巨人(☆4対1★)ヤクルト =リーグ戦13回戦(2022.07.05)・東京ドーム=
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ヤクルト
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巨人
30010000X4901
勝利投手:戸郷 翔征(8勝3敗0S)
(セーブ:大勢(1勝1敗24S))
敗戦投手:高橋 奎二(6勝2敗0S)

本塁打
【巨人】大城 卓三(5号・4回裏ソロ)

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◆巨人は1点を追う1回裏に丸、岡本和、坂本の3者連続適時打で3点を挙げ、逆転に成功する。そのまま迎えた4回には大城のソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・戸郷が6回4安打1失点の好投で今季8勝目。敗れたヤクルトは、投打ともに振るわなかった。

◆ヤクルトは今季、東京ドームで巨人を相手に5勝1敗で、4月10日から4連勝中。ヤクルトが同球場で5連勝したのは、97年6月3日~7月2日の1度だけ。25年ぶりの東京ドーム5連勝となるか。

◆侍ジャパン栗山英樹監督(61)が巨人-ヤクルト戦の視察に訪れた。来春WBCの代表メンバー選考へ向けた公式戦視察をスタート。初日のこの日は吉村禎章打撃コーチ(59)らコーチ陣とともに、巨人の試合前練習時にグラウンドへ現れた。栗山監督は一塁側ベンチ前で巨人原監督と約40分にわたり話し込んだ。その間に、日本ハム時代の教え子である中田があいさつに訪れると、グータッチ。「頑張れよ」と声をかけていた。ヤクルトの練習が始まると、高津監督とも話し込んだ。村上、中村、山田らとも言葉を交わしていた。

◆巨人坂本勇人内野手(33)が、松井稼頭央に並ぶ歴代9位タイの通算411二塁打を決めた。1点を先制された直後の1回、吉川、ウォーカー、丸、岡本和と4連打で逆転に成功し、なお無死一、二塁。追い込まれながらも、ヤクルト高橋の134キロチェンジアップに体勢を崩しながら食らいつき、三塁線を破る適時二塁打とした。破竹の5連打目で、また1つ記録を更新した。坂本は「追い込まれてからチェンジアップにうまく対応出来ました。良い流れに乗れてよかったです」と振り返った。

◆巨人大城卓三捕手(29)が2戦連発の5号ソロを左中間スタンドに運び、リードを3点に広げた。3-1で迎えた4回無死。ヤクルト高橋の148キロの直球を逆方向へ運んだ。「戸郷が頑張っているので、良い追加点になってよかったです」先発戸郷が1回に1点の先制を許したが、直後の攻撃で1番吉川からの5者連続安打で3点を奪って逆転。3番丸、4番岡本和、5番坂本は3者連続の適時打となった。首位ヤクルトとは前回3連戦(神宮)で、1戦目6-16、2戦目19-5、3戦目10-11と打ち合いの試合が続いた。打線が逆転した直後から粘りの投球を続ける右腕を、女房役がバットで援護した。

◆巨人戸郷翔征投手(22)が、13・5ゲーム差で追う首位ヤクルトとの3連戦初戦で、粘りを見せた。1回にヤクルト塩見、山崎の連打で無死一、三塁とされ、山田の左犠飛で早々と先制を許すも、最少失点で踏ん張った。直後、打線の3点の援護で逆転すると、以降は120キロ台のカーブを織り交ぜながらテンポ良くスコアボードに0を刻んだ。4四死球を与えながらも、6回を4安打1失点の5奪三振で、8勝目の権利を得て降板。「もう少し長いイニングを投げたかったですが、何とか粘ってリードを守ったままバトンを渡せた事はよかったです」と119球の投球を振り返った。

