阪神(★4対6☆)ヤクルト =リーグ戦21回戦・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:山中 浩史(2勝0敗0S)
(セーブ:石山 泰稚(3勝2敗29S))
敗戦投手:青柳 晃洋(1勝1敗0S)
  DAZN
◆ヤクルトは同点で迎えた3回表、山田哲と川端が適時打を放ち、勝ち越しに成功する。そのまま迎えた7回には、バレンティンと西浦の連続適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・山中が今季2勝目。敗れた阪神は、終盤に陽川の適時打などで2点差まで迫るも及ばなかった。

◆阪神は15日、阪神-ヤクルト20回戦(甲子園)の試合前に、北海道胆振東部地震で被災者への支援を目的とした募金活動を行った。 参加したのは8選手で糸原、梅野、大山、陽川、岩貞、小野、藤浪、望月。 出身地の熊本が、かつて地震に見舞われた経験がある岩貞は「熊本のときもそうでしたけど、家とか精神的にも大きな被害があって、大変な思いをされていると思う。(自分たちは)野球選手としてできる活動を、今回だけに限らずにやっていきたいと思います」とコメントした。

◆10月1日スタートのNHK連続テレビ小説「まんぷく」ヒロインの安藤サクラ(32)が15日、兵庫・甲子園球場で行われた阪神-ヤクルト戦で、試合前のファーストピッチセレモニーに登場。ぶっつけ本番の「ノーバウンド投球」を披露した。 近年の朝ドラヒロインにとって、恒例の"甲子園登板"。ドラマ「まんぷく」で演じるヒロイン福子の名前、背中に「FUKUKO」と刻み、背番号は放送開始日の「10/1」と記した衣装でマウンドに現れた。 特注ユニホームを身にまとった安藤は「ボールを初めて持ったくらい」。父の俳優奥田瑛二は、大の野球ファンだが、安藤自身はもちろん、野球経験なし。それでも、思い切り振りかぶって投げたボールは、ノーバウンドで捕手のミットに収まった。 これには、会場から大きな拍手と「ナイスピッチ」という歓声が起こり、大盛り上がり。「父が野球好きで、一緒に球場に行っていました。甲子園は初めて来ました。私は寅(とら)年なので、すごく心強かったです」と人生初の始球式に、満面の笑みを見せた。

◆ヤクルト中村悠平捕手が、今季5度目の先発の山中浩史投手をバットで援護した。 0-1の2回2死一、二塁、阪神青柳のスライダーを左前への同点適時打とした。「先制されたので、早い回に取り返したいという気持ちがありました」と振り返った。

◆8月21日広島戦以来となるスタメン出場のヤクルト川端慎吾内野手が、ベンチの期待に応えた。 山田哲人内野手の左翼への適時二塁打で勝ち越しに成功した3回2死二塁。阪神青柳の直球を強振し、一、二塁間を破る右前適時打でリードを広げた。 8月22日に上半身のコンディション不良で登録を抹消され、12日から1軍に復帰した。復帰後4打席目での初安打初打点に「走者を返すつもりで打席に入りました」とコメントした。

◆先発した阪神青柳晃洋投手が6回途中でマウンドを降りた。5回2/3を投げて8安打3失点。球数は114球で5三振を奪った。与えた四球は2つだった。 6回2死二塁からは2番手岩崎が登板。チームトップの54試合目のマウンドとなった。

◆先発した阪神青柳晃洋投手が6回途中でマウンドを降りた。5回2/3を投げて8安打3失点。球数は114球で5三振を奪った。与えた四球は2つだった。 「先制してもらった後ですぐに逆転されてしまい、粘ることができませんでした。カウント不利な投球が続きリズムを作ることができず、野手のみなさんにも、リリーフのみなさんにも申し訳ないです」 6回2死二塁からは2番手岩崎が登板。チームトップの54試合目のマウンドとなった。

◆今季5度目の先発となったヤクルト山中浩史投手が、6回2/3を3失点(自責1)でまとめた。 初回に先制を許したが、2回以降は下手投げから緩急を駆使して打たせて取った。山中は「立ち上がりは慎重になりすぎて思うようにいきませんでしたが、回を増すごとにテンポ良く自分のピッチングができたと思います。イニングの途中で降りたのが心残りです」と振り返った。

