阪神(★2対7☆)巨人 =リーグ戦22回戦・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:菅野 智之(12勝7敗0S)
敗戦投手:小野 泰己(7勝5敗0S)

本塁打
【巨人】坂本 勇人(14号・5回表2ラン),岡本 和真(30号・5回表2ラン),ゲレーロ(15号・5回表2ラン),マギー(19号・7回表ソロ)
【阪神】陽川 尚将(6号・2回裏ソロ)

  DAZN
◆巨人は1点を追う5回表、坂本勇、岡本、ゲレーロの2ランで一挙6点を奪い、逆転に成功する。7回には、マギーのソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・菅野が7回1失点の好投で今季12勝目。敗れた阪神は、先発・小野が5回に崩れ、打線もつながりを欠いた。

◆阪神陽川尚将内野手が2試合連発となる6号ソロで先制点をもたらした。 2回先頭で迎えた第1打席。巨人菅野が投じた外寄りの135キロカットボールを捉え、左中間席に運んだ。「追い込まれていたので、とにかく必死に食らいついていきました。本塁打になるとは思いませんでしたが、先制できて良かったです」と振り返った。

◆巨人がマンモス甲子園で驚異の1イニング3発をたたき込んだ。5回1死一塁で坂本勇が阪神先発小野の143キロ外角直球を右方向に押し込んだ。 最初は右翼手糸井が、やや後退しながら捕球体勢に入ったが、浜風と逆の追い風に乗って右翼席前列ギリギリに飛び込んだ。7月10日ヤクルト戦以来の14号2ランで逆転に成功した。「智之が(菅野)塁に出たんでね。コースに逆らわずに、ひと振りで仕留めることができて良かったです」と話した。 2死二塁からは岡本が右中間への30号2ラン。さらに2死一塁でゲレーロが無風の状態で15号2ランを糸井の頭上を越して放り込んだ。通常は右翼から左翼へと吹く浜風ではない"追い風"に、右打者が力感あふれる1発を右方向へ押し込んだ。1軍再昇格後、9戦5発の助っ人は「しっかりと押し込むように打ち返すことができたよ」と振り返った。

◆巨人岡本和真内野手(22)が4戦連発で大台の30号に到達した。1点を勝ち越した5回2死二塁、阪神小野の144キロ外角高めの速球を逆方向へとはじき返した。 打球はバックスクリーン右のフェンスを楽々と越える30号2ランとなった。「芯で捉えることができましたが、いい風も吹いていましたしね」と振り返った。また節目の30号については「残りの試合も、ホームランだけでなく、とにかくチームに貢献できればと思います」と話した。 岡本はここ10戦7発のハイペースで本塁打を量産。9月1日の中日戦から4戦連発となった。

◆巨人菅野智之投手が阪神打線に7安打を許しながらも、7回1失点で12勝目を挙げた。 2回に陽川の先制ソロを浴びたが、すぐに切り替えた。「打ったバッターがうまかった。バットの軌道にうまく乗せられた」。3者凡退は3回の1度だけだったが、5回まで得点圏には走者を置かせなかった。 5点リードの6回。1死から福留に四球、糸井に右前打を打たれ、一、二塁とこの日唯一のピンチを招いた。それでも陽川を投ゴロ、大山を右邪飛に打ち取り、難なくしのいだ。 7回を119球でまとめ、救援陣にマウンドを託した。「前回は完封がちょっと頭にあって、慎重にいった部分があった。前回の反省を生かして投げられました」と1日の中日戦で7回に一挙4失点した失敗から、すぐに修正。「僕も機械じゃないので、毎回最後まで投げられるわけじゃない。もちろん毎回最後まで投げたいという気持ちは持っている。今日はあそこが潮時かなと」と納得顔だった。 5回には1死から右前打を放ち、1イニング3発につなげた。「バットを持っている以上、何かを起こさないといけない。自分でもうまく打てたなと思う。考えて何かアクションを起こせば、いいことがあるんだなと」と9人目の打者として役目を果たした。 残り17試合とし、エースのフル回転にも期待がかかる。「万全の状態でマウンドに上がれるように、毎日それだけを考えて過ごすだけです」と次を見据えた。

◆巨人山口俊投手(31)が守護神として試運転した。 6点リードの9回に登板。1死から大山の投ゴロを悪送球で出塁を許し、2死後に梅野に粘り負けして四球を与えた。代打伊藤には2ボールから低めの直球を右前に運ばれて1失点した。最後は糸原を中飛に打ち取り、大崩れはしなかった。それでも4年ぶりの救援登板に「形はどうであれ、最後は3人で締めなきゃいけない。相手に隙を見せてはいけない。同じカードで3試合登板する可能性はあるので、向こうに嫌な印象を与えなきゃいけない。1球目のストライクからそうしないと」と課題を感じていた。 開幕から先発ローテを守ってきたが、抑え不在のチーム事情もあり、8月下旬からの10日間の抹消期間を経て、新守護神として帰ってきた。高橋監督は「点は取られたけど、そんなにバタバタはしていなかった。また次、頑張ってもらいたい」と期待した。

◆阪神陽川尚将内野手が、巨人菅野との初対戦で左中間に6号ソロをたたき込んだ。 「いいピッチャーというのはわかっていた。どんどん初球から意識して振っていきました」 2戦連発となる先制ソロに「先頭で追い込まれていたので、なんとか塁に出ようと打席に立ちました。(外角球がバットに)うまく引っかかってくれた」と振り返った。

◆阪神小野泰己投手が巨人の1発攻勢に沈んだ。4回まで1安打に抑える好投を見せていたが、5回に急転。1死から菅野に右前打を許すと、続く坂本に右翼ポール際へ逆転2ランを被弾した。 さらに岡本、ゲレーロにも2ランを浴び、この回6失点。5回6安打6失点で降板を命じられた。5敗目を喫し「坂本さんの1発でしのいでいれば分からなかった。2発3発と打たれてしまったので...」と振り返った。

