ソフトバンク(☆6対5★)ロッテ =リーグ戦12回戦・福岡ヤフオクドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789 10
ロッテ
00000 4001 0580
福岡
00000 0014 6120
勝利投手:森 唯斗(1勝3敗17S)
敗戦投手:大谷 智久(0勝3敗0S)
  DAZN
◆ソフトバンクは4点を追う9回裏、代打・西田の適時打と上林の3ランが飛び出し、土壇場で試合を振り出しに戻す。続く延長10回には、松田の適時打でサヨナラ勝利を収めた。投げては、5番手・森が今季初勝利。敗れたロッテは、守護神・内の乱調が響き、痛い逆転負けを喫した。

◆ロッテ角中勝也外野手(31)は22、24日と2試合続けて3安打。  ロッテの連続猛打賞記録は15年清田の4試合だが、角中は12年6月の3試合が最長。今季の対戦打率が3割7分5厘と得意のソフトバンク戦で自己記録に並べるか。

◆ロッテは快勝ムードから一転、2試合連続の延長戦の末にサヨナラ負けした。  先発の二木康太投手は7回まで自己最多の12三振を奪い、散発3安打無失点と完封ペースの快投。8回2死からソフトバンク今宮に単打を許し、104球で降板したが、その時点で4点のリードがあった。  だが5-1で迎えた9回、抑えの内竜也投手が3ランを許すなど、4点差を守れず延長戦に突入。最後は延長10回、5番手で登板した大谷智久投手が1死満塁から松田にサヨナラ打を浴びた。  内はこれで4試合連続失点。24日も延長11回、2点リードのセーブ機会に登板して同点に追いつかれていた。試合後は「すみませんしか出てこないです」と猛省。井口資仁監督は「後ろ(の投手)がしんどい。本人が頑張らないといけないところ。ボールを振らせるところでストライクを投げたり、自信がないのかリードなのか...。チームの流れも悪い方にいっている。1回休ませるのか考えないといけない」と起用法を再考する方針を示した。  また、4月30日以来となる白星がこぼれ落ちた二木は「4点差あったので、最後まで絶対にいこうと思っていた。でもあそこ(8回2死)でヒットを打たれて、左打者が3人続くとなれば代えられてもしようがない。しっかり抑えて、イニング間に『(9回も)いかせてください』と直訴するのがベストだった。打たれた自分の力不足」と振り返った

◆ソフトバンク上林誠知外野手(22)が、起死回生の1発でサヨナラ勝ちを呼び込んだ。  3点を追う9回2死二、三塁で、カウント1-2からボールかという低め変化球を右中間テラス席へ運んだ。自己最多を更新する15号3ラン。  上林は「まさか入るとは思いませんでした。必死に食らいついた結果が本塁打になった。また同点になってしまって、延長になってしまったので、帰るのが遅くなるかと思った」と5時間45分で12回引き分けだった24日オリックス戦を引き合いに振り返った。

◆ソフトバンクが今季3度目のサヨナラ勝ちで、引き分けを挟む連敗を4で止めて3位に浮上した。  4点を追う9回に西田の適時打、上林の15号3ランで同点。延長10回は満塁から松田が中堅左に運び試合を決めた。  柳田が首痛で今季初めて欠場する中、総力戦での勝利。  工藤監督は「最後までみんな諦めないで、なんとかするという思いが出ていた。この粘りは、この間の大阪もそうですが、選手の持っている力だと思う。みんな信じてやっていってほしい」と喜んだ。負ければ借金1位の危機だった。

◆ソフトバンク柳田悠岐外野手(29)が今季初めて欠場した。24日ロッテ戦で首痛を悪化させた影響で、大事を取った。この日は試合前練習でもグラウンドに出ず、室内で治療などを行った。  工藤監督は「トレーナーの方からも、できれば(出場させたくない)ということだったので」と説明した。

◆ソフトバンク西田哲朗内野手が劇的勝利への扉を開いた。  4点を追う9回1死一、二塁に代打で登場。ロッテ内から左翼線へ適時二塁打を放った。「打ったのはスライダー。積極的に打ちにいこうと思った」と振り返った西田の一打から勢いがつき、上林が同点3ラン。延長10回、松田がサヨナラ打を放った。

