1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ソフトバンク | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 8 | 11 | 0 | 2 |
西武 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 0 | 1 |
勝利投手:武田 翔太(1勝0敗0S) 敗戦投手:今井 達也(0勝1敗0S) 本塁打 |
◆ソフトバンクが日本シリーズ進出に王手をかけた。ソフトバンクは初回、2死一塁から柳田が2ランを放ち先制する。その後は、2回表に甲斐の2ランで加点すると、7回には内川の適時打などで4点を奪い、試合を決めた。敗れた西武は、投打ともに精彩を欠いた。
◆西武の木村文紀外野手(30)が、9番右翼手でクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで初先発し、反撃の1発を放った。 0-4で迎えた3回無死二塁、カウント2ー1からの3球目、ソフトバンク先発東浜の136キロのシンカーを西武ファンが詰めかけた左翼席へ運んだ。CSファイナルステージでの1号2ランに「4点取られていたので、1点1点かえしていきたいと思った。(二塁走者の)外崎が出てくれたおかげで、最高の形でいい仕事ができました」と喜んだ。 守備でも見せた。4回2死一塁、ソフトバンク甲斐の打球をフェンスに激突しながら捕球。大歓声を浴びた。
◆西武の森友哉捕手(23)が、アクシデントに襲われた。 0-2で迎えた1回2死、ソフトバンク・デスパイネが、西武今井の初球150キロ高め直球をフルスイングで空振りした。勢いのついたバットが、捕球した森の左手首付近を直撃。森は顔をしかめて立ち上がった。落としたボールを拾おうと左手を伸ばしたが、そのまま動けず。トレーナーに付き添われ、ベンチ裏に下がった。 森はそのまま交代となり、急きょ岡田がマスクをかぶった。 その後、森は検査を受けるため東京・立川市内の病院へ向かった。
◆西武の先発今井達也投手(20)は、5回途中4失点で降板した。 1回、柳田に先制の1号2ランを許すと、悔しそうに下唇をかんだ。2回には甲斐にも2ランを打たれ、4失点と流れを作れなかった。3、4回は走者を背負いながらも粘りの投球を見せ無失点に抑えた。 しかし5回2死二塁で、本塁打を許した柳田に打順が回り、マウンドを2番手小川に託した。今井は「いつもよりカウントは整えられましたが、決め球を厳しく投げきれませんでした」と反省していた。
◆ソフトバンクが日本シリーズ進出に王手をかけた。西武に連勝し対戦成績を3勝2敗とした。 ソフトバンクは1回、西武先発今井に対し2死から3番グラシアルが四球で出塁。続く柳田が左翼へ先制2ランを放った。2回も2死から8番西田が四球で出塁し、続く甲斐が左中間へ2ランを放ちリードを広げた。2点リードで迎えた7回にはデスパイネ、内川の適時打に押し出し四球などで貴重な4点を加えた。 投げては継投で西武が誇る山賊打線の反撃を食い止めた。先発東浜が3回に木村に2ランを許し4回で降板すると、5回から2番手武田が登板し2回無失点。7回を石川、8回を加治屋、9回を森が投げ得点を許さなかった。
◆ソフトバンク柳田悠岐外野手が決勝の先制2ランを放ち、日本シリーズ進出王手に貢献した。 1回2死1塁、西武先発今井に対しカウント1-1からの外角寄りの直球をガツン。左翼席へ運んだ。試合後のヒーローインタビューで「力を抜いて、かち上げる感じ。いいスイングができたのでホームランになると思った」と柳田は振り返った。 チームは2回にも2点を加え序盤で主導権を握った。2点差に追い上げられ迎えた6回1死一二塁のピンチは2番手武田が中村、岡田から連続三振を奪った。7回には試合を決定づける4点でダメ押し。最後まで西武にペースを渡さなかった。「頼もしいチームメイト。また明日、あと1つ勝てるように頑張ります」と柳田。球団初2位からのCS突破へ、あと1勝だ。
