阪神(★2対8☆)ヤクルト =リーグ戦4回戦(2024.04.26)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
0001100002641
勝利投手:小川 泰弘(1勝0敗0S)
敗戦投手:青柳 晃洋(1勝2敗0S)

本塁打
【阪神】森下 翔太(5号・4回裏ソロ)

  DAZN
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◆ヤクルトが快勝。ヤクルトは2回表、中村の適時打と武岡の犠飛で2点を先制する。その後は4回に丸山和の適時打、6回には西川の適時打が飛び出すなど、着実に得点を重ねた。投げては、先発・小川が7回5安打2失点の力投で今季初勝利。敗れた阪神は、攻守に精彩を欠いた。

◆阪神の被本塁打はここまでセ・リーグ最少の6本。1発を打たれたのは7日ヤクルト戦でオスナから浴びた2ランが最後。9日広島戦から14試合続けて本塁打を許していない。今日も打たれず15試合連続で被本塁打0となれば、67年8月阪急以来で、セ・リーグでは50年8~9月中日の17試合に次ぎ、52年7~8月広島、59年8~9月広島の15試合に並んで2位タイ。2リーグ制後(50年以降)の阪神では55年7~8月の14試合を上回って最長記録となる。

◆両軍のスタメンが発表された。2分けを挟んで7連勝中の首位阪神は最下位のヤクルトを迎える。現在14試合連続被本塁打0で2リーグ制後の球団タイ記録。先発マウンドには開幕投手の青柳晃洋投手(30)が上がる。5本塁打でリーグトップを走るオスナや4本塁打の村上ら強打者を抑えて、2リーグ制後の球団記録を更新するか。本日26日からの3連戦は毎年恒例の「ゴールデンウイーク こどもまつり」として開催。バックスクリーンの選手名はひらがなで表記される。

◆この日からのヤクルト3連戦は、毎年恒例「ゴールデンウイークこどもまつり」として開催され、大型ビジョンの選手名がひらがなで表示された。阪神の選手が登場するたび、「こどものころのならいごと」がビジョンで紹介される。3日間すべてで限定でざいんの「KIDSユニホーム」を小学生以下の入場者先着7000人にプレゼント。他にもファンクラブKIDSを対象に始球式体験やスタジアムMC体験、ヒーローインタビュー体験などのイベントが開催される。

◆阪神木浪聖也内野手(29)が、痛恨の1イニング2失策を喫した。2点ビハインドの4回無死一、二塁。武岡の遊ゴロをファンブルし無死満塁に。その後、1点を失いなおも無死満塁の状況で、1番西川が中犠飛。中堅近本からカットプレーで遊撃木浪へとボールが渡り、本塁へ送球しようとしたところ、これを引っかけてボールは一塁方向へと転々とした。 その間に走者は生還し、一塁、二塁走者もそれぞれ進塁。まさかの悪送球に甲子園はどよめきに包まれた。1死二、三塁となり、丸山に左前適時打を許したところで、先発青柳は降板となった。1試合2失策は今季チーム初となった。

◆先発の青柳晃洋投手(30)が4回途中7安打5失点でKOされた。コントロールが乱れた。0-0の2回1死から3連打を浴びるなど2点を先制された。3回は2死一、三塁を0に抑えたが、4回はこらえきれず。無死満塁から投手の小川にストレートの押し出し四球を与えると、1番西川には犠飛。2番丸山には適時打を浴びたところで降板した。遊撃手木浪の2失策も絡んだとはいえ、3回1/3を7安打5失点(自責2)と乱調。制球がばらつく場面が多く、今季自身最短でマウンドを降りた。チームは今季リーグ最多の逆転勝ち7だが、3点差以上の逆転勝ちはなし。4回で5点のビハインドを奪われることになった。

◆阪神森下翔太外野手(23)が、リーグトップタイとなる反撃の5号ソロを放った。5点を追う4回2死からヤクルト小川の低め139キロ直球を完璧に捉え、左中間スタンドまでかっ飛ばした。この日チーム初ヒットとなる自身6試合ぶりの1発で、反撃ののろしをあげた。「少しバットの先でしたが、うまくバットにのせて打つことができました。まだまだ中盤なので、これ以降も粘り強く攻めて、逆転できるように頑張ります」昨季5号到達は8月15日の広島戦で、自身57試合目、219打席目だ。今年は自身24試合目、94打席目。1年目は10本塁打を記録したが、2年目での量産に期待が高まる。

◆阪神は大山悠輔内野手(29)も失策がつき、この日チーム3個目の失策となった。2-6の6回。2死一、二塁で4番村上の正面への一ゴロをトンネル。打球が右翼へ転がる間に二塁走者が生還して7点目を奪われた。大山は今季初の適時失策。4回には遊撃の木浪が2失策を犯して失点に結びついており、またもや失策で点を失った。今季ワーストの7点目を大山の適時失策で奪われ、チーム1試合3失策は今季最多。守備から流れを明け渡す形となってしまった。

◆阪神は4失策と守乱で今季ワーストの8失点。2分けをはさむ連勝は7でストップした。先発の青柳晃洋投手(30)は制球を乱した。2回に3連打を浴びて2点の先制を許すと、4回にも押し出し四球や失策が絡みKO。自身今季最短の3回1/3を7安打5失点でマウンドを降りた。野手もカバーしきれなかった。遊撃手の木浪聖也内野手(29)が3失策。4回無死一、二塁から8番武岡のゴロをファンブルすると、1番西川の中堅への犠飛でカットに入ったが、本塁送球を引っかけてボールは一塁方向へ転々とし進塁を許した。さらに7回にもゴロをはじいて3失策目。一塁手の大山悠輔内野手(29)にも6回に適時失策が出て、今季12球団ワーストの1試合チーム4失策と乱れた。4回には森下翔太外野手(23)にリーグトップタイの5号ソロが飛び出したが、今季ワーストの8失点が重くのしかかった。投手陣は15試合連続被本塁打なしの2リーグ制後球団新記録達成も、喜べぬ一戦となった。

◆阪神投手陣が連続試合被本塁打なしを15試合に伸ばし、並んでいた55年14試合を上回って2リーグ制後の球団新記録となった。先発青柳が4回途中で降板したが、漆原、島本、岡留、浜地とつないだ。投手陣は今季チームワーストの8失点も本塁打は許さなかった。1発を浴びたのは7日ヤクルト戦でオスナからの2ランが最後。9日広島戦から15試合連続被本塁打なしとなった。セ・リーグでは50年8~9月中日の17試合に次ぎ、52年7~8月広島、59年8~9月広島の15試合に並んで2位タイに浮上した。

