ヤクルト(☆6対5★)巨人 =リーグ戦18回戦・明治神宮=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
巨人
00000 0050 5131
ヤクルト
10020 100 6140
勝利投手:風張 蓮(2勝3敗0S)
敗戦投手:アダメス(0勝1敗2S)
  DAZN
◆ヤクルトは1点を追う9回裏、1死満塁の好機をつくると、川端が適時二塁打を放ち、劇的な逆転サヨナラ勝利を収めた。投げては、4番手・風張が今季2勝目。敗れた巨人は、8回表に代打・長野の適時打などで一挙5点を奪いリードするも、4番手・アダメスが誤算だった。

◆巨人がトリックプレーを巡って、リクエストを要求した。  5回1死一塁の守備でヤクルト山田哲の左前打に、左翼手の亀井が二塁送球。一度、二塁ベースを回った二塁走者の坂口は悠々セーフのタイミングで戻った。だがさらに二塁手マルティネスが投手に返球をするふりしてからの偽投で再度、タッチを仕掛けた。判定はセーフで、巨人ベンチがリクエストを求めた。  もっとも偽投の場面は、多くの観客がすでにプレーから目を離している場面で、場内も何に対するリクエストなのか困惑気味の反応。大型ビジョンの映像も最初は悠々とセーフで戻る場面を映し出し、巨人も偽投のシーンをと強くアピールした。問題のシーンを捉えていたのはカメラ1台だけで引き気味の角度。坂口が足を組み替えた時にタッチを仕掛けていたが、目前の二塁塁審もセーフの判定を示していた。結局、当初の判定通りセーフとなり、試合が続行された。

◆巨人が今季7度目のサヨナラ負けを喫した。  8回に4点差をひっくり返し、1点リードの9回に登板したサムエル・アダメス投手(23)が誤算だった。先頭の青木に右前打を浴びると、続く山田にも左前打。代打三輪に犠打を決められて、1死二、三塁。打者雄平を申告敬遠として、満塁策を取った。  しかし、勝負の打者となった川端に2球続けてボール。捕手小林と三塁手マギーがマウンドに向かい、間を取ったが、カウント2ー0からの3球目。149キロ直球を捉えられ、前進守備を敷いていた右翼手長野の頭上を越えるサヨナラ2点適時打を浴びた。「満塁はゲッツーを取らせるための作戦。定位置なら捕れた打球だった。そういう場面にしたくなかった」と悔やんだ。  これでサヨナラ負けは3日の中日戦以来7度目となった。

◆巨人阿部慎之助内野手(39)が一時同点の適時打を放った。  8回2死満塁で代打で登場。ヤクルト近藤の147キロ直球を打ち返したが、三塁後方の左翼線際へ上げてしまった。打球を三塁手、遊撃手、左翼手が追いかけてファウルフライと思いきや、押し戻されるように左翼線の内側にポトリ。守備3人がダイビングキャッチを試みたが、走者一掃の適時二塁打となり、同点に追いついた。  ラッキーな一打に、二塁上で思わず笑顔。「(代打を送られた)陽岱鋼のためにもって言ったら大げさかもしれないですが、何とかランナーを返したいと思っていました。僕にとっても、チームにとってもラッキーでしたね」と振り返った。

◆ヤクルトが川端慎吾内野手の逆転サヨナラ右二塁打で劇的勝利。だが先発小川泰弘投手の巨人戦7連勝は次回に持ち越しとなった。  小川は7回まで5安打無失点と好投。6回にはバットでも適時打を放つ活躍だった。だが8回2死一、三塁の場面で岡本に適時打を打たれて降板。その後、2番手近藤が打ち込まれて逆転を許し、小川に勝ち負けはつかなかった。  勝っていれば98~99年川崎憲次郎以来の記録で「8回は投げ切りたかった」と悔しがったが「チームが勝つのが1番ですし(打撃陣が)粘ってくれた」とチームの勝利に納得の表情をみせた。

