阪神(★4対9☆)巨人 =リーグ戦25回戦・阪神甲子園球場=
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巨人
00202023091622
阪神
1000120004800
勝利投手:畠 世周(2勝0敗0S)
敗戦投手:桑原 謙太朗(5勝3敗0S)

本塁打
【巨人】岡本 和真(32号・7回表ソロ),岡本 和真(33号・8回表2ラン)

  DAZN
◆巨人が2年ぶりのクライマックスシリーズ進出を決めた。巨人は4-4で迎えた7回表、岡本のソロと小林のスクイズで勝ち越しに成功する。続く8回には、マギーの適時打と岡本の2打席連続本塁打となる2ランでリードを広げた。投げては、2番手・畠が今季2勝目。敗れた阪神は、投手陣が崩れた。

◆巨人高橋由伸監督(43)が「究極の選択」で"10・9決戦"を制し、CS進出へと導く。8日、甲子園でレギュラーシーズン最終戦となる9日の阪神戦に向けて最終調整した。3位確定までマジック1。同じ午後6時開始のDeNA戦の結果次第でもAクラス入りを決められる。エース菅野はベンチで待機し、メルセデスが大一番の先発。迫る13日からのCSファーストステージも念頭に戦況を見極めながら、ジョーカー菅野の投入を決める。 運命の分岐点となる今年最後の伝統の一戦を前日にしても、高橋監督は穏やかだった。今季限りでの辞任が決まっているからなのか、心中は伺い知れない。だが、達観したような雰囲気がにじみ出ていた。「普段と同じようにやらなくちゃいけないけど、状況が同じとは言えないからね。でも、やれることはいつもと変わらない」と重圧を歴戦で築いた器に収めた。 エース菅野はベンチ待機となった。中4日での先発準備もしたが、CS進出へマジック1と優位に立つ。3位が決まり、13日のCSファーストステージ初戦に投入するためには極力、起用は避けたい。 自力も、他力もある。CS進出のパターンは多岐にわたる。巨人が勝てばシンプルに決まる。引き分けてもDeNAが引き分け以下なら決定。敗戦でも、ライバルが共倒れで敗れれば進出となる。同じ午後6時から行われるため、判断がさらに難しくなる。自軍、DeNAの大量リードや大量ビハインドでも変わる。究極で言えば、巨人が敗色濃厚でDeNAの勝利が決定的でも、無用に菅野を投入せず、相手の10日の最終戦に運命を委ねる選択肢もある。 「まずは総力戦。そのあとは状況次第だね。菅野は明日の状態を見てから」。理想型も追求する。「普通に戦って、普通に勝つのが一番」。王道を軸に、機を見て変化する。 ▽巨人菅野(ベンチ待機に)「準備はしっかり、(中継ぎ投入で)そうなったら腹をくくって投げます。優勝を逃してからCSへ、みんなが同じベクトルに向いてやってきたつもり。そこで自分を頼ってもらえるのはうれしい。しっかり形で恩返ししたい」

◆巨人岡本和真内野手(22)はここまで31本塁打、97打点で打率3割8厘。史上最年少の「3割30本塁打100打点」まで残り3打点としている。阪神戦は今季24試合で6本塁打、23打点、打率4割5厘と好相性を誇るが、節目の100打点へ到達できるか。

◆阪神糸原健斗内野手(25)が試合前練習に参加し、元気な姿を見せた。 前日8日のヤクルト戦で、自打球が顔面に当たった。左目付近を冷やし、病院に直行。全試合出場が途切れる危機に立たされたが、軽傷の模様だ。この日の練習後には、「全然、大丈夫です。やることに変わりないので、いつも通り、チームに貢献できるようにがんばります」と力強かった。

◆巨人岡本和真内野手がプロ野球史上最年少となる22歳シーズンでの「3割・30本塁打・100打点」を達成した。 同点の7回に勝ち越しの32号ソロを放ち、98打点とすると、8回1死二塁から阪神望月から左中間へ2打席連続となる33号2ランで100打点に乗せた。 22歳シーズンでの100打点も96年の松井秀喜を抜き、最年少記録を樹立した。

◆巨人は同点の7回に岡本の32号ソロで勝ち越しに成功。8回には岡本が2打席連続となる33号2ランが飛び出て、最後はエース菅野で締めくくった。 巨人はこれで3位が確定し、2年ぶりのクライマックス・シリーズ(CS)進出が確定。DeNAは2年連続でCS進出を逃した。3位確定した巨人は13日に神宮で2位ヤクルトとCSファーストステージを戦うことになった。

◆巨人は今季最終戦となった阪神戦に勝利して3位確定し、2年ぶりクライマックス・シリーズ(CS)進出を決めた。4位DeNAは残り試合で勝っても、勝率で上回ることができなくなった。 初回、阪神に先制を許したが、巨人は3回2死満塁で阿部が右翼線へ2点適時二塁打を放って逆転に成功。5回にも2点を追加した。 ただ5回、阪神に1点を返されると、6回には大山の適時二塁打とバッテリーミスが出て同点に追いつかれた。 4-4の7回無死、岡本が左翼席へ32号ソロで勝ち越しに成功。1死から長野、陽岱鋼の連打で一、三塁の好機を作ると、小林のセーフティスクイズでリードを2点に広げた。 8回には岡本が2打席連続となる33号2ランなどで3点を追加した。岡本は最年少で3割30本塁打100打点を達成した。5点リードの9回には菅野を投入し、三者凡退に抑えて逃げ切った。 3位確定した巨人は13日に神宮で2位ヤクルトとCSファーストステージを戦うことになった。

◆阪神ランディ・メッセンジャー投手が8度目の挑戦でも、日米通算100勝を逃した。 1点リードの3回に巨人阿部に逆転のタイムリー二塁打を許し、5回には陽岱鋼に右越えの2点適時三塁打を浴びた。5回4失点と精彩を欠き、裏の攻撃で代打を送られた。「ヒットを10本も打たれているので、自分のチームよりも相手を助けてしまった」と落胆した。 8月10日のDeNA戦を最後に白星から遠ざかっている。この日が最終登板になる可能性が高く、今季中の大台到達は厳しい状況になった。「長いこと意識していたが、達成したかったよ。もちろん」と元気なく話した。