◆阪神木浪聖也内野手(29)が、1試合でまさかの3失策を喫した。2点ビハインドの4回無死一、二塁。武岡の遊ゴロをファンブルし無死満塁に。その後、1点を失いなおも無死満塁の状況で、1番西川が中犠飛。中堅近本からカットプレーで遊撃木浪へとボールが渡り、本塁へ送球しようとしたところ、これを引っかけてボールは一塁方向へと転々とした。 その間に走者は生還し、一塁、二塁走者もそれぞれ進塁。まさかの悪送球に甲子園はどよめきに包まれた。負の連鎖は続く。5点ビハインドの7回、先頭長岡の遊ゴロを捕球できず、打球は後方を転がった。昨季ゴールデングラブ賞を獲得した名手が、まさかの3失策と足を引っ張った。チームはこれまで1試合で1失策が最多だったが、6回の大山の適時失策も含めエラーは4つ。1試合4失策は昨年9月16日広島戦以来となった。

◆阪神は2分けをはさんでの連勝が7で止まった。今季12球団最多の1試合4失策。先発青柳晃洋投手(30)は4回途中5失点と崩れた。岡田彰布監督の一問一答は以下の通り。-青柳はブルペンの報告もよくなかった「いやいや、きょうは聞いてない」-制球に苦しんだ「初回、スッといったからなあ」-直球を捉えられていたが、球は走ってなかった「走ってないんやろなあ。それは。まあ、やっぱアレや。左で、ちょこちょこ当ててくるようなな。言うたけど、あんなもう、インコース、ストレートいきすぎよ。はっきりいうて」-守りも珍しく「えぇ、ホンマ、出たら一気に出るなあ。あんななあ、武岡とかあの打球でゲッツー取れへんよ、はっきり言うて。そんなん慌てる必要ないねん、1つでええねん。そら相手の足とか考えたらなあ。慌てる必要あれへん、次ピッチャーやのに」-木浪は精神的に追い込まれたのか「知らん、それは本人に聞いてくれよ。分かれへんやんか、それは」-5回のバントが決まってたら違う流れになったか「だから、あんなんも高めのクソボールやろ。ランナースタートきれんて。自分だけのバントじゃないんやからなあ。それやったら完璧のバントせなあかんわ。ボール球するんやったら。バントいうたらストライクバントやからな。セカンドなんかやったらなあ、そらお前、だってあんな高いボールやったらやれへんと思うやんか、普通は。野手の感性からいくとなあ。見送ると思うよなあ。やっぱりスタート遅れるよな、そら。ストライクバントや、バントはお前。スクイズちゃうんやからさ。なあ、バントエンドランでもないし、バントやから」-糸原の代打、「いやはよ点欲しかったからなあ。もう1点、2点とって、3点差、2点差やったら全然分からへんから」-漆原もビハインドの展開でしっかり抑えている「いやいや、そら抑えてるよ、なあ」-漆原の評価は上がっている「評価上がるって、評価もクソも、1軍のブルペンにおるんやから。そら、ああいう使い方多いけどな。でも、そこでもやっぱり、あれやんか。追加点をやらんければいけるという、そういうあれやからさ。あの場面で投げるとしたらな。そら全員が全員、2回から準備できへんのやから、そら順番があるやんか。8人もブルペン入ってるんやから」

◆阪神木浪聖也内野手(29)が3失策を猛省した。試合後は「練習しっかりします」と繰り返した。馬場1軍内野守備走塁コーチは「なんか固まってしまったような感じには見えましたけどね。本人もその前に2つエラーしているからね。固まってしまったかもしれませんけど」。4回にカットプレーに入り悪送球した場面については「投げるマネをしたのか分からないけど、ファーストもカットにいっているし、ちょうど(野手が)いないところにいっているしね」と振り返った。4回は無死一、二塁でヤクルト武岡のゴロは捕球できず。無死満塁とピンチを広げてしまっていた。同コーチは「ミスですから。こっちがどうこうというプレーではない。ゲッツーを取りたいと慌ててしまうことはよくあるけど、あそこはやっぱり1つもアウトを取れなかったことが良くないと思う。ノーアウトですよね。あそこでゲッツーを取っておけばという気持ちは分かりますけど、どっちかで1個アウトにしていればピッチャーもまた違ったと思う」と語った。阪神は今季12球団最多の1試合4失策もあり、引き分けをはさんで連勝が7で止まった。

◆阪神は5回の好機で1点止まりだったことが響いた。5点ビハインドの攻撃。無死一、二塁で坂本誠志郎捕手(30)が一塁方向にバントしたものの、ヤクルト・オスナがチャージし、二塁走者ノイジーを三塁でフォースアウトに。岡田監督は「あんなん高めのクソボールやろ。ランナー、スタート切れんて。自分だけのバントじゃないんやからなあ」と指摘した。「それやったら完璧のバントせなあかんわ、ボール球するんやったら。バントいうたらストライクバントやからな」と説明し「セカンド(走者)なんかやったらなあ、そらお前、だってあんな高いボールやったら(犠打を)やれへんと思うやんか、普通は。野手の感性からいくとなあ、見送ると思うよなあ。やっぱりスタート遅れるよな、そら。ストライクバントや、バントはお前。スクイズちゃうんやからさ。なあ。バントエンドランでもないし、バントやから」と続けた。結果的に糸原の適時打で1点は入ったものの、坂本の犠打でチャンス拡大とはならず、1点止まりだった。

◆右肘の違和感で、出遅れていたヤクルト小川泰弘投手(33)が、開幕22試合目で今季初登板を迎え、7回93球5安打2失点無四球で今季1勝目を挙げた。「とにかく打者1人1人強気で向かっていくことと、テンポよくチームに流れを持ってこられるようにと思って、マウンドに上がりました」と振り返った。3回までパーフェクト。味方打線も、4回までに5点の大量リードを奪ってくれた。5点リードの4回2死走者なしから、阪神森下に1発を許したが、慌てることはなかった。次打者・大山に対しては変化球中心の組み立てで、最後は内角スライダーで見逃し三振に片付けた。「点も取ってくれましたし、捕手の中村がしっかりリードしてくれて自分の良さが出せたと思います」と感謝した。打者としても存在感を示した。2点リードの4回無死満塁では押し出し四球を選び、5点リードの7回には、頭部までバットを高く上げ、セーフティースクイズで1点をアシストした。「点にからんでいますし、バントで流れきらないというのは投手の大事な仕事だと思うので良かったと思います」と確実に仕事を果たした。高津監督は「彼にとってのね今年の開幕戦だったんですけど、もうちょっとバタバタするかと思ったんですけど、さすがのマイペースぶりでね、良く投げてくれたと思います。もう少しスピードが欲しいかなと思ったんですけど、もう少しスピードがあればなと思ったんですけど、丁寧にいろいろな変化球をいろいろなコースに投げ分けられた。1、2番を一度も出さなかったというところは、非常によくできたピッチングだったと思いますね」と評価。「先発ピッチャーが何人いてだし、今の先発も含め、リリーフも含め、投手陣を見てね。決してこう、100点満点のあれではないのは事実ですし、彼もそれなりに責任は感じているでしょうしね。これから200イニング目指して頑張ると思います」と今後のさらなる活躍に期待した。