◆2位巨人が逆転でヤクルトを破り、優勝マジック51からのカウントダウンを許さなかった。侍ジャパンの栗山英樹監督が視察に訪れた一戦。1回に1点の先制を許したが、直後の攻撃で1番吉川尚輝内野手からの5連打で3点を奪って逆転した。吉川が、今季3戦3敗と苦手にするヤクルト高橋のチェンジアップを捉えた右前打で口火を切ると、ウォーカーはカーブを右前に運んで続いた。無死一、二塁から丸佳浩外野手が高めに浮いたチェンジアップを引っ張り「いい所に飛んでくれたし、同点になってよかったです」と右前への同点適時打。さらに4番岡本和真内野手も初球のチェンジアップを左前にはじき返す適時打で続き、逆転に成功した。「良い流れの中、打席に入ることが出来ました」と感謝した。この回の攻撃は、東京五輪で金メダル獲得に貢献した主将坂本勇人内野手が、記録的一打で締めくくった。なお無死一、二塁、追い込まれながら、チェンジアップに体勢を崩されながら食らいつき、三塁線を破る適時二塁打。破竹の5連打目で、松井稼頭央に並ぶ歴代9位タイの通算411二塁打を決めた。「追い込まれてからチェンジアップにうまく対応出来ました。良い流れに乗れてよかったです」と言った。4回は大城卓三捕手の2戦連発の5号ソロで追加点を挙げた。ヤクルトとの前回対戦の6月24日からの3連戦(神宮)では、両軍合わせて67得点、18本塁打が飛び出す歴史的な乱打戦が繰り広げられた中、先発の戸郷翔征投手は6回を4安打1失点にまとめ、8勝目を挙げた。負けられない3連戦初戦。14カード連続勝ち越し中のヤクルトに、7カード連続勝ち越しなしの巨人が勝利した。

◆2位巨人が逆転でヤクルトを破り、優勝マジック51からのカウントダウンを許さなかった。

◆ヤクルトは初回の失点が痛かった。1点を先制したその裏、高橋が先頭から5連打で3失点。いずれも変化球を打たれた。2回以降は立ち直ったが、打線が追加点を奪えなかった。高津臣吾監督は「立ち上がりが、あまり得意なピッチャーじゃない。不運なヒットも出たけど、課題が出たかな。(変化球を打たれ続け)すごく研究されているなと思いました」と指摘。連勝は2で止まり、マジックは51のままだ。▽ヤクルト高橋奎二(5回1/3、8安打4失点で2敗目)「初回の立ち上がり、変化球が浮いてしまい、それを打たれる形になってしまった。2回以降は少しずつ修正していきましたが、6回途中でマウンドを降りてしまい申し訳ないです」○...山田が初回に先制犠飛を放った。先頭からの連打で無死一、三塁、巨人戸郷から左翼へ打ち上げ、きっちり仕事を果たした。栗山監督は「長くはしゃべれなかったけど、元気そうだったので、すごく良かったです」と目を細めた。○...村上は2打数無安打。2年連続となる両リーグ最速30号本塁打はお預けとなった。それでも、相手バッテリーの警戒は最高レベル。初回、6回と2四球を選んだ。栗山監督は「ここから、もっともっと上にいける選手だと思っている。突き抜けた数字を出してくれると信じている」と高い信頼を寄せた。○...中村は初回、6回と好機に凡退した。だが、3点を追う9回1死から左前打。敗れはしたが、巨人の守護神・大勢相手に見せ場は作った。栗山監督は、中止にはなったが3月の台湾との強化試合で中村を代表に呼んだ。扇の要の候補として、引き続き注目していく。

