巨人(★2対3☆)ヤクルト =リーグ戦11回戦・東京ドーム=
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ヤクルト
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巨人
00000 0002 270
勝利投手:小川 泰弘(4勝2敗0S)
(セーブ:石山 泰稚(2勝0敗12S))
敗戦投手:今村 信貴(1勝2敗0S)
  DAZN
◆ヤクルトが連敗を3で止めた。ヤクルトは0-0のまま迎えた7回表、2死満塁から西浦が走者一掃となる適時打を放ち、待望の先制点を奪う。投げては、先発・小川が6回無失点の好投で今季4勝目。敗れた巨人は、打線が最終回に1点差まで詰め寄るも、あと一歩届かなかった。

◆巨人坂本勇人内野手(29)がヤクルト戦の先発メンバーから外れた。スタメン落ちは今季初。  グラウンドでは練習は行わず、ベンチ入りメンバーに名は連ねたが、試合開始時はベンチ内に姿はなかった。遊撃手は吉川尚が入った。今カードは初戦で10年連続となる2ケタ本塁打を放ち、前日23日の第2戦も2本の二塁打で2得点をマークするなど好調だった。

◆巨人沢村拓一投手(30)が勝ち越しを許した。7回1死満塁から2番手で登板するとヤクルトの代打荒木をフルカウントから内角低めへ153キロ直球をズバッと投げ込み、見逃し三振を奪う。  2死満塁とし、西浦は3球で追い込んだが、カウント2-2からの5球目。投じた真ん中低め150キロ直球を左中間へとはじき返され、走者一掃となる3点適時二塁打を浴びた。  「打たれたボールが1番悪かった。あそこで抑えるのが仕事。それを求められている。打たれた僕の力不足です」と話した。

◆巨人宇佐見真吾捕手(25)が今季初安打と初打点を記録した。  2点を追う9回2死二塁、ヤクルトの守護神石山にカウント2-2と追い込まれながら137キロフォークを左前へとはじき返した。1点差に詰め寄る一打を放ったが、後続が続かなかった。先頭打者として迎えた8回にもヤクルト近藤にフルカウントまで粘り、7球目で四球を選んだ。  今季は13日に1軍昇格し、出場3試合目。2軍では打撃の状態が上がらずに試行錯誤を繰り返していたが「ファームにいる時よりもちょっとずつ上がってきている」と手応えを口にする。  勝利には結びつかなかったが「ああいう場面で打ててよかった。ヒット+打点がついたのがよかった」と振り返った。

◆ヤクルト小川泰弘投手が、4勝目を挙げた。  0-0で迎えた3回2死一、三塁のピンチでは、巨人の4番岡本を一ゴロに抑えると、グラブをポンとたたいた。  7回1死満塁のチャンスで代打を送られ、6回を被安打4の無失点で降板。カットボールを軸に球を低めに集めて巨人打線を抑え、連敗を3で止めた。「前回よりは調子が良かったかなと思う。連敗を絶対止めるという重たい(意味のある)試合だった。緊張感と平常心のバランスが大事。いつも通り投げることができた」と話した。  小川淳司監督は「今日も1点もやっていないし、尻上がりに良くなってきている」と信頼を置いていた。

◆ヤクルトは組み替えた打線が見事にはまり、接戦を制した。  0-0の7回に畠山、坂口、中村の3連打でチャンスを作った。2死満塁で、今季初めて1番で起用された西浦直亨内野手が、巨人沢村の150キロを打ち返して左中間を破る走者一掃の二塁打を放った。  巨人に連敗し、小川淳司監督は「結果が出ているから」と西浦を1番に置いた。監督の思いに答えた西浦が連敗を止める適時打を放ち「プレッシャーはなかった。余計なことを考えないで、打席に入れました。野手のみなさんがつないでくれて、いい形でつなごうという気持ちだった」と振り返った。

