1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 8 | 0 | 0 |
日本ハム | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | X | 4 | 7 | 0 | 2 |
勝利投手:宮西 尚生(1勝1敗1S) (セーブ:田中 正義(1勝1敗9S)) 敗戦投手:大竹 耕太郎(6勝1敗0S) 本塁打 |
日本ハム戦チケット予約 | 阪神戦チケット予約 |
◆日本ハムが接戦を制した。日本ハムは2-1で迎えた3回裏、マルティネスのソロで追加点を挙げる。その後は同点を許すも、8回に加藤豪の適時打が飛び出し、再びリードを奪った。投げては、2番手・宮西が今季初勝利。敗れた阪神は、打線が5回以降は無得点と振るわなかった。
◆阪神の大竹耕太郎投手(27)が初見参のエスコンフィールドで無傷の7勝目を目指す。10日の敵地日本ハム戦に先発予定。マウンドの感触を確かめた左腕は「京セラと似てる。高めで硬め。変な感じじゃないので大丈夫です」と印象を語った。「甲子園と違って、右中間と左中間の膨らみはあんまりないので、長打に警戒したい」と球場を分析。5月は3勝0敗、防御率0・33で月間MVPに輝いた左腕が、6月初勝利を目指す。
◆今季の日本ハム万波中正はデーゲーム23試合で87打数28安打、6本塁打、11打点、打率3割2分2厘。デーゲームで6本塁打は宮崎(DeNA)を抑えて両リーグ最多で28安打は中村晃(ソフトバンク)松本剛(日本ハム)と並んで同最多タイ。デーゲームでは5月7日楽天戦から10試合続けて安打を打っており最近5試合は21打数11安打、打率5割2分4厘の猛打ぶり。
◆阪神湯浅京己投手(23)が、2日連続ブルペン入りし調整を行った。試合前練習中、左翼席下に位置するブルペンで、捕手を座らせて約10分間投げ込んだ。ブルペン捕手からの返球を受け取ると、テンポ良く投球に入り腕を振り続けた。8日の楽天戦(楽天モバイルパーク)で9回に逆転サヨナラ3ランを被弾し、今季初黒星を喫した。そこから休みなく2日連続でブルペンに入るのは、異例の調整といえる。岡田監督は「今はしんどいやろ」と、守護神からの配置転換を示唆している。
◆阪神のスタメンが発表された。シェルドン・ノイジー外野手(28)が「3番左翼」で2試合ぶりにスタメン復帰。前日2安打の前川右京外野手(20)が、「6番右翼」で今季6度目のスタメン出場となる。プロ初本塁打で、停滞気味のチームに活力を与えられるか。先発は無傷の6勝を挙げている大竹耕太郎投手(27)。初のエスコンフィールドの登板で7勝目なるか。チームは今季、土曜日は8戦全勝。ハッピーサタデーなるか。
◆日本ハム江越大賀外野手(30)が2試合連続の「1番中堅」でスタメン入りした。試合前に新庄監督から「今日もいくよ」と伝えられたという。9日は古巣相手に4号ソロ本塁打を放つなど勝利に貢献し、今季初のお立ち台に立った。
◆ゆうこりんがボーク投球で空振りを誘った。試合前の始球式にタレント小倉優子が登場。ファイターズガールの人気パフォーマンス「きつねダンス」にちなんで、キツネ耳としっぽを着けてマウンドに上がった。投球では1度上げた左足を地面に付け、再度投球動作に入るボーク投球。球はころころと転がって日本ハム伏見のミットに収まった。ツイッター上では「ゆうこりんの始球式かわいかった」「ゆうこりんボークw」といった投稿が見られた。
◆試合前に、1人の女性に「勝利」の瞬間が訪れた。「ベルコプロポーズ大作戦」が行われ、関東在住の清水咲希さんが、交際中の星俊さんにプロポーズし、見事成就した。清水さんは日本ハムのロゴ入りの青色ドレスを身にまとい、マウンドに登板。マウンドの脇に立つ星さんに向け、「ストライクが取れたら、プロポーズさせてください」と宣言した。打席には日本ハム上沢直之投手(29)が登場。清水さんの2バウンド投球を上沢が大きく空振りし、見事ストライクを奪うと、「俊のことが大好きです。結婚してください」とプロポーズ。星さんも「結婚してください」と答えた。抱擁を交わす2人に、スタンドからは温かい拍手が送られた。
◆「防御率0点台の男」がまさか...。阪神大竹耕太郎投手(27)が、初回に先制点を献上した。無死一塁から日本ハムの2番マルティネスに左翼への二塁打を許した。大竹の初回失点は移籍後初となった。防御率0点台をキープし、規定投球回到達にも迫る左腕が、出ばなをくじかれた。さらに2回には8番伏見に左翼へのソロ本塁打を浴びた。大竹の2イニング連続失点は今季初。1試合2失点は今季ワーストタイだ。
◆阪神中野拓夢内野手(26)が、日本ハム伊藤大海投手投手(25)との「侍ジャパン対決」で、2打席連続三振に倒れた。初回1死は見逃し三振。1点差に迫った3回2死三塁では3球で空振り三振に仕留められた。中野と伊藤は3月のWBCでチームメートとしてともに戦い、世界一奪還に貢献した。
◆日本ハム伏見寅威捕手(33)が今季1号ソロ本塁打を放った。「8番捕手」で先発出場。2回2死、阪神大竹の高めの変化球を捉えて、左翼スタンドに運んだ。伏見は「(初回に)先制点を取って、(伊藤)大海も調子がいいので、何とか援護点を、と思い切って振り抜けました」とコメントした。伏見は9日阪神戦(エスコンフィールド)でも先制2点適時打を放ち、今季初のお立ち台に上がっていた。
◆/鮮やかすぎる先制劇\マルティネスの二塁打で江越大賀が激走???プロ野球(2023/6/10)??日本ハム×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/QsjLX1cf7a
◆阪神大竹耕太郎投手(27)が「珍ホームラン」を浴びた。1点ビハインドの3回1死。日本ハム2番マルティネスに、ライトへの大きな飛球を打たれた。打球はフェンス最上部に当たりはね返り、右翼前川が処理。二塁打とみられた。直後、審判団が自らの判断でリプレー検証を開始。映像ではボールがフェンスを越え、客席の最前列に設置された柵に直撃していたことが判明した。判定は覆り、本塁打に変更。大竹は今季初3イニング連続失点、今季ワーストの1試合3失点となった。2回には伏見にソロを許していた。大竹の1試合複数被弾は、ソフトバンク時代の19年6月20日ヤクルト戦(神宮)以来、1451日ぶり。
