日本ハム(★2対6☆)西武 =リーグ戦3回戦(2023.04.16)・エスコンフィールド北海道=
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西武
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日本ハム
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勝利投手:エンス(1勝2敗0S)
敗戦投手:上原 健太(0勝2敗0S)

本塁打
【日本ハム】万波 中正(3号・9回裏ソロ)

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◆西武は2回表、ペイトンの犠飛で先制に成功する。その後は、3回に呉の適時打で1点を加えると、8回には中村の犠飛で追加点を奪った。投げては、先発・エンスが7者連続三振を奪うなど、6回無安打無失点の好投で今季初勝利。敗れた日本ハムは、打線が振るわなかった。

◆台湾代表としてWBCに出場した西武呉念庭内野手(29)が、今季初打点を挙げた。「2番三塁」でスタメン出場し、初回は見逃し三振に倒れたものの、第2打席で期待に応えた。3回2死から1番愛斗が二塁打で出塁。呉は追い込まれながらも、日本ハム上原のスライダーを勝負強く右翼への適時打とした。試合中、球団を通じ「任されたところで、どんなポジションでもこなせるように準備してきました。タイムリーになって良かったです」とコメントを寄せた。高校入学から来日し、今季でプロ8年目を迎える。台湾で開催されたWBC1次ラウンドで、自身は本塁打も放ったものの惜しくも敗退。ペナント開幕前に調子を落とし2軍スタートになっていたが、同じくWBCに出場した主砲山川が右ふくらはぎ痛で登録抹消に。代わりに11日に1軍昇格していた。WBC前には「今年は空いている場所がたくさんあるので、レギュラーをとって活躍したいです」とシーズンへの意気込みを口にしていた。

◆西武ディートリック・エンス投手(31)が6回無安打無失点の好投を見せた。来日2年目の左腕は、今季はここまで2試合で0勝2敗、防御率8・10と苦しんでいた。この日は最速150キロの直球と、右打者への外角カットボールがさえ、1回から3回にかけては7者連続奪三振もマークした。6回を91球で終え、その時点ではノーヒットノーランの権利も残していた。打者3巡目にかけて芯で捉えられる打球も増え、6回降板後に松井稼頭央監督(47)らとベンチで協議。7回から森脇亮介投手(30)がマウンドに上がった。森脇は1死後、日本ハム清宮に安打され、継投によるノーヒットノーランもなくなった。森脇は3連続四球で押し出しを許し、3番手平井克典投手(31)にスイッチ。平井は後続を打ち取り、7回終了時点でエンスに今季初勝利の権利が残った。西武は13日のロッテ戦(大宮公園)でも今井達也投手(24)が8回1死までノーヒットノーランのペースだった。15日に今季2勝目を挙げた高橋光成投手(26)も現在、18イニング連続で無失点。2試合計17奪三振の平良海馬投手(23)らも含め、強力な先発投手陣が形成されている。

◆日本ハム上原健太投手(29)が涙の降板となった。5回に2死満塁のピンチを招き、マウンドを降りた。今季2度目の先発投手を任されたが、4回2/3、74球を投げて、5安打2失点。「ここで確立しないと余計苦しくなる」と臨んだマウンドだっただけに悔しさが残る登板となった。中継の映像には降板後にベンチで涙する上原の表情が映し出された。上原は降板後「これでは去年と変わっていない。とても悔しい」とコメントした。建山義紀投手コーチは3回までの投球について「ツーアウトからの失点はもったいない部分はあるけど、上原自身の調子は悪くない」と評した。

◆西武が日本ハムに連勝し、2位に浮上した。貯金も今季初めて2に増やした。先発したディートリック・エンス投手(31)が直球やカットボールを駆使しながら、6回まで無安打無失点投球。序盤には7者連続奪三振と快調だった。「自分自身はシンプルに投げ込んでいこうということだけで。あとは捕っている柘植がいろいろと考えながらやってくれたので、そこの部分がきょうの結果にすごくつながったかなと思っています」と柘植世那捕手(25)に感謝。「席や球場の作りとかが、すごくメジャーの球場と似ていたので。本当にアメリカで投げているかのような感覚で投げられたというのはありました」と初めてのマウンドを振り返った。終盤に点差が詰まったものの、9回には満塁の走者が2度の暴投で全員生還した。特に最初の暴投で二塁走者の柘植までもが生還。松井稼頭央監督(47)は「柘植にしても愛斗にしても、本当に素晴らしい判断で素晴らしい走塁してくれましたからね。あそこの追加点はとても大きかったんじゃないですかね」と、スローガン「走魂」が根付いたプレーも喜んでいた。