◆阪神漆原大晟投手(27)がパーフェクトリリーフをみせた。前回登板から中5日空け4回1死一、三塁のピンチから青柳に代わって登場。オスナを捕邪飛、村上を低めのフォークで二ゴロに料理して追加点を許さず。回またぎで臨んだ5回は長岡、中村から連続三振を奪うなど3人できっちり片付けた。「1人1人と対戦しているっていう気持ちが強いので、結果ヒットがなかったのはよかった」と振り返った。

◆阪神が今季ワーストの1試合4失策を犯し、10試合ぶりの黒星を喫した。阪神の連続試合チーム無被本塁打は15に伸び、これまでの球団記録だった1955年(昭30)の14試合を69年ぶりに更新した。阪神投手陣は、4月7日ヤクルト戦で才木が1回オスナに2ランを打たれて以来、本塁打を許していない。前回55年の阪神は、大崎三男が4試合に先発し防御率1・04と活躍。エース小山正明は5試合中4試合に救援マウンドに立ち、救援防御率1・29と奮闘を見せた。

◆代打の阪神糸原健斗内野手(31)が今季初適時打で追い上げの1点を奪った。5回2死一、二塁の好機に登場。ヤクルト小川の外角直球を中堅にはじき返す2点目で、一時4点差まで縮めた。今季14打席目初の適時打に「いい形でタイムリーが出たので良かったなと思います」とほっとひと息。「チームが負けたので、明日もまた頑張ります」と引き締めた。

◆阪神森下翔太外野手(23)が、リーグトップタイの5号ソロで超満員の甲子園を沸かせた。5点を追う4回にヤクルト先発小川をとらえ、左中間席へ連続試合安打を9に伸ばす反撃ソロ。スコアボードの選手名が平仮名表記になった「ゴールデンウイークこどもまつり」の初日に詰めかけた子どもたちを喜ばせた。試合は今季最多の4失策などで完敗して連勝は7で止まったが、背番号1が描いたアーチは今日への希望だ。森下の放った打球は子どもたちの夢を乗せ、ぐんぐんと伸びた。左中間席へ吸い込まれる会心アーチ。5点を追う重たい空気をはね返す1発で、満員札止めの甲子園を笑顔にさせた。0-5と一方的な展開になりかけた4回2死。ヤクルト小川の低め139キロ直球を完璧に捉えた。「少しバットの先でしたが、うまく乗せて打つことができました」。打球速度162キロ、推定飛距離121メートルの特大弾。ヤクルト・オスナに並ぶ5号本塁打で再リーグトップに浮上した。ルーキーイヤーの昨季の5号到達は、8月15日の広島戦で自身57試合、219打席目だった。今年は自身24試合、94打席目。2倍以上のペースで猛烈に量産している。チームでも2位の佐藤輝に2本差をつけ、2年目の進化を発揮中だ。19日中日戦(甲子園)以来6試合ぶりの1発となったが「久しぶりにホームランも出て、感覚としては悪くない」と手応え十分。16日の巨人戦(甲子園)から始まった自己最長の連続試合安打も9に伸ばした。1年目は10本塁打を放った男が、どこまで数字を増やすかに大きな期待が高まる。「もりした」が子どもたちのヒーローになった。27日からはゴールデンウイークに突入。この日からのヤクルト3連戦は、恒例の「ゴールデンウイークこどもまつり」として開催され、大型ビジョンの選手名がひらがなで表示された。3日間すべてで限定デザインの「KIDSユニホーム」が小学生以下の先着入場者7000人にプレゼントされるなど、多くの子どもたちが来場した一戦だった。前日25日、森下は力を込めて言った。「夢を与えられる職業なので、勝つことが一番楽しんでもらえると思う。勝って子どもたちにいいところを見せたい」。豪快な1発で有言実行。「家族連れが多くいる中で、いいところは見せれたのかな」とほほ笑んだ。9回にも左翼へ大飛球を放ち、最後まで虎党を沸かせた。チームの連勝は7で止まったが、1発を秘めた魅力の打棒は希望の光。「大事な場面で回ってきた時に集中力を保って明日のゲームは行きたい。勝っていい試合にしたい」。再進撃の一撃で、子どもたちを喜ばせる。【村松万里子】森下はチーム24試合目で5号本塁打。143試合で換算すると29本塁打に達する勢いだ。昨季のプロ1号は、チーム78試合目の7月9日ヤクルト戦。ここから快調にアーチを重ね、10本塁打を放った。開幕からハイペースの2年目は、どこまで数字を伸ばすか。

◆阪神5番手浜地真澄投手は2イニングを0に抑えた。6点ビハインドの8回から登板。8回はオスナに遊撃内野安打を許したが、村上、岩田と連続三振。9回は3者凡退に抑えて今季初のイニングまたぎも危なげない投球。2回1安打無失点で4試合連続無失点とし「自分の仕事ができた。任されたところをゼロでできて良かった」と役割をこなした。

