ロッテ(★1対6☆)ソフトバンク =リーグ戦25回戦・ZOZOマリンスタジアム=
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ソフトバンク
2031000006812
ロッテ
00000100011100
勝利投手:東浜 巨(7勝5敗0S)
敗戦投手:土肥 星也(2勝1敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】デスパイネ(28号・1回表2ラン),デスパイネ(29号・3回表3ラン)

  DAZN
◆ソフトバンクは初回、デスパイネの2ランで先制する。3回表には、デスパイネの2打席連続本塁打となる3ランでリードを広げた。投げては、先発・東浜が5回無失点で今季7勝目。敗れたロッテは、相手を上回る11安打を放つも、再三の好機を生かしきれなかった。

◆ソフトバンク上林誠知外野手(23)は、今日の最終戦も出れば自身初の全試合出場。上林の三塁打に注目だ。今季両リーグ最多の14本で、シーズン歴代4位タイ。あと1本打てば南海時代の50年蔭山がマークした15本の球団記録に並ぶ。

◆9月22日の西武戦で通算2000安打を放ったロッテ福浦和也内野手が、試合前に表彰式に臨んだ。 斉藤惇コミッショナーから連盟表彰、さらに出身地である千葉・習志野市から「市民栄誉賞」を授与された。また名球会の柴田勲副理事長からブレザーを贈られ、グラウンドで袖を通した。 福浦は「さまざまな賞をいただき、大変光栄に思います。これまで以上に2000本安打を達成したという、実感がわきました。ブレザーは重かったですね。ズシリと重みを感じました。これがあのブレザーなのだと感じました。いろいろな賞をいただき、このように名球会ブレザーに袖を通すことができたのもいろいろな方の支えがあったからだと思います。あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。これからもこれらの賞に恥じないプレーをお見せしたいと思います」と感慨深げだった。

◆「ブラックブラックガム」を愛用しているロッテ福浦和也内野手に8日、河合克美オーナー代行からうれしいプレゼントが贈られた。 通算2000安打達成を祝して、長さ90センチのビッグサイズのブラックブラックガムと、通常のブラックブラックガム2000個が試合前に贈呈された。 福浦は「ブラックブラックガムはいつも試合中にかんでいるので非常にありがたいです。リラックス効果はもちろん、集中したい時にかんだりします。ガムをかむことが習慣になってから、力が出しやすくなったという実感もあります。チームメートと一緒に大事にかませていただきます」と喜んだ。

◆今季限りで現役を引退するロッテ岡田幸文外野手が2年ぶり、60打席ぶりの安打を放った。 引退試合で「1番中堅」で先発出場。ソフトバンク東浜の前に1打席目は二飛、2打席目は会心の当たりを遊撃高田にジャンプでキャッチされて遊直に倒れた。 そして先頭で迎えた5回の第3打席。初球の外角139キロストレートを三塁線ライン際に転がした。左前打となり、16年10月5日の楽天戦第1打席から続いていた連続無安打の記録が59打席で止まった。 続いては盗塁で俊足の見せ場...と期待が高まる中、2番藤岡の空振り三振で二塁を狙ったが間に合わず、三振ゲッツーでベンチに下がった。

◆今季限りで引退を表明しているロッテ岡田幸文外野手が「1番・中堅」で先発し、60打席ぶりの安打を含む5打数3安打1盗塁の猛打賞で締めくくった。 試合後、引退セレモニーが行われ、ホームベース付近で岡田が最後のあいさつを行った。 「井口監督を始め、選手、コーチ、裏方さん、そしてソフトバンクの皆さま、ソフトバンクファンの皆さま、ありがとうございます。正直、こんな日がくるとは思いませんでした。ただ、ガムシャラにボールを追いかけ、グラウンドを駆け回るプレーでした。ホームランを打ったこともありませんでした。なのに10年間プレーできました。本当にありがとうございました。そして、マリーンズファンの皆さま、いつも、いいときも悪いときも熱い声援をくださった皆さまに本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今日でユニホームを脱ぎます。マリーンズはまだまだ強くなります。10年間本当にありがとうございました」と思いを込めた。 井口監督と岡田の子供3人から花束、角中から記念品が贈られた。場内アナウンスを務める名物ウグイス嬢の谷保恵美さんから感謝の言葉がアナウンスされると、岡田は顔をくしゃくしゃにして、涙をこらえた。スタンドのファンは「岡田コール」や応援歌で韋駄天男を送り出した。 岡田は最後、バク宙で喜びを体現した。