◆今季は「脱皮」の年-。巨人戸郷翔征投手(22)が、前回対戦(6月26日)で3回途中6失点でKOされたヤクルト打線を6回1失点に封じ、優勝マジック51からのカウントダウンを許さなかった。昨季の前半戦に並ぶリーグトップタイの8勝目を挙げ、初の2ケタ勝利へ前進。打線は1点先制された直後の1回に1番吉川尚輝内野手(27)からの5連打で逆転。14カード連続勝ち越し中のヤクルトに、7カード連続勝ち越しなしの巨人が先勝した。魂を込めた。戸郷が心と体のギアを1段上げた。3点リードの6回2死三塁。「球数もいってましたし、ラスト(イニング)だと思った。いい投球がなかったので、何とか1球1球、魂を込めて、粘り強くいこう」と持ち味の直球で攻めた。体が浮き上がるほどのダイナミックなフォームで押し、最後はこの日最速タイの151キロで遊飛に仕留めた。6回4安打1失点。首位ヤクルトを相手に、借りを返した。3回途中6失点と今季最短KOを食らった前回対戦(神宮)の記憶がこびりつく。立ち上がりは連打と犠飛で早々に先制される嫌なムードが漂った。「前回の試合を引きずっていた部分があった」。それでも桑田投手チーフコーチの「(左)肩が開いてるぞ」というアドバイスから修正。「やり返してやるぞって気持ちで来ました」と、たぎる思いを投球にぶつけた。今季こそ、過去の自分から「脱皮」する。2年連続2ケタ勝利目前の9勝。オフ期間から追い込んだ。自主トレは地元の宮崎でも、実家のある都城市から約130キロ以上離れた延岡市内のホテルに滞在。同市にある母校・聖心ウルスラ学園で汗を流した。大好きな「モモコ」と「アズキ」の猫2匹に会う時間も惜しんだ。「かわいいから会いたい。でも、休んでる暇はない。年に1、2日しか会わないから顔も忘れられてます」と自虐的に笑う。母ヒトミさんとの電話口から聞こえる2匹の鳴き声が、楽しみだった。侍ジャパンの栗山監督が視察する中で、リーグトップタイの8勝目。チームを支える獅子奮迅の活躍の先に、新しい領域も見えてくる。「今は1つ1つゲームをこなすだけですけど、いずれはそういうところを目指しながらやっている。選ばれるように強気な投球をしていきたい」。"未来のエース"が"未来"にまた1歩、近づいた。【小早川宗一郎】▼巨人は初回、1番吉川から5番坂本まで5者連続安打を放って逆転勝ち。巨人が初回先頭打者から5連打は97年6月6日中日戦で1番後藤→2番仁志→3番松井→4番広沢→5番清水が記録して以来、25年ぶり。巨人の連続安打で思い出すのが96年7月9日広島戦の9連打。11ゲーム差で迎えた首位広島戦の2回に記録し、ここから巨人の逆襲が開始。最大11・5ゲームあった差をひっくり返して優勝したが、今年も「連打」から逆襲が始まるか。▽巨人大城(2点リードの4回先頭、左中間への2戦連発の5号ソロ) 初球から積極的に打ちにいけていることが、好調の要因だと思う。久しぶりに逆方向に打てたので、うれしかったです。▽巨人メルセデス(発熱で登板回避した影響で、中13日で臨む6日ヤクルト戦へ) 気持ちでは絶対に負けないように、自分の投球をすることに集中して頑張ります。オウエンヨロシクオネガイシマス!

◆2位巨人が逆転でヤクルトを破り、優勝マジック51からのカウントダウンを許さなかった。1回に1点先制された直後、1番吉川尚輝内野手(27)からの5連打で逆転。先発の戸郷翔征投手(22)は6回4安打1失点で8勝目を挙げた。試合後の原辰徳監督(63)の一問一答は以下の通り。-初戦を取ったまあ、そうですね。そんなに誇れるとは思いませんが、3連戦の初戦を取れたのは大きいと思います。-(8回を1イニング無失点に抑えた)平内も気持ちが入っていたいやあ、何となく集中力というかね、シンプルな中に彼の良さが出つつあるなと思いますね。-戸郷が1失点で粘った粘ったというところはあるでしょうけど、やや、反省するところも当然、あるでしょうし。まあ、しかし、この前、神宮のピッチングからいくと良かったと思いますね。本人もさらに成長していってくれると思います。-攻撃面では初回5連打。なかなかありそうでない攻撃だと思います。欲を言えば6番7番がね。あそこでもう1点というのはありますけどね。我々はベンチにいると欲というものが強くでるものでね。まあ、そういう意味では5番まで良いバッティングをしてくれた。-明日の戦いについて戦い方というか、そういうものは浸透しているわけで。それをいかに役割を全うするか。我々もかなり試合数をやっているわけで、分かっている。しかし分かっていても相手がいる部分で勝負は難しいんですけど。まあ、奮起の中で期待をして送り出したいと思います。-大城も2試合続けていいホームランだったうん、ねえ。2試合? 続けてだ。そう言われればそうだ。1日寝ちゃうと忘れちゃうんだよね(笑い)。この年になると。日々新ただからさ。-新外国人クロールを獲得早く来日できる状況でね、早く一緒にユニホームを着て、戦える環境になればいいなと思いますね。(左の)リリーバーが、外国人選手がいないわけでね。それはちょっと計算にないという点で、球団が努力していただいて、とっていただいたというところですね。

