中日(★2対5☆)巨人 =リーグ戦10回戦・ナゴヤドーム=
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巨人
31000 1000 590
中日
00002 0000 221
勝利投手:内海 哲也(2勝0敗0S)
(セーブ:マシソン(0勝2敗1S))
敗戦投手:ガルシア(8勝4敗0S)
  DAZN
◆巨人は初回、マギーの適時二塁打などで幸先良く3点を先制する。その後は2点差で迎えた6回表に、マギーが再び適時二塁打を放ち、追加点を挙げた。投げては、先発・内海が6回2失点の好投。7回以降は3人の継投で逃げ切った。敗れた中日は、投打ともに振るわなかった。

◆巨人が勝利の方程式を再編し、連敗を5で止めた。前夜は守護神カミネロが今季2度目のセーブ機会失敗で悪夢のサヨナラ負け。助っ人右腕は球場入りしたが、今季初めて登録抹消となった。昨季も1度抹消されたが、クルーズ昇格の外国人枠を空けるための措置で、不振では来日後初めてとなった。  3点リードの7回。ベンチは好投の内海をスパッと代え、百戦錬磨の上原を投入。開幕は方程式の一角で迎えたが、4月中旬に不振で勝ちパターンから外れていた。だがここ10戦で2失点と安定した投球を続け、久々に方程式に加わった。直球の精度が高まり、3者凡退で切り抜けた。「ゼロならそれでいい。どういう状況でも抑えないと信頼と信用を取り戻せない」と仕事を果たした。  8回は前日に9回途中のピンチから登板も、サヨナラ負けで敗戦投手となった沢村。150キロ超の速球と鋭い高速フォークで3者凡退を続けた。「昨日やられているので、やられたらやり返さないといけないと思っていた」とリベンジを果たした。  新守護神はマシソンが指名された。3連覇した14年には30セーブを挙げた右腕は危なげなく試合を締めた。「昨日悔しい結果だったので3者凡退でうれしいです」とチームの思いを代弁した。  高橋監督はカミネロを配置転換ではなく、2軍に降格としたことに「少し状態を上げることの方が先決なのかな」と説明。「リードした試合をこういう形で勝っていかないといけないなと思う」と新方程式に期待した。

◆中日がリーグ最速の40敗を喫してしまった。チームトップ8勝で、巨人戦2戦2勝のガルシアを先発に立てたが、3回4失点降板と大誤算。打線も5回に2点を返すのが精いっぱいで、今季最小の2安打と巨人の継投の前に沈黙した。  「昨日の9回(の逆転劇)があって、今日が1イニング(2点)だけじゃ寂しいな」。森監督は前夜の9回逆転サヨナラ劇の余韻が1日で吹き飛んだことに肩を落としていた。

◆純な童心を貫くベテランが連敗を止めた。巨人内海哲也投手(36)が6回2安打2失点の好投で2勝目をマークした。4回までは完全投球を披露し「ストライク先行でいけた。左右の打者の内角に投げ切れた」。5連敗中の嫌な流れを断ち切る完璧な立ち上がりで、勝利をたぐり寄せた。  交流戦ではパ界の「山賊」と「海賊」を抑えた。6月10日西武戦は7回2失点。最も危険とされる山賊打線に「山賊? 戦うというよりは、出くわさないようにしないと」と危険回避の好投でしのいだ。同17日は突如襲いかかってくるロッテの海賊打線も6回途中無失点で「ポセイドンが守ってくれる。海の最強の神だから」とギリシャ神話に登場する神の名を挙げた。  36歳のベテランは"新大陸"を探し続けている。この日の勝利で自身プロ通算130勝目に到達。最多勝もエースの称号も手にしてきたが、過去の実績よりもハングリー精神が圧倒的に上回る。「コロンブスの本を小さいときに学校の図書館で読んだよ」と大航海時代を生き抜いた先人の背中を追う。  サッカーW杯を応援する日本サポーターが試合後にスタンドのごみ拾いする姿が世界中から称賛を受けている。内海も09年、13年と2度出場したWBCで試合後にブルペンのごみを拾い、片付けをすることが日課だった。若き日から培ってきた習慣が当たり前のように続く。今季負け知らずの左腕は「投げることに幸せを感じて投げた。気持ちよかった」と高揚感を漂わせた。ルーキー鍬原、エース菅野でも止まらなかった負の連鎖を内海が一掃した。【為田聡史】

