ロッテ(★0対8☆)西武 =リーグ戦17回戦(2024.08.29)・ZOZOマリンスタジアム=
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西武
20000200481401
ロッテ
0000000000700
勝利投手:渡邉 勇太朗(2勝4敗0S)
敗戦投手:カイケル(0勝1敗0S)

本塁打
【西武】佐藤 龍世(4号・1回表2ラン)

  DAZN
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◆西武は初回、佐藤龍の2ランで先制する。その後6回表に古賀の適時二塁打で2点を加えると、9回には平沼の適時二塁打などで一挙4点を奪い、試合を決定づけた。投げては、先発・渡邉が6回途中無失点で今季2勝目。敗れたロッテは投打ともに振るわず、開幕からの同一カード連勝記録は16でストップした。

◆ロッテのカイケルが3試合目の先発。来日初登板の8月17日ソフトバンク戦の初回に2失点したが、その後は11イニング連続無失点中。この2試合を見ると、カイケルは右打者に25打数5安打の被打率2割で、左打者は15打数1安打の被打率6分7厘。左打者に許した安打は来日初登板の初回、柳町の中前打だけ。左打者を18人連続ノーヒット(1犠打、3四球を含む)に抑え、無失点を続けている。

◆泥沼脱出へ西武の4番佐藤龍世内野手(27)が口火を切った。15年のサイ・ヤング賞左腕、ロッテ・カイケルから初回、甘く入ったツーシームを先制の4号2ランに。「打った瞬間、気持ちいい! と思うくらい確信できるホームランでした」と手応えの良さを振り返った。前日までで今季はロッテ戦0勝16敗。この日勝たなければCS進出が完全消滅するという一戦で、度胸満点の背番号10が力を見せた。

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◆ロッテ戦0勝16敗と苦しむ西武は、この日も試合中盤にアクシデントに見舞われた。チームは6回表まで4-0でロッテをリード。5回まで無失点投球を続けた先発右腕の渡辺勇太朗投手(23)が6回、2死二塁とされ、ロッテの4番ソトとの対戦を迎えた。2球で追い込んでから150キロの直球で勝負に行くと、ソトからは痛烈なピッチャー返し。バウンドした打球が右足首に当たり、渡辺は立ち上がろうとしたものの両膝を地面について、うずくまった。ベンチで治療を受けてからマウンドに戻ったものの、何球か投球練習をした上で降板が決定。渡辺久信監督代行(59)が交代を告げ、ベンチへゆっくりと歩くと西武ファンだけでなく、ロッテファンからもそのスピリッツに温かい拍手が送られていた。その後、リリーフで緊急登板した佐藤隼輔投手(24)は2死一、三塁で5番ソトを一塁ゴロに打ち取り、西武の4点リードで7回に入った。

◆ロッテ戦0勝16敗と苦しむ西武にこの日も試合中盤以降、アクシデントが相次いだ。6回、先発右腕の渡辺勇太朗投手(23)がロッテ・ソトのピッチャー返しを右足首付近に受け、ベンチで治療へ。その後マウンドに戻って投球練習をしたものの、投手交代が決定。無念の降板となった。7回には2死一、三塁で山村崇嘉内野手(21)が自打球を足に当て、立ち上がれず、チーム関係者に肩を借りてベンチでの治療へ。その後打席に戻り、二塁への弱いゴロ。山村は全力疾走し、一塁へヘッドスライディング。微妙なタイミングのアウト判定に西武ベンチはリクエストを要求したものの、その結果もアウトになった。7回表を終え、4-0で西武がリードしている。

◆西武が今季のロッテ戦17試合目にして、初めて白星を挙げた。この日は初回、15年のサイ・ヤング賞左腕、ロッテ・カイケルから佐藤龍世内野手(27)が4号2ランを放って先制。6回には2番手中村稔から2死二、三塁のチャンスをつくり、古賀悠斗捕手(24)の2点適時二塁打で加点した。先発右腕の渡辺勇太朗投手(23)も直球とカットボールを主体に要所を粘り、6回途中無失点で今季2勝目を挙げた。借金42で最下位に沈む西武は、特にロッテには分が悪く、28日までの直接対決は0勝16敗。そのうち8試合は2点差以内の負けながら、得失点差はマイナス46。接戦で競り負けるか大敗するか、流れがつかめずにいた。3-4で敗れた前日28日も、2つのバッテリーミスがいずれも失点につながっていた。西武がロッテ戦で勝利するのは昨年のシーズン最終戦、10月3日以来。シーズンの借金が12だった昨季も、ロッテに9勝16敗と大きく負け越していた。