◆巨人が約2カ月ぶりのカード3連勝を逃した。  坂本勇人内野手(29)が先発メンバーから外れた影響が大きかった。1番遊撃手を務め、今カードは初戦で10年連続となる2ケタ本塁打を放ち、前日23日の第2戦も2本の二塁打で2得点をマークするなど好調だった。だがこの日は試合前練習に参加せず、ベンチ入りメンバーに名は連ねたが、姿を現すことはなかった。コンディション不良とみられる。  2番田中俊、3番マギーがマルチ安打を放ったが、1番に入った陽岱鋼は5打数無安打。守備でも7回1死一塁で、遊撃手の吉川尚への打球は、やや不規則なワンバウンドになり、アゴ下を直撃し、内野安打となった。今季は坂本勇とのコンビでほぼ二塁手に入る吉川尚は「捕れば併殺。僕のエラーです」と反省した。ピンチは拡大し、先発今村の後を受けた沢村が2死満塁までこぎつけたが、最後は西浦に走者一掃の適時二塁打を浴びて、手痛い3点を失った。  最終回は代打攻勢で2点を返し、1点差まで迫ったが反撃は及ばなかった。高橋監督は「もう少し序盤からなんとかというところはありましたけど、最後に少し粘ったので」と前を向き、吉川尚の守備には「バウンドが変わったか分からないが、ただ、届く範囲なので、しようがないと言うところではないと思う」と求めた。

◆ヤクルト"新・1番"の西浦直亨内野手(27)が、ひと振りで連敗を止めた。0-0のまま迎えた7回、下位打線が3連打でチャンスを作ると、2死満塁で西浦。カウント2-2から、巨人2番手沢村の150キロ直球に食らいつき、最後は左手1本で左中間に運んで走者一掃の二塁打。「なんとか起爆剤になれるようにと思っていた。無心だったので、よく分からない」と振り返った。  全体練習が始まる直前に、小川監督から打順の変更を伝えられた。16年9月8日DeNA戦(横浜)以来、約1年9カ月ぶりの1番。「予想していなかった。それで、目が覚めました」。試合開始まで、残された時間はわずかだった。「プレッシャーを感じても、しょうがない。やっていることは、変えられない」と腹をくくって臨んだ。終盤に調子を落としていた交流戦後、タイミングを外されても左手1本でも拾える打撃フォームを取り入れた。「ポイントが前になるし、前に振り抜ける」とリーグ再開後の22日巨人戦では4打数4安打と一気に復調した。結果を重視して1番に起用した小川監督は「プレッシャーもあったと思うけど、よく打ってくれた。ここのところ、良い状態でバッティングができていた」と目を細めた。  首位に輝いた交流戦後、初の勝利を挙げ、連敗を3で止めた。最下位も1日で脱出。「これをきっかけに、勝っていきたい」と頼もしい1番打者が誕生した。【保坂恭子】

◆巨人は大黒柱不在がもろに影響した。1番、遊撃手、主将の3役でチームの根幹を成す坂本勇が今季67戦目で初めて欠場した。コンディション不良とみられ、練習にも不参加。ベンチ入りメンバーに名を連ねたが、最後まで姿は現さず、出場できる状況になかった。  接戦となった7回の守備。1死一塁で通常の二塁手から遊撃手に入った吉川尚が不規則にバウンドした球を処理できずに内野安打とした。体の正面で受けた体勢に井端内野守備コーチは「半身になって捕らないといけない」と指摘。吉川尚は「捕れば併殺。僕のエラーです」と反省した。ピンチが広がり、最後は2死満塁で西浦に走者一掃の適時二塁打を浴びて決壊した。  9回に1点差に迫るも約2カ月ぶりのカード3連勝を逃した。高橋監督は「序盤からというところはあったが、最後に少し粘った」と切り替えた。次カードの首位広島戦で坂本勇の巻き返しに期待したい。

◆16日に育成から支配下登録された巨人アダメスが1回を無安打無失点に抑えた。  9回に初登板。先頭に四球を与えたが最速152キロの直球で青木、山田哲らを封じた。「全体的によかった。(山田哲を)ツーシームでゴロを打たせる理想の投球が出来た」と胸を張り、26日からの広島戦への同行も決まった。コンディション不良で2軍調整中のゲレーロは引き続き、2軍で実戦を重ねる。

◆ヤクルトが連敗を3で止め、リーグ戦再開後初勝利を飾った。六回まで両チーム無得点の投手戦となったが、均衡を破ったのはヤクルト。七回、満塁の好機で、西浦の走者一掃となる右中間二塁適時打で3点を先制すると、4人の投手リレーで逃げ切った。先発の小川は6回4安打無失点の内容で、今季4勝目(2敗)を挙げた。  ヤクルトは小川、巨人は今村が先発。六回まで投手戦だったが、ヤクルトは七回、二死満塁で代わった2番手沢村から、西浦が走者一掃となる二塁打を放ち、3点を先制。巨人は九回代打・阿部の右中間適時打などで2点を入れ追い上げたが、ヤクルトが逃げ切った。