◆阪神が終始劣勢に立たされて完敗し、8月3日以来の単独最下位に転落した。 1回に1点を先制したが、2回以降は下手投げの先発山中に翻弄(ほんろう)されて得点を奪えない。ヤクルトに突き放され、7回以降に3点を奪ったが、及ばなかった。金本知憲監督は「残り試合あるから。頑張ります」と話した。3連敗となり、今季最多の借金10に達した。先発陣、野手陣ともに立て直しは急務だ。

◆ヤクルト近藤一樹投手(35)が、球団新記録となる40ホールドポイント(HP)を達成した。6-3で迎えた阪神戦の8回に3番手で登板し、1回1失点。10年松岡の球団記録に並ぶ34ホールド目を獲得し、16年ルーキが持つHPの球団記録を塗り替えた。 近藤のプロ生活を表すような節目の登板になった。簡単に1死を奪った後、3連打で1失点。直後に死球で塁上が全部埋まった。 一打同点のシビアな状況。目を背けることなく、右腕を振った。後続を料理し最少失点で切り抜けグラブを控えめにたたくと、ベンチ前で足を止めた。いつものように野手全員が戻るのを待って感謝のハイタッチ。4連勝に貢献し、4月9日以来となる今季最多タイの貯金3をもたらしたが「大ピンチでヒヤヒヤさせてしまった。最悪ですね」と苦笑いした。 プロ17年目。オリックス時代には4年続けて右肘を手術し育成選手も経験。トレード移籍でヤクルトに加わった。苦難の連続に思えるが、全てをプラスにとらえてきた。故障中には効果的なリハビリ法があると聞けば足を運んだ。「体験して、話をして、チョイスして、残ったのを継続してやる」。ピンチをチャンスに変える-。その繰り返しがタフネス右腕の礎にある。 35歳で手にした球団新記録にも「僕1人の数字じゃない」と首を振った。「場面をつくってくれるチームメート、投げさせてくれたベンチ。チームの数字と思っています。周りの人たちに支えてもらって今がある」。燕のブルペンには頼もしいセットアッパーが控えている。【浜本卓也】 ◆ホールド(H) 勝敗、セーブのつかない救援投手が、セーブの条件を満たす状況、または同点の状況で登板し、1死以上のアウトを取り、リード(または同点)を保った場合に与えられる。ホールド数に救援勝利数を加えた数がホールドポイント(HP)。05年から両リーグで採用され、シーズン最多は10年浅尾(中日)が記録した47H、59HP。

◆あぁ、単独最下位...。阪神が緊急事態に陥った。15日のヤクルト戦(甲子園)は投打の歯車がかみ合わず、3連敗で今季最多の借金10に達した。主力の福留、北條を欠き、打線も機能しない。8月3日以来の単独最下位に転落した。甲子園では今季借金14。ワーストの78年17に迫っており、窮状は深刻だ。 まるでVTRを見ているような貧打ぶりだった。阪神打線の窮状が、暗い影を落とした。下位の中日、DeNAが勝ち、ついに8月3日以来、約1カ月半ぶりの単独最下位に転がり落ちた。反攻を期すはずの9月に厳しい現実を突きつけられ、金本監督は「そうなん? 残り試合あるから。頑張ります」と振り返った。 ヤクルトのサブマリン山中にリベンジするはずが、返り討ちに遭った。1回に大山の遊ゴロで1点を先制するのが精いっぱい。2回以降は浮き上がってくる速球を何度も打ち損じる。フライアウト、フライアウト...。速球でも120キロ台。間合いをはかるのが難しいのか。指揮官も「どうかなあ...。ちょっと分からんな」と首をひねるしかない。 2週間ほど前とまったく同じ光景だった。8月30日も甲子園が舞台だった。下手投げ右腕に惑わされ、8回にようやく1点を奪うのが精いっぱい。再戦でも拙攻を繰り返し、流れを引き寄せられない。悪循環の象徴は5回の攻撃だ。先頭伊藤隼が中前打で出塁し、梅野の犠打で1死二塁。打者は投手の青柳だ。そのまま打席に立たせて遊ゴロ...。得点を刻めず、好機を逃した。苦渋のタクトだった。 金本監督 ちょっとリリーフが、頭数がどうしても足りなかったから。 7連戦の5戦目。6連戦、13連戦のハード日程も待ち構え、救援陣を酷使できない事情がある。指揮官は先読みして采配を振ったが結果的に攻めきれなかった。投打の歯車がかみ合わない苦境を物語っていた。試合終盤は皮肉な展開になった。5点差をつけられた7回以降は鳥谷や陽川の適時打などで3点を奪う反撃を見せたが、時すでに遅し。指揮官も「点が入ったから、その後...。(7回表は)ポテンヒット2本やったからな。ちょっと不運なところも正直あった」ともどかしい。3連敗で借金は今季初めて2桁の10に達した。前日14日のヤクルト戦で北條が左肩亜脱臼で離脱。福留も11日中日戦で右太ももの張りを訴え、4戦欠場。主力2人を欠いた緊急オーダーは破壊力不足だった。今季は甲子園で大敗し、クライマックスシリーズ進出どころか、01年以来、17年ぶり最下位の危機だ。03年の「9・15」優勝記念日が泣いていた。【酒井俊作】▼阪神の今季の単独最下位は、8月3日以来43日ぶり。金本監督就任後、9月以降の6位となると、16年9月18日以来2年ぶり。同年は最終4位に終わり、CS進出を逃している。なお仮にこのまま最下位でシーズンを終えれば、野村克也監督時代の01年以来、17年ぶりの屈辱となる。▼阪神は今季甲子園での試合で19勝33敗1分け、借金14。甲子園でシーズン14以上の借金を抱えた過去のケースは、ワーストの78年借金17(19勝36敗3分け)、それに次ぐ95年借金15(23勝38敗)だけ。なお両年とも阪神は、シーズンを最下位で終えている。

