ロッテ(☆3対2★)西武 =リーグ戦16回戦(2023.08.12)・ZOZOマリンスタジアム=
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西武
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ロッテ
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勝利投手:澤田 圭佑(1勝0敗0S)
敗戦投手:増田 達至(4勝2敗18S)

本塁打
【西武】中村 剛也(11号・7回表2ラン)

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◆ロッテがサヨナラ勝利。ロッテは1-2で迎えた9回裏、佐藤都の適時打で同点とする。なおも続く好機で荻野の犠飛が飛び出し、試合を決めた。投げては、先発・メルセデスが6回無失点の好投。4番手・澤田が移籍後初勝利を挙げた。敗れた西武は、2番手・増田が踏ん張りきれなかった。

◆西武がロッテにサヨナラ負けした。最後は9回1死二、三塁から荻野にサヨナラ犠飛を打たれた。三塁走者岡が生還後、西武ベンチは三塁タッチアップのタイミングについてリクエストを要求。しかしリプレー映像がなかったため、そのままホームインが認められた。松井稼頭央監督(48)は「映像がない以上はね。僕らが早いって思っただけですから。リクエストができるということでしたので。最後の最後まで可能性を探りました」とコメントするにとどめた。

◆西武はサヨナラ負けしたものの、中村剛也内野手が一時は逆転となる11号2ランを放った。7回、ロッテ東條のスライダーを左翼席へ運びプロ通算465号ともなった。史上12位タイでパ・リーグでは史上3位タイ。かつてコーチとして指導を受けた土井正博氏に並んだ。「俺の記録は抜いてくれよって言われてました。並べたのであと1本打って抜かしたい、超えていきたいと思います」と笑った。土井氏からの「赤子を抱くように懐を深く」との教えは今の打撃にも生きる。「数字は並びましたけど、いろんな部分においてはまだまだ。これから土井さんに近づけるように」。40歳になる3日前にあらためて誓った。

◆ロッテの"オジ3"でサヨナラだ。1-2で迎えた9回先頭、31歳中村奨吾内野手が右安で出塁。1死後に代打の32歳岡大海外野手が中堅への二塁打でつないだ。同点後、1死二、三塁からチーム最年長37歳の荻野貴司外野手が、中犠飛で決めた。負ければ今季初の4カード連続負け越しを阻止した。目の前にはもっとベテランがいる。まもなく40歳を迎える西武栗山と中村剛だ。荻野は「西武には僕より上のおじさんって言ったら失礼ですけど、先輩方がまだまだ元気にやられているので」と奮起。逆転2ランを浴びた中村剛に負けじと、「奨吾からつないでくれたので、なんとか決めたいと思って打席に入りました」。持ち味のコンパクトなスイングでの殊勲打だ。浅い飛球を見つめながら「やべえと思ったんですけれど、岡頼む」と願い、一塁塁上で仲間の祝福シャワーを浴びた。だが、岡の離塁に対し相手ベンチからリプレー検証。「ドキドキしていました」。生還が認められると今度はウオータータンクから水を浴びせられ全身びしょぬれ。前日11日には吉井監督から「おじさん2人(荻野と中村奨)」と称されて休養日となっていたが、若々しく躍動する姿で勝利を導き、"オジサン"にもサヨナラだ~!【鎌田直秀】▽ロッテ吉井監督(サヨナラ勝利に)「もう少し早く先発をやっつけないといけない。(おじさんたちは)練習しすぎっていうところもあるのですが、若い子たちにも刺激になってくれている」▽ロッテ沢田(9回に登板し、オリックス時代の19年以来4年ぶり勝利)「1球目、2球目、3球目と良くなっていったので絶対にいけると思った。(トミー・ジョン手術後にも)支えてくれた人たちも喜んでくれると思う」

