巨人(☆2対1★)阪神 =リーグ戦14回戦(2024.07.16)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
20000000X2900
勝利投手:山﨑 伊織(7勝2敗0S)
(セーブ:大勢(1勝1敗11S))
敗戦投手:才木 浩人(8勝3敗0S)
  DAZN
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◆巨人が接戦を制した。巨人は初回、岡本和と大城卓の適時打で2点を先制する。投げては、先発・山崎伊が7回1失点の粘投。その後はバルドナード、大勢の継投でリードを守り、山崎伊は今季7勝目を挙げた。敗れた阪神は先発・才木が力投を見せるも、打線がつながりを欠いた。

◆阪神打線は火曜日に登板する先発投手に勝ちを付けられるか。今季阪神の火曜日は14試合を消化して打率2割1分3厘で、得点数は曜日別ワースト(月曜日を除く)の25点。そのうち先発投手が登板中の援護点は15点しかなく、1試合の平均援護点は1・1点。この曜日に先発して白星を挙げたのは4月9、30日村上の2度しかない。特に才木が火曜日に回った6月25日以降は0→0→0点と3試合連続で援護なし。今日こそ得点を挙げて才木に白星を付けたい。

◆阪神野口恭佑外野手(23)が3試合連続で3番に座る。この2試合は安打1本ずつ。試合を決める一打に期待がかかる。野口に続く4番佐藤輝明内野手(25)、5番大山悠輔内野手(29)のクリーンアップトリオの並びも3試合連続だ。先発は才木浩人投手(25)。7試合連続でハイクオリティースタート(7回以上、自責点3以下)と相変わらずの快調ぶりだが、ここ3試合は白星に恵まれず8勝で足踏み中。4試合ぶりの勝利でリーグトップ9勝目を目指す。

◆阪神才木浩人投手(25)が序盤苦しみ、初回に2失点を喫するなど、3回までに今季ワーストに並ぶ7安打を許した。初回、先頭の丸に中前打を浴びると、続く吉川尚に四球。ヘルナンデスを空振り三振に斬るも1死一、二塁から、4番岡本和に甘く入ったスライダーを捉えられ、先制の左前適時打を許した。さらに大城にも三塁線を抜く適時二塁打を許し、この回2失点した。2回にも2死から吉川尚に右前打を浴び、3回は1死から大城、岸田、岡田に3連打を許し1死満塁のピンチ。それでも門脇、山崎を連続三振に斬って無失点でしのいだ。今季ここまで8勝2敗の右腕だが、この日は苦しい立ち上がりとなった。

◆阪神小幡竜平内野手(23)が巨人山崎伊織投手(25)を強襲する安打を放った。4回2死から鋭い投手返し。山崎伊は反応が遅れ、右足スパイク付近に打球が当たった。一塁方向に転がり、内野安打になった。右腕はすぐに治療のためベンチに下がったが続投した。小幡は0-2の2回に1点を返す左前適時打を放っていた。

◆阪神野口恭佑外野手(23)が痛恨のけん制死を食らった。5回2死から右前打で出塁。3番に座って3試合連続安打となった。佐藤輝明内野手(25)の四球で二塁に進塁したあと、大山悠輔内野手(29)への2球目の前に隙を突かれた。山■(■は崎の大が立の下の横棒なし)伊織投手(25)がくるりと素早くけん制。二塁の吉川尚輝(29)がぎりぎりのタイミングで二塁ベースに入り、野口は頭から戻ったが、完全にアウト。絶妙なピックオフに引っかかり、貴重なチャンスを逸した。東京ドームの阪神ファンの大きなため息を誘った。

◆阪神が接戦の末に巨人に敗れ、首位再奪取とはならなかった。今季ここまで8勝を挙げている才木浩人投手(25)が、力投を続けるも今季3敗目。6月16日ソフトバンク戦(ペイペイドーム)を最後に、4試合白星なしとなった。才木は初回、先頭の丸に中前打を浴びると、続く吉川尚に四球。ヘルナンデスを空振り三振に斬るも1死一、二塁から、4番岡本和に甘く入ったスライダーを捉えられ、先制の左前適時打を許した。さらに大城にも左翼への適時二塁打を許し、この回2失点。序盤苦しみ、7回には今季ワーストの8安打目を浴びたが、2回以降は粘り強く援護を待った。しかし打線は、2点を追う2回2死一、二塁で小幡竜平内野手(23)の左前適時打で1点をかえすのみで、なかなか追いつくことが出来ず。5回には2死から野口の右前打と佐藤輝の四球で一、二塁の好機をつくるも、二塁走者の野口がけん制死と悔しいミスもあった。この日は2位DeNAと3位広島の一戦が中止。勝てば再奪首の可能性があったが、黒星を喫した。

