DeNA(☆2対1★)広島 =リーグ戦9回戦・横浜スタジアム=
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広島
01000 0000 150
DeNA
00000 200× 251
勝利投手:東 克樹(6勝4敗0S)
(セーブ:山﨑 康晃(2勝2敗16S))
敗戦投手:野村 祐輔(3勝2敗0S)
  DAZN
◆DeNAは1点ビハインドで迎えた6回裏、1死から宮崎が二塁打で出塁する。この好機で主砲・筒香の2ランが飛び出し、逆転に成功した。投げては、先発・東が6回1失点で今季6勝目。一方の広島は、3回に丸が通算1000安打を達成するも、勝利にはつながらなかった。

◆広島丸佳浩外野手(29)が3回、1死一塁でDeNA東の外角球を左中間にはじき返し、史上293人目となる通算1000安打を記録した。  プロ初安打は10年9月21日ヤクルト戦(マツダスタジアム)、押本から左前打。

◆横浜が日本一に輝いた98年の優勝メンバー、谷繁元信氏と鈴木尚典氏が試合前のセレモニアルピッチを行った。  リーグ優勝を決めた同年10月8日阪神戦でのユニホーム姿で登場。谷繁氏は嶺井、鈴木氏は筒香と、2人の現役時代と同じポジションの選手を相手に投じ、スタンドから大きな歓声を浴びた。  谷繁氏は「ユニホームを着てグラウンドに立つというのは、やっぱりいいですね。98年当時を思い出しました。今、セ・リーグで最も優勝から離れている球団ですが、選手たちは最後まであきらめずに、優勝目指して頑張ってほしいです。ファンの皆さんには、時には叱咤(しった)激励を交えながらチームを支えてほしいと思います」とエールを送った。  鈴木氏は「セレモニアルピッチは、とても気持ち良かったです。毎試合多くのファンが応援してくれていますが、今年、優勝したら横浜の街は98年当時を超える盛り上がりになると思います。ぜひ、実現できるよう頑張ってもらいたいです。選手全員が優勝するんだという気持ちを持って残り試合、本気で優勝を狙ってほしいと思います」と話した。

◆広島会沢翼捕手(30)が2回に8号先制ソロを放った。  両軍無得点の2回。会沢はDeNA先発東のチェンジアップをたたいて右翼席に放り込んだ。「コースに逆らわずにコンパクトにスイングできました。先制点につながって良かったです」。先発野村を援護する先制弾となった。

◆広島は先発野村が1-0の6回、DeNA筒香に2ランを浴びて逆転負けを喫した。連敗となった広島緒方孝市監督(49)の談話は以下の通り。  -先発野村について  緒方監督 (野村)祐輔は今日、良かったね。(前回登板の)休み明けのときより、全然良かった。  -6回、筒香に1発を浴びた1球が悔やまれる  緒方監督 もちろん、勝負どころの中盤に入っていく中で、本人も分かっていたと思う。勝負しに行った中なので、バッテリーはこの1球を次回対戦に生かしてもらいたい。  -打線について  緒方監督 ちゃんとチャンスはつくれているからね。あと1本というのは向こうもあることだから。悪い戦いをしているわけじゃない。

◆DeNAが接戦を制した。先発のルーキー東は得点圏に走者を背負いながらも粘り強い投球で6回を4安打1失点。1点を追う6回1死二塁から筒香が逆転の18号2ランを放ち、首位広島相手に2連勝を決めた。  連勝は、6月8日から同一カード3連勝した日本ハム戦以来。アレックス・ラミレス監督は「筒香がワンチャンスを逃さず、捉えてくれた。リリーフ陣もしっかり投げてくれたことが勝利につながった」と笑顔。4番のひと振りに加え、左ふくらはぎがつって緊急降板した東の後を受けた三嶋、パットン、山崎の力投をたたえた。  6勝目を挙げた東についても「ちょっとつったようだが、大丈夫。スピードも140キロ台後半から150キロがコンスタントに出て安定していた。変化球もよく、(捕手)高城とのコンビネーションもよかった」と評価した。

