1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 |
0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 10 | 2 |
ヤクルト |
0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | 3 | × | 8 | 12 | 0 |
勝利投手:カラシティー(6勝0敗3S) 敗戦投手:小野 泰己(4勝3敗0S) |
◆ヤクルトは1点を追う4回裏、西浦の適時打で同点とする。続く5回に、カラシティーのソロで勝ち越しに成功すると、6回には西浦が再び適時打を放ち、2点を追加した。投げては、先発・カラシティーが6回2失点の好投で今季6勝目。敗れた阪神は、投打ともに精彩を欠いた。
◆ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手が、技ありの1発を決めた。 0-0の2回先頭、阪神小野が初球に投じた低めのスライダーを強振せずに拾い上げ、左翼席へ運んだ。 この時点では、セ・リーグの本塁打争いで単独トップに立つ24号先制ソロを「低めの球でしたが、うまく拾うことができたと思う。本塁打になって良かった」と振り返った。
◆阪神福留孝介外野手が同点適時打を放ち、2試合連続打点をマークした。 0-1の3回無死一、三塁。ヤクルト先発カラシティーの外角低めのフォークを左前に流し打った。 「追い込まれていたので、なんとか前に飛ばして最低限、同点にと思っていました。先制された後で、すぐに追いつくことができて良かったです」とコメントした。
◆阪神小野泰己投手は痛恨被弾で、3敗目を喫した。 2回にバレンティンのソロで先制されたがチームは3回に逆転。だが、4回に自らの失策絡みで同点にされ、5回にはヤクルト先発投手のカラシティーに勝ち越しソロを浴びた。5回4安打3失点で、リードを許したまま降板した。 「先制されてしまった直後に味方に逆転してもらい、なんとか自分の投球リズムを立て直そうと粘りの投球を心掛けましたが、4回、5回と続けて失点してしまい、先発の役割を果たすことができませんでした」 試合前までヤクルトには通算3勝0敗だったが、相性の良さを発揮できなかった。
◆阪神は完敗で首位広島に今季最大の12ゲーム差をつけられた。 1点を追う3回に3連打から2得点で逆転したが、4回以降はゼロ行進。チーム10安打で2得点に終わり、金本知憲監督は「あと1本やね、やっぱり。ヒットは出ているけど、チャンスでの1本というのが遠い」と嘆いた。
◆右足腓骨(ひこつ)骨折が完治していない阪神糸井嘉男外野手が2試合ぶりにスタメン復帰を果たした。 前日26日広島戦(甲子園)は大事を取って欠場。試合前練習は屋外に姿を見せず、室内練習場で調整した。ベンチ入りしたが、出場機会はなく、試合後、クラブハウスに引き揚げていた。 この日は5回に遊安打を放って、一塁ベースへ激走。痛みがある中での出場でも、勝利への執念を体現してみせた。フル出場したが敗戦後に「激痛や」と語って、球場を後にした。
◆敗戦の中、阪神福留孝介外野手が2安打1打点と気を吐いた。 0-1の3回無死一、三塁。ヤクルト先発カラシティーの外角低めのフォークを左前に流し打つ、技ありの同点打で2試合連続打点をマーク。5回にも中前打を放った。 同点適時打には「後ろにつなごうと思っていた」と振り返り、5位に低迷するチーム状況には「全員でやっていかないと。そう簡単に物事が変わるわけじゃない」とナイン一丸での逆襲を期した。好調な主将が、背中で引っ張る。
◆1軍に初昇格したヤクルトの新外国人ジェイソン・ウルキデス投手が、1軍デビューを飾った。 4番手で登板し1安打無失点。阪神福留を見逃し三振に仕留めるなど、コーナーを丁寧についた。「初めての登板だったけど、感触よく投げられた。ファンは素晴らしかった。変な緊張もなかった。マウンドは"家"みたいなもの。監督が必要としてくれるなら、いつでも準備して勝利に貢献していきたい」と話した。
◆ヤクルトが今季2度目の7連勝で、勝率を5割に戻した。バレンティンと山田哲がそれぞれ24号ソロを決めるなど、効果的に得点を重ねた。投げては先発カラシティーが6回2失点で開幕6連勝を飾り、打っても5回に1号ソロと投打で勝利に貢献した。 小川淳司監督は「カラシティーは本当によく粘った。本塁打はできすぎだけど、価値ある本塁打だった。(勝率5割)前回はそこから連敗が始まった。プラスに転じていければ」と振り返った。