◆あこがれの選手のプレーを楽しみにしていた子どもたちを、喜ばせることはできなかった。「ゴールデンウイークこどもまつり」の初日。阪神が今季ワーストの1試合4失策で、10試合ぶりの黒星を喫した。今季の1試合最多失策は1つだっただけに、岡田彰布監督(66)は「ホンマ、出たら一気に出るなあ」とため息のようにもらした。昨季ゴールデングラブ賞を受賞した名手に、まさかのプレーが続いた。2点を追う4回無死一、二塁で、木浪聖也内野手(29)が武岡の遊ゴロをファンブル。青柳の足を引っ張ったプレーに、指揮官は「武岡とかあの打球でゲッツー取れへんよ、はっきり言うて。そんなん慌てる必要ないねん。1つでええねん。そら相手の足とか考えたらなあ」と苦い表情を浮かべた。1度傾いた悪い流れは止まらない。1点を追加されてなお無死満塁。西川の中犠飛で木浪はカットプレーに入ったが、今度は本塁への送球を引っかけて悪送球。ボールが一塁方向へ転々とする間に進塁を許し、失点を重ねるきっかけをつくった。7回にも長岡の遊ゴロを捕球できずプロ最多の1試合3失策。背番号0は「練習しっかりします」と静かに繰り返した。負の連鎖は続き、6回2死一、二塁では、同じく昨季ゴールデングラブ賞の一塁大山が村上の打球を後逸。7点目を失う適時失策となった。1試合4失策は今季12球団最多で、計12失策もヤクルトと並びリーグワースト2位。今季最多の8失点で完敗した試合でもう1つ、指揮官が苦言を呈したのは坂本に対してだった。4点を追う5回無死一、二塁の攻撃。小川の高め直球で犠打を試みたが送れず、二塁走者のノイジーが三塁封殺となった。「あんなんも高めのクソボールやろ。ランナースタート切れんて。自分だけのバントじゃないんやからな」。流れを変えられる可能性のあった場面での失敗に、岡田監督は顔をしかめた。2分けを挟んでの連勝は7でストップ。当たり前の1プレーを再確認し、首位をしっかり守りたい。【磯綾乃】▽阪神馬場内野守備走塁コーチ(3失策の木浪について)「固まってしまった感じになったかな。失点になってるからね。(4回の悪送球は)ファーストがカットにいっているんで、ちょうどいないところにね。(4回の武岡のゴロ失策は)あそこでゲッツー取りたい気持ちは分かるけど、1つもアウトを取れなかったのはね」▽阪神大山(6回に村上の打球を後逸)「反省はしっかりして、明日の試合に向けて準備するしかないと思います」

◆体の中心部にあったグラブを右ほおまで近づけ、左足を胸元に付くまで高く上げる独特な投球フォーム。ライアンが帰ってきた。右肘の違和感のため、開幕22試合で今季初登板を迎えたヤクルト小川泰弘投手(33)が、24年の1勝目を挙げた。「復帰してすぐチームも勝ちましたし、自身にも勝ちがついていいスタートを切れた」。打席でもライアンだった。7回にセーフティースクイズ。投球さながら、頭部まで高く構えたバントで追加点。「バントで流れを切らないというのは投手の大事な仕事」。5点リードの4回に森下に1発を浴び「細かい精度はまだですけど、今ある力で」と7回5安打2失点無四球に収めた。ライアンは、ライアンを探していた。開幕投手の筆頭候補も、患部の痛みを発症し、3月8日の阪神とのオープン戦(甲子園)を回避。そこから続いた2軍暮らしの日々。YouTubeを開く時間が増えた。検索ワードに打ち込んだのは「小川泰弘」。昨季、22年...。過去の投球フォームの動画をあさった。故障の影響で本来のライアンを見失っていた。元祖も見た。自身の投球のモデル、伝説の速球王ノーラン・ライアンの投球動画も見返し、同氏の著書も読み返した。試行錯誤し、23年の小川泰弘が今に合っていると気付いた。「何とか成長した姿で1軍に戻りたい、1日でも早くマウンドに戻れるようにと思ってやっていました」と自身の投球動画は、お気に入り登録。いつでも見返せるようにした。そうしてたどり着いた"開幕"。自身が、みんなが求めていたヤクルトのライアン小川が戻ってきた。【栗田尚樹】▽ヤクルト高津監督(小川について)「もうちょっとバタバタするかと思ったんですけど、さすがのマイペースぶりでね、良く投げてくれたと思います。もう少しスピードが欲しいかなと思ったんですけど、丁寧にいろいろな変化球をコースに投げ分けられた」

◆阪神青柳晃洋投手(30)が、今季最短の3回1/3で7安打5失点(自責2)KOされた。投手陣は15試合連続被本塁打0で、2リーグ制後の球団新記録を打ち立てたが、納得できるはずがない。「結果としてヒットが出てしまい、実力不足というか。低めにいっていたけど、それが打たれる。なんとも言えない」と反省。先発は9試合連続クオリティースタート(6回以上自責3以内)をマークしていたが、あっけなく途絶えた。0-0の2回。1死からサンタナ、長岡、中村に3連打を浴びるなど2点を先制された。4回無死満塁では投手小川にストレートの押し出し四球。さらに西川に犠飛、丸山に適時打を浴びたところで降板した。遊撃手木浪の2失策も絡んだとはいえ、流れを失う3失点。「いつも守ってくれて助けてもらっている野手のミスをカバーできずに打たれてしまい、申し訳ない」と肩を落とした。岡田監督は「(球が)走ってないんやろなあ」と指摘。特に左打者との対戦について「ちょこちょこ当ててくるようなな。インコースストレートいきすぎよ、はっきり言うて」と偏り気味だった配球にも厳しかった。この日はベンチ入りから外れたが、「先発予備1番手」として1軍で中継ぎ待機する門別も控える。開幕投手の立て直しが待たれる。【中野椋】

◆阪神佐藤輝明内野手が3試合、12打席ぶりのヒットを放った。2試合連続で「6番三塁」で出場。5回無死一塁からヤクルト小川の外角スライダーを引っ張り、痛烈に一、二塁間を破る右前打を放った。4打数1安打だったが、「今日は体的にいいスイングができたので、また明日切り替えて頑張ります」と前を向いた。

◆阪神・青柳晃洋投手(30)が先発する。前回登板した19日の中日戦(甲子園)で6回6安打無失点と粘投し、今季4度目の登板で初勝利。ヤクルトとは2度目の対戦で、5日(神宮)は6回3安打6四死球3失点(自責2)と制球面で苦しんだだけに、投手指名練習に参加した25日には「前回の神宮は僕が悪すぎた。打者と対戦することができなかったので、打者の印象というよりはもう本当に、自分がしっかりと投げることができたらいいのかなと思います」と話していた。チームは9日の広島戦(甲子園)から14試合連続で本塁打を許しておらず、この一戦でも被弾がなければ、大阪タイガース時代の1955年の球団記録を69年ぶりに塗り替える。直近で本塁打を記録したのは7日(神宮)、才木から2ランを放ったオスナ。25日の広島戦(同)でもサヨナラ弾を放ったサンタナも含め、助っ人2人はアーチを架けており、要注意だ。記録に対して青柳は「僕自身特に気にすることなく、最少失点でチームが勝てるチャンスを残せるようなピッチングができたらいいかな」と冷静にマウンドに立ち、勝利のために腕を振る。

