DeNA(☆12対5★)阪神 =リーグ戦17回戦・横浜スタジアム=
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阪神
20010 0020 582
DeNA
02202 312× 12170
勝利投手:今永 昇太(3勝6敗0S)
敗戦投手:馬場 皐輔(0勝1敗0S)
  DAZN
◆DeNAは2点を追う2回裏、大和の適時打などで同点とする。続く3回にソトのソロと嶺井の適時打で勝ち越すと、その後も6回に筒香のソロが飛び出すなど、終わってみれば17安打で12得点を挙げた。投げては、先発・今永が今季3勝目。敗れた阪神は、投手陣が崩壊した。

◆阪神のルーキー馬場皐輔投手(23)が初勝利を目指す。  今季の阪神はすでに新人の高橋遥と谷川が白星をマーク。2リーグ制後、阪神のルーキー3人が白星を挙げれば、池田9勝、中西1勝、川原1勝の84年以来3度目になる。

◆阪神糸井嘉男外野手が先制2ランを放った。1回2死から福留が二塁内野安打で出塁。  2死一塁、カウント1ストライクからの2球目だった。DeNA今永が投じた144キロをとらえて右翼スタンドに放り込んだ。  14号2ランに「打ったのはストレート。(福留)孝介さんが走って(内野安打で)出塁してくれたので、自分も後ろにつなぐ意識で打席に入りました。今日はルーキーの馬場が先発なので先制点を取ることができて良かったです」と振り返った。

◆阪神先発のドラフト1位馬場皐輔投手は2回2/3でKOとなった。  1回は2死三塁のピンチを背負いながらも無失点。しかし2回に大和の適時二塁打で1点をかえされ、石川への押し出し四球で同点に追いつかれた。3回には2死からソトにソロを被弾し、その後も嶺井に適時打を浴びて失点した。7安打4失点でプロ初勝利を逃した。

◆阪神先発のドラフト1位馬場皐輔投手は2回3分の2でKOとなった。  1回は2死三塁を背負いながらも無失点。しかし2回に大和の適時二塁打で1点をかえされ、石川への押し出し四球で同点に追いつかれた。3回には2死からソトにソロを被弾し、その後も嶺井に適時打を浴びて失点した。7安打4失点でプロ初勝利を逃した。  「追い込んでからの勝負球を決めきれず、粘り負けて打たれてしまいました。(2回に)今永投手に四球を出してしまったことが一番の反省点です。初回から先制点を取ってもらった試合だったのに、自分の役目を果たすことができませんでした」と振り返った。

◆DeNAネフタリ・ソト外野手が、今季2度目の場外弾を放った。  6回の第3打席。阪神岩崎が投げた142キロの高めに浮いた直球を一振り。左中間スタンドを越え、場外へと運んだ。  トラックマンデータによると、打球速度は174キロで推定飛距離は140メートルという特大アーチは、7月9日中日戦に続く2発目の場外弾となった。ソトは3回にも勝ち越し本塁打を打っており、2本目だった。「1本目のホームランよりも手応えはよかったです。昨日の試合で、岩崎選手に三振に抑えられていたので、今日は必ず打つという気持ちで打席に向かいました」とリベンジを果たした。

◆主砲に快音が戻ってきた。DeNA筒香嘉智外野手が6回、14試合ぶりに本塁打を放った。  阪神3番手の岩崎の直球を、打った瞬間ホームランと分かる当たり。7月24日以来となる23号ソロアーチとし「インコースのボールでしたが、うまく反応して打つことができました」とコメントした。  日曜日の本塁打はこれで11本目。半分近いアーチを量産するサンデー筒香が爆発した。