◆ソフトバンクが4連勝締めでCSへ勢いをつけた。だが、その中で1人、冷や汗をかいた男が高田知季内野手(28)だった。 この日、引退試合だったロッテ岡田の第2打席。安打性のライナーをジャンプ一番で高田が好捕。59打席連続で無安打となり、満員のロッテファンからブーイングを浴びた。「ブーイングしているのは知っていました。複雑でしたが、打球が飛んできた時にいけると思った。その後に(3安打)打ってくれてよかった」と苦笑いしていた。

◆ソフトバンクが4連勝でシーズンを終えた。8回には今季72試合目となる加治屋が登板。昨年岩崎が記録した球団最多登板記録に並んだ。加治屋は打者3人で無失点に抑えた。 工藤公康監督は「2試合に1度のペース。苦しいところでも行ってもらった。十分投げてくれた。四球で崩れなくなった」と、今季5年目で急成長した13年ドラフト1位右腕をほめた。 9回は5点リードながら守護神森を投入した。先発東浜は5回無失点で7勝目。右肩故障から復帰後は9戦6勝負けなしだ。打線では、柳田が右膝痛のため大事を取って欠場したが、代わりに4番に入ったデスパイネが移籍後初の2打席連発の28号、29号を放ち、5打点と大活躍した。 13日からのCS第1ステージが始まる。本拠地ヤフオクドームで3位日本ハムと対戦する。9日は完全休養し、10日から球団初の2位以下からの下克上への戦いをスタートさせる。

◆ロッテの本拠地連敗が千葉移転後ワーストの13にのびた。先発土肥がソフトバンク・デスパイネに2被弾するなど6失点。打線は11安打したものの、わずか1得点に沈んだ。残すホームゲームは今季最終戦となる13日の楽天戦のみ。井口監督は「13日は何とかしっかりいきたいですし、その前に札幌で連敗を止めたい」と話した。 ▼ロッテが本拠地のZOZOマリンで9月6日ソフトバンク戦から13連敗。本拠地球場でシーズン13連敗以上は、70年に神宮球場で14連敗のヤクルト以来、48年ぶり。52年のフランチャイズ制施行後、パ・リーグでは、61年に日生球場で13連敗した近鉄に並び57年ぶりのワーストタイ記録となった。

◆最高の花道だ。ソフトバンク戦に1番中堅で出場したロッテ岡田幸文外野手(34)は5回、東浜の外角直球を三塁線へ転がした。7回は中前へ、9回は右前へと全方向への3打席連続安打。「やっぱりうれしい。『H』が付くと。気持ちなんでしょうね。1本打つとプロ野球選手は、次の打席も球が見えたりする。余裕が生まれる。あらためて感じました」。9回は俊足で二盗も決めた。プロ野球選手としての喜びを、かみしめた3時間6分だった。 16年10月5日からこの日の第2打席まで、59打席連続無安打だった。安打も猛打賞も2年ぶり。プロ入りから2501打席本塁打なしはプロ野球記録になった。「ただがむしゃらにボールを追いかけ、グラウンドを駆け回るプレーでした。ホームランを打ったこともありません。なのに10年間プレーできました」。たとえ打てずとも、華麗な守備でチームを救うスペシャリスト。それが岡田だった。 11年にはシーズン359守備機会連続無失策のパ・リーグ新記録を樹立した。この日、守備機会は1度もなかったが"定位置"は「最高の景色だったなあ」。9回、井口監督らの計らいでファンが集う右翼に就いた。目は涙でいっぱい。胴上げで6度宙を舞い、娘3人と場内を1周した。昨年「初本塁打を打って披露したい」と掲げた特技のバック宙。夢はかなわなかったが、大歓声と応援歌に、クルッと1回転して応えた。 悔いはない。「最高な野球人生でした。守備範囲の広い外野手を育ててみたい。それが次の夢ですね」。育成から日本一まで経験した名手は笑顔でユニホームを脱いだ。【鎌田良美】 ▼連続打席無安打 シーズン記録は投手の嵯峨(東映)が64年につくった77打席で、嵯峨はシーズンをまたぎ64~65年に90打席連続無安打。野手のシーズン記録は93年トーベ(オリックス)の53打席。野手のシーズンをまたいだ記録は不明だが、76~77年桜井(南海)が58打席続けたケースがある。