◆阪神鳥谷が代打で登場し、初球打ちを決めた。7回、1点を返してなお2死一塁で、緩い変化球を左中間に鋭くはじき返した。 適時二塁打で3-6。「別にイメージはしていないですよ」と涼しい顔だったが、集中力が光った。通算2062安打として、藤田平の球団最多安打記録まで2とした。

◆タイプこそ違えど、下手投げ同士の投げ合い。経験の差か、阪神青柳が要所で打たれた。 1点リードの2回に2安打で2死一、二塁を招き、中村にフルカウントから左前に運ばれた。スライダーが真ん中高めに浮き「2死からのヒットで簡単に点を取られてしまった」と猛省。主導権がかかった重要な場面で打たれ、香田投手コーチも「点を取ってもらった次の回。球種の選択をもう少し勉強してほしい」と注文を付けた。 3回1死二塁でも、カウント1-2から山田哲へ投じたスライダーが真ん中へ入った。左翼後方へ打ち返され、レフトの陽川も捕球しきれない不運も重なった。この勝ち越し適時二塁打で流れはヤクルトへ傾いた。「ピンチで粘れなかった。中に入った同じようなボールだった」と青柳。2死からも川端に打たれてビハインドが広がった。 打線が低調なだけに、重くのしかかった失点。しかし5回2/3を投げて8安打を浴びながら、114球を使って3失点でまとめたのも事実だ。与えた四球も2つ。緩急自在のヤクルト山中には16年9月27日以来2度目の直接対決で敗れたが、反省を生かして浮上していくだけだ。【池本泰尚】

◆ヤクルト近藤一樹投手(35)が、球団新記録となる40ホールドポイント(HP)を達成した。6-3で迎えた阪神戦の8回に3番手で登板し、1回1失点。10年松岡の球団記録に並ぶ34ホールド目を獲得し、16年ルーキが持つHPの球団記録を塗り替えた。 近藤はオリックス時代の09年から、NPO法人「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」にポリオワクチンを寄贈する社会貢献活動を毎年続けている。きっかけは野球ができることへの「感謝」だった。「肩を痛めて、寝返りを打てない、ハンドルを回せない状態だった。投げられる状態になって、投げられるうちは何かできないかなと思ったんです」。野球ができる喜びを子どもたちに還元したいという純な思いは今も変わらない。 優しいまなざしは、自身の2人の子どもにも向けられる。現在は家族を兵庫県内に残し単身生活。休養日前は家族の元へ戻り、だんらんの時を過ごす。「移動距離が長くてしんどくないかって言われるけど、任せきりにしているので、しんどくない。家族に感謝しながら野球ができています」。誰かのためにと前向きに、一生懸命になれるところに強さの秘密がある。【ヤクルト担当=浜本卓也】

