神・矢野燿大監督(50)は2安打2盗塁刺と強みを発揮した梅野隆太郎捕手(27)の配球に「反省」を促した。1-1の四回先頭、守屋功輝投手(25)がDeNAのホセ・ロペス内野手(35)を2球で追い込みながらも二塁打を浴び大量失点へつながった場面を例示。「あの1球が5点につながった可能性もある」と、さらに信頼されることを求めた。  捕手なら、もっと信頼されたいのなら、立ち止まる必要がある。2安打も2度の盗塁刺ももちろん評価したい。だが、矢野監督は捕手として、梅野のことを思うからこそ「あの1球」について話し合いたかった。  「キャッチャー的にはロペスへの1球に悔いが残ってしゃあない。ベンチでも守屋にも、リュウ(梅野)にも話したんだけど。投手の方が実績や経験がある投手ならいいんやけど。あそこはリュウが引っ張ってやらないと」  四回先頭で迎えたロペスを見逃しストライク、変化球でタイミングを外しての空振りでポンポンと追い込んだ。将も振り返る。「最高の追い込み方をして。あの1球で、構えた瞬間にちょっと怖いなと」。梅野は腰を浮かせ高めにミットを構えた。吸い込まれるようにストライクゾーン高めに入った148キロは、ハイボールを得意とする強打者に見事にはじき返された。この左中間二塁打から守屋はこの回、3連打と3ランを含む5安打を集められ5点を失った。  昨季17勝8敗のお得意様相手で、10勝3敗と相性のよかった横浜スタジアムだったが、打線も8安打で適時打ナシの4点止まり。守屋に黒星がつき、オープン戦最下位脱出もならず。シーズン前で良かった、では済まない。頼られる捕手になれと、矢野監督は語気を強める。  「守屋も1軍にしがみつこうと必死になっているなかで、引っ張っていける捕手にならなあかんと思う」  正解などないのがリードだ、ということは捕手だった指揮官自身も身に染みている。「タラレバ」としつつも「あの1球が5点につながった可能性もあると思うから」と言わずにはいられなかった。  正妻争いをハイレベルで制してほしいからこそ「そこをどう反省していくか。次に生かしていってほしいなとは思う」と、梅野に求めるものは多い。あの1球を、ただの1球で済ませてほしくはない。(長友孝輔)

◆難敵撃破も...。阪神のオネルキ・ガルシア投手(29)がDeNA戦(横浜)に先発し、3回3安打1失点。中日に在籍していた昨季、打率7割と相性の悪かったネフタリ・ソト内野手(30)をピンチでねじ伏せてみせた。5回を投げる予定が、右足股関節付近の張りから3回での降板。大事ではないというが、不安も残した。  いきなりの窮地も難敵撃破で切り抜け、グラブを叩いてガッツポーズだ。一回、安打と連続四球でつくった2死満塁のピンチで、昨季のセの本塁打王・ソトを中飛に仕留めた。  「(ソトに対して)やっぱり低めに投げることが大事だと思ったので。きょうはシンカーを低めにうまく使ってアウトをとれた。その点に関してはよかったと思います」  虎もガルシアも、散々煮え湯を飲まされてきた相手だった。阪神は昨季DeNAに17勝8敗と大きく勝ち越した一方で、41本塁打したソトに12本を献上。そしてガルシアも中日に在籍していた昨季、ソトに10打数7安打4被弾。打率・700と"お得意さま"扱いされて、黙ってはいられなかった。  「去年のシーズンが終わってから彼との対戦の結果をよく自分でもチェックして。ビデオを見て研究じゃないですけど、やっていました」  その成果をさっそく発揮し1球で料理。シンカーを低めに投じて詰まらせ、先制機を封じてみせた。今季は同じ轍を踏むつもりはない。  昨季13勝のうち12勝がドーム球場(ナゴヤドーム10勝、東京ドーム2勝)で、屋外球場ではマツダスタジアムでの1勝しか挙げていないが、屋外の横浜でアクシデントもあった。5回程度の登板を予定していたが、右足股関節付近の張りを訴え3回で降板。