◆右肩故障後初の中5日で先発したソフトバンク東浜が5回を被安打6、無失点と粘って7勝目を挙げた。「CSを想定しての中5日。(右肩痛で)離脱した分をまだ返せていない。CSで貢献したい」とポストシーズンに闘志を燃やす。 工藤監督4年目は82勝60敗1分けで終了。試合後、ZOZOマリンの左翼席にあいさつした工藤監督は力強くガッツポーズ。「もちろんCSへ向けてです。ここで終わりではないので」。拳に込めた日本一への思いは強い。

◆ソフトバンク加治屋が8回から4番手で登板し、昨年岩崎が記録したシーズン最多登板の球団記録72に並んだ。リーグ最多登板も確定した。5番角中からを3人で抑えた。 「これだけ投げられたのは自分の自信になる」。13年ドラフト1位が5年目で大ブレーク。初めて1軍に定着し岩崎の穴を埋めた。新人王の資格もあり「5年目でも取れるんだということを示したい」とアピールした。

◆ソフトバンクのデスパイネが移籍後初の2打席連続本塁打を放ち、CS前に復調をアピールした。この日は右膝痛で欠場した柳田に代わり4番に座ると、初回2死一塁からロッテの左腕土肥のカーブを左翼席へ28号先制2ラン。続く3回の第2打席では土肥の内角直球を左翼席中段へたたき込む29号3ラン。「前の打席に続いていい打撃ができたよ」と、お得意のヘルメット脱ぎポーズを決めた。 2打席連発はロッテ時代の14、15年に続き3度目。1試合2発は今季2度目だ。8月17日に右膝痛で離脱。9月19日の復帰後は打率2割3分8厘、4本塁打、12打点と、本調子ではない。工藤監督は「今日の2本塁打でスッキリする部分もあるんじゃないかな。コンディショニングや集中力で変わる選手なので」と復調に手応え。デスパイネの2発で今季チーム本塁打は202発になった。01年の203発に続く球団史上2番目に多い本塁打数を自信に、日本ハム、西武打線にも打ち勝つ。

◆ソフトバンクが4連勝締めで、下克上日本一へ弾みをつけた。工藤公康監督(55)は、東浜を右肩故障から復帰後初の中5日で先発起用。東浜は5回無失点の好投で応え、7勝目を挙げた。次回も中5日なら、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージの2戦目(14日)での起用も可能。頼れる昨季最多勝右腕の力を大舞台でも最大限に引き出す。工藤監督4年目のシーズンは82勝、貯金22の2位で終了した。 試合後、左翼席のタカ党のもとへナインとあいさつへ行った工藤監督は、力強くガッツポーズを見せた。「もちろんCSへ向けてです。ここで終わりではないので」と、拳に込めた下克上日本一への思いは強い。 この日は東浜を今季2度目、右肩痛から復帰後は初めて中5日で先発起用した。東浜は2回以降毎回安打を許しながらも踏ん張った。2回1死満塁のピンチでは8番田村、9番平沢と外角低めに直球を決め、連続見逃し三振で切り抜けた。「中盤、少しバランスを崩してしまう場面もあったが、しっかり修正することができた。シーズン最後の登板でまずまずの投球ができた」。5回を6被安打無失点で7勝目を挙げた。 今季は右肩を痛め、5月26日に1勝5敗で降格。だが8月7日に復帰すると、そこから9戦6勝負けなし。球団史上初の2位からの下克上Vを狙うには、投手陣の奮闘抜きでは勝ち抜けない。13日のCSファーストステージ日本ハムとの初戦は、エース千賀の先発が濃厚。バンデンハークやミランダとの兼ね合いだが、東浜が中5日で14日の第2戦に投げられれば心強い。工藤監督は「CSでも当然(中5日で)いってもらう」と、西武とのCSファイナルステージも中5日を考えている。 東浜も「CSを想定しての中5日、もっと短いスパンで投げないといけないかもしれない。体調を整えること。(右肩痛で)離脱した分をまだ返せていない。CSで貢献したい」と、優勝を逃した悔しさをぶつける。 工藤政権4年目は4年連続80勝以上となる82勝60敗1分け、貯金22で終えた。5点リードにもかかわらず8回は加治屋、9回は森でロッテに1点も与えずフィニッシュ。CSへ向け、必勝パターンにこだわった。明日10日からヤフオクドームで、下克上への準備を始める。【石橋隆雄】