◆巨人内海哲也投手(36)が今季2勝目を挙げ、巨人は5連敗でストップ。内海がチームの5連敗以上を止めたのは、07年8月17日ヤクルト戦以来4度目。  前日まで内海は中日戦に6連敗中で、中日戦の白星は13年9月17日以来、5年ぶり。これでナゴヤドームは通算6勝15敗と、内海が苦手球場でチームの連敗と自身の中日戦連敗を止めた。

◆巨人上原浩治投手(43)が再編された勝利の方程式に入り、7回を無失点に抑えた。直球を外角低めに集め、4番からの好打順も3者凡退。6月2日オリックス戦以来、今季7ホールド目。日米通算100ホールドまで残り3とした。  開幕当初は勝ちパターンも不調で外れたが、5試合連続無失点と調子を上げ「抑えないと信用、信頼を取り戻せない。わがままを言った分は結果で返さないと」と力を込めた。

◆中日は先発ガルシアが3回4失点。打線は巨人継投の前に5回の2得点のみで、残りの8イニングはすべて3者凡退で完敗した。  リーグ40敗一番乗りとなった森監督は、「昨日の9回があって、今日が1イニング(2点)だけじゃ寂しいな」と話した。前夜は9回逆転サヨナラで劇的勝利。連勝を期待した本拠地今季最多の3万6644人の観衆もため息をついた。

◆中日田島が守護神から中継ぎへの配置転換後、初登板した。  3番手で6回からの2イニングを3安打1失点。「きっかけみたいなものもあった。上で投げて結果を残した方が早い。(ストッパー復帰は)諦めていない。早く投げられるように意地になってやっていく」と力を込めた。2軍降格の選択肢もあったが、首脳陣へ中継ぎで復活を目指す道を直訴。結果を残し続けて奪回する意気込みだ。

◆巨人のケーシー・マギー内野手(35)が30日、中日10回戦(ナゴヤドーム)に「3番・三塁」で先発出場。一回一死二塁から、左中間へ先制の適時二塁打を放った。  鋭い打球が、左中間を抜けた。四球で出塁していた二走・坂本勇が悠々とホームにかえり、先制。さらに二死後、長野が四球で出て一、二塁とし、陽岱鋼の中前適時打で1点を追加した。続く中井も右翼線への適時二塁打を放ち、一回にいきなり3点を入れた。

◆巨人・中井大介内野手(28)が30日、中日10回戦(ナゴヤドーム)に「7番・左翼」で先発出場。5月12日の中日戦(東京ドーム)以来、約1カ月半ぶりのスタメンでいきなり結果を残した。  「久しぶりのスタメンなので、1打席目から積極的にいこうと思っていました。甘くなったボールをひと振りで仕留められて良かったです」  2点を先制した後の一回二死一、二塁。相手先発・ガルシアが投じた2球目、140キロの直球を捉え、右翼線への適時二塁打とした。三回一死の第2打席でも右前打を放った。

◆巨人・陽岱鋼は30日、中日10回戦(ナゴヤドーム)に「6番・中堅」で先発出場。1点を先制した後の一回二死一、二塁から中前適時打を放った。  「必死に打ちにいきました」  たたみかけた。相手先発・ガルシアは2四球を与えるなど、立ち上がりから荒れていただけに、陽岱鋼の一打は貴重な追加点となった。

◆巨人のケーシー・マギー内野手(35)が30日、中日10回戦(ナゴヤドーム)に「3番・三塁」で先発出場。2点リードの六回二死一塁から、左中間への適時二塁打を放った。  一走・坂本勇が激走した。本塁での判定はアウトだったが、高橋監督がリクエストを要求。リプレー検証の結果、判定が覆りセーフとなった。

◆巨人は先発した内海哲也投手(36)が6回2安打2失点と好投。チームの連敗を5で止め、今季2勝目を挙げた。ベテラン左腕の力投でチームは最下位の中日に0・5差と迫られていたが、最下位転落を免れた。  巨人は一回、中日の先発、ガルシアを攻め、一死二塁とすると、マギーの左中間適時二塁打で先制。さらに二死一、二塁とし、陽岱鋼(ヨウダイカン)の中前適時打、中井の右翼線適時二塁打で3-0とした。  二回には二死一、二塁からマギーが空振り三振に倒れた後、相手捕手の一塁への牽制球が悪送球となり、二走・坂本勇が一気に生還し、4-0とした。  中日は五回、内海を攻め無死一、二塁とすると、高橋の中前適時打で1点を返した。なおも一死一、三塁から堂上の投ゴロの間に三走が生還した。  巨人は六回に二死一塁からマギーが左中間適時二塁打を放ち5-2とした。  巨人は七回を上原、八回を沢村が抑え、九回をマシソンが締めた。