異変が生じたのは二回1死一塁、大和への4球目を投げ終えたところ。顔をしかめて右股関節周りを右手でたたくしぐさをみせた。トレーナーらがマウンドに駆け寄ったが、続投。三回も小走りでマウンドに上がるなど元気な姿を見せていたが...。  「ちょっと1球投げた瞬間に変な感覚があったので、念のためにと思ってやめた。(今後の影響は)全然問題ないと思う」と軽度であることを強調。矢野監督も「今無理してもね。まあ大事を取ってというか」と説明し、病院に向かうこともなかった。  「勝つことだけしか考えていないので、マウンドに上がって、いいピッチングをして、勝つ。それだけです」。登板が有力視されている4月2日の巨人戦(東京ドーム)に向けて、不安要素をなくしていく。(箭内桃子) 3回で降板したガルシアについて阪神・福原投手コーチ 「張っているということだったので、無理するところではないですし大事をとった。(次の登板は)予定通りになると思う。しっかりまた次までに調整していけばいいんじゃないか」

◆阪神のドラフト3位・木浪聖也内野手(24)=ホンダ=が19日、DeNA戦(横浜)に「9番・DH」で先発し、オープン戦16安打目を記録した。ヤクルト・塩見に並び12球団最多で、2000年以降で高山俊外野手(25)が16年にマークした球団新人最多安打「17」に王手。29日の開幕ヤクルト戦(神宮)へ"安打王"の勢いが止まらない。  定位置争いで堂々の主役を張る勢いに、陰りはない。また打った。虎の"安打王"はもう止まらない。D3位・木浪が故郷・青森に一足早い春を届ける活躍を続け、12球団最多安打をとらえ、球団新人最多に王手をかけた。  「(安打数は)試合で結果を出すだけなので、気にはしていないです。(DHでの出場に)ベンチにいることも多かったので、(ベンチの)後ろでスイングしたり、いろいろやっていました」  敗戦に笑顔こそないが、猛アピールへの手応えをにじませた。1-6で迎えた五回無死一塁。制球が定まらない先発・バリオスの真ん中低めのカットボールを右前へ弾き返して一、三塁とし、鳥谷の二ゴロの間の1点につなげた。  4打数1安打で8試合連続安打とし、12球団3位でセ・リーグトップの打率・421(38打数16安打)と絶好調だ。ヤクルト・塩見がこの日の広島戦(神宮)で4タコに終わり、安打数は12球団最多タイとなった。残り5試合。2016年に高山が記録した球団新人最多安打の17本超えも時間の問題だ。  その活躍ぶりは遠く離れた地元にも届いている。入団決定後に帰省した昨年末、木浪は「地元の新聞にも載るくらいの活躍をしたい」と話していた。その目標通り、キャンプ中から打ちまくって地元紙に取り上げられ、青森のファンの胸をアツくしている。  地元にフィーバーを象徴する"新名所"もできた。出身の「安田ヤンヤン少年野球チーム」の澤田憲郎監督の自宅車庫に、試合の活躍をたたえる横断幕が掲げられ、熱烈応援中。「阪神 木浪聖也内野手情報 3月8日 日本ハム戦 二塁打2本!」などと週ごとに内容を変更し、地元のヒーローの雄姿を見守っている。  甲子園から約1000キロ離れた本州最北端の地で"聖也メーター"が一つ一つ刻まれていくのを、みんなが楽しみにしてくれている。プロ1年目。がむしゃらに走り続けて疲労は「ないといえばうそになる」と明かすが、地元の思いは何よりの力になる。初対戦の投手ばかりの中、スコアラーや相手投手の映像確認の時間は「増えていますね」と努力を怠らず、結果につなげてきた。  実戦で無安打に終わったのは、代打で1打席のみだった3日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)のみ。矢野監督も「毎日打つのって簡単なことじゃないからね。見逃し三振もあったけど、全体的な打撃の内容はしっかりしている。これからも使っていく可能性は高いと思う」と成長を認めた。  明言こそないが、開幕「1番・遊撃」は確実な状況。「1本出たのはよかったけど、他の内容がよくなかったので、そこは反省」と木浪。Hランプを灯しまくって、開幕へ突っ走る。(新里公章)