◆阪神小野泰己投手が巨人の1発攻勢に沈んだ。4回まで1安打に抑える好投を見せていたが、5回に急転。1死から菅野に右前打を許すと、続く坂本に右翼ポール際へ逆転2ランを被弾した。 さらに岡本、ゲレーロにも2ランを浴び、この回6失点。5回6安打6失点で降板を命じられ、8勝目はならなかった。「2巡目まではストレート中心の投球で抑えることができていましたが、3巡目に入り、高目に浮いてしまった甘いストレートを打たれてしまい、粘り切ることができませんでした」と悔やんだ。

◆22歳の岡本が4戦連発となる今季30号。シーズン30本塁打以上の最年少記録は高卒1年目に31本打った86年清原(西武)の19歳で、22歳シーズン以下で30本は10年のT-岡田(オリックス)坂本(巨人)以来11人、15度目。 巨人では62年王、96年松井、10年坂本に並ぶ最年少30本塁打になる。王が初めて4戦連発したのは高卒5年目、23歳シーズンの63年、松井も23歳シーズンの97年で、他に56年宮本が23歳で記録しているが、22歳シーズン以下に4戦連発は球団史上初。

◆岡本の年度別本数は1→0→0→30。前年0本から30本塁打した日本人選手は04年の小久保(巨人=0→41)と嶋(広島=0→32)以来。 通算4本の秋山(西武)が85年に40本、通算3本の嶋が04年に32本打ったが、岡本は昨年まで通算1本。新人で30本以上の59年桑田(大洋)86年清原を除き、通算1本以下だった日本人選手がいきなり30本はプロ野球史上初めて。

◆巨人岡本和真内野手(22)が甲子園で大台に乗せた。阪神戦の5回2死二塁で、小野から4戦連発となる30号2ランを中堅右へ運んだ。22歳シーズンの30号到達は、巨人では王、松井、坂本勇に並ぶ年少記録で、22歳シーズン以下の4戦連発は初めて。偉大な先輩に並ぶペースで量産し、真の長距離砲の称号を手に入れた。浜風が吹く同球場で右打者が逆方向へ運ぶのは至難の業だが、同イニングには坂本勇、ゲレーロも右方向に運び、CS圏を争う4位阪神をねじ伏せた。 岡本の一振りが、勝利の女神をくぎ付けにした。坂本勇の逆転2ランが飛び出した直後の5回2死二塁。阪神小野の直球を捉えると、浜風も味方した。普段は右翼から逆風となる風が、追い風に向きを変えて後押し。上昇気流に乗せ、バックスクリーン右へ30号2ランをぶち込んだ。甲子園で、中堅から右方向に1発を運べる右打者は選ばれし者だけ。「阪神には勝っておかないといけない。来た球をしっかり打とうと思いました」と風格たっぷりに振り返った。 また1つ男を上げた。22歳シーズンでの30本塁打は王、松井、坂本勇に次いで球団4人目。同シーズン以下の4戦連発は球団史上最年少となった。「自分としてはうれしい」と喜んだが「残り試合が少ない。チャンスで1本打てるように」とすぐに引き締めた。 強くて格好いい姿が理想だ。最大の目標は「憧れの選手になること」。小学生の時、部屋に近鉄中村紀洋がフルスイングするポスターを飾った。松井、阿部、村田...。起死回生の1発を放つ大砲が憧れだった。今、4番に座って思う。「多くの人に夢を与えられる仕事につけた。見てくれる人に喜んでもらえるよう、勝利への1本を打てる男になりたい」。勝利につながる本塁打こそ、理想に近づくすべと知っている。 不格好でいい。昨季まで通算わずか1本塁打。2軍暮らしが続く中、田代2軍打撃コーチの言葉がヒントになった。「完璧な当たりだけが本塁打になると、本数は打てない」。DeNA筒香らを指導した名伯楽は、当てる打撃ではなく、振り切る重要性を説いた。岡本は「芯で捉えようとしすぎていた。自分のスイングで、詰まっても押し込むだけの打撃をすればいい」と受け止めた。6月23日ヤクルト戦での13号ソロは詰まりすぎ、手もしびれなかった。それでもフェンスを越える理想の1発だった。 若き主砲が打てば19勝10敗1分けと大きく勝ち越す。「明日も勝てるように頑張りたい」。勝負の終盤戦。勝利の女神も、老若男女も見とれる、勝利のアーチをかけ続ける。【島根純】

◆主将の1発が、甲子園ホームランショーの号砲だった。1点を追う5回1死一塁、巨人坂本勇が甘めの143キロに差され気味も、強く、右方向に押し込んだ。逆風の浜風とは違う、フォローの風に乗って右翼手糸井を後ずさりさせ、最前列に運んだ。左脇腹負傷前の7月10日ヤクルト戦以来となる14号2ランは逆転弾。自身甲子園12本目で初の右翼越え弾だ。「いい形で強いスイングができた。甲子園で入らないかなと思った」。感触を飛距離が上回った。 ゲレーロもキングの誇りを示した。岡本の2ラン後、2死一塁で無風の右翼へ15号2ラン。再昇格後は9戦5発で「去年の本塁打王の意地を見せられたかな。忘れないでほしい」と上機嫌。甲子園での1イニング3発はチーム5年ぶり。7回にはマギーが左翼へ19号ソロを放ち、15年ぶりの1試合4発が完成。坂本勇は"中締め"の岡本に「僕なんかよりホームラン打者の才能を持っている」と、たたえた。 ▼巨人は5回に坂本勇、岡本、ゲレーロの3人が2ラン。巨人の1イニング3本塁打は8月18日中日戦の3回に記録して以来今季2度目で、阪神戦では甲子園球場で行われた13年9月8日の6回に高橋由、寺内、長野が打って以来、5年ぶり。今回のように3本とも走者を置いたケースは、07年4月15日ヤクルト戦の3回に李承■、阿部、ホリンズの3人が2ランを記録して以来となり、阪神戦では甲子園球場の92年6月21日の6回に岡崎、モスビー、大久保の3人が2ランを打って以来、26年ぶり。 ※■は火ヘンに華