◆巨人は先発した内海哲也投手(36)が6回2安打2失点と好投。チームの連敗を5で止め、今季2勝目を挙げた。ベテラン左腕の力投でチームは最下位の中日に0・5差と迫られていたが、最下位転落を免れた。以下は一回と六回に適時打を放ったマギーの一問一答。  --2安打2打点の活躍  「いい場面で打つことができたし、投手を助けることができた」  --チームは連敗を5でストップ  「きょうはいい試合ができた。この試合をきっかけにして連勝したい」  --先制打について  「走者がいるところで、投手のボールを見てしっかりと自分のスイングをしようと思った。結果が出てよかった」  --六回の適時打について  「この場面も走者がいたので、自分のスイングで、集中していこうと思った」  --あすに向けて  「きょうの勢いをいい形で続けてあしたも勝ちたいと思います」

◆巨人は新「勝利の方程式」がパーフェクトリレーを披露した。  開幕からクローザーを務め、前日29日の第1戦で逆転サヨナラ負けを招いたカミネロが出場選手登録を抹消された。それに伴い、『沢村-マシソン-カミネロ』から『上原-沢村-マシソン』の新たな勝ちパターン継投となった。  3点リードの七回に登板した上原は、直球とスプリット・フィンガード・ファストボール(SFF)の2球種でビシエドを遊ゴロ、平田も遊ゴロ、高橋を見逃し三振に仕留めた。  八回には前夜の一戦でサヨナラ打を浴びた沢村が登板し、3者凡退。「昨日やられた事実に変わりはない。やられたらやり返すという気持ちだった」とリベンジを果たした。  最後はマシソンも3者凡退で締めくくり、6回2安打2失点と好投した内海の白星を守り抜いた。高橋監督は「リードした試合を、こういう形で勝っていかないといけないのかなと思います。3人でいい形で締めくくってくれた」と当面は3投手に勝ちパターンを任せる方針を示した。

◆巨人のマギーが2本の適時打で勝利に貢献した。一回に先制打を放ち、2点差に迫られた直後の六回には貴重な追加点となる適時二塁打。一塁からホームを突いた坂本勇が最初はアウトと判定されたが、リプレー検証でセーフに覆り「本当によく走ってくれた」と喜んだ。  一時は先発メンバーから外れていたが、22日のヤクルト戦で復帰してから8試合で12打点をたたき出している。高橋監督は「相手に取られたところで突き放してくれた」とたたえた。
中井(一回に適時二塁打) 「久しぶりの先発出場なので、1打席目から積極的にいこうと思った」

◆打線は二回までに4点と内海を援護した。「7番・左翼」で5月12日以来のスタメンとなった中井は、一回に右翼線適時二塁打など、2安打1打点と期待に応えた。4月に夫人が第1子の長男を出産。11年目の28歳は「ずっとなかなか打てなかったので、今日は特に、結果を求めていきました」と声を弾ませた。

◆今季最多の3万6644人が見守る中、ガルシアは一回に3失点するなど、先発では来日最短の3回を4失点。得意のナゴヤドームで初黒星を喫し「立ち上がりが悪い、球数も多かった。悪い日だった」と反省した。また打線も今季ワーストの2安打でリーグ最速の40敗となった。土井打撃コーチは「打たされてしまった」と嘆き、森監督は「最初の(奪われた)3点が大きかった」と力なく話した。
不振で中継ぎに配置転換、2-4の六回に登板して2回3安打1失点の中日・田島 「結果を残して、早く九回を任せてもらえるようにしたい」 抑えの田島を配置転換したことに中日・朝倉投手コーチ 「相手と状態を見て流動的にいく」

◆新たな「勝利の方程式」が機能した。開幕から抑えを務め、前日29日の第1戦で逆転サヨナラ負けを招いたカミネロが出場選手登録を抹消。上原が勝ちパターンに戻って七回を投げ、八回を沢村、九回はマシソンがそれぞれ無失点でつないだ。新守護神となったマシソンは「昨日の八回も、今日の九回も一緒。重圧はなかった」と胸を張った。 前日29日の第1戦でサヨナラ打を浴び、この日は1回無安打無失点の巨人・沢村 「昨日やられた事実に変わりはない。やられたらやり返すという気持ちだった」