◆阪神が接戦の末に巨人に敗れ、首位再奪取とはならなかった。今季ここまで8勝を挙げている才木浩人投手(25)が、8回9安打2失点と力投を続けるも、プロ初の完投負け。6月16日ソフトバンク戦(ペイペイドーム)を最後に、4試合白星なしで今季3敗目を喫した。援護できない打線に、岡田彰布監督(66)は「そんなんミスばっかりやん。どんだけミスしてんのこのゲームだけで」と厳しい口調で話した。岡田監督の一問一答は以下の通り-才木は自分から8回投げたいといや、それは行かせるつもりやったけどな。本人も行くって言うから。あんなところで代えられへんわ。-初回だけが初回にな、40球も、38球か、よく投げたと思うよ。-8回まで投げたところにすごさがある。そら、すごいすごい。-エースが投げるとぉに勝ち星を付けられないそんなんミスばっかりやん。どんだけミスしてんの、このゲームだけで。-5回の野口は痛かったそら痛いよ、そんなの。-好投手と対戦する火曜は打つのが難しい分、やるべきことをやらないとそうやんか、普通にやっとけばええやん、別に。普通にでけへんからしゃあないやん。ライト線(への安打)でも一、三塁にもなれへんし。そんなんコーチャーの指示やろ、後ろの打球なんか。ホンマに普通にやっとけばええのに。何回、サイン出しても走らん。ええ? ひどいな。何にもでけへんもん。-安打も2死からだったからこそ、機動力を絡めたい絡めるもクソも、走ったらええねん。別にセーフになれって言うてない。走れのサインやから。何十回やねん、今年。そんなヒット、バンバン続くかい、今年なんか見てみい、どんな打率なんや。そやろ? もうなあ、少ないチャンスで点取らなあかんのに、簡単にヒットなんか出るかい、お前。打てへんやんか、お前。-ずっと言っていても変わらない変わらん、変わらん、ずっと一緒やん。何百回言うても変わらん。-どうしたらいいか知らんよ、そんなもん。俺はサイン出すだけやから、そんなもん、知らんがなそんなもん、俺は走る方ちゃうんやから。

◆女房役の阪神梅野隆太郎捕手(33)も才木の力投をねぎらった。初回の大乱調から8回まで持ちこたえさせた。東京ドームで本塁打も警戒しながら追加点を防いだ。「ボール先行で球数が増えたのがバッテリーとしての反省点。でも勝負にいった結果でもある。あの2点だけで8回まで投げることができた。いい粘りでした」と苦しい共同作業を振り返った。

◆阪神野口恭佑外野手が猛省した。5回2死一、二塁。打者大山の時に二塁けん制にひっかかった。「絶対ミスをしてはいけないところ。そこが命取りになった。油断はしていなかったけど、よっぽど強い意識を持たないといけない。2度とないように」。2死から自らの鮮やかな右前打で作った好機だった。3試合連続で3番に座って安打を放ったが、終始反省が口をついた。

◆阪神小幡竜平内野手(23)が唯一の得点をたたき出した。2点を先制された直後の2回2死一、二塁、左前にしぶとく落とした。木浪の負傷離脱で6月16日から遊撃スタメン出場を続け、ちょうど1カ月。当初の打率1割台から2割4分3厘まで上昇。存在感が増してきたが「いい場面で打てたのは良かった。もっともっと打ちたいです。3打席目(投ゴロ)とかすごく淡泊になっちゃったので」と貪欲だった。

◆巨人岡本和真内野手(28)が3戦ぶりの安打で先制点をもたらした。1回1死一、二塁、阪神才木から左前適時打をマーク。「いつも才木投手が投げるときはロースコアなので。チャンスで打てて良かったなというのはあります」と安堵(あんど)した。5回の打席では阿部監督が応援団にお願いした「ライトにぶち込めー」のコールがこだましたが「ちょっと分からなかった。ちょっと集中してて...」と結果は中飛だった。

◆伝統の一戦を制した巨人が、混セを頭半分抜け出した。先発した山崎伊織投手(25)が、阪神打線を7回8安打1失点と粘りながら封じ込め、前半戦ラスト登板を勝利で飾った。4番岡本和の先制&決勝打を含む初回の2点を守り切り、ともに兵庫県出身で同学年の阪神才木との投げ合いを制し今季7勝目。チームは3試合ぶりの勝利で前半戦勝ち越しターンを決め、1・5ゲーム差以内に4チームがひしめく順位争いで2位DeNAと0・5差に広げた。大胆不敵に投げ込んだ。山崎伊は6回、先頭の大山を空振り三振に打ち取ると、次打者前川への初球、86キロの超遅球カーブで意表を突いた。内外、上下も極端に使い分け、最後はバットをへし折り二ゴロに打ち取った。尻上がりに状態を取り戻した3巡目、右腕を信じて緩急も織り交ぜた。1点リードを守り切って7回8安打1失点と、阪神打線を封じ7勝目を挙げ「粘って7回まで投げられた」と胸をなで下ろした。初回こそ3者凡退のスタートを切り、2点の援護をもらいながら直後に1点失った。直球の制球がままならない。実松バッテリーコーチから「試合の中でどうにか修正してみて」と言われ、岸田によるスライダー中心の好リードのもと、徐々に本来の投球を取り戻した。5回2死一、二塁のピンチでは、5番大山との勝負と思いきや、初球を投げる前に二塁けん制で二走・野口をタッチアウト。自ら招いたピンチの芽は、自らつんだ。慎重でありながらも、大胆に。ユニホームを脱いでも、そのスタイルは変わらない。交流戦で投げた仙台での楽天戦。キャップを深めにかぶって、1人牛タンのお店に並んだ。隣には巨人グッズを身に付けたファンがいる中、何食わぬ顔で気配を消し「全然ばれない」と1時間以上並び続け、仙台名物にありつけた。投げ合った才木とは同じ兵庫県出身の同郷、同学年対決だった。明石商時代に、身長187センチ(現在189センチ)の長身右腕としてプロ注目の才木率いる須磨翔風とは練習試合で何度も対戦。「僕はプロにいけるような選手じゃなかったけど、投げ合うことができてうれしい」と前半戦最後の登板で菅野、戸郷の7勝に並んだ。「菅野さんも戸郷も引っ張ってくれているんで、なんとかついていこうと。後半からが勝負。後半また調整して頑張りたい」。3本柱の一角として、不敵にマウンドに立つ。【栗田成芳】▽巨人大城卓(1回1死一、二塁、阪神才木から左翼線に適時二塁打)「自分でもびっくりした。うまく打てて、追加点になって良かったです」