◆西武佐藤隼輔投手(23)がしびれる場面を切り抜けた。8回、2点リードしながら1死二、三塁のピンチに。ここで7回からブルペンで強く投げ込んでいた左腕・佐藤隼が呼ばれた。打者は日本ハム3番清宮。左対左で送り込まれた。先発エンスの今季初勝利もかかった、緊迫の場面。しかし「あそこで行くよとは言われてたんで、ピンチで直前になったのでそんな考えてる暇もなかったです」と流れのままにマウンドへ向かい、直球1球で勝負を終わらせた。高く舞い上がる深めの二飛だった。「今、真っすぐに一番自信持ってるので。マウンドに上がった時もしっかり豊田コーチから『押してこい』と。(捕手の)柘植さんと話もして、しっかり力で押すっていう覚悟でいったので、それが結果としていい方向に出て良かったかなと思います」タッチアップに備え、二塁の外崎がボールを持ったままマウンド近くまでやって来た。「ベンチの方、見てなかったんで。もう1回行くんかな、と思って(4番)野村への準備に切り替えてたんですけど、全然トノさん(外崎)がボールを返してくれなくて」左対左でなく、最後まで抑えきろうという心意気で勝った。2日のオリックス戦では森を3球で抑え、今季初勝利。この日は清宮を1球で封じホールドを記録した。マウンドを譲ったティノコも野村を空振り三振に。平良の先発転向で不安視されたブルペン陣が、日に日にたくましくなる。【金子真仁】

◆日本ハム鈴木健矢投手が20日ロッテ戦(エスコンフィールド)で今季初先発する。この日は5回2死満塁で登板し無失点で切り抜け、6回も3者凡退と好投。今季は計8イニングで4安打自責0と好調で、昨年9月27日ロッテ戦(札幌ドーム)以来の先発登板へ「チャンスを生かしたい。いつも通り、のらりくらり投げられたら」と思い描いた。18、19日は先発調整に充て、代わりに2軍から河野が昇格し、ベンチ入りする。

◆日本ハム2カード連続の負け越しに、新庄剛志監督は「紙1枚(紙一重)。惜しいんですよ、毎回ね」。打線では、8回の好機で空振り三振に倒れた4番野村に「(球の)見極めが出来てくれたら、もっといい打者になるんだけど」と注文。守りでは9回2死満塁から、抑えの石川が2度の暴投で3失点する珍事も。指揮官は「初めて見ることばっかりで、面白いでしょ? そういうチームがガーンって(勢いに乗って)行った時、さらに面白くなるから」と不敵に笑った。▽日本ハム上原(5回途中2失点で降板し、ベンチで涙)「久しぶりにこんなに悔しかったですね。(今は)みんな苦しいので、何とか乗り越えたかった」▽日本ハム野村(8回2死二、三塁で空振り三振)「やっぱり中軸がチャンスで打たないと、点も入らない。勝負どころでしっかり取り切らないと」▽日本ハム清宮(2点を追う8回1死二、三塁で二飛)「あの打席に尽きる。ドンピシャだと思ったが、少し気負いすぎたかもしれない」

◆日本ハム万波中正外野手(23)が9回に3号ソロを放った。西武増田の直球を捉え、低めの弾道だったが「思ったより伸びた」と左翼席まで到達した。エスコンフィールドでは初安打。「どうしても嫌なイメージがあった。ようやく打てたので弾みにしたい」。7回1死一、二塁で回ってきた第3打席では一邪飛に倒れ、「点を取りきれなかったところが悔しい」と語った。

◆日本ハム上原健太投手(29)が4回2/3、74球を投げて、5安打2失点で降板した。中継の映像には降板後にベンチで涙する上原の表情が映し出された。「久しぶりにこんなに悔しかった。ああいうところで降板しているようじゃ去年と全く一緒」と反省を口にした。「6、7回いかないとローテーションで回れるピッチャーにはなれない。その覚悟を持ってやらないといけない」と次戦を見据えた。

◆満身創痍(そうい)の日本ハム江越大賀外野手が、新球場での自身初安打を放った。3月に右手首を骨折。7日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で死球を受けた際、左あばら骨も骨折していたことが判明した。そんな中、乱視矯正のためにつくったサングラスを初めてかけて先発出場し、8回先頭で投手強襲安打。「(ケガは)試合に出られているので大丈夫です」と話した。

