日本ハム(☆3対2★)ソフトバンク =リーグ戦11回戦・沖縄セルラースタジアム那覇=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
福岡
00100 0010 280
日ハム
00000 000 370
勝利投手:石川 直也(1勝2敗5S)
敗戦投手:森 唯斗(0勝3敗16S)
  DAZN
◆日本ハムは2点ビハインドの9回裏、アルシアのソロと代打・田中賢介の適時打で試合を振り出しに戻す。その後2死満塁の好機をつくると、大田泰が押し出し四球を選び、サヨナラ勝利を収めた。投げては、4番手・石川直がプロ初勝利。敗れたソフトバンクは、抑えで登板した森が誤算だった。

◆元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高(63)が、始球式で「中田翔」目がけて激走した。  始球式では2018オリオンキャンペーンガールの3人の女性が登場。どの女性が投げるか分からない具志堅は、慎重に右打席へ。中央の女性が投じた外角へのボールに食らいついたが、届かず。それでも「中田選手がいましたので...」と一塁手の中田に向かって猛ダッシュし、観衆の笑いを誘った。  これまでの始球式では三塁へ走った経験があったが「(中田が)ニタッとしてくれたのが、うれしかったですね~。走ってきて良かった」と満面の笑み。日本ハム先発は、同郷・沖縄のうるま市出身の上原健太投手。「かっこよく投げて欲しい。ということは、勝ってほしいということですね。オリオンビールを飲んで応援します!」とエールを送った。  また、2軍で鍛錬を積む清宮幸太郎内野手について記者へ逆質問。「清宮さんは、どうしたの? 2軍にいると来れないの?」と会いたかった様子。「特別に来てほしいよね」と、ちょっぴり惜しんでいた。

◆日本ハム上原健太投手(24)が、凱旋(がいせん)登板で白星とはならなかった。  3回1死一、三塁で中村晃に先制の中犠飛を許した。リードを許したまま5回4安打1失点で降板。前回登板の18日広島戦で今季初白星も、故郷で2連勝ならず。「結果的には1失点という内容だったのですが、納得のいく投球ではありませんでした。攻撃に良いリズムを持っていくことが出来ませんでしたし、無駄な球が多くて球数が増えてしまいました」と猛省。  沖縄・うるま市出身。家族や親戚、知人らが多く駆けつけたマウンドで、錦を飾ることが出来なかった。「地元の応援には、どうしても応えたい気持ちはあったのですが、このような結果になってしまい申し訳ないです。もっと良い形で応えられれば良かったです」と力不足を悔やんだ。

◆ソフトバンクが今季3度目のサヨナラ負けを喫し、日本ハムに連敗した。  勝ちゲームが一転した。2点リードの9回、守護神森唯斗投手(26)がマウンドへ。1死後アルシアに6号ソロを浴び1点差に迫られるが、レアードから三振を奪い2死に。だが、最後の1アウトが奪えなかった。安打と死球で一、二塁とすると代打田中賢に右前へ同点適時打を許した。  続く西川から森はストライクが入らなくなり、最後は8球連続ボールで大田に押し出し四球を与えサヨナラ負け。森は「どうしようもない...」とぼうぜんとした。工藤公康監督(55)は「信じて、こっちは抑えの投手として投げさせている。こういうこともある。本人も切り替えてやってほしい。負けた責任は僕にある。(今後も抑えを)任せます」と、今季16セーブを挙げ、サファテの穴を埋めてきた森に変わらぬ信頼を見せた。  ビジターながら沖縄での球団初の公式戦だったが2戦2敗で終わった。先発摂津が6回2安打無失点と安定感抜群の投球を見せるなど収穫もあった。工藤監督は「摂津には勝たせてあげたかった。6回を投げきって、いいゲームをつくってくれた。申し訳ない」と悔しさを隠せなかった。

◆沖縄・石垣島出身のソフトバンク嘉弥真新也投手(28)の凱旋(がいせん)登板はならなかった。  前日26日は0-5で完敗。この日は1点を争う接戦で、嘉弥真も5回ブルペンで肩をつくって出番を待ったが、登板機会は訪れなかった。  2日間で100枚のチケットを自ら購入。実際はそれぞれ70人ずつの親戚や友人が駆けつけていた。嘉弥真は「残念です。試合を見せられたことはよかった。勝って投げるところを見せたかったが、試合なので仕方がない。次またいつか、野球をやっている間に沖縄に来られたら、その時、頑張ります」と、前を向いた。