◆阪神が今季、甲子園で球団ワーストとなる39敗目を喫した。苦手にしていた巨人メルセデスから25イニング目で初得点を挙げたが、先発メッセンジャーが5回4失点と精彩を欠いた。 6回に同点に追いついたが、終盤に巨人の若き主砲・岡本に2打席連続アーチを浴び、最後は長打力に屈した。 金本知憲監督は「長打とかね。見ての通り、力の差っていうのは、特に打力はありますね。ちょっと長打力が課題ですね」とパワー不足の打線を嘆いた。9月27日のDeNA戦を最後に、チームは11試合連続で本塁打が出てない。 阪神は3連敗を喫し、今季は60勝79敗2分。すでに最下位は確定。野村克也監督が指揮を執った01年以来のシーズン80敗に王手がかかった。

◆巨人岡本和真内野手(22)がプロ野球史上最年少となる22歳シーズンでの「3割・30本塁打・100打点」を達成した。 同点の7回に勝ち越しの32号ソロを放ち、98打点とすると、8回1死二塁から阪神望月から左中間へ2打席連続となる33号2ランで100打点に乗せた。 22歳シーズンでの100打点も96年の松井秀喜を抜き、最年少記録を樹立した。「チャンスだったのでランナーをかえそうと。(100打点の意識は)多少ありました」と笑った。

◆若き主砲が、チームを2年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出へ導いた。巨人岡本和真内野手(22)が、シーズン最終戦となる阪神戦で2打席連続弾を放ち、100打点に到達した。同点の7回に32号決勝ソロ、8回にはダメ押しの33号2ラン。プロ野球史上最年少となる22歳シーズンでの「3割30本100打点」を達成するとともに、松井秀喜らを抜き、100打点到達の最年少記録も樹立した。13日から始まるヤクルトとのCSファーストステージでも、チームをけん引する。 史上最強の22歳だ。同点の7回無死。岡本が阪神桑原の136キロスライダーを捉えた。CS進出を決める、左中間最深部への32号勝ち越しソロ。8回1死二塁では、2打席連発の33号2ランで100打点の大台に乗せた。98打点で迎えたシーズン最終打席で「3割30本100打点」を達成。「チャンスだったのでランナーをかえそうと。(100打点の意識は)多少ありました」と屈託なく笑った。 自分に素直に戦い抜いた。全143試合を戦い終えたが、体重は開幕から8キロ増の104キロ。多くの若手はシーズンが進むにつれて体重を落とすが「欲望に正直になること。打てる体重がベスト体重だと思う」と、岡本の胃袋は例外だった。存在と比例するように体も成長曲線をたどった。 シンプルに物事を捉える。智弁学園3年の夏。甲子園初戦で散った。スパイク袋に黒土をかき集める仲間を横目にグラウンドにしゃがみ込むことなく聖地から立ち去った。「なんで土を集めるのか。スパイクを入れられなくなるやん」。すべての物には役割がある。適した使い方、役割が好循環、好結果への最短距離だと考えた。だから、与えられた役割を全うした。6月2日に第89代4番に座った。4番として本塁打を打ち、試合を決める一打を放つ。レギュラー1年目で打率3割9厘、33本塁打、100打点の成績を残した。 ポストシーズンという未知なる舞台が待ち受ける。「CSは、少ないチャンスがさらに少なくなる。何とか食らいついていきたい」。4番が打てば勝つ。22歳の主砲は飾ることなく「リアル岡本」で勝負を挑む。下克上を果たすための答えは単純明快だ。【島根純】

◆巨人高橋監督の指揮棒に、選手が自在に踊った。5点リードの最終回に登板したのは中4日のエース菅野。左翼席が沸く中で最速153キロをマークし、阪神打線を3人で制圧した。3日の辞任表明から6日。「10・9決戦」を制し、2年ぶりのCSの舞台にたどり着いた。「シーズン優勝という目標はかなわなかったが、何とかCSに出るという目標はみんなの頑張りで次につなげられた。選手に感謝したい」と周囲を思った。 Aクラス死守と迫るCS開戦の二兎(にと)を追わなければならなかった。菅野の強行先発の手もあったが、限定起用の守護神に回した。逆算して畠を6回途中から投入。シーズン終盤にクローザーを担った山口俊を7回からまたがせた。菅野も1イニングなら疲労を最小限にとどめ、13日のCS初戦の先発へ中3日空く。先発メルセデスも74球で中4日となる2戦目先発に余力を残した。完璧な調和が取れた継投。指揮官は「菅野で締める展開に持っていきたいと。体もきつかったと思うが、よく頑張ってくれた」とたたえた。 誰もなし得なかった挑戦が待つ。勝率5割未満のチームがCSを突破したことはない。「失うものはない」。メーク下克上へ、高橋監督が導く。【広重竜太郎】

◆巨人岡本和真内野手(22)が、シーズン最終戦となる阪神戦で2打席連続弾を放ち、100打点に到達した。 ▼22歳の岡本が2打席連続本塁打を放ち、シーズン100打点を達成。22歳シーズンに100打点は63年王(巨人)ら6人の23歳を抜く最年少記録。岡本はプロ1年目からの打点が4→0→2→100と、昨年はわずか2打点で、昨年終了時で通算6打点。49年大岡(大映)が新人で111打点を記録しているが、前年の打点が1桁、通算の打点が1桁の日本人選手が100打点はともにプロ野球史上初めてだ。また、岡本は打率3割9厘で33本塁打。「打率3割・30本塁打・100打点」も63年王ら4人の23歳を抜いて最年少記録となった。

◆阪神が甲子園で球団ワーストとなる39敗目を喫し、本拠地にはやり場のない怒りが充満した。 試合後、外野席では虎党同士のけんかが発生。帰り際の坂井オーナーには「いつ辞めるんですか?」と罵声が飛んだ。野村監督が指揮した01年以来のシーズン80敗に王手がかかった。11戦連続本塁打なしに金本監督は「ちょっと長打力が課題ですね」と疲労を隠せなかった。

◆巨人は今季最終戦となった阪神戦に勝利して3位確定し、2年ぶりクライマックス・シリーズ(CS)進出を決めた。 ▼巨人が最終戦で3位を決めた。CSが始まった07年以降、最終戦に勝ってCS進出を決めたのは08年日本ハム、10年ロッテ、11年西武に次いで4度目、セ・リーグでは初めて(15年阪神がチーム全日程終了後に3位決定)。巨人の勝率は4割8分6厘。3位チームの最低勝率は78年日本ハムの4割6分6厘だが、セ・リーグの3位としては74年ヤクルトの4割8分8厘を下回る最低勝率となった。04~06年パ・リーグのプレーオフ、07年以降のCSに負け越して出場は6度目で、巨人の勝率はワースト。負け越しチームが日本シリーズに出場したことはないが、「最低勝率」で出場の巨人は下克上できるか。