◆日本ハムのアリエル・マルティネス捕手(27)が8号ソロ本塁打を放った。1度は二塁打とされたが、審判のリクエストによるリプレー検証で本塁打となった。1点リードの3回1死、阪神大竹の変化球を捉えた打球は右翼への大飛球に。当初は二塁打とされたが、一塁審判が「審判自らのリプレー検証を行います」とアナウンス。検証の結果、本塁打として認められた。マルティネスは生還後、ベンチで頭の上で家族への愛情を示すハートマークをつくって、チームメートからの祝福を受けた。「ピッチャーがストライク先行で来ると思っていたので、積極的に打ちに行きました。ホームランになって良かったです」とコメントした。リプレー映像では、打球がフェンス上部の青色ラインより上にある右翼席の柵に直撃していた。
◆/ベンチも大いに沸くこの一発\伏見寅威に移籍後初ホームラン??女房役も連日の活躍です?プロ野球(2023/6/10)??日本ハム×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/27ktxQCLVL
◆/これは...ホームランですねぇ\リプレイ検証の結果フェンスオーバーの判定??マルティネスのバットが止まりません?プロ野球(2023/6/10)??日本ハム×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/SG7lC7lW3o
◆今季から4回終了後に行われる「ジンギスカンダンス」で、ファイターズガールと阪神の公式チア「タイガースガールズ」がコラボした。阪神側ベンチ前の三塁側ファウルゾーンで、2つのチアガールが「成吉思汗バリン」を手にダンスを披露した。阪神のマスコット、トラッキーも参戦。成吉思汗バリンを腹に打ち付けるなど、愛嬌(あいきょう)あふれるしぐさを見せていた。
◆あと数センチ、いや、数ミリか...。阪神が日本ハムの好守に阻まれ、勝ち越し機を逃した。同点の5回2死二塁。2番中野拓夢内野手(26)が、日本ハム伊藤から一、二塁間を破る打球を放った。二塁走者木浪聖也内野手(28)は一気に本塁突入。ヘッドスライディングで飛び込んだが、惜しくも本塁タッチアウトになった。阪神ベンチはすかさずリクエストを要求も、リプレー検証の結果、判定は覆らなかった。
◆日本ハム万波中正外野手(23)が好返球で阪神の勝ち越しを阻んだ。「4番右翼」で先発出場。同点の5回2死二塁、中野の右前打を本塁へのワンバウンド送球で、二塁走者の阪神木浪を刺した。阪神岡田監督のリクエストによるリプレー検証が行われたが、アウト判定は覆らなかった。万波の送球は本塁付近でショートバウンドしたが、捕手の伏見がうまく捕球し、ヘッドスライディングで滑り込んだ木浪をタッチアウトした。
◆阪神大竹耕太郎投手(27)に強烈な打球が直撃した。5回2死、日本ハム3番加藤豪のピッチャー返しの打球が、左太もも下部付近に当たった。そのまま倒れ込むと、二塁中野が打球をカバーし、この回は無失点で終えた。すぐさま安藤投手コーチ、トレーナーが駆けつけたが、問題ない様子で歩いてベンチに帰った。大竹の背中についた土を、佐藤輝が払うシーンも見られた。大竹は6回も続投。イニング間に「きつねダンス」が場内に流れる中、ゆっくりとマウンドへ向かった。
◆阪神近本光司外野手(28)が、母校関学大の先輩・日本ハム宮西に三ゴロに封じられた。8回先頭、125キロの変化球に対し中途半端なスイングになり、三塁へのゴロに終わった。2人の対決は通算4度目。21年には近本が本塁打を放っている。
◆/若武者が迷いのないスイング\好調の前川右京が詰まりながらもヒットゾーンへ同点タイムリー???プロ野球(2023/6/10)??日本ハム×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/fQTyHHqloN
◆阪神前川右京外野手(20)が、値千金の同点打を放った。2点ビハインドの4回1死二、三塁。3ボール1ストライクから、日本ハム伊藤の147キロを捉え一、二塁間を破った。右前2点適時打で試合を振り出しに戻した。一塁ベース上では初々しく右手を突き上げた。これがプロ初適時打初打点だ。「初めての打点でしたし、チームに貢献することができてうれしいです。(連日のスタメンで)チャンスをもらっているので、次も打てるように頑張ります!」とコメントした。高卒2年目の前川は、5月末に1軍初昇格。6日楽天戦でプロ11打席目での初安打となる右前打を放つと、翌7日の同戦はプロ初のマルチ安打を記録。前日9日の日本ハム戦でもプロ初長打となる二塁打を含む2安打を放っていた。5番佐藤輝が凡退後、先輩のお株を奪う頼もしい活躍。20歳の存在感は日に日に増している。
◆阪神大竹耕太郎投手(27)が、勝負どころで踏ん張りきれず、8回途中で降板した。同点の8回無死一、二塁。日本ハム加藤豪に中前適時打を浴び、勝ち越しを許した。ここで降板。111球の熱投に阪神ファンからは拍手が注がれた。痛みに耐えながらの投球だった。5回2死、加藤豪のピッチャー返しの打球が、左太もも下部付近に当たった。そのまま倒れ込むと、二塁中野が打球をカバーし、この回は無失点で終え、その後も気力を振り絞って投げ続けた。初回に先制点を献上。2回、3回と本塁打を浴びた。主導権は握られたが、4回に味方が2点を奪って同点に追いついてからはゼロを並べていた。勝負の8回だったが、最後の最後で力尽きた。これで規定投球回に再び到達。防御率1・24でセ・リーグトップに立った。
◆/すごい集中力??\ノーアウト1,2塁を託した新庄監督それにバットで応えた加藤豪将のガッツポーズ???プロ野球(2023/6/10)??日本ハム×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 pic.twitter.com/jt9m5U7C7k
◆猛虎の不敗神話が一気に崩壊した。12球団で唯一3連敗のなかった阪神が、ついに3連敗を喫した。2点を追う4回に前川右京外野手(20)がプロ初打点となる2点タイムリーを放ち3-3。だが、同点の8回無死一、二塁。続投の先発大竹耕太郎投手(27)が加藤豪に勝ち越し打を献上して力尽きた。現役ドラフトで加入後、無傷の6勝をマークしていた大竹はタテジマ初黒星。今季8戦全勝だった土曜日の不敗神話も止まった。デーゲームも9連勝でストップ。岡田監督は90~93年の4年間、阪神の先輩、後輩でプレーした新庄監督に2連敗。昨年は矢野前監督が新庄監督との阪神OB対決(甲子園)で3連勝を飾ったが、悔しいカード負け越しとなった。
