1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 8 | 0 | 0 |
阪神 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | X | 4 | 12 | 0 | 0 |
勝利投手:加治屋 蓮(2勝0敗0S) (セーブ:岩崎 優(1勝0敗4S)) 敗戦投手:大西 広樹(1勝1敗0S) |
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◆阪神が接戦を制した。阪神は2点ビハインドの5回裏、中野の犠飛で1点差に迫る。そのまま迎えた7回には、2死一二塁から大山の適時打で2点を挙げ、逆転に成功した。投げては、2番手・加治屋が今季2勝目。敗れたヤクルトは、打線が序盤の好機を生かせなかった。
◆阪神佐藤輝明内野手(25)が今季初めてスタメンを外れた。代わりに三塁に入る糸原健斗内野手(31)は今季初先発。代打で3連続安打中と好調だ。佐藤輝は今季、主に5番と6番を打ち、4番にも1試合座った。27日まで3本塁打、リーグ3位タイの14打点。勝負強さが光る一方、打率1割8分8厘と安定感を欠いている。前日27日のヤクルト戦(甲子園)は4打数無安打、3三振。中途半端なスイングが目立ち、打席での迷いを感じさせた。遊撃には小幡竜平内野手(23)が2日連続で入った。
◆スタメン発表でどよめきが起きた。今季初めて阪神佐藤輝明内野手(25)がスタメン落ち。「6番三塁・糸原」とコールされると、右翼席の阪神ファンを中心に「おお~」と驚いたようなリアクションがあった。
◆阪神中野拓夢内野手(27)の驚きの守備範囲に、ヒットでも拍手が起きた。3回2死一塁で丸山和郁外野手(24)の一、二塁間への打球に、全力で走ってダイビングでグラブに収めた。素早く立ち上がって、一塁送球したが俊足打者にわずかに先をいかれた。明らかなヒット性だっただけに、それでも大きな拍手が起きた。
◆阪神梅野隆太郎捕手(32)の「バズーカ」が発動した。7回1死一塁。俊足の丸山和郁外野手(24)がスタートを切ったが、素早いストライク送球でアウト。ヘッドスライディングの丸山和は腕を入れ替えてタッチを避けにいったが、それでも余裕のタイミングだった。救援で2イニング目の加治屋蓮投手(32)を救い、この回も無失点。ネット上のファンも「久しぶりにバズーカ炸裂」「カッコ良すぎ」「(遊撃)小幡は待ってるだけだった」と絶賛の声が相次いだ。
◆/浜風か、神風か\レフトの前へぽとりと落ちた大山悠輔が逆転タイムリー?プロ野球 (2024/4/28)??阪神×ヤクルト??Live on DAZN#DAZNプロ野球#hanshin pic.twitter.com/fIsNjWsKtp
◆阪神が「甲子園の魔物」のいたずら? で逆転に成功した。1点を追う7回2死一、二塁。大山悠輔内野手(29)が高々とフライを打ち上げた。落下点は、そのままなら左翼の少し手前くらいかと思われた。阪神ファンは大きなため息。だが、甲子園上空には特有の強風が舞っていた。遊撃長岡は早々に引いて、左翼サンタナに任せたが、飛球はどんどん本塁側に押し戻され、サンタナが全速力で前進しても届かず、遊撃後方にポトリと落ちた。2死のため、2人の走者が一気に生還。風と運を味方につけて、この試合初めてリードを奪った。
◆神風が吹いた。阪神が接戦を制した。今季初の貯金5とし、首位もキープ。これで4カード連続の勝ち越しとなった。7回だった。1点ビハインドで2死一、二塁。この回には1番近本光司外野手(29)が無死一塁から併殺打に倒れていた。悪い流れの中、4番大山悠輔内野手(29)が打ち上げた飛球は左中間の浅いフライ。これが右翼から左翼に吹く甲子園特有の「浜風」に押され、左翼サンタナの前に落ちた。ラッキーな2点適時打となり、逆転に成功。甲子園が沸いた。打線をテコ入れし臨んだゲーム。主導権は握った。佐藤輝明内野手(25)が今季初のスタメン落ち。代わって糸原健斗内野手(31)が「6番三塁」で今季初めてスタメンで起用された。その糸原が2回に先制の中前適時打。自身3試合連続となる安打で応えてみせた。先発才木浩人投手(25)は順調な立ち上がりだった。3回まで2安打無失点。ただ、1点リードの4回にサンタナの適時二塁打で同点に追いつかれると、5回には再びサンタナ、そして山田に連続適時打を浴び、2点を失った。今季最短となる5回で降板。7安打浴びながら3失点と大崩れこそしなかったが、逆転を許しマウンドを降りた。打線は2点ビハインドの5回、中野拓夢内野手(27)が犠飛を放ち1点差に迫った。そして、7回の大山の一打につなげた。2番で2イニング無失点の加治屋蓮投手(32)が2勝目を挙げた。
◆首位阪神が運も味方につける逆転勝ちで2連勝。4カード連続の勝ち越しで今季最多の貯金5とした。先発才木浩人投手(25)が5回3失点で降板。1点を追う7回2死一、二塁。大山悠輔内野手(29)の浅いフライが左翼サンタナの前に落ちた。ラッキーな2点適時打となり、逆転に成功した。6回から登板した加治屋蓮投手(32)が2回無失点と好投し2勝目。不振の佐藤輝明内野手(25)に代わって今季初スタメンの糸原健斗内野手(31)が先制打を含む3安打と活躍した。岡田彰布監督(66)の一問一答は以下の通り。【テレビインタビュー】-こんなことがあるのかという逆転のワンシーン「ねえ。外野が深いなあとは思ってたんですけどね、まあ、複数ランナーいてたんで、向こうも1点勝ってるということで、打った瞬間はちょっと諦めましたけどね」-直前は近本に託してダブルプレー。そこからもう1度チャンスを作り直した粘り強さ「そうですね。もうちょっとね、(近本の打席で)カウント進めばちょっとなんかできたんですけどね」-逆転劇を呼び寄せたのも加治屋の力投があって「あの、打順の巡り合わせでね。回ってたら代打だったんだけど、加治屋が一番投げてなくて元気だったので、まあ、だから2イニングね、全然問題なしに送り出せましたけど」-ブルペン勝負になるとタイガースは強い「いやいや、まあ今日はちょっと打順のね。ちょっと、右の2人がいってたんで、ゲラを先にいかせたんだけど。