巨人(☆4対1★)広島 =リーグ戦20回戦(2022.08.13)・東京ドーム=
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広島
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巨人
20020000X4602
勝利投手:直江 大輔(1勝1敗0S)
敗戦投手:遠藤 淳志(3勝6敗0S)

本塁打
【広島】坂倉 将吾(9号・9回表ソロ)
【巨人】ポランコ(18号・4回裏ソロ),大城 卓三(11号・4回裏ソロ)

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◆巨人は初回、重信と中田の適時打で2点を先制する。そのまま迎えた4回裏にはポランコと大城のソロで2点を加え、リードを広げた。投げては、先発・直江が6回3安打無失点の好投でうれしいプロ初勝利。敗れた広島は先発・遠藤が振るわず、打線も8安打1得点とつながりを欠いた。

◆4番中田翔内野手(33)の「自信しかないん打」が、さく裂した。1点リードの1回1死三塁、広島遠藤から左前へのタイムリーヒットを放った。11日の中日戦で巨人の「第91代4番」を襲名。前夜は1本塁打を含む4打数3安打の大暴れ。4番に座ってから3試合連続で打点をマーク。かつて14年、16年、20年の3度の打点王に輝いた"点取り屋"が本領を発揮した。今季開幕前から「自信しかない」と繰り返し言ってきた。不振で一時は2軍降格もあった。この日の左前適時打に「打ったのはストレートです。良い流れのまま打つことができました。いい追加点になって良かったです」とコメントした。

◆東京ドームに「サザエでございます!」。警視庁の防犯広報大使として、国民的アニメ「サザエさん」のフグ田サザエさんが始球式に登場した。スタッフに付き添われながらマウンドに上がると、波平さん、マスオさん、フネさんがホームベース後方で見守る中、ノーワインドアップで、捕手を務めたジャビットに3バウンド投球。サザエさんは両腕で力こぶをつくってガッツポーズを見せた。

◆巨人にまたしても新生が出現した。先発したプロ4年目の直江大輔投手(22)が6回3安打無失点の好投でプロ初勝利を挙げた。開幕からここまで堀田、戸田、赤星、大勢、平内、山崎伊に続き、チーム7人目のプロ初勝利。1シーズンの初勝利7人はプロ野球最多記録タイとなった。直江は140キロ台後半の直球を軸に強気の投球を披露。4回1死一、三塁のピンチでは5番西川を空振り三振、6番坂倉を二ゴロに仕留め切り抜けた。登板直後は「野手の皆様のおかげで6回を投げることができました。次のチャンスを頂けたらもっと長いイニングを投げられるように頑張ります」とコメントした。8度目の先発機会で念願の初勝利を手中に収めた。桑田投手チーフコーチは「なかなか勝ち星を勝ち取ることができなくて、苦労していたけど、初勝利して本人もうれしかったと思う。ボールに力があった。要所要所でいいボールがいっていた。今日は球威と緩急、カーブがうまく使えていた」と評した。右手指にマメができた影響もあって6回で降板。次回登板については「1回抹消しようと思っている。しっかりと治してから登板させたいなと思っています」と説明した。4年目の直江がプロ初勝利を挙げた。この日が直江は通算15試合目の登板で、先発では通算8試合目だったが、5回以上投げたのもプロ入り初めてになる。これで今季の巨人はプロ初勝利を挙げた投手が7人目(外国人投手は除く)。シーズンに7人がプロ初勝利は05年中日、17年オリックスに並び最多となった。巨人はこの7人で合計16勝、新外国人のシューメーカーが4勝挙げており、新人を含め昨年まで0勝の投手で合計20勝している。【今季巨人の初勝利投手】堀田賢慎投手(21=プロ3年目) 3月31日ヤクルト戦(神宮)で初登板、初先発し、6回無失点で初勝利。戸田懐生投手(22=プロ2年目) 4月2日阪神戦(東京ドーム)で4回から2番手で救援登板し、1回1/3を無失点で初勝利、赤星優志投手(23=プロ1年目) 4月3日阪神戦(東京ドーム)で先発し7回2失点で初勝利。大勢投手(23=プロ1年目) 4月9日ヤクルト戦(東京ドーム)で延長10回に4番手で救援登板し、1回無失点で初勝利。平内龍太投手(24=プロ2年目) 4月21日広島戦(東京ドーム)で5回に2番手で救援登板し、2回無失点で初勝利。山崎伊織投手(23=プロ2年目) 4月28日DeNA戦(横浜スタジアム)で先発し、6回無失点で初勝利。