◆視察に訪れた侍ジャパン栗山英樹監督(61)が巨人中田翔内野手(33)に"喝"を入れた。試合前の練習中、グラウンドで日本ハム監督時代の教え子と再会しグータッチ。しばらく話し込み、最後は「頑張れよ」と声をかけた。「ファイターズのころと同じように、思い切り、言いたいことを言いました。『何してんねん!』と、かなりハッパをかけました。ああやって、長嶋さんに見に来ていただいたりとか、原監督もここまで期待をしてやってくれているとか、ジャイアンツが何とかしようとしてくれているとか、そういったことを男として、感じて欲しい。俺は能力があると思ってここまで進んできたつもりなのでね。いろんなことがあったんだけど、本当に野球で恩返しするんだと思ってやってきている」と思いを語った。中田は1安打を放ったが、初回の好機では凡退した。栗山監督は「今も上(の席)で一番文句を言っていたのはそこの打席でした」と笑みを交え、明かした。

◆巨人は1点先制された直後の1回に、今季3戦3敗のヤクルト高橋奎二に5連打を浴びせて逆転した。1、2番の連打で無死一、二塁のチャンスをつくると、3番丸は高めに浮いたチェンジアップを右前に同点適時打。岡本和の左前適時打、さらに坂本の左翼線二塁打と3者連続の適時打で3点を奪った。原辰徳監督は「なかなかありそうでない攻撃。(高橋は)変化球がちょっと甘かった。少しスキがあったところに、打線がかみついたというところじゃないでしょうか」と評した。

◆野球日本代表「侍ジャパン」の栗山英樹監督(61)が視察に訪れ、試合前練習中に巨人・原辰徳監督(63)や日本ハムでともに戦った中田翔内野手(33)と言葉を交わした。中田は一塁側ベンチ前で原監督と話す栗山監督を見つけるや、駆け寄ってあいさつ。満面の笑顔で再会を喜んだ。練習後も再び栗山監督の前に姿を現し、2人で談笑した。中田は栗山監督が日本ハムを率いていた昨季途中に同僚選手への暴行がきっかけで巨人へ移籍。今年2月の巨人の宮崎キャンプでも視察に訪れた栗山監督から厚く激励された中田は当時、「『野球で恩返ししような』と言葉をかけてもらった。元気そうでよかった。すごくうれしかった」と話していた。

◆巨人・坂本勇人内野手(33)が通算二塁打数でプロ野球歴代9位タイに浮上した。「5番・遊撃」で先発した主将は一回無死一、二塁で、ヤクルトの左腕、高橋から左翼線を破る適時二塁打。これで通算411二塁打とし、少年時代のあこがれでもある松井稼頭央(現西武ヘッドコーチ)の411本に並んだ。そして同8位は〝ミスター・ジャイアンツ〟長嶋茂雄の418本。同1位は立浪和義(現中日監督)の487本となっている。

◆セ・リーグ2位の巨人が、一回から鮮やかな猛攻を見せ、首位ヤクルト先発の高橋を攻め立てた。1点を先制された直後。先頭の吉川が右前打で出塁すると、続くウォーカー、丸、岡本和、坂本と5連打で一挙3得点。〝集中攻撃〟ですぐに勝ち越した。「TOKYOシリーズ」として開催され、人気TVアニメ「東京リベンジャーズ」とのコラボレーションした一戦。ヤクルトに13・5ゲーム差をつけられている巨人が、試合の主導権を奪い返した。

◆巨人のクリストファー・メルセデス投手(28)が6日のヤクルト戦に先発する。6月28日の中日戦(山形)で先発が見込まれていたが、発熱のため回避していた。復調した左腕は中13日で登板。試合前の練習でキャッチボールなどで調整し「気持ちでは絶対に負けない。自分の投球に集中して勝てるように頑張る」と気を引き締めた。

◆「8番」で出場した巨人・大城卓三捕手(29)が2点リードの四回に2戦連発となる5号ソロを放った。高橋が外角高めに投じた148キロの直球を逆らわずに左中間席へ。「(先発の)戸郷が頑張っているので、追加点になってよかった」と汗を拭った。