◆2位・ヤクルトが効果的に点を重ね、4連勝。先発の山中浩史投手(33)は6回2/3を6安打1失点で2勝目(無敗)を挙げた。阪神は3連敗で最下位に転落した。  阪神は一回、先頭の糸原が右中間二塁打を放つと、植田の犠打で一死三塁。大山の遊ゴロの間に三走・糸原が先制のホームを踏んだ。阪神の先発は青柳。ヤクルトは二回二死一、二塁から中村が左前適時打を放ち、同点とした。三回は一死二塁から山田哲が左越え適時二塁打。二死後、川端が右前適時打を放ち、3-1とした。  ヤクルトは七回一死満塁とすると、代打・バレンティンが中前にポテン適時打を放ち、1点を追加。続く西浦が三塁強襲の2点打を放ち、6-1とした。  阪神はその裏、一死一、三塁で梅野の三ゴロ併殺崩れの間に1点を追加。なおも二死一塁で鳥谷が右翼へ適時二塁打を放ち、3-6とした。八回は一死二、三塁で陽川が左前適時打を放ち、2点差としたが、及ばなかった。  ヤクルトは山中、ハフ、近藤、石山とつないだ。

◆2位・ヤクルトが効果的に点を重ね、4連勝。先発の山中浩史投手(33)は6回2/3を6安打1失点で2勝目(無敗)を挙げた。阪神相手に今季の2勝目のサブマリン・山中はヒーローインタビューで充実感を漂わせた。  --一回の失点以降は危なげない投球だった  「きょうは自分の仕事ができたかなというふうに思っています」  --表情からも強い気持ちが伝わってきた  「負けられない戦いが続くので、しっかり執念を持ってマウンドにのぼって、しっかり仕事をすることができてよかったです」  --打席でも2犠打  「自分のできることをしっかりやれた結果だと思います」  --甲子園では8月30日に続いての勝利。相性は  「相性は特別よくないですけど、きょうは本当に野手のみなさんが打って、守ってくれて、中継ぎのみなさんに抑えてもらったので、そのおかげで勝つことができたので。またきょうみたいな仕事ができたらいいかなと思っています」  --今後に向けてひと言  「本当に厳しい戦いが続きますので、一戦一勝の気持ちで頑張っていきたいと思います」

◆打席へ向かう「1」の後ろ姿に、この日一番の歓声が降り注ぐ。七回二死一塁、決して逆らわず、鳥谷らしく鮮やかに弾き返した打球が、左翼手の右へスーッと伸びた。虎の生え抜き歴代1位の藤田平に「あと2」まで迫る爽快な当たりで、虎党の留飲を少しだけ下げた。通算2062安打目となる、適時二塁打だ。  ナインが苦しめられ続けてきた、右下手から繰り出される山中のボールを、代打で一閃。ベンチからイメージをしていたのかと問われ「別にイメージはしていないです」とだけ淡々と語った。逆転劇にはつなげられなかったが、さすがの一打に場内は沸きに沸いた。  前日14日の同戦でも代打で左前打で、チームの2安打目を放っていた。8月30日のヤクルト戦(甲子園)以来スタメンから離れているが、代打で価値ある2戦連続安打を放ち、また状態を上げてきた。長打を放つのも8月18日のヤクルト戦(神宮)での今季1号以来、出場14試合&32打席ぶりだった。  これで通算2062安打で歴代37位の谷沢健一に並んだだけでなく、二塁打でも歴代45位の阿部(巨人)、清原和博の「345」に並んだ。チームを勢いづかせて、通算2064安打で虎の生え抜き史上1位の藤田平にも一気に迫りたい。  この苦境を救い、虎党の胸を躍らせてくれるのは、やはり虎を支え続けてきた鳥谷だ。

◆ヤクルトの山中は七回途中3失点(自責点1)で2勝目を挙げた。8月30日に続いて敵地の甲子園で白星を挙げ「球の切れが良かった。自分の仕事ができたかなと思う」と満足げに話した。  下手投げから130キロに満たない直球に緩い変化球を織り交ぜ、緩急を駆使した。先発ローテーションの谷間を埋める十分な働きに、小川監督も「本当に頑張ってくれた。よく投げた」とねぎらった。 中村(二回に同点打) 「打てる気はしなかったが、甘く来た球を一発で仕留められた」 近藤(球団最多タイの34ホールド) 「チームメートや投げさせてくれるベンチのおかげ。チームとしての数字だと思っている」 山田哲(三回に適時二塁打) 「ラッキーな部分もあったけど、結果が全て」 石山(29セーブ目) 「一発だけは駄目だと思って丁寧にいった」

◆阪神は15日、北海道の地震の被災者支援のために、甲子園球場で行われたヤクルト戦で募金活動をした。試合前には選手会長の梅野や藤浪らが支援を呼びかけ、80万6451円が集まった。球団からの寄付金100万円と合わせ、日本赤十字社を通じて届ける。  岩貞は2016年の地震で甚大な被害が起きた熊本出身。「被害に遭われた方は精神的にも大変な思いをしている。野球選手として、できることを全力でやらせてもらいたい」と話した。