◆マスクを被った阪神梅野が5回の6失点を悔やんだ。 「相手が菅野さんということで、ビッグイニングを作らないように、なんとか粘っていきたかった」。3被弾には「もう少し、タイムを掛けていけばよかった」とバッテリーでの時間の使い方を反省していた。

◆阪神は巨人菅野との今季5度目の対戦で、1完封3完投を含む3敗目(2勝)を喫した。 金本監督は前日「やり返して欲しい」と期待したが、首位広島相手に2試合連続2桁得点を挙げた打線がつながりを欠いた。菅野からの得点は陽川のソロだけで、連続2桁安打も5試合でストップ。菅野には通算25試合で7勝13敗、防御率1・57と抑えられている。

◆阪神先発の小野泰己投手(24)が、巨人の2ラン3発に沈んだ。浜風もある広い甲子園で、右打者に中堅から右方向に運ばれての1イニング3被弾は極めて異例。 小野は巨人の坂本勇とゲレーロに甲子園の右翼へ本塁打を打たれた。岡本も中堅右(右中間などの打球は左右中いずれかで表記されるため打球方向は中堅)へ打ち込んでおり、3人が中堅より右へ本塁打するのは珍しい。今季、甲子園での本塁打は49本(8日現在)で、右打者は28本(打者23人)。その打球方向は、左翼21、中堅5で、右翼はこの日の坂本勇、ゲレーロの2本だけだ。 ◆浜風 海から陸に向かって吹く海風のこと。内陸部で太陽が昇るにつれて日差しで地面が暖まり、上昇気流が発生して海から陸へ向かう風の流れを指す。甲子園浜の方角から吹くため「浜風」と呼ばれ、右翼から左翼方向に吹く。打球の飛距離や上空に上がった打球の捕球に強い影響を及ぼす。雨上がりの日は風が吹かないことが多い。また秋口の晴れた日には浜風が逆となり、左翼から右翼へ吹く日も多い。

◆敗れた阪神の光は陽川の菅野撃ちだ。0-0の2回。2戦連発の先制6号ソロを左中間席に運んだ。 「先頭で追い込まれていたので、なんとか塁に出ようと打席に立ちました。(外角球がバットに)うまく引っかかってくれた」 獲物は外角135キロのカットボール。降りしきる小雨を切り裂いた。背番号55の今季甲子園初アーチに、虎党はレインコートのフードを持ち上げて喜んだ。 「本塁打になるとは思いませんでしたが、先制できて良かったです」。ベンチに戻ると金本監督とハイタッチ。その後は両手を胸にドコドコと当てる「ゴリラポーズ」でナインに迎え入れられた。巨人菅野とは初対戦でアーチを記録。「いいピッチャーというのはわかっていた。どんどん初球から意識して振った」。 前日、金本監督は好調な陽川と大山の名前を挙げ「固定させるぐらいに、ガッチリつかまないとな」と一気のレギュラー取りを期待。27歳の若虎がしっかり1発回答で応えた。9月6試合は2本塁打8打点で打率3割2分1厘。一時は4番も張った男が再ブレークの予感だ。陽川は「今日は良い結果になりましたが、また明日は気持ちを入れ替えてやっていきたい」。結果的に菅野からは奪ったのはこの1点だけ。逆転でのCS進出へ快音を響かせ続ける。【真柴健】

◆衝撃的な力負けだ。阪神先発の小野泰己投手(24)が、巨人の2ラン3発に沈んだ。浜風もある広い甲子園で、右打者に中堅から右方向に運ばれての1イニング3被弾は極めて異例。1点リードの5回、坂本勇、岡本、ゲレーロに全て外角真っすぐを打ち砕かれて逆転された。首位広島から2戦連続2桁得点した打線も菅野らに2点止まり。CSを争う3位巨人とのゲーム差を2に広げられ、金本知憲監督(50)も厳しい表情だ。 超満員の虎党ひしめく右翼席が、巨人山本の放った平凡な右飛をも恐れ、どよめきが起こった。無理はない。直前に先発小野が3被弾。しかも、右打者に広い甲子園の中堅から右方向へ3発放り込まれた。トラウマだった。渋面を見せたのは金本監督だ。 「狙われとるわね。外の真っすぐ1本。コントロールが悪い投手だからインサイドを投げにくいとかでなく、それでもやっぱり攻める姿勢を見せてほしい。ストライク欲しさに外の真っすぐを...。そこに投げて打たれただけの話でしょう」 敵地で首位広島相手に連勝した2日前までの勢いが消えたのは5回だ。1点リードの1死一塁。坂本に外角速球を狙い打たれるとギリギリ柵越えの右翼への逆転2ランになった。歯止めがきかない。重信に四球を与え、2死にこぎつけ、岡本を迎えた。2球目だ。再び外角速球を仕留められ、バックスクリーン右へ2ランを浴びた。ゲレーロも外角球を右翼に2ラン。6点を奪われ、大勢が決した。 この日、先発小野は速球と変化球ともに外角球の精度が良く4回まで無失点。だが、急に制球を乱すと球を置きにいく。小野は「右打者のインコースを攻めきれていなかった。早い回にインコースを見せておけば違った結果になったかもしれない」と反省したが、後の祭りだった。指揮官も5回6失点KOに「あんまり踏み込まれないようにしないと、捕手も。制球が乱れているから、配球しにくいと思うけど何とか勇気を持って突っ込んで欲しい」と注文した。見透かされたように痛打され、巨人戦プロ初勝利はお預けになった。 天からも見放された。雨が降れば甲子園は浜風が吹かず、ピタリとやむ。秋は時折、左翼方向からも吹き込んでくる。アーチ3発を阻む右翼から左翼への風はなく、ツキもなかった。今季、阪神投手陣は甲子園で35本を被弾したが、右打者の右翼への本塁打は今回が初めてだった。 本拠地で3位巨人に4連敗し、甲子園での同カードは3年連続負け越しが決定。CSを争うライバルとも2ゲーム差が開いた。今日9日の再戦で、上位浮上へ仕切り直す。【酒井俊作】 ▼阪神小野が5回に3本塁打を浴びた。阪神投手陣の1イニング3被弾は、今年5月11日の広島戦(マツダ)の1回に、能見が菊池、バティスタ、石原に浴びて以来。甲子園の巨人戦では13年9月8日の6回に松田が高橋由、寺内、長野に打たれて以来5年ぶり。