◆DeNA今永が復活へ足がかりとなる今季3勝目を挙げた。7回終わって3安打3失点。味方の大量援護を受けながら、安定感ある投球を披露。篠原投手コーチから「完投できるか」と聞かれ「いかせてください」と答えた。今季最長となる8回2死まで続投したが、4点目を失ったところで降板した。結果は7回2/3、5失点も今季最多の134球。「次回はもっと長いイニングを投げたい」と完投は次回に持ち越した。  開幕から白星を挙げることができず、自信を失い打者から逃げるような投球が増えた。ラミレス監督も「ファイティングスピリットが足りない」と、昨季のチーム最多投手を2度も2軍に降格させたほど。今永は「打者に向かっていくような投げっぷりでいこうという気持ちが、無四球という結果につながった」と気迫の投球でチームは連敗を3でストップ。節目の100試合目を勝利で飾った。

◆阪神北條が最終打席で安打を放ち、19試合連続出塁とした。  8回、代わったばかりのエスコバーから中前に鋭くはじき返す適時打。「3打席、今永さんにやられていた。切り替えて最後に1本出せたのはよかった」と前向き。次の広島戦に向けて「チームとして(最近は)点数が入っているし、あまり意識せず、自分の仕事ができるように頑張る」と平常心を強調した。

◆プロ初勝利の夢はDeNA打線に打ち砕かれた。2度目の先発となった阪神のドラフト1位馬場皐輔投手(23)は、2回2/3、4失点でKOされた。  「追い込んでからの勝負球が高く入って、痛打されてしまった。今永投手に四球を出してしまったことが一番の反省点です」  猛省するのは2回だ。1点を返され、なお1死二塁。相手投手の今永を4球連続ボールの四球で歩かせ、傷口を拡大。2死満塁で迎えた石川には、ファウルで粘られた末の12球目が外れ、押し出し四球で同点に。制球ミスと1軍打者のしぶとさに屈し、リズムを作れなかった。  3回は2死から、ソトに高めに浮いたスライダーを左翼席に運ばれ勝ち越し点を献上。さらに下位打線の3連打で4点目を与え、タオルが投げ込まれた。  金本監督は次回登板について「まあ、ちょっと今の状態では無理でしょうね。何か光るものがあれば良かったんでしょうけど、今日は見えなかったからね」と話し、登録抹消が決定。背番号18は「今日打たれたことから学んで、勉強していかないといけない。コースを突けるように、つめていきたい」と懸命に前を向いた。苦い経験を飛躍の糧にする。【吉見元太】

◆阪神の連勝は3でストップし、4位に転落した。相性抜群のDeNA戦での完敗は痛いが、悲観することはない。4番糸井嘉男外野手(37)、3番福留孝介外野手(41)がアベック弾で虎党を沸かせた。明日14日からの首位広島戦(京セラドーム大阪)、その後も続くCS争いに向け、ベテランの好調ぶりが頼もしい。  大敗のなかで、アベック弾が輝いた。糸井と福留が、昨季8月23日ヤクルト戦以来、通算3度目のアーチ競演。チームは敗れて4連勝を逃し、4位に転落も、ベテランは元気いっぱいだ。  読みと技、執念が光った。先取点を奪ったのは4番糸井の1発だった。1回2死から福留が内野安打で出塁。「孝介さんが走って出塁してくれた。つなぐ意識で入った」。1ストライクからの2球目。144キロをとらえた。右翼へ14号2ラン。本塁打を打てば負けない"不敗神話"は引き分けを挟んだ8連勝で止まったが、体は万全でなくてもバットが止まる気配はない。  主将の福留は諦めない。先発馬場が打ち込まれ、2点を追う4回。初球はセーフティーバントの構えで揺さぶった。カウント1-1から、3球続いたスライダーをとらえた。右翼スタンド上段に運ぶ1発に「状態としては甘い球を1球で仕留められている」。8回にも安打を放ちチーム唯一の3安打。それでも自身の結果ではなく「(諦めない)姿勢は見せているけど、それだけじゃなくて。やっぱり勝ちにこだわらないと」とチームを見渡した。  8月の月間打率は糸井が4割6分2厘で、福留は4割8分をマーク。福留は今季の通算打率も2割9分2厘まで上げ、過去4人(5度)しかいない41歳以上で打率3割を視界にとらえた。金本監督も「いい具合に休養を作ってあげれば必ず数字を残してくれる選手なんでね。こっちは休ませ時が難しいけどね」。明日14日からは首位広島との3連戦が待つ。指揮官と糸井が「頑張ります」と意気込めば、福留も「出来ることを1つずつでもやるしかないでしょう」とうなずいた。暑い夏こそ、ベテランの存在が光る。【池本泰尚】