◆日本ハムが、総力戦で今季初の逆転サヨナラ勝ちを手にした。  2点を追う最終9回。前日26日に決勝アーチを放ったオズワルド・アルシア外野手(27)の右中間越え6号ソロが、号砲となった。なお2死一、二塁で、代打田中賢介内野手(37)の右前適時打で同点。試合を振り出しに戻すと、最後は2死満塁で大田泰示外野手(28)が押し出し四球を選んだ。ベンチの野手は清水優心捕手(22)を残し、全員使い切った。  栗山英樹監督(57)は「本当に劇的でしたね」と笑顔。「みんなで勝ちきることに、すごい意味がある。何とか、この勝ち方を生かしたい」と大きな糧にする。

◆日本ハムが今季初のサヨナラ勝ち、両リーグ40勝に一番乗りで首位西武に0・5ゲーム差と肉薄した。  2点を追う9回1死。「野球は最後まで分からない」と号砲を鳴らしたのはアルシアだ。右中間へ2戦連発の6号ソロ。「キレイな本塁打より、勝利のほうがうれしいね」と思いをつなぐ。2死一、二塁から代打の田中賢が右前適時打で同点とし、土壇場で振り出しに戻した。  攻撃の手を緩めず満塁とたたみかけ、この日3三振の大田が冷静に押し出し四球を選び勝利を呼んだ。大田は「みんながつないでくれた打席。僕は何かしたつもりはないです」。野手は捕手清水をのぞき、全て使い切っての総力戦で連勝。栗山監督は「オレっぽいよね。みんなで勝ちきることに、すごい意味がある」と、かみしめた。沖縄の熱気に追い風を受け、今度は本拠地の北国を沸かせる。

◆北海道に本拠地を置く日本ハムが、沖縄で今季初のサヨナラ勝利を飾った。ソフトバンク11回戦(沖縄セルラー那覇)は、1点を追う9回2死、田中賢介内野手(37)の今季初打点となる右前適時打で追いつくと、最後は満塁で大田泰示外野手(28)が押し出し四球を選び劇的勝利。南国の空に、歓喜の声が響いた。  今季初のサヨナラ勝ちに、37歳のベテランの声はかすかに震えていた。9回2死満塁から、最後は大田がストレートの押し出し四球を選んで決着。直前に起死回生の同点打を放った田中賢も、歓喜の輪に加わった。「1月に宮古島で自主トレをしているのですが、今日はその応援団も来ていたので、良かったです」。ここまでプロ生活を支えてくれた人たちの笑顔が、心にしみた。出場機会は減り、苦しんだ今季の初打点。プロ17年目のベテランにとっても格別な1日となった。  アルシアの本塁打で1点差に迫った9回。2死まで追い込まれたが、一、二塁で田中賢が代打出場した。「とにかく、後ろにつなぐ。何とか塁に出れば、かえって来られると思っていた」。2球で追い込まれても、そこからがベテランの真骨頂。フルカウントまで持ち込み、ソフトバンク森の8球目を捉えた。外角144キロ直球を引っ張り、打球は右前へ転がった。敗色ムードを、一変させた。  黄金期を支えてきたベテランの存在は、やはり頼りになる。昨季わずか107試合出場にとどまり、オフには1億2500万円の大減俸(推定)を経験した。今季もこの打席がまだ55打席目。それでも崖っぷちで奮闘している巧打者は、しびれる場面でのヒーローにふさわしい。栗山監督も「さすがだよね。ああいう場面でベテランらしさが出る」と最敬礼だ。  お立ち台で沖縄の魅力を聞かれると「人の温かさ」と、真っ先に答えた。「この気温より、はるかに温かいと思います。沖縄開催。初めての試みでしたけど、ファイターズ大成功!」。ドラマチックな2連勝に、南国沖縄の夜が熱く燃えた。【中島宙恵】

