◆DeNAは、先発・ケイが5回途中無失点の投球。ローテーションの一員として期待される助っ人が、順調な調整ぶりをアピールした。一方のオリックスは、紅林が3安打を記録。シーズン開幕に向け、仕上がりの良さを示した。

◆オリックスはオープン戦2度目の完封負けで、5連敗を喫した。2回から5回まで毎回走者を得点圏に進めながら、ホームが遠かった。「5番遊撃」の紅林弘太郎内野手（23）は3安打の活躍。だが、0－1の5回の守備では2死一塁から遊飛を風に流され、落球。痛恨の失策で2点目を献上した。先発の椋木蓮投手（25）は5回2／3を2安打2失点（自責1）の力投。22年9月にトミー・ジョン手術を受けた右腕が開幕ローテへ前進した。

◆オリックス紅林弘太郎内野手（23）が3安打の固め打ちだ。「5番遊撃」で出場。1、2打席目は左腕ケイから左翼へ引っ張った。6回には石田裕の直球を右前へ。これで5戦連続安打。「球の見え方はいいのかな」とうなずいた。オープン戦打率は3割7分5厘。開幕を1週間後に控え、好調を維持している。だが、チームは8安打を放ちながら完封負け。「いいところで打点を挙げられるように意識してやりたい」と自覚する。守備では5回にフライを落球し、追加点を献上したこともあって「ちゃんとやっていかないと」と反省した。19日まで東京ドームで行われていたメジャー開幕戦にも刺激。ドジャース山本の活躍に「身近でやっていた人がああいう舞台でやっていたので本当に勉強になる。僕もそういう世界でやりたい」と目を輝かせた。オープン戦は残り3試合。「やることは変えずに。内容を重視していいスイングができたら」。若武者が打線を奮い立たせる。

◆勝利し、タッチを交わすDeNAナイン＝横浜スタジアム（撮影・荒木孝雄）

◆25歳の椋木が開幕ローテーション入りを確実とした。オープン戦最後の登板で5回?を2安打2失点。直球と球速が変わらないカットボールが有効で、強打者の牧、オースティン、筒香から三振を奪った。「ラストチャンスと思って挑んだ。低めに集められた」と目を輝かせた。東北福祉大からドラフト1位で入団したが、右肘手術をした後に育成選手となり、はい上がってきた。先発として迎えるプロ4年目のシーズンに「肘も大丈夫だった。次も頑張りたい」と気迫をみなぎらせた。

◆昨季4勝のDeNA・石田裕太郎投手（23）が六回から3番手として登板し、3回?を無失点に抑えた。6人の開幕ローテーションはエースの東、バウアー、ジャクソン、ケイ、大貫の5人が当確となる中、最後の枠を狙う2年目右腕がアピールに成功した。最終局面に入った開幕ローテーション争いで、石田裕が結果でアピールした。六回から3番手で登板し、安定した制球力で3回?を危なげなく無失点。飛躍を狙う2年目右腕は、「バッターを見ながらしっかり投げることができてよかった」と充実の表情を浮かべた。決め球のシンカーに加えて、オフは曲がり幅の大きいスライダーの習得に着手してきた。米大リーグで流行するスイーパーを見ての決断で、この日も打者の反応を確認。「コントロールが難しい球種だけど、カウントを整えたい時にしっかりストライクに投げられた」と手応えもつかみながら単打2本に抑えた。開幕ローテーション争いは東、バウアー、ジャクソン、ケイの4本柱に加えて、実績のある大貫も当確。3年目右腕の吉野らと残る1枠を競う中、吉野は前日19日のイースタン・リーグの巨人戦で2回?を8失点。中継ぎからの先発転向を目指した伊勢は再び救援に回ることが決まった。三浦監督は石田裕について「自分のペースで制球の良さを出せていた」と評価し、「（ローテーションに入るための）準備はしている。そのために長いイニングを投げさせていますから」と話した。「いつでもアピールをする立場。シーズンが始まっても同じようなピッチングがしたい」と石田裕。地元横浜出身の23歳が、〝6番目の男〟に名乗りを上げた。（阿部慎）