◆阪神・青柳晃洋投手(30)が先発し、二回に先制された。一回は3つの内野ゴロで三者凡退に抑えたが、二回は1死からサンタナ、長岡に連打を浴びると、7番・中村には初球の141㌔を右方向に打ち返され、先制二塁打とされた。この3連打に続き、武岡には左犠飛を許し2点目。2分けを挟み7連勝と勢いになる中、甲子園に帰ってきた初戦は追う展開となった。

◆〝女房役〟がエースを助けた。「7番・捕手」で先発したヤクルト・中村悠平捕手(33)が、二回1死一、二塁から先制の適時二塁打。阪神・青柳の外角直球を右翼線にポトリと落とし「先制点が欲しかったので、初球から積極的に仕掛けていきました」。1990年生まれの同学年で今季初登板した先発の小川を援護した。

◆27日の阪神戦に先発するヤクルトのサイスニード投手(31)は、短距離ダッシュなどで調整した。開幕投手を務めた来日4年目の今季は、4試合で0勝1敗、防御率4・50と白星に恵まれていない。敵地・甲子園は、2021年5月18日の同戦で来日初勝利を収めた思い出の地。今季初勝利を目指す助っ人は「歴史のある球場。タイガース打線には自分の長所を生かせるようなピッチングをしたい」と意気込んだ。

◆阪神が0―2の二回に失策絡みで3点を追加された。先発・青柳は長岡に外角へのツーシームに合わせて左前へ落とされ、この日初めて回の先頭に出塁されると、二回に先制打を許した中村にも右前打を許して無死一、二塁。8番・武岡には併殺コースの遊撃へのゴロを打たせたが、今季ここまで無失策だった木浪がジャッグルし、一塁でもアウトを取れずピンチが満塁に広がった。味方のミスを救いたかった青柳だが、投手の小川にはストレートの押し出し四球。スタンドの虎党からはため息が漏れた。さらに悲劇は続く。続く西川に中犠飛を打たれたが、中継プレーで返球を受け取った木浪が、本塁へ送球する素振りを見せただけで、送球はしなかったものの、その際にボールを地面にたたきつけてしまい、ボールはそのまま一塁ファウルゾーンへ転々・・・。走者を一、二塁から二、三塁へと進めてしまい、丸山和の左前打で5点目を刻まれた。青柳はここで交代を告げられ、今季最短の3回1/3で7安打5失点(自責2)。バトンを受けた漆原がオスナ、村上を抑えたものの、悔しいイニングとなった。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が0―5の四回、左中間へソロ本塁打を放った。体を冷やす風が吹き込む甲子園を一振りで沸かせた。無安打に抑えられていた先発・小川を相手に意地を示した。初球の139キロ直球を捉え、打球は左中間スタンドへ一直線。自身の月間最多となる5号ソロで反撃への第一歩を刻んだ。連続試合安打も自己最長を更新する9に伸ばした。

◆阪神・森下翔太外野手(23)が0―5の四回、左中間へソロ本塁打を放った。体を冷やす風が吹き込む甲子園を一振りで沸かせた。無安打に抑えられていた先発・小川を相手に意地を示した。初球の139キロ直球を捉え、打球は左中間スタンドへ一直線。自身の月間最多となる5号ソロで反撃への第一歩を刻んだ。連続試合安打も自己最長を更新する9に伸ばした。「打ったのはストレート。少しバットの先でしたが、うまくバットにのせて打つことができました。まだまだ中盤なので、これ以降も粘り強く攻めて、逆転できるように頑張ります」とコメントした。

◆阪神・糸原健斗内野手(31)が1―5の五回に代打で登場し、反撃打を放った。この回は先頭のノイジー、佐藤輝が連打でチャンスメーク。坂本の犠打失敗と木浪の左飛で2死となったが、代打・糸原のコールにスタンドは大盛り上がりとなった。左の代打の切り札はその期待に応え、ヤクルト先発・小川の142キロを中前にはじき返し、3点差に詰め寄った。糸原は24日のDeNA戦(横浜)でも、1―3と劣勢の九回に代打で登場し、左前打で逆転の4得点の起点に。甲子園に帰ってきた一戦でも勝負強さを発揮してみせた。

◆エースが帰ってきた。ヤクルト・小川泰弘投手(33)が阪神戦に先発で今季初登板。序盤に先制点をもらい、テンポよく投げ進めた。「やってやるぞという気持ち。今持っている力を最大限出せるように準備していきたい。何とかチームに勝利を持ってこられるように、自分の力を出し切りたい」登板前日の25日の練習後、決意を口にしていた。プロ12年目の今季は開幕投手の最有力候補に挙げられていたが、3月上旬に上半身のコンディション不良を発症して開幕2軍スタート。「焦る自分もいますし、早く上(1軍)で投げたいと思いましたけど、何とかそういう気持ちを抑えて、2軍で練習した」とレベルアップを目指して、再び体を鍛え直してきた。約1カ月遅れの〝開幕戦〟。序盤から攻めた投球を続けた。直球は常時140キロ台前半だったが、今の小川はスピードを求めていない。「やっぱり球の質が大事。バッターがどう感じるか」と抑えるための工夫を重ねてきた。この日の初球はいきなりクイックモーションで投じ、体重移動時に微妙なズレを作ってタイミングをずらすなど熟練の投球術を見せた。ストライク先行の投球で三回までの序盤戦はパーフェクト投球。故障で離脱していた期間はチームにとって痛かったが、変化を加え、進化した背番号29の帰還は何よりも心強い。(赤尾裕希)

◆阪神・島本浩也投手(31)が2―5の六回に3番手で登板し、1失点を喫したところで降板。失策も重なりこの回2点を失った。島本は内野安打と犠打で1死二塁を作られると、1番・西川に中前適時打を許した。今季10試合目の登板で初失点。続く丸山にも右前打を浴びたところで降板した。四回、五回に1点ずつを返して反撃ムードを作っていたが、頼みの左腕が点差を広げられた。1死一、二塁で代わってマウンドへ上がった4番手・岡留はオスナを空振り三振を打ち取り、村上の打球は一塁手の正面へ。これを大山がトンネルし、走者ひとりが生還して再び5点差に広げられた。四回の木浪の2失策に加え、これがこの試合チーム3つ目のエラー。失点に直結するミスが相次いだ。

◆阪神の守備のミスが止まらない...。七回先頭の長岡が遊撃へのゴロを放ったが、この打球を木浪がトンネル。その後の1死一、三塁で小川にスクイズを決められ、2―8とされた。木浪は3点を失った四回に、ジャッグルに加え、外野からの中継プレーでの悪送球があり、すでに2失策を犯していた。今季ここまで無失策だった男が、1試合でまさかの3失策。2―5から2点を失った六回には一塁・大山のトンネル失策もあり、4失策はいずれも失点に絡む厳しい試合運びとなっており、スタンドからはため息が起こった。