◆白星は消えてしまったものの、西武松本航投手(26)が見事に攻めた。約1カ月ぶりの1軍マウンド。「登板機会をもらえて素直にうれしいです」と言い、臨んだ。12試合で3敗7敗、防御率4・45。ピリッとしない投球が続き、7月中旬を待たずに再調整となっていた。「とにかく練習してきたことをマウンドを出すだけと思って。それがいい結果、いい内容につながったと思います」直球は140キロ中盤。マウンド上でうまく間合いを工夫しながら、ロッテ打線に決定打を打たせなかった。2回には風による不運な当たりで失点したが「影響されず、いうか。練習してきたことを出すようにしました」と貫いた。7回を終え、相手中軸に回ってくる8回のマウンドも任された。3人でしっかり切った。1軍では自己最長イニング。「単純にうれしいです。ファームでやってきたことが、やっぱりつながっていると思うので」と振り返った。4週連続で6連戦が続くまっただ中にある。エース高橋が特例2023で一時的にチームを離れて苦しいだけに、松本の好投は光になった。【金子真仁】

◆ロッテの沢田圭佑投手(29)が、オリックス時代の19年5月2日以来、1563日ぶりの白星を挙げた。9回に4番手として登板し、1回を3者凡退に。同裏に荻野のサヨナラ中犠飛でチームが勝ち、勝利投手となった。沢田は「勝つ、負けるはあまり気にしていないので、1イニングをしっかり投げきれたことが今日は一番良かった」と笑顔を見せた。「こういうところで投げるために日々練習しているので、打者と僕も勝負に集中して試合に入っていくことが出来た」。先頭のマキノンを150キロ直球で二飛。外崎は152キロ直球で遊ゴロに。最後は7回に2ランを放っている中村に全5球直球勝負を挑み、「1球目、2球目、3球目と良くなっていたので、絶対にいけると思って」と空振り三振を奪った。昨年6月に右肘トミー・ジョン手術を受け、同オフにオリックスから戦力外通告を受けた。今オフにロッテと育成契約を結び、先月末に支配下登録されたばかりだ。「完璧なペースで進んでいました」とリハビリを順調に乗り越え、2度目の登板で新天地初勝利。「起きた瞬間から寝るまで野球のことを考えてきた。寝ている時も野球の夢が何回も出てくるような生活だった。それだけ野球への思いをリハビリにぶつけて自分と向き合ってきた。手術前は痛みで起きていたので、うなされるような感じなんですけれど、手術が終わってからは自分が全力で投げている試合が多くて...」。夢を現実にした充実感に満ちていた。復活劇は、まだ始まりに過ぎない。「前のチーム(オリックス)が(2年連続で)優勝した時もまったく投げられていなかったのも大きくて、正直優勝2回しましたけれど、僕の中では1回も味わっていない。それを今年達成したい」。古巣を2位で追う状況に「絶対に勝ちたい」と闘志も燃やした。励みになる存在は、大阪桐蔭時代に同級生だったオリオールズ藤浪晋太郎投手だ。高校時代は背番号10としてエースと2番手の関係だった。「毎回、『投げていたなあ』とかLINEを送ってくれます」。ともに新天地での挑戦が始まったばかり。「すごいなあと常に見ているので、彼の活躍を見て、日々、僕も頑張れています」。165キロの剛腕に負けじと、腕を振る覚悟だ。オリックスでも勝利の方程式を担っていた右腕。沢村が病気で離脱するなど、6連戦が続いて苦しい夏場のリリーバー陣にとっても起爆剤となりそうだ。吉井監督も「通常よりも早く復帰しているので、かなりリハビリを頑張ったと思うので、きょう勝てて良かった」とたたえ、長所を問われると「投げっぷりですね」と即答。沢田も「まだまだいけると思います」と、リーグ優勝、日本一への新戦力に名乗りを上げた。【鎌田直秀】

◆ロッテの左腕・小島和哉投手(27)が13日の西武戦に先発する。前回6日の楽天戦では4敗目を喫したが、7回5安打2失点と、粘りの投球を見せた。5月24日の西武戦を最後に白星から遠ざかるが、状態は上がっており「前回の登板のように長いイニングをしっかり投げたい。チームの勝利に貢献できるように頑張ります」と意気込んだ。約2カ月半ぶりの6勝目を目指す。