◆阪神糸原がフル出場して安打を放った。前日8日のヤクルト戦(神宮)で自打球を顔に当て、途中交代していた。 試合前練習から全メニューをこなし「全然大丈夫です。チームに貢献出来るように頑張るだけです」と意気込んでいた。7回には中前打も放ち、全試合出場を継続させた。

◆金本阪神が巨人のCS進出をアシストする屈辱負けを喫した。打線が苦手メルセデスから4点を奪ったが、桑原や望月の中継ぎ陣が踏ん張れず9失点。今季甲子園での39敗は球団史上最悪の泥沼だ。坂井オーナーに怒声が飛び、外野ではケンカが起きるなど虎党のイライラも爆発。今日10日の甲子園最終戦(対DeNA)は猛虎の意地を見たい。 G党が歓喜の歌に酔いしれる中、外野席では虎党同士の大げんかが勃発した。グラウンドには縦じまユニホームが投げ込まれた。帰り際の坂井オーナーにまで「坂井オーナー、いつ辞めるんですか?」と男性から罵声が飛んだ。完敗で宿敵のCS進出決定をアシストし、金本阪神ワーストタイの借金19を背負った直後、甲子園にはやり場のない怒りが充満していた。 「見ての通り、力の差っていうのは、特に打力はありますね」。試合後、金本監督は力なく認めた。今季巨人最終戦は完全なる力負けだった。今季24イニング連続無失点に抑え込まれていた左腕メルセデスから初回に先制。6回途中4失点で降板させたまでは良かった。だが、救援陣が同点の7回、そして8回、4番岡本に2打席連発を献上してジ・エンド。最下位確定から一夜明け、もう虎に反発力は残っていないのか...。 ついに負の歴史を塗り替えてしまった。今季甲子園で20勝39敗2分け。95年の38敗を超え、球団ワーストの負け数となった。78年の甲子園借金17を超える借金18以上も確定した。敵地を含めても、9月27日DeNA戦で大山がランニング弾を放って以来、11戦連続でノーアーチ。指揮官は「ちょっと長打力が課題ですね」と疲労を隠せなかった。 今日DeNA戦が今季甲子園ラストゲーム。金本監督は力を振り絞るように語気を強めた。「絶対に、何としてでも勝ちたい。選手たちも最後はファンの前でいい試合をしてほしい」。最後の最後ぐらい、来季に向けた希望の光を見つけて終わりたい。【佐井陽介】 ▼阪神は甲子園で今季39敗目(20勝2分け)を喫し、95年の38敗を超えて球団史上最悪を更新した。甲子園での借金は現在19。仮に今日10日DeNA戦に勝っても、21勝39敗2分けで借金18となる。78年の借金17(19勝36敗3分け)を超え、ワースト借金となることが確定した。また、これまでの甲子園での最低勝率は78年の3割4分5厘。10日DeNA戦△または●でこれを下回る。

◆阪神メッセンジャーが8度目の挑戦でも日米通算100勝を逃した。 5回4失点で降板。「ヒットを10本も打たれているので、自分のチームよりも相手を助けてしまった。長いこと意識していたけど、達成できなかったよ」と落胆した。今季はこの日が最終登板になる可能性が高い。日本人選手扱いになる来季のことを問われ、「向こう(米国)にいるかもしれないし、全然考えていない」と元気なく話したが、チームに残留することは確実な情勢だ。

◆10・9決戦! セ・リーグ3位の巨人は8日、レギュラーシーズン最終戦となる9日の阪神戦(甲子園)に向け、甲子園球場で全体練習を行った。今季限りで退任する高橋由伸監督(43)は勝てばクライマックスシリーズ(CS)進出が決まる大一番での総力戦を強調。菅野智之投手(28)をベンチ入りさせる考えを明かした。セ・リーグ4位のDeNAは9日からの2連戦で平良拳太郎投手(23)、ジョー・ウィーランド投手(28)を先発起用し、逆転CSを狙う。  高橋監督は、特別な1試合へ決意を示した。  「まずは総力戦。そのあとは状況を見ながらだね」。9日の阪神とのレギュラーシーズン最終戦に勝てば2年ぶりのCS進出が決まる。敗れれば、DeNAが残り2試合に連勝で逆転され"由伸巨人"の戦いは終わる。主将の坂本勇は「勝って決めるのが一番いい」と気合を込めた。  指揮官は「明日のコンディションを見てから」とした上で、エース・菅野をベンチ入りさせることを明言。右腕も「もしそうなったら、腹をくくって投げます」と救援での"緊急登板"に備える構えを見せた。天国にも地獄にもなり得る一戦。正念場でチームが総力を注ぐ。(谷川直之) 9日、24回無失点と得意とする阪神戦に先発する巨人・メルセデス 「100%の力で臨む。試合(の勝敗)がどうなるかは、時の運だ」

◆巨人は9日、今季最終戦となる阪神最終戦(甲子園)に臨んだ。試合前の時点で、阪神戦3試合に登板し、24イニング連続で無失点に抑えていたクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24)が先発。だが一回、いきなり先制を許した。  阪神戦の初失点は計25イニング目だった。先頭・糸原の遊ゴロを坂本勇が失策し、福留の右前打などで一死一、三塁。4番・大山を二ゴロに抑えたが、併殺崩れの間に1点を失った。  勝てば、クライマックスシリーズ(CS)進出が決まる一戦。「総力戦」と口にした高橋監督の思いに応えるべく、ナインは一丸となって戦う。

◆巨人・阿部慎之助内野手(39)が9日、今季最終戦となる阪神最終戦(甲子園)に「5番・一塁」で先発出場。1点を追う三回二死満塁から、右翼線へ逆転の2点二塁打を放った。  クライマックスシリーズ(CS)進出をかけた「伝統の一戦」で、酸いも甘いも知るベテランが、仕事をした。三回一死から坂本勇の左前打、D5位・田中俊(日立製作所)の右前打、マギーの四球で満塁。4番・岡本が見逃し三振に倒れたが、若き大砲が打てなければ、それをカバーするのが18年目のベテランだ。  相手先発・メッセンジャーが投じた146キロの直球を振り抜き、右翼線へ。意地の一発で、逆転に導いた。

◆巨人・阿部慎之助内野手(39)が9日、今季最終戦となる阪神最終戦(甲子園)に「5番・一塁」で先発出場。1点を追う三回二死満塁から、右翼線へ逆転の2点二塁打を放った。  「食らいついていきました。(2ストライク後)いろんな球種を頭に置きながら、インサイドのボールにうまく反応できました」  カウント2-2となったあとの5球目だ。相手先発・メッセンジャーの146キロ直球を振り抜き、右翼線へ運んだ。