◆阪神糸原が意地を見せた。  7点を追う8回、2死二塁から中前打を放った。この一打で、終盤まで引っ張られた今永をようやく降板させた。「また来週(14日)からカープとやるので、結果を出せるように頑張ります」と短い言葉に切り替えの気持ちを込めた。

◆阪神ロサリオは最後に意地を見せた。  左腕今永の前に3打席連続空振り三振。沈む変化球にタイミングが合わず苦戦したが、9回は右腕パットンから遊撃内野安打。「最後の打席までは良くなかったけど、1本出たのは良かったと思います」。厳しい表情でチームバスに乗り込んだ。

◆世のおじさんたちが猛暑に参っている夏でも、チームが過酷な長期ロード中でも、このベテラン2人には関係ない。阪神の中軸にドッシリと座る糸井と福留が元気いっぱいにアベックアーチだ。まずは0-0の一回二死。福留が二塁内野安打で出塁すると、糸井がすかさず14号2ランを放った。  「(福留)孝介さんが走って出塁してくれたので、自分も後ろに繋ぐ意識で打席に入りました。きょうはルーキーの馬場が先発なので、先制点を取ることができてよかったです」  立ち上がり。ポンポンと二死を取り、3者凡退で切り抜けようとしていた今永に対し、福留が放ったのはボテボテの二塁前へのゴロ。懸命に走り一塁セーフとなった。そして、打席には糸井。カウント0-1から鮮やかに振り抜くと、高い放物線で右中間席へほうり込んだ。福留の全力疾走に報い、D1位右腕の馬場へと贈る値千金の一発が飛び出した。  この試合までの糸井の8月の成績は打率・478(30打数11安打)、1本塁打、6打点と大変なことになっていた。右腓骨の骨折はまだ完治していないはずなのだが...。  9日の巨人戦(東京ドーム)では同点の八回に天井をかすめる、推定飛距離145メートルの"ブッ飛んだ決勝弾"も放った。チームは前日11日には今季の横浜スタジアムでの戦績を1勝9敗とし、今季初の3カード連続勝ち越しを決めたが、原動力は間違いなく、復活した超人のバットだった。  馬場は三回途中に逆転を許し降板してしまったが、そのまま黙って引き下がる虎ではなかった。直後の四回先頭。初球、セーフティーバントの構えを見せたのは、キャプテンの福留だった。何としても流れを取り戻す、「執念」がにじみ出た。そして、カウント2-1からの4球目を一閃。右翼席中段まで到達する、特大の11号ソロで3-4の1点差に迫った。  糸井と福留、2人のアベックアーチは昨年5月27日のDeNA戦(甲子園)と、同8月23日のヤクルト戦(神宮)以来、今季初で通算3度目だ。過去の2戦はいずれも勝利している。勢いをホンモノとするためにも、何としても同一カード3連勝が欲しかった。頼もしいベテランを先頭に、打ち合いに挑んだ。