◆-頬を伝う結晶が浜風に乾く。母の視線を感じた。妻は写真のなかで笑っていた。孫を抱く日が待ち遠しい。そして選手も家族の一員...。  これは15年前の2003年9月15日、阪神タイガースが18年ぶりにリーグ制覇した時の甲子園の夜空に監督星野仙一が涙ながらに舞った時のサンスポ1面の『その一瞬』原稿の一節だ。  どう考えてもコレを書きながら当時のトラ番キャップ稲見誠(現運動部長)は号泣しながら記事を書いたと思われる...。駆け出しの中日担当時代からなぜか星野仙一にかわいがられ、やがて阪神キャップになったばかりの時、フトしたはずみに中日監督星野の肩にある種の"失意"をかぎ取る。阪神は大胆にも知将野村克也のアウトソーシング(知略の導入)を試みて3年連続最下位で地をはいずり回っていた。  智の野村が種をまき...耕すのは星野仙一の熱血。鉄のオーナー久万俊二郎は世間をアッといわせる決断をし、星野に託した。  それからタッタ2年で"革命"は成就する。「甲子園が死に場所...」とつぶやいた男が母の死も、妻の遺影も胸に秘めて甲子園の夜空に舞ったのがこの『9・15』だ。  だが..."鉄の意志"を引き継いだ金本知憲はその3年目の「メモリアル・デー」の日に...志半ばにして「最下位」という現実を突きつけられたのである。  だが...もちろんまだ"終わった"わけではない。10カウントを誰も聞いたのでもない。だがそれにしても次々と3年目の金本阪神は故障者が続出し、野戦病院のような阿鼻叫喚の様相を呈しているのも現実なのである...。  いささかなりとも星野仙一が39歳で中日監督としてスタートした時から知る古狸記者としては彼の鉄拳のすごさも見てきた。いまならワイドショーが黙っちゃいない。裂帛(れっぱく)の気合と激しさ...彼は見事に阪神監督として55歳からは阿修羅となったが鬼の牙はソッと包み込んだ。  その革命の質の変化をなぜ"まな弟子"金本監督に教え込んでから...天国に旅立たなかったのか。残念とするならそこだけだ。情熱、順応性などはすべてたたき込んだハズなのに...。  「阪神監督を受けた時に星野さんは大胆な"血の入れ替え"をやった。あそこから出発した。客観的にみてもあれはすごいと思った...」と編集委員上田雅昭はシミジミという。あの時、いきなり26人の粛正? しかし、金本監督には少しの遠慮と気配りがのぞいた。それは表現をかえると『逡巡』というべきか。  実は我が産経新聞社では社員の健康管理のためにこの9月3日から『健康活動チャレンジ』というのを開催中だ。万歩計(スマホも可)で1日の歩数をアプリに入力してランキングを競うというもので東京本社から大阪本社まで東海道をテクテク歩いていくことを想定して"チャレンジ精神"を刺激して健康増進! という企画だ。それにはヒジョーにエライ人から若手社員まで330人が参加して歩数が日々発表されているんです。  これにこの日の当番で負けず嫌いデスク大澤謙一郎も参加していて初日はなんと4万1427歩で単独トップ! 頑張っているけれど...我が産経新聞社には強者揃いで現在は順位を落としている。  「これだけ必死のパッチで歩いてるのに...阪神の勝利もドンドン離れていきますヮ...」と嘆くが、どこか違うんじゃないのか?  甲子園はいきなり糸原の長打から先制しながらじり貧状態。こんな時、星野仙一はうすら笑いをしながら...想像するだけ背筋がゾクリとする...。

◆全国のプロ野球ファンの皆さ~ん、海の向こうアメリカでは、ボブ・ウッドワード著のトランプ大統領の暴露本『Fear』が初日に90万冊以上も売れ、話題騒然です。  本日俺は、それに匹敵するくらいの暴露をするのだ。それはCS出場を争う巨人、中日、DeNA、阪神が、この大終盤で1・5ゲーム差の中でひしめき合うという信じられない、でも、面白い展開。これこそ1位・広島カープのセ・リーグ3連覇を目立たせない(自分たちのふがいなさを気付かせない)ために4球団が仕組んだ『やらせ』なのだ!! いや、そーなんじゃないのかな? そーだったら面白いなあ...NPBをはじめプロ野球関係者の皆さん、マジに怒らないでくださ~い!!  だってわが阪神はついに最下位に陥落。しかもここにきての、今季最多借金の『10』になっちゃうし...ヤクルト戦6連敗ってあり? 5敗は地元、甲子園ですよ...ヤクルト先発の山中に前回8月30日に7回1/3を1点に封じられてんのに、本日もお手上げ状態ってんだから俺も、いや全国の虎党は平常心じゃいられないよ~ウエ~ン(号泣)  残り22試合、福留様と北條を欠き、どう戦う猛虎軍団!? あっと驚く、名手・鳥谷のショート復活の大バクチでもやったろーか!?