◆巨人・陽岱鋼外野手(31)が9日、今季最終戦となる阪神最終戦(甲子園)に「7番・中堅」で先発出場。1点リードの五回二死一、二塁から右越えへの2点三塁打を放った。  クライマックスシリーズ(CS)進出へ、貴重な追加点となった。四回には、二死一、二塁と好機を作るも、D5位・田中俊(日立製作所)の右前打で、二走・小林が本塁で憤死。勝利へは、なんとしても追加点がほしかったところで、背番号2が結果を出した。  相手先発・メッセンジャーが投じた140キロの直球を、右越えへ運び、自身は快足を飛ばし三塁へ進んだ。

◆巨人のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24)が9日、今季最終戦となる阪神最終戦(甲子園)に先発。5回1/3を投げ、4失点(自責点2)で降板した。  "虎キラー"としてマウンドに上がったが、この日は不運もあり、阪神打線を抑えることができなかった。一回は、失策も絡みいきなり1失点。阪神戦の連続無失点は24イニングでストップした。五回は一死二、三塁から一ゴロの間に1点を失った。  そして、六回。先頭・島田に左翼線二塁打とされ、一死三塁となった後、大山に右中間適時二塁打を浴びたところで降板した。代わった畠が、続くナバーロの打席でワンバウンドを投げ、暴投となり、それを捕手の小林が三塁へ悪送球し、さらに1点を失った。

◆巨人・岡本和真内野手(22)が9日、今季最終戦となる阪神最終戦(甲子園)に「4番・左翼」で先発出場。4-4と同点に追いつかれた直後の七回先頭で、左中間席へ勝ち越しの32号ソロをたたき込んだ。  反撃ムードの虎党を黙らせる、華麗なる一撃だった。この回からマウンドに上がったばかりの桑原が投じた2球目、136キロのスライダーをとらえ、左中間席へ。今季98打点目を挙げた一発は、チームをクライマックスシリーズ(CS)進出に近づける大きなアーチとなった。

◆巨人・小林誠司捕手(29)が9日、今季最終戦となる阪神最終戦(甲子園)に「8番・捕手」で先発出場。1点リードの七回一死一、三塁から見事にスクイズを決めた。  リードを広げる、大きな"一打"だった。カウント1-0からの2球目を一塁手の前に転がし、三走・長野が生還。同点に追いつかれた直後に、岡本の32号ソロと小林のスクイズで、再び2点のリードとした。  守備での悔しさがあった。六回、1点差と詰め寄られてからだ。一死二塁から、代わったばかりの畠がワンバウンドの球を投じ、それを小林は止めたが、球は三塁方向へ転々。三塁に進んだ二塁走者をアウトにしようと、転がった球を拾って三塁へ送球したが、これが悪送球となり、同点に追いつかれたのだ。  強肩で何度もピンチを救ってきた小林。だが、クライマックスシリーズ(CS)をかけた試合でのまさかのミス。それでも、そのミスを自らでカバーし、チームにさらなる勢いをつけた。

◆巨人・岡本和真内野手(22)が9日、今季最終戦となる阪神最終戦(甲子園)に「4番・左翼」で先発出場。3点リードの八回一死二塁から、2打席連発となる左中間席への33号2ランをたたき込んだ。  巨人の「89代4番」を襲名した若き大砲が、長いプロ野球の歴史に名を刻んだ。これで、シーズン100打点に到達。打率3割超えで、史上初となる22歳シーズンでの「打率3割、30本塁打、100打点」達成となった。  これまでの最年少記録は、2015年のヤクルト・山田哲が記録した23歳2カ月だ。他にも王貞治の23歳4カ月(1963年)、掛布雅之の23歳4カ月(1978年)、門田博光の23歳7カ月(1971年)の記録があるが、岡本は今年6月30日に22歳の誕生日を迎えたばかり。22歳3カ月での偉業達成となる。

◆巨人が阪神に大勝。3位を確定させ、2年ぶりのクライマックス・シリーズ(CS)進出を決めた。4番の岡本和真内野手(22)が2打席連続連発となる32、33号弾を放って、史上最年少となる「3割、30本、100打点」をマークした。  巨人はメルセデス、阪神はメッセンジャーが先発した。阪神は一回一死一、三塁から、大山の二ゴロ併殺崩れの間に三走が生還し、1-0とした。巨人は三回二死満塁で、阿部が右翼線へ痛烈な2点二塁打を放ち、2-1と逆転に成功した。さらに五回二死一、二塁から、陽岱鋼が右越え2点三塁打を放ち、4-1とリードを広げた。その裏、阪神は一死二、三塁から、代打・鳥谷の一ゴロの間に三走が生還し、2-4とした。  阪神は六回一死三塁から、大山が右前適時打で1点を追加し、3-4と1点差に詰め寄った。さらに一死二塁でのナバーロの打席で、巨人2番手・畠山が暴投すると、捕手・小林も三塁へ悪送球。大山が一気に生還し、4-4の同点になった。  巨人は七回、先頭の岡本が阪神3番手の桑原から、左中間スタンドへ飛び込む32号勝ち越しソロ弾を放ち、5-4とした。さらに一死一、三塁から、小林がスクイズを成功させ、三走が生還。6-4とリードを広げた。さらに八回一死二塁から、マギーが阪神4番手の望月から右中間を破る適時二塁打を放って、7-4とした。さらに一死二塁から、岡本が2打席連発となる左越え33号2ランを放って今季100打点目をマーク。9-4と突き放して、試合を決めた。  巨人、九回のマウンドには、今季15勝で広島の大瀬良と並んでセ・リーグ最多勝をマークした菅野が上がり、3人でピシャリと締めた。

◆巨人が阪神に大勝。3位を確定させ2年ぶりのクライマックス・シリーズ(CS)進出を決めた。4番の岡本和真内野手(22)が2打席連続連発となる32、33号弾を放って、史上最年少となる3割、30本、100打点をマークした。  テレビ解説を務めた元阪神監督の吉田義男氏(85)は、17年ぶりにリーグ最下位に沈んだ古巣について、「数多くの課題を残した。来年は何かを打開していかないといけない」と指摘。「巨人と阪神が強くないとプロ野球の隆盛はあり得ない。この2チームが引っ張ってほしい」と勝率5割を切った両チームに奮起を促した。  また巨人・岡本、ヤクルト・山田、広島・鈴木と他チームの主砲の名を挙げ、「300万人のファンが球場に足を運んでいただく。こんなにありがたいことはない。阪神にも20代のスラッガーがほしい」と訴えた。