◆プロ4年目の巨人直江大輔投手(22)が6回3安打無失点の好投でプロ初勝利を挙げた。直江少年は「ヒーロー」に心を奪われた。大のアメコミ好き。キャプテンアメリカ、スパイダーマン...。寮の自室には、1体2~5万円ほどのフィギュアで棚が埋まる。練習用グラブはスパイダーマンをイメージした刺しゅうを施した。活躍して年俸がアップしたら...。「70万円くらいするコスチュームとか買いたいですね」とのめり込んでいる。オタク気質の持ち主。マーベル作品は、映画、ドラマを含めた60作品以上を総なめした。好きなお笑い芸人「どぶろっく」は佐賀限定のローカル番組までチェックし"歌ネタ"を自ら熱唱。弾き語りライブで歌って欲しい曲をSNSからリクエストし、採用されたこともある。一見、シャイでクールに見えるが、好きな物にはとことんこだわる。ヒーロー好き、お笑い好きの22歳。初勝利を皮切りに"勝ちオタ"として白星の魅力にのめり込んでいく。【巨人担当=小早川宗一郎】

◆巨人原辰徳監督(64)が岡本和の復調を願った。この日も4打席ノーヒットで、4番から6番に打順を下げた3試合を含めた4試合連続無安打。19打席も快音から遠ざかっている。原監督は「和真が(4番に)戻ることが理想なんでしょうけど我々は毎日毎日勝負している。その中で最善の策で戦うことが大事だと思います。もがくしかないわけですから。できることはしっかりもがくという中で光明は差すと思います」と期待した。

◆巨人にまた1人、新しい若武者が誕生した。4年目の直江大輔投手(22)がテンポのいい投球で好投。マメができた影響で6回88球で降板となったが、3安打1四球無失点でプロ初勝利を挙げた。今季のプロ初勝利は7人目で、球団初、プロ野球タイ記録となった。打線は初回無死一塁から2番重信慎之介外野手(29)がバスターエンドランで左翼線に先制の適時二塁打。1死三塁からは「第91代4番」中田翔内野手(33)が左前適時打で2点目を奪った。4回にはグレゴリー・ポランコ外野手(30)と大城卓三捕手(29)のソロで2点を加えた。試合後、原辰徳監督(64)の主な一問一答は以下の通り。-直江がプロ初勝利「今日は非常に良かったと思います。ボールも走っていましたし、制球力も非常に良かったし、いいきっかけになってくれるとね」-6回をしっかりと投げきった「3者凡退も多かったしね、フォアボールも無駄なっていうのはなかったしね。うちの若い投手の、期待の1人ですから、堀田も今日の直江のピッチングを見てね、ともに育ってくれるといいなと思いますね」-直江は88球だったが6回で降板して継投に「なんかね、ちょっとマメができたらしいんだよね。もう1回ぐらいいけたと思うんですけどね、ただ、今日フォームが良かったんでしょう、ふっふっふっ。だから、いつも投げ込んでいるのとはまた違うところにできたというところにね、未来というものがまだまだあるぜという風に思いたいですね」-最初の好機で重信がバスターエンドランを決めた「非常に力はもっている選手だと思うのでね、もう少し、なんというかずうずうしくというかね、おれが決めるというぐらいの気持ちでプレーしてもらえたらなと思いますね」-6番岡本和も復調の兆しをつかみたいと必死の毎日だと思うが「もがくしかないわけですから、我々アスリートは常に、打とうが、打たまいが(打席が)毎回来るわけですから、それに立ち向かっていくと。できることはしっかりもがくという中でね、光明はさすと思います」