◆2位ソフトバンクが日本シリーズ進出へ王手をかけた。工藤公康監督(55)は中4日で投げ4回2失点の東浜をほめた。「すごくいい集中力をみせてくれた。いけるところまで投げてくれた。いい投球だった。投手コーチとも話して、少し張りがあるということで4回で代えた」と話した。 武田、石川、加治屋、森と無失点リレーの救援陣には「毎試合よく投げている。プレッシャーは大変だと思うが、ありがたい」と感謝し「総力戦が大事。西武打線はちょっとしたきっかけで大量点になるので、どう切っていくか」と気を引き締めた。 王手をかけたことには「そこは考えない。自分たちの野球でものにするんだ、勝つんだという気持ちでと思っている」と話した。
◆西武は投手陣が失点を重ね、2連敗。アドバンテージの1勝を入れても、2勝3敗で、ソフトバンクにCS突破へ王手をかけられた。 先発今井が4回2/3を投げ6安打4失点。初回2死から柳田に先制を許す2ランを浴び、2回にも2死から甲斐に2ランを打たれた。 打線は3回、木村が2ランを放ち追い上げた。だが、7回に増田、マーティンで4点を失い、そのまま逃げ切られた。 辻発彦監督は「中盤に1点でも取れていれば、流れも変わったんだけど。ちょっと、しんどかった」と、相手の継投にお手上げだった。 21日の試合に敗れると、CS敗退となってしまう。「後がない。でも、今日はどっちかのチームが、そうなる。そこで負けただけ。明日、最後になる可能性がある。全力で勝ちにいくしかない」と腹をくくった。
◆西武の先発今井達也投手(20)は、4回2/3を被安打6の4失点で降板した。 1回、柳田に先制の1号2ランを許すと、悔しそうに下唇をかんだ。2回には甲斐にも2ランを打たれ、4失点と流れを作れなかった。本塁打は、どちらも2死から走者を出して打たれたもの。「調子は悪くなかった。2死を簡単にとって、3人目もポンポンと行きたいところで、ボール先行になってしまった」と振り返った。 初めてのCSは悔しい結果に終わり、2勝3敗でソフトバンクに日本シリーズ王手をかけられた。「勝てなくて悔しい。期待に応えられなかった。努力不足です」と反省していた。
◆ソフトバンクが2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけた。2勝2敗のタイで迎えた西武とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第4戦で、4番柳田悠岐外野手が初回に左翼越えに決勝の先制2ラン。山賊打線のお株を奪う11安打8得点で圧倒した。 ▼日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで先に王手のチームは、今年の広島まで34チームのうち31チームが進出。出場を逃したのは77年ロッテ、10年ソフトバンク、12年中日だけで、突破率は91%。昨年のソフトバンクは□●●→○○○でシリーズに出場したが、今年も同じ1勝2敗から3連勝で出場を決められるか。 ▼ソフトバンクの得点はファーストステージが8→2→5で、ファイナルステージが10→5→15→8。ファイナルステージの38点は08年西武(5試合)の32点を抜いて新記録となり、ファーストステージからの通算53点も04年西武(8試合)の45点を抜く新記録だ。ファーストステージ第3戦からの5試合連続5点以上は、日本シリーズを含めてポストシーズン史上初。
◆王者が追い込まれた。ソフトバンクに2連敗で王手をかけられた西武辻発彦監督(59)は「今日も8点か。38点。4試合で」と、ため息をついた。ここまでの4試合で計38失点。1試合平均9・5失点なので、10点取らないと勝てない計算になる。12球団トップの得点力を誇る山賊打線をもってしても、厳しすぎる現実だった。 失点の原因は明らか。四球だ。4試合でソフトバンク18、西武22。ともに出しているが、西武は失点に直結する四球が目立つ。この日は、先発今井が初回2死走者なしからグラシアルに与え、柳田に先制を許す2ラン。4点差から2点差まで詰めた後も、7回に増田が先頭の9番甲斐へ四球。1死から上林にも与え降板。代わったマーティンは押し出しを含む2四球。この回の4失点が致命傷となった。辻監督は「(四球は)いつものこと。なんでと思う。8番、9番にチャンスをつくられている」と、下位打線への四球から傷口が広がることを嘆いた。 打線は3回の木村の2ランのみ。好機はつくるが、後が続かない。東浜に目いっぱい飛ばされ、5回からは継投でかわされた。「良い投手が来ると、そう簡単には打てない」と指揮官。同じ相手と連戦で、投手陣の層の差が出てしまっている。 負ければ終わりの崖っぷちで、今日からは第3戦に先発した左腕榎田を中継ぎに入れる。辻監督は「明日が最後の試合になる可能性がある。全力で勝ちにいくしかない」と覚悟を決めた。【古川真弥】