◆スタンドインを、呆然(ぼうぜん)と見送るしかなかった。大粒の汗を流し、足早にベンチに引き揚げる。プロ2度目の先発を任された阪神のD1位・馬場だったが、2回2/3を投げ7安打4失点でKO。リーグ屈指のDeNA打線にプロの洗礼を浴びた。  「自分のピッチングが初回からできるように。2回目なので、しっかり試合を作れるように意識したいです」  人生初という横浜のマウンドで、必死に腕を振った。一回は一死から石川に左前打を浴びるもロペス、筒香を打ち取り無失点。安定した立ち上がりをみせたが、2-0の二回だ。先頭の宮崎に中堅フェンス直撃の二塁打。一死後、大和にも左中間へ二塁打で1点を返された。その後も四死球を与えるなど、二死満塁のピンチ。ここでも石川に12球粘られ、押し出し四球を献上した。  前回登板は6月21日のオリックス戦(甲子園)。勝ち星こそつかめなかったが、6回5安打1失点と好投した。同期入団のD2位・高橋遥人投手(亜大)、同5位・谷川昌希投手(九州三菱自動車)はすでに初勝利を挙げた。新人投手3人がルーキーイヤーに初勝利を挙げれば1984年の中西、池田、川原以来34年ぶりの快挙だったが...。  2-2の三回。簡単に2アウトを奪うも、ソトに左中間スタンドへ18号ソロを浴び、逆転を許した。そこからさらに3連打で追加点を献上。なお二死一、三塁のピンチで2番手・岡本にバトンを渡す形となった。  「相手あっての野球なので。とにかく0で抑えることを意識したいです」  初勝利への思いを胸に一生懸命に腕を振ったが...。歓喜の瞬間は次戦以降に持ち越しとなった。悔しさいっぱいの66球を、絶対に忘れない。

◆プロ2戦目に臨んだ阪神のルーキー馬場は全体的に球が上ずり、4失点で三回途中にKOされた。2-2の三回2死走者なしからソトに勝ち越しソロ本塁打を許し、さらに3連打を浴びて降板を告げられた。「まずは自分の投球をして、ゼロに抑えるのを目指したい」と話していたが、不本意な投球でプロ初勝利は持ち越しとなった。  6月21日のデビュー戦以降「失投や防げるミスをなくしていくこと」に重点を置いて2軍で鍛えてきた。しかし2-0の二回には押し出しを含む3四死球を与えるなどして追い付かれ、制球は安定しなかった。

◆DeNAは17安打12得点と打線が爆発し、阪神に大勝。連敗を3で止めた。ネフタリ・ソト外野手(29)が2本塁打を含む3安打3打点の活躍。先発した今永昇太投手(24)が7回2/3を投げ5安打5失点で今季3勝目(6敗)を挙げた。  DeNAは今永、阪神はドラフト1位・馬場(仙台大)が先発した。阪神は一回、二死一塁で糸井が14号2ランを放ち先制した。  DeNAは二回、一死二塁で大和が左越えに適時二塁打を放ち1点をかえした。さらに一死満塁から押し出し四球で同点とした。三回には二死走者なしでソトが18号ソロを放ち勝ち越した。さらに二死一、二塁で嶺井が右前適時打を放ち、4-2とした。  阪神は四回、先頭の福留が11号ソロを放ち、1点差とした。  DeNAは五回、一死満塁から桑原の押し出し四球、石川の左前適時打で6-3とした。六回には筒香、ソトの本塁打で9-3とした。七回にも追加点を挙げた。  阪神は八回に二死二塁から糸原、北條の適時打で2点をかえした。DeNAはその裏、二死二、三塁から嶺井が右前2点打を放って追加点を挙げた。  DeNAは12-5で迎えた九回をパットンが抑え、逃げ切った。

◆DeNAのドラフト2位新人、神里が二回の打席で右足に投球を受け、そのまま退いた。13日に検査を受ける予定だが、試合後にラミレス監督は「走れないので抹消します」と出場選手登録から外すと明言した。神里はここまで15盗塁をマークしていた。 筒香(7月24日以来の23号ソロ) 「インコースのボールにうまく反応して打つことができた」 大和(3年ぶりの4安打) 「(前回は)記憶にないです。無我夢中で必死に食らい付いた」 嶺井(タイムリーを2本) 「みんながつないだチャンス、自分も後ろにつなごうと打席に向かった」 ソト(六回、この日2本塁打目は場外へ) 「1本目より手応えは良かった。チーム全員が勝ちに飢えていた」