◆ソフトバンク松田宣の通算1500安打は、来季へ持ち越しとなった。前日7日に1499安打目となる32号3ランを放ち王手をかけたが、5番三塁でフル出場したこの日は4打数無安打。 だが、15年から4年連続、通算6度目の全試合出場を果たした。「1500安打は通過点。今季は苦しい時期もたくさんあったが、全試合出してもらってすごく勉強になった。CSも頑張ります」と話した。

◆今季限りで現役を引退するロッテ・岡田幸文外野手(34)が本拠地で行われた引退試合となるソフトバンク戦に「1番・中堅」で先発出場し、2打席凡退で59打席無安打となり野手のプロ野球ワースト記録を更新した。  一回の第1打席はカウント1-2から東浜の142キロ真っ直ぐを打ち上げ二飛に倒れた。三回の第2打席は、カウント1-2から東浜の142キロ真っ直ぐをうまく捉えた。しかし鋭い打球を、遊撃手の高田がジャンピングキャッチする好プレーに阻まれた。これで16年10月5日の楽天戦から59打席無安打になった。  岡田は2011年に主に中堅のレギュラーを獲得。シーズンの連続守備機会無失策359のリーグ新記録をマークするなど、11、12年と2年連続でゴールデングラブ賞を受賞した。

◆今季限りでの現役引退を表明したロッテ・岡田幸文外野手(34)が8日、引退試合として臨んだソフトバンク戦(ZOZOマリン)でプロ野球新記録を更新した。  「1番・中堅」でスタメン出場すると、1打席目は二飛に倒れ、2016年10月4日の楽天戦以来安打がなく、野手では桜井輝秀(南海)の連続58打席無安打に並んだ。さらに三回の第2打席では、痛烈な打球を放ったがおしくも遊撃の高田の好捕で安打にならず、59打席連続無安打の記録が刻まれた。当たりがよかっただけにスタンドはどよめき、捕球した高田も一瞬ばつの悪そうな表情をみせた。岡田は苦笑いするなど、球場は妙な雰囲気に包まれた。  試合前には「最後も自分らしく」と臨んだ岡田。井口監督も「記録を更新するか、打破するかは本人次第」と話していたが、最後の試合で記録を更新することになった。

◆今季限りで現役を引退するロッテ・岡田幸文外野手(34)が本拠地で行われた引退試合となるソフトバンク戦に「1番・中堅」で先発出場し、60打席ぶりに安打を放った。  岡田は五回、先頭で打席に立つと、東浜の139キロ外角真っ直ぐを捉えた。三塁線を破る一打は、2016年10月4日の楽天戦以来2年ぶりの安打となった。さらに二盗を仕掛けたが失敗した。  岡田は第1打席、第2打席ともに凡退し、59打席無安打で野手のプロ野球ワースト記録を更新した。  岡田は2011年に主に中堅のレギュラーを獲得。シーズンの連続守備機会無失策359のリーグ新記録をマークするなど、11、12年と2年連続でゴールデングラブ賞を受賞した。

◆今季限りで現役を引退するロッテ・岡田幸文外野手(34)が、本拠地で行われた引退試合となるソフトバンク戦に「1番・中堅」で先発出場。60打席ぶりの安打を放つなど猛打賞で10年間のプロ生活を締めくくった。  岡田は第1打席、第2打席ともに凡退し、59打席無安打で野手のプロ野球ワースト記録を更新。しかし五回、先頭で打席に立つと、東浜から三塁線を破る一打を放ち、2016年10月4日の楽天戦以来2年ぶりの安打をマーク。七回の第4打席は、再び武田から中前にポテンヒットを放ち出塁。九回の第5打席は、森から右前打を放ち猛打賞。続く藤岡の打席では二盗を決め、プロ通算142個目の盗塁を記録した。  岡田は引退セレモニーで「正直、こんな日が来るとは思いませんでした。ただがむしゃらに、ボールを追いかけ、グラウンドを駆け回るそういったプレーでした。ホームランを打ったこともありません。なのに10年間も出来ました。10年間、本当にありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。