◆ソフトバンク内川がプレーオフ、CS通算の「安打、本塁打、打点」の3部門で歴代トップに躍り出た。4点差に広げた7回2死満塁で三遊間を破る2点適時打。「4点差じゃ満塁本塁打で追いつかれるので、一気にいかないといけないところ。打ててよかった」。主将が試合を決定づけた。 プレーオフとCSの通算47安打と26打点は単独トップ。「そういう舞台に数多く立たせてもらって、そういう役割をやらせてもらっている」。11年にソフトバンクに移籍し、13年(4位)以外の7年間で積み重ねた数字が、短期決戦の強さを表している。 8月16日に疲労性の体調不良で離脱した。17年のCSでは4戦連続本塁打も放ったが「毎年うまくはいかない」と心が折れそうになったこともあった。懸命のリハビリが実りCSファイナルSで復帰。不振の松田宣に代わり第3戦からスタメンに入った。「やるしかないと、割り切っている」。開き直りと集中力で存在感を発揮している。【石橋隆雄】
◆ソフトバンクが2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけた。2勝2敗で迎えた西武とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第4戦で、4番柳田悠岐外野手(30)が初回に左翼越えに決勝の先制2ラン。主砲の今CS初となる1発で勢いづいた打線は、山賊打線のお株を奪う11安打8得点で圧倒した。今日21日の第5戦に勝てば、球団初となる2位からのCS突破が決まる。 「ショートフライかと思った」。チームメートからはそんな声が上がった。だが滞空時間の長い柳田の大飛球はグングン伸び、西武ファンで埋まる左翼席に届いた。初回2死一塁、獲物は西武今井の外角高めの直球だ。「リラックスして、かち上げました」。今CS7戦目での初本塁打は、決勝点となる先制2ランだ。「上がり過ぎたかなと思ったけど、打ち方とかスイングは良かった。ホームランにはなると思いました」。周囲の驚きは気にも留めず、笑顔を振りまいた。 テーマは「リラックス」だ。日本ハムとのファーストステージは3戦1安打だったが、柳田は柳田だった。チーム宿舎から球場に向かうバスにタブレットを持参。相手チームを研究するのかと思いきや「ゲームっす。移動時間が長いのでね。ちょっと酔いますけど」と、心を穏やかに保つ。試合前に打撃練習を終えた後は「ベビースターが一番うまい。最高」と笑顔。メットライフドームの一塁側選手サロンに常設されている駄菓子をポケットに忍ばせ、少年のように言った。自然体で臨み、結果につなげた。 2点リードの7回には、もう1つの武器の足でも勝利をたぐり寄せた。2死満塁で打者はデスパイネ。一塁走者の柳田は「結構イメージしていました」と三遊間へのゴロで快足を飛ばし、遊撃源田が封殺を狙った二塁で、間一髪セーフをもぎ取った。「三遊間の打球で二塁セーフになる。その通りになってびっくりしました。大きかった」。自画自賛の走塁で、リードを3点に広げた。 4番に引っ張られた打線は11安打で8点を挙げ、西武を圧倒。3勝2敗として日本シリーズ進出に王手をかけた。2位からのCS突破となれば球団史上初。工藤監督は「自分たちの野球をやって、ものにするんだ、勝つんだという思いでいる」と必勝宣言。柳田も「あと1つ勝てるように頑張ります」と力強く言った。今日21日、一気に決める。歓喜のビールかけが待っている。【山本大地】