◆糸原が意地をみせた。3-10の八回二死二塁、左腕・エスコバーの126キロを中前に運び、二走・中谷が生還。2試合連続の適時打で1点を返した。2勝1敗で今カードを終え、14日からは首位・広島との3連戦(京セラ)となる。チームでただ一人、全試合出場を続ける若虎は「また来週からカープとやるので。結果を出せるように」と表情を引き締めた。

◆先発したルーキー・馬場がプロ初黒星を喫した。6月21日のオリックス戦(甲子園)以来、2度目の登板だったが2回2/3を投げ7安打4失点。3四死球を与えるなど、自慢の安定感は影を潜めた。  「打たれたことを学んで、勉強しないと」  仙台から観戦に訪れた父・恒彦さんは「アウェー感もすごくあったと思う。またチャンスをもらえたら、頑張ってほしい」とエールを送った。

◆クワ~! この1敗はもったいね~!!  ハマスタでのDeNAとの対戦成績は、この試合まで9勝1敗とカモがネギしょって鍋に肩までつかってるみたいだし、しかも一回に糸井の2ランで先制したのに、気が付けば5-12の大敗。しかも二-七回の安打は福留のホームラン1本だけって、何があったんじゃー?! 浮かれて鍋ひっくり返してアッチッチ~になっちまったよ~!! てか、やっと勢いが出てきて借金3まできたんだから、ルーキーの馬場じゃなくて勝負をかけて藤浪をぶち込んで大波に乗ってほしかったよー!!  そーいえば7日付『週刊エモト!』で、江本さんが「六甲おろしは冬に吹きつける風。夏には似合わんから、ダンカンに阪神の新曲の作詞をさせろー!!」といっていました。ムフフ...作っていますよ、新応援歌!!  中日の「燃えよドラゴンズ」ふうに、♪1番糸原が塁に出て~2番北條がヒットエンドラン、3番福留が...いや休養日もあるし、3番ナバーロが...いやいや左投手だと3番ロサリオが...。打順が固定されていないから、作詞できへ~ん!!

◆夏男・糸井にエンジンがかかってきた。一回二死一塁で、今永から右中間へ14号2ラン。広報を通じ「ルーキーの馬場が先発なので、先制点を取ることができてよかった」とコメント。8月の本塁打は2本目で、月間打率・462(26打数12安打)。3時間41分の試合を終え「疲れた、しんど...」と疲れ切った表情で、帰りのバスへと乗り込んだ。