◆巨人が必死に繕ってきた裂け目が破れ、大きな穴に転落した。8回に4点差をひっくり返す5得点も、最後に破綻した。臨時守護神アダメスが、課題とする変化球の制球が定まらない。青木、山田哲に連打され、最後は満塁策を取り、2ボールから選択せざるを得なかった直球を川端にはじき返された。右翼への大飛球は8回に代打勝ち越し適時打を放ち、前進守備を敷いていた長野の頭上を越えた。リーグワーストの7度目のサヨナラ負けという悲劇に襲われた。  神宮の通路を後にする高橋監督も言葉少なだった。「救援陣? 今いる選手でやるしかない」。アダメスは2軍で守護神を張っていたとはいえ経験値が少ない。初めての1点リードでのセーブ機会。開幕からカミネロ、マシソン、沢村とクローザーが転々としたが、4代目ものみ込まれた。育成出身の助っ人は「定位置なら捕れた打球だった。ただ、そういう場面にしたくなかった」と悔しがった。  坂本勇、吉川尚を欠くセンターラインも不安定だ。失策は遊撃手の山本の1つで直接失点につながっていない。だが二塁手マルティネスは判断ミスが目立ち、相手の勢いを助長してしまっている。ベテラン内海が投手小川に適時打を許すなど、あしき流れをカバーできなかった。  8回の逆転は「奇跡」と形容してもよかったが、一瞬で悪夢と化した。指揮官は「本当はもっと早い回に攻撃できれば良かったが、最終的にはひっくり返して、よく粘った」と6連敗中だった小川からの一時逆転は認めた。3位に後退。深い穴から、はい上がるしかない。【広重竜太郎】

◆ヤクルトが1点を追う9回1死満塁から、川端の逆転サヨナラ二塁打で劇的勝利。巨人を抜いて2位に浮上した。ヒーローとなった川端は「手応え的に(詰まっていたので)ホームランになるとは思えなかった。何とか抜けてくれと。苦しい展開で何とかひっくり返せて本当に良かった」とホッとした笑顔をみせた。  試合後の小川監督はまるで敗戦の将のように謝罪した。7回まで4-0と楽勝ペース。しかし8回に一挙5点を奪われ逆転を許した。好投の先発小川が2死一、三塁で岡本に適時打を打たれて降板。2番手近藤が逆転を許したからだ。  小川監督 選手が僕のミスをカバーしてくれた。あそこは小川にもう1人、亀井のところを託すべきだった。1点取られて焦って判断を早まってしまった。小川に申し訳ないし、もし試合を落としていたら選手にも本当に申し訳なかった。  それでも逆転された直後に石井打撃コーチを中心に円陣を組み「絶対にひっくり返すぞ。いくぞ」と一丸となり、サヨナラにつなげた。巨人戦7連勝が次回に持ち越しとなった小川は「8回は投げ切りたかった」と悔しがったが「チームが勝つのが一番。(打撃陣が)粘ってくれた」と一体感を口にした。【千葉修宏】

◆ヤクルトが1点を追う九回一死満塁で川端慎吾内野手(30)が右越え2点二塁打を放ち、6-5で逆転サヨナラ勝ち。巨人と入れ替わり、2位に浮上した。  ヤクルトは小川、巨人は内海が先発した一戦。ヤクルトは一回一死二、三塁とし、バレンティンの遊ゴロの間に三走・坂口が生還した。四回には先頭の山田哲が左中間二塁打を放った後、続くバレンティンが左中間スタンド中段にリーグ単独トップの29号2ランを放った。ヤクルトは六回二死三塁から、小川が中前適時打を放ち、4-0とリードを広げた。  巨人は八回に打線がつながる。二死一、三塁で岡本が中前打を放ち、まず1点を返した。ここでヤクルトは2番手・近藤にスイッチ。巨人は続く亀井が中前打を放ち、満塁とした。この後、代打・阿部は走者一掃の左前ポテン二塁打を放ち、同点。続く大城は四球を選び一、二塁。この後、代打・長野が左前適時打を放ち、5-4と勝ち越した。  ヤクルトは九回、巨人・4番手のアダメスを攻め一死満塁。最後は川端が右越え逆転二塁打を放ち、試合を決めた。 ヤクルト・川端の話 「ちょっと嫌な流れだったんでなんとかひっくり返したいっていう気持ちでずっとやっていました」