◆阪神のメッセンジャーは5回4失点で降板し、あと1勝としている日米通算100勝の達成はならなかった。球が全体的に上ずり、1-0の三回に阿部に逆転の2点二塁打を許すと、五回には陽岱鋼に2点三塁打を浴びた。10安打と打ち込まれ「自分のチームより相手チームを助けてしまった」と反省した。  夏場に入って制球に安定感を欠き、8月10日に11勝目を挙げて以来、8試合続けて勝ち星を挙げられなかった。この日が今季最終登板の見込み。大台到達は来季に持ち越されそうで「長いこと意識していた。もちろん達成したかった」と悔しそうに話した。 桑原(4-4の七回に3番手で登板して2失点) 「野手が同点に追い付いたところで打たれてしまい、チームに申し訳ない」

◆巨人が阪神に大勝。3位を確定させ、2年ぶりのクライマックス・シリーズ(CS)進出を決めた。4番の岡本和真内野手(22)が2打席連続連発となる32、33号弾を放って、史上最年少となる3割、30本、100打点をマークした。  巨人・高橋由伸監督(43)は「シーズン優勝という目標はかなわなかったが、みんなの頑張りで次につなげられた」と選手に感謝。岡本には「この1年で頼もしく成長してくれた。勝負が懸かったところで決めてくれた。4番らしくと感じる」と目を細めた。

◆巨人はエース菅野が九回を締めた。救援での登板は5年ぶり。球速150キロ超の直球でぐいぐい押し、三者凡退に抑えた。高橋監督は「今日はとにかく菅野で締める展開に持っていきたいと思っていた」と話した。  最終戦で出場を決めたCSに向け、菅野は「これからは1勝の重みが違う。勝てればいい。結果にこだわってやっていきたい」と気持ちを高ぶらせた。 阿部(三回に2点二塁打を放つなどCS進出に貢献) 「しびれる試合に勝てるだけの力はある。挑戦者としてやっていくしかない」 陽岱鋼(3安打2打点) 「ずっとチームに迷惑を掛けていた。必死にやりました」 メルセデス(六回途中4失点) 「全体的には自分の投球ができたと思う」

◆巨人が阪神に大勝。3位を確定させ、2年ぶりのクライマックス・シリーズ(CS)進出を決めた。4番の岡本和真内野手(22)が2打席連続連発となる32、33号弾を放って、史上最年少となる「3割、30本、100打点」をマークした。ヒーローインタビューで岡本は、CSでの戦いへ向けて表情を引き締めた。 --最初の3打席で結果が出なかったが、第4打席はどんな気持ちで打席に入った  「1打席目、2打席目はチャンスで回していただいて、先制点と逆転のチャンスだったんですけどそこで打てなかったので、4打席目は先頭だったのでなんとか食らいついていこうと、なんとか塁に出ようと思って打ちに行きました」 --追いつかれた直後の突き放す一発  「入ってくれてよかったなと思います」 --続いての2ランホームランは完全にゲームの流れを引き込むような一発となった  「やっぱりチャンスだったので、点はあったほうがいいので、なんとか返そうと思いました」 --ホームラン打ったら100打点という意識はあったか  「多少はありましたけど、そういうのは考えずに一球一球大事にいきました」 --今季は高橋監督が特にこだわって岡本選手に4番を任せた。監督への思いは  「オープン戦もそうですし、ずっと使ってもらってた。まあなんとか期待に応えたいなと思ったので、なんとか少しは応えられたかなと思います」 --CS出場を自力で決めた  「やっぱりそこが一番うれしいです」 --ポストシーズンでも4番を任されると思うが、そこへ向けてのの思いは  「なんとか勝ち抜いて、日本一を目指して頑張りたいなと思います」 --手応えのあった充実のシーズンだった  「いや、まだまだ残りもあるのでしっかり頑張りたいなと思います」

◆巨人・菅野智之投手(28)が9日、今季最終戦となる阪神最終戦(甲子園)の九回に登板。5点リードの中、1回を3者凡退に抑え、チームを2年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出に導いた。  「みんながつないでくれたマウンド。C.C(メルセデス)も頑張ってくれていたし、畠も(山口)俊さんも頑張ってくれていたので」  エースが、最後を完璧に締めた。2013年10月8日のヤクルト戦(東京ドーム)以来、1827日ぶりのリリーフ登板。九回、甲子園に「菅野」の名前がコールされると、球場はざわめきと興奮に包まれた。そんな中、勝てばCSが決まる大事な試合で、気迫の投球を見せた。  まずは先頭・梅野を142キロのカットボールで遊ゴロに打ち取ると、続く板山は直球で一ゴロに。続く代打・原口の1球目には、この日最速となる153キロの直球を外角に投げ込み、最後は152キロの直球で二飛に仕留めた。  「(先発と)変わらないと思う。とにかく先頭バッターということだけ」といつもと変わらぬ、落ち着いたマウンドさばき。全12球。打者3人。完璧な投球で抑え切った。  「一発勝負。そういう気持ちを強く持って、一致団結して頑張りたい」  CSのファースト・ステージ初戦は13日(対ヤクルト、神宮)。絶対的エースが、逆転での日本一に向け、歩み出した。

◆巨人は9日、今季最終戦となる阪神最終戦(甲子園)に9-4で勝利し、2年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。今季限りでの辞任を表明している高橋由伸監督(43)は、意地を見せてCSの切符をつかんだ選手たちをねぎらった。  「シーズン優勝という目標で戦ってきて、かないはしなかったけど、その中で、何とかクライマックスに出るという目標に関しては、みんなの頑張りで次につなげることができた。選手に感謝したい。みんなが何とか、きょうの一戦を勝って、クライマックスに行くんだという気持ちが前面に出た、本当にいい試合だった」  若手が、中堅が、ベテランが力を集めて、勝った。前日、「総力戦」と語った指揮官の期待に沿うように、選手が必死に1勝をつかみにいった。  一回、いきなり先制されるも、三回にベテラン・阿部の2点打で逆転。五回には、スタメン起用に応えた31歳の陽岱鋼が右越え2点三塁打を放ち、リードを広げる。六回に同点に追いつかれるも、ここでチームを救ったのは、3年目を迎えた"由伸巨人"の象徴である、22歳の若き4番・岡本だった。  七回先頭で、左中間席に飛び込む32号ソロ。さらに、小林のスクイズで追加点を入れて、リードを広げた。さらに八回、マギーの右中間適時二塁打でさらに1点を加え、最後は再び岡本だった。左中間席へ、試合を決定づける33号2ラン。自身初の1試合2発で、シーズン100打点に到達し、史上最年少での打率3割、30本塁打、100打点の快挙を達成した。  「まだクライマックスはあるから全てを振り返るわけにはいかないけど、この1年頼もしく成長してくれたと思う」と岡本をたたえた高橋監督。だが、ここまで成長したのも、結果が出ない中でも指揮官が起用し続けたからだ。選手を信じた結果、選手が「CS進出」という次の舞台へと導いてくれた。