◆阪神佐藤輝明(25)は2四球を選んだが、得点には結びつかなかった。4試合連続で4番を任され、打撃の状態も上向き。「(山崎伊は)際どいところ攻めてきたんじゃないですか。2個、四球を選べたのはまあまあ(投球が)見えているんじゃないかなと思います。明日勝てるように頑張ります」と落ち着いて振り返った。2回、8回はイニングの先頭で凡退した。

◆巨人阿部慎之助監督が勝利も試合内容に激怒した。阪神に1点差で競り勝つも「ヒーローになりたくないのかな、みたいな。チャンスなのに悲壮感しかこっちに伝わってこない」とピシャリ。門脇が1回2死満塁で平凡な右飛、3回1死満塁でも空振り三振、8回無死では犠打を決めきれずに見逃し三振に倒れた。「あんまり言いたくないけど『何が何でも』みたいなのが見えない。そういう姿を見せてほしいね」と求めた。

◆頼む、才木を勝たせてくれ...。阪神が勝てば首位再奪取となる敵地巨人戦に競り負けた。先発の才木浩人投手(25)がプロ初の完投負け。初回に2失点した後は8回まで要所で踏ん張ったが、自己最多の133球熱投は報われなかった。右腕は日曜日登板から火曜日登板に移って4戦白星なし。チームは首位巨人とのゲーム差を再び1・5に広げられた。最後まで直球の威力は衰えなかった。才木は強気だった。8回無死一塁。犠打を試みた門脇に、直球で2度のファウルを奪った。犠打を阻止し、最後は2死二塁で丸を右飛。鬼気迫る表情で自己最多となる133球を投げ切った。「次(9回)は打席が回ってくるから、最後やと思っていた。振り絞って、思い切っていきました」首脳陣から「最後、どうする?」と問われ、迷わず「いきます、いきます」と志願した8回だった。過去5度の完投は全て完封勝利。8回2失点でプロ初の完投負けだ。岡田監督からも「いかせるつもりやったけどな。あんなところで代えられへんわ」と信頼を込められていた。日曜日から火曜日の登板に移った6月下旬から4試合勝ち星なしも、チームのために腕を振ってブルペンを休ませた。悔やんだのは初回だ。岡本和、大城卓に連続適時打を浴び2点を失った。今季16先発で初回の失点は3度目。立ち上がりに強い男は「初回の2点が全て」と反省した。この初回だけで38球を要したが「走りがだんだん良くなった」という直球で立て直し。9安打、4四球を許した中で、懸命に要所で粘り抜いた。3回2死満塁では投手山崎伊を空振り三振に仕留めた。同学年で同じ兵庫県出身の相手先発は、高校時代から知っている。「バッティング、ずっと良いので」とひそかに警戒していた。才木は須磨翔風、山崎伊は明石商と公立校で白球を追った。「向こうもすごくいいピッチャー」と認める右腕と白熱の投手戦を演じた。これが前半戦ラスト登板。リーグ最多タイ8勝、同単独トップ98奪三振で走り切った。チームは勝てば首位再浮上の「伝統の一戦」を落としたが、才木がいなければ貯金3で首位に1・5ゲーム差の現状もなかったかもしれない。後半戦へ「今日みたいな展開をなくしていけるように」。自身初の球宴登板を挟み、勝負の真夏に向かう。【中野椋】安藤投手コーチ(8回完投負けの才木に)「よく踏ん張った。初回からかなり球数を使って、5回くらいまでかなと思っていましたが、最後までいけましたね」

◆孤軍奮闘の才木を援護できない打線に、阪神岡田彰布監督(66)は試合後、つい声を荒らげた。「そんなんミスばっかりやん。どんだけミスしてんの、このゲームだけで」。安打数は巨人と同じ9本だったが、ここぞのワンプレーに立腹した。1点を追う5回2死一、二塁、5番大山が打席に入った場面では、二塁走者の野口が相手の絶妙なピックオフに引っかかってけん制死。貴重な好機を逃した。「そら痛いよ、そんなの」。苦々しく振り返った指揮官は、唯一得点が入った2回の攻撃にも言及。1死一塁で前川の右翼線への安打の間、一塁走者の大山が三塁まで進めなかったシーンも指摘した。「普通にでけへんからしゃあないやん。ライト線でも一、三塁にもなれへんし。そんなんコーチャーの指示やろ。ほんまにね、普通にやっとけばええのに」。次々に出てくる怒りは止まらない。「何回、サイン出しても走らん。ええ? ひどいな。何にもでけへんもん。別にセーフになれって言うてない。何十回やねん今年」。好投手の巨人山崎伊を前に、何度も好機はつくれない。「今年なんか見てみい、どんな打率なんや。そやろ? 少ないチャンスで点取らなあかんのに、簡単にヒットなんか出るかい」。ただでさえ安打が出ずに苦しむ今の打線。走塁や小技でかき乱し、なんとかしようとする姿勢が欲しかった。「変わらん、変わらん、ずっと一緒やん。何百回言うても変わらん」。あきれ気味に話した岡田監督を、懸命に点をもぎ取る打線の姿で納得させたい。【磯綾乃】