◆--八回、押せ押せムードだったが、同点まで  金本監督 「まぁね。そりゃ、そうですよ。いきたかったですよ」  --七回の3失点が痛かった  「そうですね。点が入ったから、その後。(ヤクルトは)ポテンヒット2本だったからな。不運なところも正直あったですけどね」  --山中はタイミングを取りにくかったか  「どうかなぁ。ちょっと、わからんな」  --五回。青柳をそのまま打席に立たせたが  「ちょっともうリリーフがな...頭数が...どうしても足りなかったから」  --梅野のバントはサインか  「それは言えませんよ」  --山中を攻略したかった  「もちろん、そうですよ」  --単独最下位に転落したが  「そうなん? まだ残り試合あるから。頑張ります」

◆鳥谷が七回二死一塁で、左中間を破る適時二塁打。虎の生え抜き歴代1位の藤田平に「あと2」まで迫る通算2062安打を放った。  右下手投げの山中をイメージをしていたのかと問われ「別にイメージはしていないです」とだけ淡々と語った。通算2062安打で歴代37位の谷沢健一に並んだだけでなく、二塁打でも歴代45位の阿部(巨人)、清原和博の「345」に並んだ。

◆阪神は15日、ヤクルト戦前に甲子園敷地内で北海道地震の被災者支援を目的にした募金活動を行い、大山、藤浪らが来場者へ募金を呼びかけた。集まった80万6451円と、阪神タイガースから100万円の寄付金を合わせた総額180万6451円が日本赤十字社が開設した「平成30年北海道胆振東部地震災害義援金」口座に拠出し、全額が被災者に届けられる。  地元で起きた熊本地震の被災者支援を続ける岩貞も募金活動に参加し「熊本のときもそうでしたが、被害にあわれた方は精神的にも大変な思いをしている。こういった活動も今回に限らず、それぞれでやっていきたいです」と話した。

◆青柳は相手打線を苦しめていたスライダーの失投を悔いた。二回二死一、二塁から中村に、三回にも山田哲に甘く入ったスライダーを痛打されて失点を重ねた。「それ(スライダー)が中に入って打たれたので...。中村さんにも山田哲さんにも」。5回2/3を投げ114球と球数も要し、8安打3失点で今季初黒星を喫した。

◆福留は右太ももの張りで4試合連続の欠場となった。今後の出場について片岡ヘッド兼打撃コーチは「打つことに関しては問題ない。走ることがどうか」と話した。試合前は打撃練習のみで守備練習は行わず。最下位に転落したチームを救うべく、頼れる主将の復帰が待たれる。

◆バレンティンが休養のため「5番・一塁」で先発した川端が、三回に右前適時打を放つなど2安打1打点と活躍した。コンディション不良で2軍で調整した時期もあり、安打は8月21日以来。「久々に打ててよかった。効率のいい攻撃ができたと思います」と、6点を奪った打線を代表して口にした。

◆近藤が八回に登板して1回を3安打1失点ながら、今季34ホールド目をマーク。6勝と合わせて40ホールドポイントとなり、ルーキ(2016年)が記録した「39」を上回り、球団記録を更新した。「僕一人だけの記録ではない。捕手のリードや野手の皆さんが守ってくれて、点を取ってくれたおかげ」と謙遜も、貢献度は大きい。