◆セ・リーグの本塁打キングを争うヤクルトの「バレ・ヤマ」砲にアベックアーチが飛びだし今季2度目の7連勝を決めた。まずはウラディミール・バレンティン外野手(34)が2回に24号先制ソロで単独トップに立つと、8回には山田哲人内野手(26)が24号ソロで再び並んだ。連勝中は合計9発18打点と絶好調の2人が、チームを6月29日以来の勝率5割に導いた。 本塁打王を争う千両役者2人の放物線に、神宮のヤクルトファンが総立ちになった。2回にバレンティンが阪神小野の低めのスライダーを左翼席へ。「うまく拾うことができた」と自画自賛の1発で、本塁打争いの単独トップに浮上。そこから6イニング後の8回、山田哲が「フルスイングしていこうと思っていた」とダメ押しの24号ソロを決めて再び肩を並べた。 体格もプレースタイルも全く違う2人。だが、目指すべきところは「勝利至上主義」で一致している。 バレンティンは「2人とも本塁打を打つことで、勝つチャンスが増える。多くの本塁打を打つことは光栄だけど、争っている気持ちは一切ないよ」と、最強タッグでの白星量産しか頭にない。山田哲も「ココ(バレンティン)と争うとか全然思わない。みんなで打ってチームが勝てればいい」とうなずいた。7連勝中はバレンティンが3本塁打で8打点を稼げば、山田哲も6発で10打点。両者の競演で今季2度目の7連勝にたどり着き、小川監督も「2人が機能すると得点が良い形で入る」と目を細めた。 2人がど真ん中に座る打線に投手陣の熱投が絡み合い、約1カ月ぶりに借金を完済した。前回の勝率5割達成後は8連敗を喫し、上昇気流に乗り損ねた。山田哲が「これから貯金を増やしていければ」と言えば、バレンティンも「みんながいい野球をしている。目標は広島に追いつくこと」。今度こそ、つかんだ勢いは手放さない。【浜本卓也】
◆夏恒例の長期ロード初戦、金本阪神がヤクルトに完敗した。右足腓骨(ひこつ)骨折が癒えていない糸井嘉男外野手(36)が2試合ぶりに4番でスタメン復帰したものの、5番ウィリン・ロサリオ内野手(29)が大ブレーキ...。序盤のチャンスでヤクルト・カラシティーを崩せなかった。首位広島とは今季最大の12ゲーム差となり、今日28日にも自力Vの可能性が消滅する。 阪神は投打の歯車がかみ合わず、痛恨の黒星を喫した。敗戦直後、ロサリオが神宮の三塁側フェンス沿いを歩くと虎党の痛烈な罵声を浴びる。「打てや、打てや、コラッ!!」。またも「右腕アレルギー」を露呈してしまった。1回2死一、二塁の先制機。ヤクルト先発カラシティーの外角カットボールに当てるのが精いっぱい。ボテボテの一ゴロに倒れてしまった。 ポイントゲッターになるはずが機能しない。3回は同点に追いつき、なお無死満塁の場面で打席に入った。しかし、外角カットボールを引っ掛けたゴロは遊撃正面へ。勝ち越しの打点こそ挙げたが、一気に攻め落としたい場面で気合が空回りした。R砲も「タイミングが遅いと思ったので後の打席はそのへんを修正しようと思った」と振り返る。5回2死一、二塁も三ゴロ。3度の得点圏で凡退し、主軸の役割を果たせなかった。 後半戦のキーマンとして期待されていた。21、22日のDeNA戦で左腕から3本塁打を放ち、量産モードに入っていた。それでも金本監督は「右投手のスライダー系」を課題に挙げており、懸念は的中。指揮官も「それに、やっぱり意識が強い。だから、真っすぐにも差し込まれているし。まだ迷いがあるのかな」と首をかしげた。7月中旬の1軍再昇格後、右投手に14打数2安打。現在は11打数連続無安打中で、打率1割4分3厘と沈む。 金本監督は「あと1本やね、やっぱり。ヒットは出ているけどチャンスでの1本が遠い」と嘆く。長期ロード初戦を落として連敗。首位広島と12ゲーム差に広がり、今季最多タイの借金7。今日28日にも自力優勝の可能性が消滅する危機を迎えた。【酒井俊作】
◆阪神糸原がマルチ安打をマークし、敗戦の中で気を吐いた。 6点を追う9回には先頭で中前打を放った。「集中力を切らさずに打てたので、また明日につながると思います」。これで打率を2割9分2厘まで上昇。1番に定着しているガッツマンが、虎を引っ張っている。
◆阪神北條が2安打を放ち、好調を維持した。 1、2打席目で連続ヒットを放ったが「後の打席でダメだったので、まだまだかなと思います」と反省を口にした。これで8試合連続安打と状態は良好。7月の月間打率は4割を超えるなど、夏男ぶりを発揮している。