◆巨人・内海哲也投手(36)が30日、中日10回戦(ナゴヤドーム)で6回2安打2失点と好投し、今季2勝目。チームは5-2で勝利し、連敗を5で止めた。七回からは上原浩治投手(43)が登板して1回無安打無失点で日米通算100ホールドまであと「3」とした。サッカー日本代表にも負けない36歳と43歳のベテランによる"おっさんリレー"で悪い流れを断ち切った。 まだまだ、若い者には負けられない! 内海が熟練の投球術で、中日から2013年9月17日以来、5年ぶりの勝利をもぎ取った。  「ストライク先行でいけたので、気持ち的にも余裕ができた。(1軍に)上がってきたときの気持ちを思いだして、投げられることの幸せを感じながら投げました」  36歳左腕は内外角の両サイドに球を集め、6回2安打2失点と好投。七回は43歳の上原が3者凡退に抑え、日米通算100ホールドまで残り3とした。36歳と43歳の"おっさんリレー"で最下位転落の危機を救い、チームの連敗を5で止めた。  内海にとって力の源は家族だ。2軍調整中だったゴールデンウイークでは自身の休養日に箱根の日帰り温泉を予約した。ベテランらしく機転を利かせ、渋滞に巻き込まれないように早めに自宅を出発。片道約1時間のドライブで家族と一緒に心身をリフレッシュした。  6月17日の「父の日」には小学5年で少年野球チームに所属する長男の瑛太くんから「パパのためにヒットを打ったよ」とうれしい報告があった。幼稚園に通う末っ子の琴菜ちゃん(4)からは手書きで「パパいつもありがとう」とメッセージが入ったコースターをもらった。4人の子供たちはいずれも同じ幼稚園に通っているため、パパは4つめの"勲章"を手にした。 高橋監督も内海の好投に「よかったと思う。あとは走者が出たときにあたふたしないように」と目尻を下げた。まだまだ元気なベテランの力で、反攻を開始する。 (赤尾裕希)
七回から登板し、1回を3者凡退に抑えた巨人・上原 「自分の場合はどういう状況でも抑えないと、信用、信頼は取り戻せない。0点で抑えられればそれでいいので」
★おっさんジャパンが刺激  ロシアで戦うサッカー日本代表「おっさんジャパン」の活躍は内海にとっても刺激となっている。本田、長友、乾ら30代の選手たちを見て「同じベテランといわれている人が頑張ることで若手も頑張ると思う」。自身も開幕は2軍スタートだったこともあり、「半分死んだみたいなもの。これだけ投げると誰も想像していなかったと思う。過去を捨てて、36歳の何もないプロ野球選手として臨もうと」とがむしゃらに戦っている。

◆現状では5、6回がいいところの先発・内海が、その6回を2失点でまとめて、リリーフ陣につなげ、上原、沢村、マシソンが"完全リレー"。カミネロが2軍落ちした最初の試合で、巨人はいい再スタートを切ったかな。  いまの内海は、いうまでもなく、球は速くない。コントロールと、チェンジアップを中心とした変化球で相手のタイミングを外すことが生命線。この日のように、それが合致すると、計算通りに試合を作れる。アルモンテなどはまるで合わずに、首をかしげっぱなしだったものね。  五回、ビシエドに、そのチェンジアップを中前打されると、とたんにスライダーも決まらなくなり、崩れかけた。今回はなんとか持ち直したけど、ベンチとしては、そのあたりを代え時のバロメーターとして、頭に入れておくといい。  2番手・上原投入も、大正解だった。内海にタイミングが合っていない相手に対して、同じく球速130キロ台の技巧派をつぎ込む。左腕と右腕の違いだけで、どこまでいっても合わないわけだ。  なにはともあれ、先発からリリーフ3枚につないで、逃げ切る。この勝ちパターンを早く確立していくことだよ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
403010.571
(↓0.009)
0
(-)
72351
(+1)
315
(+2)
81
(+1)
40
(+1)
0.261
(↓0.001)
4.18
(↑0.02)
2
(-)
ヤクルト
343510.493
(↓0.007)
5.5
(-)
73314
(+7)
338
(+15)
65
(+2)
37
(-)
0.257
(-)
4.35
(↓0.1)
3
(-)
阪神
333610.478
(↑0.007)
6.5
(↑1)
73263
(+15)
289
(+7)
40
(-)
42
(+1)
0.242
(↑0.002)
3.68
(↓0.04)
4
(-)
DeNA
323620.471
(↑0.008)
7
(↑1)
73265
(+2)
289
(+1)
82
(+1)
46
(-)
0.248
(-)
3.72
(↑0.04)
5
(-)
巨人
333810.465
(↑0.008)
7.5
(↑1)
71322
(+5)
293
(+2)
66
(-)
36
(-)
0.263
(-)
3.91
(↑0.03)
6
(-)
中日
324010.444
(↓0.007)
9
(-)
70286
(+2)
341
(+5)
47
(-)
37
(-)
0.259
(↓0.003)
4.48
(↑0.01)