◆帰ってきたエースが好投した。3月に上半身のコンディション不良を発症し、戦線を離脱していたヤクルト・小川泰弘投手(33)が先発で今季初登板。7回93球を投げ5安打2失点でマウンドを降りた。「やってやるぞという気持ち。今持っている力を最大限出せるように準備していきたい。何とかチームに勝利を持ってこられるように、自分の力を出し切りたい」登板前日の25日の練習後、そう決意を口にしていた。約1カ月遅れの〝開幕戦〟。序盤からストライク先行の攻めた投球を続けた。直球の最速は142キロだったが、「やっぱり球の質が大事。バッターがどう感じるか」と抑えるための工夫を重ねてきた。一回、1番・近本への初球はいきなりクイックモーションで投じ、体重移動時に微妙なズレを作ってタイミングをずらすなど熟練の投球術を見せた。打っては、四回無死満塁で押し出し四球を選択。六回無死一塁では投前犠打を成功させ、七回1死一、三塁ではスクイズを決め、攻守で魅せた。

◆阪神は今季ワーストとなる8失点を喫し、2分けを挟む連勝が「7」でストップした。先発・青柳は二回に3連打と犠飛で2点を先制されると、四回は投手の小川への押し出し四球などで3失点。今季無失策だった遊撃・木浪の2失策なども響き、今季最短となる3回1/3、7安打5失点(自責2)での降板と悔しい結果になった。打線は三回までヤクルト先発・小川にパーフェクトに抑えられたなか、四回2死で森下が初安打となる左中間への5号ソロを放ち、五回には代打・糸原が中前適時打を放って反撃ムードを作った。しかし、直後の六回には3番手・島本が3安打を浴び、一塁・大山がトンネル失策を犯すなどまたもミスが出て、この回2失点。七回には木浪のこの日3つ目の失策がきっかけとなり8点目を失うなど、守備のミスがことごとく失点につながった。1955年を超える15試合連続被本塁打なしの球団新記録は樹立したが、悔しい敗戦となった。

◆ヤクルト戦を観戦する阪神・杉山健博オーナー=甲子園球場(撮影・松永渉平)

◆ヤクルトは今季初登板の小川が7回5安打2失点で白星を挙げた。二回に中村の適時二塁打などで2点を先取し、四回は丸山和の適時打などで3得点。六、七回も加点して突き放した。阪神は4失策と守備が乱れ、連勝が7で止まった。

◆メンバー表を交換するヤクルト・高津臣吾監督=甲子園球場(撮影・根本成)

◆ヤクルトは今季初登板の小川が7回5安打2失点で白星を挙げた。二回に中村の適時二塁打などで2点を先取し、四回は丸山和の適時打などで3得点。六、七回も加点して突き放した。小川の一問一答は以下のとおり。ーーナイスピッチング「ありがとうございます」ーー今シーズン初登板「打者ひとりひとりに強気で向かっていくこと、チームに流れを持ってこれるようにと思ってマウンドに上がりました」ーー1巡目はパーフェクトピッチング「そうですね。なんとか自分の持ち味を出せたかなと思います」ーー7回2失点無四球の好投「点も取ってくれましたし、キャッチャーの中村がしっかりリードしてくれて、自分の良さが出せたと思います」ーーその中村の適時二塁打で先制「勇気づけられる点でしたし、それに乗っていけたと思います」ーー自身も押し出し四球と犠打で2打点「バントはしっかりやりたいと思ってますし、打席の中でも自分ができることを精一杯やりたいと思ってました」ーーけがの期間の思い「なんとか成長した姿で1軍に戻りたいと思ってましたし、1日でも早くマウンドに戻れるようにと思ってやってました」ーー今年はどんな一年に「今年はチームとしてしっかりやり返せる、やり返すことができるように頑張っていきたいと思います」ーーファンに向けて一言「いつも応援ありがとうございます。これから一戦一戦大切にチームが浮上していけるようにみんなで頑張っていきます。応援よろしくお願いします」

◆阪神は杉山健博オーナー(65)が観戦する中、13日の中日戦(バンテリンD)以来の黒星を喫し、2分を挟む7連勝でストップした。1試合4失策&8失点は今季ワースト。二回に2点を許した青柳晃洋投手(30)は四回、木浪聖也内野手(29)の失策もあり、小川泰弘投手(33)への押し出し四球などで3点を奪われ、5失点(自責2)。打線は森下翔太外野手(23)の5号ソロと代打・糸原健斗内野手(31)の適時打での2点止まり。1試合で複数エラーのなかったチームは二回に2失策の木浪が七回にトンネル。大山悠輔内野(29)は六回に失策で追加点を与えた。投手陣は1955年の球団記録を更新する15試合連続被本塁打ゼロをマークした。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=12勝9敗3分、観衆=4万2515人)。ーー青柳はブルペンの報告もよくなかった「いやいや、今日は聞いてない」ーー制球に苦しんだ「初回、スッと行ったからなあ」ーー球は走ってなかった「走ってないんやろなあ。それは。やっぱアレや。左で、ちょこちょこ当てて来るようなな。言うたけど、あんなもう、インコース、ストレート行き過ぎよ。はっきり言うて」ーー守りも珍しく「えぇ、ホンマ、出たら一気に出るなあ。あんななあ。(四回無死一、二塁で木浪がファンブルした)武岡とか、あの打球でゲッツー取れへんよ、はっきり言うて。そんなん慌てる必要ないねん、一つでエエねん。そら相手の足とか考えたらなあ。慌てる必要あれへん、次ピッチャーやのに」ーー木浪は精神的に追い込まれたのか「知らん、それは本人に聞いてくれよ。分かれへんやんか、それは」ーー五回のバントが決まっていれば(五回無死一、二塁で坂本のバントで二走ノイジーが三塁封殺)「だから、あんなんも高めのクソボールやろ。ランナースタート切れへんて。自分だけのバントじゃないんやからなあ。それやったら完璧のバントせなアカンわな。ボール球するんやったら。バントいうたらストライクバントやからな。セカンドなんかやったらなあ、そらお前、だってあんな高いボールやったら、やれへんと思うやんか、普通は。野手の感性から行くとなあ。見送ると思うよなあ。やっぱりスタート遅れるよな、そら。ストライクバントやバントはお前。スクイズちゃうんやからさ。バントエンドランでもないし、バントやから」ーー糸原の代打(五回に中前適時打)「はよ点欲しかったからなあ、もう1点、2点とって、3点差、2点差やったら全然分からへんから」ーー漆原もビハインドの展開で抑えている「いやいや、そら抑えてるよ、なあ」ーー漆原の評価は上がっている「評価上がるって、評価もクソも、1軍のブルペンにおるんやから。ああいう使い方多いけどな。そこでもやっぱり、アレやんか。追加点をやらんければ行けるという、そういうアレやからさ。あの場面で投げるとしたらな。そら全員が全員、二回から準備出来へんのやから、そら順番があるやんか。8人もブルペン入ってるんやから」