◆ロッテが本拠地で泥沼の13連敗を喫した。先発の土肥がデスパイネに2打席連続本塁打を浴びるなど4回6失点。打線は11安打しながら犠飛による1点だけに終わり、井口監督は「ここぞの一本が出ない」と肩を落とした。  最近は序盤に水をあけられてしまうゲームばかりで、試合途中でもブーイングが飛んでいる。本拠地では残り1試合。「最終戦は何とかしたい。その前の札幌2連戦も含めてしっかり戦う」と自らを鼓舞した。

◆ソフトバンクの柳田は今季最終戦に出場せず、打率3割5分2厘でレギュラーシーズンを終えて3年ぶりの首位打者のタイトルを確実にした。4割3分1厘で出塁率も現在、リーグトップ。36本塁打、102打点はともに8年目で自己最多を更新し「オフからやってきたことができた」と満足げに話した。  3日のロッテ戦で右膝を打撲したこともあり、大事を取って最終戦を欠場した。13日に始まるクライマックスシリーズへ「がむしゃらにやりたい」と息巻いた。

◆ソフトバンクの東浜は5回6安打無失点で7勝目を挙げた。右肩の故障から復帰後6連勝でレギュラーシーズン最終戦を締め「チームの勢いに乗せてもらった」と謙虚に語った。  ここ最近は調子の悪いときでも大きく崩れない安定感がある。「シーズンで離脱した分、貢献できればいい」とポストシーズンに目を向けた。 工藤監督(レギュラーシーズンを終え) 「正直、2位という成績で終わって悔しい思いでいっぱい」 松田(4年連続全試合出場) 「打撃が駄目なときもあったが、けがなくやれたのは大きい」 加治屋(昨季の岩崎に並ぶ球団最多のシーズン72登板) 「ここまでできると思っていなかった。自分の中で自信になった」

◆左膝に痛みを抱えて欠場した柳田は打率・352で全日程を終え、3年ぶりの首位打者が決定的となった。「優勝できなかったことが一番悔しいけど、本塁打と打点はキャリアハイ。オフからやっていたことは出せた」。3日のロッテ戦(ヤフオクドーム)のスライディングで痛めた左膝は「大丈夫です」と軽症を強調した。獲得すれば4年連続となる出塁率も・431でトップ。2試合を残して、こちらは・427の近藤(日本ハム)と4厘差だ。

◆八回を三者凡退で抑えた加治屋がリーグ最多72試合の登板で、昨季の岩崎に並ぶ球団最多記録となった。「最後にいい形で締められて良かった。ここまで投げられると思わなかったです。登板数は並んだけど、成績は足元にも及びません。うれしいけど申し訳ないです」。右肘手術を受けた岩崎の穴を埋め、工藤監督も「本当によく投げてくれた。何度も助けられた」と最敬礼。35ホールドポイントはリーグ3位。5年目で新人王の権利も持っている。

◆通算1500安打まであと1本に迫っていた松田宣は4打数無安打で来季に持ち越しも、4年連続全試合出場を誇った。「(安打は)通過点だし、それより4年連続でけがをせずに全試合に出られて良かった。野手である限り、試合に出続ける責任と使命があると思うので」。32本塁打で3年ぶりに30発超え。不振も長く、打率・248で「苦しい時期もたくさんあって、勉強になった」と振り返った。

◆最終戦で何よりもほしかったアーチがかかり、クライマックスシリーズ(CS)の戦力が整った。ソフトバンク・デスパイネが豪快な2発で首脳陣の不安を吹き飛ばした。  「最終戦をしっかりした形で締めくくれた。いい感覚だったし、CSに向けて準備ができたと思うよ」  一回二死一塁でチェンジアップを左翼席へ28号先制2ラン。「久しぶりにいい感じ」と12試合ぶりの一発を放つと、三回一死一、三塁で今度は直球を左翼席中段に運んだ。今季初の2打席連続となる29号3ランで「復活」を印象づけた。  右膝痛から9月末に復帰後も調子が上がらず、最近5試合は15打数2安打と沈んでいた。首脳陣の間ではCSでのスタメン落ちも検討されていた。崖っぷちで奮起。藤本打撃コーチは「一番の心配だった。そこ(外すこと)まで心配したけど、2本で気分よく入ってくれたら」とほっとした。  数試合前から状態を上げてきたグラシアルは多すぎるほどの練習量をこなす。対照的に、右膝に不安を抱えるデスパイネは運動量が落ち気味。同コーチは「グラシアルは休ませながら、デスパイネはできるだけ試合に出て体を動かすように」と、助っ人の調整法を使い分けてきたが、最終戦で実った。  工藤監督も「心配していたけど、コンディショニングと集中力で変わる選手」と大一番での勝負強さを期待した。4連勝フィニッシュで、13日からCSファーストステージの日本ハム戦(ヤフオクドーム)。チーム初の「下克上」での日本一へ、ピースがそろった。(安藤理)