そこもまあちょっとね流動的ですけど、まあ本当にいいイニングというか、そこで勝ち越せたですね」-才木はどうみていた「いや、最初は良かったと思ったんですけどね、ちょっと力んで、フォアボール絡みとかね、ちょっともったいなかったんだけど、もうちょっとコントロールというかね、力勝負で行くとやっぱり危ないと思いますよ」-佐藤輝はベンチスタートだった「いやいや、最近の内容を見ていてね、(糸原を)いついこか、という感じだったんですけど、昨日の内容を見ても、いっぺん糸原でいこうというのはあったんですけどね」-佐藤輝は代打で打席が回ってきた。本人にどうはい上がってきてほしい「はい上がるって、ゲームで打つことですよ。簡単ですよ。おーん。ボールを振らないで、ストライクを打ってくれたらいいと思いますけどね」-そういうところで頼りになるのが糸原。「ずっと代打でもヒットを打っているので。こっち(甲子園)に帰ってから、本人も準備をしていたんじゃないですかね。そういう感じがしますね」-あす以降「いやいや、広島は2カード目最後かな。最後の球場というか、ビジターで広島に行くんだけど、まあ、ある程度ね、今年のチーム力というか、そういうのもだいたい分かってきたし、今日は才木は5回だったけど、ある程度先発がね、投げてるんで。誰に勝ちがつこうと、後ろも今の状態じゃすごくいい流れできてるんで、もうちょっとね、まあヒットは出てますけどね、もうちょっと早いイニングで点数欲しいですね。そしたらもうちょっと先発が楽に投げられるかも分からないので、そのへんでしょうね」【ペン囲み】-大山の場面は逆の立場でも外野を後ろに守らせたか「まあ、後ろいうても、どうなんやろうなあ。俺も分からへんけど、ベンチで見とったらだいぶ遠かったで、はっきり言うて」-2アウトからの逆転は昨年も多かった「(カウント)1-2やったからな、2-2でもなったらな、ランエンドヒットかなんかつくれたんやけどな、カウント的にはな。なかなかあのピッチャー、大西は単独スチールは難しい、クイックがな。まあカウントでと思ってたけどな」-接戦をものにする試合が多い「やっぱりリリーフ陣やで。そらそうやろ。まあだから、勝ってる、点数が僅差になるからな。あの2人がフル回転になってしまうけど、もう少し点差が開けばな、もうちょっと楽なね、他のピッチャーも投げさせられるんやけど、そこまでまだね、まだ落ち着かんは、そら。やっと2カード目、次で終わろうとしてるくらいやからな。どっちかいうとあの2人よりも、加治屋とか中継ぎの方が元気やで。そんな投げてないもん。2人よりは。6回、7回くらいまでは先発が頑張って、接戦で競ったゲームが多いからな。どうしてもあの2人ってなるけど、もうちょっと点とったらな、あの2人休ませられるからな」-岩崎、ゲラの2人は流動的「そうやなあ、チームによって偏りがあるからな、結局は。右左いうこともあるし、ヤクルトなんか代打陣の偏りが大きすぎるやんか。左の代打しかこないというな。そう考えると、代打の出せる打順いうたら、考えたらそらゲラ先いくわ。結局誰も代打なしでいけたやろ、左のな。そのへんは流動的なるよ、チームによって、右左の関係とか、代打陣の関係もあるからな、それは」-今のブルペン陣があれば終盤にチャンスも「負けている時のピッチャーが加治屋とか2イニングぴしゃっと抑えてくれるからな。おーん。そら攻撃に入りやすいよな、やっぱりな。リズムっていうか、流れがようなってくるよな、3者凡退に抑えたりな、少ない球数とかな。ランナーが出てもああってキャッチャーが刺すとかな、流れ的にもものすごいいい流れで攻撃できてるから。後半特にな、ブルペン陣がみんなな」-梅野は変化球だったが二盗阻止「いやいや、準備はしとったよ。前から。おーん」-2戦目、3戦目は守備もバントもしっかり「いや、もう一昨日はおかしかったやろ。そんなん。なんか1年に何回かあんなんあるよ。普通にな、ちゃんとアウトにするのとアウトにするとか、ストライクバントでちゃんとやるっていう。そういうことを繰り返していけばいいだけの話や、それは」-糸原が準備していたと「なんかそんな感じやったよ。そろそろくるんちゃうかなと」
◆阪神佐藤輝明内野手(25)が今季初めてスタメン落ちした。8回に代打で登場したが、空振り三振に倒れた。岡田監督は「はい上がるって、ゲームで打つことですよ。簡単ですよ」とハッパをかけ「ボールを振らないで、ストライクを打ってくれたらいいと思いますけどね」と指摘した。佐藤輝は直近5試合で19打数1安打、12三振と苦しんでいる。
◆阪神が4番大山悠輔内野手(29)の「神風逆転打」で接戦をものにした。お立ち台に上がった背番号3は意外な事実を一面を明かした。26日からの3連戦はお立ち台でこどもからのインタビューも実施。大山もお立ち台でこどもから「好きな昆虫はなんですか?」と質問を受け、「僕は、ちょうちょが大好きです(笑い)」と回答。ひらひらと舞うチョウが大好きだと答えて場内を沸かせた。
◆阪神糸原健斗内野手(31)は球場入り後に今季初先発を知った。「いつも準備しているので、いつも通り入るだけでした」。冷静だが、心は燃えていた。第1打席は2回。無死一、三塁の絶好機に回ってきた。追い込まれ、4球目はワンバウンドしそうな低いフォーク。懸命にバットを差し出した。打球は中前にライナーで飛び、先制の1点をもたらした。「なんとかしたい気持ちでした。自分らしい打撃ができたと思います。あそこから乗っていけた部分もあるので」。自身だけでなく、ベンチは大盛り上がりだった。4回にも内角球を左翼線に落とし、8回は左翼にクリーンヒット。昨年から代打中心になった男が、22年9月以来の1試合3安打をマークした。不振が続く佐藤輝の"代役"だが、大砲のマネはできない。自分らしさを出すだけだ。「大ぶりしていましたね」と言うのは開星(島根)時代。長打力を誇っていたが明大入学後ほどなく、現実を知る。それ以来、バットを短く握ってきた。「この体ですから。何を求められているかを考えてやるようになりました」。低く強い打球を打つことを突き詰めて一流になった。そして前日27日、ついに国内FA権の条件を満たした。前日までの15打席はすべて代打で打率3割3分3厘。数字だけではない。内野ゴロでの打点、犠飛、進塁打。12日の中日戦では12球粘って四球を取り、土壇場の同点劇を導いた。凡飛は最初の1打席だけだ。岡田監督も「最近の内容を見ていて、いつ(先発で)いこか、と。準備をしていたんじゃないですかね。そういう感じがしますね」と目を細めた。昨年も先発は7試合だけ。どっぷりと試合に入っている喜びがあった。「久しぶりに超満員の甲子園で守備について、4打席立って。まあ、いい結果が出たのでよかったです」。これぞ仕事人の存在感だった。【柏原誠】
