◆ロッテは両軍無得点のまま迎えた7回表、中村の内野ゴロの間に先制する。その後は同点を許すも、延長10回に田村の犠飛で勝ち越しに成功した。2番手・松永が今季2勝目。敗れた楽天は、打線が5安打1得点と振るわず、9回途中1失点と好投した塩見を援護できなかった。

◆ロッテが両軍６度のリクエスト合戦を制し、連敗を４で止めた。１点リードの延長１０回裏、無死一塁から益田がけん制で走者を刺した。相手が要求したリプレー検証でもアウト判定は変わらず、井口監督は「リプレーがほとんどうちに向いていた。こういう流れをものにしないと勝てない」と口もなめらかだった。益田は「毎日、直さん（清水投手コーチ）から言われて練習している。大事な場面で成果が出た」と喜んだ。 　ここ５戦で４７失点の投手陣が踏ん張った。先発の二木は８回１失点で、救援陣も無失点リレー。益田は「こういう試合を勝てたのは大きい。現状を打破するのは自分たち選手しかないですから」。連敗を脱し、価値ある１勝を挙げた。

◆ロッテの伊志嶺が７月１８日以来の１番で先発出場し、得点を挙げた。０－０の七回に先頭打者で塩見の外角低めの球を右翼線への二塁打とした。犠打で三塁に進み、中村の一ゴロで俊足を生かして生還した。 　開幕から不動のリードオフマンだった荻野が骨折で離脱し、代役が定まらない中で井口監督から「左投手との対戦打率がいい」と塩見対策で抜てきされた。７月１０日に１軍に昇格してから「うまく投手とのタイミングが取れている」という打撃で起用に応えた。

◆楽天はミスが響き、連勝が３で止まった。守備では１－１の延長十回１死一塁で遊撃手茂木がゴロを後逸。併殺を狙って前進し、バウンドを合わせられずに１死一、三塁とされて犠飛での勝ち越しにつなげられ「結果的に考えれば、しっかり捕ってアウト１個で良かった」と悔やんだ。 　その裏の攻撃では無死一塁で代走の島井がけん制死し、反撃できなかった。平石監督代行は「勝負をかけた結果なので。悔しいけど、しっかり切り替えたい」と前を向いた。 塩見（８回２／３を１失点） 「回を追うごとに修正できた。できれば（九回を）投げきりたかったけど、仕方ない」 銀次（七回に適時打） 「しっかりスイングできた。先制された後だったので、チャンスでかえせて良かった」

◆楽天のウィーラーが左手人さし指の剥離骨折から復帰し、２安打をマークした。二回２死無走者で二木の外角速球をコースに逆らわずにはじき返して右翼線への二塁打とし、延長十回にも中前打を放った。 　６月１５日以来の出場だったが「前に１軍にいた時より、むしろ感覚はいい」と言う。それでもチームが敗れ「プレーできて２本打てたのは良かったが、勝ちに貢献できなかったのは残念」と悔しがった。

◆ロッテは延長戦で辛くも白星をつかみ、連敗を４で止めた。連敗中は守備のミスや救援陣の崩壊と悪循環に陥っていただけに井口監督は「自分たちで断ち切るしかなかった。良かった」と安堵した。 　七回に先制しながら、その裏に招いた無死二、三塁のピンチ。銀次に右前適時打を打たれたが、平沢が好返球で二塁走者の生還を阻止して逆転は許さなかった。１点をリードした延長十回は益田が先頭打者に安打を浴びたが、代走の島井をけん制で刺した。全員が勝利への執念を見せ、井口監督は「気合が入っていた」と評価した。 二木（８回１失点） 「序盤から飛ばし、球数が１００球いかないくらいで上ずった。まだまだ」 益田（十回を抑え２セーブ目） 「連敗中も野手は頑張っていて、投手がやられていた。全部勝ってもおかしくなかったから打破したかった」

◆連敗が４でストップ。田村が延長十回に決勝の右犠飛を放った。守っては先発・二木を８回１失点と好リードも「試合には勝ったけど、二木が勝てなかったのが一番悔しい」と肩を落とした。井口監督は、両軍合わせてリプレー検証が６度の接戦をものにし、「微妙な流れを利用できた」と振り返った。