◆栄光のユニホームをまとった主砲が決めた。DeNA筒香嘉智外野手(26)が、6回に広島野村から右翼席へ決勝の18号2ラン。6月26日阪神戦からの本拠地6連戦は、日本一に輝いた98年のビジターユニホームを着用。佐伯貴弘を抜く球団の左打者歴代単独トップとなる通算156本目のアーチで、首位広島相手に今季2度目のカード勝ち越しに導いた。  確信を持って打球の行方を見届けた。1点を追う6回1死二塁。筒香は内角高め140キロを鋭く振り抜いた。「(先発)東が我慢強く投げていたので、何とか次につなぐ思いだった。感触は良かったので、いったかなと思いました」。DeNAファンで埋まった右翼席にたたき込む、リーグトップに並ぶ18号決勝2ラン。ここぞで決めた4番のひと振りだった。  打ちたかった1発だった。日本一に輝いた98年ユニホーム着用初戦の6月26日阪神戦前。フリー打撃最後に放った打球が、右翼スタンド最上段ではねた。直撃したのはマシンガン打線の中軸を担った満塁男、駒田徳広氏の2000安打記念パネル。「何かの縁ですかね。ここからの6試合であんな打球が打てたら、ファンの皆さんも喜んでくれますね」と笑った。この日の1発は飛距離こそ届かなかったが、"予告"通りスタンドは大歓声に包まれた。  打つことの面白さを教えてくれたのが、マシンガン打線だった。小学2年生だった98年。ちょうど野球を始めた年だった。「あのユニホームは子ども心に『よく打つなあ』って覚えていて。こんなに打てたらいいな、こんなに点が入るのって面白いなって思いながらテレビで見てました」。あれから20年。今度は多くの子どもたちに、同じ思いを抱かせる側となった。  筒香にとって、少年時代の憧れは目標へと変わった。「すごい先輩方が、横浜というチームを作ってきた。あの頃のメンバーの皆さんに追いついて、いずれは追い越せるように精いっぱい頑張らないといけない」。98年以来の優勝だけを目指す今季。首位広島に2連勝したが、ゲーム差は7ある。追いつくには勝利を積み重ねるしかない。「チーム全員が勝ちに向かって一生懸命やっている」と力を込めた主将。あの日の筒香少年は、頼もしい横浜の4番となった。【佐竹実】

◆DeNAルーキー東が反省の6勝目を挙げた。筒香の2ランで逆転した直後の7回前。投球練習中に左ふくらはぎがつり、緊急降板した。「筒香さんから『あとは頼んだぞ』と言われた直後にああいう形で降板して。情けないです」と唇をかんだ。  それでも6回を4安打1失点にまとめ、広島戦初白星をマーク。自信にはなるとしながらも「リリーフ陣に負担をかけてしまい申し訳ないです」と悔しさをにじませた。

◆広島丸佳浩外野手(29)がDeNA9回戦の3回に左中間へ安打を放ち、史上293人目、球団24人目の通算1000安打を達成した。プロ初安打を記録した10年9月21日ヤクルト戦(マツダスタジアム)から1017試合目での大台到達となった。しかしチームが逆転負けで連敗を喫したため、試合後は笑顔なし。早くも次の1本への戦いに目を向けた。  外角への真っすぐに逆らわずバットを出し、左中間にはじき返した。丸らしい、コースに逆らわない打撃で1000回目の「H」ランプをともした。中堅神里が後逸する隙を突き、一気に三塁へ。バットで、走塁で、そして後ろ姿で広島打線をけん引した。  「昨日(29日)打てていなかったので何とか(と思った)。1000本どうとかではないですけど、チームに貢献できるようにと思っていました」  続く6回には先頭で中堅へ二塁打を放ち、チャンスメークした。「1000本打った後にすぐ打てたので、そっちの方がうれしい」。1000安打はあくまで通過点。変わらぬ高い集中力が、1001本目の安打を生んだ。  10年9月21日ヤクルト戦での初安打から、1017試合目で大台に到達した。「失敗したことの方が潜在的に残っている。打ち損じた球はたくさんあるし、打撃じゃないけど、エラーしたというのも残っている」。失敗が丸を成長させた。今季は右太もも裏の筋挫傷での離脱がありながら、打率3割2分3厘、13本塁打、31打点、出塁率5割4厘、長打率6割2分3厘。チームに欠かせぬ主軸となり、リーグを代表する打者となった。  印象に残る1本は、悩んだ末に「初安打よりも、初本塁打(11年4月19日の横浜戦で大家から)の方かな。いいところで打てたというのがある」。本塁打にこだわりがあるのでなく、チームに貢献したい思いが、強い。だからこそ、節目の記録達成にも、チームの敗戦に笑顔はない。  「いかにチームが勝つために貢献するかだと思っているので...。明日からもしっかりと自分の仕事をできるように準備して、あとは思い切ってやるだけです」。悔しさを力に変え、丸は1002本目の安打を目指す。【前原淳】
 ▼通算1000安打=丸(広島) 30日のDeNA9回戦(横浜)の3回、東から中前打を放ち達成。プロ野球293人目。初安打は10年9月21日ヤクルト19回戦(マツダスタジアム)で押本から。