◆広島先発陣に暗雲が垂れこめている。巨人20回戦(東京ドーム)に先発した遠藤淳志投手(23)は4回を2被弾など4失点(自責3)で6敗目を喫した。交流戦前、先発陣のクオリティースタート(QS=先発し6回以上、自責点3以下)率はリーグトップだった。しかし後半戦13試合でQSがわずか3度。試合前には直近6戦勝利なしの大瀬良大地投手(31)が出場選手登録を抹消されるなど、先発事情が苦しくなってきた。快音が東京ドームに2度、響き渡った。打たれた遠藤は腰に手をやり、立ち尽くす。放物線の行方を見届けることもせず、ロジンを手に取り、球審に新しいボールを要求した。2点ビハインドの4回先頭。1ボールからポランコにスライダーを投じた。捕手磯村は真ん中低めに要求したが、少し浮き真ん中に入った。助っ人外国人は見逃してくれず、18号ソロを浴びた。1死後、大城にはカウント3-1から直球を再び右翼席へ運ばれた。この回2被弾。「(東京ドームは)狭い球場と分かっていて、本塁打が出たのはもっと意識して低めに投げないといけない」。4月21日に同球場で先発した際も3被弾。本塁打が出やすい球場の影響をもろに受けた。5回の打席で代打が送られ4回4失点(自責3)で降板。「早い回で降板してしまったのは本当にチームに申し訳ない」。投球回を重ねられず、反省の弁を重ねた。消化試合数が100を超え、先発が苦しくなってきた。交流戦前にはリーグ屈指の充実度で、QS率73.9%はリーグトップの数字だった。同時期、順位は3位で貯金6と結果にもつながっていた。一方で球宴後の後半戦は13試合でQSが3度のみ。試合をつくれない先発が流れを呼べずにいる。試合前には直近6戦で白星がない大瀬良が今季2度目の出場選手登録抹消。負傷の床田、アンダーソンも離脱しており、ローテーションの軸だった3投手を欠く苦境。佐々岡監督は「遠藤なり明日(14日)投げる大道なりが頑張ってもらわないと、ここは乗り切れない」と若手の活力で窮地を脱したい姿勢だ。チームの連勝は「4」で止まり、わずか1日で5位に再転落した。先発再整備&復調が広島浮上への1丁目1番地だ。【前山慎治】○...大瀬良が13日、出場選手登録を抹消された。前日12日の巨人戦に先発したが2被弾など3回5失点で降板。7月1日巨人戦(マツダスタジアム)で今季7勝目を挙げたが、そこから6戦にわたって勝ち星から遠ざかっていた。佐々岡監督は「残り試合が少ない中で早く帰ってきてほしい気持ちだが、中途半端で帰ってくるよりもしっかり調整してほしい」と、早期復帰よりも完全復調を最優先に2軍に送った。○...坂倉が4点を追う9回に9号ソロを放ち、完封負けは免れた。4点差ながら巨人守護神大勢がマウンドへ。2球目の153キロを右中間席に突き刺した。「(良かったのは)あの打席だけだった。納得のいかない打席がすごく多い。(4回に)チャンスもあった。ああいう場面で打たないと勝ちにつながらない」。2点を追う4回2死一、三塁で二ゴロに倒れた悔しさを口にした。○...大道が14日の巨人戦(東京ドーム)で今季初登板となる先発マウンドに上がる。ローテーションの一角を期待され、1軍キャンプを迎えたが3月1日に2軍降格。2軍では主に先発で2勝4敗、防御率2.25だった。「久しぶりの1軍で気持ちの高ぶりがある。向かっていく中で冷静さも持ちながら、まずは自分の結果を出せるようにしたい」。大瀬良、床田、アンダーソンが離脱したローテーションを2年目右腕が救う。▽広島朝山打撃コーチ(相手先発直江に6回3安打無得点)「真っすぐもシュート回転したり、引っかかったりしてゾーンの中で荒れていた。絞れない部分があった」▽広島コルニエル(3月30日以来の1軍戦で2回無失点)「すごく練習して自信があったので(抑えられて)すごくうれしい」

◆巨人の4番中田翔内野手(33)が好調を維持した。1点リードの1回1死三塁、広島遠藤から左前適時打で援護点を積み上げた。11日の中日戦で「第91代4番」を襲名。4番に座ってから3試合で12打数6安打、1本塁打、4打点と大暴れ。「良い流れのまま打つことができました。いい追加点になって良かった」と振り返った。原監督も「4番がすごくいい形でね、つながってくれているなと」と高評価した。

◆巨人直江大輔投手(22)が、4年目でようやくプロ初勝利をつかんだ。前回登板の6日ヤクルト戦(神宮)での危険球退場から切り替え、躍動感のある投球で6回3安打無失点と好投した。20年10月に腰椎間板ヘルニアの手術を受け、育成契約も経験。松商学園(長野)のエースの先輩でもある父晃さん(54)の存在にも支えられながら苦闘の日々を克服。巡ってきた8度目の先発チャンスをものにし、プロの第1歩を踏み出した。球団ではプロ野球タイ記録となる1シーズン7人目の勝利投手となった。巨人直江の父晃さん(東京ドームで生観戦し)「長野の田舎から出てきて、東京ドームで投げること自体すごいこと。たった1勝ですけど、わが家にとってはとてつもなく大きな勝利です。息子にはありがとうと言いたい」