◆情けなさ過ぎる9・15...。阪神は3連敗で8月3日以来の最下位に転落した。2位ヤクルトには6連敗で、借金は今季ワーストの10まで膨らんだ。2点を追う五回無死一塁で8番がバントしながら投手の青柳をそのまま打席に入らせる金本知憲監督(50)の采配にファンからはざわめきが起きた。17日にも優勝が完全消滅。優勝記念日が台無しや!!  もうホームなのかビジターなのか分からない。2点ビハインドの七回、岩崎が連打を浴び、致命的な3失点を喫すると、ヤクルトファンの東京音頭に一部の阪神ファンが便乗。メガホンを叩いて盛り上がった。ここは本当に甲子園なのか。まさに異様なシーン...。最下位に転落した金本監督は憔悴しきっていた。  「まだ、残り試合あるから。頑張ります」  担当記者の質問に反発し、言葉を尖らせることもなかった。九回、大山が見逃し三振に倒れ、3年目を迎えた金本政権が8月3日以来の単独最下位まで落ちた。中日にもDeNAにも抜かれ、借金は今季ワーストの10。ついに大台に乗った。3位巨人とのゲーム差は1・5とはいえ、申し訳なさそうに敗戦の弁を紡ぐだけだった。  3連休初日、4万6536人が駆けつけた甲子園が、ざわついたのは、2点を追う五回だった。先頭の伊藤隼が山中から中前打。続く梅野が三塁線にバントを試みた。自分も生きようというものに見えたが、結果的に犠打となって一死二塁。その状況で5回104球を投じていた青柳を金本監督は打席に向かわせた。  青柳は遊ゴロ、糸原も遊ゴロに倒れ、無得点。そして、続投させた青柳が六回二死二塁のピンチを招くと、坂口の打席で今度は岩崎を投入した。  金本監督は「ちょっと、もうリリーフがな...頭数が...どうしても足りなかったから」と説明した。メッセンジャーがコンディション不良のため、登録を抹消し、リリーフ要員の岡本を17日のDeNA戦(横浜)で先発させなければいけないため、青柳を打席に立たせたことを示唆。梅野のバントがサインだったかについては「それは言えませんよ」と口を閉ざした。  梅野にバントなら青柳の打席で代打のカードを切り、六回も青柳続投であれば梅野はヒッティングというのが、セオリー。ざわめきが収まると、今度は右翼席から「執念見せろ、タイガース」の大合唱が鳴り響いた。  「超変革」「挑む」。そして「執念」というスローガンで3年目を迎えた。キャンプを終え「これまでのチームでは一番強い」と自信を見せたが、開幕から121試合経っても、成果が見えない。4日連続で姿を見せないメッセンジャーは、1軍復帰のメドが立たず、主将の福留も右太腿痛で4試合連続欠場。前日負傷した北條は左肩亜脱臼で抹消された。今季から新たに3年契約を結んでいるとはいえ、集大成の3年目。勝負のシーズンは執念に乏しい試合ばかりだ。17日にも優勝が完全消滅する。  くしくも金本監督自身が、Vの使者としてやってきた2003年、18年ぶりのリーグ優勝に輝いた「9・15」に赤っ恥をかいた。もう情けないとしか、言いようがない。 (阿部祐亮) 梅野のバントについて阪神・片岡ヘッド兼打撃コーチ 「作戦のことだから言えない」

◆セ・リーグ2位のヤクルトは15日、阪神21回戦(甲子園)に6-4で勝利し、引き分けを挟んで4連勝を飾った。4月9日以来で、今季最多タイの貯金「3」とした。先発の山中浩史投手(33)は七回途中を6安打3失点(自責1)で2勝目。8月30日の阪神戦(甲子園)での初勝利に続く連勝で虎キラーぶりを発揮し、青柳晃洋投手(24)との"下手投げ対決"も制した。  まるで半月前の快投を再現したかのようだった。下手投げの山中が緩急自在の投球で七回途中まで6安打3失点。"遅球対策"でバッターボックスの投手よりに立った阪神打線から凡打の山を築いた。  「きょうは自分の仕事をすることができた。(自分の後に)勝ちパターンの投手を出すことができたのはよかった。野手の皆さんが守ってくれて、中継ぎの方が抑えてくれたおかげです」  常に謙虚なサブマリン。8月30日の阪神戦(甲子園)で八回途中1失点で初勝利を挙げており、再び同じ舞台で躍動した。通算16勝中、7勝が阪神から。虎党を歯ぎしりさせている。  昨年は下半身の張りで出遅れた。「僕は(股関節の)回旋に切れがないし、固い。よりボールに力が伝わるように」と昨オフは股関節周りの筋力を重点的に強化した。この日は最速125キロながら、「強いボールがいっていた」と切れのある直球で押し込み、緩い変化球で腰くだけにさせた。  2015年6月12日の西武戦では牧田(現パドレス)とのサブマリン対決で勝利。この日は虎の下手投げ、青柳との勝負も制した。「見ている人は楽しいと思うけど、自分はバントしたり、打ったりで必死でした」と苦笑いした。  チームは11日の巨人戦から小川、ブキャナン、星、原、そして山中と先発陣が好投し、4連勝で4月9日以来の貯金「3」。3位・巨人とは5ゲーム差に広げ、小川監督は「山中は本当によく頑張ってくれた。打線もいい形でいいタイムリーが出たし、言うことない。貯金3? まだ終わったわけではないので」と引き締めた。CSの本拠地開催をつかむため、燕は目の前の試合に集中する。 (横山尚杜) ★最近のアンダースロー同士の先発対決  2015年6月12日に西武プリンスドーム(当時)でヤクルト・山中と西武・牧田が先発対決。牧田は三回に満塁のピンチから山田哲に走者一掃の二塁打を浴びるなど、三回途中7失点で降板。一方の山中は、下手からの直球やシンカーを駆使し、三回まで無失点。四回には1失点、五回には秋山に2ランを浴びたものの、6回3失点に抑えた。当時、プロ3年目の山中はこの試合でプロ初勝利を挙げた。