◆崖っぷちからの大逆転だ。ソフトバンクが、今季3度目のサヨナラ勝ちを収め、連敗を4で止めた。9回2死から上林誠知外野手(22)が2試合連発となる15号3ランで同点。延長10回1死満塁から松田宣浩内野手(35)が試合を決めた。柳田悠岐外野手(29)が首痛のため今季初めて先発を外れた窮地に執念を見せて借金を回避した。  歓喜の輪の中に2人のヒーローがいた。上林と松田だ。借金生活がすぐそこまで迫っていた。9回2死二、三塁で3点ビハインド。上林はカウント1-2まで追い込まれた。ロッテ抑え内の5球目はボール球かという低めスライダー。上林は腕をいっぱいに伸ばし拾い上げた。伸びて右中間テラス席へ。「まさか入るとは思いませんでした。必死に食らいついた結果が本塁打になった」。10回に試合を決めた松田は「監督に『任せた』と言ってもらい、勇気をもらった」。中堅左へのサヨナラ打で「鷹の祭典」を彩った。  上林はこの日の1発に「去年の日本代表のホームランを思い出しましたね」。昨年のアジアCS韓国戦でもタイブレークの10回に同点3ランを放っていた。土壇場で強さを発揮する礎がある。母校・仙台育英の校舎には大きく「逆転の仙台育英」という言葉が掲げられている。「ぼくも、それはわかってやっていますよ」と胸に刻んでいる。試合に出続けながら、昨季は成績を落とした夏場に結果を出している。昨季と大きく違うのは1人暮らしを始めたことだ。上林は「寮までの通勤もないし、ご飯も好きなものを食べています。ストレスは減っていますね」と笑う。「今は1日があっという間に感じる」と充実の日々を過ごしている。  この日は柳田が首痛のため欠場した。チーム3冠王を欠いた影響か、序盤は苦戦。だが最後に粘りを見せた。上林は「非常に痛いですね。でも、いない中でこうやって勝てた。みんなでカバーしていきたい」。総力戦での3位浮上。工藤監督も「この粘りは選手の持っている力だと思う。みんな信じてやっていってほしい」。まだ鷹たちの火は消えていない。【山本大地】

◆ソフトバンク先発石川がサヨナラ勝ちに安堵(あんど)の表情だ。  5回までロッテ打線を3安打無失点に抑えながら、6回に2つの死球と長短4安打を許すなど4失点。「流れがあまりよくない中で粘っていこうと思ってマウンドに上がった。6回はビッグイニングをつくってしまい申し訳なかった」。ベンチで唇をかんだが、終わってみれば劇的勝利。自身最多の9勝目はお預けとなったが、チームの勝利にホッとした様子だった。

◆25日に軽度の頸椎捻挫と診断されたソフトバンクの柳田は今季初めて出場機会がなかった。24日のロッテ戦で首の張りが強まり途中交代。この日の試合前練習には参加しておらず、工藤監督は「柳田君を使わない方向でやっていくと考えていた」と話した。  代打で一応準備はしていたという柳田は「出たかったけど、使い物にならないということ」と冗談めかしつつ「トレーナーたちと話をして決めた結果。納得はしている」と話した。  柳田は打率がリーグトップの3割5分5厘で、24本塁打、67打点と打撃好調だった。 西田(九回に代打で適時二塁打) 「代打だったので積極的に打ちにいこうと思った。何とかつなげられて良かった」 森(十回から救援し、1回無失点で今季初勝利) 「しっかり3人で抑えて、流れを持ってこられた」

◆ロッテの快勝ムードが暗転した。4-1から九回に井上が適時打を放って4点差となったが、慎重を期して抑えの内を投入。その守護神が4失点し、延長に持ち込まれた。井口監督は「チームの流れが悪い方にいっている。一回休ませることも考えないといけない」と配置転換も示唆した。  十回は大谷がサヨナラ打を浴びた。監督は「後ろの投手がしんどい。いま頑張らないといけない」と奮起を求めた。 二木(八回2死まで投げて1失点) 「いい真っすぐが投げられて、後半はフォークボールも良くなっていった」 福浦(六回に適時打を放ち、通算2000安打にあと13本) 「チャンスで1本打てて良かった。でも(好機だった)四回の場面でも打たないといけなかった」