◆広島丸佳浩外野手(29)がDeNA9回戦の3回に左中間へ安打を放ち、史上293人目、球団24人目の通算1000安打を達成した。プロ初安打を記録した10年9月21日ヤクルト戦(マツダスタジアム)から1017試合目での大台到達。広島担当・前原淳記者が打撃に集中する環境にこだわる丸の姿を「とっておきメモ」で明かします。 ◇  ◇  ◇  バットに残る松ヤニを1枚刃で丁寧に削る作業は、丸の日課だ。わずか数ミリの無駄を省く作業は、打撃を追い求める作業と、どこか似ている。「打撃にゴールはない。毎日、毎日、0・何ミリとか、細かい作業を積み重ねていかないといけない」。打者としてまた1つ、新たな勲章を手にした。  1軍に定着しつつあった時期に意識が変わった。「こうしておけば良かった、という思いをしたくないんです」。コンディション維持に影響を与える酒やたばこは一切止め、偏った食生活を改善。大の野菜嫌いも克服した。  どんなに細かくても事前にできることはやっておく。ホワイトアッシュのバットはジュラルミンケースで持ち運び、乾燥状態をキープ。グラブは指先の革を硬くし、白球を取りこぼさない強さを求めた。チームが一括して運ぶヘルメットも自分で持ち運ぶ。「においがつくのが嫌じゃないですか」と毎日スプレーをかけ、無臭をキープ。打撃に集中する環境を自らつくっている。まさに「千打の道も一歩から」と感じる。【広島担当=前原淳】

◆DeNA・筒香嘉智外野手(26)が24日の中日戦以来となる18号逆転2ランを放った。  筒香は1点を追う六回、一死二塁の場面で打席に立つと、カウント1-1から広島・野村の140キロ真っすぐをフルスイング。打球はDeNAファンの待つ右翼席へ飛び込んだ。チームの主砲は「GET THE FLAG!インコースのボールを、うまく反応して打つことができました。この試合を勝てるように最後まで頑張ります」と笑顔を見せた。

◆DeNA・東克樹投手(22)が広島戦に先発し、6回4安打1失点の好投で6勝(4敗)を飾った。チームは広島に連勝した。  東は二回、一死から会沢にソロ本塁打を打たれ先制点を許すも、その後は粘りの投球で追加点を与えず。6回を投げきると、その裏の攻撃で筒香が2ランを放ち逆転に成功し、お役御免。その後は、救援陣が1点のリードを守りきった。  6勝目を挙げた左腕は「立ち上がりのピンチを無失点で切り抜けたことで、リズムに乗ることができました。1点は失ってしまいましたが、連打などでつながりを作らせずに、得点圏にランナーを置いた状況でも粘り強く投げることができて、ゲームは作れたと思います」と振り返ったが、「長いイニングを投げることができず、リリーフ陣に負担をかけてしまい申し訳ないです」と反省も忘れなかった。

◆広島の丸が三回、中前打を放って、通算1000安打を達成した。プロ入り11年目、1017試合目での到達となったが「昨日打てていなかった。1000安打どうこうじゃなく、チームに貢献できるようにと思っていた」と冷静に振り返った。  交流戦後は5本塁打をマークするなど、打撃好調だ。持ち前のバットコントロールで安打も量産する3番打者は、この日も六回の二塁打で複数安打。「また明日から自分の仕事ができるように準備して、思いっきりやりたい」と前を向いた。