◆6連勝中のヤクルトは二回、先頭のバレンティンが、阪神の先発・小野の低めの変化球を左翼席に運ぶ24号ソロで先制した。バレンティンは「打ったのはスライダー、低めの球でしたが上手く拾うことができたと思う。ホームランになって良かった」とコメントした。
◆同僚の山田哲らとセ・リーグ本塁打王を争うヤクルトのバレンティンが二回に先制の24号ソロを放った。 先頭のこの回、阪神の小野が投じた初球の低めのスライダーに対し、体を沈み込ませながら捉えて左翼席へ運んだ。「低めの球だったが、うまく拾うことができた。ホームランになって良かった」と納得の一打を振り返った。5年ぶりの本塁打王に加えて初の打点王も視界に入っている。夏場に入り、調子を上げている4番打者がこの日も快音を響かせた。
◆ヤクルトが今季2度目の7連勝で勝率5割に復帰。先発のカラシティーは6回を8安打2失点で無傷の6勝目を挙げた。2-2の五回には来日1号の決勝ソロで自らを援護。阪神は好機であと1本が出ず2連敗となった。 ヤクルトは二回、先頭のバレンティンが阪神の先発・小野の低めの変化球を左翼席に運ぶ24号ソロで先制。阪神は三回、先頭の糸原が右中間二塁打、北條も中前打を放ち無死一、三塁とすると、福留が三遊間を破る適時打を放ち同点に追いついた。さらに糸井が四球を選んで満塁とすると、ロサリオの遊ゴロの間に北條が生還し勝ち越した。 ヤクルトは四回、二死一、三塁とすると、西浦が遊撃後方に落ちる適時打を放ち、2-2の同点に。五回には先頭のカラシティーが左翼席に飛び込む1号ソロを放ち3-2と勝ち越しに成功した。 六回には阪神の2番手・望月を攻め、一死一、二塁で西浦がフェンス直撃の中越え2点二塁打。八回には山田哲の24号ソロなどで3点を奪った。
◆阪神は計10安打を放ちながら三回の2得点にとどまり、今季ワーストに並ぶ借金7。金本監督は「ヒットは出ているけど、好機での一本がちょっと遠い」と嘆いた。 勝ち越しを許した直後の六回無死一、二塁の好機から原口、代打鳥谷が凡退。糸原が四球を選び、満塁としたが、続く北條が一飛に倒れた。その裏に2番手の望月が2失点し、八回に登板した桑原は3点を追加され、勝機は大きく遠のいた。投打がかみ合わず、28日にも自力優勝の可能性が消滅する窮地に追い込まれた。 原口(7月1日以来の先発マスク) 「(盗塁阻止など好守を見せたが)勝ちにつながることが全てなので」 望月(六回に2失点) 「フォークボールの精度が悪い部分があった。練習したい」
◆ヤクルト先発のカラシティーは6回2失点と粘り、無傷の6連勝とした。打っては来日1号の勝ち越しソロ。「負けがないのはいいことだね」と満足げに話した。 2-2の五回に阪神の小野の147キロを捉えて左翼席へ運んだ。「本塁打は高校生だった2009年以来だと思う。自分の投球も楽になった」と笑った。六回は二死満塁のピンチを招いたが、北條を一飛に仕留めて、グラブをたたいた。試合後はご機嫌で「まだまだ勝ちます」と日本語で話した。 小川監督(山田哲とバレンティンに) 「いい状態。機能すると得点がいい形で入る」 西浦(2安打3打点) 「(六回の2点二塁打は)何とかつなぐ気持ちだった。チームは勢いがある。続けていきたい」 ウルキデス(九回を無失点) 「初登板だったが、感じ良く投げることができた」 ヤクルト・田畑投手コーチ(カラシティーに) 「先発陣の中でも安定感は際立っている」
◆ドッテーン!! 俺が企てた「猛虎真夏のロード大逆転構想」が初日からコケてもうたア...。本日より高校野球もあり、阪神は甲子園から25試合離れるのだ。 「地の利」がなく不利...NO!! 今季の阪神は甲子園で16勝25敗1分けと涙、涙の借金9。しかし、他球場だと22勝20敗と貯金まであるのだ。と、いうことはこれから25試合に勝って勝って勝ちまくり~!!の青写真だったのに...グスン!! 大体、ヤクルト7連勝ってありかー!? 阪神なんて球宴明け10試合で白星はわずか3つだってのに!! 大体、山田哲24号、バレンティン24号と2人で48本塁打ってありかー!? 阪神は全員で50本だってのに!! 大体、代打で驚異の5割超えの原口がスタメンでノーヒットってありかー!? 原口が打ってたら先発野手全員安打だったってのに!! 大体、まだ1点ビハインドの六回に2番手が若い望月ってありかー!? ベテランの能見が先でしょー!! 大体...大体...このチームは何十年付き合ってもわからん!! 真夏の俺の夢を見させてくれよー!!