◆巨人は今季初昇格した岡田悠希外野手(25)が「7番・左翼」で早速スターティングメンバーに起用された。2022年ドラフト5位で法大から入団した身体能力の高い左打者は今季、イースタン・リーグで59試合に出場し、打率・241、6本塁打、19打点。阪神の先発、才木を相手に今季初安打を狙う。坂本勇人内野手(35)は4試合連続でベンチスタートとなった。

◆2連勝で首位巨人に0・5ゲーム差に迫る阪神は、才木浩人投手(25)が先発する。今季はセ・トップタイの8勝(2敗)を挙げ、防御率も1・12と圧巻の投球を続けるも、6月16日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)を最後に白星から遠ざかっている。打線も才木の登板試合には現在28イニング無得点と援護ができていないが、今日こそバットで才木を助け、キャリアハイ&単独トップの9勝目をプレゼントしたい。なお、DeNA―広島(横浜)の試合が中止となったため、阪神はこの試合に勝利すれば5月27日以来の首位に立つ。

◆阪神・大竹耕太郎投手(29)が先発する17日の15回戦に向けてキャッチボールなどで調整した。「思い描いたように投げられるように(したい)。思い描いたようにならなくても、その中で頑張って試合を作って(いく)、というところ」今季の巨人戦は開幕2戦目の3月30日(東京ドーム)以来で、前回は5回5安打3失点で黒星を喫した。ただ、岡本和に本塁打を許しすなどしたが、「たまたまその打順で甘いところに投げたのがその選手だったというだけなので。意識したもん負け」と、嫌なイメージなどは脳内から消し去り、新しい一戦へと向かっていく。大竹といえば3日の広島戦(マツダ)で「ギアを低くする(投手)」、10日のヤクルト戦(甲子園)では「夏休みの公園に生えている雑草」と登板ごとに〝キャラ設定〟を行ってきた。ただ、今回は「ネタ切れです。何も無いです。涼しいし。すみません、期待に応えられなくて」。今回は何かに〝憑依〟することもなく、自然体でマウンドに上がる。

◆「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~」として行われる一戦を前に、井川慶氏(45)ー高橋由伸氏(49)の両OBによる一打席対決が実現。井川氏が見事に空振り三振を奪った。2人は大歓声に迎えられて登場。15日の巨人阪神OB戦に続く勝負となった。第1球は見逃しでストライク。そこから4球連続でボールとなったが、「この対決は3ボールからボールカウントは増えません」とアナウンスされ、勝負は継続。空振り、ファウルでカウント3-2からの8球目。外角寄りのボールを高橋氏がフルスイングするも、バットは空を切った。三振に抑えた井川氏は照れ臭そうに笑顔を浮かべ、高橋氏のもとに駆け寄って握手。井川氏が「雰囲気もよかった。もっといい球を投げたかったんですけど、これが精一杯でした」と謙虚に話すと、高橋氏は「(打ち取られた)きのうもきょうも、現実をたたきつけられました」と脱帽した。前哨戦を制した井川氏は、「優勝に突き進んでほしい」と虎にエールを送った。

◆阪神・才木浩人投手(25)が先発し、一回に先制点を与えた。先頭の丸に二遊間を破る初安打を許すと、続く吉川にはフルカウントから投じたフォークを見送られて四球となり一、二塁。1死後に岡本にはカウント3―1から真ん中付近の変化球をとらえられて左前にはじき返され、先制点を奪われた。さらに大城には三塁線を破る適時二塁打を打たれてもう1点を失った。その後の2死満塁のピンチは断ち切ったが、一回で投球数は38球に上った。才木が一回に失点するのは4月7日のヤクルト戦(神宮)、5月19日の同戦(甲子園)に続き今季3度目。この日のDeNA―広島(横浜)が雨天中止となったことにより、勝てば5月27日以来50日ぶりの首位浮上となる一戦は、いきなり追いかける展開となった。

◆阪神が2点を先制された直後の二回に1点を返した。1死から大山、前川が連打でチャンスメークすると2死後に8番・小幡が打席へ。巨人先発・山崎伊が外角に投じたフォークをうまくさばいて左前に落とし、二走・大山をホームへと迎え入れた。才木に対しては、6月16日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)の一回以来、実に30イニングぶりの援護点をプレゼントした。

◆阪神・才木浩人投手(25)が三回に招いたピンチを乗り越えた。1死から大城に左前にはじき返されると、岸田と岡田には続けて右前打を打たれ、満塁のピンチを背負った。だが、今季の被打率・429(7打数3安打)と苦手な門脇を低めへの変化球で空振り三振に仕留めると、打力に定評のある投手の山崎伊は直球でバットの空を切らせ、スコアボードにゼロを刻んだ。一回に3安打などで2点を失い、この回も3連打を食らうなど、三回を終わってすでに今季ワーストタイの7安打を浴びており、粘りの投球が続いている。