◆ヤクルトは無念の逆転負けで連敗となった。1点リードの7回2死一、二塁の守備。左翼手サンタナが、阪神大山の放った遊撃後方の飛球に目測を誤り、キャッチ出来なかった。甲子園独特の浜風にも揺られ、一気に2点を失った。高津監督は「7回の表裏はちょっといろんなことがあって...。僕の采配ミスもあったかなと思います」とフォローした。ヤクルト松元外野守備走塁兼作戦コーチ(7回のサンタナの守備について)「僕の指示で外野を下げて一塁ランナーをかえさない守備位置を取った。僕の指示が深すぎたんじゃないかなと思います」
◆阪神佐藤輝明内野手が今季初めて先発を外れた。27日までの4試合は1安打、11三振。前日も3三振で、打席内で迷いがあるような様子だった。「しょうがないことだと思うので、切り替えて次、頑張ります」と唇をかんだ。8回2死二塁で代打がコールされた際は大歓声を浴びた。左腕の長谷川の落ちる球に空振り三振を喫したが「感じは悪くなかったので」。再浮上のきっかけをつかもうと必死だ。
◆神風吹いた! 首位阪神が「浜風」に背中を押され、逆転勝利を決めた。1点ビハインドの7回2死一、二塁で、4番大山悠輔内野手(29)の飛球は左翼前へポトリと落ちる2点適時打。岡田彰布監督(66)も「ちょっと諦めた」という風に流された千金打で2連勝をつかみ、貯金を今季最多の5とした。これで4カード連続勝ち越し。「ゴールデンウイークこどもまつり」の3連戦を勝利で締めくくり、上昇気流に乗ってきた。ダメか...。1度は諦めムードが漂った。ただ、結末は大歓声だ。大山の飛球は、左翼サンタナがスライディングしても届かなかった。神風で逆転。甲子園の風は大山の背中を押した。「本当に浜風が味方してくれたので良かったです」4番から思わず本音が漏れた。1点ビハインドの7回2死一、二塁。ヤクルト右腕大西の高め137キロスライダーをかち上げた。左中間への浅いフライかと思われたが、風に流された。右翼から左翼方向に甲子園特有の「浜風」。これがイタズラをしてくれた。凡打と思われたが一転、千金打となり「僕が一番ほっとしたんじゃないかと思います」。一塁走者森下が一気に生還。2点適時打で試合をひっくり返した。まさに「ラッキーセブン」だった。岡田監督も「打った瞬間はちょっと諦めましたけどね」という浜風打。「外野は深いと思っていた。複数ランナーいてたんで、向こうも1点勝ってるということで」。逆転の一塁走者の生還を警戒したヤクルトの守備隊形も、虎にとってはプラスだったと分析する。直前には無死一塁で近本が併殺に倒れていたが、2死からチャンスをつくる粘り強さがある。12球団トップ9度目の逆転勝ちだ。今季自身初のV打となった4番は、勝利にも身を引き締めていた。「これが野球なんだ、とあらためて思いました。何があるか分からない怖さを知った。僕たちが守備側の立場になったり、そういうこともあるっていうのも分かったので、勝って気づけたのは、すごく良いこと」。甲子園の魔物は、いつ敵になるか分からない。まだまだ続くペナントレース。学びを胸に刻み込む。ゴールデンウイークのイベント「こどもまつり」最終日。ヒーローインタビューでキッズに「好きな昆虫は?」と問われ「僕はチョウチョが大好きです」と優しくほほえんだ。2回には左前打を放っており、5試合連続安打の上昇気流に乗る。2連勝で今季最多の貯金5。4カード連続勝ち越しと、風は虎に吹いている。このまま、どこまでも羽ばたく。【中野椋】阪神の逆転勝ち9度は今季12球団最多だ。また、1点差試合では7勝2敗で、勝利数と貯金5ともにこちらも両リーグ1位。逆転勝利9勝のうち、6勝が1点差試合。劣勢をひっくり返し、しのいで勝つパターンが目立つ。
◆ヤクルト高津臣吾監督が、先発小沢怜史投手に厳しかった。5回で99球を要し、6安打2四球2失点。勝ち負けつかなかったが、指揮官は「ストライクが入らないので、狙ったとこにいかないので、ムーチョ(捕手中村)も大変だったと思いますよ。勝てるピッチングじゃなかった」と首をかしげた。
◆阪神森下翔太外野手(23)の"当たり前プレー"が勝利に直結した。1ビハインドの7回2死一、二塁で4番大山悠輔内野手(29)が左中間方向へ飛球を打ち上げた。上空に吹く右翼から左翼方向への「浜風」に押されて、左翼手サンタナの前にポトリ。一塁走者の森下も一気に生還した。大山の左前打で一塁走者の森下が生還するという珍しいプレーになった。このプレーを絶賛したのが筒井壮外野守備走塁コーチ(49)だった。「僕はあそこは森下のファインプレーちゃうかなと思います。森下が当たり前のことを抜かずに走りきったあの決勝点ちゃうかなと思います。あそこで緩めないことが大事だから。あいつは何か絡んだときにというあの走りが良かった」。平凡な飛球でも一塁から手を抜かずにきっちりと走っていたからこその決勝点を絶賛した。甲子園を本拠地とする阪神は浜風とはうまく付き合っていかないといけない。筒井コーチは「ホームグラウンドなのでああいったことがないようにします」と阪神の外野手でも起こり得る可能性があるプレーに気を引き締めた。
◆首位阪神が「浜風」に背中を押され、逆転勝利を決めた。1点ビハインドの7回2死一、二塁で、4番大山悠輔内野手(29)の飛球は左翼前へポトリと落ちる2点適時打。岡田彰布監督(66)も「ちょっと諦めた」という風に流された千金打で2連勝とつかみ、貯金を今季最多の5とした。この日は右翼から左翼方向へ甲子園特有の「浜風」が吹いていた。球場から一番近いアメダス神戸観測所のデータをもとに、虎党歴20年超の気象予報士・橋本祐佳氏が、この日の風について解説した。「浜風」とは、気温が上昇したよく晴れた日に、球場の南西から吹き込んでくる海風のことをさす。橋本氏は「海と陸の気温差が大きいほど、海から陸に向かって吹く風が強まる」と説明する。気温がそこまで高くない4、5月は「そんなに浜風は吹かないデータがある」とするが、この日は違った。甲子園から最も近いアメダス神戸観測所のデータでは、神戸は今年一番の暑さとなる最高気温25・9℃を記録。今年初めての「夏日」で、6月上旬並みの暑さになったという。「今日は、海と陸との気温差が大きくなったと思います。それで風が強かったんだと考えられます」と続けた。また、ここから甲子園周辺の天気は、くだり坂の予定。時計回りに吹く高気圧が西から東へ離れていく途上だったことも、影響したと考えられる。「高気圧が東に離れていく時は、ちょうど南の方から風が吹きやすくなる」とする。「夏日とくだり坂の天気。2つの要因が重なったのでは」と、虎を勝利に導いた神風を分析した。