◆巨人・坂本勇人内野手(29)が8日、阪神22回戦(甲子園)に「1番・遊撃」で先発出場。1点を追う五回一死一塁から、右翼ポール際への14号2ランを放った。  久しぶりの感触だった。7月10日のヤクルト戦(神宮)以来、約2カ月ぶりの一発。相手先発・小野の2球目を捉え、右越えへ運んだ。この日は、お互い信頼し合う菅野が先発。序盤から好投を続けていたエースを援護する、貴重な本塁打となった。  左脇腹の肉離れから復帰後は、好調を維持。10試合連続安打を記録しており、ここで復帰後初アーチもマーク。シーズンも佳境に入り、主将の輝きは増すばかりだ。

◆巨人・岡本和真内野手(22)が8日、阪神22回戦(甲子園)に「4番・一塁」で先発出場。1点リードの五回二死二塁からバックスクリーン右へ、30号2ランをたたき込んだ。  雲が覆った甲子園の空に、鮮やかなアーチをかけた。相手先発・小野が投じた144キロの直球を捉え、リードを広げる一発。これで、1日の中日戦(ナゴヤドーム)から驚異の4試合連続となり、22歳でシーズン30号に到達した。  球団で22歳以下のシーズンに30本塁打以上放ったのは、1962年の王貞治、96年の松井秀喜(ともに38本)、2010年の坂本勇人(31本)に次いで4人目。ちなみに、長嶋茂雄氏は1958年に29本塁打を放っており、岡本の一発は"ミスター超え"のメモリアルアーチとなった。

◆巨人のアレックス・ゲレーロ外野手(31)が8日、阪神22回戦(甲子園)に「6番・左翼」で先発出場。3点リードの五回二死一塁から、右翼席への15号2ランを放った。  「しっかりと押し込むように打ち返すことができたよ」  一塁ベースを周り、スタンドインを確認すると、助っ人は右手でガッツポーズを決めた。ベンチでハイタッチをした後は、この日の先発・菅野と抱擁。喜びを爆発させた。  猛攻だった。この回は、坂本勇が約2カ月ぶりの14号2ランを放つと、岡本が4戦連発となる30号2ランをバックスクリーン右へ。ゲレーロにも一発が飛びだし、2ラン3発と阪神先発・小野を攻め立て、一挙6点を奪った。

◆巨人・岡本和真内野手(22)が8日、阪神22回戦(甲子園)に「4番・一塁」で先発出場。1点リードの五回二死二塁からバックスクリーン右へ、30号2ランをたたき込んだ。  「芯でとらえることができましたが、いい風も吹いていましたしね。残りの試合も、ホームランだけでなく、とにかくチームに貢献できればと思います」  表情を変えずダイヤモンドを一周した主砲は、気を引き締め直した。高卒4年目でのシーズン30号は、球団では2010年の坂本勇以来、8年ぶりの快挙。だが、前日に「打てなくても(試合に)出させてもらっていた。しっかり試合に出るからには、準備をして勝てるように。貢献できるようにやるだけ」と話していたように、少しでも上の順位を狙うため、これからも"フォアザチーム"に徹する。

◆巨人・菅野智之投手(28)が8日、阪神22回戦に先発。7回119球を投げ、7安打1失点と好投した。  先制されても、ピンチを背負っても、動じなかった。両軍無得点の二回、先頭・陽川に左中間席へのソロを浴びたが、決して焦らない。続く大山に左前打とされたが、後続を抑え、失点はこの1点のみ。時に大胆に、時に丁寧に、堂々としたエースらしい投球で阪神打線を封じた。  1点ビハインドで試合は進んだが、五回に3本の2ランなどで、味方が一挙6点を取り、逆転に成功。自身も一死から右前打を放ち、坂本勇の右越え2ランで生還するなど、「打」でも貢献した。  残り17試合。エースが最後まで、チームのために腕を振る。

◆巨人のケーシー・マギー内野手(35)が8日、阪神22回戦(甲子園)に「3番・三塁」で先発出場。5点リードの七回先頭で、左翼ポール際への19号ソロを放った。  「(前の3打席は)考え過ぎて、思うようなバッティングができていなかったから、そうならないようにと自分に言い聞かせて打席に向かった。インサイドのボールにうまく反応できたよ」  駄目押しの一発となった。六回からマウンドに上がった岡本の1球目を捉え、シーズン20発に王手。楽天時代の2013年に28本塁打を放って以来、5年ぶりの大台到達に王手とした。

◆巨人は一発攻勢で阪神に逆転勝ち。1点を追う五回に坂本勇人内野手(29)の14号2ラン、岡本和真内野手(22)の30号2ランなど3本塁打で一挙6点を奪い、試合をひっくり返した。投げては先発の菅野智之投手(28)が7回7安打1失点と好投し、12勝目(7敗)を挙げた。  阪神は小野、巨人は菅野が先発した。阪神は二回、先頭の陽川が左翼席へ6号ソロを放って先制した。  巨人は五回、一死から菅野が右前打で出塁すると、続く坂本勇が右翼ポール際に14号2ランを放ち逆転。さらに二死二塁とし、岡本が右翼席へ30号2ランを放ち4-1。この後、ゲレーロにも15号2ランが飛び出し、この回6点を入れた。  阪神は六回、一死一、二塁としたが陽川、大山が凡退した。巨人は七回、先頭のマギーが左翼席へ19号ソロを放ち7-1とした。  巨人は終盤の八回をアダメス、九回にリリーフ転向した山口俊が1点を失ったものの、逃げ切った。