◆中4日で先発したソフトバンク東浜が勝利の流れをつくった。 「初回から全力でいきました。ホームランは打たれたけど何とか粘ることができました」。4点リードの3回無死二塁から9番木村に2ランを被弾したが、動じることはなかった。「走者をためて上位に回るほうがいやだったので、逆にすっきりした」と、秋山、源田、浅村をすべて三振で切った。4回77球を投げ7奪三振。ブルペン陣にいい流れでバトンを渡した。
◆甲子園優勝投手の投げ合いは、ソフトバンク東浜(沖縄尚学)に軍配が上がった。高卒2年目の西武今井(作新学院)は"先輩"の姿から刺激を受けた。 「東浜さんみたいに、変化球がいいところで決まらないと勝てない。あのボールを投げられるようにならないと、勝ちきれない」 1回はどちらも2死をとってから走者を許したが、結末は大きく違った。今井は、グラシアルにカウント0-1から変化球が4連続ボールで四球。続く柳田に、高め直球145キロを豪快に左翼席に運ばれた。一方、東浜は浅村に中前打を許したが、4番山川を外角低めの138キロカットボールで空振り三振に仕留めた。 今井はセットポジションでのフォームが定まらず、体の開きが早くなって直球の威力が落ちた。2回も2死からセーフティーバントで走者を出し「走者が気になって、外角に要求されていた直球がシュート回転して真ん中に入ってしまった」と、9番甲斐に2ランを浴びた。 4回2/3を被安打6の4失点で降板。「先発として最低限の仕事もできなかった。努力不足です」と振り返った。ただ辻監督は「まだ20歳。経験して、来年から大きくなってくれれば」と成長を促した。今季レギュラーシーズン15試合に登板し、初勝利を含む5勝5敗。プロとして飛躍の1年となった。未来のエース候補は「これからにとっては貴重な体験になった。もっと本番に強くなりたい」と悔しさを糧にする。【保坂恭子】
◆柳田が感謝している人がいる。ソフトバンクの浜涯(はまぎわ)打撃投手、松本打撃投手だ。今春の自主トレで同行をお願いし、1月のグアムで打ち込んだ。選手3人で1時間、交代で打ち続けるなど、従来より打撃練習の量を増やして臨んだ。シーズンは本塁打、打点でキャリアハイ。首位打者と最高出塁率のタイトルも獲得した。好成績の理由は「浜涯さん、松本さんのおかげ」と言い切る。 日本ハムを破ったCSファーストステージは1安打しか打てなかった。ファイナルステージで敵地西武に向かう道中、浜涯打撃投手から「シーズンの分しか練習してなかったな。来年は増やさないと」と冗談交じりに予告された。「ヒエー」と驚く顔を見せた柳田だったが、来春の地獄の自主トレを回避すべく? ファイナルステージは16打数7安打で打率4割3分8厘の打ちまくり。恩人のカツも、好調を後押ししているのかもしれない。【ソフトバンク担当=山本大地】
◆勝負事は無情で非情だ。リーグ2位の工藤ホークスが獅子を追い詰めた。CSファイナル5試合目。今日21日にもソフトバンクの2年連続日本シリーズ進出が決まる。西武は2点を追う6回裏。1死二、三塁から中村が3球三振。続く岡田も見逃しの三振に倒れ、絶好の反撃機をつぶした。それまで秋晴れだった空が黒く曇るとドーム球場の外を大粒の雨がぬらしていた。直後の7回にホークスは4点を挙げ、勝負は決まった。冷たい秋雨はレオの涙雨だったのだろうか。 「王手」と言っても、チームはまだまだ警戒心を弱めることはない。だが「下克上」を果たしてシリーズへ進めば、セ界3連覇の広島との激突となる。気の早い話ではあるが、ホークス対カープは日本シリーズ史上初の顔合わせとなる。「広島? その話はまだ答えられんじゃろ。王手をかけても西武とは(リーグ戦で)6・5ゲーム差も離されとったんじゃけ。もし、明日負けたら逆王手。それはものすごく苦しいんじゃけ。だから決めるなら明日しかないんじゃ」。達川ヘッドコーチはシリーズ話は自重しながらも、一気の突破をまくしたてた。 勝負事は最後の最後まで分からない。だが、このCSファイナル4試合を振り返ってみれば、西武の復元性は感じられない。シーズン終盤は敵地所沢での6試合で1勝5敗とたたきのめされたのも遠い過去のように感じられる。油断は禁物だが、平成最後の日本シリーズは福岡-広島の「新幹線対決」で結実しそうな気配である。【ソフトバンク担当 佐竹英治】