◆阪神が1―2の五回に、痛恨のけん制死で好機を逸した。1点を追い、2死から野口が右前打で出塁。4番・佐藤輝はフルカウントから四球を選び、得点圏に走者を進めた。しかし、打席に大山が入る中、1ボールで巨人・山崎伊は素早く二塁へけん制。大きくリードを取っていた二走・野口は帰塁しきれず、頭から戻るもタッチアウトとなり、一瞬にしてチェンジとなった。野口は14日の中日戦から3試合連続でスタメンに名を連ね、この回の一打で3試合連続安打と武器の打撃力で結果を出しているが、ここは悔しいプレーとなった。

◆巨人・阿部慎之助監督(45)のファンへの異例の呼びかけが届いた。2-1の五回に岡本和が打席に立った際、巨人の応援団が陣取る右翼席から「『ライトにぶち込め、岡本』」のフレーズが球場に響き渡った。岡本和が左越えの先制本塁打を放った12日の試合後、阿部監督がファンによる岡本へのコールについて「『レフトへ放り込め』を『ライトに放り込め』に変えてほしい。本人も変に意識しちゃうから」と異例の呼び掛けを行っていた。長距離打者には飛距離が出やすい引っ張り方向への打撃を期待する声援が一般的だが、右打者の岡本和に異例の「ライト方向」コールが流れた。なお、岡本和は高めのボールをとらえたが、中飛に倒れた。

◆阪神は打線が才木浩人投手(25)の力投に応えられず、1点差で巨人に敗れた。力強く投げ抜いた。先発の才木は一回、1死一、二塁で岡本に左前適時打、大城には三塁線を破る適時二塁打を打たれて2失点。それでも二回以降は立ち直り、球数が100球を超えている中で八回も続投した。2死二塁のピンチを招くも丸2安打を許していた丸を右飛に打ち取り、133球で8回2失点と試合を作った。打線は二回2死一、二塁で小幡竜平内野手(23)が左前へポトリと落とす適時打を放って1点差。才木に対して6月16日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)の一回以来、実に30イニングぶりの援護点をプレゼントしたが、二回以降は巨人の投手陣を相手に得点を重ねることができなかった。勝てば5月27日以来50日ぶりの首位浮上となる一戦だったが、黒星を喫して一歩後退となった。

◆五回2死一、二塁、投手からのけん制で二塁で憤死する阪神・野口恭佑=東京ドーム(撮影・佐藤徳昭)

◆巨人が競り勝った。山崎伊が7回8安打1失点の力投で7勝目、大勢が11セーブ目を挙げた。一回に岡本和と大城卓の連続適時打で先取した2点を守り切った。阪神は才木が完投して9安打2失点と粘ったが、打線がつながりを欠いた。

◆巨人は山崎伊織投手(25)が7回128球を投げ、8安打1失点で7勝目。阪神・才木との投げ合いを制した。一回に先取した2点で逃げ切ったが、阿部慎之助監督(45)は試合後の会見で、ミスがあった攻撃陣に珍しく〝カミナリ〟を落とした。「今日はちょっと勝ったんだけど、あんまり気持ちがよくない勝ちなので。うれしいですけど、いろんなミスが出たりとか、やるべきことが全くできていなかった」そう切り出した阿部監督。一回2死満塁、三回1死満塁で8番・門脇が凡退。門脇は八回無死一塁でもバントを失敗し、走者を進められなかった。1点リードの七回無死一塁では2番・吉川が二飛を打ち上げるなど、打線は機能しない場面があった。「ベンチから見ていると、チャンスなのに悲壮感しかこっちに伝わってこない。『よーし!』みたいなのが全くない。打てなかったらどうしようみたいなのが見えちゃうんだよね。あんまり言いたくないだけどさ。何が何でも、みたいなのが見えない。そういう姿を見せてほしい」と怒りをはらんだ口調で続けた。さらに、「勝って嬉しい反面、酷いプレーがいっぱい出た。ここっていうときに外野フライの一つだったり、出来ていなさ過ぎた。今日これでピリッとすると思う。何も言わないで『ハイハイ』ってやっていてもどうしようもないので、多少の厳しさは出していかないと」と、勝利してもあえて問題点の指摘を忘れなかった。