◆ヤクルトに今季途中加入した新外国人のパトリック・キブレハン外野手(32)=前ホワイトソックス傘下3A=が代打で初出場した。1―4の七回1死走者なし。カウント2―2から巨人・今村が投じたフォークボールにハーフスイングし、空振り三振となった。

◆思わぬ形で集中打を浴びた。ヤクルト先発の高橋奎二投手(25)が一回に5連打を浴び3失点。課題の立ち上がりで制球は安定していたが、巨人打線にチェンジアップをマークされた。先頭の吉川には直球、スライダー、直球の後に投じたチェンジアップを捉えられ右前打。続くウォーカーにはスライダーを右前に運ばれ、一、二塁。丸には直球を2球続けた後のチェンジアップを体勢を崩すことなく右前へ運ばれ先制適時打とされた。無死一、二塁とピンチは続き4番・岡本和にも初球のチェンジアップを捉えられ左前適時打。さらに一、三塁から坂本にも直球、スライダー、直球、直球と続けた後のチェンジアップを三塁線を破る二塁打とされた。150キロに迫る直球と緩急をつける130キロ台中盤のチェンジアップが投球の軸だが、投じたチェンジアップに巨人打線はタイミングを崩すことなくことごとく捉えた。1―3の四回には大城に直球を左中間席に運ばれ、痛恨の4点目を失った。今季はプロ初完封を東京ドームの巨人戦で達成するなど「ドームのほうが涼しいので投げやすい」と話していた高橋。中10日の間隔を空けての登板だったが、試合序盤につまずいた。政府の節電要請を受け、この日から自家発電の稼働と夜間照明の一部消灯などを組み合わせて、電力消費量を削減した東京ドーム。高橋は省エネピッチとはいかず、六回途中で106を投げ8安打4失点。7勝目はならず、悔しいマウンドとなった。(横山尚杜)

◆鮮やかな猛攻で襲いかかった。1点を先制された直後の一回。ヤクルト先発の高橋から怒濤(どとう)の5連打で3得点を奪った。先頭の吉川、ウォーカーが右前打で出塁し、好機を演出。3番・丸の右前適時打に続き、岡本和が勝ち越しの左前適時打、坂本が三塁線を破る適時二塁打を放った。集中攻撃の5連打目を放った坂本は「追い込まれてからチェンジアップにうまく対応できた」とうなずいた。流れに乗った主将は、またも記録を更新した。3点目を挙げる一打で通算二塁打は411本。松井稼頭央(現西武ヘッドコーチ)に並ぶ歴代9位タイに浮上した。3日の広島戦(マツダ)では昨年9月15日以来となる2打席連発で連敗を止めた背番号6が、この日もバットでチームを鼓舞した。本拠地に首位・ヤクルトを迎え入れての直接対決3連戦。負けられない東京決戦第1ラウンドの先発を託された戸郷は、堂々たる投球でヤクルト打線を封じ込んだ。一回に無死一、三塁で山田の犠飛で先制点を献上したが、三回以降は1安打しか許さず。6回4安打1失点でバトンタッチした。前回6月26日の同戦では、今季最短の三回途中6失点でKOされていた右腕が、リベンジを果たした。(樋口航)

◆巨人は0―1の一回に丸、岡本和の適時打と坂本の適時二塁打など5連打で3点を奪い、四回に大城のソロで加点した。戸郷は6回1失点でリーグトップに並ぶ8勝目、大勢が24セーブ目。ヤクルトは高橋が六回途中4失点と崩れた。

◆セ・リーグ2位の巨人は2連勝を飾った。大城卓三捕手(29)が2点リードの四回に左中間席へ5号ソロを放った。3日の広島戦(マツダ)に続く2戦連発に、原辰徳監督(63)は目を細めた。「良さが出ていると思います。吹っ切れた感があると思いますね」守っては4投手リレーを1失点に導く好リードを見せた大城。6月には打撃不振でプロ入り後自身初の2軍調整を命じられた。下半身を鍛え直す「ミニキャンプ」を経て、再昇格後は45打数15安打の打率・333、3本塁打となり、復調気配を漂わせている。報道陣から2戦連発と聞いた指揮官は「そう言われればそうだ。1日寝ちゃうと忘れちゃうんだよね、この年になると。日々新ただからさ」とおどけたが、正捕手候補の好打が戻ったことに安堵の表情を浮かべた。