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◆ロッテは16連勝中だった西武に今季初黒星となった。3度目の登板で本拠地初マウンドの先発ダラス・カイケル投手(36)は初回、先頭打者に四球で出塁を許すと、2死三塁から西武佐藤に先制の2ランを浴びた。2回以降は高い修正力を見せ5回6安打2失点で降板したが、初回の失点が痛かった。「初回に失点してしまい、なかなかリズムに乗ることができませんでした。悔やむ1球になりました」とほろ苦な本拠地初登板を振り返った。吉井理人監督(59)は「低めに一生懸命に投げようとしていたんですけど、ちょっと今日はボールが多かったですね」と話した。6回から2番手で登板した中村稔弥投手(28)も2死から四球と長打を2本連続で許し2失点と突き放された。9回から登板の二保旭投手(34)も四球から3連打で4失点。吉井監督は「中村はしっかりビシッと抑えてほしかったんですけど、今回はうまくいかなかった。いつもはロングリリーフでたいへんなところでやってくれている。二保も雨の中で頑張ったけどやられちゃったんで明日2人は抹消して、新しいフレッシュなピッチャーを呼ぼうと思っています」と明かした。打線も振るわず、今季13度目の完封負け。指揮官は「いつもこんな感じになっているので、本当になにか変えていかないとダメだなと思っている。明日もいい投手が来るのでしっかりと対策をとってやっていきます」と11連敗中のソフトバンク有原対策を練る。

◆西武がやっっっっっっっっっっっっっっっっと、ロッテに勝った。借金40超の最下位西武にとって、今季0勝16敗だったザ・天敵。初回の佐藤龍世内野手(27)の先制2ランでのリードを、雨や渡辺勇太朗投手(23)のアクシデント降板もありながらも全員でしっかり守り抜いた。CS進出の完全消滅も目前。苦しい1年のこの先は、獅子の意地と未来への希望を紡いでいくしかない。ゲームセットが迫り、雨が強まる。西武ベンチには屋根もあるのに、誰も雨宿りしない。フィールドの9人と同じように、打たれ続ける。防水加工とはいえ左腕の銀時計もびしょぬれになった渡辺久信GM兼監督代行(59)は「何とか1勝というか、長かったなという感じはします」と笑顔は見せずに振り返った。0勝16敗。重度の肉離れからこの日戦線復帰した平沼が誰よりも早くグラウンドを踏み、つぶやいた。「そろそろ勝たないとまずいですよね...」。その力になる4安打。先制かつ決勝2ランの佐藤龍も最後まで指揮官の横で声をからし、ぬれ続けた。「早く終わらないかなって」。冗談を交えながら、でもまなざしは燃えに燃えていた。1勝は1勝だが、まだ1勝16敗。これが現実ではある。渡辺GM兼監督代行は「これは本当に恥ずかしいこと」と一刀両断する。「プロとして戦っている以上、本当はあってはならないこと。ただそういうことが起こり得るのもプロ野球かなという」。ベンチの外から中から恐ろしさを知った。ここまで負けても、土砂降りでも球場に駆けつけるファンのためにも、来年は繰り返せない。佐藤龍は言う。「そこまでやりづらいとかはないんですけど、勝てないことが自分たちの首を絞めていたとは思います。そういう意味でまず1勝、でした。今日は次に生きる大事な1勝だと思っています」。まだぬれている髪から、重たい水を払った。【金子真仁】

◆ロッテが開幕から16戦負けなしだった西武戦で初黒星がついた。本拠地初先発のカイケルは初回に2ランを浴びたが、その後は修正し5回2失点。吉井監督は「低めに一生懸命に投げようとしていたんですけど、今日はボールが多かった」と振り返った。打線も振るわず、7安打で今季13度目の完封負けに「いつもこんな感じになっているので、本当になにか変えていかないとダメ」と厳しい表情だった。