◆ヤクルトが1点を追う九回一死満塁で川端慎吾内野手(30)が右越え2点二塁打を放ち、6-5で逆転サヨナラ勝ち。巨人と入れ替わり、2位に浮上した。  --今季2度目のサヨナラ打  「(前回と)同じくらい気持ちいいですね」  --チームは八回に逆転された  「ちょっと嫌な流れだったんでなんとかひっくり返したいっていう気持ちでずっとやっていました」  --九回、5人目の打者である自分まで回ってくるという思いだったか  「しっかり準備はしていましたね。(前打者の)雄平さんが(申告敬遠で)歩かされて燃えましたね」  --「俺の前で申告敬遠...」という思いですか  「いや、そこまでではないですけど。でもちょっと力は入りましたね」  --手応えは  「ちょっと詰まったんですけど、外野フライにはなるかなと思ったんで良かったです」  --ライトの頭上を越えるのは見えたか  「ずっと見ていました。なんとか抜けてくれと思っていましたけど」  --その瞬間は  「嬉しかったですね」  --巨人を抜いて2位浮上  「ありがとうございます。」  --残り45試合。どういう気持ちで毎日を過ごしているか  「必死に一試合一試合戦っています。この6連戦が大事になると思うので、その初戦を取れたというのは本当にいいことなので明日からもどんどん勝っていきたいです」

◆巨人の内海は六回途中4失点で降板した。一回に1点を失うと、四回にはバレンティンにスタンドへ運ばれ2失点。六回に投手の小川に適時打され、その後も連打を許してマウンドを降りた。  打線が八回に逆転したため、黒星は免れたが、チームはサヨナラ負け。序盤から失点を重ねた内海は「点を取られたのは僕の責任」と厳しい表情で話した。 アダメス(川端に逆転サヨナラ二塁打を許し) 「定位置だったら捕れていたかもしれない。野手が前進する状況にしたくなかった」 阿部(八回に代打で三塁後方に落ちる3点二塁打) 「僕にとってもチームにとってもラッキーだった」

◆ヤクルトが劇的な逆転サヨナラ勝ちで3連勝を飾り、2位に浮上した。4-5の九回1死満塁で川端が2ボールからの3球目を右中間へ二塁打して、4時間を超える熱戦に終止符を打った。  八回に一度は4点差をひっくり返されていた。九回、先頭打者の青木が右前打して出塁すると山田哲が左前打で続いた。代打三輪の送りバントで1死二、三塁とし、雄平が敬遠されて満塁。チームメートがつないでくれた好機で、川端が7月21日に続く今季2度目のサヨナラ打を放った。 小川(八回途中3失点) 「投球内容は良かったが八回の最後まで投げ切りたかった」 小川監督(逆転サヨナラ勝ちに) 「本当に執念というか、粘りを見せてくれた。負けなかったのは非常に大きい」

◆0-4の八回に5点を奪って一時は逆転したが、九回に登板した右腕・アダメスが川端にサヨナラ打を浴びた。終盤に集中打を見せた打線に高橋監督は「本当は、もっと早い回に攻撃できればよかった。(一時は)ひっくり返したのでよく粘ったと思う」と評価しつつ、投手陣については「今いる投手で頑張るしかない」。ヤクルトと入れ替わって3位に後退した。 八回二死満塁で、代打で三塁後方に落ちる3点二塁打を放った巨人・阿部  「僕にとってもチームにとってもラッキーだった」

◆2番・青木が逆転劇を演出した。九回先頭で右前打を放ち、川端の殊勲打で同点のホームイン。「打つことだけを考えて(打席に)入りました。いい集中力で入れた」と汗をぬぐった。第1、第4打席で左前打を放ち、今季12度目の猛打賞。劇的勝利を導いたベテランは「みんなが自信を持ってプレーできているので、いい流れだと思う」と胸を張った。