◆巨人打線が鮮やかにつながった。1点を先制された直後の一回。1番・吉川の右前打を皮切りに5連打を放ち一挙3点を奪った。三塁線を破る適時二塁打をマークした坂本は、これでプロ野球歴代9位タイの通算411二塁打。少年時代の憧れでもある松井稼頭央に並び「流れに乗れて良かった」と汗を拭った。首位を走るヤクルトの先発・高橋には、今季3戦3敗を喫していた。球が高めに浮いた立ち上がりを攻めて土をつけ、ゲーム差を12・5とした。1996年は首位・広島とのゲーム差が最大11・5まで開いたが、7月9日の広島戦(札幌円山球場)から反撃。9者連続安打の猛攻で打ち勝ち、逆転優勝「メークドラマ」の契機となった。「ありそうでない攻撃。5番までいいバッティングをしてくれた」と原監督。かつての逆転劇のように、死に物狂いで燕の背中を追う。(鈴木智紘)

◆野球日本代表「侍ジャパン」の栗山英樹監督(61)が視察に訪れ、試合前練習で、日本ハム監督時代にともに戦った中田翔内野手(33)を激励したことを明かした。「ファイターズにいた頃と同じように、思い切り言いたいことを言いました。何してんねん!とかなりハッパをかけました」一塁側ベンチ前で原監督と話す栗山監督のもとに中田が駆け寄ってあいさつ。練習後も再び2人で談笑。新天地で踏ん張る中田へ、栗山監督は「(2軍調整時に)長嶋さんに見に来ていただいたりとか、原監督もここまで期待をしてやってくれているし、ジャイアンツが何とかしようとしてくれている。そういったことを男として感じてほしいし、俺は能力があると思ってここまで進んできたつもりなのでね」とエールを送った。中田は栗山監督が日本ハムを率いていた昨季途中に同僚選手への暴行がきっかけで巨人へ移籍。今年2月の巨人の宮崎キャンプでも視察に訪れた栗山監督から激励された中田は当時「『野球で恩返ししような』と言葉をかけてもらった。元気そうでよかった。すごくうれしかった」と話していた。中田はこの日の試合は「7番・一塁」でスタメン出場し、4打数1安打だった。

◆(セ・リーグ、巨人4―1ヤクルト、13回戦、ヤクルト7勝6敗、5日、東京D)巨人打線がつながり、1点を先制された直後の一回、1番・吉川の右前打を皮切りに5連打を放ち一挙3点を奪った。この集中打が効いて4―1で快勝した。 【データBOX】巨人が一回先頭から5者連続で安打を放ったのは、1997年6月6日の中日戦(ナゴヤドーム)以来25年ぶり。このときは後藤孝志の先頭打者本塁打→仁志敏久の単打→松井秀喜の二塁打→広沢克の単打→清水隆行の単打などで一回に4点を奪い7-3で勝利した。

◆〝リベンジ投〟だ!! 巨人は5日、ヤクルト13回戦(東京ドーム)に4-1で勝利し、2連勝を飾った。先発の戸郷翔征投手(22)が6回1失点でリーグトップタイの8勝目をマーク。前回6月26日の同カード(神宮)で6失点KOと苦杯をなめさせられた難敵にやり返した。最大13・5ゲーム差からの大逆転Vへ、チームの勝ち頭に成長した右腕を中心に反撃を開始する。) 雪辱を果たし、すがすがしい表情を浮かべた。戸郷が中4日で登板した前回、三回途中までに6点を失った打線を封じて8勝目を挙げた。「前回、野手の方たちがたくさん点を取ってくれて始まった試合を落としてしまった。絶対にやり返してやるという気持ちだった」一回に山田の犠飛で先制されたが、失点はこの1点だけだった。二回以降は2安打投球。4―1の六回は無死一、二塁から中村を二ゴロ併殺打、続くオスナはこの日最速の151キロの速球で遊飛に仕留めた。 不良学生たちのバトルに時間跳躍SFを絡めた人気アニメ『東京リベンジャーズ』とコラボして行われた一戦。29本塁打、78打点で2冠を走る4番・村上に2四球を与えたが、安打は許さなかった。「中軸が全て。村上さんを何とか抑えるために試合に臨みました」。打線を機能させず、勝利を呼び込んだ。異例の猛暑日が続く日本列島。政府の節電要請を受け、東京ドームはこの日から電力消費を49%削減した。試合時間は2時間53分で、午後8時55分に終了。普段より薄暗い本拠地のお立ち台に立った背番号20が一層、輝いた。「神宮の投球から比べると良かった」と原監督。首位・ヤクルトとのゲーム差は12・5と依然として厳しいが、戸郷は「目の前の試合を粘りながら、ゲームをつくっていければ」と前を向く。東京リベンジャーズに登場する不良集団『東京卍會』の総長、マイキーこと佐野万次郎の決めゼリフ「日和ってる奴いる?」と言わんばかりに、チームを奮い立たせた。奇跡の大逆転Vを誰も諦めていない。(樋口航)