◆六回まで両チーム無得点の投手戦となったが、ヤクルトが西浦の二塁打で巨人に競り勝った。西浦は七回、満塁の好機で、走者一掃となる右中間適時二塁打を放った。チームは連敗を3で止め、ヒーローインタビューでは西浦は白い歯を見せた。  --最後はしびれたが、勝利をもぎ取った  「ピッチャーの小川さんがすごい頑張ってくれてたので、何とか打てて良かったです」  --二死満塁で打席が回ってきた  「野手の皆さんがつないでいい形で来ていたので、自分もつなごうという気持ちで入りました」  --あの場面、カウントは2-2だった  「ほんと気持ちで三振だけしないように前に飛ばそうという気持ちでいきました」  --今日は一番という打順、結果を出したいという気持ちは強かったのではないか  「何とか起爆剤になれるようにと思っていきました」  --火曜日から本拠地神宮に戻って中日、阪神を迎える  「中日戦、勝てるように頑張っていきたいと思います」  --また勝負強さ見せてください  「はい、ありがとうございました」

◆ヤクルトの小川が4連勝を飾った。切れのある速球やチェンジアップなどで丁寧に低めを突いて6回を4安打無失点。チームの連敗を3で止め「負けられない試合。先制点を与えずに粘れたのが良かった」と納得の表情だった。  右肘を疲労骨折して昨秋に手術を受け、懸命なリハビリで戦列復帰を果たした。肘周りのマッサージなどは欠かせないが「けがをする前より今の方がいい」と手応えを口にした。
小川監督(6回無失点の小川に) 「ずっと良くなってきている。1点もやらなかったし、ナイスピッチングだった」

◆巨人の今村は七回に3失点し2敗目を喫したが、六回までは無失点と好投した。左打者にはシュートで内角を攻め「悪くはなかった。シュートは自信になった」と手応えを口にした。  七回は坂口の遊撃前への打球がイレギュラーして内野安打となる不運もあり、一死満塁で降板した後に救援した沢村が西浦に3点二塁打を許した。勝負どころで粘り切ることはできなかったが、高橋監督は「そこまでは良かった」と投球内容を評価した。
宇佐見(九回に適時打) 「ああいう場面で打てたのは良かった」 アダメス(育成選手から昇格し、初登板で1回無失点) 「緊張はあったが、持ち味は出せた」

◆打率リーグトップ(・340)の坂本勇が今季初めて欠場した。通常通り球場入りしたが、試合前練習に参加せず、試合中もベンチに姿を見せなかった。コンディション不良とみられ、高橋監督は26日の広島戦(マツダ)の出場について、「分からないですね、それはね」と話した。

◆2年ぶりに1番で起用された西浦が、両軍無得点で迎えた七回二死満塁で左中間に決勝の3点二塁打。「余計なことを考えずに、いつも通りの感じでいきました」と笑顔を見せた。交流戦は規定打席に到達した打者の中でワーストの打率・155だったが、4試合連続安打と復調気配。小川監督も「いい集中力だった」とたたえた。

◆一歩及ばず。4月28-30日のヤクルト戦(東京ドーム)以来の同一カード3連戦3連勝を逃し、高橋由伸監督(43)は「当たり前ですけど、相手もそう簡単にいくものではない。(打線は)もう少し序盤から何とか...というところはありましたけど、最後に少し粘ったので」と、悔しそうな表情を見せた。 打線はヤクルト・小川らに封じられた。九回に石山から代打・阿部の適時二塁打などで2点を返したものの、最後は二死一塁で陽岱鋼が三ゴロ。好調の4番・岡本も、全て走者を置いた場面で4打数無安打に終わった。  ただ、交流戦最高勝率に輝き、勢いづくヤクルトに2勝1敗で勝ち越した流れは悪くない。26日からは5・5ゲーム差で追う首位・広島との3連戦(マツダ)。前半戦の大きなヤマ場に臨む。 (谷川直之)
2番手で登板し、西浦に3点二塁打を浴びた巨人・沢村 「(西浦が)スプリットに反応していなかったので迷いはあったが、ここがきょうの分岐点と思って(直球を)投げた」 七回途中3失点で2敗目を喫した巨人・今村 「悪くなかった。(今後も)継続して内角を攻められれば」 16日に支配下登録され、来日3年目でプロ初登板の巨人・アダメス  「直球とツーシームを投げ分けてアウトを取るのが自分の持ち味。(山田哲を抑え)自信になった」 九回、代打で右中間適時二塁打を放った巨人・阿部  「(石山の)フォークを頭に入れながら、うまく打てた」