◆日本ハムの本拠地・エスコンフィールドの観衆が3万2558人となり、今季最多を更新した。猛虎襲来で開幕カード以来の3万人超えを記録した。新球場は今年3月に開業。9日までの同球場最多観衆今季開幕戦の3月30日楽天戦で記録した3万1092人が最多だった。
◆阪神が今季初の3連敗を喫し、ロッテと同率の交流戦最下位に転落した。開幕6連勝だった先発大竹耕太郎投手(27)は、8回途中で今季ワースト4失点で今季初黒星。土曜日も今季9試合目で初めて敗れ、デーゲームの連勝も「9」でストップ。9連戦の勝ち越しで終えることはできなかった。パ・リーグでBクラスの西武、楽天、日本ハムにカード負け越しとなった。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-大竹は試合をつくったことは評価できるか、試合序盤の失点は「今日は悪かったなあ。マウンド合わんかったんかなあ。高めばっかりいっとったよなあ」-その後は調子を上げていった「だからあっこまで投げたんやんか。それだけや」-連戦が続くなか、継投のタイミングに違いは「継投のタイミングて、そらお前、万全で湯浅までいけるんやったらいくけど、そういうことやろ? 勝負つけるな、とこまでいかんとしゃあないやんか。後ろ3枚びしっといけるんやったら、そら。まだそこまで確立されへんやんか」-打つ方は前川が活躍した。「まあなあ、勝ち越してたらなあ替えられたけどなあ。同点じゃやっぱりなあ。加藤(豪)まで、3番までと言っとったけどな。4番からな、あの右が嫌やったからな、そこからは加治屋を行くつもりやったけど、あの1球はちょっと甘かったなあ。最後の1球な」-DHの戦いは打線は流れに乗りにくいか「いや、そんなことないやろ。あんまり振れてないということやろ」
◆日本ハム江越大賀外野手(30)が同点の8回に左翼への二塁打を放ち、加藤豪の適時打で決勝点の本塁を踏んだ。「絶対に勝ちたかったので、何とか出塁したかった」。球場内の「フラッグシップストア」では江越の「選手直筆応援タオル」が9日だけで、通常時の倍以上の104枚売れた。阪神ファンが多く買い求めたといい、人気は健在だ。「(阪神ファンの応援は)ピンチで聞いてもピンチな感じはしなかった」と、古巣ファンの声援も力に変えるつもりだ。
◆試合を決めたのは、最強のルーキーだった。日本ハム加藤豪将内野手(28)の"安打カウンター"が、再び動き始めた。3回に3試合ぶりの安打で出塁すると、同点の8回無死一、二塁から、値千金の勝ち越し適時打を中前へ運んだ。「バントのシチュエーションだったけど、監督が『打て』と。相手に見せるかのように、堂々と(グリップを握るような動作で)合図を出していた」と苦笑い。「その前まで、ちょっと不安があったんですけど、全部なくなって、そこからは『打てないわけがない』と思った」。新庄監督のパフォーマンスに乗せられて生まれた決勝タイムリーだった。8日広島戦で初出場からの連続安打は10試合で止まったが、気に留めていなかった。「自分のスイングが良ければ、ヒットが出なくても満足感は100%」。米球界で約10年のマイナー生活。やっとの思いでメジャーへ昇格しても、チーム状況によって再びマイナーへ逆戻り。どんな状況にも納得して前を向く強い精神力は、米国時代に培った。さらに米国育ち故に、虎党のヤジも耳に届かない。「(関西弁は)分かるけど、聞き取れない。松井さんがNYでブーイングされた時にうれしかったと言っていたが、それと同じです」。大歓声を、全て自分への応援と捉えることだって出来る。お立ち台では「We did it!(やったぜ)」と、チームの思いを代弁した。新庄監督は「本当にいいチームになってきたなあ」と、感慨深げ。セ首位の阪神に2連勝し、交流戦首位へ再浮上だ。【中島宙恵】
◆20歳には思えない。そんな頼もしさすら漂いつつある。今季初3連敗の中、阪神前川右京外野手(20)がプロ初の適時打をかっ飛ばした。2点ビハインドの4回1死二、三塁。日本ハム伊藤の147キロをフルスイングでしばき、一、二塁間を破った。「初めての打点だったし、あの場面でなんとか打点を取ることができたので、よかったかなと思います」右前2点適時打でプロ初打点。一時同点の一打に一塁ベース上で初々しく右手を突き上げ、左手で一塁コーチャーの筒井外野守備走塁コーチとハイタッチした。直前に5番佐藤輝が空振り三振に倒れて回ってきた打席。先輩をカバーするかのように結果を残した。もともと「追い込まれるまでは反応で打つタイプ」。邪念は必要ない。結果を気にせず、積極的に振っていくべき立場だ。仕掛けたのは3ボール1ストライク。侍ジャパンでWBC世界一に貢献した右腕の内角球を迷いなく振った。「今までなかなかチャンスで何もできていなかったので、なんとかできてよかった」とうなずく。「野球人生で経験がなかった」という1試合3三振を喫した5月31日西武戦(ベルーナドーム)から10日。打席で余裕が生まれている。これで4試合連続安打。決して満足はしない。できるはずがない。試合後はチームの敗戦を受け止め、うつむきながらバスへ。「また明日頑張ります」。最後はそう振り絞って、前を向いた。【中野椋】
◆日本ハム・アリエル・マルティネス捕手が8号ソロ本塁打を含む2安打2打点を挙げた。本塁打は当初二塁打とされたが、リクエストによるリプレー検証で本塁打と認められた。「ホームランになってほっとした」と心境を振り返った。キャリアハイの8本塁打に並んだ。「順調だと思う。プロセスを踏んできている証拠だと思うので。これからも精進したい」と、次は2桁を見据えてアーチを量産するつもりだ。