◆流れに乗り切れなかった。優勝へのマジックナンバー「51」が点灯している首位・ヤクルトは、先発の高橋奎二投手(25)が一回に集中打を食らった。「立ち上がりがあまり得意な投手ではない。少し不運なヒットもあったんだけど、課題のところが出たかなと。やっぱりすごく研究されているなと感じました」高津監督は課題を露呈した左腕に奮起を促した。チームトップタイの6勝を挙げている高橋に対し、巨人打線は武器の直球ではなく変化球にアジャスト。1番・吉川から5連打を浴びた。打線も前回対戦で6点を奪った巨人先発・戸郷から一回に山田の左犠飛で先制した以降は追加点を奪えず。村上は勝負を避けられ、六回は先頭から連続四球で無死一、二塁としたが、中村が二ゴロ併殺打、オスナが遊飛に倒れた。「少しでも追いつく点が取れていたらとは思いますけど、なかなか打てなかった」と指揮官は肩を落とした。マジックは「51」のまま。5月10―11日から連敗知らずのスワローズは15カード連続の勝ち越しを狙っている。高津監督は「毎回勝てる努力は怠らず、いろいろ勉強して備えたい」と前を向いた。(赤尾裕希)

◆巨人は久々にまともな、納得のいく勝ち方をした。浮上していく希望を、少しは持てた。一回先頭から、めったにない5連打。見事なつなぎだ。大振りが目についたヤクルト打線とは対照的。相手先発・高橋は立ち上がり、直球が定まらず、変化球に頼っていた。それが浮いたところを、逃さなかった。どんな好投手でも、甘い球は来るもの。無理にデカいのを狙わず、ミート中心でいけば、こういう結果にもなる。謙虚さを忘れたらいけない、ということだ。基本的に巨人は強力打線なんだ。その姿勢を忘れなければ、他チームに与える脅威は増すよ。投手陣も、スムーズにつながった。先発・戸郷が粘って1失点。できればあと1イニング、七回までいければよかったけど、懸案の中継ぎ陣が七回、八回を三者凡退。大勢にバトンを渡した。あとはこの白星を、今後につなげていくことだ。どうせなら、CSの予行演習として、自分たちで勝手に「天王山」と銘打ったらどうかな。なんとしてもここで、ヤクルトを3タテしておきたいね。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
52251 0.675
(↓0.009)
M51
(-)
65356
(+1)
268
(+4)
95
(-)
54
(-)
0.257
(↓0.001)
3.030
(↓0.02)
2
(-)
巨人
42400 0.512
(↑0.006)
12.5
(↑1)
61326
(+4)
345
(+1)
90
(+1)
37
(-)
0.249
(-)
3.780
(↑0.04)
3
(-)
広島
37393 0.487
(-)
14.5
(↑0.5)
64294
(-)
298
(-)
39
(-)
14
(-)
0.256
(-)
3.460
(-)
4
(-)
阪神
36422 0.462
(-)
16.5
(↑0.5)
63271
(-)
241
(-)
53
(-)
63
(-)
0.237
(-)
2.820
(-)
5
(-)
DeNA
33400 0.452
(-)
17
(↑0.5)
70259
(-)
311
(-)
56
(-)
26
(-)
0.252
(-)
3.850
(-)
6
(-)
中日
32440 0.421
(-)
19.5
(↑0.5)
67221
(-)
301
(-)
40
(-)
24
(-)
0.247
(-)
3.800
(-)