◆先発の二木は7回2/3を4安打1失点の好投も、救援陣が打ち込まれて、3勝目を逃した。自己最多の12奪三振には納得顔も、4-0の八回二死から今宮に中前打を浴びたところで降板し、「力不足です」と反省。九回に内が4失点で同点にされると、延長十回に大谷がサヨナラ打を浴びた。井口監督は「一回(抑えを)休ませた方がいいかも」と語った。

◆延長十回一死満塁で、松田が左中間を破るサヨナラ打を放った。「絶対に決めようと思った。(追い込まれて)ベンチもファンのみなさんも『まずい』と思ったでしょ。やってやろうと思いました」と大谷のスライダーに食らいついた。打席に向かう前に工藤監督から「信じてるぞ」と背中を押されて「勇気とパワーをもらいました」と笑顔。九回一死一塁でも同点につながる右前打で貢献した。

◆サヨナラ劇と同等、あるいはそれ以上の歓声を奪った男が文句なしの主役だ。泥沼から、起死回生の一発で大脱出。ソフトバンク・上林が土俵際でチームを救った。  「追い込まれたし、必死に食らいつこうと思って。本当に本塁打になってよかったです」  4点差の九回に1点を返し、なおも二死二、三塁。"あと1球"から奇跡が起きた。カウント1-2から守護神・内のスライダー。見逃せばボールの低めの球を拾うように打って、右中間ホームランテラスへ。2試合連続の15号3ランで同点。延長十回にサヨナラ打を放った松田とお立ち台に並んだ。  「(打った後は)また帰るのが遅くなるなと思いました」  ジョークの原点は2日前だ。24日のロッテ戦(京セラ)は延長に入ってから2度も追いつき、パ・リーグ史上3番目に長い5時間45分の激闘で引き分け。同じく、負ければ今季ワーストの5連敗で5年ぶりに球宴後の借金生活となる危機。2戦連続の粘り腰で今度は勝ちきり、3位に浮上した工藤監督は「この粘りが本当の力だと。これを信じてやってもらいたい」と感激。同点弾で猛打賞の背番号「51」に「すばらしい、すごい、さすが」と大賛辞を並べた。  生粋のローボールヒッターに、藤本打撃コーチは「(狙う)ゾーンを上げろといいにくい」。セオリーと逆の打者に苦笑いも「勝負強くなった。選球眼もよくなったから」と目を細める。昨季は好機での打撃に課題を残したが、今季の得点圏打率・351は技術的な裏付け。自身も「体が開いていないとヘッドが走って、ああいう打ち方でも飛ぶ」と好感触。何よりもこの1勝を喜んだ。  「連敗で嫌な流れが続いていたし、勝ててよかったです」  首痛の柳田が今季初の欠場。「非常に痛いですね」と不敵に笑った22歳も、間違いなく打線の柱だ。 (安藤理)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
513510.593
(↑0.005)
0
(-)
56483
(+2)
415
(+1)
114
(+1)
96
(-)
0.274
(-)
4.44
(↑0.05)
2
(-)
日ハム
483810.558
(-)
3
(↓0.5)
56375
(-)
347
(-)
98
(-)
56
(-)
0.247
(-)
3.62
(-)
3
(↑1)
福岡
424110.506
(↑0.006)
7.5
(-)
59375
(+6)
369
(+5)
124
(+1)
51
(+1)
0.255
(↑0.001)
4.2
(↓0.01)
4
(↓1)
ロッテ
434230.5059
(↓0.006)
7.5
(↓1)
55358
(+5)
358
(+6)
45
(-)
90
(-)
0.258
(↓0.001)
3.71
(↓0.02)
5
(-)
ORIX
414440.482
(↓0.006)
9.5
(↓1)
54335
(+1)
340
(+2)
70
(-)
58
(+1)
0.242
(-)
3.62
(↑0.02)
6
(-)
楽天
365010.419
(-)
15
(↓0.5)
56323
(-)
356
(-)
85
(-)
44
(-)
0.245
(-)
3.86
(-)