◆阪神が勝てば奪首の試合で12度目の1点差負けを喫した。一回、才木浩人投手(25)が2点を献上。直後の二回に小幡竜平内野手(23)の適時打で挙げた1点のみ。四回から5回連続で2死から安打が出るなど、リズムを作れなかった。また五回2死一、二塁では、右前打を放ち、四球で二進した野口恭佑外野手(23)が投手けん制で憤死した。8回133球の才木は三回1死満塁、七回2死満塁の窮地をしのいだが、6月16日ソフトバンク戦(みずほペイペイ)での8勝後は4戦2敗で3敗目。チームは10戦連続本塁打ナシ。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=42勝39敗5分、観衆=4万1669人)。ーー才木は自分から八回を投げたいと「行かせるつもりやったけどな。本人も行くって言うから。あんなところで代えられへんわ」ーー一回だけ「初回にな、40球も、38球か、よく投げたと思うよ」ーー八回まで投げたところに、凄さがある「そら、凄い、凄い」ーーエースに勝ち星を付けられない「そんなんミスばっかりやん。どんだけミスしてんの、このゲームだけで」ーー五回の野口は「そら痛いよ、そんなの」ーー好投手と対戦する火曜は打つのが難しい分、やるべきことを「そうやんか、普通にやっとけばええやん、別に。普通に出来へんからしゃあないやん。ライト線でも一、三塁にもなれへんし(二回1死で前川の右前打に一走大山が三進出来ず)。そんなんコーチャーの指示やろ、後ろの打球なんか。ホンマに普通にやっとけばええのに。何回、サイン出しても走らん。ええ? ひどいな。何にも出来へんもん」ーー安打も2死からだったからこそ、機動力を絡めたい「絡めるもクソも、走ったらええねん。別にセーフになれって言うてない。走れのサインやから。何十回やねん今年。そんなヒット、バンバン続くかい。今年なんか見てみい、どんな打率なんや。 そやろ? もうなあ、少ないチャンスで点取らなアカンのに、簡単にヒットなんか出るかい、お前。打てへんやんか、お前」ーーずっと言っていても変わらない「変わらん、変わらん、ずっと一緒やん。何百回言うても変わらん」ーーどうしたらいいか「知らんよ、そんなもん。俺はサイン出すだけやから、そんなもん、知らんがな、そんなもん、俺は走る方ちゃうんやから」

◆阪神が勝てば奪首の試合で12度目の1点差負けを喫した。一回、才木浩人投手(25)が2点を献上。攻撃は直後の二回に小幡竜平内野手(23)の適時打で挙げた1点のみ。四回から5イニング連続して2死から安打が出るなど、リズムを作れなかった。また五回2死一、二塁では、右前打を放ち、四球で二進した野口恭佑外野手(23)が投手けん制で憤死した。8回133球の才木は三回1死満塁、七回2死満塁の窮地をしのいだが、6月16日ソフトバンク戦(みずほペイペイ)での8勝後は4戦2敗で3敗目。チームは10戦連続本塁打ナシ。主な選手のコメントは以下の通り(成績=42勝39敗5分、観衆=4万1669人)。二塁けん制死に野口恭佑 「油断は本当にしていなかったんですけど、やっぱりアウトになるということは、もっと強い意識を持ってやらないと」八回133の熱投を見せた才木浩人 「七回、六回くらいかな。『最後、どうする』みたいな感じだったんですけど『行きます、行きます』みたいな感じで」才木について梅野隆太郎 「後半からどんどんリズムに乗ってくるような投球ができた」二回に適時打の小幡竜平 「まだまだ打ちたいですし。3打席目(投ゴロ)とか淡白になってしまったと思うので」2四球に佐藤輝明 「(ボールは)見えてるんじゃないかなと思いますけど」八回、代打で中前打の渡辺諒 「打つべきボールを打てているので、継続してやって行きたい」

◆オリックス、阪神で通算176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(58)が8回2失点完投の阪神・才木浩人投手(25)を絶賛した。防御率1点台の投手同士の投げ合いで、どちらも序盤に失点する形となったのは予想外だった。ただでさえ僅差で競っているシーズンで、相手も必死に研究をしてくる中ではこういうこともある。中盤以降の粘りは両投手ともさすがで、才木が一回に2点を失いながらも踏ん張った姿には実力とプライドを感じた。これで球宴前の登板を終えたが、もう「成長を見せてくれた」という段階も通り越している。チームの苦しい連敗も何度も完封や好投で止めてきた。これだけ勝ちが付かないのはさすがに心配だが、ずっと「3点取ってくれれば...」という投球を続けているだけに、打線はなんとか後半戦の早い段階で勝ちを付けてやってほしい。試合全体を見れば、やはり五回に二走の野口がけん制で刺されたのが痛かった。本塁にかえりたいという強い気持ちがそのままリードの大きさに表れてしまい、適正な距離をつかめていなかったのだと思う。「若さが出た」というひと言で済ませてはいけないのだろうが、こういった投手戦では命取りだ。ただ、その後に漂った嫌なムードにも才木はまったく動じなかった。敗れはしたが「大黒柱」らしい投球だったと思う。

◆中野から久々の快音が生まれた。五回の第3打席まで凡退し、12日の中日戦(バンテリンドーム)の第3打席から今季ワーストの19打席無安打だったが、七回2死で山崎伊から中前打を放ち、呪縛から解き放たれた。20打席ぶりの安打を好転のきっかけにしたい。

◆才木に投げ勝った!! 巨人は16日、阪神14回戦(東京ドーム)に2-1で競り勝ち、首位の座を死守した。先発した山崎伊織投手(25)が7回で128球を投げ、8安打1失点の力投で7勝目(2敗)をマーク。4位まで1・5ゲーム差と歴史的な大混戦が続くセ・リーグで、同じ兵庫県出身で同学年の才木浩人投手(25)との投げ合いを制した。球数が100球を超えても、表情は変えない。蓄えたエネルギーを最後まで絞り出した。山崎伊が7回8安打1失点で7勝目。今季最多128球の粘投で、球宴前最後の登板で6月25日のDeNA戦以来の勝利を挙げた。「(才木は)すごくいい投手なので、できるだけ点を取られたらいけないなと。ランナーをいっぱい出してしまったけど、何とか粘って七回まで投げられた」三者凡退は一回のみと再三走者を背負う投球だったが、緩急自在の投球で翻弄した。二回に小幡に適時打を許したが、最速151キロの直球とスライダーを軸に最少失点にまとめ、リードを守り抜いた。リーグ最多タイの8勝を挙げる才木は同じ兵庫県出身で1998年生まれ。明石商高時代には打者として、須磨翔風高の才木と対戦したことがあった。プロ入り後初対戦で2失点完投した同学年に投げ勝った。