◆お釈迦様は『遊行』(ゆぎょう)ということをとても大切だと教えられたそうです。  え、もちろん私めもスキですよ「遊行」は...いえ有馬温泉にでもコソコソッといく"怪しい湯行"では断じてございません。自動車のハンドルに遊びがなかったら大変でしょ。だからお釈迦様は人生にもゆとりが必要だとおっしゃる。  「遊戯」(ゆげ)ともいいます。要するに何事も「遊び戯れるかのように修行しなさい」ということで、ものすごい形相で...というのは修行ではないそうです。多分、心に少し余裕を持ちなさいということ。  いきなり何を言い出すんだ...と思われるかもしれませんが、せっかく6月21日のオリックス戦(甲子園)にプロ初先発をしたD1位ルーキー馬場皐輔投手(仙台大)があの時は六回まで1失点と好投したのに...逆にこの夜はなぜかカチンコチン。暑さもあり真っ赤っかの表情の馬場投手ははじめから思い詰めた顔でストライクが入らない...。  この日の甲子園。13-11で決着した延長十三回、済美-星稜の激戦を見ましたか? 済美のナインも星稜の選手も足がつったりして、多くの選手があちこちキズだらけで、いってみればマトモにプレーはできないぐらいでした。それでも彼らはあこがれの甲子園で野球がやれるという喜びでニコニコしてた。へぇ今時の高校生はこんな時でも白い歯をみせるんだ...と私めは編集局の窓際で"妙な感心"ばかりでした。それが延長十三回に...まず表に星稜2点。もう済美は万事休す...だが彼らはこの激戦を山口直投手が踏ん張り184球を一人で投げ抜いたのを全員がニコニコしながらその労をねぎらっているじゃないですか。  そして...その裏、済美は矢野君が逆転サヨナラ満塁本塁打!  両校ともよく戦った。粘った。あきらめなかった。何よりもアチコチ痛いのにみんなが笑顔...。わざわざ横浜から編集委員上田雅昭が電話をくれて「見ました。いまの高校生は我々よりズッと余裕がありますヮ。大したもんや...」。まったく同感だ。まさに"遊戯の如く(ゆげ=心に余裕を持ちながら)修行する"とはこのことなのでありましょう。なんとなく我々おじさん族が若者たちに教えられたのであります。そやからこれからは文句もいわんとシコシコ働こうや...と思わず横浜の記者席と大阪・難波の編集局とで我々は神妙に納得? したりしたのです。  そして...横浜はいきなり糸井選手の先制2ランだ。ほら見てみ、謙虚になるとエエことあるやん...そうですな...とまた電話をかけた(電話代がもったいないヮ...)。  と、そこに当番デスク席から大澤謙一郎がやってきて「先輩、今日は何が起きたか覚えてますか?」という。ン、そら古手のトラ番は絶対忘れられん日や...。  1985(昭和60)年の8月12日、当時の中埜肇球団社長(阪神電鉄専務)が本社用務で東京出張の帰りに飛行機で御巣鷹山で遭難...乗員乗客520人とともに犠牲になられた日です。  霊前に駆けつけた吉田義男監督(当時)は涙ながらに「必ず優勝します」と誓ったのです。そこからの快進撃...日本一への列島大フィーバーの始まった日でした。  ああ、その日に阪神自慢の投手陣がダッチロール...。今夜は一人シミジミと...なぁ酒よ...という心境でした。

◆4番・筒香が7月24日の中日戦(浜松)以来、15試合、62打席ぶりの本塁打となる23号ソロを放った。先頭で迎えた6-3の六回、岩崎の内角直球を仕留め、右翼席上段に123メートル弾を運んだ。「うまく反応できた」。日曜日の試合は18戦で11本塁打、26打点。"サンデー筒香"に、ラミレス監督は「一本出て、彼自身も勢いに乗っていけるのではないか」と期待を寄せた。

◆  ――馬場は投手への四球などもったいなかった  金本監督 「う~ん、詰め...詰めよな」  ――下位打線に打たれすぎ  「下位打線にほとんど打たれたんじゃない? 3安打、4安打...。投手にも2安打。ちょっと...ほとんど下位打線にやられたよな」  ――押し出しも2つ  「そりゃ、点が入るわな。あれだけ下位打線に打たれたら」  ――先制できたことがプレッシャーになったのか  「どうだろうね。経験が少ないから力みになったんかもわからんしね」  ――馬場は状態というよりも  「スピードもそんなに...やったなぁ。コントロールも変化球も浮いていたしね。せっかく追い込んだのに高く入るというのはもったいないわね」  ――14日から京セラに帰って広島戦  「そうですね。頑張っていきます」