◆何にでも文句をつけたくないが、雨がふればなんの脈絡もない豪雨...。台風12号は太平洋上であちこちにふらふらして...。虎党の皆様とよく似ている? 阪神がスカッと勝つと「もう一軒いこや」となるし情けない負け方をすると「ケッタクソ悪いからもう一軒...」となるし「次の信号が赤やからもう一軒寄ろうか」。どっちみちグダグダになるに決まってるんですヮ。 それにしても台風のクセに千鳥足で東にいくとみせて東京に向かってきて...阪神が東上するのをわざと追いかけてくるのはさては12号は阪神ファンか? そんなにロサリオの打撃が心配かョ。 何をウダウダいうのか? といえば試合前に神宮からかかってくる電話はどいつもこいつも「こっちは涼しいヮ」というものだ。それは台風接近のせいだが、大阪本社の編集局ではそうはいかない。当番デスク堀啓介はしきりに「高校野球」にも目配りをしている。もちろん彼は「もう一軒行こうや」というのではない。神宮の勝敗にも柔軟に対応しているわけだ。 キャップ阿部祐亮は「神宮でも阪神はかなり人気がある。その神宮のファンがスタンドから若虎たちに声援を送ってくれるんです。そしてノックでこの日もタップリと汗をかいた金本監督にも『兄貴ッ! かっこいいョッ』と黄色い声が飛んでました。金本監督はまんざらでもなさそうな顔で『俺の親類が来てるんじゃないぞ...ウフ』と苦笑していました」とのこと。もっとも神宮の場合はベンチから試合後にバスまで引き揚げる時は三塁側の阪神ファンの前を負けるとトボトボと歩くことになる。ベランめぇ口調でけちょんけちょんにけなされたら...なかなか"辛い"のである。 編集委員上田雅昭は移動の新幹線に乗ると、車両の最後尾で隣は中年女性。その車両はそれ以外は団体客のおばさんツアーの一団だ。その団体が品川でドドッと降りて上田はガラガラの車両の最後尾に中年女性とふたりだけで密着しているような形になってあわてた...コレって東京駅までとはいえ妙な光景だ。「なんかチグハグなんや...。神宮の試合もチグハグでなければエエけど...」と妙な心配もしてたが。 その神宮はヤクルトのキャンプ地沖縄・浦添から踊り子の一団が登場してきて試合前に『浦添デー』の派手なセレモニーだ。沖縄・那覇出身の新里は「ちょっと懐かしかった...僕らも子どもの時はみんな踊らされましたから...。ま、若虎の『猛攻音頭』を期待しておいてください」といってきたけど...。 金本監督は打線好調のヤクルトにあえてオフェンス(攻撃)主体の打線を組み"中央突破"を挑んだ。そのオーダーは金本監督の先発・小野への強い信頼だが...粘着質の攻めが上手いヤクルトに5回で78球3失点。六回には望月が連打で2失点...ジリジリと追い詰められた。その時、東京ドームで巨人山口俊が中日にノーヒット・ノーラン達成。 実は1979年のこの7月27日に、甲子園で巨人相手に江川との交換トレードで阪神1年目の小林繁は中畑の1安打のみで、ノーヒット・ノーラン寸前という快投で巨人に6連勝...真夏に鬼気せまる小林繁は当時27歳だった...。小林繁の男の意地に万感の想い...若虎たちにそれを望むのは無理なのか...。
◆先発したカラシティーが、6回8安打2失点の粘投で開幕から無傷の6連勝。球団では2015年の山中以来、3年ぶりの記録となった。「先制点を与えなかったのがよかった。チームに勝利をもたらすことができてうれしい」と笑顔。五回には来日初本塁打となる決勝弾を放ち「直球一本にしぼっていた。いいコンタクトができた」と"二刀流"の活躍で7連勝に貢献した。