◆先発マスクを被った阪神・梅野は、メッセンジャーについて「真っすぐがあまりよくなかった。けがあがりできて、疲労とかもあったと思う」と9日、汗をぬぐった。チームは六回に同点に追いつきながらも七、八回で計5失点。宿敵に目の前でCS進出を許してしまった。選手会長は「お客さまも見にきてくださっている。残りの試合で頑張らないと」と必死に前を向いた。

◆阪神のD4位・島田が一時同点劇の口火を切った。2-4の六回先頭で、左翼線を破る二塁打。プロ初の二塁打を「コースに逆らわずにバッティングできました」と9日、納得の表情で振り返った。その後、大山の二塁打でホームを踏むなど2得点を記録。7、8日のヤクルト戦(神宮)では無安打で、3試合ぶりのHランプ。宿敵・巨人からのプロ初安打となった。

◆3年目の板山が右翼守備でハッスルプレーだ。1-2の四回二死一、二塁。田中俊の右前打を捕球するとバックホーム。ワンバウンド送球で二走・小林のホームインを阻止した。「(内野も外野も)どっちも守れるようにと思ってやってきました」。四回一死ではファウルに頭から飛び込み、捕球できなかったが右翼席から拍手を受けた。「捕れなくて悔しかったけど、持ち味は出せたと思う」と汗をぬぐった。

◆な、何しとんね~ん!?  わが阪神は17年ぶりの最下位となっただけにとどまらず、ここが最後の意地の見せどころで宿敵巨人を倒し、CS出場は巨人か? DeNAか? の明日の一戦に野球ファンを興奮させる演出もできないのかよ~。  わが阪神からしてみたら、この試合前まで24イニング無得点だったメルセデスを打ち込んで、まさかの六回に4-4の同点!! よっしゃあ!? ならば後は、どーなろうが知らんわ!! 倒れるときは虎党も納得の前に倒れたるわー。で、「吉本球審、ピッチャー交代や!! 藤浪や!!」くらい言ってくれー!! 桑原が間違いとは言わん。言わんけど、最下位なのに、そんな妥当な采配してたら来シーズンも、辛~い。  なんだか分からないけど巨人さん、とりあえずCS出場オメデトウです。あ、あ、あー!! てか...(シーッ、声を小さく)よく考えたら、CS進出なのに巨人は高橋監督、辞任するんですよね? ならば、来季こっそり、阪神の監督にお招きしちゃいません?(金本監督は総監督ってことで)あー、腹立つ。あー、気持ちわりー!!

◆最下位が決定していても3万5358人が球場に足を運んだ。主将・福留は厳しい敗戦に「みんながね、最後にどう思うかじゃないですか」と、ホーム最終戦となる10日のDeNA戦に向けて必死にチームを鼓舞した。バットでは一回一死一塁に右前打。好機を広げ、巨人・メルセデスからの初得点を演出した。八回先頭でも中前打を放ち、今季32度目のマルチ安打を記録した。

◆地下鉄を降りてわが社までホンの数分...ちょっと紅葉した公園の横を歩きながらフッと口をついて古い歌...。♪アノ手この手の思案を胸に やぶれ長屋で 今年も暮れた...チッ。  新聞社の午前中は人影もまばら。別に怪しい仕事ではないが"夜の商売"だから、ほとんど編集局もシンとしている。こっちはいつもの「虎ソナ窓際席」にイソイソとむかったが、フト見ると編集局長畑恵一郎と運動部長大澤謙一郎がヒタイをくっつけるように難しい顔...その横で局次長稲見誠がこれまた"ゴリラ顔"で(どんな顔や...ゴホゴホ)。  これはさわらぬ神にたたりなし...と通り過ぎようとしたら...「今朝のI面、どう思う」と声をかけられた。  基本的には「阪神頑張れ!」だが、わが社は「可愛さ余ってナントヤラ...」の気風がほとばしって厳しくなる場合もあります。試行錯誤...ではない。毎朝、昼の紙面会議の前に個別の意見交換が行われるのだ。「それにしても...」「方向性はこれでよかったんか...」。結構シビアな会話が飛び交うのであります。  実は...朝食の時間帯ですので読者の皆様は具体的な光景を想像せずにお読みいただきたいのですが、わが運動部長大澤は毎朝、スッポンポンで体重計に乗る。というのも10月1日にほぼ76キロあったので一念発起して夜は食べないと決意。「今朝(9日)73・9キロでした...」。なかなかのペースだが...本人はもっと減量したい...これにはこの朝のように"局長ミーティング"も効果ありだ。冷や汗ドドーッだもの...。  少し脱線するとわが社はゴリラ局次長稲見誠、部長大澤、それに運動部デスク澄田垂穂、白石大地らもののけにとりつかれたように「走る!」やつらが多い。そんなにいそいでどこへ行くんだ?  そしたら甲子園の記者席からトラ番竹村岳が「実は前日の朝に43キロも走ってしまいました、僕...」だと。エッ、朝のジョギングなのにフルマラソン...竹村、大丈夫か!  「このところ鳴尾浜の2軍取材で矢野2軍監督から『自分をふるい立たせてやることは大事なんだョ』といわれたのが心に響きました。むしろ不安残りの時に逆に『よし、やるぞ!』とむかっていくことだ...と」。ナルホドなぁ...2軍戦とはいえ「日本一」なる分水嶺はそこにあったのか。竹村記者のいつもへこたれない仕事ぶりは矢野イズムにもあったのか。  東京から少し重い気分をバッグにつめこんで移動した金本監督をマークした長友孝輔は、自打球を目に当てて、心配されていた糸原の現状をこう伝えてきた。  「糸原は元気です。あと3試合で"フル出場"ですから本人も張り切ってました。注目してください」  なんとなく終戦近くなって若い兵士が次々と飛び立っていく「神風特攻隊」を連想して胸が痛いんだョ、おじさんは。  試合はCSという"生きる希望"を持つ巨人に、一方阪神はもはや帰りの燃料さえ持たずに母国を想いつつ飛び立っていく真っ白なマフラーの若者たち見えて...涙がこぼれてきた。  なにしろ巨人は1、2番が3安打ずつ。ここというときに若き4番岡本の32、33号と連発...自分のクビをかけて「4番」をはずさなかった高橋由伸監督に彼は3割、30本、100打点という答えを最終戦で出した。熱い握手...。結局、先発野手全員安打の巨人。抑えに菅野が出た。虎にとってはあまりにも巨人の背中が遠く遠くなっていく...。  1917(大正6)年この10月9日、大阪将棋の坂田三吉は東京・築地で関根金次郎名人に勝った。  ♪空に灯がつく通天閣に 坂田三吉のような闘志は虎にいつ燃える...のか。