◆猛虎の不敗神話が一気に崩壊した。阪神が今季初の3連敗を喫し、交流戦でロッテと並び最下位に転落した。今季無傷の6連勝中だった先発の大竹耕太郎投手(27)が同点の8回無死一、二塁から日本ハム加藤豪に決勝の中前適時打を浴び今季初黒星。岡田彰布監督(65)は不安定なブルペン陣を考慮し、大竹続投を決断したが、裏目に出た。不敗だった土曜日の連勝は8、デーゲームの連勝も9で止まった。データを見れば、負けるはずのない一戦を落とした。勝敗を分けたのは、8回だ。7回3失点の先発大竹をマウンドに送り、日本ハム加藤豪に決勝タイムリーを浴びた。今季57試合目で初の3連敗。今季無敗だった土曜日の連勝は「8」、デーゲームも9連勝でストップ。不敗神話が相次いで終わりを迎えた。岡田監督は大竹続投の理由を説明した。「万全で湯浅までいけるんやったらいくけど、そういうことやろ。後ろ3枚ビシッといけるんやったら、そら。まだそこまで確立されへんやんか」守護神湯浅は8日の楽天戦でサヨナラ本塁打を浴びるなど調子が上がらず、この日は2日続けてブルペンで投球練習を行い、修正に励んだ。勝利の方程式は盤石ではない。「(大竹が)勝負つけるというとこまでいかんとしゃあないやんか。勝ち越していたら代えられたけどな。同点じゃやっぱりな」。8回も左打者の3番加藤豪まで登板させるプランだったが、結果は裏目に出た。9連戦でチームに疲労蓄積が見られるなか、ブルペン陣の不安定な状態が試合の行方を左右した。開幕から6連勝で快投を続けてきた大竹は序盤から本調子を欠いた。初回に先頭江越に四球、2番マルティネスに左翼へ適時二塁打で1点先制されると、2回には伏見、3回にはマルティネスにソロを浴び3回までに3失点。指揮官は「今日は悪かったなあ。マウンド合わんかったかなあ。高めばかりいっとったよなあ」と嘆くように、高めに浮いたチェンジアップを狙われた。5回には加藤豪の打球が左足に直撃するアクシデントもあった。それでも粘ったが、8回に力尽きた。交流戦は借金2で、ロッテと並び最下位に転落した。指名打者制のあるパ・リーグ本拠地3カードすべてで負け越し。指名打者制の影響を問われると「そんなことないやろ。あんまり振れてないということやろ」と打線の奮起を求めた。DeNAも敗れセ・リーグでの4・5差は変わらず。慌てる状況ではないが、新庄ハムに同一カード3連勝を許すわけにはいかない。【石橋隆雄】阪神が今季57試合目にして初の3連敗。2リーグ分立後では03年98試合目、08年62試合目に次ぎ3番目の遅さ。○...加治屋が開幕からの連続無失点試合を22に伸ばした。1点を勝ち越された直後の8回無死一、二塁から登板。「狙い通りで、自分の持ち味を出せた」と、万波をフォークで二ゴロ併殺に打ち取った。2死三塁から松本剛をフォークで三ゴロに料理し、追加点を許さなかった。今季はピンチの場面からの登板する機会が多いが、「そういうところを任せられるのは意気に感じながら投げていますし、期待に応えられるようなピッチングをやっていきたい」と意気込んだ。▽阪神大竹(今季ワースト4失点で今季初黒星)「気を落とさずに、やるべきことをやります」
◆阪神木浪聖也内野手が猛打賞で気を吐いた。まず2点を追う3回無死一塁で、先発伊藤から中前に運んで好機を広げ、反撃の1点を呼び込んだ。3-3で同点の5回は先頭で「飛んでくれたところがよかった」と三遊間へ内野安打を放った。その後、中野の右前打で二塁からヘッドスライディングで本塁突入。勝ち越しの生還かと思われたが、岡田監督のリクエストも及ばず、惜しくもタッチアウトになった。それでも7回、投手伊藤を強襲する内野安打で3打数3安打。敗戦の中で意地を見せた。「センター方向中心に打とうと思っていたので、内野安打もよかった」。コメントに復調への手応えをにじませた。好調だった打撃は打率3割を切るなど下降線で、7、8日の敵地楽天戦はついにスタメンも外れた。懸命の修正で打開をはかり、5月5日の広島戦以来、約1カ月ぶり6度目の猛打賞につなげた。「明日は勝利に貢献できるように頑張ります」。表情を引き締め、完全復調を期した。
◆日本ハム宮西尚生投手が21年4月10日オリックス戦(京セラドーム大阪)以来、791日ぶりの勝利を挙げた。同点で迎えた8回のマウンドに上がり、3者凡退に打ち取って、勝ち越しの流れをつくった。プロ通算37勝目をマークしたが「勝ちは(伊藤)大海に付いてほしかった」と、後輩を気遣った。「先発に勝ちが付いて、リリーフにホールドが付いて、クローザーにセーブが付くのが気持ちがいいと思うので」と、役割に徹していくつもりだ。
◆試合後の球場で、日本ハムと阪神のマスコットや公式チアがゲームで対決するイベントが開かれた。ファイターズガールとタイガースガールズは、ダイヤモンドを使ったリレーを繰り広げた。日本ハムのフレップとポリー、阪神のトラッキーは、体に付けた紙風船を割り合う、チャンバラ対決を展開。試合の熱気が残る球場でチアやマスコットによるほほえましい対決を見せ、スタンドに残ったファンを楽しませていた。
◆2日連チャンの"トライ祭"で、チームを救った。日本ハム伏見寅威捕手(33)が攻守で気を吐き、2連勝に貢献した。1点リードの2回2死、阪神の好投手大竹から移籍1号となる左越えソロを放つと、守備でも同点の5回、本塁クロスプレーの際、俊敏なタッチで失点を防ぎ投手陣を援護。決勝打&完封リレーを演出した前日9日に続き、プロ入り後初めて2日連続でお立ち台に上がった。伏見が1発&好タッチ&好リードで、大きな1勝を呼び込んだ。故郷北海道で移籍1号を放ち、連日のお立ち台。「お待たせしました!普段打つことがないので、全力疾走しました」と喜んだ。登板前まで6勝0敗だった阪神大竹の失投を、逃さなかった。2回2死、2ボール2ストライクから高めのチェンジアップに反応。「2ストライク後で、そんなに強いスイングをできない。投げ損じだと思うけど、そこを打ち損じることなく打てたのは良かった。決め球を打てて、結果的に追加点が取れて、かなりでかかった」と振り返った。苦しんでいた打撃に光が差している。3打数無安打に終わった5月10日ソフトバンク戦後、打率が1割ジャストまで落ち込んだが、八木コーチと意見交換しながら「あんまり数字を気にしないように。今は強いスイングを心がけている」。一度に多くの課題に向き合うのではなく「強く振る」の1点に絞って打席に臨む姿勢が、ここ2戦3安打3打点の好結果につながった。名前の寅威と阪神とは「全く関係ない」と話すが、連日のトラ退治に貢献。同点の5回1死二塁、中野の右前打で二塁走者が突っ込んでくると、万波の返球をキャッチ後、素早く反転し木浪の指先にタッチした。勝ち越し"トライ"を防ぎ「今日のベストプレー。