◆ --中盤に点が取れれば... 金本監督「どうかな。ま、あと1本やね、やっぱ。ヒットは出ているけど、チャンスでの1本が遠いですな」 --ロサリオは右投手の外角に逃げる球に苦戦する 「それの意識が強いよな。だから真っすぐにも差し込まれているし、迷いがあるのかな」 --小野は投手に被弾 「(ストライクを)取りに行ったようなところがあるわな、四球を出しちゃいけないところがあって」 --投打がかみ合わない 「そうやね。ま、きょうの場合はちょっとアレやけど、勝ちパターンの投手を何人かつぎこんだけどね、それでも点が取れないわけですから」
◆原口は1日のヤクルト戦(神宮)以来、今季9度目のスタメンマスク。一回一死一塁では青木の盗塁を刺し(三振併殺)、六回一死一、三塁ではけん制で三走をアウトにするなど存在感を発揮した。しかし「勝ちにつながることがすべてなので、悔しいです」。代打では打率・517も、この日は4打席で無安打。「そういうのも求められているのは、分かっているので」と厳しい表情だった。
◆前日26日の広島戦(甲子園)を欠場した糸井は「4番・右翼」で先発復帰。五回二死一塁で遊撃内野安打を放ち12打席ぶり安打も、得点にはつながらなかった。6月30日のヤクルト戦(神宮)で死球を受け、完治していない右腓骨骨折については「激痛や」と一言。痛みの程度を「それは言えない」と言い残し、球場を後にした。
◆ナバーロはカラシティーの前に沈黙。「いいピッチングをされました」と悔しさをにじませた。三回、2点を奪って逆転し、なおも一死一、三塁の好機では遊ゴロ併殺に倒れた。1安打は放ったが「ああいうところ(三回)で仕事をするのが自分の役目なのですが、きょうはそれができませんでした。また次に向けてやっていきます」と前を向いた。
◆勝利への執念をバットに込めて、福留が逆風に立ち向かった。この日チーム唯一となる適時打を含む2安打1打点。最後までファイティングポーズをとり続けた。 「全員でやっていかないと。そう簡単には物事は変わるわけじゃない」 三回に糸原、北條の連打で無死一、三塁。打席の主将は「(同点適時打は)後ろにつないでと思っていた」と外角変化球に体勢を崩しながら食らいつき、しぶとく三遊間を破って左前への同点打を放った。 一回は一死一塁から四球、五回の第3打席は二死から中前打とチャンスメークにも苦心した。「みんな後ろにつなぐ気持ちを持っているわけですから」と最後まで強調したのは打線全体のチームバッティングの重要性。2試合連続複数安打と好調の福留を中心に、たすきをつないで勝利を目指す。 (新里公章)
◆不気味な涼風が頬をなでる。前回の3連戦で30得点と打棒が爆発した神宮でも打てなかった。甲子園で勝てない(16勝25敗1分け)虎にとって、もはや"名医"は横浜スタジアム(7勝1敗)だけ!? 就任後、初めて夏のロード初戦に敗れた金本監督は疲れ切った表情で椅子に腰を下ろした。 「あと1本やね、やっぱ。ヒットは出ているけど、チャンスでの1本が遠いですな」 残塁11。好機は山ほどあった。福留の適時打で1-1とした三回無死満塁。ロサリオは外角カットボールを引っかけ、遊ゴロ。相手のファンブルもあって併殺崩れで勝ち越したが、続くナバーロも再び遊ゴロで併殺。中堅にN砲を置く攻撃的オーダーが機能せず重苦しい空気が充満した。 特にロサリオは一回二死一、二塁で一ゴロ、五回二死一、二塁でも三ゴロで、得点圏打率・221と勝負弱さが目立つ。七回二死無走者から13打席ぶりのHランプを灯したが、時すでに遅し。本人は「1打席目でタイミングが遅れていたから、その後の打席で修正しようと思った」と振り返ったが、虎将は「それ(外角に逃げる球へ)の意識が強いよな。だから真っすぐにも差し込まれている。迷いがあるのかな」と首をひねるばかりだ。 1軍復帰した7月21日から2戦3発も、以降は改善の気配が見えない。打席を重ねて修正を願うかと問われた指揮官は、「それはわからんな。どうなるか。人はそれぞれタイプがありますからね」と再び"荒療治"も辞さない構えを示した。 ビハインドから勝ちパターンの能見、桑原投入も空回り。金本政権過去2年で11勝9敗、16勝10敗1分けと勝ち越してきた長期ロードで、暗雲漂う大敗発進。7月は5勝9敗で2カ月連続の月間負け越しが決定した。開幕から4カ月連続勝ち越しなし。首位広島と12ゲーム差に開き、借金はワーストタイの7。28日にも、自力優勝の可能性が消滅する。 ついこの間まで「ま、神宮だから」と乱打戦を喜んでいた虎将の姿はない。焦り。いら立ち。就任3年目の歯車が、どうにもかみ合わない。 (阿部祐亮)