◆渡辺は八回2死で代打で出場し、中前打を放った。「何とかチャンスメークをしなくてはいけないところだった。しっかりと(安打が)出たのはよかった」。バルドナードの152キロをとらえ、〝直球破壊王子〟の力を発揮。13日の中日戦(バンテリンドーム)以来2試合ぶりの快音で存在感を示し「しっかりと打つべきボールを打てている。継続してやっていきたい」と決意を示した。

◆勝ったとは思えない形相だった。巨人・阿部慎之助監督(45)は、ミスが目立った攻撃に珍しく怒り心頭だった。「気持ちがよくない勝ち。やるべきことが全くできていなかった。あんまり言いたくないだけどさ。何が何でも! みたいなのが見えない」名前こそ口にしなかったが、最も苦しんだのは2年目の門脇だ。8番打者は一回2死満塁で二飛、犠飛でも得点できる三回1死満塁で空振り三振。八回無死一塁ではバント失敗に終わった。指揮官は「チャンスなのに悲壮感しか伝わってこない。『よーし!』みたいなのが全くなくて『打てなかったらどうしよう』みたいなのが見える」と止まらなかった。勝利しても反省は忘れない。「何も言わないで『ハイハイ』とやっていてもどうしようもない。多少の厳しさは出していかないと」と、あえて声を大にして指摘した。(谷川直之)

◆意地の133球-。阪神は巨人に1-2で敗れた。勝てば4位から一気に首位浮上だったが、才木浩人投手(25)が一回に2失点。打線の援護に恵まれず、今季3敗目を喫した。前半戦ラスト登板で9勝目はお預けも、志願の8回完投。産みの苦しみと信じたい。大黒柱が歯を食いしばる姿をムダにしない!志願した。一回に38球を要しても、最後までマウンドを守った。前半戦のラスト登板。エンジンがかからず、何度も顔をしかめても、才木は気持ちで乗り切った。完投しか頭になかった。だから、結果が悔しかった。「初回に2点、取られたのが結果的にすべてになっちゃったので」今季ワーストの9安打を浴びながら2失点に踏ん張った。気がつけば2018年8月30日のヤクルト戦(甲子園)の132球を超え、自己最多の133球。勝てば4位から5月27日以来となる首位だったが、同じ兵庫県出身で同学年の山崎伊に投げ負けたことが「すべて」だった。今季39試合登板の桐敷が積極的休養のためベンチを外れ、石井は3連投中。岡田監督は15日に「才木と岩崎の2人でいけんかな」と青写真を描いた。しかし、才木は立ち上がりから制球が定まらない。先頭の丸に中前打。吉川に四球を与え、1死後、岡本和にスライダーを左前に運ばれて先制を許すと、大城卓に三塁線にはじき返された。「(二回以降は)真っすぐの走りがだんだんよくなってきた」三回1死満塁も、七回2死満塁もしのいだ。首脳陣から「最後、どうする?」と聞かれても「行きます、行きます」と続投を要求。八回2死二塁からは丸を151キロ直球で右飛に仕留め、味方の援護をひたすら待った。岡田監督は「初回に38球か。(最後まで)よく投げたと思うよ。そら、凄い、凄い」と称賛。貧打や走塁ミスが目立ってチームの連勝は2で止まったが、才木は大黒柱としての矜持を示した。

◆蛇ににらまれた蛙のように立ち尽くすばかりでは、阪神・岡田彰布監督(66)も頭を抱えるしかない。奪首を狙った一戦でダッシュできない。冗談を言っている場合じゃない。情けない現状に、あきれかえった。「そんなんミスばっかりやん。どんだけミスしてんの、このゲームだけで。何回、サイン出しても走らん。ええ? ひどいな。何にもでけへんもん。変わらん、変わらん、ずっと一緒やん。何百回言うても変わらん」四回から5イニング連続で2死から走者が出た。七回に左前打で出た中野も足が自慢で、八回は代打・渡辺が中前打を放つとすぐに代走・植田を起用。指揮官はどの場面かを明言しなかったが、走者はいずれも企図すらなかった。しかも、ベンチからは「走れ」のサインが出ていたというが...。今季のチーム盗塁数27はワーストの中日の26に次ぐ、セ・リーグ5位の少なさ。昨季は同リーグトップの79盗塁を記録し、近本は28盗塁で盗塁王、2位の中野も20盗塁をマーク。スピード感あふれる攻撃も少ないチャンスから得点につなげる岡田阪神の強みだが、この日は9安打を放ち、2四球を選んでもまったくリズムを作れなかった。