◆ソフトバンクは柳田悠岐外野手(30)が先制の2ランを放つなど打線が8点を奪い、西武に連勝。通算成績を3勝2敗(西武のアドバンテージ1勝を含む)とし、2年連続の日本シリーズ進出へ王手をかけた。先発の東浜巨投手(28)は4回3安打2失点。五回以降は投手リレーで西武打線を封じた。 ソフトバンクは一回、二死一塁の場面で柳田が左翼席へ2ランを放ち先制した。西武は捕手・森にアクシデント。デスパイネが空振りしたバットが左手首に当たり負傷交代した。 ソフトバンクは二回、二死一塁から甲斐が左中間スタンドへ2ランを放ち4-0とリードを広げた。 西武は三回、無死二塁のチャンスで木村が左翼席へ2ランを放ち反撃。4-2とした。 西武は五回、二死二塁の場面で先発の今井に代えて、小川がマウンドに上がり後続を断った。ソフトバンクは五回、東浜に代えて武田が登板。 西武は六回、一死二、三塁のチャンスを作るも続く中村、岡田が見逃しの三振に倒れた。 ソフトバンクは七回、二死満塁のチャンスでデスパイネが遊撃へ適時打を放つと、なおも満塁で中村晃が押し出し四球、続く内川が左前2点打を放ち8-2と突き放した。 ソフトバンクは九回、森が3人斬りで試合を締めた。
◆ソフトバンクは柳田悠岐外野手(30)が先制の2ランを放つなど、打線が8点を奪い西武に連勝。通算成績を3勝2敗(西武のアドバンテージ1勝を含む)とし、2年連続の日本シリーズ進出へ王手をかけた。先発の東浜巨投手(28)が4回3安打2失点。五回以降は投手リレーで西武打線を封じた。 ソフトバンクは一回、柳田が二死一塁から左翼席へ2ランを放ち先制。二回は二死二塁から甲斐が2ランを放ちリードを広げた。 2点差に迫られた七回、二死満塁のチャンスでデスパイネが遊撃への適時打で1点を追加。なおも満塁で中村晃が押し出し四球、続く内川が左前2点打を放ち試合を決めた。 ヒーローの柳田は「リラックスして試合に臨みました。ホームランは力を抜いてカチ上げるって感じです。いいスイングができた」と先制2ランを振り返った。2年連続の日本シリーズ進出へ「あと1つ勝てるように頑張ります」と意気込んだ。
◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)は20日、メットライフドームでパ・リーグの第4戦が行われ、レギュラーシーズン2位のソフトバンクが10年ぶりにリーグ制覇した西武に8-2で快勝して2連勝を飾り、対戦成績を3勝1敗とした。西武はリーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えても1勝差をつけられた。 21日の第5戦でソフトバンクは勝てば、2年連続の日本シリーズ進出が決まる。予告先発は西武がウルフ、ソフトバンクは高橋礼と発表された。 ソフトバンクは一回、柳田の2ランで先制し、二回には甲斐の2ランで加点。4-2の七回に内川の2点適時打などで4点を奪い、突き放した。 日本シリーズは27日にマツダスタジアムで開幕し、セ・リーグを3連覇し、34年ぶりの日本一を狙う広島とパのCSの勝者が対戦する。 西武・辻監督 「ちょっとしんどかった。あれだけいい投手が来ると、そう簡単には打てない。全員で、気持ちでやるしかない。勝つために必死でやる」
◆西武の2年目の今井はCS初登板で、4回2/3を投げて6安打4失点で黒星を喫した。「いつもよりカウントは整えられましたが、決め球を厳しく投げ切れなかった」と落胆した。 一回に柳田に先制2ランを浴び、二回には甲斐に2ランを許した。ともに、2死後に走者を出して手痛い一発を浴びた。それでも辻監督は「まだ20歳。ここで投げたのがたいしたもの。どんどん経験して、大きくなってくれたら」とかばった。 西武・土肥投手コーチ(今井に) 「もう少し直球でいけるかなと思ったが、変化球が多くなった」 源田(七回二死満塁でゴロを横っ跳びで捕球し二塁へ送球するもセーフに) 「きれいには捕れておらず、二塁でアウトになってくれと思って投げた。結果的には一塁送球が正しかった」