◆ヤクルトは14日、巨人18回戦(神宮)の九回一死満塁から川端慎吾内野手(30)が右越えに逆転の2点二塁打を放ち、6-5で今季6度目のサヨナラ勝ちを収めた。巨人戦のサヨナラ勝利は2015年4月24日以来、3年ぶりでチームは3連勝で2位に浮上。一時は4点差をひっくり返されてしまったが、驚異の粘りを発揮し、巨人、阪神との本拠地6連戦で最高のスタートを切った。  午後10時を過ぎ、鳴り物応援は止んでいた。今季最多の観衆3万1206人で超満員となった神宮で燕党の手拍子と大声援が川端の打球を右翼フェンス際まで運んだ。  1点を追う九回一死満塁。夜空に高々と舞い上がった打球は右翼手、長野のグラブの上をわずかに越えた。ヒーローは右拳を突き上げ、仲間からもみくちゃにされた。  「何とかひっくり返したいという気持ちでした。絶対にいいところで回ってくると思っていた。ちょっと詰まった感じがしたので、抜けてくれ、と思っていました」  7月21日の中日戦(神宮)のサヨナラ本塁打に続き、今季2度目のサヨナラ打。チームとしては今季6度目の劇的な幕切れに30歳は興奮が隠せなかった。  4点リードの八回に不運な当たりもあり、逆転された。その裏の攻撃前、円陣を組んだ。「得意な展開じゃないか。ひっくり返そう!!」。石井打撃コーチがナインの心に火をつけた。九回は青木、山田哲が連打でチャンスを広げ、おぜん立て。今季26度目の逆転勝ちは、広島の28勝に次いでリーグ2位。48勝中、半分以上が逆転勝ちの"不屈の燕"は巨人を抜き、2位に浮上した。  川端は昨年8月に椎間板ヘルニアの手術を受けた。2015年の首位打者も昨季は1軍出場なし。ブランクの影響で今季も春先は苦しんだ。  「久々ということもあって、試合に耐えられる体じゃなかった。六回、七回と終盤になるにつれてだんだん体が動かなくなるような感覚で、苦しかった...」。好調が続かない。バットを十分に振り込めなかったツケに天才打者は悩まされた。5月中旬に2軍落ち。埼玉・戸田の2軍施設で杉村巡回コーチからマンツーマン指導を受け、約2週間の期間で振り込み、1軍に戻ってきた。  手術を受けた腰の状態は今も気を使っている。座っているときも常に体勢を変えて、患部の負担を減らし、時間があればストレッチ。睡眠中は腰を冷やさないようにホットパックをかかさない。入念なケアを施し、豊富な練習量をこなせるようになった。  巨人戦のサヨナラ勝利は2015年4月24日以来、3年ぶり。2試合連続となる九回の逆転劇で3連勝を飾った。小川監督も「執念というか粘りを見せてくれた。負けなかったことは大きい」とナインをたたえた。  「巨人、阪神と2、3位争いという大事な6連戦。1週間、全部勝つつもりでやっていきたい」と川端。苦しみ抜いた天才打者が完全復活。燕をさらに浮上させる。 (横山尚杜) 九回無死一、二塁で、代打で犠打を決めたヤクルト・三輪 「あれが仕事なので。練習通りにいきました」

◆川端のサヨナラ打は、勝負をかけたひと振りだった。カウントが2-0と打者有利になって、試合を決めにいったのだろう。直球を思いきり引っ張った。左方向に流し打つイメージが強い打者だが、右方向に強い打球も打てる。状況に応じた打撃ができて勝負強い、理想的な6番打者だ。  無死一、二塁で犠打を決めた三輪の働きも見逃せない。バントをさせればチーム随一。プレッシャーのかかる場面できっちり決めて、逆転勝ちの雰囲気をつくり上げた。こういう選手がベンチに控えているのは心強い。  白星はつかなかったが、小川の投球も素晴らしかった。巨人の各打者が差し込まれるほど直球が走っていたし、特に左打者はカット系の変化球に苦しんでいた。近年は見られなかったほど充実した内容で、今後も先発の軸として期待できる。  課題はブルペンの整備。守護神・石山につなぐ形を早く作り上げてほしい。これまで奮闘してきた中尾は2軍調整中で、近藤も疲労の色が濃い。秋吉、風張、ハフらの奮起に期待したい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
593920.602
(↓0.006)
0
(-)
43514
(+4)
440
(+7)
130
(+1)
57
(-)
0.266
(-)
4.01
(↑0.01)
2
(↑1)
ヤクルト
485010.49
(↑0.005)
11
(↑1)
44454
(+6)
478
(+5)
96
(+1)
54
(-)
0.267
(↑0.001)
4.38
(-)
3
(↓1)
巨人
515420.486
(↓0.004)
11.5
(-)
36474
(+5)
434
(+6)
105
(-)
49
(-)
0.259
(-)
3.88
(↓0.02)
4
(-)
阪神
464910.484
(↑0.005)
11.5
(↑1)
47385
(+7)
426
(+4)
60
(-)
48
(+2)
0.248
(↑0.001)
4
(-)
5
(-)
DeNA
455420.455
(↑0.006)
14.5
(↑1)
42400
(+6)
465
(+5)
119
(+2)
59
(-)
0.25
(↑0.001)
4.26
(↓0.01)
6
(-)
中日
455910.433
(↓0.004)
17
(-)
38427
(+5)
475
(+6)
66
(+1)
50
(+1)
0.261
(-)
4.35
(↓0.01)