◆巨人は一発攻勢で阪神に逆転勝ち。1点を追う五回に坂本勇人内野手(29)の14号2ラン、岡本和真内野手(22)の30号2ランなど3本塁打で一挙6点を奪い、試合をひっくり返した。投げては先発の菅野智之投手(28)が7回7安打1失点と好投し、12勝目(7敗)を挙げた。以下は坂本勇の一問一答。  --五回の2ランについて  「智之(菅野)がなんとか出塁してくれたので、いい形で(次の打者に)つなげればと思っていた。最高の結果になってよかった」  --打った感触  「自分のいい形で強いスイングができた。風も多少、ふいていてよかった」  --岡本について  「僕よりホームランバッターの才能を持っている。今はいい形で和真(岡本)に回せればいいと思って、1番を打っている」  --残りのシーズンへ向けて  「試合数は少ないので、なんとか1つでも多くチームに勝ちをつけて、他のチームにプレッシャーをかけられるように、がんばります」

◆巨人・山口俊投手(31)が8日、阪神22回戦(甲子園)の6点リードの九回に、3番手として登板した。自身の失策も絡み、1回1安打1失点だったが、救援登板するのは、DeNA時代の2014年10月6日のヤクルト戦以来、4年ぶり。  救援陣はカミネロ、マシソンが故障で渡米しており、沢村、アダメスも本調子とは言えない。シーズンも佳境に入り、クライマックス・シリーズ進出を確定させるためにも、山口俊が守護神として、チームに貢献する。

◆巨人・菅野智之投手(28)が8日、阪神22回戦(甲子園)に先発。7回119球を投げ、7安打1失点と好投し、12勝目(7敗)を挙げた。  直球で押し、変化球で崩す。阪神打線に好機という好機を作らせなかった。二回、陽川に先制ソロを許すも、全く動じない。落ち着いた投球で、1つずつアウトを積み重ねた。  「前回(1日、中日戦)は完封というのがちょっと頭にあって、0というのを意識しすぎて慎重になっていた。前回の反省を踏まえて投げました」  六回には一死から、福留に四球を許し、糸井に右前打を浴びて一死一、二塁。「福留さんのところの勝負。ボール2から追い込みましたけど、あそこのフォアボールは余計でした」と振り返ったが、陽川に対しては直球で押して投ゴロ、大山を右邪飛に仕留め、唯一といっていいピンチを無失点で切り抜けた。  「バットを持っている以上は、何か起こさないといけない。自分でもうまく打てたなと思います」  「打」でも勝利に貢献した。五回一死からは、右前打を放ち、坂本勇の14号2ランで生還。2カ月ぶりの一発を放った坂本勇も「(菅野)智之がなんとか出塁してくれた。いい形でつなげられるようにと思ったら、最高の結果になってよかった」と振り返るなど、菅野が作った流れでこの回一挙6点を奪った。  どんな投手でも、好不調はある。だが、菅野は常に高いレベルを維持し、勝利に貢献している。残り17試合。登板間隔を詰める可能性もあるが「万全の状態でマウンドに上がれるように」と口にした菅野は、チームにとって何よりも頼もしい存在だ。

◆巨人の菅野は毎回のように走者を背負っても要所を締め、7回1失点で12勝目を挙げた。1日の中日戦で4点リードを守れず引き分けに持ち込まれていただけに、「前回の反省を踏まえて投げた」と慎重に試合をつくった。  0-1の五回には自ら右前打を放ち、坂本勇の逆転2ランにつなげた。「バットを持っている以上、何かを起こさないと。自分でもうまく打てた」と価値ある一打を喜んだ。 山口俊(九回に4年ぶりの救援登板で1失点) 「隙がない投球をしないと」

◆うそやろー!? 強い強い広島に11点、13点と猛虎打線大爆発で連勝したから、例え相手がリーグを代表する菅野だろうがメッタ打ちで巨人とのゲーム差「0」ほぼ決まりー!! と胸おどらせてたのに...(涙)奪った得点は陽川のソロとお情けのような2点だけって...。『打つ打つサギ』で訴えたるわー!!  先発小野も四回まで坂本のヒット一本と大期待させておいて、五回にいきなり坂本、岡本、ゲレーロのトリプル2ランて...、甲子園でドームラン(東京ドームホームラン)浴びるかー!!  巨人との第2戦、虎の黒星は何があろうが許され~ん!! のだ。現在3位巨人と4位阪神のゲーム差は「2」、もし阪神の方が残り試合が10も多いから大丈夫や~!! と思っている虎党がいるとしたら、大勘違いもいいところ!!  仮に2ゲーム差のまま巨人が終了したとしたら、阪神がそれをひっくり返すには10試合を8勝2敗(7勝3敗でもいけるケースあり)と驚異的な強さをみせないといけないのだ!! CSに出場したいなら巨人の日程終了時に最低でもゲーム差なしにしておくべし!!