◆乳白色の1杯が白星を呼び込んだ。西武ディートリック・エンス投手(31)が6回無安打無失点で今季1勝目を挙げた。1回から3回にかけ、球団歴代3位となる7者連続奪三振と、日本ハム打線を押し込んだ。右打者外角からストライクゾーンに入れ込むカットボールが特にさえた。「試合序盤にかなり有効な球になるなというのはあったので。柘植もおそらくそう思って出ていたサインだったと思います」。柘植世那捕手(25)と際どいコースを徹底した。6回91球と球数が増え始め、ノーヒットノーランの権利を保有しながら、ここでお役御免に。「中継ぎもすごく信頼できる投手が多いので、後は任せたというところでした」と7回以降をリリーフ陣に託した。終盤に2失点はしたものの、佐藤隼やティノコらの粘りもあり、仲間たちと勝利を喜び合った。先発陣の中でも争いはハードだ。高橋は18イニング連続無失点、今井は8回1死までノーヒットノーラン、平良は2戦17奪三振。その中で助っ人左腕は2敗、防御率8点台。人知れず悩んだ。「本当に素晴らしい投手がそろっている。自分はまだ、自分の投球を今シーズン見せられていないところはある。自分もやらなきゃなという気持ちがある」。技術をしっかり見つめ直し、勝負の3戦目は大事なルーティンも行った。飲んでげんを担ぐ。その名もソフトカツゲン。主に北海道で売られているご当地乳酸菌飲料だ。出会いは来日した昨年のこと。札幌市出身で、実家の冷蔵庫には牛乳とともに1リットルパックのソフトカツゲンが常備されていたという斉藤誠人捕手(27)に「これ、おいしいよ」と勧められた。飲んだ。おいしい。「ああいうドリンクは、アメリカにももしかしたらあるのかもしれないけど、出会ったことがなくて。ヨーグルト系みたいな感じもあるんですけど、けっこう甘くて、自分の舌的にはココナツに近いかな」大ファンになった。昨季は2度の遠征ともしっかり飲んだ。今回も北海道に飛び立つ前から「絶対飲みます。一緒に飲んで頑張りましょう!」と記者に意気揚々と宣言し、忘れることなくコンビニエンスストアで入手した。チームメートに合わせているわけではなく、エンスのソフトカツゲン好きは割と筋金入りだ。この3月の北海道遠征では、同じ助っ人右腕のボー・タカハシ投手(26)にも推薦し"伝道師"になったほど。ソフトカツゲンを飲む。勝つ。今回もその流れがうまくいき、日頃から丁寧で柔和なエンスは、ますます笑みがはじける。「できれば東京に持って帰りたいと思っているよ。4リッター、1ガロンぐらい持って帰りたい」これでひとまずチームは2位浮上となったが、まだまだシーズンは長い。メーカーによると、カツゲンの由来は「活力の給源」。チーム愛深い左腕のテンションが上がったことが、肌寒い北海道遠征の何よりの土産になった。【金子真仁】

◆日本ハム新庄剛志監督(51)いわく「紙1枚(紙一重)」の攻防が勝敗を分けた。日本ハムは16日、西武に2連敗で2カード連続の負け越し。借金は今季最多の6に膨らんだ。劣勢から一転、7回に1-2と1点差に詰め寄ったが、打線は決定打を欠いた。継投では田中正義投手(28)、石川直也投手(26)と、開幕から無失点を続けていた勝ちパターンの救援2人が、まさかの失点。終盤勝負をものに出来なかった。試合後、日本ハム新庄監督の"嘆き節"は止まらなかった。「紙1枚(紙一重)ですけどね。ここでっていう...。惜しいんですよ、毎回ね」。6回まで無安打。昨季から苦手にしている西武の先発エンスに苦戦したものの、リリーフ勝負となった7回から反撃開始。1点差まで詰めよりながら、勝負どころで攻守に実績不足による"若さ"が出てしまった。攻撃では7回、3番清宮、4番野村の連打でチャンスメークしたものの、続く万波は一邪飛に倒れた。この回、押し出し四球による1点止まりで、8回1死二、三塁では3、4番があえなく凡退し無得点。新庄監督は8回の好機で空振り三振に倒れた4番について「野村君は(ボール球の)見極めができてくれたら、もっといいバッターになる。打ちに行って(バットを)止める勇気、野村佑希」と韻を踏み、明るく注文した。守備では、8、9回に投入した田中正、石川の勝ちパターン2人が、ともに開幕から5試合目で今季初失点した。特に1-3の9回2死満塁から、2つの暴投で3失点した石川は「負けている展開で慎重になりすぎて、変化球が多くなってしまった。もったいなかった」と猛省。いずれもフォークボールを地面にたたきつけ、塁上の全ての走者をホームにかえすという珍事に、新庄監督は「初めて見ることばっかりで、面白いでしょ? このチーム。そういうチームがガーンって(勢いに乗って)行った時、さらに面白くなるから」と笑顔だ。パ5球団との対戦を一回り終え、勝ち越したのは昨季日本一のオリックスだけ。それでも、まだ4月。逆襲の機会は、いくらでもある。【中島宙恵】