◆広島は2試合連続の逆転負けを喫した。1-0の六回に野村が主砲の筒香に逆転の2ランを浴びた。打線も二回の会沢のソロのみに終わったが、緒方監督は「打てないときもある。悪い流れではなかった」と悲観する様子はなかった。  野村は序盤から走者を出しながらも粘りながらしのいできただけに、もったいない失点となった。高めに浮いた速球を右翼席に運ばれ「もっとしっかり投げ切らないと。大事なところだったし、本当に悔しい」と唇をかんだ。
新井(代打出場し、遊ゴロ) 「悔しい。何とかしたかった」 会沢(二回に8号ソロ) 「コースに逆らわずに、コンパクトにスイングできた」 広島・畝投手コーチ(筒香に逆転2ランを打たれた野村に) 「攻めていったことは悪くない」

◆DeNAのホセ・ロペス内野手(34)が30日、広島9回戦(横浜)の六回の守備から下半身の張りを訴え途中交代。1日の出場は当日の様子を見て決める。

◆筒香が一振りで試合を決める18号2ラン。1点ビハインドの六回一死二塁で野村の内角高め直球を右翼席に運んだ。「勝ちにつながる本塁打を打てて本当に良かった」。これで通算156本塁打とし、球団の左打者として佐伯貴弘氏を抜く最多記録に。この日は日本一になった1998年の復刻ユニホームを着用。試合前セレモニーでは当時の4番・鈴木尚典氏から"魂"を受け継いだ筒香は「先輩方に追いつけるように頑張りたい」と20年ぶりの頂点奪還を誓った。

◆DeNAのドラフト1位・東克樹投手(22)=立命大=が30日、広島9回戦(横浜)で6回4安打1失点の好投。オリックス・田嶋に並ぶ新人トップの6勝目(4敗)を挙げた。  「(六回に)本塁打を打った筒香さんに『後は頼んだ』といわれたのに...。直後にマウンドを降りてしまい情けないです」と東は苦笑いだ。  30度超えの暑さで左ふくらはぎがつり、七回の投球練習中に降板したが、失点は会沢のソロ弾のみ。直球は150キロを6度マークし、変化球も切れ味が鋭かった。  チームトップの6勝目。新人王候補の22歳にとって、迎える夏は正念場だ。夏バテ対策として6月から就寝時は必ずエアコンを消し、体調管理を徹底している。さらに...、「バナナの本数を増やそうかな!」。ベンチで頬張る大好物も増量し、酷暑を乗り切る。  この日は日本一となった1998年の復刻ユニホームで勝ち名乗りを受けた。当時3歳。野球を見たこともなかったが、袖を通したブルーのユニホームは「かっこいいなと思っていました」とニッコリ。22歳のけれん味のない投球は、20年ぶり頂点への原動力となる。 (佐藤春佳)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
403010.571
(↓0.009)
0
(-)
72351
(+1)
315
(+2)
81
(+1)
40
(+1)
0.261
(↓0.001)
4.18
(↑0.02)
2
(-)
ヤクルト
343510.493
(↓0.007)
5.5
(-)
73314
(+7)
338
(+15)
65
(+2)
37
(-)
0.257
(-)
4.35
(↓0.1)
3
(-)
阪神
333610.478
(↑0.007)
6.5
(↑1)
73263
(+15)
289
(+7)
40
(-)
42
(+1)
0.242
(↑0.002)
3.68
(↓0.04)
4
(-)
DeNA
323620.471
(↑0.008)
7
(↑1)
73265
(+2)
289
(+1)
82
(+1)
46
(-)
0.248
(-)
3.72
(↑0.04)
5
(-)
巨人
333810.465
(↑0.008)
7.5
(↑1)
71322
(+5)
293
(+2)
66
(-)
36
(-)
0.263
(-)
3.91
(↑0.03)
6
(-)
中日
324010.444
(↓0.007)
9
(-)
70286
(+2)
341
(+5)
47
(-)
37
(-)
0.259
(↓0.003)
4.48
(↑0.01)