◆DeNAは12日、阪神17回戦(横浜)に12-5で大勝。ネフタリ・ソト内野手(29)が六回に左中間場外へ19号2ランを放つなど、2本塁打を含む4安打3打点と大活躍した。  「誰かに当たっていないか、車に当たっていないか心配ですが良かった」。4点リードの六回無死一塁で、前日3球三振を喫した岩崎の高めの直球を狙いすまし、打球速度174キロのソト(外)まで飛び出す140メートル弾を放った。  ソトの場外弾は7月9日の中日戦以来で、シーズン2本目。今季は開幕前日の故障で出遅れたが、出場64試合で19本塁打は143試合換算で年間42本塁打ペースと量産している。  チームは対阪神の連敗を4で止め、試合前まで1勝9敗だった本拠地で久々に勝った。「全員が勝ちに飢えていたので良かった」とソト。年俸3500万円と"お値段以上"の助っ人の力を借りて、残り43試合で上昇カーブを描く。 (佐藤春佳) 今季最長の7回2/3を投げて7月5日以来の3勝目を挙げたDeNA・今永  「野手に助けてもらった。次はピシャッとしてチームに流れを持ってくる」

◆追い上げただけじゃアカン!! 阪神は投手陣がDeNAに打ち込まれて、4連勝に失敗。広島が敗れたのに、4位に後退した。中盤追い上げたが、11号ソロを放った主将の福留孝介外野手(41)は「勝ちにつなげないと...」とナインに喝。14日からは京セラに戻って首位広島との3連戦。絶対マジック点灯阻止、絶対3連勝や!!  セーフティーバントの構えを見せてまで、何とかしようとした。食らいつくとは、執念とはこういうことだと、福留は背中でナインに示し続けた。出場2戦連続の11号ソロを含む3安打を放つも、大敗だ。終盤に追い上げたとはいっても、キャプテンにとっては何の慰めにもならなかった。  「最後にそういう姿勢を見せるだけじゃなくて勝ちにつなげないと」  前日11日は休養を与えられ、3連勝をベンチから見守った。2戦ぶりに「3番・左翼」で先発出場。試合序盤から、チームを今季2度目の4連勝へと引っ張る気概に満ちあふれていた。7点ビハインドから、八回の反撃では5点差なおも二死満塁まで追い上げたが、追いつけなかったことが、ただただ悔しかった。  いきなり、全力疾走でチームを目覚めさせていた。一回二死。三者凡退で立ち上がろうとしていた今永から、ボテボテの二塁へのゴロを放つも懸命に走って二塁内野安打。直後に糸井の先制14号2ランが飛び出した。  ルーキー馬場が逆転を許し、2-4とされた直後の四回先頭では、初球でセーフティーバントの構え。揺さぶり、何としても出塁しようという意志を敵味方に見せつけると、カウント2-1からの133キロを振り切り、右翼席中段まで運び去った。「自分の状態としては、甘い球を一発で仕留められている」と振り返る完璧な一撃。カード初戦での一発に続き、出場2戦連発での11号弾、同5戦連続打点となった。  5-10の八回二死一塁でも食らいつき、この日2本目の二塁内野安打。逆境でもたくましく、シーズン6度目の猛打賞となった。これで8月は打率・480(25打数12安打)、3本塁打、7打点。真夏でも、長期ロードでもたくましくチームを率いる背番号8に、金本監督も「・480!? すごいな。そんな打ってるんだ。いい具合に休養を作ってあげれば、昨年からずっといっているけど数字は残す選手だからね」と、全幅の信頼を寄せる。  14日からはいよいよ、首位広島を京セラに迎えての3連戦が待つ。1戦でも引き分けた時点で、広島の優勝へのマジックナンバーが点灯する。  4連勝を逃しても、下を向いてはいられない。福留も「自分のできることを1つずつやっていくしかないでしょう」と真っすぐ前を見つめる。勝ち続けなくてはならない。打ち続け、燃え続けている主将を中心に。 (長友孝輔)