◆ソフトバンクの甲斐が攻守で勝利に貢献した。打撃では2-0の二回に2ラン。低めの直球を左中間に放り込み「上位につなごうという思いだったが最高の結果になった」と喜んだ。 守備では秋山、中村を封じ込めるなどリードで投手を支えた。「レギュラーシーズンでやられてきたので準備してきた。でもいつどうなるか分からない打線だから、引き続き一人ずつしっかり抑えたい」と気を引き締めた。 西田(二回に絶妙なセーフティーバントを決め、直後に甲斐が2ラン) 「下位打線で点が取れて良かった」 デスパイネ(一回、振り切った際にバットが森の左手首に当たる) 「打席に入る前に『下がって』とは言っているんだけど、こういうことが起きて残念」
◆先発したソフトバンクの東浜は4回3安打2失点で交代した。「元から決まっていたわけではない。自分としては精いっぱいの投球をしたし、勝ったので良かった」と穏やかに話した。 4-0の三回は9番打者の木村に2ランを浴びた。それでも「走者をためて上位に回してしまうより本塁打で割り切れたかも」と秋山、源田、浅村は3者連続三振に仕留め、流れを渡さなかった。 石川(1回無失点) 「調子は全然悪くない」
◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)は20日、メットライフドームでパ・リーグの第4戦が行われ、レギュラーシーズン2位のソフトバンクが10年ぶりにリーグ制覇した西武に8-2で快勝して2連勝を飾り、対戦成績を3勝1敗とした。西武はリーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えても1勝差をつけられた。 21日の第5戦でソフトバンクは勝てば、2年連続の日本シリーズ進出が決まる。予告先発は西武がウルフ、ソフトバンクは高橋礼と発表された。 ソフトバンクは一回、柳田の2ランで先制し、二回には甲斐の2ランで加点。4-2の七回に内川の2点適時打などで4点を奪い、突き放した。 日本シリーズは27日にマツダスタジアムで開幕し、セ・リーグを3連覇し、34年ぶりの日本一を狙う広島とパのCSの勝者が対戦する。 ソフトバンク・工藤監督 「柳田君がいいホームランを打って、いい雰囲気になった。(救援陣は)プレッシャーがある中でしっかり投げた。ありがたい」
◆西武の木村が今CSで初先発して気を吐いた。0-4の三回無死二塁で、東浜の落ちる球を捉え、低い弾道で左中間席へ運ぶ本塁打を放つと、右翼の守備では四回二死一塁で甲斐の大飛球をジャンプしてフェンスにぶつかりながら捕球した。 攻守で活躍したが、チームは敗れて崖っぷちに立たされた。「自分の本塁打自体はうれしいが、勝たないと意味がない。次の試合を全力で取りにいく」と控えめに話した。
◆ソフトバンクの内川が2打点を挙げ、CS通算打点を単独最多の26に伸ばした。「数多く、そういう舞台に立たせてもらっているということ」と控えめに喜んだ。 2試合続けて先発出場し、6-2の七回二死満塁で左前に2点打を放った。短期決戦で抜群の勝負強さを発揮するベテランは「半分は割り切り。諦めの気持ち」と説明した。
◆西武の森は一回の守備でデスパイネの振り切ったバットが左手首に当たり、そのまま交代した。試合中に東京都内の病院で精密検査を受けた上で、チームドクターに打撲と診断され「大丈夫です。(21日の出場は)状態を見てから」と話した。
◆パ・クライマックスシリーズ・ファイナルステージ第4戦の一回、ソフトバンク・デスパイネが、フルスイングしたバットが、ボールを捕球した直後の西武・森友哉捕手(23)の左手首を直撃した。 その場で途中交代した森は、立川市内の病院で診察を受け、左手首の打撲と診断された。第5戦(21日)の出場は当日の状態を見て判断する。
◆「もう大丈夫です!」。ソフトバンクの育成D4位左腕、大竹が笑顔を取り戻した。前日の第3戦で七回から3番手で登板し、外崎に2ランを浴びるなど、2安打2四球2失点。ベンチに戻ると、悔しさから人目をはばからず涙を流した。 「投げたいところにいかない。投げたいフォームで投げられない。何が原因なのか...」。ふがいない投球にパニックになった23歳に手をさしのべたのは先輩たちだった。 内川からは「次のチャンスのために今できることをしっかりやろう」と励まされ、同じ育成出身の千賀からは投球フォームの助言を送られたという。7月末に支配下登録され、今季3勝を挙げた大竹。短期決戦の大舞台は若手にとって貴重な学びの場でもある。