◆--メルセデスから4点取って来季へつながる  金本監督 「まあ4点ね、ゲッツー崩れとかちゃんとできていたというか、『何とか1点』という気持ちが出ていたのでね」  --今季最後の巨人戦。悔しい試合が続いた  「長打とか、見ての通り、力の差というのはハッキリ、特に打力というか、ありますわね」  --最近、本塁打が出ていない  「いいピッチャーと当たっているのは確かなんですけど。長打力というものはやっぱり課題というか、アレですね」  --メッセンジャーは球自体も  「イマイチだったね。(日米通算)100勝、気合を入れていったと思うんですけど、一気に落ちましたね、もう四回、五回ね」  --甲子園での試合はあすで最後  「絶対ね、何としても勝ちたいですし。選手たちもやっぱり最後ね、ファンの前で、いい試合してほしいですね」

◆エース・菅野が九回から4番手として登板。2013年10月8日のヤクルト戦以来、1827日ぶりのリリーフ登板で、1回を3者凡退に抑えた。4日の広島戦で完封勝利後、中4日での登板も「いく準備は、前回登板を終えたときからしていた」とキッパリ。「みんながつないでくれたマウンド。これからは1勝1勝の重みが違う。一致団結していければ」と前を見据えた。

◆最後の最後まで「100」の壁を打ち破ることはできなかった。生還する走者を見つめ、何度も首を振る。日米通算100勝目をかけて先発したメッセンジャーは、5回10安打4失点。節目の記録は2019年シーズンへ持ち越しとなった。  「(記録は)長いこと意識していた。今季中に達成したかったです」  1点リードの三回。一死から坂本勇に三遊間を破られると、さらに安打と四球で満塁。4番・岡本は見逃し三振に仕留めるも、阿部に右翼線を破る2点二塁打を浴びた。五回にも陽に右越え2点三塁打を浴び、追加点を献上。その裏の攻撃で代打を送られて降板した。これで8月10日のDeNA戦(横浜)から8戦連続勝ち星なしとなった。  チームは残り2試合を残しているが、メッセンジャーにとってはこれが今季最終登板。金本監督は「100勝、ちょっとね、気合入れていったと思うんですけど。一気に落ちましたね、もう四回、五回ね」と首をひねった。シーズン終盤。一度はコンディション不調で離脱したが、復帰してチームのために腕を振った。だが、フル回転した疲労は隠せず、2カ月も白星なし。来季は38歳。欠かせぬスタッフであることに変わりはないが、失速ぶりに不安が残る。  2010年にタテジマに袖を通し、今季フリーエージェント権を取得。来季からは日本人扱いとなる。右腕は19年シーズンについて「何も考えていない。向こう(米国)にいるかもね」とジョークを交えて話したが、かねてから「他(の球団)にいくつもりはない」とタイガースLOVEを強調してきた。球団はシーズン終了後にも2年契約を提示して残留交渉を行うもよう。日米通算だけでなく、バッキーに並ぶNPB通算100勝(残り5勝)も視野に入る。  「よかった面は2桁勝てた(11勝)ことと、外国人の(最多)三振を超せたことくらいかな」  今季は通算7度目の2桁勝利に加え、通算奪三振も外国人投手最多に躍り出た。だが、エースが欲するのはチャンピオンフラッグだけ。力強くカムバックしてみせる。 (竹村岳)

◆巨人は9日、レギュラーシーズン最後の試合となる阪神最終戦(甲子園)に9-4で勝って3位が決まり、2年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。4番の岡本和真内野手(22)が、八回の駄目押し33号2ランなど自身初の1試合2本塁打で3打点をマークし、史上最年少でシーズン100打点に到達。高橋監督が今季途中から4番に固定した若き主砲が、偉業達成でCSへ導いた。  出来過ぎた物語のようだった。八回一死二塁。岡本のレギュラーシーズン最終となる今季616打席目は、左中間席への33号2ラン。100打点目のホームは、自らの右足で踏みしめた。  「絶対に勝って(CS進出を)決めるという思いで試合に臨みました。勝ってよかった。そこが一番、僕はうれしい」  七回の左中間へのソロに続く2打席連発。最後の最後で史上最年少、22歳シーズンでの100打点に乗せた。チームでただ1人、全143試合に先発出場し、打率・309、33本塁打、100打点。プロ3年間で1本塁打だった男が覚醒し、今季限りでの退任が決まっている高橋監督と仲間をCSの舞台へ導いた。  「4番・岡本」-。高橋監督が貫いた信念であり、最大の功績だ。6月2日のオリックス戦(京セラ)で初めて4番に起用されて以降、不動。7月の32打席無安打、9月14日のDeNA戦(横浜)で右手に死球...。どんなに沈みかけても、指揮官は打順降格すらさせなかった。「打てなくても試合に出させ続けてもらったのは大きかった。勉強になった」と岡本。指揮官の期待こそが、4年目の飛躍を生んだ。  「勝ってCSに行く、という気持ちが前面に出たいい試合でした。選手に感謝したい」  エース・菅野を九回のマウンドに送り出すなど、総力戦の采配を振った高橋監督はナインをねぎらった。岡本には「この1年、頼もしく成長してくれた。勝負のかかったところで決めてくれたのも4番らしい」と賛辞を並べた。次の舞台は、13日に開幕するヤクルトとのCSファーストステージ(神宮)へ。由伸巨人の戦いは、まだ終わらせない。 (谷川直之) 三回に2点二塁打を放った巨人・阿部 「しびれる試合に勝てるだけの力はある。(CSは)挑戦者としてやっていくしかない」 五回に右越えの2点三塁打を放った巨人・陽岱鋼 「もう必死。外角の球をうまくはじき返すことができた」 3安打で打率.345として終えた巨人・坂本勇 「最高の勝ち方ができた。CSは短期決戦なので、まず初戦を取りたい」