◆狭い横浜スタジアムを喜んでいる場合じゃなかった。返り討ちにあった。まさに、サンドバッグ状態にやられた。しかも、下位打線に...。4連勝を逃した金本監督はさすがにぶ然とした表情だった。  「下位打線にほとんど打たれたんじゃない? 3安打、4安打...。投手にも2安打。ちょっと...ほとんど下位打線にやられたよな。そりゃ、点が入るわな。あれだけ下位打線に打たれたら」  投手陣が今季ワーストの17安打も許し、12失点。中でもプロ2度目の先発を託したD1位・馬場皐輔投手(仙台大)は2点の援護をもらったが、二回に7番・大和に適時打を浴び、投手の今永への四球などでピンチを広げ、二死満塁から石川への押し出し四球で追いつかれると、三回には6番・ソトにソロを献上し、さらに今永にも安打を浴びた。2回2/3を7安打4失点でKOされた。馬場の今後について問われた指揮官は「無理でしょうね、今の状態では。何か光るものがあればよかったけど、見えなかったからね」と即2軍落ちを決めた。  2番手以降も含めて投手の今永に2安打を許すなど、7~9番打者に8安打を許した。押し出し四球も2つ(石川、桑原)与えては、もう手の施しようがない。  チーム防御率は4点台に突入した。14日からはいよいよ強打の広島と激突。鯉のマジック点灯をかけての戦いになる。もう、抑えるしかない。何より、抑えるべきところを抑えるというセオリーを守らなければ勝ちは逃げていく。  4位後退の金本監督は「頑張っていきます」と前を向き、球場を後にした。踏ん張りどきがやってきた。 (阿部祐亮) 馬場について阪神・香田投手コーチ 「低めに投げてゴロを打たせるのが馬場の持ち味。それができなかったということは、悪かったということでしょう。投手への四球は一番いけないこと。大いに反省してもらいたいですね」

◆先発したルーキー馬場も、リリーフ陣も、強力なDeNA打線の中軸に打たれるのは仕方ないが、下位打線には打たれすぎ。なぜ、こんなメッタ打ちになったか? 要因の1つに坂本のリードがある。  おそらく2軍で馬場とコンビを組んできたことが先発起用の理由だろうが、全体的にストライクゾーンの厳しいコースを要求しすぎだった。際どいところばかりに構えられると、投手はどうしても狙いすぎて窮屈な投球になってしまう。結果、馬場が与えた投手・今永へのストレート四球や、真ん中に集まって痛打されたシーンは、窮屈なリードゆえの結果だ。  力のある投手なら、このリードでもいいが、若い投手や、普段は勝ちパターンで投げない投手は、苦しい投球に追い込まれてしまった。惜しまれる。  ただ、2度目の先発だった馬場はそれ以前に、投げることで精いっぱいだった。1つ1つの球種は決して悪くない。将来性も感じた。ただ、こう打ち取ってやろう、こう追い込んでやろう、という意図が伝わって来なかった。どの球種で勝負して、どの球種をカウント球にするのか、最後まで決められなかったのか、絞り込む余裕がなかったのか。中途半端でメリハリがない投球になってしまった。  いい反省材料ができたとプラスに考えて、出直してもらいたい。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
593820.608
(↓0.007)
0
(-)
44510
(+4)
433
(+8)
129
(+3)
57
(-)
0.266
(-)
4.02
(↓0.04)
2
(-)
巨人
515320.49
(↑0.005)
11.5
(↑1)
37469
(+8)
428
(+4)
105
(+2)
49
(+1)
0.259
(↑0.001)
3.86
(-)
3
(↑1)
ヤクルト
475010.485
(↑0.006)
12
(↑1)
45448
(+3)
473
(+1)
95
(+1)
54
(-)
0.266
(-)
4.38
(↑0.03)
4
(↓1)
阪神
454910.479
(↓0.005)
12.5
(-)
48378
(+5)
422
(+12)
60
(+2)
46
(-)
0.247
(-)
4
(↓0.08)
5
(-)
DeNA
445420.449
(↑0.006)
15.5
(↑1)
43394
(+12)
460
(+5)
117
(+3)
59
(+2)
0.249
(↑0.002)
4.25
(-)
6
(-)
中日
455810.437
(↓0.004)
17
(-)
39422
(+1)
469
(+3)
65
(-)
49
(-)
0.261
(↓0.001)
4.34
(↑0.03)