◆ヤクルトは24日、巨人11回戦(東京ドーム)に3-2で勝ち、連敗を3で止めた。先発の小川泰弘投手(28)が、6回4安打無失点と好投し、自身4連勝で4勝目(2敗)。6月は4試合に登板し3勝0敗、防御率1・08と完全復活を印象付けた。これで球団では19年ぶりとなる巨人戦5連勝。チームは1日で最下位を脱出し、セ・リーグの単独4位に浮上した。 小川が、ベンチで声をからした。「回れ、回れーっ!!」。0-0の七回二死満塁、西浦が左中間を破る3点二塁打を放つと、両手を挙げて喜びを爆発させた。  「点が入ることだけを祈っていました。絶対に負けられない試合で、先制点を与えなかったのがよかった」  6回で100球を投げ、4安打無失点。最後まで得点を許さず、5月27日のDeNA戦(神宮)から続く自身の連勝を4に伸ばした。  昨年10月に右肘疲労骨折の手術を受け、今季は出遅れた。しかし、5月13日のDeNA戦(横浜)で復帰すると、6月は4試合に登板し3勝0敗、防御率1・08。この日も抜群の安定感を見せ、復活を印象付けた。  約7カ月間のリハビリ期間。「やるべきことをやる」と糧にしてきた。昨年末には実家のある愛知・田原市の赤羽根ロングビーチを黙々と走り込んだ。元日も休みなし。午前3時半に起床し、ウエートトレーニングで2時間半、汗を流した。今季にかける思いが体を自然と目覚めさせた。 エースたるゆえんはグラウンド外にもある。毎朝食は自炊にこだわり、自ら自宅近くのスーパーマーケットで食材を選ぶ。白米、みそ汁、目玉焼き、トマト、納豆、サバの缶詰...などバランスを重視して摂取。「プロ野球選手は体が資本」と体に入れるものに細心の注意を払う。  小川は巨人戦5連勝とし、チームは昨年から続く東京ドームでの連敗を7で止めた。3連勝した4月6-8日(神宮)に続いて開催された東京に本拠を置くチーム同士による「TOKYOシリーズ」で計4勝2敗と勝ち越しを決め、順位は4位に浮上。交流戦明け初勝利を機に、燕が再び上昇気流に乗る。(横山尚杜)
小川をリードしたヤクルト・中村 「どのボールも低めに集まって、丁寧に投げてくれた。それに尽きる」 ヤクルト・田畑投手コーチ 「粘って先に点を与えなかった。試合の中でいいボール(球種)を自分で選択して投げている」 小川についてヤクルト・小川監督 「尻上がりによくなっていった。ナイスピッチング」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
372810.569
(↑0.006)
0
(-)
77320
(+11)
295
(+6)
71
(+1)
36
(+2)
0.258
(-)
4.21
(↓0.03)
2
(-)
巨人
323410.485
(↓0.007)
5.5
(↓1)
76301
(+2)
261
(+3)
63
(-)
33
(+1)
0.266
(↓0.001)
3.7
(↑0.01)
3
(↑1)
DeNA
303320.476
(↑0.008)
6
(-)
78250
(+6)
261
(+1)
77
(+1)
44
(+1)
0.249
(↑0.001)
3.65
(↑0.05)
4
(↑1)
ヤクルト
303410.469
(↑0.009)
6.5
(-)
78272
(+3)
305
(+2)
56
(-)
35
(-)
0.252
(-)
4.27
(↑0.04)
5
(↓2)
中日
313610.463
(↓0.007)
7
(↓1)
75271
(+1)
308
(+6)
45
(-)
35
(-)
0.261
(-)
4.31
(↓0.02)
6
(↓1)
阪神
293510.453
(↓0.007)
7.5
(↓1)
78216
(+6)
264
(+11)
34
(+1)
38
(-)
0.237
(↑0.001)
3.6
(↓0.09)