◆ガルシアはアクシデント前後で微妙に投球に変化が見られた。右股関節の違和感だそうだが、踏み出した右足の着き方が悪かったのではないか。かかとから入ってしまい、バランスを崩して股関節に体重が掛かりすぎるケースはよくある。一番厄介なのは癖になることだ。  それまでの投球は文句なし。投球のリズムも良かったし、球のキレも素晴らしかった。セットポジションになってからも球威は全く落ちない。傾向的にドームに強いが屋外はどうか、という指摘もある投手だが、外の球場を嫌そうに投げる素振りも全くなかった。  アクシデント後も投げ続けたこと、降板直前の最後の球も149キロだったから大事に至っていない可能性は高い。ただ、三回の最初は完全に"様子見"の投球になっていた。球威が明らかに落ちて、その球を桑原に本塁打された。  アクシデント直後よりも、登板翌日の状態が一番の目安となる。開幕前の最終登板となる26日の2軍戦に登板できれば、シーズンの活躍に何の不安もなくなる。(サンケイスポーツ専属評論家)

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
722 0.778
(↑0.028)
-
(-)
51
(+4)
39
(+3)
7
(+1)
4
(-)
0.238
(↓0.001)
3.450
(↑0.05)
2
(1↓)
楽天
621 0.750
(-)
0.5
(↑0.5)
45
(-)
29
(-)
7
(-)
6
(-)
0.259
(-)
2.670
(-)
3
(-)
ソフトバンク
730 0.700
(-)
0.5
(↑0.5)
39
(-)
34
(-)
9
(-)
6
(-)
0.238
(-)
3.400
(-)
4
(-)
ORIX
642 0.600
(↓0.067)
1.5
(↓1)
48
(+1)
40
(+4)
8
(-)
15
(-)
0.268
(↓0.008)
2.100
(↓0.19)
5
(-)
巨人
750 0.583
(-)
1.5
(↓0.5)
46
(-)
48
(-)
9
(-)
8
(-)
0.232
(-)
3.860
(-)
6
(3↑)
ロッテ
451 0.444
(↑0.069)
3
(-)
45
(+10)
40
(+3)
6
(+2)
9
(+1)
0.241
(↑0.012)
3.740
(↑0.2)
7
(-)
日本ハム
342 0.429
(-)
3
(↓0.5)
41
(-)
32
(-)
12
(-)
7
(-)
0.279
(-)
3.580
(-)
8
(2↑)
DeNA
463 0.400
(↑0.067)
3.5
(-)
47
(+8)
58
(+4)
11
(+2)
4
(-)
0.246
(↑0.014
4.100
(↑0.09)
8
(2↓)
西武
461 0.400
(↓0.044)
3.5
(↓1)
48
(+3)
56
(+10)
5
(-)
14
(+2)
0.249
(↑0.006)
3.820
(↓0.64)
10
(2↓)
ヤクルト
580 0.385
(↓0.032)
4
(↓1)
58
(+3)
60
(+4)
13
(+2)
16
(+1)
0.255
(↑0.004)
3.970
(-)
10
(-)
中日
581 0.385
(↑0.052)
4
(-)
37
(+4)
47
(+1)
6
(-)
6
(+1)
0.208
(↑0.004)
3.240
(↑0.25)
12
(-)
阪神
381 0.273
(↓0.027)
5
(↓1)
33
(+4)
55
(+8)
5
(-)
13
(+2)
0.224
(↑0.001
4.410
(↓0.39)