◆なんとなく...堀口大学の「秋のピエロ」という詩を思い出した。  「身すぎ世すぎの是非もなく おどけたれども我がピエロ 秋はしみじみ身に浸みて 真実なみだを流すなり...」  震度7の激震に襲われた北海道・札幌にこの日は99%、電気が灯った。それぞれの皆さんの笑顔が心がなごむ...。被災された皆様にはひたすら心からお見舞い申し上げます。  実はなぜか北海道、特に札幌には阪神ファンが多いんですよ。(勝手な推測ですが...)開拓精神が強く、それが阪神タイガースになんとなく共通してるのだと思う。  阪神OBの江夏豊氏は入団時に司馬遼太郎の『燃えよ剣』を読み土方歳三の大ファンになった。常に強いヤツへの反骨に燃え、ヒーロー玉砕の美学を演じたものです。  でもって電気が戻ってヤレヤレやっと...と北海道の皆さんはテレビのチャンネルをヒネったら...アレレ、阪神は一足お先に"玉砕"してまんがな...ああもう九回...ま、ちょっと意地を見せたけれども...届きませんわなぁ...向こうは4ホーマーとエース菅野。特に五回の2ラン3発。それも岡本和真に小野投手のちょうど100球目。144キロのストレートが痛かったなぁ。袈裟懸けバッサリという"キレ味"でした。なんとなく慌てて勝負を急いだような気がした。よほど内角攻めが怖かったのだろうか。  陽川の先制アーチはソロ...つまり2-7と一見して"大差"に見えるがヒット数は共に8安打。つまりは「今年の打線の課題」である効率の悪さがここに出た。切ない。負ける時ってこんなもんなんですョ。  試合前に虎番サブキャップ長友孝輔記者は「なんとなくですが、7日が移動日で1日余裕があるみたいですが...この8日が2時開始のデーゲームだったでしょう。となると早出の選手は朝の8時頃から球場入りするんです。そのバランスもこの雨模様のなかでバイオリズムも狂うんです。といってそれを敗因にはできませんが...微妙な部分もあります...」という電話をくれた。その時についでにこんな報告も...。  「あ、今、僕の横を洗剤などのライオン社のキャラクターで人気のライオンちゃんが始球式のために通過しました。でもね、虎の激励にライオンというのもなんか不思議でしょ」  箭内桃子記者は今、ダイエット中とのことで昼食はヨーグルト1個のみ。「これで4日間で3キロ減らしました」というが桃子姫よ、頼むからそのダイエットはストップしてくれい。でないと我が虎打線まで力が入らずフニャフニャ打線になる気がするではないか。  この日、当番デスク大澤謙一郎もまた...回を追うごとに元気がなくなり「どうせ僕の運命なんか...」とブツクサ。おいおい誰か、大澤を医務室につれてけ。  9日はTG戦の試合前に『甲子園歴史館』の多目的ホールで阪神OB八木裕氏(サンケイスポーツ専属評論家)の『トークショー』がございます。なにしろ代打の神様として活躍した勝負師の目で"際どい分析"はピカ一。それにサンスポコムにコラム『スマイルタイガース』を連載中のフリーアナウンサー、土井麻由実さん。そしてこの日ドタ負けの元凶?当番デスク大澤が新聞には出ない楽しい阪神エピソードをちょっと紹介しますゾ。とにかく楽しいこと請け合い。抽選ですでに当選された70名の方はこちらは雨天中止はないので、雨模様で足元が悪くてもご来館ください。ドタキャン、ダメよ。楽しいイベントで前日の"口直し"をして...試合があれば阪神の雪辱ぶりを堪能してください。せっかくの伝統の一戦...あきらめたら女神もソッポを向きますからねッ。

◆小野とバッテリーを組んだ梅野は、2ランを3発浴びて6失点した五回を悔やんだ。「ビッグイニングは作りたくなかったんですけど...。岡本の場面はもっと粘っていけたと思うので反省です。タイムをかけて意図を伝え合うべきだった」と厳しい表情だった。特に岡本に2ランを被弾する前の重信への四球を悔やみ「がくっときたところで立て直せるようにキャッチャーとしてやっていかないといけない」と前を向いた。

◆6日の広島戦で右ふくらはぎに違和感を訴えて途中交代した糸井は「4番・右翼」でスタメン出場。六回一死一塁で菅野の150キロを右前へ弾き返して5試合連続安打としフル出場した。「少々無理してでも出てほしい」と話していた金本監督も一安心。試合後は敗戦の悔しさからか問いかけに応えなかったが、代えのきかない主砲としてチームをけん引していく。

◆巨人は8日、阪神22回戦(甲子園)に7-2で逆転勝ちした。  菅野が7回7安打1失点と好投し、12勝目(7敗)を挙げた。二回、陽川に先制ソロを浴びるも、エースらしい堂々とした投球で追加点を与えず。六回一死一、二塁では「前の対戦を踏まえてうまく抑えられた」と陽川を投ゴロ、大山を右邪飛に抑えた。シーズン終盤に中5日で登板する可能性もあるが「万全の状態でマウンドに上がれるように」と頼もしかった。

◆--小野は五回に直球を続けて打たれた  金本監督 「まあ、全部外構えの真っすぐやね、打たれたのは」  --四回まではいい投球だった  「うーん...まあ、突然ねえ、やっぱコントロールがアレで(悪くて)、狙われとるわね、外の真っすぐ一本、うん、それ。何て言うかなあ...。コントロールが悪いピッチャーだからインサイドに投げにくいとかじゃなしに、それでもやっぱり攻める姿勢を見せて欲しいよね」  --打つ方では陽川がボールを見極めて  「そうですね、内容は悪くないですね。いいと思います内容は。(九回の)サードゴロなんかでもね、抜けスラ(イダー)だから。タイミングは合ってるし」

◆6点差の九回に、山口俊が3番手として登板。DeNA時代の2014年10月6日のヤクルト戦以来、1433日ぶりの救援登板で、1回1安打1失点だった。「隙がない投球をしないと。きょう(8日)みたいな投球だと反省しないといけない」と振り返り、斎藤投手総合コーチは「あそこ(抑え)でお願いする以上、1回を投げさせたかった」と説明した。