◆日本ハム先発の上原健太投手(29)は4回?を投げ、5安打2失点。リードを許した状態でマウンドを降りた。二回に新外国人、ペイトンの中犠飛で先制点を献上。続く三回には2死二塁で呉念庭に右前適時打を浴び、2点目を奪われた。三回終了時点で建山投手コーチは「2死からの失点など少しもったいない部分はあるけど、上原自身の調子は悪くないです。何とかチームが勝つ流れを作るためにも、この後は要所を締めて投げていってもらいたい」と談話を通じ左腕を鼓舞。四回は0点に抑えたが五回に安打と四球などで2死満塁を招き、そのまま降板。ベンチに下がり、悔しさをにじませた。

◆西武が二回にペイトンの犠飛で先制。三回は呉念庭の適時打、八回は中村の犠飛で加点した。エンスが6回無安打無失点で今季初勝利。小刻みな継投で反撃をかわした。日本ハムは八回の好機で中軸が倒れるなど、つながりを欠いた。

◆西武・エンスが一回2死から7者連続奪三振。ゲーム連続打者奪三振のプロ野球記録は昨年4月10日のロッテ・佐々木朗希の13者連続だが、外国人投手で7者連続は最多タイで、1993年4月27日の中日・郭源治、2005年9月22日のオリックス・JP、06年8月26日の楽天・グリン、17年10月10日の阪神・メッセンジャーに次いで6年ぶり5人目。

◆西武のディートリック・エンス投手(31)が6回無安打無失点と好投。今季3戦目の登板で初勝利を挙げ、手応えを口にした。「初勝利ができてほっとしている。試合を通して制球はかなり納得のいくものだった」エスコンフィールド北海道で昨季10勝の本領を発揮した。許した走者は五回1死から与えた四死球だけ。最速150キロの直球とカットボールを軸に圧倒した。一回2死から外国人投手では最多タイとなる7者連続三振を奪った。米大リーグのボールパークをイメージした新球場で8三振を奪い、米国出身の2年目左腕は「本当に米国で投げているような感覚で投げられた」と振り返った。北の大地でカツゲンパワーが光った。過去2登板は所沢でオリックス、鹿児島でソフトバンクにいずれも4回持たずに降板。この日は試合前に北海道限定の乳酸菌飲料「ソフトカツゲン」(雪印メグミルク)を飲んで挑んだ。1956年の発売以来、道産子に飲み継がれている好物を〝力水〟に変え「できれば1ガロン(約4リットル)ぐらい持って帰りたい」と笑った。無安打無得点試合を狙うには球数が多く、91球で降板した。「本来の持ち味が出た投球だった。9回投げたら何球投げるの」と松井監督。大記録は逃したが、連勝でチームは2位に浮上。エンスは「この勢いで頑張っていければ」と力強く語った。(加藤次郎)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
930 0.750
(↑0.023)
-
(-)
13147
(+6)
26
(+3)
6
(+1)
9
(+2)
0.253
(↓0.003)
1.930
(↓0.09)
2
(1↑)
西武
860 0.571
(↑0.033)
2
(-)
12949
(+6)
33
(+2)
9
(-)
7
(-)
0.243
(↑0.003
2.180
(↑0.01)
3
(1↑)
ORIX
760 0.538
(↑0.038)
2.5
(-)
13044
(+2)
41
(+1)
12
(+1)
3
(+1)
0.260
(↓0.007)
3.180
(↑0.18)
3
(1↓)
ロッテ
760 0.538
(↓0.045)
2.5
(↓1)
13043
(+1)
42
(+2)
6
(-)
5
(+1)
0.222
(↓0.008)
3.210
(↑0.11)
5
(-)
楽天
480 0.333
(↓0.031)
5
(↓1)
13123
(+3)
46
(+6)
7
(-)
8
(-)
0.186
(-)
3.740
(↓0.12)
6
(-)
日本ハム
4100 0.286
(↓0.022)
6
(↓1)
12939
(+2)
57
(+6)
7
(+1)
8
(-)
0.199
(↓0.002)
3.830
(↓0.18)