◆西武先発、松本航投手(26)は7月9日のオリックス戦(京セラ)以来の1軍登板。二回、不運なヒットで先制点を奪われた。約1カ月ぶりの1軍復帰を前に「素直に1軍の登板機会をもらえてうれしいですし、本当に練習してきたことをマウンドで出すだけだと思っている。集中して投げていきたい」と意気込みを語った右腕。二回は2死走者なしから失点を喫した。6番・中村奨に左前打。続く安田は146キロの直球で打ち取ったが、高く舞い上がった飛球は左翼・ペイトン、遊撃・源田の間にポトリ(記録は左翼への適時二塁打)。その間に一走・中村奨が生還し、先制された。ただ後続の田村から空振り三振を奪取。動じることなく最少失点でこの回を切り抜けた。前回登板は3回8安打、今季自己ワースト7失点を喫し、2軍落ちを言い渡された。「リズムよく投げられるように意識した。そっちの方がフォームの安定性という面でいい」。走者がいない場面でもセットポジションからの投球に変更するなど投球フォームを見つめ直した。好投が続く1軍先発投手陣に対し「本当にすごいなと思っていました。すごく刺激になりました」と松本。復調し、チームを上位へ押し上げる。(加藤次郎)

◆安定感のある投球でリズムに乗った。ロッテの助っ人左腕、メルセデス投手(29)が先発し、6回3安打無失点の好投。丁寧にコースをつく持ち前の技術を示し、試合をつくった。「悪い流れになりそうな場面はいくつかあったが、要所でしっかりと打者を抑えることができた。こういった投球を今後につなげていければ」一回1死で源田に中前打を許したが、続くペイトンが放った中前に抜けそうな当たりを二塁手の中村奨が好捕し、二ゴロ併殺に。仲間の好守に救われ、勢いに乗った。二回~五回は一人の走者も許さない。四回に前日11日に本塁打を放ったペイトンを外角いっぱいの直球で見逃し三振に斬るなど、抜群のコントロールが光った。巨人から加入した今季は試合前までに先発で14試合に登板し、3勝6敗。勝ち星には恵まれていないが、防御率3・15(11日現在)と安定した投球を続けている。普段は先発を担いながら中継ぎでも2試合に登板。七回に3番手で登板した7月17日の楽天戦後に、吉井監督が「ブルペン陣は連投の子が多かったので、助けてもらった」と話すなど、献身的な姿勢でチームを支えている。0-1の七回に2番手でマウンドに上がった東條が逆転2ランを被弾し、勝ち星をつかむことはできなかったが、これで3試合連続でクオリティースタート(先発で6回以上、自責点3以下)。助っ人左腕はめげずに腕を振る。(武田千怜)

◆ロッテが逆転サヨナラ勝ち。1―2の九回1死二、三塁から佐藤都の中前打で追い付き、荻野の犠飛で試合を決めた。九回を抑えた沢田が4年ぶりの勝利。西武は七回に中村の逆転2ランでリードしたが、増田が誤算だった。