万波もいい球を投げてくれたのでしっかり捕ってタッチまでいけた。大きなプレーだった」と勝因に挙げた。リードもさえた。先発伊藤が3点を失うも「交流戦は対策の取り過ぎは良くない。表のリード。大海らしくいこうと。阪神も打線が状態がいいので点は入りますけど、要所で抑えてくれた」。9回1点リードで登板した田中正には「ウチのクローザー。信頼してサイン出してます」と大山、佐藤輝ら中軸を3者凡退に封じた。打撃同様、鋭さを増す道産子指令塔の読みが、16年ぶり交流戦制覇への鍵を握る。【永野高輔】▽日本ハム万波(5回に本塁への好返球で失点防ぐ)「ぎりぎりにはなってしまいましたが、思ったところに球が行けばアウトになると思っていました」▽日本ハム建山コーチ(先発伊藤について)「カーブ少なめで緩急を使わなかった分、中盤に失点はしましたけど6、7回はよく立て直していた」▽日本ハム伊藤(自主トレで弟子入りし、WBCも共に戦った師匠ダルビッシュのメジャー通算100勝に)「すごいこと。これからどんな進化を見せてくれるのか。一生追い続けたい背中だと思います」▽日本ハム田中正(前夜は新庄監督にマウンドで「表情硬い」と言われ)「表情をしっかり柔らかくしてマウンドに上がった。1点差だったので先頭取れたのが大きかった」
◆阪神湯浅京己投手が2日連続で試合前にブルペン入りした。捕手を座らせて約10分間の投球練習。登板のなかった試合後には「全てにおいてバランスが崩れているので、投げながら、そこを取り戻せるように」と意図を説明した。8日の楽天戦(楽天モバイルパーク)で9回に逆転サヨナラ3ランを被弾喫し今季初黒星。そこから休みなく2日連続でブルペンに入り、復調のため腕を振った。
◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神は開幕7連勝を目指す大竹耕太郎投手(27)が先発する。前回のロッテ戦(3日、甲子園)は七回途中2失点の力投も白星はならず。チームのエスコン初勝利に向けて左腕を振る。野手ではシェルドン・ノイジー外野手(28)が「3番・左翼」で、ヨハン・ミエセス外野手(27)が「7番・DH」でスタメン入りした。
◆「2番・DH」で日本ハムのアリエル・マルティネス捕手(27)が先発出場。0-0の一回に2試合連続タイムリーとなる先制の適時二塁打を放った。「シンプルに来た球を打つと決めて打席に入りました」無死一塁で右打席に立った。カウント1-2から一走・江越がスタート。マルティネスは相手先発左腕、大竹の137キロの直球を振り抜いた。左翼線へ運び「エゴシが走りたそうな雰囲気だったので、それを助ける打撃ができてよかったです」と振り返った。
◆「8番・捕手」で先発出場の日本ハム・伏見寅威捕手(33)が1-0の二回、オリックスから移籍後初本塁打となる1号ソロ。ベンチに戻り、出迎えたナインとチームに浸透中のカメラで写真を撮るしぐさ〝ピクチャーポーズ〟を決めた。「先制点を取って(先発の伊藤)大海も調子がいいので『何とか援護点を』と思い切って振り抜けました」二回の第1打席。カウント2-2から相手先発左腕、大竹の高めに浮いた118キロのチェンジアップを一閃。左翼席最前列へ運んだ。
◆阪神・大竹耕太郎投手(27)が1―2の三回、日本ハム・マルティネスに本塁打を浴びた。1死から大竹の初球を捉えたマルティネスの当たりは、右翼フェンス付近に当たってはね返り、当初は二塁打の判定。しかし、審判団によるリプレー検証が行われた。検証の結果、打球はフェンスの奥に設置されている座席最前列の手すりに当たってグラウンドに戻ってきたことが確認。本塁打が認められ、大竹は3点目を失った。
◆「2番・DH」で先発出場の日本ハム、アリエル・マルティネス捕手(27)が2-1の三回に8号ソロを放った。二塁打と思われたがリプレイ検証で判定が覆り、本塁打が認められた。「ストライク先行で来ると思っていたので積極的に打ちに行きました」第1打席で幸先よく先制の左翼線二塁打を放ち、迎えた三回の第2打席。「ストレートかなと思っているところに変化球が来たけど、うまく対応することができました」と相手先発左腕、大竹の初球、121キロのスライダーを振り抜いた。飛球が右中間席最前列の鉄柵に跳ね返り、一度はフェンス直撃の二塁打と判定。ただ審判団自らのリプレイ検証で本塁打の判定に変わった。今季中日から加入した助っ人は笑顔でダイヤモンドを一周。「ホームランになってよかったです」と胸をなで下ろした。
◆タレント、小倉優子(39)が背番号「1」で背中に「YUKORIN」の文字が入ったユニホームに、青いスカートとニーソックスで登場し、始球式を行った。小倉は、日本ハム球団公式チアリーダー「ファイターズガール」がパフォーマンスで身に着けるキツネの耳としっぽを着用。球場がどよめくなか、セットポジションから〝2段モーション〟で「やっ!」との雄たけびとともに投球。山なりに投じられた球は、途中でゴロになりながらも捕手を務めた伏見寅威(33)のミットに収まった。SNSのツイッター上で「あ、ボーク」「おい今の小倉優子ボークやろ」と野球玄人の意見をつぶやくファンらのほか、「滅茶滅茶可愛くて正直見惚れた」「小倉優子さん可愛い過ぎんだろ」「かわいい~!!!!!」と20年に第3子を出産した母とは思えない可愛らしい容姿を称賛する声も多く上がっている。
◆阪神は終盤に勝ち越され、今季初の3連敗を喫した。 先発の大竹耕太郎投手(27)は八回途中4失点。三回までにソロ本塁打2本などで3点を失ったが、以降は立ち直って七回まで無失点。移籍後初となる八回のマウンドに上がったが、先頭の江越に三塁線を破る二塁打を許し、続くマルティネスに四球を与えて無死一、二塁。ここで加藤に中前適時打を打たれ、勝ち越されたところでマウンドを降りた。自身開幕7連勝の懸かるマウンドだったが、今季初黒星を喫した。 打線は0―2の三回1死二、三塁で、近本の二ゴロの間に1点を返すと、1―3の四回1死二、三塁で前川右京外野手(20)がプロ初打点となる同点の2点右前適時打。試合を振り出しに戻したが、その後勝ち越しには至らなかった。
◆日本ハムは伏見、マルティネスのソロなどで序盤にリード。四回に追いつかれたが、八回に加藤豪が決勝打を放った。2番手の宮西が今季初勝利。阪神は今季初の3連敗。先発の大竹が粘り切れず、打線は六回以降1安打に終わった。