◆9月が迫る今、ナベQこと渡辺久信GM兼監督代行(59)が率いる西武に今季ロッテ戦初白星をもたらしたのは、ナベUこと渡辺勇太朗投手(23)だった。試合終了前後には、グラウンドに水たまりができるほどの土砂降りに。ヒーローインタビューは異例の傘の下。笑いながら「僕のやることは変わらないと思うので、とにかく0をスコアボードに並べることを意識しました」と雨粒にかき消されないように声を張った。何度も迎えたピンチで、ポランコら左の強打者たちの胸元にカットボールを投げ続けた。逃げない投球がうれしい白星を呼んだ。6回途中、ソトのピッチャー返しがワンバウンドで右くるぶし付近に直撃し、うずくまり、投球練習を再開したものの結局、投手交代となった。苦しい中、マウンドへ立とうとするスピリットには球場全体から拍手が起きた。渡辺にもしっかり伝わる大きなうねり。「ライオンズファンの方も、ロッテファンの方も大きな拍手で迎えてくれたので。球場全体の方にありがとうございましたと伝えたいです」。190センチ超の長身ながらとても物腰が丁寧な渡辺らしく、晴れやかに笑っていた。【金子真仁】

◆ロッテ・佐々木朗希投手(22)が30日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)に先発する。種市とキャッチボールをして調整し「自分の持っているものを出しきれるように、しっかりと準備をして登板に備えて、チームの勝利に貢献できるように頑張ります」と意気込んだ。前回22日の日本ハム戦は6回6安打4失点で負け投手に。それでも「前回よりも強さはあった。まだまだいいボールは投げられる。試合数も少ないのでその場その場で自分の持っているものを出し切っていきたい」と話しており、中7日のマウンドで7勝目を目指す。

◆西武にとって、負ければパ・リーグワーストタイ記録となるシーズン同一カード17連敗、さらに12球団最速でクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が完全消滅してBクラス(4位以下)が決定する一戦。意地を見せたのは、4番・佐藤龍世内野手(27)だった。「打ったのはツーシーム。打った瞬間、『気持ち良い!』と思うくらい、確信できるホームランでした。次打席でも打てるよう、しっかり準備していきます」一回2死三塁。カウント1-2からロッテ先発・カイケルの141キロを左翼席に運んだ。プロ6年目でキャリアハイとなる4号。ベンチで会心の笑みがこぼれた。目下、ロッテに開幕から16連敗中で、同じ「プロ」を名乗るのもはばかられる惨状。前日28日も1点リードで迎えた八回に暴投で追いつかれ、無死一、二塁の好機を逸した延長十二回に再び暴投でサヨナラ負け。渡辺GM兼監督代行も「投打含めて勝負弱さ」と苦渋の表情で言葉を絞り出すしかなかった。それでも、この日は2点のリードを背に、対ロッテ戦2年ぶりの登板となった〝ナベU〟こと渡辺が「僕がやることはどの相手でも変わらない」と五回まで2安打無失点と好投を続けた。

◆待ちに待った舞台だった。7月下旬に加入した2015年のサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)左腕、カイケル(前ブルワーズ)が、来日3度目の先発で初めて本拠地のマウンドに立った。「初めてZOZOマリンでファンの大歓声の中で投げられることをとてもうれしく思う。緊張はすると思うが、その緊張をしっかりとコントロールして楽しみながら投げたい」立ち上がりに悔いが残った。一回2死三塁から佐藤龍に対してチェンジアップが真ん中に入って左越えの2ランを被弾。助っ人左腕はバットに捉えられた直後にすぐに頭を抱え、悔しさをにじませた。それでも切り替えて、二回以降は粘りの投球だった。真骨頂であるコースへ丁寧に制球を集めて、三回にも2死一、二塁のピンチを背負ったが外崎を遊ゴロに抑えた。なんとか踏んばって5回99球を投げ6安打2失点で降板したが、打線の援護がなく、またも来日初勝利はお預けとなった。メジャー通算103勝を誇る左腕の活躍は投球だけでない。27日の西武戦で9勝目を挙げた小島にはチェンジアップの握りをアドバイス。この日に2番手で登板した同じ左腕の中村稔にも練習時に助言を送る姿があり、経験を惜しみなくチームメートに伝えている。加入時に吉井監督は「マリーンズは若いチームなので、彼の経験、技術を教えてもらえればすごくありがたい」と期待していた。その言葉通り、カイケルはさまざまな場面でフル回転している。