◆15歳で沖縄を飛び出した日本ハム上原健太投手(24)が、プロ野球選手として、故郷に凱旋(がいせん)した。この日、特別なマウンドに上がった同投手の思いに潜入した。       ◇       ◇  幼少期、プロ野球は「別世界」だと思っていた。上原は沖縄本島のうるま市で生まれた。小学生の時、初めてプロ野球選手に会った。父・健さんに連れられて足を運んだ、阪神の宜野座キャンプ。チーム宿舎の非常階段を降りてきた鳥谷に、帽子にサインをしてもらった。興奮はわずかだったと、記憶が残っている。  上原 正直、興味なかったんです。野球選手は人種が違う。目の前でプレーしているのが変な感じ。生まれながらにして野球選手になることが決まっているような"貴族レベル"だと思っていた。  沖縄・西原高で監督を務めていた父に勧められ、自身も野球を始めた。高い身体能力と素質はすぐに開花。地元では目立つ存在になり、思った。沖縄で育った自分は、井の中の蛙(かわず)ではないか。プロ野球をはじめ、本州の人たちの「日常」を「別世界」と片付けてしまっていいのか。「世の中の見方や考え方、(自分が思う)世界の広さが合っているのか分からなくなった」。高校進学を機に野球留学を決意したのは、沖縄から飛び立ち、外の世界に実際に身を置いてみたかったからだった。  「のんびり屋のお前が、県外でやっていけるわけがない」。周囲からは猛反対された。その反応が、反骨心を生んだ。広島の広陵で甲子園に出場し、明大からドラフト1位でプロ野球へ。努力を続け、夢の舞台に飛び込んだ。  そしてこの日、地元で凱旋(がいせん)のマウンドに立った。「納得のいく投球ではありませんでした。地元の応援には、どうしても応えたい気持ちはあった」。5回4安打1失点の奮闘。勝ち負けは付かなかったが、その姿を見て、可能性が広がった沖縄の子どもたちがいたかもしれない。【田中彩友美】

◆まさかのサヨナラ押し出しでソフトバンクが連敗した。2点リードの9回、マウンドには守護神森を送ったが、1点差に詰め寄られ2死一、二塁から代打田中賢に右前へ同点適時打を許した。さらに西川に四球を与え満塁。最後は大田に1球もストライクが入らず押し出し。今季3度目のサヨナラ負けとなった。  「どうしようもない...」と森は一言だけ口にしてバスに乗り込んだ。工藤監督は「こういうこともある。本人も切り替えてほしい。負けた責任は僕にある。立ち直ってほしい。(今後も)任せます」と、ここまでサファテの穴を埋め16セーブを挙げてきた森を責めることはなかった。  ビジターながら球団初の沖縄での公式戦2連戦。「今日こそは沖縄のファンにいいところを見せたい」と工藤監督も張り切っていたが、悔しい逆転負けで沖縄1勝は、次の機会にお預けとなった。4位オリックスが引き分けたため、再び背後に0・5ゲーム差に迫ってきた。

◆ソフトバンクの中村晃が三回に先制の犠飛をマークした。フルカウントから高めの球を中堅へ運び、三塁走者を本塁に招いた。前日は零敗だったこともあり「とにかくまずは先制点を、と思っていた」と満足げだった。  22日のオリックス戦では延長十回に右翼ポール際へ勝ち越し2ラン。この当たりが誤審だったと審判団が認めたことで物議を醸しているが、本人はプレーに集中している。

◆日本ハムが2点を追う九回に驚異の粘りを見せてサヨナラ勝ちを収めた。一死無走者でアルシアがソロを放つ。続くレアードは三振を喫し2死となったが、横尾の左前打と鶴岡の死球で一、二塁とし、代打の田中賢が右前に運んで追いつく。最後は大田が押し出し四球を選んで勝負を決めた。  この1勝で両リーグ通じて40勝一番乗りを果たした。最後はチーム全員がグラウンドで喜びを爆発させ、劇的な勝利の余韻にひたった。