◆相手が日本最高峰の投手だろうと、気後れはなかった。陽川は菅野とのプロ初対決で豪快な一発を放った。チーム唯一人の2安打で、1人気を吐いた。  「(本塁打は)うまいことひっかかってくれました。いい投手とわかっていたのでどんどん初球から振っていこうと意識して打席に立ちました」  二回先頭で初球から2球続けてファウルと積極的にバットを出し、その後カウント1-2から外角高め135キロのカットボールを左中間スタンド最前列へ放り込んだ。  今季初となる2試合連発の今季6号ソロで先制に成功。四回の2打席目は菅野が150キロ超えの速球を連発。「1打席目に比べると、球に力を感じた」。それでも、135キロの変化球を中前へ弾き返した。2安打1打点で今季13度目のマルチとした。  これまでは1軍になかなか定着できず対戦機会はなかったが、巨人のエース右腕に名刺代わりの一発。敗戦で空砲になったが「切り替えてやっていきたい」と前を向いた。9月は打率・321(28打数9安打)、2本塁打、8打点と上昇曲線を描いている。両手に残った感触を自信に変え、勝負の秋へと臨む。 (新里公章)

◆巨人は8日、阪神22回戦(甲子園)に7-2で逆転勝ちした。4番の岡本和真内野手(22)が、4試合連発となる30号2ランを放ち、クライマックスシリーズ(CS)圏内の死守に向けて価値ある勝利に導いた。シーズン30本塁打は、球団では2013年の阿部慎之助(32本)以来で、22歳シーズンでは10年の坂本勇人以来となる4人目。1958年の長嶋茂雄(29本)を抜く記録を打ち立てた。  同じく22歳シーズンに30本塁打を達成している坂本勇も、五回一死一塁で右翼ポール際に決勝の14号2ランを放った。7月10日のヤクルト戦(神宮)以来2カ月ぶりの一発で、左脇腹の肉離れから復帰後の初アーチに「いい形で自分の強いスイングができた」とうなずいた。自身以来となる高卒4年目での30本塁打を達成した岡本については「僕なんかよりもホームランバッターの才能を持っている」と持ち上げ「頼もしい。何とか和真にまわせればと思っている」と信頼を寄せた。

◆クライマックスシリーズ(CS)進出を目指すチームが痛すぎる逆転負けだ。阪神・小野泰己投手(24)が巨人戦の五回、チーム26年ぶりの1イニング2ラン3被弾で大暗転。この2連戦で3位巨人に連勝すれば、3位浮上の可能性もあったが、2差後退。岡本にまた一発を浴びる投球に金本知憲監督(50)はオカンムリ。9日は絶対勝ってや!!  秋雨降りしきる甲子園には、白球を押し返してくれるはずの浜風はなかった。力強い真っすぐでグイグイ押し込んでいた小野の快投は、五回に大暗転だ。思いきり踏み込まれ、右打者に次々に右翼方向へ放り込まれた。チーム26年ぶりの屈辱。まさかの1イニング3本の2ラン被弾を喫し、3位巨人をたたく絶好機は露と消えた。  「坂本(勇)さんの一発だけでしのいでいればわからなかったところを、2発、3発打たれてしまった。もっと慎重にいっていればよかったかなと思います」  自慢の真っすぐで一回から攻め、四回まで1安打投球。五回一死から菅野に右前打を許すと、続く坂本勇に1ボールからの2球目、外角143キロを力いっぱい振り切られて右翼ポール際に運ばれた。これで1-2。踏ん張らなくてはならなかったが、続く重信に四球を与え、冷静になれないまま難敵と向き合った。  二死から岡本にも、1ボールからの2球目、外角高め144キロを一閃される。中堅右への特大2ラン。これで1-4。さらに亀井にも遊撃内野安打を許し、バッテリーでおぼれていった。ゲレーロにまで右越え2ランを被弾。あっという間の「2×3=6」で決着だ。1イニングで3つの2ランを浴びるのは、1992年6月21日の巨人戦(甲子園)の葛西稔以来、虎26年ぶりの屈辱...。5戦連続2桁安打と勢いづいて首位広島に勝ち越し、この日も勝てば3位巨人にゲーム差なしに接近できたのだが、2ゲーム差に広げられ、CS圏内から遠ざかった。  金本監督も不満を隠せない。「コントロールが悪いピッチャーだからインサイド投げにくいとかじゃナシに、それでもやっぱり攻める姿勢というか、見せてほしい」と首をひねる。小野は8月25日(東京ドーム)の一回にも岡本に決勝2ランを浴びていた。5回6安打6失点で5敗目だ。  「右打者の内角に攻め切れていなかった。早い回にインコースを見せておけばまた違う結果にもなったと思う。配球が偏りすぎないように、というところは反省です」  攻めの姿勢だけは持ち続けなくては、つまずいた小野も、4位からの逆襲を狙うチームも、立ち上がれない。 (長友孝輔)

◆巨人は8日、阪神22回戦(甲子園)に7-2で逆転勝ちした。4番の岡本和真内野手(22)が、4試合連発となる30号2ランを放ち、クライマックスシリーズ(CS)圏内の死守に向けて価値ある勝利に導いた。シーズン30本塁打は、球団では2013年の阿部慎之助(32本)以来で、22歳シーズンでは10年の坂本勇人以来となる4人目。1958年の長嶋茂雄(29本)を抜く記録を打ち立てた。  甲子園の空に向かって、豪快に振り抜いた。岡本が今季30本目のアーチ。1軍最年少の主砲は、仲間の祝福にペコペコと頭を下げ、丁寧にタッチを交わした。  「風のおかげで入りました。うれしい。(もっと)チャンスで打てるようにしたい」  1点リードの五回二死二塁、小野の144キロの直球をバックスクリーン右へ運んだ。自身初の4戦連発で最近10試合で7発。この回の2ラン3発など計4発の一発攻勢を演出し、CS進出を争う目下のライバル、4位・阪神とのゲーム差を2に広げる勝利にチームを導いた。  待望されてきた大砲の誕生だ。巨人の選手がシーズン30本塁打に到達するのは2013年の阿部以来。22歳シーズンでの30本塁打は、1958年の長嶋茂雄(29本)を超え、62年の王貞治、96年の松井秀喜、10年の坂本勇人に次ぐ4人目の快挙となった。当の本人は「あまりそういうのは意識しない」とそっけないが、史上最年少でのシーズン100打点にも17試合を残してあと「7」に迫った。  昨季までの3年間で通算1本塁打。急成長の裏には、周囲から貪欲に"吸収"する姿勢がある。  昨オフは合同自主トレで西武・中村に師事。春季キャンプでは軸足の体重の重要性を巨人OBの松井秀喜氏に伝授され、二岡打撃コーチや4番の先輩・阿部には昨秋のキャンプから相談役になってもらった。  オリックスの和製大砲、吉田正への意識も強い。1メートル73と野球選手としては小柄ながら球界トップクラスの飛距離(今季21本塁打)を誇る25歳。ニュースや動画サイトで映像を見ては「スイングが強い。あの体であのホームランはすごい」と刺激を受けている。  「開幕当初は、ここまで打つと思わなかった。ここまで来たら1本でも多く打ってほしい。30本を超えたのはすごいこと」。頼もしく育った岡本に高橋監督は目を細めた。"新時代"の幕開けを告げる大台到達。巨人の若き第89代4番が、チームに勢いを与える。 (谷川直之) 七回先頭で、19号ソロを放った巨人・マギー 「(前の3打席は)考え過ぎて、思うような打撃ができていなかった。(七回は)インサイドのボールにうまく反応できたよ」 五回に、2試合連発となる右越え15号2ランを放った巨人・ゲレーロ 「しっかりと押し込むように打ち返すことができたよ」