◆騒然! 最下位が確定して甲子園に戻ってきた阪神は、巨人に4-9で敗れて3連敗。宿敵に目の前でクライマックスシリーズ(CS)進出を決められ、甲子園で史上最多の39敗目。借金は金本政権ワーストに並ぶ「19」となり、帰途につく坂井信也オーナー(70)=阪神電鉄取締役相談役=に罵声が飛ぶなど、ファンの鬱憤が吹き出した。  行き場を失った悔しさは、ついに総帥の背中に突き刺さった。オレンジのタオルを何度も回され、騒然としたムードで終わった今季最後の「伝統の一戦」。ただただ、ふがいない。報道陣の問いかけには無言。足早に帰りの車へと歩を進めた坂井オーナーに、男性ファンが叫んだ。  「坂井オーナー~!! いつ辞めるんですか~!?」  総帥は反応せず、スッと乗車した。数多の名勝負に彩られた聖地が今季の虎には厳しく立ちはだかる。「鬼門」となった地に背を向けるように、車は鋭く発進した。シーズンの甲子園最多敗を更新する39敗目(20勝2分け)を喫した夜に、最も喜ばせたかったはずのファンから、キツい鬱憤をぶつけられた。  幸先はよかった。これまで3度対戦し、24イニング連続無得点に封じられていた巨人先発のメルセデスから、一回に1点を先制。だが、中盤にメッセンジャーがつかまりひっくり返された。六回に4-4の同点としたが、直後の七回先頭で桑原が岡本に決勝ソロを被弾し、力尽きた。22歳の若き大砲が八回にも2打席連続の33号も架け、100打点に乗せたのが、あまりに残酷な虎とのコントラストになった。試合後、グラウンドにはメガホンやユニホームが投げ込まれ、やりきれないファンが小競り合いを始める始末。金本監督も「見ての通り、やっぱり、力の差というのは、ハッキリ、特に打力というかね、ありますわね」とうなるしかなかった。  前日8日のヤクルト戦(神宮)で17年ぶりの最下位が決定。指揮官も怒号と糾弾の声を浴び「現実を受け止めないと。ホントに申し訳ない気持ちというかね、ファンには」とざんげした。この日は球場に隣接する球団事務所の電話が鳴りっぱなし。約100件、虎を憂うファンからの"抗議電話"が寄せられ、球団職員が対応に追われた。  そして迎えた本拠地でのゲームで、宿敵にCS進出を決められた。甲子園での巨人戦は5月27日以来勝ちがなく、6連敗(1分け)で終了。セ・リーグの全順位が決まった。とにかく本拠地で勝てない虎が2戦を残し、底の底まで落ちた。  甲子園で20勝39敗2分け-。特に後半戦で5勝19敗1分けと苦しみ抜き、美しい本拠地に歴史的弱さを刻んでしまった。3連敗で借金「19」は、金本政権では1年目の2016年に記録したワーストタイ。指揮官だけでなく、オーナーにまで糾弾の声が飛んだ。さまよえる虎は、10日に今季最後の甲子園でのゲームを迎える。  金本監督は「絶対ね、何としても勝ちたいですし。選手たちもやっぱり最後ね、ファンの前で、いい試合してほしいですね」と語気を強めた。力尽き、涙も枯れ果てた虎党に、希望を見せなくてはならない。 ★坂井オーナーへのヤジVTR  真弓監督時代の2011年10月2日。中日戦に敗れ、CS進出がピンチになった試合後、球場から出たところで「いつまで真弓にやらせるんや! こっちは高い金、払ってるんや」「どこまでやらせてるんや」などとヤジを浴びた。和田監督時代の14年9月9日の巨人戦後には「お前がおる限り、阪神は勝てんわ」などと心ない罵声を浴びた。

◆最下位に沈んだ阪神は、対巨人最終戦にも敗れて、宿敵との対戦成績は8勝16敗1分け。伝統の一戦は、ことしも圧倒されて終幕した。サンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏(53)は「巨人戦は、阪神の物差し」と表現。一発長打の巨人に対抗するために、来季に向けて、足のある選手の成長を期待した。  私も現役時代から、巨人戦には他のカードとは違う特別な思いを持って臨んでいた。巨人といかに戦うか。どうやって勝つか。他の選手も同様だったと思う。  だから、巨人戦はいつの時代も、阪神にとっての「物差し」だった。対戦成績をみれば、はっきり分かる。巨人と互角に戦うことが優勝争いに加わる条件であり、勝ち越したシーズンは優勝できた。非常に分かりやすい「物差し」だ。  この夜の敗戦で、8勝16敗1分け。大きく負け越した。最下位に終わった今シーズンを象徴する結果だろう。  開幕前から、打線の違いは明らかだった。一発長打の力を秘めた巨人と互角に戦うには、投手陣が最少失点に抑えて、接戦を制するしかない。春先こそ、投手陣が踏ん張って、勝敗に差はなかったが、徐々に打線が点を取れない分、投手陣も我慢できなくなって、最後は大きな差になってしまった感じだ。  この夜の最終戦は、敗れはしたが内容ある試合だった。打てない分、内野ゴロなど"有効打"で点を奪った。若い島田、大山の長打に、大山の好走塁も交えた六回の2得点も評価したい。今の阪神らしい点の取り方だ。  来季を見据えた時、本塁打をそう多く望めない中での点の取り方が課題になってくる。はっきりしているのは「足」を使った攻撃が必要だということ。ことしの阪神が、一番いい戦いをした時期を思い出してほしい。4月下旬から5月に入った頃。打線は1番・上本、2番・植田だった。俊足コンビが活躍する、あの形が理想だろう。  急成長は難しいかもしれないが、1人でも2人でも、足を使える選手がスタメンに名を連ねて、泥臭い野球を目指してほしい。それが、広い甲子園で勝つチームにつながると確信する。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
82592 0.582
(-)
優勝
(-)
0721
(-)
651
(-)
175
(-)
95
(-)
0.262
(-)
4.12
(-)
2
(-)
ヤクルト
75662 0.532
(↓0.004)
7
(↓0.5)
0658
(+1)
665
(+4)
135
(+1)
68
(-)
0.266
(↓0.001)
4.13
(-)
3
(-)
巨人
67715 0.486
(↑0.004)
13.5
(↑0.5)
0625
(+9)
575
(+4)
152
(+2)
61
(-)
0.257
(↑0.001
3.79
(↑0.01)
4
(-)
DeNA
67732 0.479
(↑0.004)
14.5
(↑0.5)
1571
(+4)
640
(+1)
181
(+1)
71
(-)
0.25
(-)
4.2
(↑0.02)
5
(-)
中日
63772 0.45
(-)
18.5
(-)
1596
(-)
651
(-)
97
(-)
60
(-)
0.265
(-)
4.38
(-)
6
(-)
阪神
60792 0.432
(↓0.003)
21
(↓0.5)
2572
(+4)
625
(+9)
84
(-)
75
(-)
0.253
(-)
4.08
(↓0.04)