◆GIリレーで1点差を守り抜いた。阪神は7回裏に逆転すると、8回ゲラ、9回岩崎のダブル守護神で試合を締めた。これでそろって登板した12試合は9勝3分けと負けなし。前日27日のヤクルト戦(甲子園)に続いて2日連投となった2人に、岡田監督は「もう少し点差が開けばな、他のピッチャーも投げさせられるんやけど、そこまでまだね、まだ落ち着かんわ」と接戦が続く中で、絶大な信頼を寄せる。前日は8回岩崎、9回ゲラだった。順番を入れ替えた指揮官は「代打の出せる打順言うたら、そらゲラ先いくわ」と説明。ヤクルトの代打は川端や青木ら左打者が多い。5番から始まる8回はゲラ、下位打線で代打が出る可能性が高い9回は左腕岩崎に託した。ゲラは「どのイニングであれ、言われたところで投げられるように準備」。岩崎も「いつも通りです」とうなずいた。頼れるダブル守護神はこれからも白星へ腕を振る。
◆阪神中野拓夢内野手(27)が1点差に詰め寄る犠飛を放った。1-3の5回無死三塁で打席が回った。「最低限の仕事はしっかりやろうと思って打席に入った」とヤクルト先発小沢から中堅への犠飛。三塁走者を迎え入れて1点差とした。「すぐ返すのと返さないで全然流れも違う。内野ゴロでもいいっていう、本当に楽な気持ちで打席に入っていた」。7回には中前打を放ち、大山の適時打で同点のホームを踏んだ。
◆阪神前川右京外野手がまた代打で結果を残した。1点ビハインドの7回に先頭の代打で登場。ヤクルト3番手大西にフルカウントと追い込まれながら150キロ直球を中前へと運んだ。「なんとか事を起こして、フォアボールでもなんでもよかったので、塁に出るという気持ちで立ちました。塁に出られたのでよかったと思います」。今季代打では8打数4安打で打率5割と期待に応えている。
◆阪神近本光司外野手が追い上げにつなげる三塁打を放った。2点勝ち越された直後の5回に先頭で打席に入った。ヤクルト小沢の外角直球を左翼線へはじき返すと、ダイレクト捕球を試みたサンタナが取れず。転々とする間に一気に三塁まで到達し、続く中野の犠飛で生還した。チャンスメークに「それは当たり前のこと。1点取れたので良かったと思います。展開的にも大きかった」と納得の表情だった。
◆阪神梅野隆太郎捕手(32)が攻守で勝利への執念を見せた。4回に左翼線へ二塁打、6回にも2死から左前打を放ち、今季初のマルチ安打を記録。1試合2安打は昨季の8月3日中日戦(バンテリンドーム)以来となった。捕手としても先発才木を3失点にまとめ、6回以降は無失点。1-3の7回には1死一塁から走者をストライク送球で刺す「バズーカ」を発動。7回裏の逆転劇へ流れを呼び込んだ。
◆阪神の3番森下翔太外野手(23)が11試合連続安打と好走塁で逆転劇をアシストした。「自分が1発で返そうというよりかは、大山さんにつなごうという意識だった」。1-3の8回、2死一塁でヤクルト3番手大西の4球目だ。低めのカットボールを左前にはじき返し、好機を広げた。これで16日の巨人戦(甲子園)から始まった自己最長の連続試合安打を11に伸ばした。さらに、4番大山の左前打で一塁から全力疾走。「何かがあった時のために走りました」と一気に本塁を狙い、スライディングで生還した。背番号1がつなぐ野球で逆転劇に貢献した。
◆前日27日に続いて「ゴールデンウイークこどもまつり」で、子どもファンがヒーローにインタビュー。★城里衣菜さん(小学4年)から加治屋へ-今日の試合はドキドキしましたか? 私はとてもドキドキしましたが、勝ててうれしいです。はい、ぼくも毎回マウンドに上がるときはドキドキしているので。今日もドキドキしながらマウンドにあがったんですけど、本当に、勝てて僕もうれしいです!★八木克樹くん(小学3年)から大山へ-好きな昆虫はなんですか。僕はヘラクレスオオカブトが大好きですえー。僕は、ちょうちょが大好きです。
◆阪神才木浩人投手(25)が16イニングぶりの失点を喫し、5回7安打3失点で降板となった。3回まで無失点も4回にサンタナに適時打を浴び、5回にもサンタナ、山田に連続適時打を許した。「真っすぐは今年で一番感触が良かった。ちょっとアバウトすぎたかなというのもある。調子が良いから力んでしまった感じもある」と分析。「負担をかけてしまっている中継ぎの方に申し訳ない」と反省し、次回のリベンジを狙う。
◆パパやったよ。阪神加治屋蓮投手(32)が父の背中を見せた。1点ビハインドの6回、先発才木の後を受けて登板。1回を3者凡退に仕留め、7回も続投した。今季初の回またぎ登板は先頭の丸山和に四球を与えたが、梅野の盗塁阻止にも助けられ3人で攻撃を終わらせた。「あの点差で、あれだけ攻撃するチャンスが残っていたので。なんとしてもゼロでつないでいく。それしか考えていなかったです」。直後の攻撃で野手陣は逆転に成功。流れを呼び込む好救援で、今季2勝目を挙げた。「こどもまつり」として開催された一戦。加治屋自身も2人の子を持つパパだ。前日は小学1年生になる長女の誕生日だった。登板の有無にかかわらず応援してくれる「頑張っていたね」の一言が、力の源。ホームゲームは毎試合球場に来てくれるといい、この日も現地で応援していた。「こういうタイミングでヒーローになることができてよかったと思います」。渾身(こんしん)の23球で手にした勝利が1日遅れのプレゼントだ。ここまで1点差の試合は7勝2敗。勝利数、貯金5、ともに12球団最多だ。岡田監督は「加治屋とかの中継ぎの方が元気やで。そんな投げてないもん。2人(岩崎、ゲラ)よりは。負けている時のピッチャーが2イニングピシャッと抑えてくれるから。そら攻撃に入りやすいよな」と奮闘を評価した。中継ぎで挙げた今季5勝目。5戦連続無失点の加治屋も「一致団結して、役割を理解できている」とブルペンのまとまりを実感する。柔軟な起用に応え、貢献を続けていく。【波部俊之介】
◆阪神・桐敷拓馬投手(24)が先輩からのご褒美に目を細めた。試合前、桐敷のもとを訪れたのは、27日に先発した大竹。お礼の言葉とともに直接「Amazonギフトカード」を手渡された。27日の同戦で、大竹は七回1死満塁のピンチを背負って降板。後を託されたのが桐敷だった。押し出し四球で1点を失ったものの、桐敷は気迫の投球で1点のリードを守り切る。そのままチームも逃げ切り、大竹は今季3勝目を手にした。ヒーローインタビューで大竹は「本当にあんな苦しい場面で代わってしまって、キリ(桐敷)には申し訳なかった。あす(28日)、僕から何か贈呈したいなと思います。ありがとうございます」と感謝。有言実行のプレゼントに桐敷も「うれしいし、びっくりしましたね。こんなすぐ、本当にくれるとは思わなかったです」と笑顔。12球団屈指の虎投手陣の絆が垣間見える瞬間だった。