◆外崎が4点ビハインドの三回、先頭で東浜のスライダーを捉え、左中間二塁打。続く木村の2ランを呼び込むなど4打数2安打と気を吐いた。レギュラーシーズン終盤は左腹斜筋の張りで戦列を離れていた25歳は、前日の第3戦で2ランを放つなど調子を上げている。「勝ち負けを意識しすぎずに、いつも通り試合に臨みたい」と平常心で正念場の第5戦に向かう。
◆控えに回る機会の多かった西武・木村文紀外野手(30)が「9番・右翼」で先発。敗戦の中で、攻守に奮闘した。 「自分のホームラン自体はうれしいけど、短期決戦は勝たないと意味がない」 勝利にはつながらず唇をかんだが、レオ党の希望になった。0-4の三回、無死二塁。東浜のシンカーを捉え、左中間席に2ランをほうり込んだ。守備でも2-4の四回、二死一塁。甲斐が放った頭を越えそうな大飛球を、右翼フェンスに激突しながら好捕。埼玉栄高から入団して12年目の背番号9が、失点の危機も救っていた。 「あした(21日)は(気持ちを)切り替えて、全力で取りにいきたい」。"ダークホース"が、巻き返しへのキーマンになる。 (広岡浩二)
◆五回から2番手で登板した武田が2回無失点でポストシーズン2勝目を飾った。六回は一死二、三塁のピンチも中村、岡田を2者連続で見逃し三振に斬り、「絶対に点をやったら駄目だと思いました」と胸を張った。工藤監督は「西武打線はちょっとしたきっかけで大量点になるから、リリーフにつなぐのも先延ばしにしたくない。リリーフは毎日よく投げてくれている」と目尻を下げた。 今季初の中4日で先発し、4回2失点のソフトバンク・東浜 「一回から全力で投げました。短いイニングで交代しましたが、自分なりに粘れたと思います」
◆「ミスターCS」の称号はだてじゃない。2試合連続で「7番」に入った内川が西武に引導を渡した。七回、2点を追加してなお二死満塁から左前2点適時打。6点差をつけて試合を決めた。 「4点差は満塁本塁打で(追いつかれる)というのもあったし。まわりの流れに乗っかってるね。みんな、あす決めようと思ってますよ」 今季は右肩痛などで8月から戦列離脱。復帰したのはCSからというのが嘘のような完全復活だ。この日の2安打でプレーオフ、CSの通算安打数は「47」。46安打の和田一浩(西武-中日)を追い越し、単独トップに躍り出た。トップタイだった打点も「26」で単独1位に浮上。前日の一発で1位タイ(8本)となった本塁打を含めて、驚異の"3冠"達成だ。 「試合数が一緒じゃないし...。そういう舞台に多く立たせてもらっているだけ」 安打製造機はどこまでも謙虚。ただ、こんなすごい男が下位を打つチームが負けるはずがない。 (上田雅昭)
◆悲鳴が繰り返し狭山の森に響いた。パ・リーグ覇者の西武が連敗し、土俵際に追い込まれた。 「あれから(四回以降)1点でも取れていればね。しんどかった。あれだけいい投手が出てきたら簡単には打てない」 辻監督が厳しい表情で振り返った。敗戦の予兆は、一回の守備で突如訪れた。先発・今井が柳田に先制2ランを被弾。さらに、続く打者への初球だ。150キロの直球にフルスイングしたデスパイネのバットは勢い余り、捕手・森の左手首をヒット。ミットが飛ぶほどの衝撃で、森は負傷交代。開始10分足らずで、打撃もいい扇の要を失った。 4-15で大敗した前夜は4投手で計9四球。この日も七回に登板の増田とマーティンが2四球ずつ与え、4失点で試合の大勢が決した。4試合で計38失点。"投壊"の流れは止まる気配がない。 打線も得点は三回の木村の2ランのみと沈黙した。2-4の六回には、一死二、三塁で6番・中村が三振。続く7番打者は森に代わって出場の岡田で、見逃し三振。主将の浅村は「厳しい。正直、差を感じる。(ソフトバンクは)シーズンと同じように戦えている」と声を振り絞った。 もう後がない状況で、21日の第5戦を迎える。東京・立川市内の病院で精密検査を受け、打撲と診断された森は「出るつもり」と宣言し、前日19日の第3戦で先発した榎田もブルペン待機する予定だ。「あした(21日)が最後の試合になる可能性がある。全力で勝ちにいく。勝つために必死でやる」と指揮官。ホームの大声援を前に、簡単に終わるわけにはいかない。 (花里雄太) 七回二死満塁で三遊間のゴロを好捕するも二塁送球はセーフとなった西武・源田 「きれいには捕れておらず、二塁でアウトになってくれと思って投げた。結果的には一塁送球が正しかった」 4回2/3を6安打4失点で降板した西武・今井 「最低限の仕事もできず、期待に応えられなかった。自分の努力不足です」 先発の今井について西武・土肥投手コーチ 「もう少し直球でいけるかなと思ったが、変化球が多くなった」