◆阪神が開幕57試合目にして初の3連敗を喫した。八回無死一、二塁で大竹耕太郎投手(27)が加藤豪将内野手(28)に浴びた中前打が決勝点となった。大竹は今季初黒星(6勝)。常に追いかける試合展開で、1ー3の四回無死二、三塁から前川右京外野手(20)がプロ初打点を2点打で飾ったが、同点止まり。4打数無安打2三振の佐藤輝明内野手(24)は14打席ノーヒット。チームは今季初の2カード連続負け越しで交流戦は4勝6敗1分。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=35勝20敗2分、観衆=3万2558人)。ーー大竹は試合を作ったが、序盤の失点は「今日は悪かったなあ。マウンド合わんかったんかなあ。高めばっかり行っとったよなあ」ーーその後は調子を上げた「だから、あっこまで投げたんやんか。それだけや」ーー連戦で継投のタイミングに違いは「継投のタイミングて、そらお前、万全で湯浅まで行けるんやったら行くけど、そういうことやろ? 勝負つける所まで行かんとしゃあないやんか。後ろ3枚、ビシッと行けるんやったら、そら。まだそこまで確立されへんやんか」ーー前川が活躍した「勝ち越してたら、代えられたけどなあ。同点じゃやっぱりなあ。加藤まで、3番までと言っとったけどな。4番からは加治屋を行くつもりやったけど、あの一球はちょっと甘かったなあ。最後の一球な」ーーDHの戦いは流れに乗り辛いか「いや、そんなことないやろ。あんまり振れてないということやろ」ーーここまで3連敗がなかったことがすごい「調べてないん? 調べてないんやろ」
◆今季初の3連敗となったが、心配なのは1番・近本と2番・中野だ。6月に入って近本が調子を落としているのは気がかりだし、中野は1安打したが、3三振の内容が悪かった。今季の中野はしっかりとボール球を見極め、昨季より大幅に四球が増えているが、この日は大振りが目立った。近本の分まで自分が打たないといけないという気持ちがあるのかもしれないが、振り回したときには調子が落ちる。もう一度、自分のスタイルを見つめ直してほしい。この2人でどれだけ多くチャンスを作れるか。連敗ストップはもちろん、再加速に向けて、やはり1、2番がキーマンになってくる。先発の大竹は一回にいきなり江越に四球を与え、続くマルティネスの適時二塁打であっさり先制された。立ち上がりが安定している投手なので、いつものパターンと違い、序盤はリズムに乗れなかった。これまで一度も負けていなかったことや、チームが連敗していることで、プレッシャーがかかっていただろうし、疲れが出始める時期というのも影響があったと思う。ただ、本塁打は2本ともソロで、失点も1点ずつだったので、うまく気持ちが切り替えられ、四回以降の好投につながった。大竹は尻上がりによくなっていたし、連戦で中継ぎを少しでも休ませたいため、八回の続投は当然といえる。無死一、二塁にされた時点で、首脳陣も左打者の加藤豪までと考えていただろうが、そこで打たれてしまったのは仕方がない。大竹には初黒星を前向きにとらえ、気持ちを整理して次回登板を迎えてもらいたい。(本紙専属評論家)
◆鋭いライナーを中前に運ばれると、膝に手をつき、悔しがった。移籍後初めて向かった八回のマウンドで決勝点を献上。阪神・大竹耕太郎投手(27)がついに今季初黒星を喫した。粘りたかったか、という報道陣の問いかけにも「...」と言葉が出てこなかった。二、三回にソロを被弾するなど三回まで1点ずつを失ったが、五回からは3イニング連続で三者凡退に封じるなど立ち直った。だからこそ、託された八回に待っていた結末が歯がゆい。二塁打と四球で招いた無死一、二塁でD3位・加藤豪(メッツ3A)に速球を中堅へはじき返され7回0/3で今季ワーストの4失点。自身の開幕6連勝が止まった。岡田監督は「(新球場の)マウンド合わんかったんかなあ。高めばっかりいっとったよなあ」と首をかしげた。大竹は最後には前を向き「気を落とさずに、やるべきことをやるだけ」と言い残して引き揚げた。ローテーション通りなら次週は古巣ソフトバンクと激突する。苦い経験をしっかりと消化し〝恩返し〟の力に変える。(須藤佳裕)
◆華々しくプロ生活を飾る一打が、一、二塁間を抜けていく。阪神・前川右京外野手(20)が充実の表情とともに、一塁ベース上で右手を突き挙げた。記念のプロ初打点を挙げた虎の希望は、敗戦の悔しさをにじませながら振り返った。「今までなかなかチャンスで何もできていなかったので、よかったなと思います」1―3の四回。ノイジー、大山の連打などで1死二、三塁の好機が巡った。伊藤の5球目、甘く入ったストレートを体に巻きつくようなフルスイングで引っ張る。打球は一、二塁間を破り、走者2人が生還する同点の右前適時打。攻めあぐねていたWBC日本代表メンバーの伊藤から貴重な一打を放った。前日9日にもマルチ安打を放ち、零封負けに終わった打線の中で存在感を放った若武者が、この日も劣勢を打開する一打。22打席目で初の打点を記録した。故障で1軍キャンプを目前で逃した今年2月。2軍キャンプ地の具志川で、誰より遅くまで残って練習した。バットを振り込み、真っ赤に腫れた両手が震える。それでも「やるべきことをちゃんと終えないと。まだまだです」と言い残し、最後にバスに乗り込んだ。積み重ねた努力は、出場4試合連続安打の結果に表れた。チームは今季初の3連敗。自身は九回2死で一ゴロに倒れ、最後の打者になった。5月30日にプロ入り後初の1軍昇格を果たし、12日間で初出場と初安打に加え、初打点も記録。もう〝お客さん〟ではなく、勝敗を懸けて戦う1軍の戦力だというプライドも短い言葉に込め、逆襲を誓った。「あした、また頑張ります」固い表情のまま、球場を後にした。前川がかみしめた悔しさは必ず、未来の虎の白星につながる。(邨田直人)
◆阪神・木浪聖也内野手(28)が2本の内野安打で猛打賞を記録した。三回に中前打を放つと、五回は二遊間のヒットゾーンに転がし、遊撃への内野安打。七回は投手を強襲して3本目の安打とした。「基本センター中心に打とうと思って、それができた。内野安打も良かったかな」。5月5日の広島戦(マツダ)以来となる今季6度目の3安打も、勝利にはつながらず。「あしたは勝利に貢献できる一打を打ちます」と誓った。