★金本阪神のロード初戦 ★2016年 8月2日のDeNA戦(横浜)。0-1の七回にゴメス、代打・鳥谷の適時打で2点を奪い、逆転。2-2の九回には高山の押し出し四球や大和の2点打などで4点を勝ち越した。8回2失点の岩貞が5勝目。6-2で3連勝を飾った ★17年 7月28日の中日戦(ナゴヤドーム)。二回に大和の本塁打などで2点を先制すると、四回は俊介の2点二塁打。八回は鳥谷が適時二塁打でダメを押し、5-0の完勝で2連勝。秋山が7回無失点で9勝目を挙げた
★金本阪神のロード初戦 ★2016年 8月2日のDeNA戦(横浜)。0-1の七回にゴメス、代打・鳥谷の適時打で2点を奪い、逆転。2-2の九回には高山の押し出し四球や大和の2点打などで4点を勝ち越した。8回2失点の岩貞が5勝目。6-2で3連勝を飾った ★17年 7月28日の中日戦(ナゴヤドーム)。二回に大和の本塁打などで2点を先制すると、四回は俊介の2点二塁打。八回は鳥谷が適時二塁打でダメを押し、5-0の完勝で2連勝。秋山が7回無失点で9勝目を挙げた
◆ヤクルトは27日、阪神10回戦(神宮)に8-2で勝利し、今季2度目の7連勝。6月29日以来の勝率5割とした。ウラディミール・バレンティン外野手(34)が二回にリーグ本塁打争いトップの24号ソロを放ち先制すると、八回には山田哲人内野手(26)がトップに並ぶ駄目押しの24号ソロ。キング2人のアベック弾でチームの借金を完済した。 無駄のないシンプルなスイングで直球を左翼席に運んだ。山田哲の頭の中もシンプル。「フルスイングすることだけを心がけました」と振り返った。 勢いは止まらない。7戦6発。量産態勢にも「狙ってはいないです。スイングの軌道がいい分、角度がついて本塁打になっている」とうなずく。これで7試合連続の打点で勝負強さも戻ってきた。 後輩の活躍も刺激となった。練習前には母校・履正社高が、大阪桐蔭高と戦った夏の高校野球・北大阪大会準決勝にくぎ付けになった。「スマートフォンとパソコンで見ていました。勝ってほしかったですけど...」と惜敗に残念がった。履正社高の恩師・岡田監督からはシーズン中に「調子はどうだ? 頑張れよ」と、何度も電話をもらい、山田哲も高校時代の初心を思い出すきっかけとなっている。 二回には一足先にバレンティンが24号ソロ。「山田(哲)と争っているつもりはないよ。チームとして広島に追いつくことが目標」とチームトップの86試合に出場している主砲は胸を張った。 チームは7連勝で6月29日の阪神戦(神宮)以来の勝率5割に復帰。後半戦は9勝1敗と快進撃を続けている。小川監督は「2人(山田哲とバレンティン)が機能すると、いい感じで得点が入る」と手応えをにじませた。2人のキングが強力打線を引っ張る。(横山尚杜)
◆阪神はヤクルトに2-8で敗れ、夏のロードを黒星発進。2連敗で借金は今季最多タイの7となり、28日にも自力優勝の可能性が消滅する。舞台を"鬼門"甲子園から神宮球場に移しても、今の阪神には"特効薬"にならないのか? あっさり逆転され、終盤は一方的な展開にサンケイスポーツ専属評論家・佐野慈紀氏(50)は「個々で戦っている。チーム全体で戦う姿勢を見せて欲しい」と指摘した。 長いシーズン、負けが混むことだってある。目先の1敗や連敗などはそう重要視しないが、今の阪神は中身に気になることが多すぎる。まず、選手が「チーム」ではなく「個々」で戦っている光景が随所に見られたのは見過ごせない。 