◆阪神は自身2連勝中の才木浩人投手(25)が先発する。前回登板となった21日の中日戦(甲子園)では7回無失点で2勝目を挙げ、ここまで4試合に登板して2勝1敗、防御率1・04と安定した投球を続ける右腕。「今は3、4、5番打者の調子がいい。そこをしっかり抑えるのと、その前にランナーをためないように」と意気込み、7日に今季唯一の黒星を喫したヤクルト打線にリベンジする。打線は「6番・三塁」で糸原健斗内野手(31)が今季初のスタメン。両リーグワーストの36三振を喫し、打率・188と不調に苦しむ佐藤輝明内野手(25)は今季初めてのベンチスタートとなった。
◆「6番・三塁」で今季初のスタメン出場した阪神・糸原健斗内野手(31)が、起用に応える先制打を放った。0-0の二回にヤクルト先発・小沢から、先頭の大山がチーム初ヒットとなる左前打で出塁。続くノイジーも左前打を放ち、無死一、三塁。ここで今季初スタメンの糸原が打席に入ると、追い込まれながらもフォークに対応した。打球は二塁手の頭を越えて中前に弾み、三塁走者の大山が生還。27日まで代打で3打席連続安打を放っていた職人が、スタメンに座って3試合ぶりとなる先制点をもたらした。
◆阪神の先発・才木浩人投手(25)が上々の内容で序盤の3イニングを終えた。一回先頭の西川に中前打、丸山和に犠打で1死二塁のピンチを背負うも、オスナ、村上と強力クリーンアップを抑えて無失点の立ち上がり。二回はサンタナ、山田を連続三振。150キロ超の直球にスライダーとフォークといった変化球も冴えわたった。三回は2死から西川に四球、丸山和に二塁内野安打で一、二塁のピンチ。それでもオスナを151キロ直球で二ゴロに仕留めた。ピンチをしのぐと甲子園は大歓声で祝福。才木は悠々とベンチへ引き揚げた。
◆阪神の先発・才木浩人投手(25)が同点を許した。1-0とリードの四回。先頭の村上を四球で歩かせると、セ・リーグ首位打者を走るサンタナに146キロの直球を弾き返された。これが風にも乗って左中間フェンス直撃の二塁打に。ノイジー、小幡とつないで本塁へ転送するも一塁走者の生還を許し、同点に追いつかれた。才木にとっては14日の中日戦(バンテリンドーム)の二回以来16イニングぶりの失点となった。その後2死一、三塁のピンチは小沢を三直に打ち取り、勝ち越しは許さなかった。
◆阪神の勝ち越しのチャンスは無得点に終わり、甲子園が再びため息に包まれた。1-1と同点に追いつかれた直後の四回。1死から糸原が左前打、梅野が今季初の長打となる左翼線への二塁打を放ち、1死二、三塁とチャンスを拡大する。しかし、続く小幡、才木が連続で空振り三振。勝ち越しとはならず、ゴールデンウイークの日曜日に詰めかけた大観衆からは、残念そうな声が響いた。
◆ヤクルトのドミンゴ・サンタナ外野手(31)が、1点を追う四回無死一塁で左中間フェンス直撃の適時二塁打を放った。阪神先発・才木が投じた146キロの直球を完璧に捉え「ストレートに力のある投手なので、振り負けないようにコンパクトに打ちました」。試合前時点で打率がリーグトップ(・321)、得点圏打率が同3位タイ(・421)の頼れる助っ人が、試合を振り出しに戻した。
◆阪神の才木浩人投手(25)が1-1の五回に4本の安打を浴びて勝ち越しを許した。1死から丸山和、オスナに連打を浴びると、その後2死一、三塁となって打席には前の打席で適時二塁打を打たれたサンタナ。カウント3-2から9球目の直球を投じると、打球はライナーで三塁の頭上を襲う。ジャンプした糸原のグラブをはじき、勝ち越しの適時打となった。なおも2死一、二塁から山田への初球のカーブを左前適時打とされ、2点を追う展開となった。
◆阪神打線が2点を勝ち越された直後にすぐさま反撃した。1-3の五回、先頭の近本が左翼へ痛烈な打球を放つと、スライディングキャッチを試みたヤクルト・サンタナのグラブをすり抜け、打球は外野芝生を転々。近本は悠々と三塁へ到達した(記録は三塁打)。続く中野が小沢の136キロ直球をきっちりとセンターへ運び、中犠飛で1点差。勝負の終盤へ向け、1&2番コンビが流れをもう一度引き寄せた。
◆阪神・梅野隆太郎捕手(32)が自慢の強肩でピンチを救った。六回からマウンドに上がった加治屋は七回、丸山和に四球を与え先頭の出塁を許した。オスナは一邪飛で1死一塁。村上を打席に迎えて3球目だった。一走・丸山和がスタート。梅野が強肩で二塁にストライク送球でタッチアウト。〝梅ちゃんバズーカ〟で2死とすると加治屋が村上を二ゴロに仕留めてこの回もスコアボードにゼロを刻んだ。梅野は四回に左翼線へ二塁打、六回も左前打を放って今季初のマルチ安打とバットでも躍動。逆転に向け、懸命なプレーを続けている。
◆阪神が大山悠輔内野手(29)の2点打で試合をひっくり返した。2-3の七回、先頭の代打・前川が中前打で出塁するも、近本が遊ゴロ併殺打に倒れて2死となった。しかしここから中野、森下が連打で2死一、二塁とすると、打席には4番・大山。2球目を強振して高々と打ち上げたが、これが左翼手の前にポトリ。二塁走者の中野のみならず一塁から森下も生還し、一気に逆転に成功した。阪神の八回のマウンドにはゲラが上がり、カード勝ち越しに向けて勝ちパターンのリレーに入った。
◆阪神が逆転勝利。二回に今季初めてスタメンで出場した糸原の適時打で先制に成功。逆転されて2点を追いかける展開となったが五回に近本の三塁打、中野の犠飛で1点差とすると、七回2死から中野、森下の連打で一、二塁から大山の2点打で逆転に成功した。先発の才木は5回3失点。加治屋が2回を無失点に抑えて今季2勝目。八回はゲラ、九回は岩崎が締めて4セーブ目を挙げた。ゴールデンウイークに詰めかけた満員の虎党を熱狂させた阪神は貯金を今季最多の「5」とし、がっちり首位をキープした。
◆ベンチスタートの阪神・佐藤輝明=甲子園球場(撮影・松永渉平)
◆ヤクルトは28日、阪神に3-4で逆転負けした。1点リードの七回2死一、二塁のピンチで左翼・サンタナが大山悠輔の飛球にダイビングキャッチを試みたが捕球できず。2者の生還を許して逆転された=甲子園球場(撮影・松永渉平)