◆今季限りでの現役引退を表明したロッテ・岡田幸文外野手(34)は8日、自身の引退試合となったソフトバンク最終戦(ZOZOマリン)に「1番・中堅」で先発出場。59打席連続無安打で野手ワースト記録を更新した直後に、約2年ぶりの安打を含む3安打をマークした。育成からはい上がって苦節10年、充実の涙を浮かべてプロ生活に別れを告げた。  涙があふれても、気持ちは晴れやかだった。  「打者は気持ちなんですね。1本出ると球が見えて余裕が出るのかな。もっと早く気付けばよかった」  岡田が苦笑いを浮かべた。第1打席は二飛。桜井輝秀(南海)が持つ野手ワースト記録の58打席連続無安打に並ぶと、三回は遊撃への痛烈な当たりを好守に阻まれて記録更新。スタジアムがため息に包まれた。  しかし、ここから"ドラマ"が始まる。五回の第3打席で三塁線を破り、2016年10月4日の楽天戦以来734日ぶりに「H」マークを灯すと、七回は中前打、九回にも右前打で猛打賞(1試合3安打以上)。通算142盗塁目となる二盗にも成功して、たまらず塁上で感極まった。  育成契約からのスタート。2501打席連続本塁打なしのプロ野球記録も持つ。一方で、リーグ3位から進出し、日本一となった2010年の日本シリーズ第7戦での決勝打など、記憶に残る1打も放った。  武器は足の速さと守備範囲の広さ。球団に獲得を進言した山森雅文スカウトは、ゴールデングラブ賞を2度受賞するなど球界に名を刻んだ"守備職人"に「左肘も右膝の半月板もぼろぼろ。本当によくやった」と目を細めた。岡田も「本塁打が打てなくてもプロでやっていける。そんな姿を見せることができた」と胸を張った。  最後は中前打を処理しただけで、守備での見せ場こそなかったが「寂しいけど後悔はない。この球場のセンターからの景色は最高でした」と目を潤ませた。その"定位置"近くで胴上げされ、6度宙に舞った岡田。今後は未定だが「次は恩返しのために守備範囲の広い選手を育てたい」と、第2の野球人生を見据えた。(芳賀宏) ★選手会からワインも  引退セレモニーでは井口監督や家族からの花束のほか、選手会からワインが贈られた。角中選手会長によると「岡田さんの入団年と同じ2009年産です。詳しいことは知らないけど、当たり年らしいです」と同じ歩みで熟成されてきた1本。「そこそこ言い値段」というワインが仲間からのはなむけとなった。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
88532 0.624
(-)
優勝
(-)
0792
(-)
653
(-)
196
(-)
132
(-)
0.273
(-)
4.24
(-)
2
(-)
ソフトバンク
82601 0.577
(↑0.003)
6.5
(↑0.5)
0685
(+6)
579
(+1)
202
(+2)
80
(-)
0.266
(-)
3.9
(↑0.02)
3
(-)
日本ハム
72663 0.522
(-)
14.5
(-)
2579
(-)
578
(-)
138
(-)
95
(-)
0.25
(-)
3.78
(-)
4
(-)
ORIX
65735 0.471
(-)
21.5
(-)
0538
(-)
565
(-)
108
(-)
97
(-)
0.244
(-)
3.69
(-)
5
(-)
ロッテ
59783 0.431
(↓0.003)
27
(↓0.5)
3525
(+1)
614
(+6)
76
(-)
122
(+2)
0.247
(↑0.001
4.06
(↓0.02)
6
(-)
楽天
57823 0.41
(-)
30
(-)
1516
(-)
582
(-)
132
(-)
67
(-)
0.24
(-)
3.8
(-)