◆オリックス、阪神で通算176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(58)は阪神・青柳晃洋投手(30)と守備陣との負の連鎖について言及した。後味の悪過ぎる敗戦だった。青柳は変化球の曲がりが悪く、調子は良くなかった。ならば野手が守ってバックアップしなければいけないが、木浪の3失策、大山のトンネル。六回の武岡の内野安打も、中野ならアウトにしてほしかった。地方球場ではない。雨も降っていない。本拠地・甲子園だ。ちょっと理解に苦しむ守乱だった。逆に味方が失策したときこそ、投手は次打者を抑えなければいけない。ところが、四回は木浪の失策で満塁になった直後に、青柳は投手・小川に押し出し四球を与え、流れは最悪。五回の攻撃で坂本の送りバント失敗も痛い。野球は、攻守で相手にプレッシャーを与えながら有利な展開に持ち込み、勝利を目指す。この試合の阪神は、投攻守すべてでミスを繰り返して、チーム全体で自滅してしまった。これだけ負の連鎖が続くと、何をどう反省していいか分からない。ただただ、忘れるしかない。ただナイターから一夜明けてのデーゲームは意外に切り替えがしにくい。尾を引かないことを祈るのみだ。

◆阪神は13日の中日戦(バンテリンD)以来の黒星を喫し、2分を挟む7連勝でストップした。1試合4失策&8失点は今季ワースト。二回に2点を許した青柳晃洋投手(30)は四回、木浪聖也内野手(29)の失策もあり、無死満塁から小川泰弘投手(33)への押し出し四球などで3点を奪われ、5失点(自責2)で降板した。打線は森下翔太外野手(23)が四回に5号ソロ、五回には代打・糸原健斗内野手(31)が中前適時打を放った。二回に2失策の木浪が七回にトンネル。大山悠輔内野(29)は六回に失策で追加点を与えた。投手陣は1955年の球団記録を更新する15試合連続被本塁打ゼロをマークした。主な選手のコメントは以下の通り(成績=12勝9敗3分、観衆=4万2515人)。木浪の七回の3失策目に馬場敏史内野守備走塁コーチ 「固まってしまったような感じには見えました」2敗目を喫した青柳晃洋 「守備うんぬんよりも自分の実力不足」青柳の後を継いで1回2/3を無失点の漆原大晟 「ピンチの場面でしたけど、打者に向かって行く気持ちは持ってマウンドに上がりました」八回からの2回を無失点に抑えた浜地真澄 「任されたところをゼロでと思っていたので、よかったです」四回に5号ソロの森下翔太 「エラーした人だけじゃなくて、自分も含めて明日また集中して、仕切り直してやって行きたいなと思います」五回に代打で中前適時打の糸原健斗 「しっかりと集中力を保っていい形でタイムリーになったので良かった」五回に12打席ぶり安打の佐藤輝明 「今日は全体的にいいスイングが出来た」

◆開幕前にチームを離れるというヤクルト・小川の決断は、決して簡単ではなかったはず。ただ、「ズルズル長引くのが一番迷惑がかかるし、そこは自分で判断した」とリハビリ組に加わることを自らの口でスタッフに伝えた。決断の裏には、過去の教訓があった。2017年10月。疲労骨折で右肘にメスを入れた。「あのときはずっと我慢して投げていたから、負荷がかかって骨折までなってしまった」と今でもその反省は忘れない。開幕1カ月を切った中で始まったリハビリ生活。苦楽をともにしてきた通算185勝の先輩左腕・石川からの言葉が道しるべとなった。「ライアンはチームの柱だし、焦らず、戻ってから何試合投げられるかが大事だからな」早期復帰よりも進化して復帰する。自分が進む道がくっきりと見えた。「落ち込んでいる暇はないなと。チームに戻ってから、離脱しないようにと思った。そのための期間だとプラスに捉えて、無駄なことは絶対にないと思ってやっていた。どう良くしていくか。前の自分よりもね」。勇気ある決断と44歳の先輩の言葉でたどり着いた1勝目だった。(ヤクルト担当キャップ・赤尾裕希)

◆阪神は2-8でヤクルトに完敗し、13日ぶりの黒星で連勝は7で止まった。先発の青柳が四回途中で今季最短KOされ、守備陣は4失策、打線も送りバント失敗など精彩を欠いた中、森下翔太外野手(23)が四回にセ・リーグトップに並ぶ5号ソロ本塁打。恒例の「こどもまつり」に集まったチビっ子ファンを喜ばせた。先発の青柳はわずか3回?で降板した。7安打2四球で5失点(自責点2)し、今季最短KO。満員の甲子園はため息に包まれた。「僕の実力不足。守備(失策)うんぬんよりも打たれ過ぎ。先制を許して相手に勢いをつけてしまった」右腕は反省の言葉を並べた。二回、3連打と犠飛で2点を先制されると、四回は連打と木浪の失策で無死満塁に。ここで投手の小川にストライクが1球も入らず、押し出しの四球。さらに犠飛と丸山和に適時打を許して交代指令を受けた。岡田監督は「(球が)走ってないんやろなあ。インコース、ストレートいきすぎよ。はっきり言うて」とバッテリーに苦言を呈した。

◆阪神は2-8でヤクルトに完敗し、13日ぶりの黒星で連勝は7で止まった。先発の青柳が四回途中で今季最短KOされ、守備陣は4失策、打線も送りバント失敗など精彩を欠いた中、森下翔太外野手(23)が四回にセ・リーグトップに並ぶ5号ソロ本塁打。恒例の「こどもまつり」に集まったチビっ子ファンを喜ばせた。ミスの連鎖が続き、自ら流れを手放した。1試合4失策という岡田阪神らしからぬ守乱が響き、2-8の敗戦で連勝は「7」でストップ。岡田監督も複雑な表情で、エラー連発の一戦を振り返った。「えぇ、ホンマ、出たら一気に出るなあ」すでに2点を失っていた青柳が再び攻め立てられた四回無死一、二塁。武岡の遊撃に飛んできた正面の打球を木浪が捕球後にゲッツーにしようとしたが、白球をポロリ...。拾い直して一塁へ送球したが、間に合わず、塁が埋まって直後に青柳の押し出し四球で加点を許した。