◆阪神が2戦連続逆転勝ち。1点を追う七回2死一、二塁、大山悠輔内野手(29)の左飛が左前に落ちる間に、2者が生還した。佐藤輝明内野手(25)に代わって「6番・三塁」に入った糸原健斗内野手(31)が二回の適時打を含む3安打。森下翔太外野手(23)は好機を拡大した七回の左前打で11試合連続安打。六回に登板し2回無失点の加治屋蓮投手(32)が今季2勝目。直近4試合で18打席1安打11三振の佐藤輝は昨年8月17日の広島戦(マツダ)以来のベンチスタートで、スタメンでの連続出場は61試合で止まった。八回2死二塁では代打で空振り三振に倒れた。貯金を今季最多の「5」とした岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=14勝9敗3分、観衆=4万2590人)。★テレビインタビュー編(抜粋)ーー佐藤輝はベンチスタート「最近の内容を見ていて、いつ行こか、という感じだったんですけど、昨日の内容(3三振)を見ても、いっぺん糸原で行こうというのはあったんですけどね」ーーどう這い上がってきてほしいか「這い上がるって、ゲームでも使こてますよ。簡単ですよ。おーん。ボールを振らないで、ストライクを打ってくれたらいいと思いますけどね」ーーそういうところで頼りになるのが糸原「ずっと代打でもヒットを打っているので。こっち(甲子園)に帰ってから、本人も準備をしていたんじゃないですかね。そういう感じがしますね」★囲み編ーー大山の場面は逆の立場でも後ろに守らせたか「まあ、後ろいうても、どうなんやろうなあ。俺も分からへんけど、ベンチで見とったらだいぶ遠かったで、はっきり言うて」ーー2アウトからの逆転は昨年も多かった「(カウント)1-2やったからな、2-2でもなったら、ランエンドヒットかなんかつくれたんやけどな、カウント的にはな。なかなかあのピッチャー、大西は単独スチールは難しい、クイックがな。まあカウントでと思ってたけどな」ーー接戦をモノにする試合が多い「やっぱりリリーフ陣やで。そらそうやろ。勝ってる、点数が僅差になるからな。あの2人(ゲラと岩崎)がフル回転になってしまうけど、もう少し点差が開けばな、もうちょっと楽なね、他のピッチャーも投げさせられるんやけど、そこまでまだね、まだ落ち着かんは、そら。やっと2カード目、次で終わろうとしてるくらいやからな。どっちかいうとあの2人よりも、加治屋とか中継ぎの方が元気やで。そんな投げてないもん。2人よりは。六回七回くらいまでは先発が頑張って、接戦で競ったゲームが多いからな。どうしても、あの2人ってなるけど、もうちょっと点取ったらな、あの2人休ませられるからな」ーー2人の順番は流動的「そうやなあ、チームによって偏りがあるからな、結局は。右左いうこともあるし、ヤクルトなんか代打陣の偏りが大きすぎるやんか。左の代打しかこないというな。そう考えると、代打の出せる打順いうたら、考えたら、そらゲラ先いくわ。結局誰も代打なしで行けたやろ、左のな。そのへんは流動的なるよ、チームによって、右左の関係とか、代打陣の関係もあるからな、それは」ーー今のブルペン陣は「負けている時のピッチャーが加治屋とか2イニングぴしゃっと抑えてくれるからな。おーん。そら攻撃に入りやすいよな。リズムっていうか、流れがようなってくるよな、三者凡退に抑えたりな、少ない球数とかな。ランナーが出ても、ああってキャッチャーが刺す(七回1死で二盗阻止)とかな、流れ的にも、ものすごい、いい流れで攻撃出来てるから。後半特にな、ブルペン陣がみんなな」ーー梅野は変化球だったけど「いやいや、準備はしとったよ。前から。おーん」ーー2戦目、3戦目は守備もバントもしっかり「いや、もう一昨日(2ー8で敗れた26日の第1戦)はおかしかったやろ。そんなん。なんか1年に何回かあんなんあるよ。普通にな、ちゃんとアウトにするとか、ストライクバントでちゃんとやるっていう。そういうことを繰り返して行けばいいだけの話や、それは」ーー糸原が準備していたと「なんかそんな感じやったよ。そろそろ来るんちゃうかなと」
◆阪神が2戦連続逆転勝ち。1点を追う七回2死一、二塁、大山悠輔内野手(29)の左飛が左前に落ちる間に、2者が生還し、逆転。佐藤輝明内野手(25)に代わって「6番・三塁」に入った糸原健斗内野手(31)が二回の適時打を含む3安打。森下翔太外野手(23)は好機を拡大した七回の左前打で11試合連続安打。加治屋蓮投手(32)が今季2勝目。直近4試合で18打席1安打11三振の佐藤輝は昨年8月17日の広島戦(マツダ)以来のベンチスタートで、スタメンでの連続出場は61試合で止まった。八回2死二塁で代打で登場し、空振り三振に倒れた。主な選手のコメントは以下の通り(成績=14勝9敗3分、観衆=4万2590人)。スタメン落ちの佐藤輝明 「しょうがないことだと思うので」3安打の糸原健斗 「(スタメンを聞いたのは)今日ですね。準備しているんで、いつも通り試合に入るだけだと思っていた」七回の左飛が風に流され、2点打となった大山悠輔 「何があるかわからない、改めて怖さっていうのを知った」大山の左前打で一塁から生還した森下翔太 「とりあえず何かがあった時のために走りました」七回に代打で中前打の前川右京 「コトを起こしてというか、フォアボールでも何でも良かった」五回無死三塁で中犠飛を放った中野拓夢 「意外とノーアウト3塁の最初のバッター次第では点が入らない傾向も多いんで。内野ゴロでもいいっていう楽な気持ちで打席に入った」七回に二盗を阻止した梅野隆太郎 「大きいですね。自分の中でベストボールを投げられた」今季初の複数イニングで2勝目の加治屋蓮 「行けっていうところで行くっていうことしか、僕たちは出来ないので」八回を無失点に抑えたハビー・ゲラ 「呼ばれたところで投げて、ゼロ抑えるのが仕事。(連投も)自分の仕事」9日以来のセーブに岩崎優 「いつも通りじゃないですかね」
◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(80)が阪神・糸原健斗内野手(31)の起用で「つながり」を増した打線に言及すると同時に、佐藤輝明内野手(25)の起用法がポイントだと指摘した。佐藤輝に代わってスタメン起用した糸原が3安打。代打出場した前川も中前打。随所に岡田監督の采配がさえた試合だった。元々阪神の中でも屈指の「しつこさ」を持つ糸原が、持ち味の逆方向を意識した打撃を披露。こんな選手が、いつでも控えているところも強さの一つだ。糸原が加わった打線は、一気につながりを増した。糸原自身が適時打を放った二回はもちろんだが、逆転した七回の3連打も、森下、大山がひと振りで決めようとせず、つなぎを意識していた。今の阪神は、投手陣が圧倒的な安定感を誇る。だからロースコアの戦いに持ち込むのは容易。そこで相手より1点でも取れれば勝てる。タイミングを合わせるかのように、打線は日本一になった昨年のしつこさ、選球眼、つながりを取り戻した。貯金が増えるのも当然だろう。今後のポイントは佐藤輝の起用法。次の試合からスタメンに戻してもいい。相手先発などを考慮して、何試合か外してもいい。ただ、長いシーズンに、一発の魅力を秘めた佐藤輝は必要不可欠。担当コーチが寄り添って、佐藤輝のモチベーションを維持させるのは大事な仕事だ。
◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が今季初のスタメン落ち。ベンチスタートは昨年8月17日の広島戦(マツダ)以来で、八回2死二塁で代打出場したものの空振り三振。直近5試合で19打席12三振とあって「(スタメン落ちは)しようがないことだと思うので、切り替えて次頑張ります」とコメント。岡田彰布監督(66)は試合後のテレビインタビューで悩める男の復調方法を聞かれ「簡単ですよ。おーん。ボールを振らないで、ストライクを打ってくれたらいいと思いますけどね」と語っていた。
◆勝利の流れを呼び込めなかった。先発のヤクルト・小沢怜史投手(26)は5回6安打2失点で今季初勝利はならず。序盤からやや制球に苦しみ、99球を要した。ビッグイニングを作らせず粘りの投球で「リズムの良い投球とは言えなかったが、その中でも最少失点で粘れたところは良かった」と振り返った。だが高津監督は「ストライクが入らない。狙ったところに行かないので、勝てるピッチングじゃなかったですね」と厳しかった。
◆阪神・森下翔太外野手(23)は七回2死一塁から三遊間を破る左前打。続く大山の打球が外野に落ちると、一塁から逆転のホームを踏んだ。「とりあえず何かがあったときのために(全力で)走りました」。チャンスをお膳立てした一打を「自分が一発でかえそうというよりかは、大山さんにつなごうという意識だった。つなげて良かった」と振り返った。
◆気迫に燃える23球が、逆転勝利を呼び込んだ。2番手で登板した阪神・加治屋蓮投手(32)が移籍後初の2回を無失点。登板2試合連続白星で今季2勝目を手にし、息をついた。「(抑えられて)ホッとした。なんとしてでもゼロでつないでいく。もうそれしか考えていなかった」2―3とビハインドの六回に登板。西川から空振り三振を奪うなど三者凡退に仕留め、ヤクルトの勢いを止めた。「すごくこっちに流れが来るようなイニングの攻防だった」。七回は先頭の丸山和に四球を許すも、梅野が盗塁を刺して結果的に三人斬り。逆転への空気を作り上げた。ホームゲームでは娘を毎試合招待する。だからこそ、こどもまつりウイークでのお立ち台が誇らしかった。2児のパパは粘ってつかんだ勝利に、「野球って素晴らしいものなんだよって思わせられる1試合だった」と目を細めた。これで阪神の逆転勝利は両リーグトップの9度目。その立役者は間違いなく救援陣だ。岡田監督は「負けているときのピッチャーが加治屋とか2イニングぴしゃっと抑えてくれるからな。リズムっていうか、流れがようなってくるよな」と、改めて評価を口にした。加治屋は「特にビハインドでは点をやれない試合がずっと続く。ブルペンで一致団結して、役割を理解しながらできている」と胸を張る。強固な虎のブルペン陣がまた自信をつけた。(中屋友那)?...加治屋の1試合2イニング登板はソフトバンク時代の2019年8月8日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来
◆リードを奪った直後の八回に3番手で登板した阪神ハビー・ゲラ投手(28)は、サンタナから空振り三振を奪うなど3人で抑えた。九回に登板して5セーブ目を挙げた27日は本塁打を浴びて失点を喫していたが、一夜明けて好投。「七回であれ八回であれ九回であれ、言われたところで投げられるようにこれからも準備していきたい」と献身的な姿勢を示した。
◆阪神・梅野隆太郎捕手(32)が攻守に存在感を放った。2―3の七回の守備では、丸山和の二盗を阻止。チームに流れを呼び込み、「大きいですね。自分の中でベストボールを投げられたので良かった」とうなずいた。バットでも四回に今季初の長打となる左翼線への二塁打を放つと、六回にも左前打で今季初のマルチ安打を記録。「追い付いたり逆転したりする試合が続いている。ビジターで戦い方は違うけど、粘ることを続けていけたら」と首位独走へ広島3連戦を見据えた。
◆阪神・岩崎優投手(32)は九回を無失点に抑えて4セーブ目を挙げた。27日は八回に登板してホールドがついたが、一夜明けて試合を締め「いつも通りですよ」と、役割に関係なく必死に腕を振った。これで自身とゲラがそろって登板した試合は今季9勝3分けと不敗神話継続。今後に向けて「一試合一試合頑張ります」と力を込めた。
◆七回、先頭で代打出場した阪神・前川右京外野手(20)は追い込まれながらも粘って大西の8球目を仕留め、二遊間を抜く中前打を放った。「フォアボールでもなんでもよかったので、塁に出るという気持ちで立った」。これで今季は代打で8打数4安打の打率5割。1打席に集中し、勝負強さを発揮している。
◆阪神・近本光司外野手(29)は1-3と2点差をつけられた直後の五回、先頭で左翼線へ今季3本目の三塁打を放ち、続く中野の犠飛で生還した。この回の反撃が終盤の逆転へとつながり、「結果的に(中野と)2人でポンと点を取れたのが気持ち的にも楽になったと思う」と1、2番コンビの連係に胸を張った。
◆阪神・中野拓夢内野手(27)が3試合ぶりの安打で流れを引き戻した。2-3の七回、近本の併殺打で走者なしとなって迎えた第4打席に中前打。ため息を歓声に変え、逆転劇を導いた。2点を勝ち越された直後の五回無死三塁の好機では中犠飛を放ち、「すぐ(点を)かえす、かえさないで流れも違う。内野ゴロでもいいという楽な気持ちで打席に入ったので、最低限の仕事ができたかなと思います」とうなずいた。