◆西武が今季のロッテ戦17試合目で初勝利を挙げた。一回に佐藤龍の2ランで先制し、六回に古賀が2点二塁打。九回も4点を加えた。渡辺は六回途中まで無失点で2勝目。ロッテは打線が振るわず、カイケルは来日初黒星を喫した。

◆ロッテは零封負けで、開幕からの西武戦の連勝記録は16でストップした。打線が無得点に終わり、吉井理人監督(59)は「いつもこんな感じになっている。本当になにか変えていかないと駄目だなと思っている」と厳しい表情だった。2点を追う四回は2死一、三塁としながらも高部が三ゴロに仕留められ、八回は無死一、二塁としたが藤原が左飛、ソトがニゴロ、ポランコが遊飛に仕留められた。8月は打線が苦しんでおり、これで10試合連続で5点以上を奪えなかった。来日3度目の登板となったカイケル(前ブルワーズ)は5回6安打2失点。一回に佐藤龍に2ランを浴びて「初回に失点してしまい、なかなかリズムに乗ることができませんでした。悔やむ1球になりました」と下を向いた。指揮官は「低めに一生懸命に投げようとしていたんですけど、ちょっと今日はボールが多かったですね」と話した。六回から登板した2番手・中村稔は3回2失点。3番手・二保は1回4失点とそれぞれ打たれる結果に。吉井監督は「中村はビシッと抑えてほしかったんですけど、今回は上手くいかなかった。いつもはロングリリーフで大変なところでやってくれている。二保も雨の中で頑張ったけどやられちゃった。明日2人は抹消して、新しいフレッシュなピッチャーを呼ぼうと思っています」と明かした。

◆3月29日の開幕から154日目。ついに、ついに、西武が17戦目にしてロッテに勝った。「何とか1勝というか、長かったなという感じはしますけど、これは本当に恥ずかしいこと。(同じ)プロとして戦っている以上、あってはならないこと。ロッテは役割分担がはっきりしていて、しっかりとした嫌な野球をしてくる」〝西武信用金庫〟と揶揄(やゆ)され続けた中で、渡辺久信監督代行(59)は少しだけ息をついた。ナベQに白星を贈ったのはナベUこと渡辺勇太朗投手(23)だった。六回2死二塁でソトの打球が右くるぶし上部を直撃。治療に一度ベンチに下がり、再びマウンドで投球練習を再開したが、「この回を投げ切りたかったが、力が入らなかった」と降板した。それでも無失点で救援陣にバトンを託し、6月25日以来の2勝目を挙げた。激しい雨が降る中、ヒーローインタビューに立った渡辺は自らビニール傘を差しながら「(ロッテ戦の連敗は)自分が止めるべきとの強い気持ちで臨んだ」。今季のロッテ戦は残り8試合。指揮官は「まだ、そんなにあるの?」と苦笑しながらも、「まず1勝しないと始まらない、とずっと発破をかけてきた。一つ一つ勝つしかない」と反攻を誓った。(東山貴実)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
72403 0.643
(-)
M19
(-)
28484
(-)
317
(-)
92
(-)
78
(-)
0.256
(-)
2.550
(-)
2
(-)
日本ハム
60488 0.556
(-)
10
(-)
27442
(-)
397
(-)
86
(-)
72
(-)
0.249
(-)
2.930
(-)
3
(-)
ロッテ
59536 0.527
(↓0.005)
13
(↓0.5)
25411
(-)
415
(+8)
61
(-)
54
(-)
0.248
(↓0.001)
3.210
(↓0.04)
4
(-)
楽天
56543 0.509
(-)
15
(-)
30403
(-)
457
(-)
61
(-)
68
(-)
0.243
(-)
3.730
(-)
5
(-)
ORIX
52613 0.460
(-)
20.5
(-)
27321
(-)
345
(-)
52
(-)
46
(-)
0.234
(-)
2.680
(-)
6
(-)
西武
36782 0.316
(↑0.006)
37
(↑0.5)
27273
(+8)
409
(-)
46
(+1)
58
(-)
0.207
(↑0.002
3.210
(↑0.02)