象徴的なのは五回。二死一塁から、走者の福留が完全にモーションを盗んでスタートを切った。糸井クラスの打者なら、その動きは見えているはずなのに、外寄りの難しいカットボールを強引に打ちにいった。結果、遊撃内野安打で一、二塁。悪くはなかったのだが、走者一塁より、走者二塁のほうが、チームのためであり、糸井の打撃も生かせる状況なのだから、1球見送って、ジックリ攻めて欲しい場面だった。 好調を維持する北條にも惜しまれるシーンが2つ。六回二死満塁、相手カラシティーが制球に苦しむ中、カウント1-0からボール気味の外角球を振って一飛。九回にも一死一塁、カウント3-1から際どいコースを打ちに行って中飛。積極性を全面的に否定はしないが、2番を打つ北條タイプだからこそ、自分だけで決めるのではなく、四球の可能性、つなぎも考えてもらいたかった。 終わってみれば、5番ロサリオがチャンスで打てなかったことが"分かりやすい"敗因だろう。でも、今の阪神は福留、糸井、ロサリオの3人のうち誰かが打てば勝てる状況ではない。3人が揃って打たないと勝てないという苦しい状況に追い込まれている。 ということは、ロサリオを下位に下げても、まして打線から外しても、反撃の妙手とはならない。だからこそ、各選手が自分ひとりで結果を求めるのではなく、状況を見極めての打撃が求められる。 ロサリオ個人を分析すれば、好機で凡退した3打席は完全に力みすぎ。二死無走者のプレッシャーのない打席だった七回は無駄な力が抜けて中前打を放った。純粋に何とかしたい思いが強い、ナイスガイだと思うが、空回りが続いている。その部分を克服すれば、まだ爆発の可能性はあると思うのだが...。 ほんの少しの変化で、まだまだ上昇できる可能性は十分にあるはずだ。 (サンケイスポーツ専属評論家)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
広島 | 51 | 34 | 1 | 0.6 (↑0.005) | 0 (-) | 57 | 439 (+10) | 368 (+1) | 106 (+2) | 52 (+4) | 0.262 (↑0.001) | 3.96 (↑0.05) |
2 (-) |
ヤクルト | 43 | 43 | 1 | 0.5 (↑0.006) | 8.5 (-) | 56 | 391 (+8) | 409 (+2) | 83 (+3) | 47 (+2) | 0.264 (↑0.001) | 4.22 (↑0.03) |
3 (-) |
巨人 | 44 | 47 | 1 | 0.484 (↑0.006) | 10 (-) | 51 | 418 (+5) | 378 (-) | 89 (+2) | 46 (-) | 0.259 (-) | 3.94 (↑0.04) |
4 (-) |
DeNA | 40 | 46 | 2 | 0.465 (↓0.006) | 11.5 (↓1) | 55 | 345 (+1) | 399 (+10) | 107 (-) | 55 (-) | 0.247 (↓0.001) | 4.16 (↓0.06) |
5 (-) |
阪神 | 38 | 45 | 1 | 0.458 (↓0.005) | 12 (↓1) | 59 | 321 (+2) | 368 (+8) | 50 (-) | 44 (-) | 0.245 (↑0.001) | 3.91 (↓0.03) |
6 (-) |
中日 | 39 | 51 | 1 | 0.433 (↓0.005) | 14.5 (↓1) | 52 | 366 (-) | 422 (+5) | 59 (-) | 43 (-) | 0.26 (↓0.002) | 4.48 (↓0.01) |
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