◆阪神・加治屋蓮投手(31)が華麗な火消しで日本ハム打線の流れを断った。八回、先発の大竹が勝ち越し打を浴び、なおも無死一、二塁で登板。4番の万波を二ゴロ併殺に、続く松本剛も三ゴロに打ち取った。「(併殺は)狙い通りというか、自分の持ち味を出せた」。これで開幕から22試合連続無失点。今季はイニングの途中で起用されることも多く、「期待に応えられるようにやっていきたい」と力を込めた。
◆日本ハム・宮西尚生投手(38)が2021年4月10日のオリックス戦(京セラ)以来、2年ぶりに白星を挙げた。2番手として同点の八回から登板し、1回を三者凡退。母校・関学大の後輩、近本を三ゴロ、中野とノイジーから空振り三振を奪った。直後に味方が勝ち越した。「先発の(伊藤)大海が頑張っていたので大海に(白星が)付いてほしかった」。全試合救援登板ながらこれで通算37勝。同831試合登板の鉄腕左腕「死ぬほど投げているからね」と笑った。
◆日本ハムのドラフト3位・加藤豪将内野手(28)=メッツ3A=が3-3の八回、決勝の中前適時打。米国生まれ米国育ちの背番号3がお立ち台に上がり、英語で声を弾ませた。「We did it!(やりました!)」八回無死一、二塁、犠打も考えられる場面だったが、ベンチの指示は強行策。「(新庄)監督が打て、という合図を堂々としていた。不安がなくなって打てないわけがないと思いました」と2-2から大竹のツーシームを振り抜いた。珍しく一塁上で雄たけびをあげ「やっぱりあそこは出ちゃいました」と声を張った。マイナー生活が長かった米国での経験を生かした。8日の広島戦(エスコン)でNPB初出場からの連続試合安打が10で止まり、そこから2試合連続無安打。それでも「マイナーでずっと良い結果が出て、メジャーに行けなくても、オッケーと思っていた。自分がコントロールできることをコントロールする」と一喜一憂せず、内容を重視。この日は4打数2安打も「全部いい当たりだったので、自分の中では4打数4安打だと思っています」とうなずいた。多くのファンが詰めかけた阪神戦。「ちょいちょい、やじもあるけど、日本語がわからない」と苦笑い。ヤンキースでプレー経験のある加藤豪は「松井(秀喜)さんがニューヨークでブーイングされたときに、うれしかったと言っていましたが、それと同じですね」と充実感をにじませた。チームは再び交流戦首位に浮上。殊勲の逆輸入ルーキーは「僕は勝つことしか考えていない。交流戦はまだまだ試合があるので明日も含めてもっと勝っていきたい」と力を込めた。(加藤次郎)
◆阪神は、日本ハムに3-4で敗れ、今季初の3連敗を喫した。6勝無敗だった大竹耕太郎投手(27)に土がつき、8勝0敗だった土曜も初黒星。現時点のパ・リーグ下位3球団にそろって負け越す、まさかのつまずきだ。岡田彰布監督(65)が戦前「(勝率)5割はあかん」と貯金を見込んだ交流戦は、4勝6敗1分けで最下位タイに。北の大地で踏ん張りどころを迎えた。多くの虎党が詰めかけたエスコンフィールドで、開場以来最多となる3万2558人が見つめる中、虎が今季57試合目にして初の3連敗だ。岡田監督は、もうひと押しができなかった試合展開に苦虫を噛みつぶした。「勝ち越してたら(大竹を)代えられたけど。同点じゃやっぱりなあ。加藤(豪)まで、3番までと言っとったけどな」歴戦の智将も、まだ動けない場面だった。3-3の八回無死一、二塁で大竹が加藤豪に勝ち越し打を浴び、競り負けた。「4番から、あの右(万波、松本剛、野村の並び)が嫌やったからな。そこからは加治屋を行くつもりやったけど」。左打者の加藤豪さえ乗り切ってくれればとみていたが、左腕はカウント2-2から痛打された。勝ち越し機はあった。3-3の五回2死二塁。中野の右前打に二走・木浪が激走し頭からホームへ突っ込んだが右翼・万波の好返球に刺された。リクエストしリプレー検証が行われたが、判定はアウトのままだった。新庄ハムに連敗し、逆転サヨナラ被弾で幕を閉じた楽天3連戦(楽天モバイルパーク)に続き、今季初の2カード連続負け越しとなった。交流戦開幕カードで負け越した西武戦も含め現状のパ・リーグBクラスに、またもいいようにやられた。
◆新たな発見に青年の目は輝いていた。こんなスポーツの世界もあるんだ-。今年4月に入社したばかりの英語ペラペラの国際派新人記者・鈴木和希だ。鈴木は兵庫・六甲国際GCで開催されている女子ゴルフ「宮里藍サントリーレディス」を取材している。大学時代に東京五輪で国際中継のカメラアシスタントを務め、入社後はすでに野球、サッカー、陸上などの取材を経験しているが、ゴルフは生で見るのが初めて。ほかのスポーツにはない、独特の雰囲気を感じていた。「野球やサッカーだと、ファンやサポーターの観客が常に大声で応援していてにぎやかですが、ゴルフってこんなに静かなんですね。びっくりしました」ゴルフだって、スーパーショットが出たり、ロングパットが入ったときなど、素晴らしいプレーに対して歓声や拍手は起こる。だけど、打つ前にはスタッフが「お静かに」と書かれたボードを掲げ、キャディーが「プレー入ります」とギャラリーに呼びかけ、周りは静寂に包まれる。時々、ギャラリーの携帯電話が鳴って、気まずい空気が流れることもあるけれど。一打で順位や賞金が大きく変わるだけに、こちらにも緊張感が伝わってくる。
◆阪神タイガースは、お人よし過ぎるわ!! 江越に、お引っ越し祝い、やり過ぎやろー!! 名前が大賀(タイガ)で昨年まで8年も縦ジマに袖を通してくれたけど、前日の活躍に続き本日も決勝点の口火を切る二塁打を贈るかア~!エゴシー、これだけ猛虎仲間が祝ってんだから、第3戦は満塁一掃センターフライ落球くらいのお祝い返し、頼むでェ!!(ウソウソ、あくまでグラウンドでは真剣勝負ね)ハーア(ため息)。5月19勝の反動がついに来たかあ? 岡田阪神、今季初の3連敗...。いずれどこかでつまずくのは覚悟していたけど...。さあ、どーする? どーする? 岡田はん!?トンネル潜伏中の佐藤輝、ノイジーに代えて若虎・前川を! そして渡辺諒を起用して、日本ハム版江越を狙うのか!? 気分転換で糸原をサードに入れて、佐藤輝のDHという手は? えっ、俺の意見...。そんなもん決まっとるやろー!! メンバーは変えたらいかん!! たかが3連敗でオロオロして、どないすんねん!! てか、7連勝、9連勝したメンバーを信じたらんかい!!(アレ、何か大OBの川藤さんに俺なってないか?)
◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神は14打席安打なしの佐藤輝明内野手(24)が4月14日のDeNA戦(横浜)以来のベンチスタートとなった。先発は、登板3連勝中の才木浩人投手(24)。前回のロッテ戦(4日、甲子園)は佐々木朗と投げ合い、9回3安打、12奪三振の力投で自身2度目の完封勝利を飾った。3連敗中のチームを勝利に導くべく、マウンドで右腕を振る。
<交流戦順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ソフトバンク |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↓0.055) | - (-) |
7 | 51 (+6) | 43 (+10) | 10 (+2) | 5 (-) |
0.265 (↑0.005) | 3.670 (↓0.54) |
1 (-) |
DeNA |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↓0.055) | 0 (-) |
7 | 44 (+3) | 40 (+7) | 3 (-) | 2 (-) |
0.255 (↓0.002) | 3.100 (↓0.33) |
1 (3↑) |
ORIX |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↑0.045) | 0 (↓1) |
7 | 36 (+7) | 32 (+3) | 5 (+2) | 5 (-) |
0.234 (↑0.013) | 2.390 (↓0.06) |
1 (3↑) |
日本ハム |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↑0.045) | 0 (↓1) |
7 | 39 (+4) | 30 (+3) | 14 (+2) | 3 (-) |
0.250 (↓0.001) | 2.360 (↓0.06) |
1 (3↑) |
巨人 |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↑0.045) | 0 (↓1) |
7 | 47 (+10) | 41 (+6) | 16 (+3) | 4 (+1) |
0.269 (↑0.006) | 3.770 (↓0.23) |
1 (-) |
広島 |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↓0.055) | 0 (-) |
7 | 30 (+4) | 35 (+5) | 5 (+1) | 7 (+1) |
0.210 (↑0.006) | 3.180 (↓0.21) |
7 (2↑) |
ヤクルト |
5 | 5 | 0 | 0.500 (↑0.056) | 0.5 (↓1) |
8 | 37 (+2) | 28 (-) | 6 (-) | 2 (-) |
0.248 (↓0.003) | 2.860 (↑0.34) |
7 (2↑) |
楽天 |
5 | 5 | 0 | 0.500 (↑0.056) | 0.5 (↓1) |
8 | 34 (+1) | 49 (-) | 6 (-) | 6 (+1) |
0.267 (↑0.003) | 4.190 (↑0.48) |
9 (5↓) |
西武 |
5 | 6 | 0 | 0.455 (↓0.045) | 1 (-) |
7 | 28 (-) | 34 (+2) | 7 (-) | 7 (-) |
0.205 (↓0.007) | 2.780 (↑0.08) |
9 (5↓) |
中日 |
5 | 6 | 0 | 0.455 (↓0.045) | 1 (-) |
7 | 36 (-) | 41 (+1) | 6 (-) | 9 (-) |
0.250 (↓0.008) | 3.330 (↑0.2) |
11 (2↓) |
阪神 |
4 | 6 | 1 | 0.400 (↓0.044) | 1.5 (-) |
7 | 39 (+3) | 42 (+4) | 4 (-) | 6 (-) |
0.218 (↑0.004) | 3.470 (↓0.09) |
11 (1↑) |
ロッテ |
4 | 6 | 1 | 0.400 (↑0.067) | 1.5 (↑1) |
7 | 39 (+5) | 45 (+4) | 11 (+1) | 8 (+3) |
0.229 (↑0.008) | 3.870 (↓0.01) |
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
35 | 20 | 2 | 0.636 (↓0.012) | - (-) |
86 | 228 (+3) | 173 (+4) | 30 (-) | 29 (-) |
0.246 (-) | 2.800 (↓0.02) |
2 (-) |
DeNA |
30 | 24 | 1 | 0.556 (↓0.01) | 4.5 (-) |
88 | 222 (+3) | 206 (+7) | 44 (-) | 10 (-) |
0.261 (↓0.001) | 3.500 (↓0.06) |
3 (-) |
広島 |
30 | 27 | 0 | 0.526 (↓0.01) | 6 (-) |
86 | 195 (+4) | 191 (+5) | 38 (+1) | 27 (+1) |
0.241 (-) | 3.100 (↓0.04) |
4 (-) |
巨人 |
29 | 29 | 0 | 0.500 (↑0.009) | 7.5 (↑1) |
85 | 224 (+10) | 236 (+6) | 68 (+3) | 15 (+1) |
0.253 (↑0.001) | 3.960 (↓0.03) |
5 (1↑) |
ヤクルト |
22 | 33 | 2 | 0.400 (↑0.011) | 13 (↑1) |
86 | 197 (+2) | 223 (-) | 49 (-) | 29 (-) |
0.232 (-) | 3.660 (↑0.07) |
6 (1↓) |
中日 |
22 | 35 | 0 | 0.386 (↓0.007) | 14 (-) |
86 | 159 (-) | 190 (+1) | 24 (-) | 19 (-) |
0.241 (↓0.002) | 2.920 (↑0.03) |
<パ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ロッテ |
29 | 21 | 3 | 0.580 (↑0.009) | - (-) |
90 | 192 (+5) | 164 (+4) | 35 (+1) | 33 (+3) |
0.235 (↑0.001) | 2.930 (↓0.02) |
2 (1↑) |
ORIX |
32 | 24 | 2 | 0.571 (↑0.007) | 0 (-) |
85 | 219 (+7) | 183 (+3) | 43 (+2) | 23 (-) |
0.258 (↑0.002) | 2.910 (-) |
3 (1↓) |
ソフトバンク |
29 | 23 | 2 | 0.558 (↓0.011) | 1 (↓1) |
89 | 198 (+6) | 185 (+10) | 37 (+2) | 26 (-) |
0.245 (↑0.001) | 3.240 (↓0.11) |
4 (-) |
日本ハム |
27 | 32 | 0 | 0.458 (↑0.01) | 6.5 (-) |
84 | 194 (+4) | 191 (+3) | 46 (+2) | 29 (-) |
0.226 (-) | 2.840 (-) |
5 (-) |
西武 |
24 | 32 | 1 | 0.429 (↓0.007) | 8 (↓1) |
86 | 159 (-) | 192 (+2) | 39 (-) | 35 (-) |
0.228 (↓0.002) | 3.060 (↑0.01) |
6 (-) |
楽天 |
22 | 31 | 1 | 0.415 (↑0.011) | 8.5 (-) |
89 | 163 (+1) | 216 (-) | 43 (-) | 42 (+1) |
0.220 (↑0.001) | 3.450 (↑0.07) |
コメント