◆佐藤輝は同学年右腕・山崎伊を相手に、三回2死一塁はストレートの四球で歩き、五回2死一塁ではフルカウントから内角直球を見極めた。無安打ながら2四球で出塁し「まあまあ見えてるんじゃないかなと思いますけど」と選球眼も上々。カード勝ち越しがかかる3戦目へ「勝てるように頑張ります」と気合を入れた。

◆執念を見せた。先に点を取られてもひるまない。阪神・小幡竜平内野手(23)が9打席ぶりの安打となる適時打で、悔しい敗戦に一矢報いた。「自分も後ろにつないでいこうと思って打席に入りました。当たりはよくなかったけど、すぐに1点を返すことができてよかった」才木が2点を失った直後の二回1死から、大山、前川の連打などで2死一、二塁となって打席へ。カウント1―1からのフォークをうまく拾った。逆方向に上がった打球は左前に弾み、大山が生還。反撃ののろしを上げた。試合前には岡田監督から直々に指導を受けていた。将が選手に直接指導することは多くないが、身ぶり手ぶり、打ちに行く際に右足を踏み込む動作を実践。小幡も何度も繰り返したのちに、確認するようにケージでバットを振り込んだ。

◆梅野はリードした才木の粘投をねぎらった。「ボール先行になってしまったのは、バッテリーとしては反省点。だけど勝負にいっている結果。八回まで投げることになったけど、いい粘りを見せてくれた」。東京ドームの狭さも考慮し、厳しいコースを突くことを意識。共同作業で一回の2失点のみでとどめ「負けちゃったけど、次回以降、頑張りたい」と、後半戦も好投を引き出す。

◆「Black Tuesday」にまたまた才木浩人がのみ込まれてもうた...。ちょうど1カ月前の6月16日のソフトバンク戦に7回1失点でハーラー断然トップの8勝目を挙げた才木。それまでの登板が日曜日だったことにより「Mr.Sunday」の名をほしいままにしていたのだった...。ところが、日程や雨の影響により登板が日曜日から火曜日に移ると...。6月25日の中日戦は8回1失点、今月2日の広島戦は7回無失点、9日のヤクルト戦は7回1失点、そして本日は8回133球を投げて2失点完投のマウンドを演じたのに...。またしても白星を手にすることはできず。どう考えても最低でも10勝はしているやろー!! 打線の援護がないからやー!! という声は当然あるだろう。しかし、俺は最大の敵は「火曜日」にあり! と考えるのだ!! 岡田さ~ん、球宴明けは、アレンパのために才木を日曜日に戻したってくれー!!五回2死一、二塁。二塁牽制(けんせい)でアウトになった若虎・野口。伝統の一戦で最高の勉強をしたことを胸に虎の怪物になったれー!!

◆公私混同だと言われればその通りなのだが、今回ばかりはちょっとだけ見逃してやってほしい。ベテラン虎番のビヤ樽こと三木建次が、試合前になんだか涙声になりながら報告してきた。「ものすごく個人的なことなんやが、この前の人間ドックで大腸ポリープが見つかってなぁ...。今度それを切除してもらうんやけど、その前に大腸がんを克服した原口とちょっとだけ話したかったんや。元気をもらえるかなと思って」取材スタイルと同様、こんなところでも遠慮がないのがビヤ樽だ。原口がこの日球場入りする際にスタスタと近づいていき、いきなり〝告白〟したのだという。それでも心優しい不屈の男はすべてを受け止めてくれた。「僕なんてすぐに(がんだと)告げられましたからね。ビヤ樽さんは絶対に大丈夫! よかったですね! 早期発見、早期治療ですよ」そう勇気づけてくれた。ビヤ樽のポリープもまだ悪いものだと決まったわけではないのだが、たしかに原口のときはすべてが急だった。26歳だった2018年の末に人間ドックを受け、19年1月の再検査で大腸がんだと判明。その月の下旬に病気を公表して手術を受けた。同年6月に1軍復帰し見事に復活を遂げたが、「ステージ3b」であったことや抗がん剤治療を行っていたことものちに明かしている。ことし1月には5年が経過し「完治」を告げられたことを報告。たくましくプレーする姿を見せながら早期発見、早期治療の大切さを多くの人に伝え続けてきた。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
43375 0.538
(↑0.006)
-
(-)
58249
(+2)
220
(+1)
48
(-)
39
(-)
0.238
(-)
2.430
(↑0.01)
2
(-)
DeNA
44391 0.530
(-)
0.5
(↑0.5)
59289
(-)
277
(-)
55
(-)
45
(-)
0.251
(-)
2.880
(-)
3
(-)
広島
40364 0.526
(-)
1
(↓0.5)
63226
(-)
193
(-)
33
(-)
44
(-)
0.230
(-)
2.130
(-)
4
(-)
阪神
42395 0.519
(↓0.006)
1.5
(↓1)
57247
(+1)
235
(+2)
32
(-)
27
(-)
0.224
(-)
2.270
(-)
5
(-)
中日
37446 0.457
(↓0.006)
6.5
(↓1)
56206
(+3)
276
(+4)
37
(+2)
26
(-)
0.233
(↓0.001)
2.690
(↓0.01)
6
(-)
ヤクルト
34464 0.425
(↑0.007)
9
(-)
59286
(+4)
296
(+3)
54
(-)
40
(-)
0.234
(↑0.001)
3.330
(-)