◆このときが来るのを待っていた。だから、驚きも焦りもない。今季初めてコールされた「6番・三塁 いとはら」。阪神が誇る〝仕事人〟糸原健斗内野手(31)はスタメン起用に応え、華麗に快音を響かせた。「準備しているんで、別にいつも通り試合に入るだけだと思っていた。代打の気持ちで1打席しかないぐらいの気持ちで打席に立って、それがいい結果につながったかなと思います」今季26試合目で初のスタメン出場。二回無死一、三塁の第1打席から持ち味の勝負強さを発揮した。小沢の130キロフォークに食らいつき先制の中前適時打。「そこから乗っていけた部分もある」と勢いづいたバットは止まらない。四回は直球を捉えて左前打を放つと、八回は今野の148キロを逆らわず左前にはじき返した。「必死ですよ。必死にやりました」。4打数3安打1打点の内容に充実の汗を拭った。不振の佐藤輝に代わって、三塁での先発起用。岡田監督は「昨日(27日)の(佐藤輝の)内容を見ても、いっぺん糸原でいこうというのはあった」と語った。27日は木浪に代えて遊撃手に小幡を起用し、その小幡が反撃ののろしをあげる適時打を放つなど躍動。2日連続で決断がピタリとはまった形だ。そんな指揮官の起用に応えることができたのも、糸原の準備のたまもの。2月の春季キャンプは実績組を2軍で調整させるという岡田監督の意向もあって、プロ初の2軍・具志川スタートだった。初日から「僕が一番元気がある」と誰よりも声を出す。どんな状況下にあっても、常に前向きに、全力で野球に取り組む姿があった。今季も代打出場が続いたがその姿勢は変わらない。出番を待ち、ひたむきに準備を続ける。だから、いざ声がかかったときに結果を残すことができる。先発・才木がピンチのときには三塁から積極的に声をかけにいき、元キャプテンとしてリーダーシップも発揮した。「久しぶりにこの超満員の甲子園で野球ができたっていうか、守備について4打席立って、それでいい結果も出たんで、すごく良かったなと思います」大歓声に包まれるこの瞬間のために-。これからもたゆまぬ努力で虎を勝利へと導く。(原田遼太郎)?...糸原のスタメン出場は昨年7月1日の巨人戦(東京ドーム)以来。1試合3安打は2022年9月13日の広島戦(甲子園)以来
◆阪神・才木浩人投手(25)は5回7安打3失点。同点で迎えた五回2死一、三塁のピンチからサンタナ、山田に連続適時打を浴びた。「直球の走り、感覚がよかっただけにコントロールがアバウトになってしまった。試合が続いている中で5回で交代となってしまい中継ぎの方に申し訳ない」。岡田監督も「もうちょっとコントロールというかね、力勝負で行くとやっぱり危ない」と次回登板へ課題を挙げた。
◆阪神は2連勝で貯金を今季最多の5とした。2-3の七回2死一、二塁から大山悠輔内野手(29)が逆転の2点左前打。平凡なフライだったが、浜風で流されてラッキーな一打となった。ゴールデンウイーク最初のカードで勝ち越しに成功。風を味方につけた岡田虎が、このまま〝貯金ウイーク〟にする。甲子園特有の右翼から左翼に吹く浜風が〝神風〟となった。2-3の七回2死一、二塁。大山の打球は高々と舞い上がった。悔しそうな表情を浮かべる4番。超満員の虎党からもため息が漏れた。だが、次の瞬間、外野の芝生にポトリ。ミラクルの逆転2点打だ。「いや、もう本当に浜風が味方をしてくれたので。よかったです」お立ち台に上がった大山は風に感謝した。あきらめない姿勢、執念が白球に乗り移った。無死一塁から近本が二ゴロ併殺に倒れ、2死走者なし。チャンスはしぼんだかと思われたが、ここから中野、森下が連打でしぶとさを発揮。大山は1ボールからの2球目、3番手・大西の高めのスライダーをフルスイングした。
◆歓声と、拍手と、どよめきが入り交じった甲子園の音量は、スタメン発表時ではMAXだった。「6番 サード 糸原」佐藤輝のスタメン落ちを示すアナウンスは、ある意味、この試合のクライマックスだったかもしれない。「予測はしていました。リフレッシュして、気持ちを入れ替えて、またスタメンに戻ってくれたらいいと思います。置かれた立場、現状は彼自身が一番よく分かっていると思いますから、心配はしていません」ドラフト指名直後からサトテルに密着し、誰よりもサトテルの心中を理解し、人一倍サトテルを応援しているサブキャップ・原田遼太郎が〝解説〟してくれた。背番号8不在の打線は、しぶとくつながり、二回と七回に3連打で勝利を引き寄せた。大砲の不在を感じさせない展開に。1点差勝利だが、何となく余裕を感じる試合だった。唯一、佐藤輝が出ていたらなぁ...と思ったのは五回。サンタナの打球がサード糸原のグラブを弾いて外野の芝生に転がった。「糸原より12センチ背が高いサトテルだったら、グラブに収まっていたかも」とチラリと脳裏をかすめた。が、それ以外は、佐藤輝不在でも問題なく白星ゲット。うれしくもあり、サトテル推しとしては寂しくもあり。サブキャップの言葉を信じて、一日も早いスタメン復帰を願おう。
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
14 | 9 | 3 | 0.609 (↑0.018) | - (-) |
117 | 83 (+4) | 69 (+3) | 15 (-) | 7 (-) |
0.233 (↑0.006) | 2.140 (↓0.04) |
2 (-) |
巨人 |
13 | 10 | 3 | 0.565 (↑0.02) | 1 (-) |
117 | 67 (+6) | 56 (+2) | 10 (-) | 14 (+2) |
0.231 (↑0.005) | 2.010 (-) |
3 (-) |
中日 |
11 | 11 | 3 | 0.500 (-) | 2.5 (↓0.5) |
118 | 60 (-) | 79 (-) | 10 (-) | 3 (-) |
0.234 (↓0.003) | 2.930 (↑0.17) |
4 (-) |
広島 |
10 | 10 | 3 | 0.500 (-) | 2.5 (↓0.5) |
120 | 69 (-) | 56 (-) | 9 (-) | 12 (+1) |
0.233 (↓0.005) | 2.410 (↑0.15) |
5 (-) |
DeNA |
10 | 13 | 1 | 0.435 (↓0.02) | 4 (↓1) |
119 | 71 (+2) | 94 (+6) | 8 (-) | 13 (-) |
0.240 (↓0.005) | 3.320 (↓0.12) |
6 (-) |
ヤクルト |
9 | 14 | 1 | 0.391 (↓0.018) | 5 (↓1) |
119 | 93 (+3) | 89 (+4) | 15 (-) | 13 (-) |
0.246 (-) | 3.630 (↓0.03) |
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