◆巨人直江大輔投手(22)が、4年目でようやくプロ初勝利をつかんだ。前回登板の6日ヤクルト戦(神宮)での危険球退場から切り替え、躍動感のある投球で6回3安打無失点と好投した。20年10月に腰椎間板ヘルニアの手術を受け、育成契約も経験。松商学園(長野)のエースの先輩でもある父晃さん(54)にも支えられながら苦闘の日々を克服。巡ってきた8度目の先発チャンスをものにし、プロ野球タイ記録となる1シーズン7人目の初勝利投手となった。巨人は3位タイに浮上し、7月15日以来のAクラス入りを果たした。2年前。徳島県内の病室で直江の目には涙がにじんだ。腰のヘルニアで人生初の手術。注射を打っても、これ以上投げるのは限界だった。「大きいケガはしたことがなかった。正直どうなっちゃうのかな」。神経に近い繊細な箇所の手術に不安に駆られた。お見舞いに来た晃さんに「プロ野球選手じゃない人生もある。サラリーマンで長野に戻ってきてもいい。でももう1度、東京ドームのマウンドに立って、もうひと花咲かせよう」と言われた。温かい言葉がしみた。昨季から背番号を「054」に変更して、徐々に体を戻していったが、復帰1年目は違和感がついて回った。「2軍でも勝てるのかなって思ってました。ごまかしなら、迷いながら」と手術前とのギャップに悩んだ。6月に支配下再契約は勝ち取ったが、1軍では4試合未勝利が続いた。もうプロ4年目。期待枠のままではいられない。1軍での結果にこだわり、リリーフとして初の開幕1軍も、6試合の登板のみで前半戦は5月以降出番なし。2軍戦では2四球を挟んで7連打を浴びたことも。「ここ最近、何をやってもうまくいかない」と嘆くしかなかった。それでも下を向かず、腐らずに自分と闘った。危険球退場となった前回登板の記憶にも臆せず、この日のプレーボール初球、内角へ147キロ直球を突き刺した。頭をクリアにして打者との勝負に集中。6回0封でやっとウイニングボールを手にした。「何度も失敗して、やっと1つ上に行けたかな。他の人の支えがあってこられた」と感謝した。同期の戸郷が今季10勝目をマークする中、ようやくたどり着いたプロ初勝利。「僕は1勝するのに4年かかった。まだこれから自分の能力を高めて、差を埋めていきたい。ここからがスタートだと思うので、もっと勝ちを増やせるように頑張っていきます」。病室で流した涙はお立ち台にはない。無数のフラッシュと喜ぶファンが、まぶしかった。【小早川宗一郎】▽巨人原監督(直江について)「ボールも走っていましたし制球力も非常に良かったし、いいきっかけになってくれるとね。うちの若い投手の、期待の1人ですから。力をつけてきているのは事実だと思いますね」▽巨人桑田投手チーフコーチ(初勝利を挙げた直江に)「これからも油断せずにコントロールを磨いて、1つでも多く勝って、長くプロでプレーしてほしい。(次回登板は)1度抹消しようと思っている。マメは1日、2日じゃ治らないので、しっかりと治してから登板させたいなと思っている」▽巨人直江の父晃さん(東京ドームで生観戦し)「長野の田舎から出てきて、東京ドームで投げること自体すごいこと。たった1勝ですけど、わが家にとってはとてつもなく大きな勝利です。息子にはありがとうと言いたい」直江大輔(なおえ・だいすけ)2000年(平12)6月20日生まれ、長野市出身。松商学園では1年秋からベンチ入りし、2年夏に甲子園出場。18年ドラフト3位で巨人入団。20年8月23日広島戦でプロ初登板。同年10月にヘルニア手術を受け、オフに育成契約。21年6月に支配下復帰し、7月1日広島戦で初セーブ。今季推定年俸760万円。185センチ、87キロ。右投げ右打ち。

◆プロ初勝利が懸かる巨人・直江大輔投手(22)が先発し、自己最長の6回を3安打無失点と好投。プロ初勝利の権利を持って降板した。高卒4年目で通算8度目の先発に臨んだ右腕は、強気に腕を振った。四回1死一、三塁のピンチでは、好調の西川をフォークボールで空振り三振、続く坂倉をスライダーで二ゴロに仕留めた。「野手のみなさまのおかげで6回を投げることができました。次のチャンスをいただけたら、もっと長いイニングを投げれるように頑張ります」と謙虚に語った。