◆ソフトバンクの摂津は6回を2安打無得点に抑え「先発としての役割を果たせたと思う」と語った。ただ、チームは逆転サヨナラ負け。3勝目はお預けとなった。  左打者への内角球がさえ、二塁すら踏ませない。好打者の近藤からは圧巻の3三振を奪った。それでも36歳のベテランの理想は高く「チームのためにもう少し長いイニングを投げたかった」と反省を忘れなかった。
柳田(3安打2盗塁) 「(6月上旬に右太もも裏を)けがする前と同じ、いいコンディションでやれている」

◆日本ハムの石川直が4年目でプロ初勝利を挙げた。2点を追う九回に4番手として登板。三者凡退で片付けて流れを呼び込むと、その裏味方が試合をひっくり返した。  昨季から救援として活躍し、今季はすでに30試合目の登板だった。山形中央高からドラフト4位で入団し、プロ68試合目でつかんだ初白星に「思い出に残ります。何とかサヨナラで勝ってほしいと思っていた。本当に感謝でいっぱい」と率直に喜んだ。
上原(出身地の沖縄で5回1失点) 「地元の応援に応えたい気持ちはあった。納得のいく投球ではなかった」

◆九回に森が2点のリードを守れず、逆転サヨナラ負け。最後は大田に4球連続ボールで押し出し四球を与えた森はしばらく動けず、「どうしようもない」と力なく口にした。セットアッパーの岩崎、抑えのサファテを故障で欠く救援陣は要所で何度もつかまっており、森は3敗目。工藤監督は「信じて投げさせている以上、こういうこともある。負けた責任は僕にある」とかばった。
2盗塁を決めたソフトバンク・柳田 「(沖縄で)足は見せられたかな。(右太もも裏の)けがをする前のいいコンディション」

◆日本ハムは27日、ソフトバンク11回戦(沖縄セルラー)に3-2で劇的な逆転サヨナラ勝ち。両リーグ最速で40勝に到達し、貯金は10。首位西武に0・5ゲーム差に迫った。  2点のビハインドをはねのけた。1974年に球団名が日本ハムになって初めて開催された沖縄での公式戦で連勝を遂げ、栗山監督の声も弾んだ。「ファンに喜んでもらえればうれしい。みんなで勝ちきった。これで勢いがつけばいい」。  九回一死からアルシアが右中間へ6号ソロを運び、流れを変えた。さらに二死一、二塁で代打・田中賢がフルカウントから同点の右前適時打。最後は二死満塁で大田がストレートの四球を選び、3時間50分の熱戦に終止符を打った。 毎年1月に宮古島で自主トレを行う田中賢は「キャンプで名護市にお世話になり、きょうは宮古島から応援団も来ていた。ぜひ頑張りたかった」と声を弾ませた。  "サヨナラ四球"を選んだ大田は、前の打席まで3打数3三振と大ブレーキ。「前のチャンス(八回一死二、三塁)でも打てず、悔しかった。みんながあきらめず、つないでくれた結果」とホッとした表情だった。 (片倉尚文)
九回を3人で退け、プロ4年目で初勝利の日本ハム・石川直 「野手の方に感謝でいっぱい。思い出に残ります」

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
392810.582
(-)
0
(-)
75376
(+3)
297
(+3)
76
(+2)
84
(+1)
0.275
(↓0.002)
4.08
(↑0.03)
2
(-)
日ハム
403000.571
(↑0.006)
0.5
(↑0.5)
73303
(+3)
273
(+2)
82
(+1)
52
(-)
0.245
(-)
3.66
(↑0.02)
3
(-)
福岡
363200.529
(↓0.008)
3.5
(↓0.5)
75292
(+2)
277
(+3)
92
(-)
44
(+3)
0.251
(-)
3.87
(↑0.01)
4
(-)
ORIX
353230.522
(-)
4
(-)
73263
(+3)
256
(+3)
57
(+2)
42
(+2)
0.237
(↑0.001)
3.4
(↑0.02)
5
(-)
ロッテ
353300.515
(↑0.008)
4.5
(↑0.5)
75269
(+4)
267
(+3)
33
(-)
70
(+1)
0.258
(↑0.001)
3.58
(↑0.02)
6
(-)
楽天
254410.362
(↓0.006)
15
(↓0.5)
73221
(+3)
290
(+4)
59
(+2)
37
(-)
0.235
(-)
3.91
(-)