◆珍しい形でサヨナラ決着が舞い込んだ。2-2の九回1死二、三塁でロッテ・荻野が中犠飛を放ち、三走の岡が生還。ナインはヒーローにウォーターシャワーを浴びせたが、西武が三走の離塁が中堅手の捕球より早かったとしてリクエスト。リプレー検証に入った。だが、中堅・長谷川の捕球と三走の離塁の瞬間を同時に収めた映像がなく、本田球審が「リプレー映像がありませんので、判定通り得点とします」と説明。〝検証不可能〟で今季7度目のサヨナラ勝ちが決まり、歓喜の輪をつくり直した。右肘の内側側副靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)から復活を遂げた沢田圭佑投手(29)の威勢のいい投球が劇的勝利を呼び込んだ。1-2の九回に登板。「こういうところで投げるために練習してきた」と集中し、テンポよく2死を奪い、この日2ランを放っている中村と対戦。「1球投げるごとによくなっていった。絶対いけると思った」と全球直球で勝負を挑んだ。最後は153キロで空振り三振。移籍後初白星を挙げた。昨季オリックスを戦力外となり、今季ロッテと育成契約。7月に支配下選手登録されたばかりの右腕が4年ぶりの勝利をつかんだ。大阪桐蔭高では藤浪(オリオールズ)らとともに甲子園で春夏連覇を達成。米球界に挑戦中の同期の存在は刺激で「投げるとラインをくれる。彼の活躍を見て僕も頑張れている」と切磋琢磨する。「前のチームが2度優勝したときには全く投げられなかった。僕は1回も優勝を味わっていない。今年達成できたら」。首位オリックスを5・5ゲーム差で追う中、新戦力が起爆剤となる。(武田千怜)

◆西武・中村剛也内野手(39)が七回、一時逆転となる11号2ランをマーク。通算465本塁打とし、師と仰ぐプロ野球歴代12位の土井正博氏に肩を並べた。西武のコーチ時代に中村を指導した土井正博氏(サンケイスポーツ専属評論家)「一気に466号を打って、500号に近づいてもらいたい。スタメンで使ってもらえれば可能な数字だ。下半身の強さは、私が指導した中で清原和博と双璧。親からもらった故障をしない体で、猛練習できたから、ここまでこられた。三振かホームランの魅力を球界の誰よりも持っている。ただ、指導した立場からすれば、ちょっと三振が多すぎるけれど」

◆西武・中村剛也内野手(39)が七回、一時逆転となる11号2ランをマーク。通算465本塁打とし、師と仰ぐプロ野球歴代12位の土井正博氏に肩を並べた。「いろいろ指導していただいた、本当に大好きな人。よく『俺の記録を抜いてくれよ』と言われていた」カウント1-1から横手投げ右腕、東條のスライダーを一閃。〝ホームランアーチスト〟らしい高い放物線を描いた。中村が入団3年目の2004年に、土井氏が1軍打撃コーチに就任。翌05年に22本塁打を放つなど活躍の礎を築いた。計6年間、打撃指導を受け「『赤子を抱くように懐を広く(構えろ)』と口酸っぱく言われた。(現在の打撃に)すごく生きている」とうなずいた。師匠は中村と共通する右打者のプルヒッター。レジェンドの系譜を次ぐ背番号60は「(僕は)土井さんほどの引っ張りではないんですけど、今日、引っ張った本塁打が打てた。数字は並んだけど、いろいろ部分においてはまだまだ。もっと土井さんに近づけるようにやっていきたい」と力強く語った。(加藤次郎)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
59392 0.602
(-)
-
(-)
43380
(-)
319
(-)
86
(-)
31
(-)
0.256
(-)
2.990
(-)
2
(-)
ロッテ
51424 0.548
(↑0.005)
5.5
(↑0.5)
46351
(+3)
351
(+2)
68
(-)
53
(-)
0.237
(-)
3.360
(↑0.01)
3
(-)
ソフトバンク
50472 0.515
(↓0.006)
8.5
(↓0.5)
44370
(-)
355
(+9)
70
(-)
48
(-)
0.248
(-)
3.320
(↓0.05)
4
(-)
楽天
48511 0.485
(-)
11.5
(-)
43357
(-)
394
(-)
86
(-)
72
(-)
0.241
(-)
3.550
(-)
5
(-)
西武
45541 0.455
(↓0.004)
14.5
(↓0.5)
43293
(+2)
326
(+3)
67
(+1)
61
(-)
0.234
(↓0.001)
2.900
(-)
6
(-)
日本ハム
43610 0.413
(↑0.005)
19
(↑0.5)
39346
(+9)
367
(-)
78
(+3)
58
(-)
0.233
(↑0.001)
3.130
(↑0.03)