◆巨人は直江がプロ4年目で初勝利。球威があり、6回を3安打無得点に抑えた。一回に重信の適時二塁打と中田の適時打で2点先制し、四回はポランコと大城がソロ本塁打。広島は8安打を放ってもつながりを欠き、4連勝で止まった。

◆巨人・直江大輔投手(22)が自己最長の6回を3安打無失点と好投し、プロ初勝利を飾った。高卒4年目右腕は「大城さんのリードが最高で、野手のみなさんに助けていただいて、ようやく勝てた」と笑顔で振り返った。通算8度目の先発。序盤から球威で押し、要所でカーブを交えて打者のタイミングを外した。四回1死一、三塁のピンチでは、好調の西川をフォークボールで空振り三振、続く坂倉をスライダーで二ゴロに仕留めた。2020年10月に腰の手術を受けた影響で育成契約となり、21年6月に支配下選手に復帰した。はい上がった若武者は「ここからがスタート。もっともっと勝ちを増やせるように頑張っていく」と言葉に力を込めた。

◆巨人・直江大輔投手(22)が6回3安打無失点でプロ初勝利を挙げた。高卒4年目右腕の好投でチームは4位に浮上。原辰徳監督(64)は「ボールも走っていたし、制球力も非常に良かった」とたたえた。直江は堀田、戸田、赤星、大勢、平内、山崎伊に次ぎ、球団で今季7人目のプロ初勝利。指揮官は若手の奮闘に「そうせざるを得ないという環境ではある。中堅、ベテランが、よくカバーして頑張ってくれている」とナインを評価した。桑田投手チーフコーチは、直江は右手指にマメができていたと明かし、大事を取って出場選手登録を外す方針を示した。「コントロールをすごく意識して毎日練習していた。球威があったのとカーブを要所で決められた」と振り返った。

◆広島は直江にひねられ、プロ初勝利を許した。九回に大勢から9号ソロを放って零敗を阻止した坂倉も、0―2の四回2死一、三塁で二ゴロ。「ああいうところで打たないと勝ちにつながらない。出ている以上は責任がある」と悔やんだ。連勝が4で止まった中、調子を落としている坂倉に7月6日以来の一発が出たのは収穫だ。佐々岡監督は「1本出るのと出ないのとでは、気持ち的にも違うと思う。これでまた坂倉が引っ張ってくれれば」とハッパをかけた。(東京ドーム)

◆巨人・中田翔内野手(33)が3試合連続で「4番・一塁」に座り、適時打を含む2安打を放って6試合連続安打をマークした。1点を先制して迎えた一回1死三塁では、直球をコンパクトに振り抜いて前進守備の三遊間を破り「良い流れのまま打つことができた」と汗を拭った。4試合連続打点と存在感が際立ち、打率は・299まで上昇した。

◆巨人打線が効果的に得点を重ねて直江のプロ初勝利をアシストした。一回先頭の吉川が失策で出塁。バントの構えだった2番重信の3球目にバスターエンドランを仕掛け、打球は左翼線で弾み、先制点を奪った。原監督は「2人でやったんじゃないの? 打者と走者で、アイコンタクトか何かで」とけむに巻きながら選手をたたえた。ポランコが一発を放った四回、直江をリードした大城が自己最多に並ぶ11号ソロ。「直江が頑張っているので、何とか追加点をと思っていた」と喜んだ。(東京ドーム)