◆エースが帰ってきた。上半身のコンディション不良で開幕前に離脱していたヤクルト・小川泰弘投手(33)が先発で今季初登板し、7回5安打2失点の好投で初勝利。表情を緩め、勝ち星の味をかみしめた。「復帰してすぐチームも勝ったし、自身にも勝ちが付いていいスタートが切れた」悔しさの分だけ喜びも大きかった。プロ12年目の今季は開幕投手の最有力候補と目されながら、3月上旬に右肘を痛めて戦線を離脱。ノースロー調整も味わい、「焦る自分もいたけど、何とか抑えた」と黙々と1軍のマウンドを目指してきた。約1カ月遅れで迎えた〝開幕戦〟。磨いてきた打ちづらい直球で攻めた。最速は142キロだったが、今の小川は「球の質」を追い求める。体重移動時に微妙なズレを作ってタイミングをずらし、球速と体感速度に差を生んだ。一回、1番・近本への初球はいきなりクイックモーションで投げるなど、抑えるための工夫を重ねた。味方の援護を受け、序盤からストライク先行で四回2死まで完全投球。森下にソロを被弾、五回に代打・糸原に中前適時打を浴びたが、最少失点で切り抜けた。92キロのチェンジアップも使った熟練の投球を見せた。

◆女房役がエースを支えた。「7番・捕手」で先発したヤクルト・中村が、二回1死一、二塁で右翼線へ先制の適時打を放ち、1990年生まれの同学年・小川も「本当に勇気づけられる点でしたし、それで乗っていけた」と感謝。守っては好リードで勝利に貢献した正捕手は「ストライク先行で打ち取れたのが大きかった。ゾーンの中でしっかり勝負できていたし、非常によかった」と小川をたたえた。

◆良い子のみなさん、真似をしたらいけませんよ! そうつぶやいてしまうほど、昨夜の甲子園のスタンドはちょっと荒れていた。四回無死満塁。先発・青柳が投手・小川にまさかの押し出し。「コラッ、何やっとんねん、青柳!」叫ぶオジサンたち。木浪がまさかの失策を重ねた。「どうなっとんねん、木浪!」名手とは言わないが、よく頑張って守ってきたショートのレギュラーの異変に、別のオジサンたちも声を上げざるを得なかった。連勝はいつかストップするものだが、最悪の止まり方だ。ゴールデンウイーク突入直前のナイター。この時期の甲子園恒例「こどもまつり」のスタートの日だった。球場内はちょっとした「変化」が。来場したちびっ子に「KIDSユニホーム」をプレゼント。大型ビジョンもすっかりおなじみとなった、選手名を平仮名で表記。「ちかもと」「もりした」「おおやま」「さとうて」子供向けの親切なスコアボード。ただ、最近の子供は、姓の漢字くらいは読めると思うけれど。というか、逆に平仮名ばかりは読みにくかったりする。あくまで個人的意見。「さとうて」も「さとてる」のほうがなじみやすいと思う。

◆開幕から1カ月後の今季初登板。チームは現在最下位。焦りやリキみが出てもおかしくない中、よく平常心で投げられたものだ。小川がベテランならではのマウンドさばきをみせてくれた。昔ほどのスピードはない。その分、ていねいに、丹念に。細心のコントロールで、イニングを消化していった。特に変化球の投げ分けが見事。横に滑るカットボールで左打者を詰まらせたかと思えば、縦の緩い変化球で泳がせ、満足なスイングをさせない。110キロ台のカーブに加えて、六回には森下と大山に対し、90キロ台の超スローカーブ。もちろん、点差があるからこそだが、余裕しゃくしゃく。チームに安心感をもたらしたことは間違いない。打線も呼応。青柳を鮮やかに攻略した。右のサイドハンド対策として左打者を増やした...というだけではない。なにしろ、二回1死一塁での6番・長岡以降、四回1死後の青柳降板まで、右打者、左打者とも、安打と犠飛のほとんどがセンターから逆方向へ放ったもの。それどころか、アウトになった打球もことごとくセンターから逆という徹底ぶり。その結果として、本来の打線のつながりも取り戻した。エースの復帰戦で快勝。浮上へのきっかけになるといい。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆「セコム、してますか?」「すんまへん、し忘れとったんですわ」「セコム、してますか?」「せやから、9試合負け無しの7勝2分け、しかも相手は最下位のヤクルトやから、つい忘れてしもうたんや」その結果、先発・青柳は投手の小川にストレートの押し出し四球を与えるなど散々でKOを食らい、木浪は草野球でも見られない3失策をやらかし、名手大山も適時失策。六回の武岡の内野安打も、実質は中野のエラーだかんね。五回の坂本のバント失敗も打撃のエラー。数々の警備不足の〝セコム忘れ負け〟なのだ!!怒りまくってる? いえいえ、ず~っと勝ち続けることはないんだから、負けるときはミスの大バーゲンセールでいいのだ!! これを反面教師にして次きっちりやったらええねん!!「セコム、してました!」「えっ?」「15試合連続被本塁打なしの球団新記録達成です!!」

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
1293 0.571
(↓0.029)
-
(-)
11974
(+2)
62
(+8)
14
(+1)
7
(-)
0.222
(↓0.002)
2.020
(↓0.04)
2
(-)
巨人
11103 0.524
(↓0.026)
1
(-)
11959
(+2)
53
(+7)
9
(-)
11
(-)
0.227
(↑0.001)
2.050
(↓0.22)
2
(1↑)
中日
11102 0.524
(-)
1
(↑0.5)
12056
(-)
73
(-)
7
(-)
3
(-)
0.237
(-)
3.060
(-)
4
(1↑)
DeNA
10111 0.476
(↑0.026)
2
(↑1)
12168
(+7)
86
(+2)
7
(+1)
12
(-)
0.248
(↑0.003)
3.260
(↑0.06)
5
(1↓)
広島
9102 0.474
(-)
2
(↑0.5)
12263
(-)
52
(-)
8
(-)
9
(-)
0.235
(-)
2.490
(-)
6
(-)
ヤクルト
9121 0.429
(↑0.029)
3
(↑1)
12186
(+8)
80
(+2)
13
(-)
12
(-)
0.244
(↑0.004
3.520
(↑0.07)