◆終盤に追い上げて見せ場を作った阪神だが、終わってみれば3連敗で単独最下位。どうなってるの? 大丈夫なの!? 阪急、オリックス、阪神で176勝を挙げたサンケイスポーツ専属評論家、星野伸之氏(52)は編集委員・上田雅昭の鋭い追及に、五回の攻撃と、七回の継投を挙げた。どっち付かずのさい配に、金本阪神の迷いを指摘した。  星野 この時期の単独最下位はやばいです。僕も何度か体験しましたが嫌なもんです。3位の可能性も十分とはいえ、負け方が良くない。  上田 五回の攻撃か。無死一塁から梅野が送りバント。そして青柳をそのまま打席に送った。点に結びつかず、青柳が続投したけれど。  星野 投手コーチ経験者として、青柳続投は賛成です。この先の過密日程を考えると、中継ぎ投入は1人でも少なくしたい。青柳の状態と、不確定要素の多い今後の先発(16日藤浪、17日岡本)を比較して、どの投手が一番長く投げられそうか、どの日に中継ぎが一番必要かを考えた場合、中継ぎ温存を考えるのは間違いではないと思うんです。  上田 ただ、阪神ベンチは梅野に送りバントで点を取りにいった。  星野 そこです。一死二塁の状況を作るのなら、青柳には代打でしょう。進めた以上、何が何でも点を取るさい配をしなければ。この試合がポイントと考えて、後先考えない継投に入るのも、作戦として全否定はしません。結果として、どっち付かずのさい配になった気がします。迷いがあったのかも。  上田 さらに2番手・岩崎から桑原へ。最後は藤川。ビハインドの展開で、だんだんいい投手が登場してしまう継投になってしまった。これも仕方ないの?  星野 藤川までつぎ込む覚悟の試合なら、七回に桑原投入があっても良かったですね。  上田 試合としては、一回に先制して、決して流れは悪くなかった。  星野 痛かったのは三回の山田の左越え二塁打。あれは左翼の陽川が捕らないといけない。  上田 それにしても甲子園で勝てない。きょうから相性のいい横浜スタジアム、神宮球場...。単独最下位脱出へ、こうなったら、何にでもすがろう。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
74512 0.592
(↓0.005)
M6
(-)
16652
(+5)
579
(+7)
167
(+1)
78
(+1)
0.265
(↓0.001)
4.14
(↓0.02)
2
(-)
ヤクルト
64612 0.512
(↑0.004)
10
(↑1)
16591
(+6)
609
(+4)
118
(-)
63
(-)
0.269
(↑0.001
4.3
(↑0.02)
3
(-)
巨人
60674 0.472
(↓0.004)
15
(-)
12573
(+1)
537
(+3)
136
(-)
58
(-)
0.257
(↓0.001)
3.87
(↑0.01)
4
(1↑)
中日
60702 0.462
(↑0.005)
16.5
(↑1)
11571
(+7)
602
(+5)
90
(+2)
57
(-)
0.266
(-)
4.34
(-)
5
(1↑)
DeNA
57672 0.46
(↑0.005)
16.5
(↑1)
17501
(+3)
585
(+1)
156
(-)
69
(-)
0.253
(-)
4.3
(↑0.03)
6
(2↓)
阪神
55651 0.458
(↓0.004)
16.5
(-)
22494
(+4)
534
(+6)
76
(-)
64
(+1)
0.255
(↑0.001
4.04
(↓0.02)