◆長野・松商学園高から入団4年目の巨人・直江大輔投手(22)が13日、広島20回戦(東京ドーム)に先発し、自己最長の6回を3安打無失点と好投。球団で今季7人目となるプロ初勝利を飾った。2020年秋に腰の手術を受け、育成選手からはい上がってきた苦労人が、通算8度目の先発で待望の1勝。チームは4-1で勝ち、阪神と並ぶ3位に浮上した。いばらの道を歩んできたホープが、ようやくスポットライトを浴びた。高卒4年目の直江がプロ初勝利。3万9717人の観衆から万雷の拍手を浴びると、周囲への感謝を口にした。「ホントに何度も失敗して、やっと1つ上には行けた。自分の力じゃない、他の人の支えがあってこられた」通算8度目の先発マウンド。立ち上がりから最速148キロを計測した球威のある直球と、フォークボールを軸に相手を圧倒した。2-0で迎えた四回は1死一、三塁ピンチを招いたが、西川、坂倉を封じ込んだ。「(波に)乗っていけた、きっかけになった」。6回88球。気迫の投球で念願の白星をつかんだ。苦しみを乗り越えて、大きな花を咲かせた。2020年10月。将来を見据えて、持病のヘルニアの手術に踏み切った。術後は歩くのもやっと。ゼロからの復活を目指す中、長野・松商学園高で甲子園出場経験のある父・晃さん(54)ら家族との言葉に背中を押された。「(1軍で)もう一花、咲かせよう」いつしか初勝利は本人だけでなく、直江家の目標になった。苦しいリハビリ生活を乗り越えられたのは、家族の支えがあったから。両親と交わした約束を2年越しに果たした。指にマメができるアクシデントもあった中、先発の役割を果たした右腕に原監督は「非常に良かった。いいきっかけになってくれるとね」と今後に期待した。チームの勝ち頭となった戸郷と同期入団の右腕は「戸郷は10勝するのに4年かかって、僕は1勝するのに4年かかった。差を埋めていきたい」。逆襲を期す原巨人に新しい風が吹いた。(樋口航)■そのとき 東京ドームで息子の初勝利を見届けた直江の父・晃さん(54)は「うまくいかないことがたくさんあって、心が折れることもあったと思うんですけど、諦めずにやってきたことを誇りに思う。涙が出ました」と喜んだ。息子が年末年始に長野県内の実家に帰省した際は弱音を一切吐かず、前向きな姿があったという。けがを乗り越えてつかんだ1勝に「わが家にとっては、ものすごい出来事」と感慨深く振り返った。■直江 大輔(なおえ・だいすけ)という男★生まれ 2000(平成12)年6月20日、22歳。長野県出身。★球歴 長野・松商学園高で2年夏に甲子園大会出場。ドラフト3位で19年に巨人入団。20年10月に腰の手術を受けた影響で育成契約となり、21年6月に支配下選手に復帰した。★偉大な父 父・晃さんも松商学園高OBで、エースとして計3度甲子園大会に出場。「野球以外のところをしっかりすることが野球につながる」との父の教えを大切にしている。★ホープ 新型コロナウイルスに感染した同僚の代替選手として7月のフレッシュオールスターに出場。1回1安打無失点で2三振を奪った。★ジャニーズ 姉の影響で嵐やKing&Princeの曲を聴く。関ジャニ∞のライブに行ったこともある。★サイズなど 185センチ、87キロ。右投げ右打ち。独身。年俸760万円。背番号54。

◆4年目の巨人・直江がプロ初勝利。巨人で今季プロ初勝利を挙げたのは、3月31日の堀田(先発、3年目)、4月2日の戸田(救援、2年目)、同3日の赤星(先発、1年目)、同9日の大勢(救援、1年目)、同21日の平内(救援、2年目)、同28日の山崎伊(先発、2年目)に次いで7人目(外国人は除く)。プロ野球初年度の1936年を除いて、同一シーズンに7人がプロ初勝利を挙げたのは最多タイで、2005年の中日(高橋聡、中田、石井、川岸、鈴木、佐藤、中里)、17年のオリックス(赤間、黒木、山岡、小林、大山、近藤、山本)に次いで5年ぶり3度目。巨人では12年の6人(宮国、星野、高木京、田原、小山、笠原)を上回った。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
59431 0.578
(-)
-
(-)
40447
(-)
400
(-)
125
(-)
58
(-)
0.252
(-)
3.470
(-)
2
(-)
DeNA
50462 0.521
(-)
6
(-)
45344
(-)
372
(-)
72
(-)
33
(-)
0.251
(-)
3.430
(-)
3
(-)
阪神
52542 0.491
(↓0.004)
9
(↓0.5)
35361
(-)
311
(+2)
67
(-)
80
(-)
0.238
(-)
2.540
(↑0.01)
3
(2↑)
巨人
52541 0.491
(↑0.005)
9
(↑0.5)
36420
(+4)
467
(+1)
126
(+2)
49
(+1)
0.244
(↓0.001)
3.950
(↑0.03)
5
(1↓)
広島
51543 0.486
(↓0.004)
9.5
(↓0.5)
35418
(+1)
408
(+4)
64
(+1)
21
(-)
0.255
(↓0.001)
3.470
(-)
6
(-)
中日
45561 0.446
(↑0.006)
13.5
(↑0.5)
41299
(+2)
368
(-)
53
(-)
36
(+1)
0.247
(-)
3.450
(↑0.03)