◆巨人は8日、阪神22回戦(甲子園)4位・阪神に1ゲーム差に詰め寄られて迎えた、甲子園での2連戦。もし2つ落とせば、クライマックスシリーズ進出はジ・エンド...。それくらい切羽詰まった試合だったことを、巨人は分かっていたのかな。  先発はたまたま菅野の順番で、幸いだった。投球もさることながら、打撃でも菅野が呼び水になってくれただけに、まさにサマサマだよね。  五回一死から、一、二塁間を破る安打で出塁。すると続く坂本勇が、岡本が、ゲレーロが、菅野を見習うかのように、真っすぐを中堅から右へ運び、2ラン3発だもの。小野の球が荒れ気味で、無理に引っ張らず、外角球を素直に打ち返せばいいと割り切っていたよ。  エースが上り調子の阪神打線を抑え、30号に乗せた岡本をはじめ、ホームランが欲しい人に、ことごとく一発が出た。役者がそろい、投打がかみあった。最後の山口俊は余分だったけど、七回までは、待ち望んでいた形だよ。  シーズン当初から、この状態なら、広島にも勝てた? 遅ればせながら、"たら、れば"を口にしたくなるほど。せめて今後、これをキープすることよ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

◆何が何でも勝ちたい伝統の一戦で、まさかの大敗を喫した阪神。元阪神ヘッドコーチのサンケイスポーツ専属評論家、黒田正宏氏(69)は攻撃のポイントに二回の三振ゲッツーを挙げた。「俊介は何が何でもバットに当てなければ」と、難敵・菅野攻略のチャンスをフイにしたシーンに喝。また、外角攻めに偏って3被弾の先発・小野には思い切った「内角攻め」を求めた。  惜しまれるのは二回の攻撃だ。陽川に先制本塁打を浴びた菅野が「抑えなければ」と力む。続く大山も甘く入った直球を左前打。さらに俊介がフルカウントまで粘った。ここでベンチはエンドランのサイン。ところが、最悪の三振ゲッツーに終わった。一気に流れが変わり、菅野は三回以降、立ち直ってしまった。  あの場面、俊介はストライクなら何が何でもバットに当てなければいけない。ボールなら見逃せば四球。チャンスはさらに膨らんだ。難敵攻略のチャンスがあっただけに、チームが掲げる「執念」を見せてほしかったところ。ボール球を振っての三振は痛すぎた。  とはいえ、試合の最大のポイントはやはり小野だろう。四回までは球威もあり、調子も悪くなかった。ところが、五回、外角に偏った攻めで一発攻勢を浴びてしまった。  ボールになっていいから、各打者の胸もと、足もとを大胆に攻めるべきだし、緩急という意味で有効なカーブも、投げたのはゲレーロの打席ぐらい。いくら直球にキレがあっても、直球だけで抑えられるのは1イニングが限度。かわす投球を覚えなければいけない。  特に岡本に対して阪神バッテリーは今季、ほとんど内角を攻めていない。対阪神打率が4割を超え、他球団と比べて圧倒的に打ちまくっている要因がここにある。五回二死二塁からも内角を攻めないから、自然と岡本の"目付け"は外角に。だから右中間に放り込まれてしまった。  ヒントはあった。七、九回の攻めでは、突然のように内角を攻めた阪神バッテリー。結果、2打席ともそれほど厳しいコースでもないのに空振り三振。巨人とはまだ3試合残っている。CS進出に向けて大事な試合ばかり。成功した2打席を次に生かしてもらいたい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
72482 0.6
(↓0.005)
M10
(-)
21629
(+5)
561
(+6)
161
(+1)
77
(+1)
0.266
(-)
4.17
(-)
2
(-)
ヤクルト
60601 0.5
(↑0.004)
12
(↑1)
22569
(+7)
594
(+6)
115
(+2)
63
(-)
0.268
(-)
4.43
(↓0.01)
3
(-)
巨人
60633 0.488
(↑0.004)
13.5
(↑1)
17566
(+7)
521
(+2)
132
(+4)
58
(-)
0.261
(-)
3.93
(↑0.02)
4
(-)
阪神
54611 0.47
(↓0.004)
15.5
(-)
27474
(+2)
506
(+7)
72
(+1)
61
(-)
0.255
(-)
3.97
(↓0.02)
5
(-)
DeNA
53652 0.449
(↓0.004)
18
(-)
23480
(+6)
564
(+7)
149
(+2)
68
(-)
0.252
(-)
4.35
(↓0.03)
6
(-)
中日
56692 0.448
(↑0.004)
18.5
(↑1)
16542
(+6)
578
(+5)
86
(-)
54
(-)
0.265
(-)
4.35
(-)