◆パ・リーグ2位のソフトバンクが、10年ぶりにリーグ制覇した西武に8-2で快勝して2連勝。3勝2敗(西武のリーグ優勝による1勝のアドバンテージを含む)として、2年連続の日本シリーズ進出へ王手をかけた。一回に4番・柳田悠岐外野手(30)が先制2ラン。七回には7番・内川聖一内野手(36)の2点打などで4得点と、15得点した前夜に続いて打撃陣が火を噴いた。 右翼席の鷹応援団に日本シリーズへの道筋を示すように、左翼席に向かって弧を描いた。"真打ち"の一発で王手。どよめく周囲をよそに、柳田は確信していた。 「少し上がりすぎたけど、打ち方もスイングもよかった。ホームランだと思いましたよ」 一回二死一塁で、今井が外角高めに投じた145キロの速球にフルスイングした。クライマックスシリーズ(CS)3年ぶりの本塁打は、先制2ラン。左打者にとって逆方向へ、やや詰まったような上がり方だった。それでも柳田はすぐに立ち止まり、スタンドへ向かう打球を悠然と見つめた。 チームは11安打で8得点。強打の西武を相手に、勝った3試合はすべて2桁安打だ。工藤監督が「早く点を取って、投手に『1、2点は大丈夫』と思ってほしい。いい本塁打を打ってくれた」と絶賛した4番打者のこのCS初の長打が、決勝打になった。 柳田はファイナルステージに入って「打ち方を少し変えました」と右足の上げ方などを微調整した。今季は打率・352で3年ぶりの首位打者。「本当にいい時期はなかったけど、うまく修正できた」と語るレギュラーシーズン同様のスタイルで、3戦連続の2安打。表情も普段通りだ。 「リラックスして臨みました。力を入れても駄目だと思うので」 明るさはナインの背中も押す。日本ハムとのファーストステージ第3戦で、松田宣の打席で投手が井口に代わったときのことだ。先輩が確認していた過去の配球表をのぞいた。「これです! これを逃したら駄目です」。そう指した球を松田宣が初球本塁打。実は、ど真ん中の失投だった。「松田さんが焦っていたので。真ん中に1個だけ丸があったんです。そしたら、ほんとに来た」と大爆笑。お立ち台でも笑顔が絶えなかった。 「本当に頼もしいチームメート。あと1つ勝てるように頑張ります」 日本シリーズ進出をかけた過去のプレーオフ、CSで先に王手をかけた34チームのうち突破は31度で、確率91・2%。最後まで、打ち合いは望むところだ。 (安藤理) ソフトバンク・王貞治会長 「柳田の一発が大きかったね。彼の(左翼方向への)打球は右打者より飛ぶからね。前へ前へ、という感じで。打線もみんな、調子がいいね」
◆両チームの選手層の差を感じた試合だった。ソフトバンクは内川の復帰により、打線が一層充実した。相手からみると、ピンチで打席に迎えると本当に嫌な打者だ。常に狙い球を絞っているから、怖さがある。いるだけで相手にプレッシャーをかけられる選手だ。 柳田に関しては、直球系で勝負しては危険。本塁打は高めのボール気味の直球をたたいたものだ。直球は見せ球に、変化球で勝負する配球をしなければ、抑えるのは困難だ。松田宣をスタメンから外したり、この日は五回から継投に入ったり、工藤監督のアグレッシブな選手起用がチームにいい緊張感を与えているように思う。ブルペンも整備されており、ソフトバンクが断然有利になった。 一方、西武は乗り切れない。この日のポイントは三回、木村の2ランで2点差に迫った後。秋山、源田、浅村が連続三振を喫した場面だ。追い上げムードがしぼんだ。 秋山はバットが下から出ている。インパクトが弱いので、打球に力がない。もっと深刻なのは中村で、全くタイミングが合っていない。 もう後がない。中村をスタメンから外し、外崎を三塁に回して、外野に金子侑を起用するべきではないか。 (サンケイスポーツ専属評論家)
コメント